(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プローブは、一方の端より、前記電極端子と接触する先端部となる領域、蛇行形状に形成されたバネ部となる領域、折曲げ部となる領域、前記バネ部を囲むための筐体部となる領域とが順に接続されている形状の一枚の金属板を折曲げることにより形成されるものであることをする請求項1または2に特徴とするコネクタ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなプローブを複数用いることにより、電気的な接続を行なうためのコネクタを作製することも可能である。
【0006】
ところで、上述したコイルスプリングプローブは、一般に、プローブの接触部分、コイルバネ及び筒体を有する構造であるため、各々別個の部品として作製し、これらの部品を組み立てることにより製造される。このため、製造工程も複雑なものとなり、製造コストも高くなってしまう。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、短時間に低コストで製造することが可能なスプリング機能を有する電気接続用のプローブ及びプローブの製造方法を提供することを目的とするものであり、また、このようなスプリングプローブを複数用いた構造のコネクタを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、電気回路又は電子部品における電極端子と接触し電気的測定を行うために用いられるプローブを複数有するコネクタにおいて、前記プローブは、一枚の金属板を折曲げることにより形成されるものであって、先端部と、蛇行形状に形成されたバネ部と、前記バネ部を囲むように折曲げて形成される筐体部と、前記バネ部と前記筐体部との間を折曲げることにより形成される折曲げ部と、を有し、複数の前記プローブを覆う第1の絶縁体部と第2の絶縁体部を有し、前記プローブの前記先端部の一部又は全部は前記第1の絶縁体部に設けられた開口部より外側に露出し、前記プローブの前記折曲げ部の一部又は全部は前記第2の絶縁体部に設けられた開口部より外側に露出するように設置されているものであ
って、前記第2の絶縁体部に設けられた開口部は、2以上の前記プローブに対応して1つ設けられており、前記第1の絶縁体部には、内部に前記プローブを設置することのできる凸状部を有し、前記第2の絶縁体部には前記凸状部に対応した凹状部を有し、前記凹状部と前記凸状部とを対向させて前記プローブを複数挟み込むことにより、前記第1の絶縁体部と前記第2の絶縁体部により複数の前記プローブが固定されるものであって、前記プローブには、前記先端部と前記バネ部との間に、接続前部が設けられており、前記筐体部における折曲げ部側の端に、接続後部が設けられており、前記プローブが固定されている状態においては、前記第1の絶縁体部の内側の面と前記接続前部とが接触し、前記第2の絶縁体部の内側の面と前記接続後部とが接触しており、複数の前記プローブは、2次元的に配列されているものであることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記第2の絶縁体部に設けられた開口部は、2以上の前記プローブに対応して1つ設けられているものであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記第1の絶縁体部には、内部に前記プローブを設置することのできる凸状部を有し、前記第2の絶縁体部には前記凸状部に対応した凹状部を有し、前記凹状部と前記凸状部とを対向させて前記プローブを複数挟み込むことにより、前記第1の絶縁体部と前記第2の絶縁体部により複数の前記プローブが固定されるものであることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、複数の前記プローブは、2次元的に配列されているものであることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記プローブは、一方の端より、前記電極端子と接触する先端部となる領域、蛇行形状に形成されたバネ部となる領域、折曲げ部となる領域、前記バネ部を囲むための筐体部となる領域とが順に接続されている形状の一枚の金属板を折曲げることにより形成されるものであることをする。
【0013】
また、本発明は、前記先端部と接続される筐体接続部が設けられており、前記筐体接続部と前記筐体部とが接触することにより、前記先端部において得られた電気信号は、前記筐体接続部を介し、前記筐体部に伝達されるものであることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前記第1の絶縁体部と前記第2の絶縁体部との接触面には、位置合せのための突起部及び穴部が各々設けられており、前記突起部及び穴部は各々2以上設けられていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、電気回路又は電子部品における電極端子と接触し電気的測定を行うために用いられるプローブにおいて、前記プローブは、一方の端より、前記電極端子と接触する先端部となる領域、蛇行形状に形成されたバネ部となる領域、前記バネ部を囲むための筐体部となる領域とが順に接続されている形状の一枚の金属板を折曲げることにより形成されるものであって、前記先端部となる領域により形成される先端部と、前記蛇行形状に形成された前記バネ部となる領域からなるバネ部と、前記バネ部を囲むように折曲げて形成される筐体部と、を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記筐体部における断面形状は、平板状であることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記先端部と接続される筐体接続部が設けられており、前記筐体接続部と前記筐体部とが接触することにより、前記先端部において得られた電気信号は、前記筐体接続部を介し、前記筐体部に伝達されるものであることを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、前記記載の複数のプローブを覆う第1の絶縁体部と第2の絶縁体部を有し、前記プローブの前記先端部の一部は前記第1の絶縁体部に設けられた開口部より外側に露出し、前記プローブの前記折曲げ部の一部は前記第2の絶縁体部に設けられた開口部より外側に露出するように設置されているものであることを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、電気回路又は電子部品における電極端子と接触し電気的測定を行うために用いられるプローブの製造方法において、金属板を所定の形状に形成する金属板形成工程と、前記金属板を折曲げる折曲げ工程と、を有し、前記所定の形状は、本体部となる一方の端より、前記電極端子と接触する先端部となる領域、蛇行形状に形成されたバネ部となる領域、前記バネ部を囲むための筐体部となる領域とが順に接続されている形状であって、前記折曲げ工程は、前記筐体部となる領域と前記バネ部との境界を略180°折曲げることにより折曲げ部を形成する工程と、前記折曲げ部を形成した後、前記バネ部を前記筐体部により囲むように、前記筐体部となる領域を折曲げることにより筐体部を形成する工程と、を有することを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、前記金属板形成工程と前記折曲げ工程との間には、前記所定の形状に形成された前記金属板の表面にメッキを施すメッキ工程を有することを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、前記筐体部を形成する工程は、前記筐体部となる領域の一部を略180°折曲げるものであることを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、前記金属板形成工程において形成される所定の形状とは、金属板をプレス加工することにより形成されるものであること、または、金属板の前記所定の形状となる領域以外の領域をエッチングすることにより形成されるものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、一枚の金属板を加工することにより製造することができるため、組立工程等を必要とせず、短時間に低コストで製造することが可能なスプリング機能を有する電気接続用のプローブを提供することができる。また、このようなプローブを複数用いることにより低コストで信頼性の高いコネクタを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。
【0026】
〔第1の実施の形態〕
本実施の形態はプローブであり、後述するコネクタの一部に用いられるものである。
【0027】
(プローブの構造)
本実施の形態におけるプローブについて説明する。本実施の形態におけるプローブは、電子部品や電気回路等の検査を行うために用いられるものであり、電子部品や電気回路等に形成された電極パッド又は電極端子等(電極パッド又は電極端子等を単に「電極端子」または「電極端子等」と称する場合もある)と電気的に接続するためのものである。具体的には、本実施の形態におけるプローブは、一枚の金属板、例えば、銅又は銅を含む合金からなる金属板を打ち抜いたものを折曲げることにより形成したものである。従って、本実施の形態におけるプローブは、一体化されており、全体がつながった構造となっている。
【0028】
本実施の形態におけるプローブについて、
図1から
図8に基づき説明する。本実施の形態におけるプローブ100は、先端部10、バネ部20、筐体部30、屈曲部50を有している。尚、
図1は本実施の形態のおけるプローブ100の斜視図であり、
図2は上面図であり、
図3は左側面図であり、
図4は底面図であり、
図5は右側面図であり、
図6は正面図である。また、
図7は、筐体部30を折曲げる前の状態のプローブを示すものであり、
図8は、
図7における破線で囲まれた領域7Aの拡大図である。
【0029】
先端部10は、ウエハ等に形成された電気回路及び電子部品等の電極パット又は電極端子等と接触させ電気的に接続するためのものである。先端部10の端部は、端子接触部11を形成している。この端子接触部11は、検査の対象となる電気回路または電子部品等における電極パッドまたは電極端子と接触し電気的に接続される部分である。
【0030】
バネ部20は、平板状であって両側がU字状に曲がった蛇行する形状のものを略中心部分において、長手方向に沿ってコの字形状に折曲げた構造のものであり、折曲げられた一方の側と、他方の側とは略平行となるように折曲げられている。本実施の形態では、コの字状に折曲げた構造のものを示しているが、Uの字状等に折曲げた構造のものであってもよい。バネ部20では、両側がU字状に曲がった蛇行する形状とすることにより、弾性を有するものとなり、バネとしての機能を発揮させることができる。
【0031】
筐体部30は、バネ部20の全体を囲むように筐体部30となる領域の金属板を折曲げることにより形成されている。具体的には、筐体部30となる領域の金属板を折曲げることにより側面部31と上面部32とを形成する。
【0032】
筐体部30は、筐体部30となる領域の側部を折曲げることにより上面部32を形成し、更に、側面部31を折曲げることにより底面部35も同時に形成されるため、バネ部20全体を略四角形状の筐体部30により囲むことができる。
【0033】
尚、筐体部30とバネ部20とは境界となる屈曲部50において、約180°折曲げられており、バネ部20は筐体部30内に納められた構造となっている。また、この屈曲部50は、プローバー等の測定機器と電気的に接続されるものであり、端子接触部11において電極パットまたは電極端子と接触して得られた電極信号は、屈曲部50を介し、測定機器に伝達される。このため、屈曲部50は折曲げられる折曲げ部51と電極端子と接触する電極接触部52とが設けられており、電極信号は、電極接触部52を介し、測定機器に伝達される。
【0034】
本実施の形態では、バネ部20における先端部10側には、筐体部30の側に向かって出っ張った形状の凸部40が設けられている。凸部40は、バネ部20の所定の位置において内側から外側に向けて力を加えることにより形成されている。凸部40は、
図7に示すような状態から
図1の示す状態に筐体部30を折曲げた際、筐体部30の側面部31の内側と、凸部40とが接触するように形成されている。これにより、筐体部30の内側と凸部40とが接触するため電気的に接続される。
【0035】
このように、筐体部30の内側と凸部40とが電気的に接続されることにより、電気信号は先端部10の端子接触部11より、バネ部20の側面に設けられた凸部40、筐体部30を介し、屈曲部50に伝達される。筐体部30では、電気信号が流れる領域の断面積が広いため、端子接触部11から屈曲部50までの電気抵抗を低くすることができる。よって、端子接触部11において検出された電気信号を屈曲部50まで低抵抗で伝達することが可能となる。即ち、本実施の形態におけるプローブでは、プローブ内において電気的に接続される部分は、筐体部30の側面部31の内側と、バネ部20に設けられた凸部40の1ヶ所のみであるため、接触抵抗も少なく低抵抗なプローブとなる。
【0036】
尚、凸部40は、バネ部20の先端部10側に設けることが好ましい。筐体部30は、電気信号が流れる領域の断面積が広く、低抵抗で電流を流すことができるため、接触端子部11において検出された電気信号は、できるだけ筐体部30を伝達させた方が、低抵抗で伝達させることができるからである。また、凸部40は、折曲げられたバネ部20の両側に設けることが好ましい。具体的には、折曲げられた状態のバネ部20の一方の側と他方の側に各々凸部40を設け、バネ部20の一方の側に設けられた凸部40と、筐体部30の側面部31の一方の側の内側と接触させ、バネ部20の他方の側に設けられた凸部40と、筐体部30の側面部31の他方の側の内側と接触させる。このように凸部40を両側に設けることにより、筐体部30との接触をより確実なものとすることができるからである。この際、
図8に示すように、凸部40は、バネ部20において対称となる位置に設けられていることが好ましい。このような位置に設けることにより、凸部40と筐体部30の側面部31の内側との接触を更に確実なものとすることができる。
【0037】
また、本実施の形態におけるプローブでは、バネ部20が折曲げられる前の状態は板状であることから、バネ部20を形成する際、折曲げられた方向に対してもバネ性を有している。よって、バネ部20を形成する際に所定の形状で折曲げることにより、凸部40において筐体部30の側面部31の内側に力が加えられた状態で確実に接触させることができる。このため、先端部10における端子接触部11が基板等に設けられた端子と接触した場合においても、凸部40と筐体部30の側面部31の内側との接触が保たれた状態のままバネ部20が伸縮させることができる。
【0038】
本実施の形態におけるプローブは、凸部40において筐体部30の側面部31の内側と接触する構造のものであるため、より一層小型化することが可能である。
【0039】
また、本実施の形態におけるプローブ100では、接続前部36と接続後部37が設けられている。具体的には、筐体部30の屈曲部50側の端部には接続後部37が設けられており、先端部10とバネ部20との間には、接続前部36が設けられている。
【0040】
また、本実施の形態においては、筐体部の断面形状が略四角形である場合について説明したが、曲面的に折曲げることにより、断面形状を略円形、略長円形、略三角形等の多角形等にすることも可能である。
【0041】
このような、本実施の形態におけるプローブは、メモリテスタ、液晶パネルの検査、基板検査用プローブ等において用いることができ、ポゴピンとも称されるプローブピンの代替として用いることができる。
【0042】
(プローブの製造方法)
次に、
図9に基づき本実施の形態におけるプローブの製造方法について説明する。
【0043】
最初に、ステップ102(S102)において、本実施の形態におけるプローブを作製するため、所定の形状に金属板を形成する(金属板形成工程)。形成方法は、金属板をプレス加工等により打ち抜き形成する方法、または、金属板上に所定の形状のマスクを形成し、マスクの形成されていない領域をエッチングする方法により形成する。尚、この金属板は、銅又は銅を含む合金により形成されており、厚さは、30μm〜150μmである。尚、本実施の形態では、厚さ60μmの銅板を用いて、プレス加工により所定の形状の金属板を形成する。本実施の形態では、プローブとなる前のこの金属板を本体部と称する。
【0044】
次に、ステップ104(S104)において、本実施の形態におけるプローブを形成するための本体部にメッキ加工を施す(メッキ工程)。このメッキ加工は、Ni、Pd、Au、もしくはNi、Auのメッキを順に行うことにより行なう。
【0045】
次に、ステップ106(S106)において、バネ部20となる領域を折曲げる(第1の折曲げ工程)。具体的には、バネ部20となる領域の両側をコの字状に折曲げバネ部20を形成する。
【0046】
次に、ステップ108(S108)において、本実施の形態におけるプローブを形成するための本体部を折曲げる(第2の折曲げ工程)。本体部は、屈曲部50における折曲げ部51において折曲げられる。これにより
図7に示す形状のものを作製することができる。
【0047】
次に、ステップ110(S110)において、筐体部30となる領域を折曲げる(第3の折曲げ工程)。具体的には、バネ部20の曲げられている方向と同じ方向に、90°折曲げ、筐体部30の側面部31を形成する。この際、底面部35も同時に形成されるため、バネ部20の全体が筐体部30に囲まれた構造となる。更に、筐体部30の側面部31の内壁と、筐体接続部40とが接触し、電気的に接続される。これにより、本実施の形態におけるプローブを製造することができる。
【0048】
以上より、本実施の形態におけるプローブは、一枚の金属板を加工することにより製造することができる。従って、スプリング機能を有するプローブにおいて、複数の部品を組み立てる必要がなく、組立工程が不要である。また、製造工程が、金属板のプレス加工等の加工工程と、メッキ工程と、折曲げ工程と、切断工程のみにより製造されるものであるため、簡単な製造装置で製造することができ、また、製造工程も単純であるため、低コストで大量に短時間に製造することができる。従って、極めて低コストで、スプリング機能を有するプローブを製造することができる。
【0049】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態はコネクタであり、第1の実施の形態と同様の構造のプローブを複数有するものであり、メモリ等の半導体装置におけるテスター用コネクタ、または、電子回路等が形成されている半導体基板等における基板検査用コネクタとして用いられるものである。
【0050】
本実施のコネクタは、
図10から
図21に示されるように、複数のプローブ100が第1の絶縁体部110と第2の絶縁体部120とにより固定されている。
図10は、本実施の形態におけるコネクタの正面図であり、
図11は裏面図であり、
図12は側面図であり、
図13は上面図であり、
図14は正面側から見た斜視図であり、
図15は裏面側から見た斜視図であり、
図16は開口部111における拡大図であり、
図17は開口部121における拡大図であり、
図18は一部を切断した状態の斜視図であり、
図19は断面図であり、
図20は正面側から見た分解図であり、
図21は裏面側から見た分解図である。
【0051】
第1の絶縁体部110及び第2の絶縁体部120は、本実施の形態におけるコネクタにおいて、筐体となるものであり、絶縁体により形成されている。本実施の形態におけるコネクタにおいて、複数のプローブ100は、先端部10における端子接触部11及び屈曲部50における電極接触部52の端部が、ともに略同一面となる位置に揃った状態で2次元的に配置されており、第1の絶縁体部110と第2の絶縁体部120とにより固定されている。第1の絶縁体部110には、プローブ100の各々に対応する開口部111が設けられており、内側には、各々のプローブ100を収納するための凸状部112が設けられている。凸状部112には、凸状部の内部に複数のプローブ100の略全体が収納することができるように開口領域が設けられており、この各々の開口領域の底面に開口部111が設けられている。
【0052】
一方、第2の絶縁体部120には、図面において、横方向に設置される複数のプローブ100に共通して設けられた横長の長方形状の開口部121が設けられている。開口部121は、第1の絶縁体部110の凸状部112の形状に対応した形状の凹状部122の底面に設けられている。
【0053】
プローブ100は、第1の絶縁体部110における開口部111より、プローブ100の先端部10の一部が飛び出すように設置され、第2の絶縁体部120の開口部121からは、屈曲部50が飛び出すように設置されている。
【0054】
第1の絶縁体部110と第2の絶縁体部120とを接合する際には、ネジ124とナット114によりネジ留めすることにより接合される。これにより、複数のプローブ100を有するコネクタを容易に作製することができる。尚、図面においてはネジ124及びナット114におけるネジ溝は省略されている。
【0055】
本実施の形態におけるプローブ100の筐体部30には接続後部37が設けられており、先端部10とバネ部20との間には、接続前部36が設けられている。これにより、第1の絶縁体部110と第2の絶縁体部120とを接合した状態では、プローブ100は、第1の絶縁体部110における内部の面115と接続前部36とが接触し、第2の絶縁体部120における内部の面125と接続後部37とが接触した状態で、プローブ100が第1の絶縁体部110及び第2の絶縁体部120内に固定される。この状態では、プローブ100の先端部10は、プローブ100の長手方向に伸縮可能であり、端子接触部11に接触する電極端子とプローブ100における接触端子部11との接続を確実なものとすることができる。
【0056】
本実施の形態におけるコネクタでは、複数のプローブ100を所定に位置に設置することができ、また、破損等によりプローブ100を交換する必要が生じた場合においても、ナット114とネジ124とによる接続を外すことにより、第1の絶縁体部110と第2の絶縁体部120とに分離することができ、第1の絶縁体部110の凸状部112の内部の開口領域に設置されているプローブ100を容易に交換することができる。
【0057】
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態とは異なる構造のプローブである。本実施の形態におけるプローブは、第1の実施の形態におけるプローブと同様に、電子部品や電気回路等の検査を行うために用いられるものであり、一枚の金属板、例えば、銅又は銅を含む合金からなる金属板を打ち抜いたものを折曲げることにより形成したものである。従って、本実施の形態におけるプローブは、一体化されており、全体がつながった構造となっている。
【0058】
本実施の形態におけるプローブについて、
図22から
図25に基づき説明する。本実施の形態におけるプローブ200は、先端部210、バネ部220、筐体部230、屈曲部250を有している。尚、
図22は本実施の形態のおけるプローブ200の斜視図であり、
図23は上面図であり、
図24は側面図であり、
図25は正面図である。また、
図26は、筐体部230を折曲げる前の状態のプローブを示すものである。
【0059】
先端部210は、ウエハ等に形成された電気回路及び電子部品等の電極パット又は電極端子等と接触させ電気的に接続するためのものである。先端部210の端部は、端子接触部211を形成している。この端子接触部211は、検査の対象となる電気回路または電子部品等における電極パッドまたは電極端子と接触し電気的に接続される部分である。
【0060】
バネ部220は、平板状であって両側がU字状に曲がった蛇行する形状のものであり、U字状に曲がった蛇行する形状とすることにより、弾性を有するものとなり、バネとしての機能を発揮させることができる。
【0061】
筐体部230は、バネ部220の全体を囲むように筐体部230となる領域の金属板を折曲げることにより形成されている。具体的には、筐体部230となる領域の金属板を折曲げることにより上面部232を形成し、これにより底面部235も同時に形成されるため、バネ部220全体を上面部232と底面部235からなる筐体部230により囲むことができる。
【0062】
尚、筐体部230とバネ部220とは境界となる屈曲部250において、約180°折曲げられており、バネ部220は筐体部230内に納められた構造となっている。また、この屈曲部250は、プローバー等の測定機器と電気的に接続されるものであり、端子接触部211において電極パットまたは電極端子と接触して得られた電極信号は、屈曲部250を介し、測定機器に伝達される。屈曲部250には、約180°折曲げられる折曲げ部251と電極端子と接触する電極接触部252とを有しており、電極信号は、電極接触部252を介し、測定機器に伝達される。
【0063】
本実施の形態では、バネ部220と先端部210との間には、筐体部230の側に向かって出っ張った形状の筐体接続部240が設けられている。筐体接続部240は、端子接触部211が筐体部230側に押された際に、筐体部230の内側と接触し、筐体接続部240と筐体部230とが電気的に接続される。
【0064】
このように、筐体部230の内側と筐体接続部240とが電気的に接続されることにより、電気信号は先端部210の端子接触部211より、バネ部220の側面に設けられた筐体接続部240、筐体部230を介し、屈曲部250に伝達される。筐体部230では、電気信号が流れる領域の断面積が広いため、端子接触部211から屈曲部250までの電気抵抗を低くすることができる。よって、端子接触部211において検出された電気信号を屈曲部250まで低抵抗で伝達することが可能となる。即ち、本実施の形態におけるプローブでは、プローブ内において電気的に接続される部分は、筐体部230の低面部235の内側と筐体接続部240との1ヶ所のみであるため、接触抵抗も少なく低抵抗なプローブとなる。
【0065】
尚、筐体接続部240は、先端部210側に設けることが好ましい。筐体部230は、電気信号が流れる領域の断面積が広く、低抵抗で電流を流すことができるため、接触端子部211において検出された電気信号は、できるだけ筐体部230を伝達させた方が、低抵抗で伝達させることができるからである。
【0066】
本実施の形態におけるプローブでは、上面部232と底面部235により形成される筐体部230は平面的であるため、筐体部230を積層する方向に対し、より高密度にプローブを配置することができる。
【0067】
このような、本実施の形態におけるプローブは、メモリテスタ、液晶パネルの検査、基板検査用プローブ等において用いることができ、ポゴピンとも称されるプローブピンの代替として用いることができる。
【0068】
本実施の形態におけるプローブは、第2の実施の形態におけるコネクタと同様のコネクタを形成することが可能である。即ち、本実施の形態におけるプローブ200の筐体部230には接続後部237が設けられており、先端部210とバネ部220との間には、接続前部236が設けられている。これにより、
図27に示すように、第1の絶縁体部260と第2の絶縁体部270とを接合した状態では、プローブ200は、第1の絶縁体部260における内部の面261と接続前部236とが接触し、第2の絶縁体部270における内部の面271と接続後部237とが接触した状態で、プローブ200が第1の絶縁体部260及び第2の絶縁体部270内に固定される。この状態では、プローブ200の先端部210は、プローブ200の長手方向に伸縮可能であり、端子接触部211に接触する電極端子とプローブ200における接触端子部211との接続を確実なものとすることができる。
【0069】
本実施の形態におけるコネクタでは、複数のプローブ200を所定に位置に設置することができ、また、破損等によりプローブ200を交換する必要が生じた場合においても、第1の絶縁体部260と第2の絶縁体部270とを容易に分離することができプローブ200を容易に交換することができる。
【0070】
(プローブの製造方法)
次に、
図28に基づき本実施の形態におけるプローブの製造方法について説明する。
【0071】
最初に、ステップ202(S202)において、本実施の形態におけるプローブを作製するため、所定の形状に金属板を形成する(金属板形成工程)。形成方法は、金属板をプレス加工等により打ち抜き形成する方法、または、金属板上に所定の形状のマスクを形成し、マスクの形成されていない領域をエッチングする方法により形成する。尚、この金属板は、銅又は銅を含む合金により形成されており、厚さは、30μm〜150μmである。尚、本実施の形態では、厚さ60μmの銅板を用いて、プレス加工により所定の形状の金属板を形成する。本実施の形態では、プローブとなる前のこの金属板を本体部と称する。
【0072】
次に、ステップ204(S204)において、本実施の形態におけるプローブを形成するための本体部にメッキ加工を施す(メッキ工程)。このメッキ加工は、Ni、Pd、Au、もしくはNi、Auのメッキを順に行うことにより行われる。
【0073】
次に、ステップ206(S206)において、本実施の形態におけるプローブを形成するための本体部を折曲げる(第2の折曲げ工程)。本体部は、屈曲部250における折曲げ部251において折曲げられる。
【0074】
次に、ステップ208(S208)において、筐体部230となる領域を折曲げる(第3の折曲げ工程)。具体的には、バネ部220を覆うように筐体部230の上面部232となる領域を90°折曲げ、筐体部230の上面部232及び底面部235を同時に形成する。これにより、バネ部220の全体が筐体部230に囲まれた構造となる。このようにして本実施の形態におけるプローブを製造することができる。
【0075】
以上より、本実施の形態におけるプローブは、一枚の金属板を加工することにより製造することができる。従って、スプリング機能を有するプローブにおいて、複数の部品を組み立てる必要がなく、組立工程が不要である。また、製造工程が、金属板のプレス加工等の加工工程と、メッキ工程と、折曲げ工程と、切断工程のみにより製造されるものであるため、簡単な製造装置で製造することができ、また、製造工程も単純であるため、低コストで大量に短時間に製造することができる。従って、極めて低コストで、スプリング機能を有するプローブを製造することができる。
【0076】
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。