特許第5693233号(P5693233)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5693233液体燃料組成物、その製造方法および内燃機関の操作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5693233
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】液体燃料組成物、その製造方法および内燃機関の操作方法
(51)【国際特許分類】
   C10L 1/02 20060101AFI20150312BHJP
   C10L 1/06 20060101ALI20150312BHJP
【FI】
   C10L1/02
   C10L1/06
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2010-541047(P2010-541047)
(86)(22)【出願日】2008年12月17日
(65)【公表番号】特表2011-509324(P2011-509324A)
(43)【公表日】2011年3月24日
(86)【国際出願番号】EP2008067809
(87)【国際公開番号】WO2009083466
(87)【国際公開日】20090709
【審査請求日】2011年12月9日
(31)【優先権主張番号】08100029.1
(32)【優先日】2008年1月2日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】390023685
【氏名又は名称】シエル・インターナシヨネイル・リサーチ・マーチヤツピイ・ベー・ウイ
【氏名又は名称原語表記】SHELL INTERNATIONALE RESEARCH MAATSCHAPPIJ BESLOTEN VENNOOTSHAP
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100096013
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100092967
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 修
(74)【代理人】
【識別番号】100094008
【弁理士】
【氏名又は名称】沖本 一暁
(74)【代理人】
【識別番号】100122644
【弁理士】
【氏名又は名称】寺地 拓己
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 靖子
(74)【代理人】
【識別番号】100182394
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・ヒュー・クラーク
(72)【発明者】
【氏名】キャロライン・ニコラ・オルレバー
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・ジョン・プライス
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ウィルフレッド・マシューズ・ウォードル
【審査官】 相澤 啓祐
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0054865(US,A1)
【文献】 特開2007−191579(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10L 1/00−1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)C〜Cアルコール 50〜90%v/v、(b)フィッシャー・トロプシュ誘導ナフサ 10〜50%v/v、ここで、フィッシャー・トロプシュ誘導ナフサのASTM D2699で測定したリサーチオクタン価及びASTM D2700で測定したモーターオクタン価が、独立に60以下である、及び任意に(c)C〜C炭化水素成分 10%v/v以下を含む、内燃機関用に好適な液体燃料組成物であって、当該燃料組成物のASTM D2699で測定したリサーチオクタン価が95〜110の範囲内であり、ASTM D2700で測定したモーターオクタン価が85〜95である、内燃機関用に好適な液体燃料組成物。
【請求項2】
前記C〜C炭化水素成分の量が0%v/vである請求項1に記載の液体燃料組成物。
【請求項3】
前記C〜C炭化水素成分が存在する請求項1に記載の液体燃料組成物。
【請求項4】
前記C〜Cアルコールの量が60〜90%v/vの範囲である請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体燃料組成物。
【請求項5】
前記C〜Cアルコールの量が65〜89%v/vの範囲である請求項4に記載の液体燃料組成物。
【請求項6】
前記C〜Cアルコールの量が70〜88%v/vの範囲である請求項5に記載の液体燃料組成物。
【請求項7】
前記C〜Cアルコールがエタノールである請求項1〜6のいずれか1項に記載の液体燃料組成物。
【請求項8】
前記液体組成物が更に1種以上の燃料添加剤を含有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の液体燃料組成物。
【請求項9】
〜Cアルコール 50〜90%v/vを、フィッシャー・トロプシュ誘導ナフサ 10〜50%v/v、ここで、フィッシャー・トロプシュ誘導ナフサのASTM D2699で測定したリサーチオクタン価及びASTM D2700で測定したモーターオクタン価が、独立に60以下である、及び任意にC〜C炭化水素成分 10%v/v以下と添加混合する工程を含む、ASTM D2699で測定したリサーチオクタン価が95〜110の範囲内であり、ASTM D2700で測定したモーターオクタン価が85〜95を有する液体燃料組成物の製造方法。
【請求項10】
内燃機関の燃焼室に請求項1〜8のいずれか1項に記載の液体燃料組成物又は請求項9に記載の方法により製造された液体燃料組成物を導入する工程を含む内燃機関の操作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスパーク点火(SI)内燃機関用に好適な液体燃料組成物を提供する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
GB 2433265A(DEREK LOWE)は4ストロークエンジン用の低毒性燃料を開示している。この燃料は、エタノールを80〜99%及びエタノールに可溶の揮発性炭化水素フラクションを1〜20%含有する。揮発性炭化水素フラクションは、ペンタン、イソペンタン、ブタン、イソブタン、プロパン及びそれらの組み合わせから選択するのが有利であると記載されている。
【0003】
WO 2004/050803 A1(GREG BINIONS)は、少なくとも2種の脂肪族有機非炭化水素化合物を含有する第一成分 10〜80容量%;少なくとも1種の炭化水素を含有すると共に、芳香族含有量が第二成分全体に対し15容量%未満である第二成分 20〜65容量%;酸素化物を含有する第三成分 1〜35容量%;水 0.01〜20容量%を含む液体燃料組成物を開示している。この液体燃料組成物中の少なくとも1種の化合物は、水及び炭化水素の両方と混和可能で、単一相組成物を与えるものである。第一成分用に好ましい化合物としては、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、オクチルアルコール、ブタノン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール及びイソブチルアルコールが含まれると開示している。第二成分用に好適なものとして軽質ナフサ及び数種のガソリンが開示されている。また第二成分用の低芳香族ナフサの全部又は一部の代りに炭素原子数が9以下の直鎖飽和又は不飽和の炭化水素を使用できるとも開示している。一般に、炭化水素鎖中の各炭化水素基の炭素原子数が7以下、好ましくは6以下である少なくとも2種の炭化水素基を有するエーテルが第三成分に好適な化合物として開示され、好ましいエーテルとしてメチルシクロペンタジエニルマンガントリカルボニル(MMT)、メチル−tert−ブチルエーテル(MTBE)、tert−アミルメチルエーテル(TAME)、エチル−tert−ブチルエーテル(ETBE)及びジブチルエーテルが記載されている。
【0004】
WO 2004/055134 A2(ALAN EASTMAN等)は(A)アルコール成分を約55〜約70重量%の範囲、(B)ナフサ成分を約30〜約45重量%の範囲含む燃焼性燃料を開示している。
【0005】
WO 2004/055134 A2は“ここで使用する用語ナフサ(又はガソリン)は炭化水素組成物と言える。この炭化水素組成物は、大気圧での沸点範囲が約40〜205℃(100〜400°F)である炭化水素の混合物を含有し、アルカン、オレフィン、ナフタレン、芳香族等で構成できる”と述べている。
【0006】
WO 2006/031319 A2(CONOCOPHILIPS)は、フィッシャー・トロプシュナフサを変性剤、特にアルコール用変性剤として使用することを開示している。WO 2006/031319 A2の変性アルコールは、次にガソリンとブレンドされて燃料組成物が得られる。WO 2006/031319 A2の実施例では、実施例2は200プルーフ(proof)のエタノール約5.0ガロンをフィッシャー・トロプシュナフサ0.1ガロンと組み合わせて、変性アルコールを形成している。実施例2の変性アルコールは、次にガソリン約51.0ガロンとブレンドされる。得られたガソリンは自動車用に好適である。
【0007】
GB 2433265 A、WO 2004/050803 A1又はWO 2004/055134 A2のいずれにも開示された燃料組成物にフィッシャー・トロプシュ誘導ナフサは使用されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
フィッシャー・トロプシュ誘導ナフサ成分の蒸留特性はガソリンの蒸留特性に匹敵するにも拘らず、フィッシャー・トロプシュ誘導ナフサ成分は、オクタン価が極めて低いため、一般にガソリン燃料組成物に直接使用するには好適ではないと考えられていた。
【0009】
フィッシャー・トロプシュ誘導ナフサ及びアルコールを含む特定の液体燃料組成物は意外にも高いオクタン価を有し、内燃機関用、特にスパーク点火内燃機関用に好適であることが意外にも見出された。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の概要
本発明は、(a)C〜Cアルコール 50〜90%v/v、(b)フィッシャー・トロプシュ誘導ナフサ 10〜50%v/v、及び任意に(c)C〜C炭化水素成分 10%v/v以下を含む、内燃機関用に好適な液体燃料組成物を提供する。
【0011】
また本発明はC〜Cアルコール 50〜90%v/vを、フィッシャー・トロプシュ誘導ナフサ 10〜50%v/v及び任意にC〜C炭化水素成分 10%v/v以下と混合する工程を含む液体燃料組成物の製造方法を提供する。
【0012】
更に本発明は、内燃機関の燃焼室に本発明の液体燃料組成物又は本発明方法により製造された液体燃料組成物を導入する工程を含む内燃機関の操作方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明の詳細な説明
本発明の液体燃料組成物は(a)C〜Cアルコール、(b)フィッシャー・トロプシュ誘導ナフサ、及び任意に(c)C〜C炭化水素を含有する。
【0014】
〜Cアルコールは、炭素原子数1〜4のいかなる1価アルコール又はその混合物であってもよく、好ましくはC〜Cアルコールは、炭素原子数1〜4のいかなる完全飽和1価アルコール又はその混合物であってもよい。C〜Cアルコールは、好ましくは第一、第二又は第三アルコール又はそれらの混合物であり、更に好ましくは第一アルコール又は第一アルコールの混合物であり、なお更に好ましくは線状第一アルコール又は線状第一アルコールの混合物である。
【0015】
〜Cアルコールは、いかなる公知の天然又は合成源からも誘導できる。C〜Cアルコールは、天然源から、例えばバイオマスの発酵により都合良く誘導できる。
【0016】
〜Cアルコールの50%v/v以上はエタノールであり、好ましくはC〜Cアルコールの80%v/v以上はエタノールであり、更に好ましくはC〜Cアルコールの90%v/v以上、なお更に好ましくはC〜Cアルコールの95%v/v以上、98%v/v以上、又は99%v/v以上さえ、エタノールであり、最も好ましくはC〜Cアルコールはエタノールである。
【0017】
液体燃料組成物中のC〜Cアルコールの濃度は、50〜90%v/vの範囲である。液体燃料組成物中のC〜Cアルコールの濃度は、以下のパラメーター(i)〜(v)の1つ及びパラメーター(vi)〜(ix)の1つとの組み合わせに従うことが好ましい。
(i)60%v/v以上、(ii)65%v/v以上、(iii)68%v/v以上、(iv)69%v/v以上、(v)70%v/v以上で、特徴(i)、(ii)、(iii)、(iv)及び(v)の順で一層好ましく、かつ(vi)90%v/v以下、(vii)89%v/v以下、(viii)88%v/v以下、(ix)87%v/v以下、(x)85%v/v以下で、特徴(vi)、(vii)、(viii)、(ix)及び(x)の順で一層好ましい。
【0018】
前記特徴の特定の組み合わせは、(i)と(vi)、(i)と(vii)、(i)と(viii)、(i)と(ix)、(i)と(x)、(ii)と(vi)、(ii)と(vii)、(ii)と(viii)、(ii)と(ix)、(ii)と(x)、(iii)と(vi)、(iii)と(vii)、(iii)と(viii)、(iii)と(ix)、(iii)と(x)、(iv)と(vi)、(iv)と(vii)、(iv)と(viii)、(iv)と(ix)、(iv)と(x)、(v)と(vi)、(v)と(vii)、(v)と(viii)、(v)と(ix)、及び(v)と(x)である。
【0019】
〜Cアルコールが変性剤を含有する場合、本発明液体燃料組成物中のC〜Cアルコールの濃度は、変性剤を除くC〜Cアルコールの濃度に基づく。C〜Cアルコールが少量の水を含有する場合、本発明液体燃料組成物中のC〜Cアルコールの濃度は、水を除くC〜Cアルコールの濃度に基づく。
【0020】
〜Cアルコールの他に、本発明の液体燃料組成物はフィッシャー・トロプシュ合成の生成物から誘導したナフサ(“フィッシャー・トロプシュ誘導ナフサ”)を含有する。
【0021】
“フィッシャー・トロプシュ誘導”とは、ナフサがフィッシャー・トロプシュ合成法(又はフィッシャー・トロプシュ縮合法)の生成物であるか、又はこれから誘導されることを意味する。フィッシャー・トロプシュ誘導生成物はGTL(Gas−to−Liquid)ナフサと言ってもよい。
【0022】
フィッシャー・トロプシュ反応は、一酸化炭素及び水素を、適切な触媒の存在下、通常、昇温(例えば125〜300℃、好ましくは175〜250℃)及び/又は昇圧(例えば5〜100バール、好ましくは12〜50バール)で長鎖の、通常、パラフィン性の炭化水素に転化する。
n(CO+2H)→(−CH−)n+nHO+熱
所望ならば、2:1以外の水素:一酸化炭素比を採用してよい。
【0023】
一酸化炭素及び水素は、それ自体、有機又は無機、天然又は合成源、通常、天然ガスからでも或いは有機的に誘導したメタンからでも誘導できる。合成ガスに転化され、次いでフィッシャー・トロプシュ合成を用いて液体燃料成分に転化されるガスは、一般に天然ガス(メタン)、LPG(例えばプロパン又はブタン)、エタンのような“縮合物”合成ガス(CO/水素)及び石炭、バイオマス及びその他の炭化水素から誘導したガス状生成物を含有できる。
【0024】
フィッシャー・トロプシュ誘導ナフサは、フィッシャー・トロプシュ反応から直接得られ、或いは例えばフィッシャー・トロプシュ合成生成物の精留及び/又はフィッシャー・トロプシュ合成生成物の水素化処理により、フィッシャー・トロプシュ反応から間接的に得られる。水素化処理は、沸点範囲を調節するための水素化分解(例えばGB−B−2077289及びEP−A−0147873参照)及び/又は分岐パラフィンの割合を増大させることにより常温流れ(cold flow)特性を改良できる水素化異性化を含むことができる。EP−A−0583836には、2段階水素化処理法が記載されている。この方法は、まずフィッシャー・トロプシュ合成生成物に対し、実質的に異性化又は水素化分解(これはオレフィン性成分及び酸素含有成分を水素化する)を受けないような条件下で水素化転化を行ない、次いで得られた生成物の少なくとも一部を、水素化分解又は水素化異性化が起こって実質的にパラフィン性炭化水素生成物が生成するような条件下で水素化転化するというものである。次に、所望のフラクションは、例えば蒸留により単離できる。
【0025】
フィッシャー・トロプシュ縮合生成物の特性を改質するため、例えばUS−A−4125566やUS−A−4478955に記載されるように、重合、アルキル化、蒸留、分解−脱カルボキシル化、異性化、水素化改質等、その他の後合成処理も採用できる。
【0026】
パラフィン性炭化水素のフィッシャー・トロプシュ合成用の一般的な触媒は、触媒活性成分として周期表第VIII族金属、特にルテニウム、鉄、コバルト又はニッケルを含有する。好適なこの種の触媒は、例えばEP−A−0583836(第3〜4頁)に記載されている。
【0027】
フィッシャー・トロプシュ基本法の一例は、第5回Synfuels Worldwide Symposium(合成燃料ワールドワイドシンポジウム)、ワシントン州、1985年11月に報告されたvan der Burgt等の論文“Shell Middle Distillate Synthesis Process(シェル中間蒸留物合成法)”(Shell International Petroleum Company Ltd,ロンドン,英国,1989年11月の同じ表題の刊行物も参照)に記載されるSMDS(Shell Middle Distillate Synthesis)である。この方法(時にはシェル“ガス・ツー・リキッド(gas-to-liquid)”又は“GTL”技術とも言われる)は、天然ガス(主としてメタン)誘導合成ガスの重質長鎖炭化水素(パラフィン)蝋への転化により中間蒸留物範囲の生成物を生成する。次に、この重質長鎖炭化水素蝋は、水素化転化し精留して、例えばフィッシャー・トロプシュ誘導ナフサ、或いはディーゼル燃料組成物に使用できるガス油のような液体輸送燃料を製造できる。現在、接触転化工程に固定床反応器を用いる改訂SMDS法がマレーシアのBintuluで使用中である。該方法のガス油生成物は、市販の自動車用燃料中で石油誘導ガス油とブレンドされている。
【0028】
他のフィッシャー・トロプシュ合成法の例は、いわゆるSasolの商用スラリー相蒸留技術及び“AGC−21”エクソンモービル法である。これらの方法及びその他の方法は、例えばEP−A−776959、EP−A−668342、US−A−4943672、US−A−5059299、WO−A−99/34917及びWO−A−99/20720に更に詳細に記載されている。
【0029】
SMDS法で製造されたフィッシャー・トロプシュ誘導ナフサは、例えばシェル企業から市販されている。フィッシャー・トロプシュ誘導生成物の他の例は、EP−A−0583836、EP−A−1101813、WO−A−97/14768、WO−A−97/14769、WO−A−00/20534、WO−A−00/20535、WO−A−00/11116、WO−A−00/11117、WO−A−01/83406、WO−A−01/83641、WO−A−01/83647、WO−A−01/83648及びUS−A−6204426に記載されている。
【0030】
フィッシャー・トロプシュ法により、フィッシャー・トロプシュ誘導ナフサは硫黄及び窒素を本質的に含まないか、或いは含有しても検出不能のレベルである。これらのヘテロ原子を含む化合物は、フィッシャー・トロプシュ触媒に触媒毒として作用する傾向があるので、合成ガス原料から除去される。
【0031】
更に、通常操作されるフィッシャー・トロプシュ法は、芳香族成分を生成しないか、或いは実質的に生成しない。フィッシャー・トロプシュ誘導ナフサの芳香族含有量は、ASTM D4629により好適に測定され、通常、1%w/w未満、好ましくは0.5%w/w未満、更に好ましくは0.2又は0.1%w/w未満である。
【0032】
一般的に言えば、フィッシャー・トロプシュ誘導ナフサは、例えば石油誘導ナフサに比べて、極性成分、特に極性界面活性剤が比較的低レベルである。このような極性成分には、例えば酸素化物、並びに硫黄及び窒素を含有する化合物が含まれてよい。フィッシャー・トロプシュ誘導ナフサ中の低レベルの硫黄は、硫黄含有化合物及び窒素含有化合物の両方とも同じ処理法で除去されることから、これら化合物が低レベルであるとの指標となる。
【0033】
本発明のフィッシャー・トロプシュ誘導ナフサ成分は、最終沸点が通常、220℃以下、好ましくは180又は175℃以下の液体炭化水素蒸留物である。初期沸点は、通常25℃以上、好ましくは30℃以上である。
フィッシャー・トロプシュ誘導ナフサ又はフィッシャー・トロプシュ誘導ナフサの大部分(例えば95%w/w以上)は、通常、炭素原子数が5以上の炭化水素で構成される。
【0034】
本発明のフィッシャー・トロプシュ誘導ナフサ成分は、好適には70%w/w以上、好ましくは80%w/w以上、更に好ましくは90、95又は98%w/w以上、最も好ましくは99、99.5又は更には99.8%w/w以上のパラフィン性成分からなる。“パラフィン性”とは、分岐又は非分岐のアルカン(ここでは、イソパラフィン及びノルマルパラフィンとも言う)又はシクロアルカンを意味する。パラフィン性成分はイソ−及びノルマル−パラフィンが好ましい。
【0035】
フィッシャー・トロプシュ誘導ナフサ中のノルマルパラフィンの量は、100%w/w以下である。フィッシャー・トロプシュ誘導ナフサは、ノルマルパラフィンを、好ましくは20〜98%w/w又はそれ以上含有する。
【0036】
イソパラフィン:ノルマルパラフィンの重量比は、好適には0.1を超えてよく、12以下であってよい。好適には2〜6である。この比の実際の値は、フィッシャー・トロプシュ合成生成物からガス油を製造するのに使用される水素化転化法により、一部測定してよい。
【0037】
本発明フィッシャー・トロプシュ誘導ナフサ成分のオレフィン含有量は、好ましくは2.0%w/w以下、更に好ましくは1.0%w/w以下、なお更に好ましくは0.5%w/w以下である。本発明フィッシャー・トロプシュ誘導ナフサ成分の芳香族含有量は、好ましくは2.0%w/w以下、更に好ましくは1.0%w/w以下、なお更に好ましくは0.5%w/w以下である。
【0038】
本発明のフィッシャー・トロプシュ誘導ナフサ成分は、密度が15℃で0.67〜0.73g/cmであり、硫黄含有量が5mg/kg以下、好ましくは2mg/kg以下である。
【0039】
フィッシャー・トロプシュ誘導ナフサのアンチノック指数は極めて低いことは当業者により理解されている。通常、本発明のフィッシャー・トロプシュ誘導ナフサ成分について、ASTM D2699で測定したリサーチオクタン価(RON)及びASTM D2700で測定したモーターオクタン価(MON)は、独立に60以下、更に通常50以下、普通40以下である。
【0040】
本発明のフィッシャー・トロプシュ誘導ナフサ成分は、2.5未満、好ましくは1.75未満、更に好ましくは0.4〜1.5の水素/一酸化炭素比を用いると共に、理想的にはコバルト含有触媒を用いてフィッシャー・トロプシュメタン縮合反応により製造した生成物である。好適には、水素化分解したフィッシャー・トロプシュ合成生成物から得られたものであり(例えば、GB−B−2077289及び/又はEP−A−0147873に記載される)、更に好ましくは、前記EP−A−0583836に記載されるような2段階水素化転化法による生成物である。後者の場合、水素化転化法の好ましい特徴は、EP−A−0583836の第4〜6頁及び実施例に記載されている。
【0041】
本発明のフィッシャー・トロプシュ誘導ナフサ成分は、好適には低温フィッシャー・トロプシュ法により製造した生成物である。低温フィッシャー・トロプシュ法とは、通常、300〜350℃の温度で操作できる高温フィッシャー・トロプシュ法とは対照的に、250℃以下、例えば125〜250℃又は175〜250℃の温度で操作する方法を意味する。
【0042】
本発明の液体燃料組成物において、本発明のフィッシャー・トロプシュ誘導ナフサ成分は、2種以上のフィッシャー・トロプシュ誘導ナフサの混合物を含有してよい。
【0043】
本発明液体燃料組成物中のフィッシャー・トロプシュ誘導ナフサの濃度は、10〜50%v/vの範囲である。本発明液体燃料組成物中のフィッシャー・トロプシュ誘導ナフサの濃度は、以下のパラメーター(xi)〜(xv)の1つ及びパラメーター(xvi)〜(xix)の1つとの組み合わせに従うことが好ましい。
(xi)11%v/v以上、(xii)12%v/v以上、(xiii)13%v/v以上、(xiv)14%v/v以上、(xv)15%v/v以上で、特徴(xi)、(xii)、(xiii)、(xiv)及び(xv)の順で一層好ましく、かつ(xvi)50%v/v以下、(xvii)40%v/v以下、(xviii)35%v/v以下、(xix)32%v/v以下、(xx)30%v/v以下で、特徴(xvi)、(xvii)、(xviii)、(xix)及び(xx)の順で一層好ましい。
【0044】
前記特徴の特定の組み合わせは、(xi)と(xvi)、(xi)と(xvii)、(xi)と(xviii)、(xi)と(xix)、(xi)と(xx)、(xii)と(xvi)、(xii)と(xvii)、(xii)と(xviii)、(xii)と(xix)、(xii)と(xx)、(xiii)と(xvi)、(xiii)と(xvii)、(xiii)と(xviii)、(xiii)と(xix)、(xiii)と(xx)、(xiv)と(xvi)、(xiv)と(xvii)、(xiv)と(xviii)、(xiv)と(xix)、(xiv)と(xx)、(xv)と(xvi)、(xv)と(xvii)、(xv)と(xviii)、(xv)と(xix)、及び(xv)と(xx)である。
【0045】
本発明の液体燃料組成物は、C〜C炭化水素成分を10%v/v以下含有する。C〜C炭化水素成分は、炭素原子数が3、4、5又は6のいかなる炭化水素、或いはそれらの混合物であってもよい。C〜C炭化水素成分は、好ましくは炭素原子数が3、4、5又は6のパラフィン性炭化水素、或いはそれらの混合物であり、更に好ましくは炭素原子数が3、4、5又は6のパラフィン性脂肪族炭化水素、或いはそれらの混合物である。C〜C炭化水素成分は、同じ炭素原子数の炭化水素が95重量%以上、好ましくは98重量%以上、更に好ましくは99重量%以上である組成物が好都合かも知れない。
【0046】
〜C炭化水素成分は、いかなる既知の供給源からも誘導できる。C〜C炭化水素成分は、直留ガソリン、合成的に製造した炭化水素混合物、熱的又は接触的に分解した炭化水素、水素化分解した石油フラクション、接触的に改質した炭化水素、フィッシャー・トロプシュ合成品又はこれらの混合物から誘導するのが好都合かも知れない。
【0047】
本発明には必須ではないが、C〜C炭化水素は高揮発性なので、液体燃料組成物の揮発性を増大させるため、本発明の液体燃料組成物にC〜C炭化水素成分を都合良く含有でき、液体燃料組成物の冷間始動性能を向上させるのに都合良く使用できる。こうして、本発明の液体燃料組成物に含まれるC〜C炭化水素成分の濃度は、液体燃料組成物の所望の揮発性に従って変化する。本発明液体燃料組成物中のC〜C炭化水素成分の量は、0%v/vが好都合である可能性のあることは理解されよう。しかし、本発明の液体燃料組成物中にC〜C炭化水素成分が含まれるならば、C〜C炭化水素成分は、一般的には8%v/v以下、更に一般的には7%v/v以下の濃度で、かつ独立に、一般的には0.1%v/v以上、更に一般的には0.25%v/v以上、最も一般的には0.5%v/v以上の量で含まれる。例えば、本発明の液体燃料組成物中にC〜C炭化水素成分が含まれるならば、C〜C炭化水素成分は、一般的には0.1〜10%v/v、更に一般的には0.25〜8%v/v、最も都合良くは0.5〜7%v/vの範囲の濃度で含まれる。
【0048】
本発明の液体燃料組成物は、内燃機関、特にスパーク点火内燃機関用に好適である。本発明の液体燃料組成物は、フレキシブル(エタノールと任意の混合比率で混合可能な)燃料車両(FFV)の内燃機関の燃料として好適に使用できる。
【0049】
本発明の液体燃料組成物はガソリンと言うこともできることは理解されよう。例えば本発明の液体燃料組成物はE85又はE70ガソリンとして都合良く使用できる。
本発明の液体燃料組成物は、25〜210℃の沸点範囲を有し、最適範囲及び蒸留曲線は、通常、その年の気候及び季節により変化する。
【0050】
本発明液体燃料のリード蒸気圧(RVP)は、10〜100kPa、好ましくは20〜90kPa、更に好ましくは30〜80kPaの範囲(IP 394)である。最適リード蒸気圧は、通常、その年の気候及び季節により変化する。C〜C炭化水素成分の量を変化させれば、本発明液体燃料組成物のRVP、したがって、冷間始動性能は、都合良く制御できる。
【0051】
フィッシャー・トロプシュ誘導ナフサのリサーチオクタン価(RON)及びモーターオクタン価(MON)は意外にも非常に低くても、本発明液体燃料組成物のRON及びMONは意外にも高い。本発明液体燃料組成物のRONは、好ましくは80〜120、更に好ましくは85〜115、なお更に好ましくは90〜112、最も好ましくは95〜110の範囲(ASTM D2699)である。本発明液体燃料組成物のMONは、好ましくは65〜110、更に好ましくは75〜105、なお更に好ましくは80〜100、最も好ましくは85〜95の範囲(ASTM D2700)である。
【0052】
本発明液体燃料組成物のオレフィン性炭化水素含有量は、通常、2%v/v以下である。本発明液体燃料組成物のオレフィン性炭化水素含有量は、好ましくは1%v/v以下である。
【0053】
本発明液体燃料組成物の芳香族炭化水素含有量は、通常、1%v/v以下である。本発明液体燃料組成物の芳香族炭化水素含有量は、好ましくは0.5%v/v以下、更に好ましくは0.25%v/v以下である。本発明液体燃料組成物の芳香族炭化水素含有量は、0〜0.15%v/vの範囲が都合良い。
【0054】
液体燃料組成物のベンゼン含有量は、好ましくは0.25%v/v以下、更に好ましくは0.1%v/v容量%以下、特に0.05%v/v以下である。
本発明の液体燃料組成物は、硫黄含有量が少ないか、又は極端に少なく、例えば500mg/kg以下、好ましくは150mg/kg以下、更に好ましくは50mg/kg以下、なお更に好ましくは10mg/kg以下、最も好ましくは5mg/kgである。本発明の液体燃料組成物は、本質的に硫黄を含まないのが好都合かも知れない。
【0055】
本発明の液体燃料組成物は、好ましくは鉛の合計含有量が少なく、例えば0.005g/l以下であり、最も好ましくは鉛を含まない、鉛化合物が添加されていない(即ち、無鉛)。
本発明の液体燃料組成物は、更新可能な供給源から完全に誘導できることが理解されよう。
【0056】
本発明にとって臨界的ではないが、本発明の液体燃料組成物は更に1種以上の燃料添加剤を含有するのが好都合かも知れない。本発明の液体燃料組成物に含有できる燃料添加剤の濃度及び性能は臨界的ではない。本発明の液体燃料組成物に含有できる好適な種類の燃料添加剤の非限定的な例としては、酸化防止剤、腐食防止剤、洗浄剤、曇り防止剤、アンチノック剤、金属不活性化剤、バルブシート凹み防護(recession protectant)化合物、染料、摩擦改良剤、担持流体、希釈剤及び標識剤が含まれる。これら好適な添加剤の例は米国特許第5,855,629号に概説されている。本発明の液体燃料組成物は、更に1種以上の燃料添加剤を含有するのが都合良く、特に1種以上の燃料添加剤は腐食防止剤を含む。
【0057】
燃料添加剤は、1種以上の希釈剤又は担持流体とブレンドして、添加剤濃縮物を形成することができ、次いで、添加剤濃縮物はガソリンに添加混合できるのが好都合である。
【0058】
本発明の液体燃料組成物に存在するいかなる添加剤の(有効物質)濃度も、液体燃料組成物全体に対し、好ましくは1重量%以下であり、更に好ましくは5〜1000ppmw、有利には75〜300ppmw(百万重量部当たり重量部)の範囲である。
【0059】
前述した成分及び添加剤又は添加剤パッケージの他に、本発明の液体燃料組成物は、該液体燃料組成物のバランスを補償するため、任意に他の成分も含有してよい。例えばこの燃料のバランスは、フィッシャー・トロプシュ誘導ナフサ及びC〜C炭化水素成分以外の炭化水素成分、及びC〜Cアルコール以外の酸素化物を含有してよい。本発明の液体燃料組成物がフィッシャー・トロプシュ誘導ナフサ及びC〜C炭化水素成分以外の炭化水素成分、及び/又はC〜Cアルコール以外の酸素化物を含有する場合、これらの成分は、好ましくは10%v/v以下、更に好ましくは7%v/v以下、なお更に好ましくは5%v/v以下、最も好ましくは3%v/v以下の濃度で存在する。本発明の液体燃料組成物は、フィッシャー・トロプシュ誘導ナフサ、任意のC〜C炭化水素成分、C〜Cアルコール、及び燃料添加剤又は燃料添加剤濃縮物以外の追加成分を含有しないのが都合良い。
【0060】
本発明の液体燃料組成物は、C〜Cアルコール 50〜90%v/vを、フィッシャー・トロプシュ誘導ナフサ 10〜50%v/v及び任意にC〜C炭化水素成分 10%v/v以下と添加混合する工程を含む方法により製造できる。本発明液体燃料組成物の成分を添加混合する順序及び方法は臨界的ではなく、当該技術分野に公知のいかなる好適な方法も本発明の液体燃料組成物を製造するのに使用してよい。
【0061】
本発明の液体燃料組成物に1種以上の追加成分、例えば1種以上の燃料添加剤又は添加剤濃縮物を含有させる場合、追加の成分は、本発明液体燃料組成物の製造前に、製造中に又は製造後に、該液体燃料組成物の1種以上の成分と添加混合してよい。
【0062】
本発明の液体燃料組成物は、内燃機関、特にスパーク点火内燃機関の燃料として使用できる。したがって、本発明は、(a)C〜Cアルコール 50〜90%v/v、(b)フィッシャー・トロプシュ誘導ナフサ 10〜50%v/v、及び任意に(c)C〜C炭化水素成分 10%v/v以下を含む液体燃料組成物を内燃機関、特にスパーク点火内燃機関用の燃料として使用する方法(use)も包含する。
【0063】
本発明の液体燃料組成物は、特にフレキシブル燃料車両用の燃料として好適であることは理解されよう。
また本発明は、内燃機関の燃焼室に本発明の液体燃料組成物を導入する工程を含む内燃機関の操作方法も提供する。
【0064】
本発明は以下の実施例から更に理解されよう。特に指示しない限り、部及び%(濃度)は容量基準であり、また圧力はkPaで測定した。
【実施例】
【0065】
密封可能な金属容器中、室温で表1に挙げた成分の適切な容量を配合し、実施例の液体燃料組成物を製造した。この液体燃料組成物にブタンを加える場合は、貯蔵槽から密封可能容器に加え、ブタンの添加量を機械的流動計で測定した。
【0066】
次いで、液体燃料組成物の成分を含む容器を密封し、攪拌して十分に混合した。
混合後、試験前の蒸発を防止するため、密封容器を5℃未満の温度で貯蔵した。
【0067】
【表1】
【0068】
エタノールは、Abengoa Bioenergyにより供給されたバイオエタノール(15℃での密度:794.1kg/l(IP 365))である。
燃料4、5及び6に使用したブタンはShell Gas英国により供給されたものである。
GtLナフサは、下記表2に規定したパラメーターを有するフィッシャー・トロプシュ誘導ナフサである。
【0069】
【表2】

ガソリンAは、下記表3に規定したパラメーターを有する無鉛ガソリンベース燃料である。
【0070】
【表3】

ガソリンBは、下記表4に規定したパラメーターを有する無鉛ガソリンベース燃料である。
【0071】
【表4】
【0072】
実施例1〜4、比較例A及びB
燃料1〜4、A及びBのリサーチオクタン価(RON)(ASTM D2699)及びモーターオクタン価(MON)(ASTM D2700)を下記表5に示す。
【0073】
【表5】
【0074】
表5から本発明液体燃料組成物のRON及びMONは、これら液体燃料の個々の成分の秤量平均から予測した値よりも高いことが理解できる。特に、実施例3の燃料のRON値は、前記燃料の製造に使用したエタノール成分及びフィッシャー・トロプシュ誘導ナフサ成分の両方について測定したRON値よりも高いのは意外であると理解できる。
【0075】
実施例5〜10、比較例C〜J
燃料1〜6及びA〜Hについてのリード蒸気圧(RVP)(IP 394)を下記表6に示す。
【0076】
【表6】
【0077】
表6からエタノール及びGTLナフサだけを含有する液体燃料組成物のRVPは、アルコール及び無鉛ガソリンだけを含む同等のアルコールベース燃料よりも低い(比較例G及びJと比べた実施例7)ことが理解できる。しかし、実施例8〜10から本発明の液体燃料組成物のRVFは、例えば低温始動性能を改良するため、ブタンの添加により有利に制御できることが理解できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0078】
【特許文献1】GB 2433265 A
【特許文献2】WO 2004/050803 A1
【特許文献3】WO 2004/055134 A2
【特許文献4】WO 2006/031319 A2
【特許文献5】GB−B−2077289
【特許文献6】EP−A−0147873
【特許文献7】EP−A−0583836
【特許文献8】US−A−4125566
【特許文献9】US−A−4478955
【特許文献10】米国特許第5,855,629号 以下に、出願時の特許請求の範囲の記載を示す。[請求項1] (a)C1〜C4アルコール 50〜90%v/v、(b)フィッシャー・トロプシュ誘導ナフサ 10〜50%v/v、及び任意に(c)C3〜C6炭化水素成分 10%v/v以下を含む、内燃機関用に好適な液体燃料組成物。[請求項2] 前記C3〜C6炭化水素成分の量が0%v/vである請求項1に記載の液体燃料組成物。[請求項3] 前記C3〜C6炭化水素成分の量が0.1〜10%v/vの範囲である請求項1に記載の液体燃料組成物。[請求項4] 前記C1〜C4アルコールの量が60〜90%v/vの範囲である請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体燃料組成物。[請求項5] 前記C1〜C4アルコールの量が65〜89%v/vの範囲である請求項4に記載の液体燃料組成物。[請求項6] 前記C1〜C4アルコールの量が70〜88%v/vの範囲である請求項5に記載の液体燃料組成物。[請求項7] 前記C1〜C4アルコールがエタノールである請求項1〜6のいずれか1項に記載の液体燃料組成物。[請求項8] 前記液体組成物が更に1種以上の燃料添加剤を含有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の液体燃料組成物。[請求項9] C1〜C4アルコール 50〜90%v/vを、フィッシャー・トロプシュ誘導ナフサ 10〜50%v/v及び任意にC3〜C6炭化水素成分 10%v/v以下と添加混合する工程を含む液体燃料組成物の製造方法。[請求項10] 内燃機関の燃焼室に請求項1〜8のいずれか1項に記載の液体燃料組成物又は請求項9に記載の方法により製造された液体燃料組成物を導入する工程を含む内燃機関の操作方法。