【実施例】
【0050】
例: 一般
トリメチロールプロパン(TMP)の硫酸着色度
1.範囲
この方法は、トリメチロールプロパン(TMP)の硫酸着色度を測定するために使用する。結果は、ガードナーカラー単位で報告する。
2.利用可能な文献
1.Sartomer Company; Standard Test Method #183, revision 1; May 1990(非特許文献4)
3.方法の概要
TMPとトルエンとの混合物を攪拌しながら60℃に加熱する。次いで、トルエン相をデカントし、そして少体積の硫酸と混合する。次いで硫酸をトルエンから分離し、そしてTMPの“硫酸着色度”を、硫酸のカードナーカラーを測定することによって決定する。
4.装置
1.Hach DR/4000分光光度計、またはこれと同等の装置。
【0051】
2.ガラス製分光光度計サンプルセル、マッチドセット、1cmパス。
【0052】
3.ホットプレート/マグネチックスターラー、またはサンプルを攪拌しながら62±2℃に加熱できる同等のデバイス。
【0053】
4.ガラスビーカー、約150〜250ml。
【0054】
5.±0.1gまたはより高精度に測定可能な分析用天秤。
【0055】
6.メスシリンダー、50ml。
【0056】
7.タイマー。
【0057】
8.分液漏斗、約125ml、サポートラック付き。
【0058】
9.25mlメスシリンダー、または硫酸を測定できる類似の器具。
5.試薬。
【0059】
1.トルエン、A.C.S.試薬等級またはより高級の等級品、≦1ガードナー単位の硫酸着色度を有する。
【0060】
2.硫酸、A.C.S.試薬等級またはより高級の等級品。
6.安全性
1.ヒーター付近で作業する場合は火傷の恐れがあるので注意するべきである。
【0061】
2.化学品を用いて作業する場合には適切なPPE(個人用保護具)を常に着用すべきである。
【0062】
3.濃硫酸は非常に腐食性である。トルエンは可燃性である。トルエン蒸気の吸入は避けるべきである。予防措置及び本方法で使用する化学品を取り扱うための更に別の指示について然るべきMSDSを参照されたい。
7.手順
注: 本方法は技術によって左右される(technique sensitive)。一貫した結果は、全ての体積、温度などが正確に測定されていない限り得られない。最終の色は安定していないため、攪拌、振盪及び沈降についての規定の期間は正確に守らなければならない。
【0063】
1.天秤を用いて、10.0gのTMPをビーカー中に秤量する。
【0064】
2.46.2mlのトルエン及びマグネチックスターラーバーをビーカーに加える。このTMP/トルエン混合物を、マグネチックスターラーで混合物を急速に攪拌しながら、62±2℃に加熱する。
3.サンプルを60〜64℃で5.0分間攪拌する。
【0065】
注1:混合物の温度を64℃超にならないようにする。
【0066】
注2:全てのTMPが溶融した時に、上記の5.0分間の処理を開始する。
4.スターラーを停止し、そして熱源から混合物を取り除く。TMPが沈降/分離したら直ぐに、37.5mlのトルエンをメスシリンダーにデカントする。
5.上記メスシリンダーから分液漏斗にトルエンを移し、そして12.5mlの濃硫酸をこの分液漏斗に加える。
6.この漏斗に栓をし、そして30±5秒間激しく振盪する。圧力を解
放するために必要ならば漏斗をガス抜きする。
7.このトルエン/硫酸混合物を4.0分間沈降させる。分液漏斗から十分な硫酸を1cmUVセルに排出して、ガードナーカラー測定を行うためのチューブを十分に満たす。
【0067】
注: 段階6の不十分な振盪は、低い硫酸着色度の結果を招く。段階7で規定した4.0分間内に分離しないトルエン/硫酸エマルションが生じた場合には、分析を繰り返し、段階6の時に激しさを比較的弱めにしてサンプルを振盪する。
8.UVセルの外側表面が清潔で乾燥していることを確実にする。
9.UVセルを満たした直後に硫酸のガードナーカラーを測定する。Hach DR/4000の場合には、手順は次の通りである:
a)装置のスイッチを入れ、スタートアップルーチンを完了させる。
【0068】
b)Hach Method1664“カラー,ガードナー”を選択する。
【0069】
c)標準のセルホルダが正しい位置に取り付けられているので、それに空のUVセルを差し込み、そして“ゼロ”を押す。
【0070】
d)装置をゼロ値に合わせた後、空のセルを取り出し、サンプルセルを差し込み、そして“リード”を押す。
ハンダーラブカラークエスト装置の使用
測色計からのガードナーカラー(HunterLab Color quest)の読み取り
a)ソフトウェアーのツールバーの“センサー”をクリックし、そして“標準化”を選択する。
【0071】
b)次のウインドウで、“UVアウト”をクリックし、そして“OK”をクリックする。
【0072】
c)サンプル室に黒色のカードを、これが光路を完全に塞ぐように置く。
【0073】
d)使用者に黒色のカードをサンプル室に置いたかどうかを尋ねるスクリーンで“OK”をクリックする。
【0074】
e)“OK”をクリックし、そしてサンプル室から黒色のカードを取り除き、そしてサンプルチューブ用に設計されたサンプルホルダに置き換える。
【0075】
f)ホルダにブランクサンプルチューブを置く。このブランクサンプルチューブは、0.1N HClのみを含むべきである。
【0076】
g)使用者に白色のタイル(white tile)を反射ポート(reflectance port)に置いたかどうかを尋ねるスクリーンで“OK”をクリックする。
【0077】
h)もう一度“OK”をクリックする。
【0078】
i)読み取るべきサンプルチューブをサンプルホルダに置く。サンプルチューブ中の材料が光路中に完全に見えることを確実にする。
【0079】
j)“リードサム(Read SAM)”をクリックする。
【0080】
注:サンプルは、サンプルの読み取りの前に測色計のサンプル室内になければならない。
【0081】
k)スクリーンの指定域にサンプル名をタイプし、そして“OK”をクリックする。
【0082】
l)結果が、“ガードナー10mm”の下にスクリーン上に表示される。
【0083】
m)追加のサンプルを読み取るために段階I〜Kを繰り返す。
【0084】
n)段階A〜Hに従い20mmセル用に測色計を再標準化し、この際、脱イオン水を含む20mmセルが白色タイルに使用されることを確実にする。
8.報告
分光光度計の表示スクリーン上に示されたガードナーカラー値を用いて、硫酸着色度を一つまたはそれ以上の然るべき箇所に記録する。
9.品質
1.“ブランク”は、試薬の新しいボトル(トルエンまたは酸のいずれか)を最初に使用するときは必ず分析すべきである。以上に概要を示した手順に従うが、但しセクション7の段階1は省略する。ブランク用には、セクション7の段階7で得られる溶液は≦1のガードナー単位の色を有するべきである。ブランクが>1の場合には、新しいブランクを調製するか及び/またはより良い試薬を入手する。
【0085】
2.分析の確度及び精度は、この方法には未だ確定していない。
【0086】
3.この方法は、今回は、統計的プロセス制御によって監視していない。
ガードナー比色装置及び測色計を用いたポリオールの反応性色(Reactive Color)
1.範囲
この方法は、200℃で30分間、無水フタル酸と反応させた時の、ネオペンチルグリコール、ペンタエリトリトール及びトリメチロールプロパンのガードナーカラーの測定手順を記載する。
2.利用可能な文献
a) ASTM, Annual Book of ASTM Standards(1987),Section 6,Volume 6.03(Paint) Standard D 1544−80, pages 284−286(非特許文献1)
b) ASTM,
Annual Book of ASTM Standards(1961),Section 8,Standard D 1544−58T, pages 728−30(非特許文献2)
c) “Calibration of HunterLab Color QUEST for Gardner Color”, SJM 07−97(非特許文献3)
3.方法の概要
この方法は、測色計及び比色装置の両方によってカードナーカラーを測定するための手順を記載する。
4.装置
a) カラーホイールを備えたカードナー/へリッジバーニッシュ(Hellige Varnish)比色装置。カラーホイールは1〜9のガードナー単位を有する。
【0087】
b) サンプルチューブ、13×100mm。
【0088】
c) ハンターラブ測色計または同等の装置。
【0089】
d) コンピューター。
【0090】
注: この方法で使用したソフトウェアーは、ハンターラブユニバーサルソフトウェアーである。
【0091】
e) ヒューレットパッカードディスクジェット500プリンターまたは同等の装置
f) 温度を200±5℃に制御可能な加熱ブロック。
【0092】
g) 振動ミキサー。
【0093】
h) タイマー。
【0094】
i) サンプルチューブホルダ。
5.試薬
無水フタル酸、ACS試薬等級(99%+)。
6.安全性
a)重大な火傷を招く恐れがあるので、加熱ブロック付近で作業する場合には注意すべきである。
【0095】
b)化学品を用いて作業する時には必ずグローブを着用すべきである。
【0096】
c)予防措置、及びこの方法で使用する化学品の取り扱いに関しての更なる指示についてはMSDSを参照されたい。
7.手順
a)全てのサンプルについて、先ずサンプルをチューブに入れ、その後、無水フタル酸を入れ、これが最終的には上側になる。
【0097】
b)TMPサンプルについては、サンプルと無水フタル酸とを約1:1の比率、好ましくはそれぞれ1.2gの量でサンプルチューブに入れる。注:T204残渣などのサンプルの場合は、過剰のPA、約1.3g〜1.0gのサンプルを使用し、装置を読み取りの状態にした後に、示度に1.22を掛けて最終の結果とする。
【0098】
c)NPGサンプルの場合には、1.6gのPA及び1.0gのサンプルを計り取ることによって過剰のPAを使用する。装置示度に1.3を掛ける。付属書Aは使用せずまたは如何なるファクターも引かない。
【0099】
d)サンプルチューブを加熱ブロック中に置く。温度が200±5℃となることを確実にする。
【0100】
e)タイマーを30分にセットする。
【0101】
f)サンプルチューブを加熱ブロック中に10分間置いておく。その後、サンプルチューブを加熱ブロックから取り出し、そしてこのサンプルチューブを振動ミキサーの上に置く。サンプルが十分に混合されるまで攪拌する。サンプルの混合時に渦巻き流(vortex)が観察されることを確実にする。良くも悪くもない読み取りを招く恐れのある回転流(swirl)も生じ得るので、これにも注意すべきである。
【0102】
g)サンプルチューブを、残りの20分間、再び加熱ブロック中に入れる。
【0103】
h)30分の反応時間の後、サンプルチューブを加熱ブロックから引き抜き、そしてこのチューブを、DI水で満たしたトレー中に置くことによって冷却する。このトレー中に5分間置く。水がサンプルチューブ内に入り込まないことを確実にする。5分後、測色計によって読み取る。ビーカーの側面に触れる時に水道水が低温であり、温かくないように注意されたい。水を取り替える必要がある場合もある。
【0104】
i)サンプルチューブの外側を拭って、反応からの材料を除去する。
測色計からのカードナーカラーの読み取り:
a.ソフトウェアーのツールバー上の“センサー”をクリックし、そして“標準化”を選択する。
b.次のウインドウで、“UVアウト”をクリックし、そして“OK”をクリックする。
c.黒色のカードを、これが光路を完全に塞ぐようにサンプル室内に入れる。
d.使用者に、黒色のカードをサンプル室内に入れたかどうかを尋ねるスクリーンで“OK”をクリックする。
e.“OK”をクリックし、黒色のカードをサンプル室から取り出し、そしてサンプルチューブ用に設計されたサンプルホルダと入れ替える。
f.ブランクサンプルチューブをホルダに入れる。このブランクサンプルチューブは0.1N HClのみを含むべきである。
g.使用者に、白色のタイルを反射ポートに置いたかどうかを尋ねるスクリーンで“OK”をクリックする。
h.再び“OK”をクリックする。
i.読み取るべきサンプルチューブをサンプルホルダ中に入れる。サンプルチューブ中の材料が、光路中に完全に見られることを確実にする。
j.“リードサム”をクリックする。
【0105】
注:サンプルは、それの読み取りの前に測色計のサンプル室内になければならない。
k.スクリーンの指定の領域にサンプル名をタイプし、そして“OK”をクリックする。
l.結果が、“ガードナー10mm”の下にスクリーン上に表示される。
m.追加のサンプルを読み取るために段階I〜Kを繰り返す。
n.段階A〜Hに従い測色計を20mmセル用に再標準化し、この際、脱イオン水を含む20mmセルが白色のタイルに使用されることを確実にする。
比色ホイールによるカードナーカラーの読み取り:
a)空のサンプルチューブを、比色装置の左側の部屋に入れる。
b)反応したサンプル及び無水フタル酸を含むサンプルチューブを、装置の右側の部屋に入れる。
c)注:サンプル全体が見えるように部屋内でサンプルチューブを調節する。
d)適当な照明に対して接眼レンズを通して見る。
e)カラーホイールを回転させて、サンプルの色を決定する。
【0106】
8.報告
測色計を用いる場合には、得られる結果は、テーブルを用いて真のカードナー単位に補正しなければならない。付属書Aを参照されたい(付属書Aの写しは、装置にテープで貼り付けてある)。このテーブルは、補正されたガードナー単位と一緒に測色計から読み取ることのできるガードナー単位のリストである。この表は、ASTM法D1544−58Tによって調製されたガードナースタンダードを分析して生成した曲線に基づく。SJM07−97レター参照。結果は、ロットサンプルについては小数点第1位で四捨五入したガードナー単位で、プロセスサンプルについては小数点第2位で四捨五入して報告する。
9.精度
測色計及び比色装置(目視)を用いて、ペンタエリトリトール工業等級品及びトリメチロールプロパンの両方の20個のサンプルについて対比調査を行った。トリメチロールプロパンについての比較からの結果は表1に示し、ペンタエリトリトール工業等級品についての比較からの結果は表2に示す。
【0107】
【表1】
【0108】
【表2】
【0109】
【表3】
【0110】
次に、1ロットのペンタエリトリトール工業等級品の15のサンプルと、1つのトリメチロールプロパンプロセスサンプルとのセットにつき、測色計を用いて統計的調査を行った。ペンタエリトリトール工業等級品ロットについての結果は、測色計では16の%RSDを示し、他方、比色装置では%RSDは0であった。トリメチロールプロパンプロセスサンプルの結果は、測色計では27の%RSDを示し、他方、比色装置では%RSDは32であった。
10.品質管理
1.この方法は、統計的管理プロセスによって監視され、この際、指定のトリメチロールプロパンロットが、日常のサンプル(daily samples)と一緒に分析される。
【0111】
2.モニターのための毎日のサンプル結果が統計的に“管理下(in control)”でない場合及び/または結果が製品規格範囲内にない場合には常に適切な行動がとられる。トラブルシューティング法は、行動の適切な目的を決定するために、熟練した分析家、実験化学者、または技術顧問が関与するべきである。
【0112】
APHAに対するガードナーカラーの対応は、以下に示すように実質的に線状である。
【0113】
【表4】
【0114】
例1
本明細書の先の部分に記載の手順を用いてTMPの粗製水溶液を調製し、次いで蒸留及び蒸発に付した。この時点でこの粗製TMP溶液を、上記の手順を用いて色について分析した。この粗製TMP(pH7.5及び35℃)は、1.4のフタル酸色(APHA241)及び10の硫酸着色度を有した。この粗製TMPのサンプルを容器に加え、次いで50重量%濃度の水酸化カリウム水溶液を、混合物のpHが13.5に一定になるまで前記容器に加えた。この混合物を30分間90℃に加熱し、そして室温(20℃)に冷却した。上記容器中の生じた冷却されたTMP溶液に、生じるTMP混合物が8.0のpHで安定するまで、30重量%ギ酸を加えた。次いで、このTMP溶液を、上記に概要を記載した溶剤抽出及び精製手順に付し、次いで最終TMP生成物の色を分析した。最終TMP生成物は、0.1のフタル酸色(APHA21)及び6.0の硫酸着色度を有していた。
例2
例1に記載の手順を、水酸化カリウムの代わりに水酸化ナトリウムを使用したことを除き繰り返した。粗製TMP溶液は、1.1のフタル酸色(APHA176)及び11の硫酸着色度で、7.0のpH及び30℃であった。水酸化ナトリウムの55重量%溶液を加えてpHを12.1とし、次いでこの混合物を50℃で30分間加熱し、次いで室温に冷却した。この時点で、酢酸の水溶液をTMP溶液に加えてpHを7.5に下げた。最終のTMP生成物は、0.3のフタル酸色(APHA43)及び5.0の硫酸着色度を有していた。
【0115】
例3
例1に記載の手順を、水酸化カリウムの代わりに水酸化ナトリウムを使用したことを除き繰り返した。粗製TMP溶液は、1.4のフタル酸色(APHA224)及び9の硫酸着色度で、7.6のpH及び32℃であった。水酸化ナトリウムの45重量%溶液を加えてpHを12.0とし、次いでこの混合物を50℃に30分間加熱し、次いで室温に冷却した。この時点で、酢酸の水溶液をTMP溶液に加えてpHを7.8に下げた。最終のTMP生成物は、0.5のフタル酸色(APHA72)及び6.5の硫酸着色度を有していた。
【0116】
例4〜19
上記の例1〜3に記載の情報を用いて、本明細書の第一の部に概要を示した手順及び方法を使用したTMPの商業的製造について二日間の試験を行った。蒸発器から来てそして加熱ジャケットを備えたフラッシャー(flasher)容器に送られる粗製TMP溶液の残渣に水酸化カリウム水溶液を導入するために注入管を供した。次いで、残留TMP溶液は、加工の前に温度を下げるために他の容器に供給した。次いで、この後者の容器からの冷却されたTMP残渣に他の注入管を備え付けて、そこからpHを下げるための酢酸の導入を可能にした。KOH及び酢酸を加えた後にTMP溶液のサンプルを得るために、サンプルポートを設けた。オフラインのpH分析器は、プロセス条件を監視するためにサンプルを分析するのに簡単に利用できた。この二日間の期間の間、TMPの15個のサンプルを集めそして分析した。最初の粗製TMP溶液(15)は、1.2の初期フタル酸色(APHA200)及び10.3の硫酸着色度の平均値となった。KOHは45%水溶液であり、そしてKOH添加後の混合物の平均pHは12.5であった。加熱は、50℃の温度で平均で30分の時間行った。抽出及び精製段階に通した後に、最終のTMPサンプルを分析した。15個のサンプルの平均フタル酸色は0.14(APHA31)であり、硫酸着色度は5.8であった。色の低下は、TMP品質をかなり向上させ、そして非常に望ましい商業製品を与える。この向上されたプロセスの独特な面の一つは、全体的な商業的プロセス効率が約1〜2%向上したという事実である。
【0117】
それ故、この改良された方法は、約0〜約6の範囲の硫酸着色度及び約0〜約50のAPHA単位の範囲のフタル酸色を有するTMPの製造のための効率のよい方法を提供することを明らかに把握できる。
【0118】
上記の技術的事項は、TMP及び色の向上及び改善されたそれのプロセス効率に関連するものである一方、本発明の他の面は、他の多価アルコールも同様の方法で処理して望ましい最終結果を達成することが可能であるということである。特に適用可能なものは、ホルムアルデヒドをより高級のアルデヒドと縮合することによって製造できる任意の多価アルコールである。実際には、カルボニル基に対してアルファ位にある酸性水素原子を有する任意のアルカナールが好適なより高級なアルデヒドである。使用できる原料は、線状または分枝状であることができるかあるいは脂肪環式基も含むことができる炭素原子数2〜24の脂肪族アルデヒドである。他の適当な原料は、カルボニル基に対しアルファ位にメチレン基を含むことを条件に、芳香脂肪族アルデヒドである。一般的に、炭素原子数8〜24、好ましくは炭素原子数8〜12のアラルキルアルデヒド、例えばフェニル−アセトアルデヒドが原料として使用される。炭素原子数2〜12の脂肪族アルデヒドが好ましく、例としては、3−エチル−、3−n−プロピル−、3−イソプロピル−、3−n−ブチル−、3−イソブチル−、3−sec−ブチル−及び3−tert−ブチル−ブタナール及び対応するn−ペンタナール類、n−ヘキサナール類及びn−ヘプタナール類; 4−エチル−、4−n−プロピル−、4−イソプロピル−、4−n−ブチル−、4−イソブチル−、4−sec−ブチル−及び4−tert−ブチル−ペンタナール類、−n−ヘキサナール類及び−n−ヘプタナール類; 5−エチル−、5−n−プロピル−、5−イソプロピル−、5−n−ブチル−、5−イソブチル−、5−sec−ブチル−及び5−tert−ブチル−n−ヘキサナール類及び−n−ヘプタナール類; 3−メチルヘキサナール及び3−メチルヘプタナール; 4−メチルペンタナール、4−メチルヘプタナール、5−メチルヘキサナール及び5−メチルヘプタナール; 3,3,5−トリメチル−n−ペンチル−、3,3−ジエチルペンチル−4,4−ジエチルペンチル−、3,3−ジメチル−n−ブチル−、3,3−ジメチル−n−ペンチル−、5,5−ジメチルヘプチル−、3,3−ジメチルヘプチル−、3,3,4−トリメチルペンチル−、3,4−ジメチルヘプチル−、3,5−ジメチルヘプチル−、4,4−ジメチルヘプチル−、3,3−ジエチルヘキシル−、4,4−ジメチルヘキシル−、4,5−ジメチルヘキシル−、3,4−ジメチルヘキシル−、3,5−ジメチルヘキシル−、3,3−ジメチルヘキシル−、3,4−ジエチルヘキシル−、3−メチル−4−エチルペンチル−、3−メチル−4−エチルヘキシル−、3,3,4−トリメチルペンチル−、3,4,4−トリメチルペンチル−、3,3,4−トリメチルヘキシル−、3,4,4−トリメチルヘキシル−及び3,3,4,4−テトラメチルペンチルアルデヒド; C
2〜C
12−n−アルカナール類が特に好ましい。
それで本発明の枠内において特に好ましい多価アルコールは、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ネオペンチルグリコール及びペンタエリトリトールであり、トリメチロールプロパンが非常に特に好ましい。
【0119】
本発明を以上詳細に説明したが、本発明の趣旨及び範囲内での改変は、当業者には非常に明らかである。上記の検討、当技術分野での関連する知識、並びに背景技術及び詳細な説明の欄に関連して上述した先行技術文献(なお、これらの先行技術文献の開示は全て本明細書に掲載されたものとする)から見て、更なる説明は不要であると思料する。加えて、本発明の面及び様々な態様の部分は、全体的にまたは部分的に組み合わせまたは相互交換することができると理解されるべきである。更に、当技術分野の通常の技術を有する者は、上記の説明は例としてのみ記載されたものであって、本発明を限定することを意図したものではないことを理解するであろう。