【実施例】
【0023】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0024】
本実施例のドーリー台車は、
図1に示すように、方形枠状の台車本体1の底部四隅に車輪部8を設けている。
【0025】
また、台車本体1は、左右に対向配置した一対の側部フレーム10の両端部間に、この側部フレーム10より長さが短い第二フレーム13を架設状態に連結固定して構成した長方形枠状体とし、更にこの台車本体1の前後の第二フレーム13の長さ方向の中央部間に、載置用桟板16を架設固定した構成としている。図中符号17は側部フレーム10と第二フレーム13の連結部に被嵌固定してこの連結部を補強するコーナー部材、18はコーナー部材17を側部フレーム10の垂直板部11と第二フレーム13の垂直板部14に固定するためのリベットである。
【0026】
また、側部フレーム10と第二フレーム13とは、断面略L字状の金属製長尺部材で構成し、本実施例では、この側部フレーム10の垂直板部11と第二フレーム13の垂直板部14とが外側に位置するようにして側部フレーム10と第二フレーム13とを連結し前記台車本体1を構成することにより、この台車本体1の外周縁部に存する前記各垂直板部11・14が、台車本体1上に載置した載置物Sの滑り落下を防止するように構成している。
【0027】
また、図面では、第二フレーム13の水平板部15の上面に、側部フレーム10の水平板部12の下面を重合載置するようにして側部フレーム10(の水平板部12)と第二フレーム13(の水平板部15)とを連結固定した構成とし、前記載置用桟板16は、その両端部の下面を第二フレーム13の水平板部15の上面に重合載置するようにしてリベット22止めした構成としている。
【0028】
また、本実施例の台車本体1は、前記前後の第二フレーム13に、載置物Sの荷崩れを防止するためのベルト31やロープなどを掛止可能な掛止部19を設けている(
図2参照。)。
【0029】
この掛止部19について具体的に説明すると、
図8に示すように帯板状の取付板24に掛棒26が沿設状態に突設された構成としている。
【0030】
また、この掛止部19の第二フレーム13への固定構造は、前記取付板24に設けた取付孔25と、前記第二フレーム13の水平板部15に設けた貫通孔23とにボルト27(六角ボルト27)を挿通してナット28(六角ナット28)で締付固定した構成としている。図中符号29は座金である。
【0031】
また、この掛止部19は、ボルト27・ナット28の締付固定を解除することで第二フレーム13から取り外し可能な構成とし、この掛止部19にはベルト31などを介して載置物Sの大きな荷重が加わり易いが、仮にこの掛止部19が破損してもこの掛止部19だけを簡易に部品交換できるようにしている。
【0032】
本実施例は、前記台車本体1を構成する各側部フレーム10の下面に、車輪固定用ボルト2としての六角ボルト2のボルト頭部3若しくはこの車輪固定用ボルト2が螺着可能な車輪固定用ナット5としての六角ナット5を回り止め状態にして脱落防止状態に収容可能な収容溝6を設け、この収容溝6は、台車本体1の下側が開口する溝形状に形成して、この収容溝6に前記車輪固定用ボルト2のボルト頭部3を収容することにより車輪固定用ボルト2のボルト杆部4が収容溝6の下側開口部7から突出するか、若しくはこの収容溝6に前記車輪固定用ナット5を収容することによりこの車輪固定用ナット5に収容溝6の下側開口部7から車輪固定用ボルト2のボルト杆部4を螺着し得るように構成し、この収容溝6から突出する前記車輪固定用ボルト2のボルト杆部4を利用して前記台車本体1の下部に前記車輪部8を固定するか、若しくは収容溝6に収容した車輪固定用ナット5に螺着する車輪固定用ボルト2を利用して前記台車本体1の下部に前記車輪部8を固定する構成としている。
【0033】
具体的には、前記収容溝6は、前記車輪固定用ボルト2のボルト頭部3若しくは前記車輪固定用ナット5の外径寸法と略合致する溝幅を有すると共に、前記下側開口部7の開口幅が前記ボルト頭部3若しくは前記車輪固定用ナット5の外径寸法より幅狭となる溝形状に形成することにより、この収容溝6に前記ボルト頭部3若しくは前記車輪固定用ナット5を回り止め状態にして下方へ脱落防止状態で収容し得るように構成している。尚、本発明で言うボルト頭部3若しくは車輪固定用ナット5の外径寸法とは、六角形の対角距離寸法ではなく、対辺距離(所謂二面幅)寸法を意味している。
【0034】
また、この収容溝6の下側開口部7は、その開口幅が車輪固定用ボルト2のボルト杆部4の外径寸法よりやや幅広となる形状に形成することにより、この下側開口部7に前記ボルト杆部4を挿通し得るように構成している。
【0035】
即ち、本実施例の収容溝6は、
図3,
図5,
図7に示すようなアリ溝形(内広溝形)に形成したもので、例えば側部フレーム10を押し出し成形することによってこの収容溝6を側部フレーム10に一体成形している。
【0036】
また、この収容溝6は、一対の前記側部フレーム10の夫々の下面に、この側部フレーム10の長さ方向に沿って且つ側部フレーム10の一端から他端に至る長さのものを二条形成し、一つの前記車輪部8をこの二条の収容溝6と、複数(図面では四個)の車輪固定用ボルト2と車輪固定用ナット5を用いて固定する構成としている。
【0037】
また、この一対の側部フレーム10下面の夫々の両端部に前記車輪部8を固定することで、台車本体1の底部四隅に車輪部8を固定した構成としている。
【0038】
また、車輪部8は、前記側部フレーム10の下面に面接当接する方形状のベース板20を具備し、このベース板20の四隅に形成した取付穴21に四本の車輪固定用ボルト2を挿通してこのベース板20を側部フレーム10の両端部の下面と、この側部フレーム10の両端部の下方に重合している前記第二フレーム13の水平板部15の下面に締付固定し得る構成としている。
【0039】
また、前記二条の収容溝6は、このベース板20の隅部の取付穴21の隣接間隔に略合致する間隔を介在するようにして形成し、前記車輪部8の固定位置において前記各取付穴21に対応する収容溝6位置(四箇所)を、車輪部8固定時に車輪固定用ボルト2若しくは車輪固定用ナット5が位置する車輪固定時収容位置Pとしている(
図4,
図5参照。)。
【0040】
また、本実施例では、収容溝6に車輪固定用ボルト2のボルト頭部3を収容し、車輪固定時収容位置Pの下側開口部7から垂下突出する車輪固定用ボルト2のボルト杆部4を、車輪部8のベース板20の取付穴21に挿通した上でこのボルト杆部4の先端部に車輪固定用ナット5を螺着し、この車輪固定用ナット5を締付することによりベース板20を側部フレーム10の(水平板部12の)下面と第二フレーム13の(水平板部15の)下面とに締付固定して車輪部8を台車本体1の底部四隅に垂設状態に設けた構造としている。図中符号30は側部フレーム10の下面と第二フレーム13の下面との段差によってベース板20と側部フレーム10の下面との間に生じる隙間を解消するためのスペーサーである。尚、車輪固定用ナット5を収容溝6に収容してこの収容されている車輪固定用ナット5に螺着した車輪固定用ボルト2で車輪部8を締付固定するようにしても良い。
【0041】
本実施例は、前記収容溝6に、前記車輪固定用ボルト2のボルト頭部3若しくは前記車輪固定用ナット5をこの収容溝6より出し入れ可能な出入許容部9を設けると共に、この出入許容部9は、前記車輪部8固定時に車輪固定用ボルト2のボルト頭部3若しくは前記車輪固定用ナット5が位置している収容溝6の前記車輪固定時収容位置Pから離れた位置に設けている。
【0042】
具体的には、
図4,
図6に示すように、前記各側部フレーム10の長さ方向の中央側に存する収容溝6の前記車輪固定時収容位置Pから、更に側部フレーム10の中央側にボルト頭部3及び車輪固定用ナット5の外径寸法の1.5倍ほどの間隔を置いた位置の収容溝6を、この収容溝6の溝長さ方向と直交する外方に向けて切欠して、各側部フレーム10の側面部も、この側面部と前記下側開口部7との間に存する側部フレーム10の下面も開口する幅広開口部9を形成すると共に、この幅広開口部9は、前記車輪固定用ボルト2のボルト頭部3若しくは前記車輪固定用ナット5の外径寸法より幅広な開口形状に形成して、この幅広開口部9を前記ボルト頭部3若しくは前記車輪固定用ナット5が出入り可能な前記出入許容部9としている。
【0043】
更に詳しくは、台車本体1の内側に存する収容溝6には、この台車本体1内側面となる側部フレーム10の内側面部が開口する前記幅広開口部9を形成し、台車本体1の外側に存する収容溝6には、この台車本体1外側面となる側部フレーム10の外側面部が開口する前記幅広開口部9を形成している。
【0044】
従って、本実施例の出入許容部9は、台車本体1の下方からも側方からも前記車輪固定用ボルト2のボルト頭部3若しくは前記車輪固定用ナット5を出し入れ可能な構成としている。
【0045】
従って、例えば、車輪固定用ボルト2若しくはこの車輪固定用ボルト2が螺着する車輪固定用ナット5が損傷するなどして交換が必要となった場合には、
図5に示すように車輪固定用ボルト2と車輪固定用ナット5の締付を緩めて車輪部8を取り外した後、
図6,
図7に示すように前記車輪固定時収容位置Pから前記ボルト頭部3若しくは前記車輪固定用ナット5を収容溝6に沿って前記出入許容部9にスライド移動させることにより出入許容部9を介して前記ボルト頭部3若しくは前記車輪固定用ナット5を取り出でき、且つ前記出入許容部9から前記収容溝6に収容した前記ボルト頭部3若しくは前記車輪固定用ナット5を収容溝6に沿って前記車輪固定時収容位置Pにスライド移動して再び車輪部8を固定できるように構成している。
【0046】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。