特許第5693454号(P5693454)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フェニックス コンタクト ゲーエムベーハー ウント コムパニー カーゲーの特許一覧

特許5693454本質的に安全なモジュール式制御システム
<>
  • 特許5693454-本質的に安全なモジュール式制御システム 図000002
  • 特許5693454-本質的に安全なモジュール式制御システム 図000003
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5693454
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】本質的に安全なモジュール式制御システム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/05 20060101AFI20150312BHJP
【FI】
   G05B19/05 N
   G05B19/05 L
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-524472(P2011-524472)
(86)(22)【出願日】2009年8月28日
(65)【公表番号】特表2012-510093(P2012-510093A)
(43)【公表日】2012年4月26日
(86)【国際出願番号】IB2009006667
(87)【国際公開番号】WO2010023545
(87)【国際公開日】20100304
【審査請求日】2012年4月16日
(31)【優先権主張番号】61/093,239
(32)【優先日】2008年8月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504019733
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト ゲーエムベーハー ウント コムパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100085176
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 伸晃
(74)【代理人】
【識別番号】100104352
【弁理士】
【氏名又は名称】朝日 伸光
(74)【代理人】
【識別番号】100128657
【弁理士】
【氏名又は名称】三山 勝巳
(74)【代理人】
【識別番号】100160967
【弁理士】
【氏名又は名称】▲濱▼口 岳久
(74)【代理人】
【識別番号】100170601
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 孝
(72)【発明者】
【氏名】ヘルフリック,ブレントン,エウゲネ
(72)【発明者】
【氏名】クレイダー,アーロン,リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ヴォット,ブライアン,ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】マシューズ,デイビス
【審査官】 後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】 特表平06−500664(JP,A)
【文献】 特表2004−531790(JP,A)
【文献】 特開2008−077660(JP,A)
【文献】 特開平09−065441(JP,A)
【文献】 特開2005−110271(JP,A)
【文献】 特開2005−151581(JP,A)
【文献】 特開2008−210384(JP,A)
【文献】 特表2007−527073(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0040252(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0013226(US,A1)
【文献】 米国特許第06275881(US,B1)
【文献】 欧州特許出願公開第01885085(EP,A1)
【文献】 特開昭63−013565(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/04−19/05
G05B 9/00− 9/03
G05B 23/00−23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散制御ネットワークのトランク(14)に沿って信号を送受信する制御プロセッサ(12)と、危険エリア(18)内に位置する1つ又は複数のフィールド・デバイス(16a−16c)との間で電力及びデータを送るためのモジュール式相互接続システム(10)であって、該モジュール式相互接続システム(10)は、
バックプレーン(24)と、
該バックプレーン(24)に接続されるトランク・モジュール(22)と、
該バックプレーンに付加される1つ又は複数の第1のフィールド・モジュール(30a−30c)と、
を具備し、
該バックプレーン(24)は、
該バックプレーン(24)に沿ってデータ信号を運ぶデータ線(26、28)
該バックプレーン(24)に沿って電力を運ぶ電力線(26、28)と、
を具備し、
該1つ又は複数の第1のフィールド・モジュール(16a−16c)のそれぞれは、
第1のフィールド・モジュールを該バックプレーン(24)に接続するバックプレーン・インターフェイス(46)と、
第1のフィールド・モジュールにフィールド・デバイスを動作可能なように接続するためのフィールド・デバイス・インターフェイス(48)と、
該バックプレーン・インターフェイス(46)から該フィールド・デバイス・インターフェイス(48)に電力を送り、該バックプレーン・インターフェイス(46)と該フィールド・デバイス・インターフェイス(48)との間でデータを伝送する、該フィールド・デバイス・インターフェイス(48)と該バックプレーン・インターフェイス(46)との間の本質安全接続(52)と、
を具備し、
該トランク・モジュール(22)は、
該トランク・モジュール(22)を該分散制御ネットワークの該トランク(14)に接続するトランク・インターフェイス(36)と、
該トランク・モジュール(22)を該バックプレーン(24)に接続するバックプレーン・インターフェイス(38)と、
トランク・インターフェイス(36)から該バックプレーン(24)に電力を送り、該トランク・インターフェイス(36)と該バックプレーン・データ線との間でデータを伝送する、該トランク・インターフェイス(36)と該バックプレーン・インターフェイス(46)との間の接続(44)と、
を具備し、
該バックプレーン(24)を介して電力が該ネットワークから該フィールド・デバイス(16a−16c)に送られ、該バックプレーン(24)を介してデータ信号が該制御プロセッサ(12)と該フィールド・デバイス(16a−16c)との間で伝送される、
モジュール式相互接続システム。
【請求項2】
請求項1に記載のモジュール式システムにおいて、
該トランク・インターフェイス(36)は、フィールドバス・トランク・インターフェイスであるモジュール式システム。
【請求項3】
請求項1に記載のモジュール式システムにおいて、
該トランク・モジュール(22)、及び該1つ又は複数の第1のフィールド・モジュール(30a−30c)のそれぞれは対向側部を具備し、
該トランク・モジュール(22)及び該1つ又は複数の第1のフィールド・モジュール(30a−30c)は、並んだ配列で構成され、第1の軸(68)に沿って延伸するモジュール式システム。
【請求項4】
請求項1に記載のモジュール式システムにおいて、
該トランク・モジュールのトランク・インターフェイス(36)は、該トランク・モジュール(22)を該トランク(14)に接続するための1組の端子(40)を具備し、
該1つ又は複数の第1のフィールド・モジュール(30a−30c)のそれぞれの該フィールド・デバイス・インターフェイス(48)は、該フィールド・モジュールを該フィールド・デバイスに接続するための1組の端子(50)を具備し、
該1組のトランク・モジュール端子(40)は、該第1の軸(68)に対して垂直な第2の軸に沿って該1組のフィールド・モジュール端子(50)から離されるモジュール式システム。
【請求項5】
請求項1に記載のモジュール式システムにおいて、
該トランク・モジュール(22)、及び該1つ又は複数の第1のフィールド・モジュール(30a−30c)のそれぞれは、共通のレール(34)上にマウントされるモジュール式システム。
【請求項6】
請求項1に記載のモジュール式システムにおいて、
該バックプレーン(24)はT−BUSであるモジュール式システム。
【請求項7】
請求項1に記載のモジュール式システムにおいて、
該バックプレーンのデータ線及び該バックプレーンの電力線は、電力及びデータの両方を伝える共有の2本1組の線(26、28)を含むモジュール式システム。
【請求項8】
請求項1に記載のモジュール式システムにおいて、
追加のモジュール(32)を備え、該追加のモジュール(32)は該追加のモジュール(32)を該バックプレーン(24)に接続するバックプレーン・インターフェイス(62)を具備するモジュール式システム。
【請求項9】
請求項1に記載のモジュール式システムにおいて、
安全エリア(20)内に位置する1つ又は複数の追加のフィールド・デバイス(16d)を接続するための、1つ又は複数の第2のフィールド・モジュール(32)を具備し、
それぞれの該第2のフィールド・モジュール(32)は、
それぞれの第2のフィールド・モジュール(32)を該バックプレーン(24)に接続するバックプレーン・インターフェイス(62)と、
フィールド・デバイス(16d)を該それぞれの第2のフィールド・モジュール(32)に動作可能なように接続するためのフィールド・デバイス・インターフェイス(64)と、
該バックプレーン・インターフェイス(62)から該フィールド・デバイス・インターフェイス(64)に電力を送り、該バックプレーン・インターフェイスと該フィールド・デバイス・インターフェイスとの間でデータを伝送する、該フィールド・デバイス・インターフェイス(64)と該バックプレーン・インターフェイス(62)との間の非本質安全接続(68)と、
を具備するモジュール式システム。
【請求項10】
請求項1に記載のモジュール式システムにおいて、
該1つ又は複数の第1のフィールド・モジュール(16a−16c)のそれぞれは、セグメント・プロテクタを含むモジュール式システム。
【請求項11】
請求項1に記載のモジュール式システムにおいて、
該トランク・モジュール(22)及び該1つ又は複数のフィールド・モジュール(30a−30c)は、
バックプレーン・セグメント(70)と、
該バックプレーン・セグメントを隣接するバックプレーン・セグメントに接続するためのコネクタと、
をそれぞれ含み、
それにより該バックプレーンは、追加のフィールド・モジュールを該システムに追加することにより延伸されるモジュール式システム。
【請求項12】
請求項1に記載のモジュール式システムにおいて、
該1つ又は複数のフィールド・デバイス(16a−16c)のそれぞれの、該フィールド・デバイス・インターフェイス(48)と該バックプレーン・インターフェイス(46)との間の該本質安全接続(52)は、
電力限定回路(56)と、
磁気分離回路と、
光分離回路(58)と、
のうちの少なくとも1つを含むモジュール式システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リアルタイム分散制御のための制御システムに関し、より詳細には、制御システムのメイン・トランクとフィールド・デバイスとの間の本質的に安全なインターフェイスを提供する制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動化された産業システムは、産業プロセスをモニタし、制御し、操作するフィールド・デバイスを有する。このフィールド・デバイスは、フィールド・デバイスに電力を送りかつ制御プロセッサとフィールド・デバイスとの間で(操作コマンドを含むことができる)データ信号を伝送するトランクを介し、制御プロセッサと通信する。このフィールド・デバイスは、分岐(spur)接続またはブランチ接続によりトランクにそれぞれ付加する。このフィールド・デバイスは、産業プラントの全体にわたり分散させることができ、データの伝送レートは、事実上リアルタイムのプロセス制御を可能にする。
【0003】
標準化された電力および通信プロトコルが、分散制御システムのために開発されてきた。例えば、ファウンデーション・フィールドバス(Foundation Fieldbus)プロトコルは、ツイスト2線式トランク・ケーブル上で直流電力および信号を送り、制御プロセッサがいくつかのフィールド・デバイスと通信し、それらのフィールド・デバイスを制御することを可能にする、全デジタル・シリアル双方向通信システムである。他の知られている分散制御システムには、プロフィバス(Profibus)PA制御システムや、イーサネットベースの制御システムが含まれる。
【0004】
フィールド・デバイスは、火災危険を示す、プラントの危険エリア内に位置することができる。危険エリアは、危険の性質に関するクラスによって識別される。可燃性ガスはクラス1エリア内にあり、可燃性粉塵はクラス2エリア内にあり、着火性繊維および綿くずはクラス3エリア内にある。クラス0は、火災危険がない安全エリアである。
【0005】
危険エリアは、火災危険のレベルに関する区分およびゾーンによりさらに識別される。区分1は、火災危険が絶え間なく存在するエリア(ゾーン0)、または火災危険が通常動作中にのみ存在するエリア(ゾーン1)を識別する。区分2は、火災危険が予期されない危険エリア(ゾーン2)を識別するが、危険が生じる場合、その危険は短い期間にわたってしか存在しない。
【0006】
危険エリア内に位置するフィールド・デバイスを有する分散制御システムは、本質的に安全であり得る。本質的に安全な制御システムは、電気故障中に放出されるエネルギーが、危険エリア内で着火を引き起こすには十分でないよう設計される。エネルギーの放出を着火点未満に限定するよう、全制御システムにおける電圧および電流が低減される。
【0007】
本質的に安全な制御システムに関する問題点は、システム内で利用可能な限られた電力が、そのシステム内の、安全エリア内のフィールド・デバイスを含むすべてのフィールド・デバイスを動作させるのに十分でない可能性があることである。
【0008】
危険エリア内のフィールド・デバイスに本質的安全を引き続き提供しながら、すべてのフィールド・デバイスを動作させるのに十分な電力を供給する、他の制御システムの手法が開発されてきた。
【0009】
エンティティ手法(entity approach)では、安全エリアから危険エリアに移行する際、安全バリアが提供される。このバリアは、危険エリアに及ぶ限られた数の分岐を提供し、それらの分岐が利用できる電流の量を限定する。限定された電流は、安全バリアからダウンストリームに付加することができるフィールド・デバイスの数を限定する。多くの産業プラントでは、多数の単独かつ別個の安全バリアを備え、接続するには費用がかかり、多くの貴重な空間を取ってしまう。
【0010】
(フィールドバスのために開発された)FISCO手法では、このシステムは全体として見られる。専門の電源および接続を含む、このシステムのすべての部分が厳格な規制を満たさなければならない。FISCOの解決策は、技術解析も必要とし、そのため、費用がかかりかつ複雑になりがちである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第5,093,642号
【特許文献2】WIPO国際公開第WO2007/010289号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、別個の安全バリアまたは専門の電源もしくは接続なしに、制御システムが、危険エリア内のフィールド・デバイスに本質的安全を引き続き提供しながら、すべてのフィールド・デバイスを動作させるのに十分な電力を供給することを可能にする、システムを制御するための改善された相互接続性手法に対する需要がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、別個の安全バリアまたは専門の電源もしくは接続なしに、制御システムが、危険エリア内のフィールド・デバイスに本質的安全を引き続き提供しながら、すべてのフィールド・デバイスを動作させるのに十分な電力を供給することを可能にする、システムを制御するための改善された相互接続性手法を実施する。
【0014】
本発明は、分散制御ネットワークのトランクに沿って信号を送受信する制御プロセッサと、危険エリア内に位置する1つまたは複数のフィールド・デバイスとの間で電力およびデータを送るためのモジュール式相互接続システムである。この相互接続システムは、バックプレーンを定義するローカル・バスと、そのバックプレーンに接続されるトランク・モジュールと、そのバックプレーンに付加される1つまたは複数のフィールド・モジュールとを含む。
【0015】
このバックプレーンは、電力線およびデータ線を保持する。ファウンデーション・フィールドバス互換の相互接続システムでは、このバックプレーンは電力およびデータの両方を運ぶ2本の導線を含む。1つまたは複数のフィールド・モジュールのそれぞれは、フィールド・モジュールをバックプレーンに接続するバックプレーン・インターフェイスと、そのフィールド・モジュールにフィールド・デバイスを動作可能に接続するためのフィールド・デバイス・インターフェイスと、バックプレーン・インターフェイスとフィールド・デバイス・インターフェイスとの間で電力およびデータを送る、フィールド・デバイス・インターフェイスとバックプレーン・インターフェイスとの間の本質安全接続とを含む。
【0016】
トランク・モジュールは、結合モジュールを分散制御ネットワークのトランクに接続するトランク・インターフェイスと、結合モジュールをバックプレーンに接続するバックプレーン・インターフェイスと、ネットワーク・インターフェイスからバックプレーンに電力を送り、ネットワーク・インターフェイスとバックプレーンとの間でデータを伝送する、トランク・インターフェイスとバックプレーン・インターフェイスとの間の接続とを含み、それにより、バックプレーンを介して電力がネットワークからフィールド・デバイスに送られ、バックプレーンを介してデータ信号が制御プロセッサとフィールド・デバイスとの間で伝送される。
【0017】
本発明の好ましい実施形態では、このバックプレーンはセグメント化されたバックプレーンである。システムに追加のフィールド・モジュールを追加するとき、このバックプレーンは必要に応じて延伸する。
【0018】
バックプレーンを使用することは、いくつかの利点をもたらす。別個の安全バリアを追加する必要なく、かつ追加の技術解析の必要なく、フィールド・モジュールを容易に追加することができる。危険エリアの様々なクラスまたは区分内に位置するフィールド・デバイス用のバックプレーンに、様々な種類の分離回路を使用するフィールド・モジュールを付加することができる。トランク線は、バックプレーンに接続されるモジュールに完全な電力を提供することができ、そのため、安全エリア内のフィールド・デバイスに完全な電力を送るために、本質的安全なしに追加のモジュールを加えることができる。追加の種類のデバイスは、バックプレーンに接続し、この制御システムと対話することができる。
【0019】
本発明の他の目的および特徴が、説明が進むにつれ、特に本発明の一実施形態を示す2枚の添付図面と併せて解釈するときに明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】トランクにより制御プロセッサに接続される、本発明によるモジュール式制御システムを示す図である。
図2】バックプレーン・セグメント、およびそのバックプレーン・セグメントに付加することができるモジュール部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、トランク14に沿って信号を送受信する制御プロセッサ12と、フィールド・デバイス16a、16b、16c、および16dとの間で電力およびデータを送るためのモジュール式制御システム10を示す。それぞれのフィールド・デバイス16a〜cは、危険エリア18内に位置する。フィールド・デバイス16dは、安全エリア20内に位置する。図示する制御システム10は、フィールドバス・システムである。
【0022】
制御プロセッサ12から制御システム10に直接延伸するようにトランク14を図示するが、他のデバイス結合器(不図示)または制御システム10と同様の他の制御システムが、制御システム10からダウンストリームにあってよく、または制御プロセッサ12と制御システム10との間のトランク14に沿ってあってよい。他のネットワーク・トポロジを使用することもできる。
【0023】
制御システム10は、トランク14とフィールド・デバイス16との間に接続され、トランク14からフィールド・デバイス16に電力を送り、かつトランク14とフィールド・デバイス16との間でデータ信号を伝送する。フィールド・デバイス16は、当技術分野でよく知られているように、プロセス・コントローラ、測定デバイス等とすることができる。
【0024】
制御システム10は、システム10をトランク14に接続するトランク・モジュール22を含む。トランク・モジュール22は、ローカル・バスまたはバックプレーン24に接続される。図示するバックプレーン24は、バックプレーン24に沿ってトランク・モジュール22から直流電力を伝え、バックプレーン24に沿ってトランク・モジュール22に/トランク・モジュール22から交流データ信号をいずれも伝えるために、2本の線「+」線26および「−」線28をそれぞれ使用するフィールドバス互換である。バックプレーン24は、シールド線29も含む。
【0025】
このバックプレーン24には、いくつかのフィールド・モジュール30a、30b、および30cが付加される。それぞれのフィールド・モジュール30は、危険エリア18内に位置するそれぞれのフィールド・デバイス16への本質安全接続を形成する。バックプレーン24には、安全ゾーン20内に位置するフィールド・デバイス16dへの非本質安全接続を形成する、追加のフィールド・モジュール32も付加される。
【0026】
図示するモジュール22、30、および32は、好ましくは制御キャビネットまたは他の筐体の中にある、細長い支持体またはレール34の上に着脱可能にマウントされる。明瞭にするために、図1ではトランク・モジュール22およびフィールド・モジュール30、32を離して図示するが、これらのモジュールは、キャビネット内の空間を節約するために好ましくは互いにすぐ接して並んで配置されることを理解すべきである。
【0027】
トランク・モジュール22は、トランク・モジュール22をトランク14に接続するトランク・インターフェイス36と、トランク・モジュール22をバックプレーン24に接続するバックプレーン・インターフェイス38とを含む。図示するトランク・インターフェイス36は、フィールドバス・トランク14のそれぞれの線42a、42bに接続される、1組のまたは1対の端子40を含む。インターフェイス36、38間の接続44は、トランク・インターフェイス36を介してトランク14からバックプレーン線26、28に電力を送り、トランク・インターフェイス36およびバックプレーン線26、28を介してトランク14に/トランク14からデータを伝送する。
【0028】
それぞれのフィールド・モジュール30は、フィールド・モジュール30をバックプレーン24に接続するローカル・バス・インターフェイス46と、フィールド・デバイスをフィールド・モジュール30に接続するフィールド・デバイス・インターフェイス48とを含む。図示するフィールド・デバイス・インターフェイス48は、データおよび電力を送るためにフィールド・デバイスへと延伸するそれぞれの線に接続される、1組のまたは1対の端子50を含む。図示するフィールド・モジュール30は、「単一分岐」デバイスであり、つまり、それぞれのフィールド・モジュール30は単一のフィールド・デバイスに接続することが意図される。以下により詳細に説明するように、インターフェイス46、48間の接続52は、2つのインターフェイス46、48間の本質安全接続を提供する。この本質安全接続52は、危険エリア内のフィールド・デバイスが使用するためのトランク14から、接続済みのフィールド・デバイスを効果的に切り離す。
【0029】
図示するフィールド・モジュール30a、30b、および30cのそれぞれは、異なる種類の本質安全接続52を含む。
【0030】
フィールド・デバイス30aは、ヒューズ54を含む、エネルギー限定(energy−limiting)接続52を有する。
【0031】
フィールド・デバイス30bは、結合インダクタンス56(変圧器などの受動部品)、またはオプションで結合インダクタンスを模擬する能動回路の等価物を使用し、バックプレーンおよびデバイス・インターフェイス46、48を磁気的に結合する磁気分離接続52を有する。この目的に適合させることができるそのような能動回路の一例が、参照により本明細書に完全に記載されているかのように組み込まれる、Mittel氏の米国特許第5,093,642号「Solid State Mutually Coupled Inductor」の中で開示されている。
【0032】
フィールド・デバイス30cは、光アイソレータ58を組み込む、光分離接続52を有する。所望の場合、光学的に分離されたフィールド・デバイス30cのデバイス・インターフェイスは、データ信号を伝送するためにこのフィールド・デバイスへと延伸する光ファイバ・ケーブルに接続するよう構成することができる。デバイスのインターフェイス48からフィールド・デバイスへと延伸する単独の電力リード線を設けることができ、またはこのフィールド・デバイスには、バックプレーン24を介してではなく、独立に電力を供給することができる。
【0033】
追加のフィールド・モジュール32は、バックプレーン24を安全エリア内に位置するフィールド・デバイスに接続する。このフィールド・モジュール32は、フィールド・モジュール32をバックプレーン24に接続するバックプレーン・インターフェイス62と、フィールド・デバイスをフィールド・モジュール30に接続するフィールド・デバイス・インターフェイス64とを含む。図示するフィールド・デバイス・インターフェイス64は、データおよび電力を送るためにフィールド・デバイスへと延伸するそれぞれの線に接続される、1組のまたは1対の端子66を含む。好ましくは、インターフェイス62、64間にセグメント・プロテクタ68が配置される。この目的に適合させることができるモジュール式セグメント・プロテクタの一例が、Kitchener氏のWIPO国際公開第WO2007/010289号「Modular Fieldbus Segment Protector」の中で開示されている。
【0034】
所望の場合、セグメント・プロテクタは、エネルギー限定モジュールに提供することもできる。
【0035】
図示するフィールド・モジュール32は、「単一分岐」デバイスであり、つまり、フィールド・モジュール32は単一のフィールド・デバイスに接続する。あるいは、このフィールド・モジュール32は、2つ、3つ、4つ、またはことによるとさらに多くのフィールド・デバイスに接続することができる、「複数分岐」デバイスとすることができる。それぞれのデバイスは、自らのそれぞれのセグメント・プロテクタで保護されるべきである。
【0036】
トランク14をより多くのまたはより少ないフィールド・デバイス16に接続するために、ローカル・バス24に接続される本質安全フィールド・モジュール30および非本質安全フィールド・モジュール32の数は、図1に示す数と異なってよいことを理解すべきである。
【0037】
制御システム10の利点は、本質安全フィールド・モジュール30および非本質安全フィールド・モジュール32の両方を、バックプレーン24に同時にかつ必要に応じて様々な数で付加できることである。バックプレーン24に沿って通信し、またはトランク・モジュール22を介してトランク14と通信するために、バックプレーンにマウント可能なフィールド・デバイス(不図示)など、他の種類のモジュールをバックプレーン24に追加することができる。
【0038】
トランク・モジュール22、本質安全フィールド・モジュール30、および非本質安全フィールド・モジュール32は、本質安全フィールド・モジュール30のフィールド・デバイス・インターフェイス48と、トランク・モジュール22のトランク・インターフェイスまたは非本質安全フィールド・モジュール32のフィールド・デバイス・インターフェイス64のいずれか一方との間の電圧クリープ(voltage creep)に起因する火花発生に耐え、火花発生を防止するよう好ましくは設計される。
【0039】
図1に見られるように、トランク・モジュール22およびフィールド・モジュール30、32は並んだ配置で構成され、レール34によって定義される水平軸68に沿って延伸する。トランク・モジュール22の1組の端子40および非本質安全フィールド・モジュール32の端子66のそれぞれの組は、トランク・モジュール22またはフィールド・モジュール32の上端に位置する。本質安全フィールド・モジュール30の1組の端子50は、フィールド・モジュール32の下端に位置する。したがって、たとえ本質安全モジュール30が2つの非本質安全フィールド・モジュール32の間に挟まれても、またはモジュール30がトランク・モジュール22と非本質安全フィールド・モジュール32との間に挟まれても、本質安全端子50は非本質安全端子40および66から離される。
【0040】
バックプレーン24は、細長いプリント回路基板とすることができ、またはレール34に沿って延伸する導線として形成することができる。
【0041】
好ましい実施形態では、バックプレーン24が、分離可能なバス・セグメント70として形成される。バックプレーン・セグメント70、およびそのバックプレーン・セグメント70に付加することができるモジュール22、30、または32のハウジング部分71の一部を示す、図2を参照されたい。バックプレーン・セグメント70は、レール34に嵌め込むことができる。それぞれのバックプレーン・セグメント70は、所定長のバックプレーン・バス24、およびトランク・モジュール22またはフィールド・モジュール30、32をバックプレーン・セグメントに付加するためのバックプレーン・インターフェイスの一部を形成するコネクタ72を含む。バックプレーン・バス接続74および76は、バックプレーン・セグメント70の片側および下部に位置する。バックプレーン・セグメント70は、レール34に嵌め込められ、隣接するバス・コネクタを接続するために一緒に押し込めらされ、付加されるセグメント70の長さにわたるバックプレーン24を形成する。バックプレーン・セグメントに付加されるフィールド・モジュール30、32のハウジング部分71を取り除くことは、バックプレーン24および残りのモジュールがそのままかつ動作可能な状態で、隣接するセグメントに相互接続するセグメント70をレール34の上に取り残したままにしておく。
【0042】
レール34にバックプレーン・セグメント70を嵌め込み、その追加したセグメントを他のバックプレーン・セグメントに押し付け、その追加したバックプレーン・セグメントにモジュールのハウジング71を付加することにより、新たなモジュールをシステム10に追加することができる。そのハウジング部分71は、バックプレーン・インターフェイスの接合部分、およびモジュールの残りのコンポーネントを含む。
【0043】
本発明での使用に適合させることができる市販のセグメント化されたバックプレーン70は、本発明の譲受人であるPhoenix Contactによって製造されるT−BUS(商標)モジュール式レール・バスである。
【0044】
我々の発明の好ましい実施形態を図示し説明してきたが、この実施形態は修正することができ、したがって、我々は記載した厳密な詳細に限定されることは望まず、特許請求の範囲に記載の範囲に含まれるものとしてそうした変更および改変を利用することを望むことが理解されよう。
図1
図2