特許第5693229号(P5693229)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5693229ニコチンアセチルコリン受容体活性モジュレータとしてのビアリール置換アザ二環式アルカン誘導体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5693229
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】ニコチンアセチルコリン受容体活性モジュレータとしてのビアリール置換アザ二環式アルカン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 451/04 20060101AFI20150312BHJP
   C07D 451/06 20060101ALI20150312BHJP
   A61K 31/46 20060101ALN20150312BHJP
   A61K 45/00 20060101ALN20150312BHJP
   A61P 1/04 20060101ALN20150312BHJP
   A61P 15/08 20060101ALN20150312BHJP
   A61P 17/02 20060101ALN20150312BHJP
   A61P 19/02 20060101ALN20150312BHJP
   A61P 21/02 20060101ALN20150312BHJP
   A61P 25/04 20060101ALN20150312BHJP
   A61P 25/14 20060101ALN20150312BHJP
   A61P 25/18 20060101ALN20150312BHJP
   A61P 25/24 20060101ALN20150312BHJP
   A61P 25/28 20060101ALN20150312BHJP
   A61P 25/30 20060101ALN20150312BHJP
   A61P 29/00 20060101ALN20150312BHJP
   A61P 31/04 20060101ALN20150312BHJP
   A61P 37/06 20060101ALN20150312BHJP
   A61P 43/00 20060101ALN20150312BHJP
【FI】
   C07D451/04CSP
   C07D451/06
   !A61K31/46
   !A61K45/00
   !A61P1/04
   !A61P15/08
   !A61P17/02
   !A61P19/02
   !A61P21/02
   !A61P25/04
   !A61P25/14
   !A61P25/18
   !A61P25/24
   !A61P25/28
   !A61P25/30
   !A61P29/00 101
   !A61P31/04
   !A61P37/06
   !A61P43/00 111
【請求項の数】8
【全頁数】61
(21)【出願番号】特願2010-535054(P2010-535054)
(86)(22)【出願日】2008年11月20日
(65)【公表番号】特表2011-504181(P2011-504181A)
(43)【公表日】2011年2月3日
(86)【国際出願番号】US2008084148
(87)【国際公開番号】WO2009067579
(87)【国際公開日】20090528
【審査請求日】2011年11月16日
(31)【優先権主張番号】60/989,538
(32)【優先日】2007年11月21日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513247938
【氏名又は名称】アッヴィ・バハマズ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チー,チヤンクオ
(72)【発明者】
【氏名】リー,タオ
(72)【発明者】
【氏名】シツピー,ケビン・ビー
(72)【発明者】
【氏名】リー,チー−ハン
(72)【発明者】
【氏名】ゴパラクリシユナン,ムラーリ
【審査官】 鳥居 福代
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−521323(JP,A)
【文献】 国際公開第2003/062235(WO,A1)
【文献】 国際公開第2006/005608(WO,A1)
【文献】 G.P. BASMADJIAN,DESIGN OF NOVEL NICOTINIC ACETYLCHOLINE RECEPTOR AGONISTS WITH POTENTIAL ANTINOCICEPTIVE ACTIVITY,PAIN MECHANISMS AND MANAGEMENT,NL,IOS PRESS,1998年,P285-300
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 451/04
C07D 451/06
A61K 31/33−33/44
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
[式中、
nは、1、2または3であり;
Aは、NまたはN−Oであり;
は、水素、C−C10アルキル、シクロアルキルまたはアリール(C−C10)アルキルであり;
Lは、O、Sおよび−N(R)−からなる群から選択され;
Arは、以下の基:
【化2】
[式中、
、R、RおよびRは、独立に、水素、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシイミノ、アルコキシスルホニル、アルキル、アルキルスルホニル、アルキニル、アミノ、カルボキシ、シアノ、ホルミル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メルカプト、ニトロ、チオアルコキシ、−NR、(NR)アルキル、(NR)アルコキシ、(NR)カルボニルまたは(NR)スルホニルでありならびに
およびRは、それぞれ独立に、水素、アルキルまたはアルキルカルボニルである。]
からなる群から選択され、;
Arは、アリールまたはヘテロアリール基であり;ならびに
は、水素、C−C10アルキルおよびC−C10アルキルカルボニルからなる群から選択され;
ここで、
a)前記シクロアルキルは、単環式、二環式または三環式の環であり、
該シクロアルキルは、C−C10アルケニル、C−C10アルコキシ、C−C10アルコキシ(C−C10)アルコキシ、C−C10アルコキシ(C−C10)アルキル、C−C10アルコキシカルボニル、C−C10アルコキシスルホニル、C−C10アルキル、C−C10アルキルカルボニル、C−C10アルキルカルボニルオキシ、C−C10アルキルスルホニル、C−C10アルキルチオ、C−C10アルキルチオ(C−C10)アルキル、C−C10アルキニル、カルボキシ、シアノ、ホルミル、ハロアルコキシ、ハロ(C−C10)アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C−C10)アルキル、メルカプト、オキソ、NZおよび(NZ)カルボニルからなる群から選択される1、2、3、4または5個の置換基で置換されていてもよく、
ここで、前記NZにおけるZおよびZは、それぞれ独立に、水素、C−C10アルキル、C−C10アルキルカルボニル、C−C10アルコキシカルボニル、アリール、アリール(C−C10)アルキル、ホルミルおよび(NZ)カルボニルからなる群から選択され、
ここで、前記(NZ)カルボニルにおけるZおよびZは、それぞれ独立に、水素、C−C10アルキル、アリールおよびアリール(C−C10)アルキルからなる群から選択され、
ここで、前記(NZ)カルボニルにおけるZおよびZは、それぞれ独立に、水素、C−C10アルキル、アリールおよびアリール(C−C10)アルキルからなる群から選択され、
b)前記アリールは、フェニル、二環式アリールまたは三環式アリールであり、
該アリールは、C−C10アルケニル、C−C10アルコキシ、C−C10アルコキシ(C−C10)アルコキシ、C−C10アルコキシ(C−C10)アルコキシ(C−C10)アルキル、C−C10アルコキシ(C−C10)アルキル、C−C10アルコキシカルボニル、C−C10アルコキシカルボニル(C−C10)アルキル、C−C10アルキルカルボニルオキシ、C−C10アルキルスルフィニル、C−C10アルキルスルフィニル(C−C10)アルキル、C−C10アルキルスルホニル、C−C10アルキルスルホニル(C−C10)アルキル、C−C10アルキルチオ、C−C10アルキルチオ(C−C10)アルキル、C−C10アルキニル、カルボキシ、カルボキシ(C−C10)アルキル、シアノ、シアノ(C−C10)アルキル、ホルミル、ホルミル(C−C10)アルキル、ハロゲン、ハロ(C−C10)アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C−C10)アルキル、メルカプト、ニトロ、NZおよび(NZ)カルボニルから独立に選択される1、2、3、4または5個の置換基で置換されていてもよく、
ここで、前記NZにおけるZおよびZは、それぞれ独立に、水素、C−C10アルキル、C−C10アルキルカルボニル、C−C10アルコキシカルボニル、アリール、アリール(C−C10)アルキル、ホルミルおよび(NZ)カルボニルからなる群から選択され、
ここで、前記(NZ)カルボニルにおけるZおよびZは、それぞれ独立に、水素、C−C10アルキル、アリールおよびアリール(C−C10)アルキルからなる群から選択され、
ここで、前記(NZ)カルボニルにおけるZおよびZは、それぞれ独立に、水素、C−C10アルキル、アリールおよびアリール(C−C10)アルキルからなる群から選択され、
c)前記ヘテロアリールは、単環式ヘテロアリール、二環式ヘテロアリールまたはジベンゾチオフェンであり、
該ヘテロアリールは、C−C10アルケニル、C−C10アルコキシ、C−C10アルコキシ(C−C10)アルコキシ、C−C10アルコキシ(C−C10)アルキル、C−C10アルコキシカルボニル、C−C10アルコキシカルボニル(C−C10)アルキル、C−C10アルコキシスルホニル、C−C10アルキル、C−C10アルキルカルボニル、C−C10アルキルカルボニル(C−C10)アルキル、C−C10アルキルカルボニルオキシ、C−C10アルキルチオ、C−C10アルキルチオ(C−C10)アルキル、C−C10アルキニル、カルボキシ、カルボキシ(C−C10)アルキル、シアノ、シアノ(C−C10)アルキル、ホルミル、ハロアルコキシ、ハロ(C−C10)アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C−C10)アルキル、メルカプト、ニトロ、NZおよび(NZ)カルボニルからなる群から独立に選択される1、2、3または4個の置換基で置換されていてもよく、
ここで、前記NZにおけるZおよびZは、それぞれ独立に、水素、C−C10アルキル、C−C10アルキルカルボニル、C−C10アルコキシカルボニル、アリール、アリール(C−C10)アルキル、ホルミルおよび(NZ)カルボニルからなる群から選択され、
ここで、前記(NZ)カルボニルにおけるZおよびZは、それぞれ独立に、水素、C−C10アルキル、アリールおよびアリール(C−C10)アルキルからなる群から選択され、
ここで、前記(NZ)カルボニルにおけるZおよびZは、それぞれ独立に、水素、C−C10アルキル、アリールおよびアリール(C−C10)アルキルからなる群から選択される。]
の化合物、またはその医薬として許容される塩。
【請求項2】
Arが、
【化3】
である、請求項1の化合物。
【請求項3】
Arが、
【化4】
[式中、
Xは、SまたはOであり;
、Z、Z、ZおよびZは、それぞれ独立に、窒素であり、または炭素であり、炭素原子は、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、C−C10アルキル、−OR、−C−C10アルキル−OR、シアノ、−NRおよび−C−C10アルキル−NRからなる群から選択される置換基で置換されていてもよく;
およびRは、それぞれ独立に、水素、C−C10アルケニル、C−C10アルコキシ、C−C10アルコキシ(C−C10)アルコキシ、C−C10アルコキシ(C−C10)アルキル、C−C10アルコキシカルボニル、C−C10アルコキシイミノ、C−C10アルコキシスルホニル、C−C10アルキル、C−C10アルキルカルボニル、C−C10アルキルカルボニルオキシ、C−C10アルキルスルホニル、C−C10アルキニル、カルボキシ、シアノ、ホルミル、ハロ(C−C10)アルコキシ、ハロ(C−C10)アルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C−C10)アルキル、メルカプト、ニトロ、チオ(C−C10)アルコキシ、−NR、(NR)(C−C10)アルキル、(NR)(C−C10)アルコキシ、(NR)カルボニルおよび(NR)スルホニルからなる群から選択され;
、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素、C−C10アルキルまたはC−C10アルキルカルボニルである。]
である、請求項1の化合物。
【請求項4】
またはRがヒドロキシである場合に、化合物の互変異性体をさらに含む、請求項3の化合物。
【請求項5】
AがNであり;
がHまたはメチルであり;
LがOであり;ならびに
nが2である、請求項2の化合物。
【請求項6】
AがNであり;
がHまたはメチルであり;
LがOであり;
nが2であり;
Ar
【化5】
である、請求項3の化合物。
【請求項7】
AがNであり;
がHまたはメチルであり;
LがOであり;
nが2であり;
Ar
【化6】
であり;ならびに
Ar
【化7】
である、請求項2の化合物。
【請求項8】
2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−(1H−インドール−5−イル)−チアゾール;
2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−フェニル−チアゾール;
2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−(ピリジン−3−イル)−チアゾール;
5−(1H−インドール−6−イル)−2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]チアゾール;
5−(1H−インドール−4−イル)−2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]チアゾール;
5−(ベンゾフラン−5−イル)−2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]チアゾール;
5−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−[(エンド)8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]チアゾール;
5−(2−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−イル)−2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]チアゾール;
5−(ジベンゾ[b,d]チオフェン−2−イル)−2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]チアゾール;
2−[(エキソ)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−(1H−インドール−5−イル)−チアゾール;
2−[(エキソ)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−(1H−インドール−6−イル)−チアゾール;
2−[(エキソ)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−フェニル−チアゾール;
2−[(エキソ)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−(ピリジン−3−イル)−チアゾール;
2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール;
2−(1H−インドール−5−イル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール;
2−(ベンゾフラン−5−イル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール;
2−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール;
2−(3−フルオロフェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール;
2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−m−トリル−1,3,4−チアジアゾール;
2−(4−フルオロフェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール;
2−(3−クロロフェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール;
2−(1H−インドール−6−イル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール;
2−(1H−インドール−4−イル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール;
2−(3−シアノフェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール;
2−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ)−1,3,4−チアジアゾール;
2−(4−クロロフェニル)−5−((1R,3R,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ)−1,3,4−チアジアゾール;
2−(2−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−イル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール;
2−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ)−1,3,4−チアジアゾール;
2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール;
2−(4−メトキシフェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール;
2−(3−アミノフェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール;
2−(4−エチルフェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール;
2−(4−アセチルフェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール;および
N−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−2−アミン
からなる群から選択され化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への参照)
本出願は、2007年11月21日に出願された仮出願第60/989,538号の優先権を主張するものである。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、ビアリール置換アザ二環式アルカン誘導体に関し、より詳細には、5員ヘテロアリール環置換アザ二環式アルカン誘導体、当該化合物を含む組成物、ならびに当該化合物および組成物を使用して状態および障害を治療する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の記述)
ニコチンアセチルコリン受容体(nAChR)は、中枢神経系(CNS)および末梢神経系(PNS)全体に広く分布されている。当該受容体は、特に、アセチルコリン、ノルエピネフリン、ドーパミン、セロトニンおよびGABAなどの広範な神経伝達物質の放出をモジュレートすることによってCNS機能を調節する重要な役割を果たす。したがって、ニコチン受容体は、非常に広範な生理的効果を媒介し、中でも認知機能、学習および記憶、神経変性、疼痛および炎症、精神病および感覚ゲート、気分および情動等に関連する障害を治療するための標的にされてきた。
【0004】
植物アルカロイドニコチンは、nAChRのすべてのサブタイプと相互作用する。ニコチンは、多くの生物活性を有することが証明されたが、ニコチンによって媒介される効果のすべてが望ましいわけではない。例えば、ニコチンは、治療的投与量で胃腸および心臓血管系副作用をもたらすとともに、習慣的で急性毒性を有する。nAChRの一定のサブタイプのみと相互作用することについて選択的であるリガンドは、安全度を向上させながら有益な治療効果を達成する可能性を提供する。
【0005】
nAChRの多くのサブタイプは、CNSおよび末梢に観察された。各サブタイプは、全体的な生理的機能を調節することに対して異なる効果を有する。典型的には、nAChRは、ペンタマーから構成されるイオンチャネルである。少なくとも12個のサブユニットタンパク質、α2−α10およびβ2−β4が、神経組織に確認された。これらのサブユニットは、多様な受容体サブタイプを説明する様々なホモマーおよびヘテロマーの組合せを提供する。例えば、脳組織におけるニコチンの高度な親和性結合に関与する支配的な受容体は、組成(α4)(β2)(α4β2サブタイプ)を有し、別の主要な受容体集団は、ホモペンタマー(α7)(α7サブタイプ)である。
【0006】
α7およびα4β2nAChR:多くの役割を有する受容体
α7およびα4β2nAChRは、認知機能、ニューロン変性の防止、疼痛緩和および統合失調症、ならびに血管新生および卵受精時の精子先体反応などの、ニューロン活性との関連性がより弱いと思われる他の機能を含む多種多様なプロセスにおいて役割を果たす。
【0007】
α7およびα4β2nAChRは、学習、記憶および注意の側面を含む認知機能を向上させる上で有意な役割を果たすことが示された(Levin,E.D.、J.Neurobiol.53:633−640頁、2002年)。例えば、α7nAChRは、全身活性の中でも、注意欠陥障害(ADD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、アルツハイマー病(AD)、軽度認知障害、老年認知症、レビー小体型認知症、ダウン症候群に伴う認知症、AIDS認知症、ピック病ならびに統合失調症に伴う認知欠損に関連する状態および障害に関連づけられた。α4β2受容体サブタイプは、注意、認知、統合失調症、てんかんおよび疼痛制御に関係する(Paterson and Norberg、Progress in Neurobiology 61 75−111頁、2000年)。
【0008】
認知機能を向上させる上でのこれらの役割に加えて、α7含有nAChRは、インビトロ(Jonnala,R.B.and Buccafusco,J.J.、J.Neurosci.Res.66:565−572頁、2001年)およびインビボ(Shimohama,S.ら、Brain Res.779:359−363頁、1998年)の両方におけるニコチンの神経保護効果に関与することが示された。特に、神経変性は、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、レビー小体型認知症、ならびに外傷性脳損傷に起因するCNS機能低下などのいくつかの進行性CNS障害の根源になる。例えば、アルツハイマー病に関連づけられるβ−アミロイドペプチドによるα7 nAChRの機能障害は、該疾患に伴う認知欠損の発症に、主要要因として関係している(Liu,Q.−S.、Kawai,H.、Berg,D.K.、PNAS98:4734−4739頁、2001年)。α7 nAChRの活性化は、神経毒性を阻止することが示された(Kihara,T.ら、J.Biol.Chem.276:13541−13546頁、2001年)。このように、α7活性を向上させる選択的リガンドは、アルツハイマー病および他の神経変性疾患の障害を阻止することができる。
【0009】
統合失調症は、知覚、認知および情動の異常によって特徴づけられる複雑な疾患である。有意な根拠は、死後の患者におけるこれらの受容体の実測された欠損を含む、この疾患へのα7 nAChRの関与を示唆する(Leonard,S.Eur.J.Pharmacol.393:237−242頁、2000年)。感覚プロセシング(ゲーティング)における障害は、統合失調症の特徴の1つである。これらの障害を、α7 nAChRにおいて機能するニコチンリガンドによって正常化することができる(Adler L.E.ら、Schizophrenia Bull.24:189−202頁、1998年;Stevens,K.E.ら、Psychopharmacology 136:320−327頁、1998年)。
【0010】
統合失調症に伴う認知障害は、患者が正常に機能する能力をしばしば制限し、これは、一般に利用可能な治療、例えば、非定型抗精神病薬による治療によって十分に治療されない症候である(Rowley,M.ら、J.Med.Chem.44:477−501頁、2001年)。当該認知欠損は、特に活性受容体の減少によるニコチンコリン作動性系の機能障害に関連づけられる(Friedman,J.I.ら、Biol Psychiatry、51:349−357頁、2002年)。
【0011】
新しい血管の成長に関与するプロセスである血管新生は、創傷治癒、皮膚移植片の血管形成および循環の向上、例えば血管閉塞付近の循環の増強などの有益な全身性機能において重要である。ニコチンのような非選択的nAChRアゴニストは、血管新生を刺激することが示された(Heeschen,Cら、Nature Medicine 7:833−839頁、2001年)。血管新生の向上に、α7 nAChRの活性化が関与していることが示された(Heeschen,C.ら、J.Clin.Invest.110:527−536頁、2002年)。
【0012】
脊髄におけるα7 nAChRの集団は、ニコチン化合物の疼痛緩和効果に関連づけられたセロトニン作動性伝達をモジュレートする(Cordero−Erausquin,M.and Changeux、J.−P.PNAS 98:2803−2807頁、2001年)。α7 nAChRリガンドは、急性疼痛、術後疼痛ならびに炎症疼痛および神経障害疼痛を含む慢性疼痛状態を含む疼痛状態の治療の治療可能性を実証する。さらに、α7 nAChRは、炎症応答に関与する一次マクロファージの表面に発現される。α7受容体の活性化は、TNF、および炎症応答を誘発する他のサイトカインの放出を阻害する(Wang,H.ら、Nature 421:384−388頁、2003年)。TNF媒介疾患としては、例えば、関節リウマチ、クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、臓器移植拒絶反応、臓器移植に伴う急性免疫疾患、臓器移植に伴う慢性免疫疾患、敗血症性ショック、中毒性ショック症候群、敗血症症候群、鬱病およびリウマチ性脊椎炎が挙げられる。
【0013】
哺乳動物の精子先体反応は、卵子の精子受精において重要なエキソサイトーシスプロセスである。精子細胞上のα7 nAChRの活性化は、先体反応に不可欠であることが示された(Son,J.−H.and Meizel,S.Biol.Reproduct.68:1348−1353頁、2003年)
α7およびα4β2nAChRにおける活性をサブタイプ選択的nAChRリガンドの投与によって改変または調節することができる。リガンドは、アンタゴニスト、アゴニストまたは部分アゴニスト特性を発揮することができる。正のアロステリックモジュレータとして機能する化合物も知られている。
【0014】
α4β2およびα7 nAChRを含むニコチン受容体サブタイプを非選択的にモジュレートするニコチンなどの化合物が知られているが、これらの受容体は、疼痛、認知、障害および疾患における多くの役割を有するので、、α7含有ニューロンnAChR、α4β2nAChR、またはα7およびα4β2nAChRの両方と選択的に相互作用する化合物が望ましい。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】Levin,E.D.、J.Neurobiol.53:633−640頁、2002年
【非特許文献2】Paterson and Norberg、Progress in Neurobiology 61 75−111頁、2000年
【非特許文献3】Jonnala,R.B.and Buccafusco,J.J.、J.Neurosci.Res.66:565−572頁、2001年
【非特許文献4】Shimohama,S.ら、Brain Res.779:359−363頁、1998年
【非特許文献5】Liu,Q.−S.、Kawai,H.、Berg,D.K.、PNAS98:4734−4739頁、2001年
【非特許文献6】Kihara,T.ら、J.Biol.Chem.276:13541−13546頁、2001年
【非特許文献7】Leonard,S.Eur.J.Pharmacol.393:237−242頁、2000年
【非特許文献8】Adler L.E.ら、Schizophrenia Bull.24:189−202頁、1998年
【非特許文献9】Stevens,K.E.ら、Psychopharmacology 136:320−327頁、1998年
【非特許文献10】Rowley,M.ら、J.Med.Chem.44:477−501頁、2001年
【非特許文献11】Friedman,J.I.ら、Biol Psychiatry、51:349−357頁、2002年
【非特許文献12】Heeschen,C.ら、Nature Medicine 7:833−839頁、2001年
【非特許文献13】Heeschen,C.ら、J.Clin.Invest.110:527−536頁、2002年
【非特許文献14】Cordero−Erausquin,M.and Changeux、J.−P.PNAS 98:2803−2807頁、2001年
【非特許文献15】Wang,H.ら、Nature 421:384−388頁、2003年
【非特許文献16】Son,J.−H.and Meizel,S.Biol.Reproduct.68:1348−1353頁、2003年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
(発明の要旨)
本発明は、ビアリール置換アザ二環式化合物、ならびに当該化合物を含む組成物およびその使用方法を対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の1つの態様は、式(I)
【0018】
【化1】
[式中、
nは、1、2または3であり;
Aは、−N−または−N−O−であり;
は、水素、アルキル、シクロアルキルおよびアリールアルキルであり;
Lは、O、Sおよび−N(R)−からなる群から選択され、Rは、水素、アルキルおよびアルキルカルボニルからなる群から選択され;
Arは、5員ヘテロアリール基であり;
Arは、アリールまたはヘテロアリール基である。]
の化合物、または医薬として許容されるその塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグを対象とする。
【0019】
本発明の別の態様は、本発明の化合物を含む医薬組成物に関する。当該組成物を、典型的には、nAChR活性、より詳細にはα7nAChR活性、α4β2 nAChR活性またはα7 nAChR活性およびα4β2 nAChR活性の両方に関連する状態および障害の治療または予防のための治療法の一部として、本発明の方法に従って投与することができる。
【0020】
本発明のさらに別の態様は、α7およびα4β2 nAChR活性の両方をモジュレートする方法に関する。該方法は、特に哺乳動物において、α7およびα4β2 nAChR活性の両方に関連する状態および障害を治療、予防または治療および予防するのに有用である。
【0021】
本発明のさらなる態様は、nAChR活性、例えばα7 nAChR活性を選択的にモジュレートする方法に関する。該方法は、哺乳動物において、α7 nAChR活性に関連する状態および障害を治療、予防または治療および予防するのに有用である。より詳細には、該方法は、他の全身性および神経免疫調節活性の中でも、注意欠陥障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、アルツハイマー病(AD)、統合失調症、軽度認知障害、加齢に伴う記憶障害(AAMI)、老年認知症、AIDS認知症、ピック病、レビー小体型認知症、ダウン症候群に伴う認知症、統合失調症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、外傷性脳損傷に伴うCNS機能低下、急性疼痛、術後疼痛、慢性疼痛、炎症性疼痛、神経障害性疼痛、不妊、循環欠如、創傷治癒に伴う新血管成長、より詳細には血管閉塞付近の循環の必要性、皮膚移植片の血管形成に伴う新血管成長の必要性、虚血、炎症、敗血症、創傷治癒、ならびに糖尿病に伴う他の併発症に関連する状態および障害を治療、予防または治療および予防するのに有用である。
【0022】
nAChR活性、例えばα4β2 nAChR活性を選択的にモジュレートする方法も企図される。
【0023】
該化合物、該化合物を含む組成物、該化合物を使用するための方法、該化合物を調製するための方法、ならびに当該方法で得られる中間体が、本明細書にさらに記載される。
【発明を実施するための形態】
【0024】
第1に、用語が定義される。第2に、本発明の化合物が記載され、これらの合成の多くの例を含む製造方法が示される。次いで最後に、これらの化合物の使用が記載および例示される。
【0025】
用語の定義
本明細書および添付の特許請求の範囲全体を通じて使用されているように、以下の用語は以下の意味を有する。
【0026】
「アルケニル」という用語は、2から10個の炭素原子を含み、2個の水素原子の除去によって形成された少なくとも1つの炭素間二重結合を含む直鎖または分枝鎖炭化水素を指す。アルケニルの代表例としては、エテニル、2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、3−ブテニル、4−ペンテニル、5−ヘキセニル、2−ヘプテニル、2−メチル−1−ヘプテニルおよび3−デセニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
「アルケニレン」という用語は、少なくとも1つの二重結合を含む2から10個の炭素原子の直鎖または分枝鎖炭化水素から誘導された二価の基を指す。アルケニレンの代表例としては、−CH=CH−、−CH=CHCH−および−CH=C(CH)CH−が挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
「アルケニルオキシ」という用語は、酸素原子およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているアルケニル基を指す。アルケニルオキシの代表例としては、アリルオキシ、2−ブテニルオキシおよび3−ブテニルオキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
「アルコキシ」という用語は、酸素原子およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているアルキル基を指す。アルコキシの代表例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシおよびヘキシルオキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
「アルコキシアルコキシ」という用語は、本明細書に定義されている別のアルコキシ基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているアルコキシ基を指す。アルコキシアルコキシの代表例としては、tert−ブトキシメトキシ、2−エトキシエトキシ、2−メトキシエトキシおよびメトキシメトキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
「アルコキシアルコキシアルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているアルコキシアルコキシ基を指す。アルコキシアルコキシアルキルの代表例としては、tert−ブトキシメトキシメチル、エトキシメトキシメチル、(2−メトキシエトキシ)メチルおよび2−(2−メトキシエトキシ)エチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
「アルコキシアルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているアルコキシ基を指す。アルコキシアルキルの代表例としては、tert−ブトキシメチル、2−エトキシエチル、2−メトキシエチルおよびメトキシメチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
「アルコキシカルボニル」という用語は、本明細書に定義されているカルボニル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているアルコキシ基を指す。アルコキシカルボニルの代表例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルおよびtert−ブトキシカルボニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
「アルコキシカルボニルアルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているアルコキシカルボニル基を指す。アルコキシカルボニルアルキルの代表例としては、3−メトキシカルボニルプロピル、4−エトキシカルボニルブチルおよび2−tert−ブトキシカルボニルエチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
「アルコキシスルホニル」という用語は、本明細書に定義されているスルホニル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているアルコキシ基を指す。アルコキシスルホニルの代表例としては、メトキシスルホニル、エトキシスルホニルおよびプロポキシスルホニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
「アルキル」という用語は、1から10個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖炭化水素を指す。アルキルの代表例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、3−メチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニルおよびn−デシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
「アルキルカルボニル」という用語は、本明細書に定義されているカルボニル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているアルキル基を指す。アルキルカルボニルの代表例としては、アセチル、1−オキソプロピル、2,2−ジメチル−1−オキソプロピル、1−オキソブチルおよび1−オキソペンチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
「アルキルカルボニルアルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているアルキルカルボニル基を指す。アルキルカルボニルアルキルの代表例としては、2−オキソプロピル、3,3−ジメチル−2−オキソプロピル、3−オキソブチルおよび3−オキソペンチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
「アルキルカルボニルオキシ」という用語は、酸素原子およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているアルキルカルボニル基を指す。アルキルカルボニルオキシの代表例としては、アセチルオキシ、エチルカルボニルオキシおよびtert−ブチルカルボニルオキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
「アルキレン」という用語は、1から10個の炭素原子の直鎖または分枝鎖炭化水素から誘導された二価の基を指す。アルキレンの代表例としては、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−および−CHCH(CH)CH−が挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
「アルキルスルフィニル」という用語は、本明細書に定義されているスルフィニル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているアルキル基を指す。アルキルスルフィニルの代表例としては、メチルスルフィニルおよびエチルスルフィニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
「アルキルスルフィニルアルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているアルキルスルフィニル基を指す。アルキルスルフィニルアルキルの代表例としては、メチルスルフィニルメチルおよびエチルスルフィニルメチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
「アルキルスルホニル」という用語は、本明細書に定義されているスルホニル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているアルキル基を指す。アルキルスルホニルの代表例としては、メチルスルホニルおよびエチルスルホニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
「アルキルスルホニルアルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているアルキルスルホニル基を指す。アルキルスルホニルアルキルの代表例としては、メチルスルホニルメチルおよびエチルスルホニルメチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0045】
「アルキルチオ」という用語は、硫黄原子およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているアルキル基を指す。アルキルチオの代表例としては、メチルチオ、エチルチオ、tert−ブチルチオおよびヘキシルチオが挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
「アルキルチオアルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているアルキルチオ基を指す。アルキルチオアルキルの代表例としては、メチルチオメチルおよび2−(エチルチオ)エチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
「アルキニル」という用語は、2から10個の炭素原子を含み、少なくとも1つの炭素間三重結合を含む直鎖または分枝鎖炭化水素基を指す。アルキニルの代表例としては、アセチレニル、1−プロピニル、2−プロピニル、3−ブチニル、2−ペンチニルおよび1−ブチニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
「アルキニレン」という用語は、少なくとも1つの三重結合を含む2から10個の炭素原子の直鎖または分枝鎖炭化水素から誘導された二価の基を指す。アルキニレンの代表例としては、−C≡C−、−CHC≡C−、−CH(CH)CHC≡C−、−C≡CCH−および−C≡CCH(CH)CH−が挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
「アルキニルオキシ」という用語は、酸素原子およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているアルキニル基を指す。アルキニルオキシの代表例としては、2−プロピニルオキシおよび2−ブチニルオキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
「アリール」という用語は、フェニル、二環式アリールまたは三環式アリールを指す。二環式アリールは、ナフチル、シクロアルキルに縮合されたフェニル、またはシクロアルケニルに縮合されたフェニルである。二環式アリールの代表例としては、ジヒドロインデニル、インデニル、ナフチル、ジヒドロナフタレニルおよびテトラヒドロナフタレニルが挙げられるが、これらに限定されない。三環式アリールは、アントラセンもしくはフェナントレン、またはシクロアルキルに縮合された二環式アリール、またはシクロアルケニルに縮合された二環式アリール、またはフェニルに縮合された二環式アリールである。三環式アリール環の代表例としては、アズレニル、ジヒドロアントラセニル、フルオレニルおよびテトラヒドロフェナントレニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
本発明のアリール基は、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルコキシアルキル、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルフィニルアルキル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルチオ、アルキルチオアルキル、アルキニル、カルボキシ、カルボキシアルキル、シアノ、シアノアルキル、ホルミル、ホルミルアルキル、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メルカプト、ニトロ、−NZおよび(NZ)カルボニルから独立に選択される1、2、3、4または5個の置換基で置換され得る。
【0052】
「アリールアルコキシ」という用語は、本明細書に定義されているアルコキシ基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているアリール基を指す。アリールアルコキシの代表例としては、2−フェニルエトキシ、3−ナフト−2−イルプロポキシおよび5−フェニルペンチルオキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
「アリールアルコキシカルボニル」という用語は、本明細書に定義されているカルボニル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているアリールアルコキシ基を指す。アリールアルコキシカルボニルの代表例としては、ベンジルオキシカルボニルおよびナフト−2−イルメトキシカルボニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
「アリールアルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているアリール基を指す。アリールアルキルの代表例としては、ベンジル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピルおよび2−ナフト−2−イルエチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
「アリールアルキルチオ」という用語は、硫黄原子およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているアリールアルキル基を指す。アリールアルキルチオの代表例としては、2−フェニルエチルチオ、3−ナフト−2−イルプロピルチオおよび5−フェニルペンチルチオが挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
「アリールカルボニル」という用語は、本明細書に定義されているカルボニル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているアリール基を指す。アリールカルボニルの代表例としては、ベンゾイルおよびナフトイルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
「アリールオキシ」という用語は、酸素原子およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているアリール基を指す。アリールオキシの代表例としては、フェノキシ、ナフチルオキシ、3−ブロモフェノキシ、4−クロロフェノキシ、4−メチルフェノキシおよび3,5−ジメトキシフェノキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0058】
「アリールオキシアルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているアリールオキシ基を指す。アリールオキシアルキルの代表例としては、2−フェノキシエチル、3−ナフト−2−イルオキシプロピルおよび3−ブロモフェノキシメチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
「アリールチオ」という用語は、硫黄原子およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているアリール基を指す。アリールチオの代表例としては、フェニルチオおよび2−ナフチルチオが挙げられるが、これらに限定されない。
【0060】
「アリールチオアルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているアリールチオ基を指す。アリールチオアルキルの代表例としては、フェニルチオメチル、2−ナフト−2−イルチオエチルおよび5−フェニルチオメチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0061】
「アジド」という用語は、−N基を指す。
【0062】
「カルボニル」という用語は、−C(=O)−基を指す。
【0063】
「カルボキシ」という用語は、−COH基を指す。
【0064】
「カルボキシアルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているカルボキシ基を指す。カルボキシアルキルの代表例としては、カルボキシメチル、2−カルボキシエチルおよび3−カルボキシプロピルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
「シアノ」という用語は、−CN基を指す。
【0066】
「シアノアルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているシアノ基を指す。シアノアルキルの代表例としては、シアノメチル、2−シアノメチルおよび3−シアノプロピルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0067】
「シクロアルケニル」という用語は、3から8個の炭素原子を含み、2個の水素原子の除去によって形成された少なくとも1つの炭素間二重結合を含む環式炭化水素を指す。シクロアルケニルの代表例としては、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イルおよび3−シクロペンテン−1−イルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0068】
「シクロアルキル」という用語は、単環式、二環式または三環式環系を指す。単環式環系は、3から8個の炭素原子を含む飽和環式炭化水素基によって例示される。単環式環系の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが挙げられる。二環式環系は、単環式環の2個の隣接または非隣接炭素原子が、1から3個のさらなる炭素原子のアルキレンブリッジによって結合された架橋単環式環系によって例示される。二環式環系の代表例としては、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、ビシクロ[3.3.1]ノナンおよびビシクロ[4.2.1]ノナンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0069】
本発明のシクロアルキル基は、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシスルホニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキルチオアルキル、アルキニル、カルボキシ、シアノ、ホルミル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メルカプト、オキソ、−NZおよび(NZ)カルボニルからなる群から選択される1、2、3、4または5個の置換基で置換されていてもよい。
【0070】
「シクロアルキルアルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているシクロアルキル基を指す。シクロアルキルアルキルの代表例としては、シクロプロピルメチル、2−シクロブチルエチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルおよび4−シクロヘプチルブチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
「シクロアルキルカルボニル」という用語は、本明細書に定義されているカルボニル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているシクロアルキル基を指す。シクロアルキルカルボニルの代表例としては、シクロプロピルカルボニル、2−シクロブチルカルボニルおよびシクロヘキシルカルボニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0072】
「シクロアルキルオキシ」という用語は、本明細書に定義されている酸素原子およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているシクロアルキル基を指す。シクロアルキルオキシの代表例としては、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシおよびシクロオクチルオキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0073】
「シクロアルキルチオ」という用語は、本明細書に定義されている硫黄原子およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているシクロアルキル基を指す。シクロアルキルチオの代表例としては、シクロプロピルチオ、シクロブチルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ、シクロヘプチルチオおよびシクロオクチルチオが挙げられるが、これらに限定されない。
【0074】
「エチレンジオキシ」という用語は、−O(CHO−基を指し、その際、エチレンジオキシ基の酸素原子が、5員環を形成する1個の炭素原子を介して親分子部分に結合している、またはエチレンジオキシ基の酸素原子が、6員環を形成する2個の隣接炭素原子を介して親分子部分に結合されている。
【0075】
「ホルミル」という用語は、−C(=O)H基を指す。
【0076】
「ホルミルアルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているホルミル基を指す。ホルミルアルキルの代表例としては、ホルミルメチルおよび2−ホルミルエチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0077】
「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、−Cl、−Br、−Iまたは−Fを指す。
【0078】
「ハロアルコキシ」という用語は、本明細書に定義されているアルコキシ基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されている少なくとも1つのハロゲンを指す。ハロアルコキシの代表例としては、クロロメトキシ、2−フルオロエトキシ、トリフルオロメトキシおよびペンタフルオロエトキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0079】
「ハロアルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されている少なくとも1つのハロゲンを指す。ハロアルキルの代表例としては、クロロメチル、2−フルオロエチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルおよび2−クロロ−3−フルオロペンチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0080】
「ヘテロアリール」という用語は、単環式ヘテロアリールまたは二環式ヘテロアリールを指す。単環式ヘテロアリールは、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5員環または6員環である。5員環は2つの二重結合を含み、6員環は3つの二重結合を含む。5員または6員ヘテロアリールは、適正な原子価が維持されていることを条件として、ヘテロアリール内に含まれる任意の炭素原子または任意の置換可能窒素原子を介して親分子部分に結合されている。単環式ヘテロアリールの代表例としては、フリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピロリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、チアゾリルおよびトリアジニルが挙げられるが、これらに限定されない。二環式ヘテロアリールは、フェニルに縮合された単環式ヘテロアリール、またはシクロアルキルに縮合された単環式ヘテロアリール、またはシクロアルケニルに縮合された単環式ヘテロアリール、または単環式ヘテロアリールに縮合された単環式ヘテロアリールからなる。二環式ヘテロアリールは、適正な原子価が維持されていることを条件として、二環式ヘテロアリール内に含まれる任意の炭素原子または任意の置換可能窒素原子を介して親分子部分に結合されている。二環式ヘテロアリールの代表例としては、アザインドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾオキサゾール、1,3−ベンゾチアゾリル、ベンゾチオフェニル、シンノリニル、フロピリジン、インドリル、インダゾリル、イソベンゾフラン、イソインドリル、イソキノリニル、ナフチリジニル、オキサゾロピリジン、キノリニル、キノオキサリニルおよびチエノピリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0081】
本発明のヘテロアリール基は、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルコキシスルホニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルチオ、アルキルチオアルキル、アルキニル、カルボキシ、カルボキシアルキル、シアノ、シアノルキル、ホルミル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メルカプト、ニトロ、−NZおよび(NZ)カルボニルからなる群から独立に選択される1、2、3または4個の置換基で置換されていてもよい。ヒドロキシル基で置換された本発明のヘテロアリール基は、互変異性体として存在し得る。本発明のヘテロアリール基は、非芳香族互変異性体を含むすべての互変異性体を包含する。
【0082】
「ヘテロアリールアルコキシ」という用語は、本明細書に定義されているアルコキシ基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているヘテロアリール基を指す。ヘテロアリールアルコキシの代表例としては、フル−3−イルメトキシ、1H−イミダゾール−2−イルメトキシ、1H−イミダゾール−4−イルメトキシ、1−(ピリジン−4−イル)エトキシ、ピリジン−3−イルメトキシ、6−クロロピリジン−3−イルメトキシ、ピリジン−4−イルメトキシ、(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)メトキシ、(6−(シアノ)ピリジン−3−イル)メトキシ、(2−(シアノ)ピリジン−4−イル)メトキシ、(5−(シアノ)ピリジン−2−イル)メトキシ、(2−(クロロ)ピリジン−4−イル)メトキシ、ピリミジン−5−イルメトキシ、2−(ピリミジン−2−イル)プロポキシ、チエン−2−イルメトキシおよびチエン−3−イルメトキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0083】
「ヘテロアリールアルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているヘテロアリールを指す。ヘテロアリールアルキルの代表例としては、フル−3−イルメチル、1H−イミダゾール−2−イルメチル、1H−イミダゾール−4−イルメチル、1−(ピリジン−4−イル)エチル、ピリジン−3−イルメチル、6−クロロピリジン−3−イルメチル、ピリジン−4−イルメチル、(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)メチル、(6−(シアノ)ピリジン−3−イル)メチル、(2−(シアノ)ピリジン−4−イル)メチル、(5−(シアノ)ピリジン−2−イル)メチル、(2−(クロロ)ピリジン−4−イル)メチル、ピリミジン−5−イルメチル、2−(ピリミジン−2−イル)プロピル、チエン−2−イルメチルおよびチエン−3−イルメチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0084】
「ヘテロアリールアルキルカルボニル」という用語は、本明細書に定義されているカルボニル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているヘテロアリールアルキルを指す。
【0085】
「ヘテロアリールアルキルチオ」という用語は、硫黄原子およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているヘテロアリールアルキル基を指す。ヘテロアリールアルキルチオの代表例としては、フル−3−イルメチルチオ、1H−イミダゾール−2−イルメチルチオ、1H−イミダゾール−4−イルメチルチオ、ピリジン−3−イルメチルチオ、6−クロロピリジン−3−イルメチルチオ、ピリジン−4−イルメチルチオ、(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)メチルチオ、(6−(シアノ)ピリジン−3−イル)メチルチオ、(2−(シアノ)ピリジン−4−イル)メチルチオ、(5−(シアノ)ピリジン−2−イル)メチルチオ、(2−(クロロ)ピリジン−4−イル)メチルチオ、ピリミジン−5−イルメチルチオ、2−(ピリミジン−2−イル)プロピルチオ、チエン−2−イルメチルチオおよびチエン−3−イルメチルチオが挙げられるが、これらに限定されない。
【0086】
「ヘテロアリールカルボニル」という用語は、本明細書に定義されているカルボニル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているヘテロアリール基を指す。ヘテロアリールカルボニルの代表例としては、フル−3−イルカルボニル、1H−イミダゾール−2−イルカルボニル、1H−イミダゾール−4−イルカルボニル、ピリジン−3−イルカルボニル、6−クロロピリジン−3−イルカルボニル、ピリジン−4−イルカルボニル、(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)カルボニル、(6−(シアノ)ピリジン−3−イル)カルボニル、(2−(シアノ)ピリジン−4−イル)カルボニル、(5−(シアノ)ピリジン−2−イル)カルボニル、(2−(クロロ)ピリジン−4−イル)カルボニル、ピリミジン−5−イルカルボニル、ピリミジン−2−イルカルボニル、チエン−2−イルカルボニルおよびチエン−3−イルカルボニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0087】
「ヘテロアリールオキシ」という用語は、酸素原子およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているヘテロアリール基を指す。ヘテロアリールオキシの代表例としては、フル−3−イルオキシ、1H−イミダゾール−2−イルオキシ、1H−イミダゾール−4−イルオキシ、ピリジン−3−イルオキシ、6−クロロピリジン−3−イルオキシ、ピリジン−4−イルオキシ、(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)オキシ、(6−(シアノ)ピリジン−3−イル)オキシ、(2−(シアノ)ピリジン−4−イル)オキシ、(5−(シアノ)ピリジン−2−イル)オキシ、(2−(クロロ)ピリジン−4−イル)オキシ、ピリミジン−5−イルオキシ、ピリミジン−2−イルオキシ、チエン−2−イルオキシおよびチエン−3−イルオキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0088】
「ヘテロアリールオキシアルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているヘテロアリールオキシ基を指す。ヘテロアリールオキシアルキルの代表例としては、ピリジン−3−イルオキシメチルおよび2−キノリン−3−イルオキシエチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0089】
「ヘテロアリールチオ」という用語は、硫黄原子およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているヘテロアリール基を指す。ヘテロアリールチオの代表例としては、ピリジン−3−イルチオおよびキノリン−3−イルチオが挙げられるが、これらに限定されない。
【0090】
「ヘテロアリールチオアルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているヘテロアリールチオ基を指す。ヘテロアリールチオアルキルの代表例としては、ピリジン−3−イルチオメチルおよび2−キノリン−3−イルチオエチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0091】
「複素環」または「複素環式」という用語は、単環式複素環、二環式複素環または三環式複素環を指す。単環式複素環は、O、NおよびSからなる群から独立に選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む3員環、4員環、5員環、6員環または7員環である。3員環または4員環は、O、NおよびSからなる群から選択される1個のヘテロ原子を含む。5員環は、0または1つの二重結合、ならびにO、NおよびSからなる群から選択される1、2または3つのヘテロ原子を含む。6員環または7員環は、0、1または2つの二重結合、ならびにO、NおよびSからなる群から選択される1、2または3つのヘテロ原子を含む。単環式複素環は、単環式複素環内に含まれる任意の炭素原子または任意の窒素原子を介して親分子部分に結合されている。単環式複素環の代表例としては、アゼチジニル、アゼパニル、アジリジニル、ジアゼパニル、1,3−ジオオキサニル、1,3−ジオオキソラニル、1,3−ジチオールアニル、1,3−ジチアニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オキサジアゾリニル、オキサジアゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピロリニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、チアジアゾリニル、チアジアゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、チオモルホリニル、1,1−ジオキシドチオモルホリニル(チオモルホリンスルホン)、チオピラニルおよびトリチアニルが挙げられるが、これらに限定されない。二環式複素環は、フェニル基に縮合された5員もしくは6員の単環式複素環、またはシクロアルキルに縮合された5員もしくは6員の単環式複素環、またはシクロアルケニルに縮合された5員もしくは6員単環式複素環、単環式複素環に縮合された5員もしくは6員の単環式複素環である。二環式複素環は、二環式複素環内に含まれる任意の炭素原子または任意の窒素原子を介して親分子部分に結合されている。二環式複素環の代表例としては、1,3−ベンゾジオキソリル、1,3−ベンゾジチオリル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル、ベンゾジオキソリル、2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロ−1−ベンゾチエニル、クロメニルおよび1,2,3,4−テトラヒドロキノリニルが挙げられるが、これらに限定されない。三環式複素環は、フェニルに縮合された二環式複素環、またはシクロアルキルに縮合された二環式複素環、またはシクロアルケニルに縮合された二環式複素環、または単環式複素環に縮合された二環式複素環である。三環式複素環は、三環式複素環内に含まれる任意の炭素原子または任意の窒素原子を介して親分子部分に結合されている。三環式複素環の代表例としては、2,3,4,4a,9,9a−ヘキサヒドロ−1H−カルバゾリル、5a,6,7,8,9,9a−ヘキサヒドロジベンゾ[b,d]フラニルおよび5a,6,7,8,9,9a−ヘキサヒドロジベンゾ[b,d]チエニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0092】
本発明の複素環は、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルコキシスルホニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルチオ、アルキルチオアルキル、アルキニル、カルボキシ、カルボキシアルキル、シアノ、シアノアルキル、ホルミル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メルカプト、オキソ、−NZおよび(NZ)カルボニルからなる群から独立に選択される1、2、3または4個の置換基で置換されていてもよい。
【0093】
「複素環アルコキシ」という用語は、本明細書に定義されているアルコキシ基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されている複素環基を指す。複素環アルコキシの代表例としては、2−ピリジン−3−イルエトキシ、3−キノリン−3−イルプロポキシおよび5−ピリジン−4−イルペンチルオキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0094】
「複素環アルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されている複素環を指す。
【0095】
「複素環アルキルカルボニル」という用語は、本明細書に定義されているカルボニル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されている複素環アルキルを指す。複素環アルキルカルボニルの代表例としては、ピペリジン−4−イルメチルカルボニル、ピペラジン−1−イルメチルカルボニル、3−メチル−1−ピロリジン−1−イルブチルカルボニル、(1R)−3−メチル−1−ピロリジン−1−イルブチルカルボニル、(1S)−3−メチル−1−ピロリジン−1−イルブチルカルボニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0096】
「複素環アルキルチオ」という用語は、硫黄原子およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されている複素環アルキル基を指す。複素環アルキルチオの代表例としては、2−ピリジン−3−イルエチルチオ、3−キノリン−3−イルプロピルチオおよび5−ピリジン−4−イルペンチルチオが挙げられるが、これらに限定されない。
【0097】
「複素環カルボニル」という用語は、本明細書に定義されているカルボニル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されている複素環を指す。
【0098】
「複素環カルボニルアルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されている複素環カルボニルを指す。
【0099】
「複素環オキシ」という用語は、酸素原子およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されている複素環基を指す。複素環オキシの代表例としては、ピリジン−3−イルオキシおよびキノリン−3−イルオキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0100】
「複素環オキシアルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されている複素環オキシ基を指す。複素環オキシアルキルの代表例としては、ピリジン−3−イルオキシメチルおよび2−キノリン−3−イルオキシエチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0101】
「複素環チオ」という用語は、硫黄原子およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されている複素環基を指す。複素環チオの代表例としては、ピリジン−3−イルチオおよびキノリン−3−イルチオが挙げられるが、これらに限定されない。
【0102】
「複素環チオアルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されている複素環チオ基を指す。複素環チオアルキルの代表例としては、ピリジン−3−イルチオメチルおよび2−キノリン−3−イルチオエチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0103】
「ヒドロキシ」という用語は、−OH基を指す。
【0104】
「ヒドロキシアルキル」という用語は、本明細書に定義されている、アルキル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されている少なくとも1つのヒドロキシ基を指す。ヒドロキシアルキルの代表例としては、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシペンチルおよび2−エチル−4−ヒドロキシヘプチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0105】
「ヒドロキシ保護基」または「O−保護基」という用語は、合成手順中の望ましくない反応からヒドロキシル基を保護する置換基を指す。ヒドロキシ保護基の例としては、置換メチルエーテル、例えば、メトキシメチル、ベンジルオキシメチル、2−メトキシエトキシメチル、2−(トリメチルシリル)−エトキシメチル、ベンジルおよびトリフェニルメチル;テトラヒドロピラニルエーテル;置換エチルエーテル、例えば、2,2,2−トリクロロエチルおよびt−ブチル;シリルエーテル、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリルおよびt−ブチルジフェニルシリル;環式アセタールおよびケタール、例えば、メチレンアセタール、アセトニドおよびベンジリデンアセタール;環式オルトエステル、例えばメトキシメチレン;環式カーボネート;および環式ボロネートが挙げられるが、これらに限定されない。一般に使用されているヒドロキシ保護基は、T.W.Greene and P.G.M.Wuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第3版、John Wiley & Sons、New York(1999)に開示されている。
【0106】
「低級アルケニル」という用語は、本明細書に定義されているアルケニルの部分集合であり、2から4個の炭素原子を含むアルケニル基を指す。低級アルケニルの例は、エテニル、プロペニルおよびブテニルである。
【0107】
「低級アルコキシ」という用語は、本明細書に定義されているアルコキシの部分集合であり、本明細書に定義されている酸素原子およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されている低級アルキル基を指す。低級アルコキシの代表例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、ブトキシおよびtert−ブトキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0108】
「低級アルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキルの部分集合であり、1から4個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖炭化水素基を指す。低級アルキルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルである。
【0109】
「低級アルキルチオ」の用語は、アルキルチオの部分集合であり、硫黄原子およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されている低級アルキル基を指す。低級アルキルチオの代表例としては、メチルチオ、エチルチオおよびtert−ブチルチオが挙げられるが、これらに限定されない。
【0110】
「低級アルキニル」という用語は、本明細書に定義されているアルキニルの部分集合であり、2から4個の炭素原子を含むアルキニル基を指す。低級アルキニルの例は、エチニル、プロピニルおよびブチニルである。
【0111】
「低級ハロアルコキシ」という用語は、本明細書に定義されているハロアルコキシの部分集合であり、1から4個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖ハロアルコキシ基を指す。低級ハロアルコキシの代表例としては、トリフルオロメトキシ、トリクロロメトキシ、ジクロロメトキシ、フルオロメトキシおよびペンタフルオロエトキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0112】
「低級ハロアルキル」という用語は、本明細書に定義されているハロアルキルの部分集合であり、1から4個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖ハロアルキル基を指す。低級ハロアルキルの代表例としては、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ジクロロメチル、フルオロメチルおよびペンタフルオロエチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0113】
「メルカプト」という用語は、−SH基を指す。
【0114】
「メルカプトアルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているメルカプト基を指す。メルカプトアルキルの代表例としては、2−メルカプトエチルおよび3−メルカプトプロピルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0115】
「メチレンジオキシ」という用語は、−OCHO−基を指し、その際、メチレンジオキシの酸素原子が、2つの隣接炭素原子を介して親分子部分に結合されている。
【0116】
「窒素保護基」という用語は、合成手順中の望ましくない反応からアミノ基を保護することを目的とする基を指す。好適な窒素保護基は、アセチル、ベンゾイル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、ホルミル、フェニルスルホニル、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、tert−ブチルアセチル、トリフルオロアセチルおよびトリフェニルメチル(トリチル)である。一般に使用されている窒素保護基は、T.W.Greene and P.G.M.Wuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第3版、John Wiley & Sons、New York(1999)に開示されている。
【0117】
「ニトロ」という用語は、−NO基を指す。
【0118】
「NZ」という用語は、窒素原子およびこれを介して親分子部分に付加されている2つの基ZおよびZを指す。ZおよびZは、水素、アルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリール、アリールアルキル、ホルミルおよび(NZ)カルボニルからなる群からそれぞれ独立に選択される。本発明の範囲内の特定の事例において、ZおよびZは、これらが結合した窒素原子と一緒になって、複素環式環を形成する。NZの代表例としては、アミノ、メチルアミノ、アセチルアミノ、アセチルメチルアミノ、フェニルアミノ、ベンジルアミノ、アゼチジニル、ピロリジニルおよびピペリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0119】
「NZ」という用語は、窒素原子およびこれを介して親分子部分に付加されている2つの基ZおよびZを指す。ZおよびZは、水素、アルキル、アリールおよびアリールアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。NZの代表例としては、アミノ、メチルアミノ、フェニルアミノおよびベンジルアミノが挙げられるが、これらに限定されない。
【0120】
「NZ」という用語は、窒素原子およびこれを介して親分子部分に付加されている2つの基ZおよびZを指す。ZおよびZは、水素、アルキル、アリールおよびアリールアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。NZの代表例としては、アミノ、メチルアミノ、フェニルアミノおよびベンジルアミノが挙げられるが、これらに限定されない。
【0121】
「(NZ)カルボニル」という用語は、本明細書に定義されているカルボニル基およびこれを介して親分子部分に付加されている、本明細書に定義されているNZ基を指す。(NZ)カルボニルの代表例としては、アミノカルボニル、(メチルアミノ)カルボニル、(ジメチルアミノ)カルボニルおよび(エチルメチルアミノ)カルボニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0122】
「オキソ」という用語は、=O成分を指す。
【0123】
「スルフィニル」という用語は、−S(=O)−基を指す。
【0124】
「スルホニル」という用語は、−SO−基を指す。
【0125】
「互変異性体」という用語は、ある化合物の1つの原子からの同じ化合物の別の原子へのプロトン移動を指し、その際、2つ以上の構造的に異なる化合物が互いに平衡している。
【0126】
通常、星印は、受容体の正確なサブユニット組成が不確実であることを示すのに使用されると認識され得、例えば、α3b4は、α3およびβ4タンパク質を他のサブユニットと組み合わせて含む受容体を示すが、本明細書に使用されているα7という用語は、正確なサブユニット組成が確実である受容体および不確実である受容体の両方が含まれると意図されている。例えば、本明細書に使用されているように、α7は、ホモマー(α7)受容体、および少なくとも1つのα7サブユニットを含むnAChRを表すα7受容体を含む。
【0127】
本発明の化合物は、無機または有機酸から誘導された医薬として許容される塩、エステルまたはアミドの形で使用することができる。「医薬として許容される塩、エステルおよびアミド」は、適切な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激およびアレルギー応答等を伴わずにヒトおよびより下等な動物の組織と接触させて使用するのに好適であり、合理的な便益/リスク比に見合っており、これらの意図する用途に有効である式(I)の化合物の塩、双性イオン、エステルおよびアミドを含む。
【0128】
「医薬として許容される塩」は、適切な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激およびアレルギー応答等を伴わずにヒトおよびより下等な動物の組織と接触させて使用するのに好適であり、合理的な便益/リスク比に見合っている塩を指す。これらの塩を、本発明の化合物の最終的な単離および精製時にインサイツで、または遊離塩基官能基と好適な有機酸とを反応させることによって個別に調製することができる。
【0129】
代表的な酸付加塩としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、ジグルコン酸塩、フマル酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イセチオン酸塩)、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、重炭酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびウンデカン酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0130】
塩基性窒素含有基を、塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、プロピルおよびブチルなどの低級アルキルハロゲン化物;硫酸ジメチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミルなどの硫酸ジアルキル;塩化、臭化およびヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルなどの長鎖ハロゲン化物;臭化ベンジルおよびフェネチルなどのアリールアルキルハロゲン化物等の物質を用いて四級化することができる。
【0131】
医薬として許容される酸付加塩を形成するために使用できる酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸などの無機酸、ならびにシュウ酸、マレイン酸、コハク酸およびクエン酸などの有機酸が挙げられる。
【0132】
塩基付加塩は、カルボン酸含有成分を、医薬として許容される金属カチオンの、水酸化物、炭酸塩もしくは重炭酸塩などの好適な塩基と反応させるまたはアンモニアもしくは有機一級、二級もしくは三級アミンと反応させることによって、本発明の化合物の最終的な単離および精製を行っている間にインサイツで調製することができる。医薬として許容される塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよびアルミニウム塩等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属に基づくカチオン;アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミンおよびエチルアミン等を含む無毒性四級アンモニアおよびアミンカチオンが挙げられるが、これらに限定されない。塩基付加塩の形成に有用である他の代表的な有機アミンとしては、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジンおよびピペラジンが挙げられる。
【0133】
「医薬として許容されるエステル」という用語は、インビボで加水分解し、ヒトの体内で容易に分解して親化合物またはこれらの塩を残すものを含む本発明の化合物のエステルを指す。本発明の医薬として許容される無毒性エステルの例としては、C−CアルキルエステルおよびC−Cシクロアルキルエステルが挙げられるが、C−Cアルキルエステルが好適である。式(I)の化合物のエステルを従来の方法に従って調製することができる。医薬として許容されるエステルは、ヒドロキシ基を含有する化合物を、酸および酢酸などのアルキルカルボン酸と反応させるまたは酸および安息香酸などのアリールカルボン酸と反応させることによって、ヒドロキシ基に付加することができる。カルボン酸基を含む化合物の場合は、医薬として許容されるエステルは、カルボン酸基を含有する化合物から、該化合物を、トリエチルアミンなどの塩基およびアルキルハロゲン化物であるアルキルトリフレートと反応させる、例えば、ヨウ化メチル、ヨウ化ベンジル、ヨウ化シクロペンチルと反応させることによって調製される。上記エステルは、該化合物を、塩酸などの酸および酢酸などのアルキルカルボン酸と反応させるまたは酸および安息香酸などのアリールカルボン酸とを反応させることによって調製することもできる。
【0134】
本明細書に使用されている「医薬として許容されるアミド」という用語は、アンモニア、一級C−Cアルキルアミンおよび二級C−Cジアルキルアミンから誘導された本発明の無毒性アミドを指す。二級アミンの場合は、アミンは、また、1個の窒素原子を含む5員または6員複素環の形であり得る。アンモニア、C−Cアルキル一級アミドおよびC−Cジアルキル二級アミドが好適である。式(I)の化合物のアミドを従来の方法に従って調製することができる。医薬として許容されるアミドは、一級または二級アミン基を含有する化合物から、該アミノ基含有化合物を、アルキル無水物、アリール無水物、アシルハロゲン化物またはアロイルハロゲン化物と反応させることによって調製することができる。カルボン酸基を含む化合物の場合は、医薬として許容されるエステルは、カルボン酸基を含有する化合物から、該化合物を、トリエチルアミンなどの塩基、ジシクロヘキシルカルボジイミドまたはカルボニルジイミダゾールなどの脱水剤およびアルキルアミン、ジアルキルアミン、例えばメチルアミン、ジエチルアミン、ピペリジンと反応させることによって調製される。これらは、該化合物を、硫酸などの酸および酢酸などのアルキルカルボン酸と反応させるまたは分子篩の添加等による脱水条件下で酸および安息香酸などのアリールカルボン酸と反応させることによって調製することもできる。該組成物は、本発明の化合物を医薬として許容されるプロドラッグの形で含有し得る。
【0135】
本明細書に使用されている「医薬として許容されるプロドラッグ」または「プロドラッグ」という用語は、適切な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激およびアレルギー応答等をもたらすことなく、ヒトおよびより低級な動物の組織と接触させて使用するのに好適であり、合理的な便益/リスク比に見合っており、これらの意図する用途に有効である本発明の化合物のプロドラッグを表す。本発明のプロドラッグは、例えば血液中の加水分解によって式(I)の親化合物にインビボで容易に変換され得る。詳細な説明は、T.Higuchi and V.Stella、Pro−drugs as Novel Delivery Systems,V.14 of the A.C.S.Symposium Series、およびEdward B.Roche編、Bioreversible Carriers in Drug Design、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press(1987)に示されている。
【0136】
本発明は、化学的に合成された、または式(I)の化合物へのインビボの生体内変換によって形成された医薬活性化合物を企図する。
発明の化合物
本発明の化合物は、式(I)を有する。
【0137】
【化2】
【0138】
より詳細には、式(I)の化合物は、RがHまたはアルキルであり、AがNであり、nが1または2である化合物を含むことができるが、これらに限定されない。RがHまたはメチルであり、AがNであり;LがOであり;nが2である特定の好適な化合物が存在する。
【0139】
より詳細には、式(I)の化合物において、Arは、
【0140】
【化3】
から選択される。
【0141】
式中、R、R、RおよびRは、水素、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシイミノ、アルコキシスルホニル、アルキル、アルキルスルホニル、アルキニル、アミノ、カルボキシ、シアノ、ホルミル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メルカプト、ニトロ、チオアルコキシ、−NR、(NR)アルキル、(NR)アルコキシ、(NR)カルボニルおよび(NR)スルホニルから独立に選択され;
は、水素、アシル、アルキルおよびアルキルスルホニルからそれぞれ独立に選択され;
およびRは、水素またはアルキルまたはアルキルカルボニルからそれぞれ独立して選択される。
【0142】
より詳細には、Arは、
【0143】
【化4】
である。
【0144】
より詳細には、本発明は、AがNであり;RがHまたはメチルであり;LがOであり;nが2であり;Ar
【0145】
【化5】
である式(I)の化合物を含むが、これらに限定されない。
【0146】
式(I)の化合物は、
【0147】
【化6】
であるArを含む。
【0148】
式中、Xは、O、Sおよび−N(R)−からなる群から選択され;Z、Z、Z、ZおよびZは、それぞれ独立に、窒素または炭素であり、炭素原子は、水素、ハロゲン、アルキル、−OR、−アルキル−OR、−NRおよび−アルキル−NRからなる群から選択される置換基で置換されていてもよい。
【0149】
またはRがヒドロキシである場合は、対応する互変異性体が可能であることを条件として、RおよびRは、水素、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシイミノ、アルコキシスルホニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルホニル、アルキニル、カルボキシ、シアノ、ホルミル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロ、水素、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メルカプト、ニトロ、チオアルコキシ、−NR、(−NR)アルキル、(−NR)アルコキシ、(−NR)カルボニルおよび(−NR)スルホニルからなる群からそれぞれ独立に選択される。R、R、R、R、R、RおよびRは、水素およびアルキル、アルキルカルボニルからなる群からそれぞれ独立に選択される。Rは、水素、アルキル、シクロアルキルアルキルおよびアリールアルキルから選択される。Rが水素またはアルキルである好適な化合物が開示される。好ましくは、RはHまたはメチルである。
【0150】
Arが、
【0151】
【化7】
である好適な化合物が開示される。
【0152】
式中、Z、Z、Z、Z、R、RおよびRは、既に定義されている通りである。より好ましくは、Arは、式(iii)の分子である。
【0153】
最も詳細には、本発明は、AがNであり;Rがメチルであり;LがOであり;nが2であり;Ar
【0154】
【化8】
であり、Ar
【0155】
【化9】
である式(I)の化合物に関する。
【0156】
本発明の方法に供する化合物は、限定されるものではないが、実施例で特定されるもの、または他の方法で明示的に指名されたものを含み、nAChR、より詳細にはα7 nAChRをモジュレートすることができ、これに対する親和性をしばしば有する。α7 nAChRリガンドとして、本発明の化合物は、α7 nAChR媒介の疾患または状態の治療または予防に有用である。
【0157】
α7 nAChR媒介の疾患または状態の治療または予防に有用な化合物の具体例としては、
2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−(1H−インドール−5−イル)−チアゾール;
2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−フェニル−チアゾール;
2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−3−イル]−チアゾール;
5−(1H−インドール−6−イル)−2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]チアゾール;
5−(1H−インドール−4−イル)−2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]チアゾール;
5−(ベンゾフラン−5−イル)−2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]チアゾール;
5−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−[(エンド)8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]チアゾール;
5−(2−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−イル)−2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ])チアゾール;
5−(ジベンゾ[b,d]チオフェン−2−イル)−2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]チアゾール;
2−[(エキソ)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−(1H−インドール−5−イル)−チアゾール;
2−[(エキソ)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−(1H−インドール−6−イル)−チアゾール;
2−[(エキソ)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−フェニル−チアゾール;
2−[(エキソ)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−(ピリジン−3−イル)−チアゾール;
2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール;
2−(1H−インドール−5−イル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール;
2−(ベンゾフラン−5−イル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ)−1,3,4−チアジアゾール;
2−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール;
2−(3−フルオロフェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール;
2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−m−トリル−1,3,4−チアジアゾール;
2−(4−フルオロフェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール;
2−(3−クロロフェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール;
2−(1H−インドール−6−イル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール;
2−(1H−インドール−4−イル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール;
2−(3−シアノフェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール;
2−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ)−1,3,4−チアジアゾール;
2−(4−クロロフェニル)−5−((1R,3R,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ)−1,3,4−チアジアゾール;
2−(2−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−イル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール;
2−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ)−1,3,4−チアジアゾール;
2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール;
2−(4−メトキシフェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール;
2−(3−アミノフェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール;
2−(4−エチルフェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール;
2−(4−アセチルフェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール;および
N−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−2−アミン;
または医薬として許容されるこれらの塩、エステル、アミドおよびプロドラッグが挙げられるが、これらに限定されない。
【0158】
化合物名は、ドイツFrankfurtのMDL Information Systems GmbH(公式にはBeilstein Informationssystemeとしても知られる)によって提供され、CHEMDRAW(登録商標)ULTRA v.6.0.2ソフトウェアシリーズ(Cambridge Soft(マサチューセッツ州Cambridge))の一部であるAUTONOMネーミングソフトウェアを使用して定められる。
【0159】
本発明の化合物は、不斉またはキラル中心が存在する立体異性体として存在し得る。これらの立体異性体は、キラル元素の周囲の置換基の立体配置に応じて「R」または「S」である。本明細書に使用される「R」および「S」という用語は、IUPAC 1974 Recommendations for Section E,Fundamental Stereochemistry,Pure Appl.Chem.、1976、45:13−30に規定されている立体配置である。アザ二環式アルカンへのLの結合は、エンド配置およびエキソ配置の両方を包含すると考えられ得る。本発明は、様々な立体異性体およびこれらの混合物を企図し、本発明の範囲内に明示的に含まれる。立体異性体は、鏡像異性体およびジアステレオ異性体、ならびに鏡像異性体またはジアステレオ異性体の混合物を含む。本発明の化合物の個々の立体異性体は、不斉もしくはキラル中心を含む商業的に入手可能な出発材料から合成により調製することができるまたはラセミ混合物の調製後に、当業者に良く知られている分割を行うことによって調製することができる。これらの分割方法は、(1)Furniss,Hannaford,Smith,and Tatchell、「Vogel’s Textbook of Practical Organic Chemistry」、第5版(1989)、Longman Scientific & Technical、Essex CM20 2JE、英国に記載されているように、鏡像異性体の混合物をキラル助剤に結合させ、得られたジアステレオ異性体の混合物を再結晶もしくはクロマトグラフィーによって分離し、光学的に純粋の生成物をその助剤から必要に応じて放出する方法または(2)キラルクロマトグラフィーカラム上で光学的鏡像異性体の混合物を直接分離する方法または(3)分別再結晶法によって例示される。
【0160】
発明の化合物を調製するための方法
以下のスキームに例示する反応は、使用される試薬および材料に適切であり、実施されている変換に好適な溶媒中で実施される。記載されている変換は、分子上に存在する官能基に応じて、本発明の所望の化合物を得るために、合成工程の順序を変更するまたは1つの特定の処理プロセススキームを選択することを必要とし得る。
【0161】
以下に記載される方法は、様々な鏡像異性体の使用を必要とし得る。立体化学構造がスキームに示される場合は、それは、例示のみを目的とする。
【0162】
【化10】
【0163】
式(8)(式中、Arは式(I)に定義されている通りである)の化合物は、スキーム1に記載されているように調製することができる。式(1)の化合物は、Org.Lett.、2002、4、973に記載されているように、トルエンなどの(ただし、これに限定されない)溶媒中のCuI、1,10−フェナントロリンおよびCsCOの存在下で110℃にて式(2)(式中、Xは酸素、硫黄もしくは窒素であり;Yは臭化物、塩化物もしくはヨウ化物である)の化合物で処理されると、式(3)の化合物を与える。式(3)の化合物は、Pd(OAc)、PdCl(PPh、Pd(PPh、PdCl(dppf)、Pd(dba)などの(ただし、これらに限定されない)パラジウム触媒の存在下にてヘキサメチル二錫、またはビス(ピナコラト)二ホウ素もしくはビス(カテコラト)二ホウ素などの式(4)(Rは水素、アルキルまたはアリールである)の有機ボラン化合物で処理されると、式(5)(式中、Mは−Sn−(Me)または−B(ORである)の対応する錫またはホウ酸/エステルを与える。式(5)の化合物は、Pd(OAc)、PdCl(PPh、Pd(PPh、PdCl(dppf)、Pd(dba)などの(ただし、これらに限定されない)パラジウム触媒の存在下にて式(6)(式中、Arはアリールもしくはヘテロアリール環であり、ハロは臭化物、塩化物もしくはヨウ化物である)の化合物で処理されると、式(8)の化合物を与える。代替的に、式(6)の化合物は、パラジウム触媒の存在下にてヘキサメチル二錫、またはビス(ピナコラト)二ホウ素およびビス(カテコラト)二ホウ素などの式(4)のジボラン含有化合物で処理されると、式(7)(式中、Arは二環式ヘテロアリールであり、Mは−Sn−(Me)もしくは−B(ORである)の化合物を含む有機錫または有機ホウ酸/エステルを与える。式(7)の化合物は、Pd(OAc)、PdCl(PPh、Pd(PPh、PdCl(dppf)、Pd(dba)などの(ただし、これらに限定されない)パラジウム触媒の存在下にて式(3)の化合物で処理されると、式(8)の化合物を与える。
【0164】
【化11】
【0165】
式(13)(式中、Arは窒素含有ヘテロアリール、例えば、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾールおよびトリアゾールであり;Arは式(I)に定義されている通りである)の化合物をスキーム2に示されているように調製することができる。式(9)(式中、Rは、既に定義されている通りであり、Kはカリウムを表す)の化合物は、類似の式のヒドロキシル含有複素環をTHF、DMEもしくはDMFなどの(ただし、これらに限定されない)溶媒中カリウムtert−ブトキシドで処理することによって調製され、式(9)の酸化カリウム含有化合物を与える。式(9)の化合物は、2,5−ジブロモチアゾールおよび2,5−ジブロモ−1,3,4−チアジアゾールなどの(ただし、これらに限定されない)式(10)(Yはブロモ、クロロもしくはヨードであり、Yはブロモ、クロロ、ヨードもしくはArであり;J、JおよびJは、独立に、炭素もしくは窒素、硫黄および酸素である)の化合物で処理されると、式(11)の化合物を与える。YがArであるときは、式(11)の化合物が好適な実施形態である。Yがハロゲンであるときは、式(11)の化合物は、スキーム1に示される手順に従って、パラジウム触媒の存在下にてヘキサメチル二錫または式(4)のジボラン含有化合物で処理されると、式(12)の化合物を与える。式(12)の化合物は、Pd(OAc)、PdCl(PPh、Pd(PPh、PdCl(dppf)、Pd(dba)などの(ただし、これらに限定されない)パラジウム触媒の存在下にて式(6)の化合物で処理されると、式(13)の化合物を与える。代替的に、式(11)の化合物は、Pd(OAc)、PdCl(PPh、Pd(PPh、PdCl(dppf)、Pd(dba)などの(ただし、これらに限定されない)パラジウム触媒の存在下にて、スキーム1に記載されているように式(7)の有機スタンナンもしくは有機ホウ酸含有化合物で処理されると、式(13)の化合物を与える。
【0166】
【化12】
【0167】
代替的に、式(8)の化合物をスキーム3に示されているように調製することができる。式(1)の化合物は、アゾジカルボン酸ジエチルもしくはアゾジカルボン酸ジイソプロピルおよびトリフェニルホスフィンなどのホスフィン(ただし、これらに限定されない)の存在下で式(14)(Xは酸素、硫黄もしくは窒素であり;Z、ZおよびZは窒素もしくは炭素であり、Yはブロモ、クロロ、ヨードもしくはArである)の化合物で処理されると、式(15)の化合物を与える。YがArであるときは、式(15)の化合物が好適な実施形態である。Yがハロゲンであるときは、スキーム1−2に示されている条件に従って該化合物をさらに処理すると、好適な実施形態である式(8)の化合物が得られる。
【0168】
【化13】
【0169】
式(8)の化合物を生成する別の方法がスキーム4に記載されている。式(7)の錫またはホウ酸/エステル化合物を様々なヘテロアリールハロゲン化物とカップリングすることができ、これは、式(17)のビアリール化合物および式(20)の化合物を生成する方法を提供する。例えば、式(7)の化合物は、Pd(OAc)、PdCl(PPh、Pd(PPh、PdCl(dppf)、Pd(dba)などの(ただし、これらに限定されない)パラジウム触媒の存在下にて式(16)の化合物で処理されると、式(17)の化合物を与える。式(17)の化合物は、ヨウ化銅(I)および炭酸セシウムならびにスキーム1に記載されている1,10−フェナントロリンの存在下にて式(1)の化合物で処理されると、式(8)の化合物を与える。代替的に、式(7)の化合物は、パラジウム触媒の存在下にて式(18)(Rはベンジル、もしくは当業者に知られている別の適切なアルコール保護基である)の化合物で処理されると、式(19)の化合物を与える。アルコール保護基の脱保護は、例えばRがベンジルであるときは、一般に、パラジウム炭素および水素の雰囲気を使用して達成されて、式(20)の化合物を与える。式(20)の化合物は、トリフェニルホスフィンおよびジエチルジアゾカルボキシレートまたは類似の試薬の存在下にて式(1)の化合物で処理されると、式(8)の化合物を与える。
【0170】
【化14】
【0171】
式(I)(Lは−NH−である)の化合物を代表する式(25)の化合物をスキーム5に示されているように調製することができる。式(21)の化合物は、酢酸中トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムおよびNaSOとともに式(22)(Yは臭化物、塩化物、ヨウ化物もしくはArである)の化合物で処理されると、式(23)の化合物を与える。代替的に、式(24)の化合物を、好ましくはトルエン中Pd(OAc)、PdCl(PPh、Pd(PPh、PdCl(dppf)、Pd(dba)などの(ただし、これらに限定されない)パラジウム触媒の存在下にて式(2)(Yはクロロ、ブロモもしくはヨードであり、Yは臭化物、塩化物、ヨウ化物もしくはArである)の化合物で処理することによって、式(23)の化合物を得ることができる。YがArであるときは、式(23)の化合物は、本発明を代表する。Yがハロゲンであるときは、式(23)の化合物を、スキーム2に記載されている条件下にてビス(ピナコラト)二ホウ素およびビス(カテコラト)二ホウ素などの式(4)の錫もしくは二ホウ素でさらに処理すると、式(26)の対応する錫またはホウ酸/エステル化合物が得られる。式(26)の化合物は、パラジウム触媒の存在下にて式(6)の化合物で処理されると、式(25)の化合物を与える。代替的に、式(23)の化合物もパラジウム触媒の存在下で式(7)の錫またはホウ酸/エステル含有化合物で処理されると、式(25)の化合物を与える。
【0172】
【化15】
【0173】
式(30)(LはSであり、ArおよびArは式(I)に定義されている通りである)の化合物をスキーム6に示されているように調製することができる。式(27)(Yは臭化物、塩化物、ヨウ化物もしくはArである)の化合物は、DMFなどの(ただし、これに限定されない)溶媒中水素化ナトリウムで前処理した後、式(1)の化合物で処理されると、式(28)の化合物を与える。YがArであるとき、式(18)の化合物は、本発明を代表する。Yがハロゲンであるときは、式(28)の化合物をスキーム1に記載されている式(7)の化合物でさらに処理すると、式(I)(LはSである)の化合物を代表する式(30)の化合物が得られる。代替的に、式(28)の化合物は、パラジウム触媒の存在下にて、ヘキサメチル二錫、またはビス(ピナコラト)二ホウ素およびビス(カテコラト)二ホウ素などの式(4)の二ホウ素試薬で処理されると、式(29)の化合物を与える。式(29)の化合物は、パラジウム触媒の存在下にて式(6)(ハロはブロモ、クロロもしくはヨードである)の化合物で処理されると、式(30)の化合物を与える。
【0174】
加えて、AがNである式(I)の化合物を酸化剤で処理することによって、AがN−Oである式(I)の化合物に変換することができる。酸化剤の例としては、過酸化水素水およびm−クロロ過安息香酸が挙げられるが、これらに限定されない。該反応は、一般に、アセトニトリル、水、ジクロロメタン、アセトンまたはこれらの混合物などの溶媒中で、好ましくはアセトニトリルと水の混合物などの溶媒(ただし、これらに限定されない)中で、約0℃から約80℃の温度にて約1時間から約4日間の時間にわたって実施される。
【0175】
本発明の化合物および中間体を有機合成の技術分野の当業者に良く知られている方法によって単離および精製することができる。化合物を単離および精製するための従来の方法の例としては、シリカゲル、アルミナ、またはアルキルシラン基を用いて誘導体化されたシリカなどの固形支持体上でのクロマトグラフィー;活性化炭素を用いた必要に応じた前処理を伴う高温または低温での再結晶化;薄層クロマトグラフィー、様々な圧力における蒸留、真空下での昇華、および例えば「Vogel’s Textbook of Practical Organic Chemistry」、第5版(1989)、by Furniss,Hannaford,Smith,and Tatchell、pub.Longman Scientific & Technical,Essex CM20 2JE、英国に記載されている粉砕を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0176】
本発明の化合物は、該化合物を酸で処理して所望の塩を形成することを可能にする少なくとも1つの塩基性窒素を有する。例えば、化合物を室温以上の温度にて酸で処理して、堆積され、冷却後に濾過で回収される所望の塩を得ることができる。該反応に好適な酸の例としては、酒石酸、乳酸、コハク酸、ならびにマンデル酸、アトロラクチン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、炭酸、フマル酸、グルコン酸、酢酸、プロピオン酸、サリチル酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、クエン酸もしくはヒドロキシ酪酸、カンファースルホン酸、リンゴ酸、フェニル酢酸、アスパラギン酸およびグルタミン酸等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0177】
記載の化合物に存在するアミン基を保護するために窒素保護基を使用することができる。当該方法およびいくつかの好適な窒素保護基がGreene and Wuts(Protective Groups In Organic Synthesis、Wiley and Sons、1999)に記載されている。例えば、好適な窒素保護基としては、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、ベンジル(Bn)、アセチルおよびトリフルオロアセチルが挙げられるが、これらに限定されない。より詳細には、Boc保護基をトリフルオロ酢酸または塩酸などの酸で処理することによって除去することができる。CbzおよびBn保護基を触媒水素化によって除去することができる。アセチルおよびトリフルオロアセチル保護基を水酸化物イオンによって除去することができる。
【0178】
例示することを意図し、本発明の範囲を限定することを意図しない以下の実施例を参照することによって、本発明の化合物および方法をより深く理解することができる。
【実施例】
【0179】
実施例1
2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−(1H−インドール−5−イル)チアゾールビス(塩酸)
実施例1A
5−ブロモ−2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]チアゾール
THF(無水、Aldrich、20mL)中トロピン(Aldrich、420mg、3.0mmol)を室温にて1.0時間にわたってカリウムtert−ブトキシド(Aldrich、350mg、3.50mmol)で処理した。2,5−ジブロモチアゾール(Aldrich、969mg、4.0mmol)のTHF(無水、Aldrich、10mL)中溶液を10−20℃で上記溶液に添加した。次いで、該混合物を室温で3時間にわたって撹拌した。該混合物を水(1mL)で失活させ、減圧下で濃縮した。残留物をCHCl(100mL)で希釈し、塩水(2×10ml)で洗浄した。有機溶液を減圧下で濃縮し、残留物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl/MeOH/NH・HO、v.90/10/2、R=0.15)によって精製して、表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 2.00−2.12(m,8H)、2.36(s,3H)、3.17−3.29(m,2H)、5.10(t,J=5.09Hz,1H)、7.12(s,1H);MS(DCI/NH)m/z 303(M+1)。305(M+1)
【0180】
実施例1B
2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−(1H−インドール−5−イル)−チアゾール
実施例1Aの生成物(200mg、0.66mmol)、5−インドリルホウ酸(Frontier、160mg、1.0mmol)およびKCO水溶液(2M、1mL)の溶液をジオキサン(4mL)中Pd(PPh(15.3mg、0.013mmol)の存在下で10時間にわたって80−90℃に加熱した。該混合物を室温まで冷却し、クロマトグラフィー(SiO、CHCl/MeOH/NH・HO、v.90/10/2、R=0.10)によって精製して、表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ ppm 1.99−2.16(m,6H)、2.18−2.30(m,2H)、2.33(s,3H)、3.12−3.18(m,2H)、5.16(t,J=4.92Hz,1H)、6.58(t,J=2.60Hz,1H)、7.23(t,J=3.00Hz,1H)、7.31(dd,J=8.40,1.70Hz,1H)、7.39(d,J=8.50Hz,1H)、7.69(s,1H)、8.22[s(br.),1H];MS(DCI/NH)m/z 340(M+1)
【0181】
実施例1C
2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−(1H−インドール−5−イル)−チアゾールビス(塩酸)
実施例1Bの生成物(210mg、0.62mmol)を室温にて10時間にわたってEtOAc(5mL)中HCl(Aldrich、ジオキサン中4M、0.5mL、2.0mmol)で処理した。沈殿した固体を濾過し、乾燥させて、白色固体として表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,ピリジン−D)δ ppm 2.03−2.38(m,8H)、2.79(s,3H)、3.74−3.93(m,2H)、5.39(t,J=4.45Hz,1H)、6.77(s,1H)、7.55(dd,J=8.44,1.38Hz,1H)、7.57−7.62(m,1H)、7.64(s,1H)、7.70(d,J=8.29Hz,1H)、8.05(s,1H)、12.37[s(br.),1H];MS(DCI/NH)m/z 340(M+1)。元素分析:C1418ClN・2.00HCl・1.40HOの計算値:C,52.15;H,5.94;N,9.60。実測値:C,51.89;H,5.56;N,9.22。
【0182】
実施例2
2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−フェニル−チアゾール塩酸
実施例2A
2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−フェニル−チアゾール
実施例1Aの生成物(200mg、0.66mmol)を実施例1Bに示されている手順に従ってフェニルホウ酸(Aldrich、122mg、1.0mmol)とカップリングさせた。表題の化合物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl/MeOH/NH・HO、v.90/10/2、R=0.20)によって精製した。H NMR(300MHz,CDCl)δ ppm 2.13−2.44(m,8H)、2.63(s,3H)、3.40−3.71(m,2H)、5.28(t,J=4.58Hz,1H)、7.28−7.59(m,6H);MS(DCI/NH)m/z 301(M+1)
【0183】
実施例2B
2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−フェニル−チアゾール塩酸
実施例2Aの生成物(140mg、0.47mmol)を室温にて10時間にわたってEtOAc(5mL)中HCl(Aldrich、ジオキサン中4M、0.5mL、2.0mmol)で処理して、白色固体として表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 2.03−2.38(m,8H)、2.79(s,3H)、3.74−3.93(m,2H)、5.39(t,2.23−2.37(m,4H)、2.41−2.57(m,4H)、2.84(s,3H)、3.87−4.07(m,2H)、5.26(t,J=3.45Hz,1H)、7.25−7.35(m,1H)、7.35−7.43(m,2H)、7.45−7.55(m,3H)MS(DCI/NH)m/z 301(M+1)
【0184】
実施例3
2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−(ピリジン−3−イル)−チアゾール塩酸
実施例3A
2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−(ピリジン−3−イル)−チアゾール
実施例1Aの生成物(200mg、0.66mmol)を実施例1Bに示されている手順に従って3−ピリジニルホウ酸(Aldrich、123mg、1.0mmol)とカップリングさせた。表題の化合物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl/MeOH/NH・HO、v.90/10/2、R=0.10)によって精製した。H NMR(300MHz,CDCl)δ ppm 2.14−2.50(m,6H)、2.66(s,3H)、2.80−3.10(m,2H)、3.54−3.78(m,2H)、5.32(t,J=5.80Hz,1H)、7.31(ddd,J=4.75,1H)、7.37(s,1H)、7.72(ddd,J=4.75,8.20,2.30,1.70Hz,1H)、8.53(dd,J=8.20,4.70,0.70Hz,1H)、8.70(d,J=1.70Hz,1H);MS(DCI/NH)m/z 302(M+1)
【0185】
実施例3B
2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−(ピリジン−3−イル)−チアゾール塩酸
実施例3Aの生成物(140mg、0.47mmol)を室温にて10時間にわたってEtOAc(5mL)中HCl(Aldrich、ジオキサン中4M、0.5mL、2.0mmol)で処理して、白色固体として表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 2.23−2.65(m,8H)、2.85(s,3H)、3.87−4.04(m,2H)、5.39(t,J=4.24Hz,1H)、7.92(s,1H)、8.11(dd,J=8,14,5.76Hz,1H)、8.72−8.82(m,2H)、9.13(d,J=2.03Hz,1H);MS(DCI/NH)m/z 301(M+1)
【0186】
実施例4
5−(1H−インドール−6−イル)−2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]チアゾールトリフルオロアセテート
ジオキサン/EtOH/NaCO(水溶液、1M)(v.1/1/13mL)中実施例1Aの生成物(150mg、0.497mmol)と、6−インドリルホウ酸(Frontier、158mg、0.981mmol)と、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(Aldrich、7.0mg、0.01mmol)と、ビフェニル−2−イル−ジシクロヘキシル−ホスファン(Strem Chemicals、10.5mg、0.03mmol)との混合物を130℃に加熱し、Emry(商標)クリエータマイクロウェーブにて15分間にわたって300ワットでマイクロ波処理した。固体をシリンジフィルタで濾過し、有機溶液を分取HPLC(Gilson、カラム、Xterra(登録商標)、5μm、40×100mm。溶離溶媒、0.1%v.TFAを含むMeCN/HO(25分間にわたって90%から10%、流量40mL/分、uv、254nm))によって直接精製した。所望の生成物を含む画分を回収し、減圧下で濃縮した。残留物を室温にて16時間にわたってエーテル/エタノール(v.10/1.5mL)中で撹拌して、表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 2.33−2.57(m,8H)、2.84(s,3H)、3.85−3.98(m,2H)、5.25(t,J=4.24Hz,1H)、6.45(dd,J=2.4,0.7Hz,1H)、7.18(dd,J=8.1,1.7Hz,1H)、7.27(td,J=2.2,1.0Hz,1H)、7.36(s,1H)、7.48−7.51(m,1H)、7.55(d,J=8.1Hz,1H);MS(DCI/NH)m/z=340(M+H)。元素分析:C1921OS・1.12 CFCOHの計算値:C,54.61;H,4.77;N,8.99;実測値 C,54.54;H,4.65;N,8.86。
【0187】
実施例5
5−(1H−インドール−4−イル)−2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]チアゾールトリフルオロアセテート
実施例1Aの生成物(150mg、0.497mmol)を実施例4に示されている手順に従って4−インドリルホウ酸(Frontier、160mg、1.0mmol)とカップリングさせて、白色固体として表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 2.31−2.58(m,8H)、2.85(s,3H)、3.90−3.98(m,2H)、5.28(t,J=4.2Hz,1H)、6.71(dd,J=3.2,0.8Hz,1H)、7.13(d,J=2.7Hz,1H)、7.14(s,1H)、7.34(d,J=3.4Hz,1H)、7.39(ddd,J=6.0,3.1,1.0Hz,1H)、7.48(s,1H);MS(DCI/NH)m/z=340(M+H)。元素分析:C1921OS・CFCOH・0.35HOの計算値:C,54.86;H,4.98;N,9.14;実測値 C,55.21;H,4.97;N,8.75。
【0188】
実施例6
5−(ベンゾフラン−5−イル)−2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]チアゾールトリフルオロアセテート
実施例1Aの生成物(150mg、0.497mmol)を実施例4に示されている手順に従ってベンゾフラン−5−ホウ酸(Maybridge、240mg、1.5mmol)とカップリングさせた。白色固体として表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 2.30−2.55(m,8H)、2.85(s,3H)、3.90−3.98(m,2H)、5.26(t,J=4.3Hz,1H)、6.87(dd,J=2.2,0.8Hz,1H)、7.41(s,1H)、7.46(dd,J=8.5,1.7Hz,1H)、7.53(d,J=8.8Hz,1H)、7.75(d,J=1.7Hz,1H)、7.79(d,J=2.4Hz,1H);MS(DCI/NH)m/z=341(M+H)。元素分析:C1920S・1.10 CFCOHの計算値:C,54.66;H,4.57;N,6.01;実測値 C,54.95;H,4.53;N,6.01。
【0189】
実施例7
5−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]チアゾールフマレート
実施例1Aの生成物(150mg、0.497mmol)を実施例4に示されている手順に従って2−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(Maybridge、260mg、1.0mmol)とカップリングさせた。該混合物を分取HPLC(Gilson、Xterra(登録商標)カラム、7μm、40×100mm、溶離溶媒、MeCN/HO(0.1M NHHCO/NHOH、PH=10)(25分間にわたってv.90/10から10/90)、流量、40mL/分、uv、254nm)によって精製して、表題の化合物の遊離塩基を得た。次いで、遊離塩基を室温にて16時間にわたってEtOAc/EtOH(v、10:1.5mL)中フマル酸で処理して、表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 2.29−2.55(m,8H)、2.84(s,3H)、3.88−3.95(m,2H)、5.26(t,J=4.30Hz,1H)、6.69(s,2H)、7.39(d,J=5.4Hz,1H)、7.49−7.55(m,2H)、7.63(d,J=5.8Hz,1H)、7.92(d,J=8.5Hz,1H)、7.97(d,J=1.7Hz,1H);MS(DCI/NH)m/z=357(M+H);元素分析:C1920OS・1.10 Cの計算値:C,58.05;H,5.08;N,5.79;実測値 C,58.07;H,4.98;N,5.73。
【0190】
実施例8
5−(2−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−イル)−2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]チアゾールヘミフマレート
実施例1Aの生成物(150mg、0.497mmol)を実施例7に示されている手順に従って5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2−(トリフルオロメチル)−1H−インドール(US2005043347参照、300mg、0.965mmol)とカップリングさせて、白色固体として表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 2.26−2.53(m,8H)、2.76(s,3H)、3.75−3.83(m,2H)、5.21(t,J=4.1Hz,1H)、6.68(s,1H)、6.91(d,J=1.4Hz,1H)、7.38(s,1H)、7.47(s,1H)、7.48(s,1H)、7.77(s,1H);MS(DCI/NH)m/z=408(M+H)。元素分析:C2020OS・0.90 Cの計算値:C,55.37;H,4.65;N,8.21;実測値 C,55.47;H,4.69;N,8.32。
【0191】
実施例9
5−(ジベンゾ[b,d]チオフェン−2−イル)−2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]チアゾールフマレート
実施例1Aの生成物(150mg、0.497mmol)およびジベンゾ[b,d]チオフェン−2−ホウ酸(Acros、137mg、0.60mmol)を実施例7に示されている手順に従って処理して、白色固体として表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 2.30−2.57(m,8H)、2.84(s,3H)、3.90−3.96(m,2H)、5.28(t,J=4.1Hz,1H)、6.69(s,1H)7.47−7.54(m,2H)、7.61(s,1H)、7.64(dd,J=8.5,1.7Hz,1H)、7.87−7.94(m,2H)、8.28−8.35(m,1H)、8.37(d,J=1.7Hz,1H);MS(DCI/NH)m/z=407(M+H)。元素分析:C2322OS・1.40Cの計算値:C,60.36;H,4.89;N,4.92;実測値 C,60.23;H,4.94;N,4.59。
【0192】
実施例10
2−[(エキソ)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−(1H−インドール−5−イル)−チアゾールトリ(塩酸)
実施例10A
(エキソ)−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル−4−ニトロ−ベンゾエート
(エンド)−トロピン(2.82g、20.0mmol)、4−ニトロ安息香酸(3.34g、20.0mmol)およびトリフェニルホスフィン(5.24g、20.0mmol)の乾燥THF(100mL)中溶液に室温でアゾジカルボン酸ジイソプロピル(4.04g、20.0mmol)を添加した。得られた混合物を室温で40時間にわたって撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(140gSiO、EtOAc:MeOH:NH:HO、90:10:1、R=0.30)によって精製して、表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ 1.74−2.23(m,8H)、2.38(s,3H)、3.32−3.38(m,2H)、5.23−5.38(m,1H)、8.21(d,J=8.82Hz,2H)、8.32(d,J=8.82Hz,2H)ppm;MS(DCI/NH):291(M+H)
【0193】
実施例10B
(エキソ)−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−オール
エタノール(10mL)中実施例10Aの生成物(5.0g、0.017mol)を室温にて40時間にわたってNaOH(1N、200mL)で処理した。該混合物をCHCl/PrOH(v.90/10、3×100mL)で抽出した。一緒にした抽出物を減圧下で濃縮して、表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ 1.55−1.69(m,4H)、1.80(m,2H)、1.99−2.09(m,2H)、2.28(s,3H)、3.14−3.21(m,2H)、3.79−3.93(m,1H)ppm。MS(DCI/NH):142(M+H)
【0194】
実施例10C
5−ブロモ−2−[(エキソ)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]チアゾール
実施例10Bの生成物(420mg、3.0mmol)を実施例1Aに示されている手順に従って2,5−ジブロモチアゾール(Aldrich、969mg、4.0mmol)とカップリングさせた。表題の化合物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl/MeOH/NH・HO、v.90/10/2、R=0.40)で精製して表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 1.82−2.12(m,4H)、2.19−2.33(m,2H)、2.33−2.46(m,2H)、2.64(s,3H)、3.57−3.83(m,2H)、5.15−5.51(m,1H)、7.12(s,1H);MS(DCI/NH)m/z 303(M+1)。305(M+1)
【0195】
実施例10D
2−[(エキソ)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−(1H−インドール−5−イル)−チアゾール
実施例10Cの生成物(200mg、0.66mmol)を実施例1Bの手順に従って5−インドリルホウ酸(Frontier、160mg、1.0mmol)とカップリングさせた。表題の化合物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl/MeOH/NH・HO、v.90/10/2、R=0.10)によって精製した。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 1.89−2.11(m,4H)、2.21−2.32(m,2H)、2.34−2.46(m,2H)、2.60(s,3H)、3.58−3.85(m,2H)、5.14−5.41(m,1H)、6.45(d,J=4.07Hz,1H)、7.22−7.30(m,3H)、7.39(d,J=8.48Hz,1H)、7.64(s,1H);MS(DCI/NH)m/z 340(M+1)
【0196】
実施例10E
2−[(エキソ)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−(1H−インドール−5−イル)−チアゾールトリ(塩酸)
実施例10Dの生成物(210mg、0.62mmol)を室温にて10時間にわたってEtOAc(5mL)中HCl(Aldrich、ジオキサン中4M、0.5mL、2.0mmol)で処理して、白色固体として表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,ピリジン−D)δ ppm 1.84−1.94(m,2H)、2.16−2.29(m,2H)、2.40−2.51(m,J=3.07Hz,2H)、2.80(s,3H)、2.90−3.14(m,2H)、3.87−4.00(m,2H)、5.40−5.56(m,1H)、6.75(s,1H)、7.45−7.53(m,2H)、7.59−7.66(m,2H)、8.01(s,1H)、12.28(s,1H);MS(DCI/NH)m/z 340(M+1)。元素分析:C1418ClN・3.52HCl・0.10EtOAcの計算値:C,48.89;H,5.35;N,8.82。実測値:C,49.22;H,4.86;N,8.42。
【0197】
実施例11
2−[(エキソ)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−(1H−インドール−6−イル)−チアゾールトリ(塩酸)
実施例11A
2−[(エキソ)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−(1H−インドール−5−イル)−チアゾール
実施例10Cの生成物(200mg、0.66mmol)を実施例1Bに示されている手順に従って6−インドリルホウ酸(Frontier、160mg、1.0mmol)とカップリングさせた。表題の化合物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl/MeOH/NH・HO、v.90/10/2、R=0.10)によって精製した。H NMR(300MHz,CDCl)δ ppm 1.95−2.30(m,3H)、2.31−2.56(m,5H)、2.74(s,3H)、3.62−3.90(m,2H)、5.24−5.56(m,1H)、6.51−6.63(m,1H)、7.20−7.25(m,2H)、7.44(s,1H)、7.62(d,J=8.14Hz,1H)、8.22(s,1H);MS(DCI/NH)m/z 340(M+1)
【0198】
実施例11B
2−[(エキソ)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−(1H−インドール−5−イル)−チアゾールトリ(塩酸)
実施例11Aの生成物(140mg、0.41mmol)を室温にて10時間にわたってEtOAc(5mL)中HCl(Aldrich、ジオキサン中4M、0.5mL、2.0mmol)で処理して、白色固体として表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,ピリジン−D)δ ppm 1.83−1.94(m,2H)、2.17−2.33(m,2H)、2.37−2.55(m,2H)、2.85(s,3H)、2.93−3.19(m,2H)、3.91−4.03(m,2H)、5.33−5.61(m,1H)、6.71−6.75(m,1H)、7.44(dd,J=8.00,1.60Hz,1H)7.56−7.59(m,1H)、7.60(s,H)、7.75−7.86(m,2H)、12.23(s,1H);MS(DCI/NH)m/z 340(M+1)。元素分析:C1418ClN・3.70HCl・1.30HOの計算値:C,45.84;H,5.53;N,8.44。実測値:C,45.80;H,5.13;N,8.06。
【0199】
実施例12
2−[(エキソ)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−フェニル−チアゾール塩酸
実施例12A
2−[(エキソ)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−フェニル−チアゾール
実施例10Cの生成物(100mg、0.33mmol)を実施例1Bに示されている手順に従ってフェニルホウ素(Aldrich、61mg、1.0mmol)とカップリングさせた。表題の化合物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl/MeOH/NH・HO、v.90/10/2、R=0.40)によって精製した。H NMR(300MHz,CDCl)δ ppm 2.01−2.23(m,2H)、2.28−2.50(m,4H)、2.48−2.71(m,2H)、2.76(s,3H)、3.63−3.98(m,2H)、5.09−5.64(m,1H)、7.27−7.55(m,6H);MS(DCI/NH)m/z 301(M+1)
【0200】
実施例12B
2−[(エキソ)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−フェニル−チアゾール塩酸
実施例12Aの生成物(90mg、0.30mmol)を室温にて10時間にわたってEtOAc(5mL)中HCl(Aldrich、ジオキサン中4M、0.25mL、1.0mmol)で処理して、白色固体として表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,ピリジン−D)δ ppm 1.91−2.34(m,4H)、2.34−2.49(m,2H)、2.53−2.67(m,2H)、2.83(s,3H)、3.91−4.19(m,2H)、5.29−5.61(m,1H)、7.17−7.63(m,6H);MS(DCI/NH)m/z 301(M+1)
【0201】
実施例13
2−[(エキソ)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−(ピリジン−3−イル)−トリアゾールトリ(塩酸)
実施例13A
実施例10Cの生成物(100mg。0.33mmol)を実施例1Bに示されている手順に従って3−ピリジニルホウ酸(Aldrich、62mg、1.0mmol)とカップリングさせた。表題の化合物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl/MeOH/NH・HO、v.90/10/2、R=0.40)によって精製した。H NMR(300MHz,CDCl)δ ppm 1.88−2.05(m,2H)、2.19−2.51(m,6H)、2.64(s,3H)、3.56−3.76(m,2H)、5.19−5.46(m,1H)、7.28(ddd,J=7.80,3.00,0.60Hz,1H)、7.32(s,1H)、7.66−7.74(m,1H)、8.52(dd,J=4.92,1.53Hz,1H)、8.71(d,J=1.70Hz,1H);MS(DCI/NH)m/z 302(M+1)
【0202】
実施例13B
2−[(エキソ)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−(ピリジン−3−イル)−トリアゾールトリ(塩酸)
実施例13Aの生成物(100mg、0.33mmol)を室温にて10時間にわたってEtOAc(5mL)中HCl(Aldrich、ジオキサン中4M、0.25mL、1.0mmol)で処理して、白色固体として表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 2.05−2.31(m,4H)、2.33−2.49(m,2H)、2.54−2.69(m,2H)、2.84(s,3H)、3.95−4.15(m,2H)、5.33−5.73(m,1H)、7.90(s,1H)、8.10(dd,J=8.14,5.76Hz,1H)、8.62−8.83(m,2H)、9.12(d,J=2.03Hz,1H);MS(DCI/NH)m/z 301(M+1)。元素分析:C1619OS・3.78 HCl・1.78 HOの計算値:C,40.68;H,5.63;N,8.90。実測値:C,40.34;H,5.24;N,8.70。
【0203】
実施例14
2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール
実施例14A
2−ブロモ−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール
2−アミノ−5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾール(Aldrich、0.885g、5.0mmol)のMeCN(無水、Aldrich、20mL)中撹拌溶液を室温にて10時間にわたって臭化銅(II)(Acros、2.23g、10.0mmol)および亜硝酸イソアミル(Aldrich、1.17g、10.0mmol)で処理した。該混合物を飽和塩化アンモニウム(5mL)で失活させ、エーテル(3×40mL)で抽出した。一緒にした抽出物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー[EtOAc/ヘキサン=20/80(v.)、R=0.6]によって精製して、表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ ppm 7.44−7.55(m,3H)、7.85−7.94(m,2H)。MS(DCI/NH)m/e 241(M+H)、243(M+H)
【0204】
実施例14B
2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール
トロピン(Aldrich、140mg、1.0mmol)のTHF(無水、Aldrich、10mL)中溶液をカリウムtert−ブトキシド(Aldrich、114mg、1.0mmol)とともに室温で1.0時間にわたって撹拌した。次いで、実施例14Aの生成物(241mg、1.0mmol)を10−20℃で添加し、該混合物を60℃で10時間にわたって撹拌し、次いで水(1ml)で失活させ、濃縮した。残留物をCHCl(30mL)で希釈し、塩水(2×5mL)で洗浄した。有機溶液を濃縮し、残留物を、クロマトグラフィー(SiO、CHCl/MeOH/NH・HO、v.90/10/2、R=0.15)を用いて精製し、表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 2.31−2.44(m,4H)、2.46−2.59(m,4H)、2.84(s,3H)、3.78−4.11(m,2H)、5.36(t,J=3.05Hz,1H)、7.43−7.61(m,3H)、7.77−7.93(m,2H);MS(DCI/NH)m/z 302(M+1)
【0205】
実施例15
2−(1H−インドール−5−イル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾールビス(p−トルエンスルホン酸)
実施例15A
2,5−ジブロモ−1,3,4−チアジアゾール
2,5−ジアミノ−[1,3,4]チアジアゾール(Aldrich、13.0g、72.2mmol)のMeCN(無水、Aldrich、250mL)中撹拌溶液に対して臭化銅(II)(Acros、18.80g、83.7mmol)および亜硝酸イソアミル(Aldrich、17.0g、145.0mmol)を0−10℃で添加した。次いで、該混合物を室温で10時間にわたって撹拌した。該混合物を飽和塩化アンモニウム(100mL)で失活させ、エーテル(3×200mL)で抽出した。一緒にした抽出物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー[EtOAc/ヘキサン=20/80(v.)、R=0.6]によって精製して、表題の化合物を得た。MS(DCI/NH)m/e 243(M+H)、245(M+H)、247(M+H)
【0206】
実施例15B
2−ブロモ−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール
実施例15Aの生成物(2.44g、10mmol)を実施例14に示されている手順に従ってトロピン(Aldrich、1.40g、10.0mmol)とカップリングさせた。表題の化合物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl/MeOH/NH・HO、v.90/10/2、R=0.10)によって精製した。H NMR(300MHz,CDCl)δ ppm 1.83−1.96(m,2H)、1.98−2.12(m,4H)、2.15−2.28(m,2H)、2.30(s,3H)、3.08−3.30(m,2H)、5.27(t,J=5.09Hz,1H);MS(DCI/NH)m/z 304(M+1)。306(M+1)
【0207】
実施例15C
2−(1H−インドール−5−イル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール
実施例15Bの生成物(150mg、0.49mmol)を実施例1Bに示されている手順に従って5−インドリルホウ酸(Frontier、160mg、1.0mmol)とカップリングさせ、処理した。表題の化合物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl/MeOH/NH・HO、v.90/10/2、R=0.10)によって精製した。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 1.97−2.27(m,8H)、2.34(s,3H)、3.17−3.26(m,2H)、5.18(t,J=4.92Hz,1H)、6.55(d,J=2.37Hz,1H)、7.33(d,J=3.39Hz,1H)、7.47(d,J=8.48Hz,1H)、7.62(dd,J=8.65,1.87Hz,1H)、8.02(s,1H);MS(DCI/NH)m/z 341(M+1)
【0208】
実施例15D
2−(1H−インドール−5−イル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾールビス(p−トルエンスルホン酸)
実施例15Cの生成物(100mg、0.29mmol)を室温にて10時間にわたってEtOAc(5mL)中p−TsOH・HO(57mg、0.3mmol)で処理して、白色固体として表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 2.32−2.58(m,14H)2.85(s,3H)、3.85−4.10(m,2H)、5.33(t,J=4.07Hz,1H)、6.56(d,J=3.39Hz,1H)、7.23(d,J=8.14Hz,4H)、7.34(d,J=3.05Hz,1H)、7.47−7.51(m,1H)、7.63(dd,J=8.65,1.53Hz,1H)、8.04(d,J=1.36Hz,1H);MS(DCI/NH)m/z 341(M+1)。元素分析:C1820OS・1.90TsOH・1.50HOの計算値:C,54.12;H,5.54;N,8.07。実測値:C,53.83;H,5.25;N,8.38。
【0209】
実施例16
2−(ベンゾフラン−5−イル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾールフマレート
実施例15Bの生成物(150mg、0.495mmol)を実施例7に示されている手順に従ってベンゾフラン−5−ホウ酸(Maybridge、240mg、1.5mmol)とカップリングさせて、白色固体として表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 2.28−2.58(m,8H)、2.79(s,3H)、3.80−3.88(m,2H)、5.35(t,J=4.1Hz,1H)、6.68(s,2H)、6.96(dd,J=2.4,1.0Hz,1H)、7.63(d,J=8.5Hz,1H)、7.83(dd,J=8.6,1.9Hz,1H)、7.87(d,J=2.4Hz,1H)、8.12(d,J=1.7Hz,1H);MS(DCI/NH)m/z=342(M+H)。元素分析:C1819S・1.00 Cの計算値:C,57.76;H,5.07;N,9.18;実測値 C,57.56;H,4.97;N,9.45。
【0210】
実施例17
2−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾールフマレート
実施例15Bの生成物(303mg、1.0mmol)を実施例7に示されている手順に従って2−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(Maybridge、520mg、2.0mmol)とカップリングさせて、白色固体として表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 2.33−2.45(m,4H)、2.49−2.58(m,4H)、2.83(s,3H)3.90−3.97(m,2H)、5.37(t,J=4.20Hz,1H)、6.69(s,2H)、7.49(dd,J=5.4,0.7Hz,1H)、7.72(d,J=5.4Hz,1H)、7.85(dd,J=8.5,2.4Hz,1H)、8.05(d,J=8.5Hz,1H)、8.32(d,J=1.0Hz,1H);MS(DCI/NH)m/e=358(M+H)。元素分析:C1819OS・1.1Cの計算値:C,55.45;H,4.86;N,8.66;実測値 C,55.27;H,4.89;N,8.54。
【0211】
実施例18
2−(3−フルオロフェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾールフマレート
実施例15Bの生成物(150mg、0.495mmol)を実施例7に示されている手順に従って3−フルオロフェニルホウ酸(Aldrich、168mg、1.2mmol)とカップリングさせ、表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 2.32−2.42(m,4H)、2.48−2.56(m,4H)、2.83(s,3H)、3.90−3.95(m,2H)、5.36(t,J=4.2Hz,1H)、6.69(s,2H)、7.24−7.32(m,1H)、7.53(td,J=8.2,5.6Hz,1H)、7.62−7.68(m,2H);MS(DCI/NH)m/z=320(M+H)。元素分析:C1618FNOS・1.15Cの計算値:C,54.63;H,5.03;N,9.28;実測値 C,54.50;H,5.29;N,9.20。
【0212】
実施例19
2−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−5−m−トリル−1,3,4−チアジアゾールフマレート
実施例15Bの生成物(150mg、0.495mmol)を実施例7に示されている手順に従ってm−トリルホウ酸(Aldrich、180mg、1.32mmol)とカップリングさせて、白色固体として表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 2.29−2.44(m,8H)、2.52(s,3H)、2.83(s,3H)、3.85−2.96(m,2H)、5.35(t,J=4.1Hz,1H)、6.69(s,2H)、7.30−7.43(m,2H)、7.59−7.76(m,2H);MS(DCI/NH)m/z=316(M+H);元素分析:C1721OS・1.05Cの計算値:C,58.23;H,5.81;N,9.61;実測値 C,58.16;H,5.85;N,9.57。
【0213】
実施例20
2−(4−フルオロフェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾールフマレート
実施例15Bの生成物(150mg、0.495mmol)を実施例7に示されている手順に従って4−フルオロフェニルホウ酸(Aldrich、130mg、0.93mmol)とカップリングさせて、白色固体として表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 2.31−2.42(m,4H)、2.49−2.55(m,4H)、2.83(s,3H)、3.88−3.95(m,2H)、5.34(t,J=4.2Hz,1H)、6.69(s,2H)、7.21−7.30(m,2H)、7.85−7.93(m,2H);MS(DCI/NH)m/z=320(M+H)。元素分析:C1618FNOS・1.10Cの計算値:C,54.81;H,5.05;N,9.40;実測値 C,54.82;H,4.85;N,9.52。
【0214】
実施例21
2−(3−クロロフェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾールフマレート
実施例15Bの生成物(150mg、0.495mmol)を実施例7に示されている手順に従って3−クロロフェニルホウ酸(Aldrich、187mg、1.2mmol)とカップリングさせて処理し、白色固体として表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 2.33−2.40(m,4H)、2.48−2.55(m,4H)、2.84(s,3H)、3.88−3.96(m,2H)、5.38(t,J=4.2Hz,1H)、6.69(s,2H)、7.46−7.57(m,2H)、7.76(dt,J=7.1,1.7Hz,1H)、7.89−7.92(m,1H);MS(DCI/NH)m/z=336(M+H);元素分析:C1618ClNOS・1.30 Cの計算値:C,52.31;H,4.80;N,8.63;実測値 C,52.18;H,4.85;N,8.73。
【0215】
実施例22
2−(1H−インドール−6−イル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾールp−トルエンスルホン酸
実施例22A
2−(1H−インドール−6−イル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール
実施例15Bの生成物(150mg、0.49mmol)を実施例1Bに示されている手順に従って6−インドリルホウ酸(Frontier、160mg、1.0mmol)とカップリングさせて処理した。表題の化合物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl/MeOH/NH・HO、v.90/10/2、R=0.10)によって精製した。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 2.08−2.42(m,8H)、2.50(s,3H)、3.39−3.52(m,2H)、5.23(t,J=4.58Hz,1H)、6.52(d,J=3.05Hz,1H)、7.39(d,J=3.39Hz,1H)、7.47(dd,J=8.20,1.50Hz1H)7.62−7.66(m,1H)7.90(s,1H)8.54(s,1H);MS(DCI/NH)m/z 341(M+1)
【0216】
実施例22B
2−(1H−インドール−6−イル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾールp−トルエンスルホン酸
実施例22Aの生成物(130mg、0.38mmol)を室温にて10時間にわたってEtOAc(10mL)中p−TsOH・HO(144mg、0.76mmol)で処理して、白色固体として表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 2.18−2.70(m,11H)、2.85(s,3H)3.88−4.03(m,2H)、5.35(t,J=4.41Hz,1H)、6.53(d,J=3.05Hz,1H)、7.23(d,J=7.80Hz,2H)、7.40(d,1H)、7.47(dd,J=8.31,1.53Hz,1H)、7.65(d,J=8.48Hz,1H)、7.71(d,J=8.14Hz,2H)、7.91(s,1H);MS(DCI/NH)m/z 341(M+1)。元素分析:C1820OS・1.10TsOH・0.20HOの計算値:C,57.86;H,5.52;N,10.50。実測値:C,57.90;H,5.18;N,10.19。
【0217】
実施例23
2−(1H−インドール−4−イル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾールp−トルエンスルホン酸
実施例23A
2−(1H−インドール−4−イル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾール
実施例15Bの生成物(150mg、0.49mmol)を実施例1Bに示されている手順に従って6−インドリルホウ酸(Frontier、160mg、1.0mmol)とカップリングさせた。表題の化合物をクロマトグラフィー(SiO、CHCl/MeOH/NH・HO、v.90/10/2、R=0.10)によって精製した。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 1.98−2.32(m,8H)、2.34(s,3H)、3.17−3.27(m,2H)、5.22(t,J=4.92Hz,1H)、7.05(d,J=2.37Hz,1H)、7.20(t,J=7.60Hz,1H)、7.41(d,J=3.39Hz,1H)、7.48(d,J=7.46Hz,1H)、7.56(d,J=8.14Hz,1H);MS(DCI/NH)m/z 341(M+1)
【0218】
実施例23B
2−(1H−インドール−4−イル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾールp−トルエンスルホン酸
実施例22Aの生成物(150mg、0.44mmol)を室温にて10時間にわたってEtOAc(10mL)中p−TsOH・HO(168mg、0.88mmol)で処理して、白色固体として表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 2.36−2.63(m,11H)、2.85(s,3H)、3.84−4.11(m,2H)、5.38(t,J=4.75Hz,1H)、7.05(d,J=4.07Hz,1H)、7.16−7.27(m,3H)、7.43(d,J=3.05Hz,1H)、7.49(d,J=7.46Hz,1H)、7.57(d,J=8.14Hz,1H)、7.70(d,J=8.10Hz,2H);MS(DCI/NH)m/z 341(M+1)。元素分析:C1820OS・1.00TsOH・0.40HOの計算値:C,57.76;H,5.58;N,10.78。実測値:C,57.33;H,5.25;N,10.49。
【0219】
実施例24
2−(3−シアノフェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾールトリフルオロアセテート
実施例15Bの生成物(150mg、0.495mmol)を実施例4に示されている手順に従って3−シアノフェニルホウ酸(Aldrich、185mg、1.2mmol)とカップリングさせて、白色固体として表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 2.32−2.71(m,8H)、2.85(s,3H)、3.92−3.99(m,2H)、5.40(t,J=4.4Hz,1H)、7.70(t,J=7.8Hz,1H)、7.88(dt,J=7.8,1.4Hz,1H)、8.16(ddd,J=8.1,1.8,1.0Hz,1H)、8.24(t,J=1.7Hz,1H);MS(DCI/NH)m/z=327(M+H)。元素分析:C1718OS・1.40CFCOH・0.60HOの計算値:C,47.86;H,4.18;N,11.28;実測値 C,47.63;H,3.88;N,11.56。
【0220】
実施例25
2−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾールフマレート
実施例15Bの生成物(150mg、0.495mmol)を実施例7に示されている手順に従って3−トリフルオロメチルフェニルホウ酸(Aldrich、228mg、1.2mmol)とカップリングさせて、白色固体として表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 2.31−2.57(m,8H)、2.85(s,3H)、3.92−3.98(m,2H)、5.30−5.42(m,1H)、6.70(s,2.80H)、7.72(t,J=7.8Hz,1H)、7.83(d,J=7.8Hz,1H)、8.09(d,J=7.8Hz,1H)、8.17(s,1H);MS(DCI/NH)m/z=370(M+H)。元素分析:C1718OS・1.40Cの計算値:C,51.03;H,4.47;N,7.90;実測値 C,51.17;H,4.55;N,7.75。
【0221】
実施例26
2−(4−クロロフェニル)−5−((1R,3R,5S)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ)−1,3,4−チアジアゾールフマレート
実施例15Bの生成物(150mg、0.495mmol)を実施例7に示されている手順に従って4−クロロフェニルホウ酸(Aldrich、187mg、1.2mmol)とカップリングさせて、白色固体として表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 2.32−2.39(m,4H)、2.46−2.55(m,4H)、2.84(s,3H)、3.85−2.96(m,2H)、5.33−5.39(m,1H)、6.69(s,2H)、7.53(d,J=8.5Hz,2H)、7.85(d,J=8.5Hz,2H);MS(DCI/NH)m/z=336(M+H)。元素分析:C1618ClNOS・1.15Cの計算値:C,52.72;H,4.85;N,8.95;実測値 C,52.76;H,4.77;N,9.12。
【0222】
実施例27
2−(2−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−5−イル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾールビス(フマレート)
実施例15Bの生成物(150mg、0.495mmol)を実施例7に示されている手順に従って5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2−(トリフルオロメチル)−1H−インドール(特許出願公開第US2005043347号参照、380mg、1.22mmol)とカップリングさせて、白色固体として表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 2.30−2.64(m,8H)、2.86(s,3H)、3.93−2.98(m,2H)、5.32−5.39(m,1H)、6.72(s,5H)、7.03(s,1H)7.57(d,J=8.5Hz,1H)7.83(dd,J=8.6,1.9Hz,1H)8.15(d,J=1.7Hz,1H);MS(DCI/NH)m/z=409(M+H)。元素分析:C1919OS・2.5C・0.7HOの計算値:C,48.97;H,4.31;N,7.88;実測値 C,48.99;H,4.30;N,7.62。
【0223】
実施例28
2−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾールフマレート
実施例15Bの生成物(150mg、0.495mmol)を実施例7に示されている手順に従って3−クロロ−4−フルオロフェニルホウ酸(Aldrich、190mg、1.09mmol)とカップリングさせて、白色固体として表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 2.32−2.42(m,4H)2.44−2.56(m,4H)、2.83(s,3H)、3.88−2.96(m,2H)、5.32−5.39(m,1H)、6.69(s,2.2H)、7.41(t,J=8.6Hz,1H)、7.82(ddd,J=8.7,4.5,2.4Hz,1H)、8.03(dd,J=7.0,2.2Hz,1H);MS(DCI/NH)m/z=354(M+H)。元素分析:C1617ClFNOS・1.10Cの計算値:C,50.88;H,4.48;N,8.73;実測値 C,50.93;H,4.53;N,8.67。
【0224】
実施例29
2−(4−トリフルオロメチル)フェニル]−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾールフマレート
実施例15Bの生成物(150mg、0.495mmol)を実施例7に示されている手順に従って4−(トリフルオロメチル)フェニルホウ素(Aldrich、190mg、1.0mmol)とカップリングさせて、白色固体として表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 2.32−2.43(m,4H)、2.50−2.57(m,4H)、2.83(s,3H)3.86−3.95(m,2H)、5.32−5.43(m,1H)、6.69(s,2.30H)、7.82(d,J=8.5Hz,2H)、8.06(d,J=8.1Hz,2H)、MS(DCI/NH)m/e=370(M+H)。元素分析:C1718OS・1.15 Cの計算値:C,51.59;H,4.53;N,8.36;実測値 C,51.38;H,4.48;N,8.36。
【0225】
実施例30
2−(4−メトキシフェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾールフマレート
実施例15Bの生成物(150mg、0.495mmol)を実施例7に示されている手順に従って4−メトキシフェニルホウ酸(Aldrich、152mg、1.0mmol)とカップリングさせて、白色固体として表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 2.29−2.42(m,4H)、2.44−2.56(m,4H)、2.83(s,3H)、3.86(s,3H)、3.88−3.94(m,2H)、5.29−5.36(m,1H)、6.69(s,2.30H)、7.04(d,J=8.8Hz,2H)、7.78(d,J=8.8Hz,2H);MS(DCI/NH)m/z=332(M+H)。元素分析:C1721S・1.15Cの計算値:C,55.80;H,5.55;N,9.04;実測値 C,55.91;H,5.34;N,9.20。
【0226】
実施例31
2−(3−アミノフェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾールヘミフマレート
実施例15Bの生成物(150mg、0.495mmol)を実施例7に示されている手順に従って3−アミノフェニルホウ酸(Aldrich、137mg、1.0mmol)とカップリングさせて、白色固体として表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 2.31−2.38(m,4H)、2.45−2.51(m,4H)、2.81(s,3H)、3.82−3.92(m,2H)、5.30−5.38(m,1H)、、6.68(s,1.30H)、6.83(ddd,J=8.0,2.2,1.0Hz,1H)、7.05−7.09(m,1H)、7.14−7.22(m,2H);MS(DCI/NH)m/z=317(M+H)。元素分析:C1620OS・0.65Cの計算値:C,57.01;H,5.81;N,14.30;実測値 C,56.85;H,5.88;N,14.37。
【0227】
実施例32
2−(4−エチルフェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾールフマレート
実施例15Bの生成物(150mg、0.495mmol)を実施例7に示されている手順に従って4−エチルフェニルホウ酸(Aldrich、150mg、1.0mmol)とカップリングさせて、白色固体としてフマル酸塩を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 1.27(t,J=7.5Hz,5H)、2.31−2.43(m,4H)、2.48−2.56(m,4H)、2.71(q,J=7.8Hz,2H)、2.83(s,3H)、3.87−3.95(m,2H)、5.31−5.38(m,1H)、6.69(s,2.30H)、7.35(d,J=8.5Hz,2H)、7.75(d,J=8.5Hz,2H);MS(DCI/NH)m/z=330(M+H)。元素分析:C1721S・1.15 Cの計算値:C,58.85;H,6.04;N,9.19;実測値 C,58.94;H,6.08;N,9.34。
【0228】
実施例33
2−(4−アセチルフェニル)−5−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]−1,3,4−チアジアゾールトリフルオロアセテート
実施例15Bの生成物(150mg、0.495mmol)を実施例4に示されている手順に従って4−アセチルフェニルホウ酸(Aldrich、164mg、1.0mmol)とカップリングさせて、白色固体として表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 2.34−2.45(m,4H)、2.48−2.56(m,4H)、2.64(s,3H)、2.86(s,3H)、3.90−3.98(m,2H)、5.38−5.44(m,1H)、7.99(d,J=8.5Hz,2H)、8.12(d,J=8.8Hz,2H);MS(DCI/NH)m/z=344(M+H)。元素分析:C1821S・1.20 CFCOHの計算値:C,51.02;H,4.66;N,8.75;実測値 C,51.23;H,4.48;N,8.70。
【0229】
実施例34
N−[(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−2−アミン
実施例14Aの生成物(0.17g、0.71mmol)および(エンド)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−アミン二塩化水素化物(Apollo、0.10g、0.7mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2mL)およびジメチルスルホキシド(2mL)中溶液を密閉管中で130℃にて終夜撹拌した。該混合物を室温まで冷却し、水(5mL)で希釈し、CHCl(4×10mL)で抽出した。一緒にした抽出物を塩水(2×5mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC(Gilson、Xterra(登録商標)カラム、7μm、40×100mm、溶離溶媒、MeCN/HO(0.1M NHHCO/NHOH、PH=10)(25分間にわたってv.90/10から10/90)、流量、40mL/分、uv、254nm)によって精製して、表題の化合物を得た。H NMR(300MHz,DMSO−D)δ ppm 1.71−1.98(m,6H)、1.99−2.11(m,2H)、2.16(s,3H)、2.96−3.08(m,2H)、3.81(t,J=6.44Hz,1H)、7.30−7.57(m,3H)、7.67−7.95(m,2H);MS(DCI/NH)m/z 301(M+1)
【0230】
本発明の組成物
本発明は、式(I)の化合物の治療有効量を医薬として許容される担体と組み合わせて含む医薬組成物も提供する。該組成物は、1つ以上の無毒性の医薬として許容される担体とともに調合された本発明の化合物を含む。該医薬組成物を固体または液体の形で経口投与のために、非経口注射のために、または直腸投与のために調合することができる。
【0231】
医薬として許容される担体は、無毒性の不活性固体、半固体、または任意の種類の液体充填剤、希釈剤、カプセル化材料もしくは調合助剤を指す。医薬として許容される担体として機能することができる材料のいくつかの例は、ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖;トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプンなどのデンプン;セルロース、ならびにカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどのその誘導体;粉末状トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;ココアバターおよび坐薬蝋;落花生油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油などの油;プロピレングリコールなどのグリコール;オレイン酸エチルおよびラウリル酸エチルなどのエステル;寒天;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸:パイロジェン除去水;等張食塩水;リンゲル液;エチルアルコールおよびリン酸緩衝液である。ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなどの無毒性の相溶性潤滑剤;着色剤、剥離剤、コーティング剤、甘味料、着香料および香料、防腐剤および酸化防止剤などの他の構成要素も該組成物に存在し得る。
【0232】
本発明の医薬組成物をヒトまたは他の哺乳動物に、経口、直腸、非経口、嚢内、膣内、腹腔内、(粉剤、軟膏剤もしくは滴剤などによる)局所、頬投与することができ、または経口もしくは経鼻スプレー剤として投与することができる。本明細書に使用されている「非経口」という用語は、静脈内投与、筋肉内投与、腹腔内投与、胸骨内投与、皮下投与、関節内注射および注入を含む投与の形態を指す。
【0233】
非経口注射のための医薬組成物は、医薬として許容される無菌の水性もしくは非水性溶液、分散液、懸濁液もしくはエマルジョン、および無菌の注射可能溶液もしくは分散液に再構成される無菌粉末を含む。好適な水性および非水性担体、希釈剤、溶媒または媒体としては、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびグリセロール等、ならびにこれらの好適な混合物)、植物油(オリーブ油など)およびオレイン酸エチルなどの注射可能有機エステル、またはこれらの好適な混合物が挙げられる。組成物の好適な流動性を、例えば、レシチンなどのコーティングを使用すること;分散液の場合は必要な粒径を維持すること、および界面活性剤を使用することによって維持することができる。
【0234】
これらの組成物は、防腐剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤などの補助剤を含むこともできる。様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールおよびソルビン酸等によって微生物の作用を防止することができる。等張剤、例えば、糖および塩化ナトリウム等を含めるのも望ましい。注射可能な医薬剤形を、吸収を遅らせる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によってこの吸収を長引かせることができる。
【0235】
場合によっては、薬物の効果を長引かせるために、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を緩慢化させることがしばしば望ましい。これを、水溶性の低い結晶性または非晶質材料の液体懸濁液の使用によって達成することができる。薬物の吸収速度は、結晶サイズおよび結晶形に左右され得るその溶解速度に左右され得る。代替的に、薬物を油媒体に溶解または懸濁させることで、非経口投与薬剤形を投与することができる。
【0236】
懸濁液は、活性化合物に加えて、懸濁剤、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、トラガカントおよびこれらの混合物を含むことができる。
【0237】
望まれる場合は、より効果的な分散のために、本発明の化合物をポリマーマトリックス、リポソームおよび微小球などの緩放出系または誘導送達系に含めることができる。これらを、細菌保持フィルタを介する濾過によって、または使用直前に無菌水もしくは何らかの他の無菌注射可能媒体に溶解させることができる無菌固形組成物の形で滅菌剤を含めることによって滅菌することができる。
【0238】
注射可能デポー剤は、ポリラクチド−ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中に薬物のマイクロカプセル化マトリックスを形成することによって製造される。薬物とポリマーとの比、および使用される特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。デポー注射可能製剤は、また、体組織と相溶性があるリポソームまたはミクロエマルジョンに薬物を閉じこめることによって調製される。
【0239】
注射可能製剤を、例えば、細菌保持フィルタを介する濾過によって、または使用直前に無菌水もしくは何らかの他の無菌注射可能媒体に溶解もしくは分散させることができる無菌固形組成物の形で滅菌剤を含めることによって滅菌することができる。
【0240】
注射可能製剤、例えば、無菌の注射可能水性または油性懸濁液を、好適な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して既知の技術に従って調合することができる。無菌注射可能製剤は、また、1,3−ブタンジオール中溶液などの、無毒性の非経口投与に許容される希釈剤または溶媒中無菌注射可能溶液、懸濁液またはエマルジョンであり得る。使用できる許容可能な媒体および溶媒には、水、リンゲル液U.S.P.および等張塩化ナトリウム溶液が含まれる。加えて、無菌の不揮発性油が、溶媒または懸濁媒体として従来使用されている。この目的のために、モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の無刺激不揮発性油を使用することができる。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が、注射薬の調製に使用される。
【0241】
経口投与のための固体剤形としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉剤および顆粒剤が挙げられる。当該固体剤形において、本発明の1つ以上の化合物は、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウムなどの医薬として許容される不活性な担体ならびに/またはデンプン、ラクトース、スクロース、グルコール、マンニトールおよびサリチル酸などの充填剤もしくは延長剤;カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよびアカシアなどの結着剤;グリセロールなどの保湿剤;寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定の珪酸塩および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤;パラフィンなどの溶解遅延剤;四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤;セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリコールなどの湿潤剤;カオリンおよびベントナイトクレーなどの吸収剤;タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどの潤滑剤ならびにこれらの混合物のうちの少なくとも1つと混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形は、緩衝剤を含むこともできる。
【0242】
同様のタイプの固形組成物を、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールを使用して軟質および硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤として使用することもできる。
【0243】
錠剤、糖剤、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固体剤形を、腸溶コーティングおよび医薬調合技術分野で良く知られている他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて調製することができる。これらは、乳白剤を場合によって含むことができ、腸管の特定の部分において活性成分のみを、またはこれらを優先的に遅延放出させる組成を有することもできる。活性剤の放出を遅延させるのに有用な材料の例としては、ポリマー物質および蝋を挙げることができる。
【0244】
直腸または膣投与のための組成物は、本発明の化合物と、室温において固体であるが、体温において液体になるため、直腸または膣腔内で溶融し、活性化合物を放出させるココアバター、ポリエチレングリコールまたは坐薬蝋などの好適な無刺激担体と混合することによって調製され得る坐薬であるのが好ましい。
【0245】
経口投与のための液体剤形は、医薬として許容されるエマルジョン、ミクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシルを含む。液体剤形は、活性化合物に加えて、例えば水または他の溶媒などの当該技術分野で広く使用されている不活性希釈剤、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミドなどの可溶化剤および乳化剤;綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油などの油;グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物を含むことができる。
【0246】
経口組成物は、不活性希釈剤の他に、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味料、着香料ならびに香料を含むこともできる。
【0247】
本発明の化合物の局所投与または経皮投与のための剤形は、軟膏剤、糊剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、粉剤、液剤、スプレー剤、吸入剤または貼付剤を含む。眼科用製剤、点耳剤、眼軟膏剤、粉剤および液剤も企図される。
【0248】
軟膏剤、糊剤、クリーム剤およびゲル剤は、本発明の活性化合物に加えて、動物性および植物性脂肪、油、蝋、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、珪酸、タルクおよび酸化亜鉛、またはこれらの混合物を含むことができる。
【0249】
粉剤およびスプレー剤は、本発明の化合物に加えて、ラクトース、タルク、珪酸、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物を含むことができる。スプレー剤は、クロロフルオロ炭化水素などの通常の噴射剤をさらに含むことができる。
【0250】
本発明の化合物をリポソームとして投与することができる。リポソームは、一般に、リン脂質または他の脂質物質から誘導される。リポソームは、水性媒体に分散された単層状または多層状水和液晶によって形成される。リポソームを形成することが可能な任意の無毒性の生理的に許容される代謝性脂質を使用することができる。リポソーム形のこれらの組成物は、本発明の化合物に加えて、安定剤および防腐剤等を含むことができる。好適な脂質は、個別にまたは一緒に使用される天然および合成のリン脂質ならびにホスファチジルコリン(レシチン)である。リポソームを形成する方法は、当該技術分野において知られている。例えば、Prescott,Ed.、Methods in Cell Biology、第XIV巻、Academic Press、New York、N.Y.、(1976)、33頁以下を参照されたい。
【0251】
生物活性の測定
本発明の代表的な化合物のα7 nAChRとしての効果を測定するために、以下に示されるように実施された[H]−メチルリカコニチン(MLA)結合アッセイ、[H]−DPPB結合アッセイおよび/または[H]−シチシン結合アッセイに従って本発明の化合物を評価した。
【0252】
H]−シチシン結合
試験化合物を既知のα432 nAChRリガンド、すなわちシトシンと共温置することによって、α4β2 nAChRに対抗する能力について本発明の化合物を分析した。結合条件を、Pabreza LA、Dhawan,S、Kellar KJ、[H]−Cytisine Binding to Nicotinic Cholinergic Receptors in Brain、Mol.Pharm.39:9−12、1991に記載されている手順により修正した。小脳を含まないラットの脳からからの膜に富んだ画分(ABS Inc.(デラウェア州Wilmington))を4℃で徐々に融解させ、洗浄し、30容量のBSS−トリス緩衝液(120mM NaCl/5mM KCl/2mM CaCl/2mM MgCl/50mM トリス−Cl、pH7.4、4℃)に再懸濁させた。100−200μgのタンパク質および0.75nM[H]−シチシン(30C/mmol;Perkin Elmer/NEN Life Science Products(マサチューセッツ州Boston))を含むサンプルを500μLの最終容量で4℃にて75分間温置した。各化合物の7つの対数希釈濃度を2回ずつ試験した。非特異的結合を10μM(−)−ニコチンの存在下で測定した。96ウェル濾過装置(Packard Instruments(コネチカット州Meriden))を使用して、結合放射能を、真空濾過によって、予め湿らせたガラス繊維フィルタプレート(Millipore(マサチューセッツ州Bedford))上に単離し、次いで2mLの氷冷BSS緩衝液(120mM NaCl/5mM KCl/2mM CaCl/2mM MgCl)で迅速に濯いだ。PACKARD MICROSCINT−20(登録商標)シンチレーションカクテル(40μL)を各ウェルに添加し、PACKARD TOPCOUNT(登録商標)計測器を使用して放射能を測定した。IC50値をMICROSOFT EXCEL(登録商標)ソフトウェアにて非線形回帰によって測定した。K=IC50/(1+[リガンド]/K)であるチェン−プルソフ式を用いて、K値をIC50から計算した。
【0253】
H]−メチルリカコニチン(MLA)結合
試験化合物を既知のα7 nAChRリガンド、すなわちMLAと共温置することによって、α7 nAChRに対抗する能力について本発明の化合物を分析した。結合条件は、[H]−シチシン結合の結合条件と同様であった。小脳を含まないラットの脳からからの膜に富んだ画分(ABS Inc.(デラウェア州Wilmington))を4℃で徐々に融解させ、洗浄し、30容量のBSS−トリス緩衝液(120mM NaCl、5mM KCl、2mM CaCl、2mM MgCl、および50mM トリス−Cl、pH7.4、22℃)に再懸濁させた。100−200μgのタンパク質、5nM[H]−MLA(25C/mmol;Perkin Elmer/NEN Life Science Products(マサチューセッツBoston))および0.1%ウシ血清アルブミン(BSA、Millipore、マサチューセッツ州Bedford)を含むサンプルを500μLの最終濃度にて22℃で60分間温置した。各化合物の7つの対数希釈濃度を2回ずつ試験した。非特異的結合を10μMのMLAの存在下で測定した。96ウェル濾過装置(Packard Instruments(コネチカット州Meriden))を使用して、結合放射能を、真空濾過によって、2%のBSAで予め湿らせたガラス繊維フィルタプレート上に単離し、次いで2mLの氷冷BSS緩衝液で迅速に濯いだ。Packard MICROSCINT−20(登録商標)シンチレーションカクテル(40μL)を各ウェルに添加し、Packard TOPCOUNT(登録商標)計測器を使用して放射能を測定した。IC50値をMicrosoft EXCEL(登録商標)ソフトウェアにて非線形回帰によって測定した。K=IC50/(1+[リガンド]/K)であるチェン−プルソフ式を用いて、K値をIC50から計算した。
【0254】
H]−DPPB結合
試験化合物を既知のα7 nAChRリガンド、(S,S)−2,2−ジメチル−5−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−5−アザ−2−アゾニア−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンヨウ化物であるDPPBと共温置することによって、α7 nAChRに対抗する能力について本発明の化合物を分析した。放射標識DPPB、すなわち[H]−DPPBを調製するための手順は、以下に記載されている。小脳を含まないラットの脳からからの膜に富んだ画分(ABS Inc.(デラウェア州Wilmington))を使用して、α7 nAChRサブタイプへの結合を測定した。ペレットを4℃で融解させ、洗浄し、30容量のBSS−トリス緩衝液(120mM NaCl、5mM KCl、2mM CaCl、2mM MgCl、および50mM トリス−Cl、pH7.4、4℃)中7容量の設定でポリトロンと共に再懸濁させた。100−200μgのタンパク質および0.5nMの[H]−DPPB(62.8Ci/mmol;R46V、Abbott Labs)を含む試験化合物の7つの対数希釈濃度を500μlの最終濃度にて4℃で75分間にわたって2回ずつ温置した。非特異性結合を10μMのメチルリカコニチンの存在下で測定した。Packard細胞収集器を使用して、予め0.3%PEIを染みこませたMillipore MULTISCREEN(登録商標)収集プレートFB上に結合放射能を回収し、2.5mlの氷冷緩衝液で洗浄し、Packard TOPCOUNT(登録商標)マイクロプレートベータカウンターを使用して放射能を測定した。IC50値をMicrosoft(登録商標)ExcelまたはAssay Explorerにて非線形回帰によって測定した。K=IC50/(1+[リガンド]/K)であるチェン−プルソフ式を用いて、K値をIC50から計算した。[H]−DPPBを以下の調製手順に従って得た。
【0255】
[メチル−H]2,2−ジメチル−5−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−5−アザ−2−アゾニア−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンヨウ化物の調製
上記[H]−DPPB結合アッセイで使用した[メチル−H]2,2−ジメチル−5−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−5−アザ−2−アゾニア−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンヨウ化物を以下の手順に従って調製した。
【0256】
工程1:t−ブチル(S,S)−5−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレートの調製
トリエチルアミン(20mL)をt−ブチル(S,S)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(3.43g、17.3mmol、Aldrich Chemical Company)および3−クロロ−6−フェニルピリダジン(3.30g、17.3mmol、Aldrich Chemical Company)のトルエン(50mL)中懸濁液に添加し、該混合物を窒素下で100℃にて7日間加熱した。暗色の混合物を室温まで冷却し、得られた沈殿を濾過によって単離し、トルエン(15mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、オフホワイトの固体(3.00g)として表題の化合物を得た。濾液を濃縮し、残留物を、酢酸エチルで溶離するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製して、さらなる生成物を得た(0.41g、全収率3.41g、56%)。MS(DCI/NH)m/z353(M+H)
【0257】
工程2:(S,S)−2−メチル5−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの調製
工程1から得られた生成物(3.41g、9.7mmol)をギ酸(20mL)に溶解させ、ホルマリン(37重量%、1.0g、12.3mmol)で処理した。該混合物を100℃で1時間加熱し、褐色溶液を室温まで冷却し、真空下で濃縮した。残留物を、CHCl−CHOH−NHOH(95:5:1)で溶離するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製して、オフホワイトの固体(2.50g、96%)として表題の化合物を得た。MS(DCI/NH)m/z267(M+H)
【0258】
工程3:[H]−(S,S)−2,2−ジメチル−5−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−5−アザ−2−アゾニア−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンヨウ化物([H]−DPPB)の調製
トルエン中[H]ヨウ化メチル(0.1mL中250mCi、85Ci/mmol、American Radiolabeled Chemicals,Inc.)を、工程2から得られた生成物のジクロロメタン中溶液(0.788mg、0.45mL中2.96μmole)と混合した。バイアルに栓をして、該混合物を室温で終夜反応させた。メタノールを添加し、溶媒を蒸発させて42MCiを得た。HPLC精製のために生成物をメタノールに吸収させた。
【0259】
工程4:高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による精製
約7mCiの[H]−DPPBを蒸発して乾固させ、残留物を合計約4.5mlのアセトニトリル:水:TFA(15:85:0.1)に溶解させた。Agilent HPLCシステムを使用して、注射毎に約0.9mLをPhenomenexLuna C18(2)カラム(5μm、250mm×4.6mm ID)上に生成した。約1ml/分の流量において、移動相A=水中0.1%トリフルオロ酢酸および移動相B=アセトニトリル中0.1%トリフルオロ酢酸として、[H]−DPPBを勾配移動相によって10%Bから20%Bに20分間で溶出させた。275nmに設定されたAgilent可変波長UV検出器を用いてピーク検出およびクロマトグラムを得た。[H]−DPPBを含むフラクションを、Agilentフラクション収集器を使用して約14分間で回収した。これらのフラクションを一緒にし、溶媒を真空中で蒸発させた。残留物を200検査済みエタノール(2mL)に溶解させて0.7mCiを得た。
【0260】
工程5:純度および特異的活性の測定
クォータナリーポンプ、オートサンプラーおよびフォトダイオードアレイUV検出器からなるAgilent1100シリーズHPLCシステムを使用して、[H]−DPPBをアッセイした。Packard Radiomatic A500放射能検出器をHPLCシステムに接続した。放射能検出には、500μLフローセルならびに3:1の比のUltimate−Flo MシンチレーションカクテルおよびHPLC移動相の混合物を使用した。Phenomenex Luna C18(2)カラム(5μm、250mm×4.6mm ID)を使用して分析を実施した。移動相は、10%Bから出発し、20分間で20%Bに傾斜した後、1分間で90%Bに傾斜し、90%Bに9分間保持される勾配からなり、移動相A=水中0.1%トリフルオロ酢酸および移動相B=アセトニトリル中0.1%トリフルオロ酢酸であった。流量を約1ml/分に設定し、UV検出を275nmに設定した。
【0261】
本発明の化合物は、[H]−MLAアッセイによって試験された場合に、約1ナノモルから約10マイクロモルのK値を有し、多くが1マイクロモル未満のKを有していた。本発明の化合物の[H]−シチシン結合値は、約50ナノモルから少なくとも100マイクロモルの範囲であった。好適な化合物は、典型的には、α4β2受容体と比較してα7受容体においてより大きな効力を発揮した。好適な化合物の測定では、典型的には、[H]−シチシン結合によって測定されたK値に鑑みて、MLAアッセイによって測定されたK値が考慮され、そのため、式D=KH−cytisine/KiMLAにおいて、Dは約50を超える。代替的に、式D’=KH−cytisine/KiMLAにおいてD’が約50を超えるように、KiMLAの代わりに、[H]−DPPBアッセイによって測定されたK値を使用することができる。
【0262】
本発明の化合物は、受容体または信号伝達の活性を変化させることによってα7 nAChRの機能をモジュレートするα7 nAChRリガンドである。該化合物は、受容体の基本活性を阻害する逆アゴニスト、または受容体活性化アゴニストの作用を完全に阻止するアンタゴニストであり得る。該化合物は、また、α7 nAChR受容体を部分的に阻止するもしくは部分的に活性化させる部分アゴニストまたは受容体を活性化させるアゴニストであり得る。α7受容体への結合は、様々なキナーゼおよびホスファターゼを必要とする重要な信号伝達プロセス、ならびに記憶力、細胞保護、遺伝子転写および疾患緩和に対する効果に重要であるタンパク質−タンパク質相互作用をも誘発する。
【0263】
発明の方法
本発明の化合物および組成物は、nAChR、より詳細にはα7 nAChRおよびα4β2 nAChRの効果をモジュレートするのに有用である。より詳細には、α7 nAChRによってモジュレートされる障害を治療および予防するのに本発明の化合物および組成物を使用することができる。典型的には、ヒトなどの動物におけるα7 nAChRを選択的にモジュレートすることによって、好ましくは、本発明の化合物または組成物を単独で、または例えば治療計画の一部としての別の活性薬と組み合わせて投与することによって当該障害を改善することができる。また、本発明のいくつかの化合物は、α7 nAChRに加えてα4β2 nAChRに親和性を有し、両受容体サブタイプに二重の親和性を有する選択的化合物が有益な効果を有する。
【0264】
状態、疾患および障害
α7含有nAChRは、インビトロおよびインビボの両方におけるニコチンの神経保護効果に関与することが示されたため、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、レビー小体型認知症、ならびに外傷性脳損傷に起因するCNS機能低下などのいくつかの進行性CNS障害の根底にある神経変性を治療するために本発明の化合物を使用することができる。α7 nAChRを活性化させる化合物を使用して、アルツハイマー病および他の神経変性疾患を抑えることができる。
【0265】
したがって、α7リガンドを統合失調症の治療に使用することができる。α7受容体の活性体は、非定型抗精神病薬で治療されている統合失調症患者における認知機能を向上させるのに有用である。よって、α7 nAChRリガンドと非定型抗精神病薬を組み合わせると、治療有用性が向上する。好適な非定型抗精神病薬の具体例としては、クロザピン、リスペリドン、オランザピン、キエタピン(quietapine)、ジプラシドン、ゾテピンおよびイロペリドン等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0266】
血管新生の向上は、α7 nAChRの活性化を必要とすることが示されたため、副作用プロファイルを改善しながら、血管新生を刺激するために、α7サブタイプに対して選択的なnAChRリガンドを使用することができる。
【0267】
α7 nAChRリガンドを使用して、急性疼痛、術後疼痛、ならびに炎症性疼痛および神経障害性疼痛を含む慢性疼痛状態を含む疼痛を治療することができる。これらを、TNF媒介疾患、例えば、関節リウマチ、クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、臓器移植拒絶反応、臓器移植に伴う急性免疫疾患、臓器移植に伴う慢性免疫疾患、敗血症性ショック、中毒性ショック症候群、敗血症症候群、鬱病およびリウマチ性脊椎炎を含む状態を治療するのに使用することもできる。
【0268】
精子細胞上のα7 nAChRの活性化は、先体反応に不可欠であることが示されたため、本発明の選択的α7剤を使用して、不妊障害を治療することができる。
【0269】
本発明の化合物は、受容体または信号伝達の活性を変化させることによってα7 nAChRの機能をモジュレートするα7 nAChRリガンドである。該化合物は、受容体の基本活性を阻害する逆アゴニスト、または受容体活性化アゴニストの作用を完全に阻止するアンタゴニストであり得る。該化合物は、また、α7 nAChR受容体を部分的に阻止するもしくは部分的に活性化させる部分アゴニストまたは受容体を活性化させるアゴニストであり得る。α7受容体への結合は、様々なキナーゼおよびホスファターゼを必要とする重要な信号伝達プロセス、ならびに記憶力、細胞保護、遺伝子転写および疾患緩和に対する効果に重要であるタンパク質間相互作用をも誘発する。したがって、式(I)の化合物の治療有効量を哺乳動物に投与することは、α4β2、α7またはα4β2およびα7の両方のニコチンアセチルコリン受容体の効果を選択的にモジュレートする方法を提供する。
【0270】
ドーパイン伝達のニコチン受容体モジュレーションは、例えば、禁煙、アルコール嗜癖、カニビス(cannibis)嗜癖および他の形の物質乱用を含む様々な形の物質乱用の根底にある重要なメカニズムであることが確認された(Rose,J.E、Biochem Pharmacol.、74(8):1263−1270、2007;Rollema H、Coe J.W.、Chambers L.K、Hurst R.S.、Stahl S.M.、Williams K.E.、Trends Pharmacol Sci.、28(7):316−25、2007;Steensland P.、Simms J.A.、Holgate J.、Richards J.K.、Bartlett S.E.、Proc Nat’l Acad Sci U.S.A.、104(30):12518−23、2007;およびScherma m.、Fattor Le.、Stoik J.、Wertheim C.、Tanda G.、Fratta W.、Goldberg S.R.、27(21):5615−20、2007)。例えば、α4β2およびα7 nAChRを含むニコチン受容体は、乱用に関係する脳経路に存在する。よって、α4β2、α7またはα4β2およびα7の両方のニコチンアセチルコリン受容体の効果を選択的にモジュレートする方法は、物質乱用を治療または予防するのに有用である。
【0271】
したがって、式(I)の化合物の治療有効量を哺乳動物に投与することは、注意欠陥障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、アルツハイマー病(AD)、軽度認知障害、老年認知症、AIDS認知症、ピック病、レビー小体型認知症、ダウン症候群に伴う認知症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、外傷性脳損傷に伴うCNS機能低下、急性疼痛、術後疼痛、慢性疼痛、炎症性疼痛、神経障害性疼痛、不妊、創傷治癒に伴う新血管成長の必要性、皮膚移植片の血管形成に伴う新血管成長の必要性、循環、より詳細には血管閉塞付近の循環の欠如、関節リウマチ、クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、臓器移植拒絶反応、臓器移植に伴う急性免疫疾患、臓器移植に伴う慢性免疫疾患、敗血症性ショック、中毒性ショック症候群、敗血症症候群、鬱病、リウマチ性脊椎炎および物質乱用からなる群から選択される状態または障害を治療または予防する方法を提供する。より好適には、式(I)の化合物の治療有効量を哺乳動物に投与することによって、認知障害、神経変性および統合失調症を治療する方法が提供される。
【0272】
本発明の化合物を他の薬物とともに、同時に、または組合せ製剤にて、または該化合物が個別的に投与される療法で投与することができる。既に記載した非定型抗精神病薬に加えて、本発明の化合物を、デキストロアンフェタミン、レボアンフェタミン、デキストロトレオメチルフェニデート、レボトレオメチルフェニデート、アマンタジン、アミネプチン、ベンズフェタミン、ブプロピオン、クロニジン、モダフィニル、ペモリン、セレギリン、マグネシウム、亜鉛、ギンコ・ビロバ(gingko biloba)、脂肪酸、ビタミンBおよびミルナシプランなどの注意欠陥多動性障害の治療のために投与される(または投与することが提案された)化合物;アセチルコリンエステラーゼ阻害薬(例えば、タクリン、ドネペジル、ガランタミンおよびリバスチグミン)などのアルツハイマー病の治療のために投与される化合物;メマンチンおよび他のNMDAアンタゴニスト、ビタミンCおよびビタミンEとともに投与することができる。
【0273】
投与−投与量
本発明の医薬組成物の活性成分の実際の投与量は、特定の患者、組成物および投与形態についての所望の治療応答を達成するのに有効な量の活性化合物を得るように変更され得る。選択される投与量は、特定の化合物の活性、投与経路、治療されている状態の重度、ならびに治療されている患者の状態および以前の病歴に左右される。しかし、所望の治療効果を達成するのに必要な量より少ない量での化合物の投与を開始し、所望の効果が得られるまで投与量を徐々に増加させることが、当該技術分野の技能の範囲内である。
【0274】
上記の治療または他の治療に使用される場合は、治療有効量の本発明の化合物の1つを純粋な形で使用することができ、または当該形が医薬として許容される塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグの形で存在する形態で使用することができる。代替的に、対象となる化合物を1つ以上の医薬として許容される担体と組み合わせて含む医薬組成物として該化合物を投与することができる。本発明の化合物の「治療有効量」という表現は、任意の医学的治療に適用可能な合理的な便益/リスク比で障害を治療するのに十分な量の化合物を指す。しかし、本発明の化合物および組成物の全日用量は、適切な医学的判断の範囲内で治療医師によって判断されることが理解される。
【0275】
ヒトまたはより低級な動物に投与される本発明の化合物の全日投与量は、約0.010mg/kg体重から約1g/kg体重の範囲である。より好ましい投与量は、約0.010mg/kg体重から約100mg/kg体重の範囲であり得る。望まれる場合は、有効な日投与量を投与の目的で複数の投与量に分割することができる。したがって、単一投与組成物は、日投与量を構成する当該量またはその分量を含むことができる。
【0276】
先述の詳細な説明および付随する実施例は、単に例示であり、添付の請求項およびそれらの同等物によってのみ規定される本発明の範囲を限定するものと捉えられるべきでないことが理解される。開示された実施形態に対する様々な変更および修正は、当業者に明らかである。限定することなく、本発明の化学構造、置換基、誘導体、中間体、合成、製剤および/または使用方法に関するものを含む当該変更および修正を、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく加えることができる。