(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ヒートポンプサイクルにおいて除霜する際に前記冷媒の熱量で除霜できるか否かを運転中の前記通常除霜の累積回数に基づいて決定する、請求項1に記載のヒートポンプ式給湯暖房機。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態1に係るヒートポンプ式給湯暖房機について説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
【0016】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るヒートポンプ式給湯暖房機の構成を示す系統図である。
図1に示すように、本発明の実施形態1に係るヒートポンプ式給湯暖房機100は、冷媒を循環させるヒートポンプサイクル110と、液体を暖房装置に循環させるための暖房回路と、加熱された水を貯湯または給湯するための給湯回路とを備えている。
【0017】
ヒートポンプサイクル110を循環する冷媒としては、R410AなどのHFC冷媒、または、CO
2などの自然冷媒などを用いることができる。暖房回路を循環する液体としては、水または不凍液などを用いることができる。
【0018】
ヒートポンプサイクル110は、冷媒を圧縮する圧縮機113と、圧縮機113から流出した冷媒と液体および水との間で熱交換させて液体および水を加熱する給湯暖房用熱交換器114と、給湯暖房用熱交換器114から流出した冷媒を膨張させる膨張弁116と、膨張弁116を通過して膨張した冷媒と外気との間で熱交換させて冷媒を加熱する室外熱交換器111とを備えている。
【0019】
圧縮機113と給湯暖房用熱交換器114と膨張弁116と室外熱交換器111とは、冷媒配管117により接続されている。冷媒配管117には、冷媒が膨張弁116を迂回するためのバイパス配管118が接続されている。バイパス配管118には、バイパス配管118を開閉する電磁弁115が設けられている。
【0020】
室外熱交換器111には、外気を室外熱交換器111に送風するためのファン112が対向するように配置されている。
【0021】
暖房回路は、給湯暖房用熱交換器114において冷媒との熱交換によって加熱された液体をさらに加熱する加熱機130と、加熱された液体を床下で通流させることにより床を加熱する床暖房装置140と、給湯暖房用熱交換器114および床暖房装置140の間に液体を循環させる循環ポンプ144と、給湯暖房用熱交換器114とを備えている。
【0022】
本実施形態においては、加熱機130としてガス加熱機を用いているが、加熱機130はこれに限られず、たとえば電気加熱機でもよい。また、暖房装置として床暖房装置140を用いているが、暖房装置はこれに限られず、たとえば、窓または壁などを加熱する暖房装置でもよい。さらに、暖房装置は、冷媒に替えて液体を利用した空気調和機であってもよい。
【0023】
給湯暖房用熱交換器114と加熱機130と床暖房装置140と循環ポンプ144と給湯暖房用熱交換器114とは、液体配管143により接続されている。液体配管143において床暖房装置140の入り口の上流側に、床暖房装置140への液体の流入時間を調節する熱動弁141が設けられている。また、液体配管143には、液体が床暖房装置140を迂回するためのバイパス配管145が接続されている。バイパス配管145には、バイパス配管145を開閉する調整弁142が設けられている。
【0024】
給湯回路は、給湯暖房用熱交換器114において冷媒との熱交換によって加熱された水を貯湯する貯湯タンク120と、貯湯タンク120の下部から給湯暖房用熱交換器114を経て貯湯タンク120の上部に水を循環させる循環ポンプ121と、給湯暖房用熱交換器114において冷媒との熱交換によって加熱された水をさらに加熱する加熱機130と、給湯暖房用熱交換器114とを備えている。
【0025】
貯湯タンク120と循環ポンプ121と給湯暖房用熱交換器114とは、水配管123により接続されている。水配管123において貯湯タンク120の下方の位置に排水弁122が設けられている。貯湯タンク120の下部には、給水配管125が接続されている。給水配管125には、減圧弁124が設けられている。
【0026】
貯湯タンク120の上部と加熱機130とは、給湯配管132により接続されている。給湯配管132において貯湯タンク120の上方の位置に逃し弁131が設けられている。
【0027】
給湯暖房用熱交換器114においては、冷媒配管117を間に挟むように液体配管143と水配管123とが冷媒配管117を介して間接的に接触している。具体的には、冷媒配管117の上下または左右に液体配管143と水配管123とが配置されている。
【0028】
給湯暖房用熱交換器114において、冷媒配管117と液体配管143、液体配管143と水配管123、水配管123と冷媒配管117の各々は、ろう付によって熱的に結合されている。ろう材としては、銀ろう、銅ろう、黄銅ろう、または、りん銅ろうなどを用いることができる。また、ろう付に限られず、たとえば、溶接、半田付または熱伝導性の高い接着剤などを用いて上記の配管同士を熱的に結合させてもよい。
【0029】
以下、ヒートポンプ式給湯暖房機100の給湯運転中における動作について説明する。給湯運転中のヒートポンプサイクル110では、冷媒が、圧縮機113、給湯暖房用熱交換器114、膨張弁116および室外熱交換器111をこの順に循環する。
【0030】
給湯運転中の給湯回路では、水が、貯湯タンク120の下部、循環ポンプ121、給湯暖房用熱交換器114および貯湯タンク120の上部をこの順に循環する。このように、貯湯タンク120内において下部に位置する比較的温度の低い水を加熱して貯湯タンク120の上部に戻すことにより、貯湯タンク120内の水の温度を所定の温度以上に維持することができる。
【0031】
さらに、貯湯タンク120の上部から、貯湯タンク120内に貯湯されている水が加熱機130を経由して給湯される。このとき、加熱機130に到達した水の温度が所定の給湯温度より低い場合は加熱機130により水が加熱される。加熱機130に到達した水の温度が所定の給湯温度以上である場合は、加熱機130は作動せず水を加熱しない。
【0032】
次に、ヒートポンプ式給湯暖房機100の暖房運転中における動作について説明する。暖房運転中のヒートポンプサイクル110では、冷媒が、圧縮機113、給湯暖房用熱交換器114、膨張弁116および室外熱交換器111をこの順に循環する。
【0033】
暖房運転中の暖房回路では、液体が、給湯暖房用熱交換器114、加熱機130、床暖房装置140および循環ポンプ144をこの順に循環する。
【0034】
このとき、床暖房に必要な熱量より多くの熱量を液体が有している場合は、熱動弁141の開閉時間を調節することにより床暖房装置140の出力を調整する。熱動弁141は、床暖房の各負荷毎に設けられており、床暖房装置140の出力調整を行なっている。
【0035】
なお、後述するようにヒートポンプサイクル110がハイブリッド除霜に入る場合には、調整弁142を開いてヒートポンプサイクル110側に暖房回路における液体の熱量を供給する。よって、液体の熱量の分配に応じて、熱動弁141および調整弁142の開閉が調節される。
【0036】
熱動弁141および調整弁142は、開状態と閉状態との2段階だけでなく、より細かく流量が調整可能な弁であることが好ましい。この場合、熱動弁141が開方向へ動作時に調整弁142を閉方向に動作させることにより、床暖房装置140へ流れる液体流量を増加させ、熱動弁141が閉方向へ動作時に調整弁142を開方向に動作させることにより、床暖房装置140へ流れる液体流量を減少させることができる。この構成により、床暖房装置140の温度制御を高精度に行なうことができる。
【0037】
このように床暖房に必要な熱量より多くの熱量を液体が有している場合は、加熱機130は作動せず液体を加熱しない。一方、床暖房に必要な熱量より少ない熱量を液体が有している場合は、加熱機130により液体が加熱される。すなわち、加熱機130は、床暖房装置140の出力に対応した出力で運転稼動される。
【0038】
次に、ヒートポンプ式給湯暖房機100の除霜運転中における動作について説明する。除霜運転中のヒートポンプサイクル110では、冷媒が、圧縮機113、給湯暖房用熱交換器114、電磁弁115および膨張弁116、ならびに、室外熱交換器111をこの順に循環する。
【0039】
冷媒が電磁弁115を主に通過するため、冷媒が膨張弁116のみを通過した場合に比べて高温の冷媒が室外熱交換器111に通流する。その比較的高温の冷媒により室外熱交換器111の除霜が行なわれる。このヒートポンプサイクル110における冷媒の循環のみで室外熱交換器111の除霜を行なう運転動作を通常除霜と称する。
【0040】
上述のとおり、除霜能力は、ヒートポンプサイクル110を循環する冷媒が有している熱量に依存する。冷媒が室外熱交換器111において得られる熱量は、外気温に依存する。
【0041】
たとえば2℃以下の外気温が低い場合、冷媒の熱量が減少することにより通常除霜における除霜能力が低下して、通常除霜では室外熱交換器111を十分に除霜できなくなる。このような場合に、ヒートポンプ式給湯暖房機100は、暖房回路において液体を循環させて給湯暖房用熱交換器114により冷媒の熱量を補充しつつ冷媒を室外熱交換器111に通流させて除霜する。この暖房回路における液体の循環およびヒートポンプサイクル110における冷媒の循環の両方を用いて除霜を行なう運転動作をハイブリッド除霜と称する。
【0042】
ハイブリッド除霜運転中の暖房回路では、液体が、給湯暖房用熱交換器114、加熱機130および循環ポンプ144をこの順に循環する。液体は加熱機130により加熱されて高温の状態で給湯暖房用熱交換器114に流入する。
【0043】
なお、ハイブリッド除霜運転中に給湯運転および暖房運転の少なくともいずれかが行なわれている場合は、除霜運転、給湯運転および暖房運転に必要な熱量を供給するために加熱機130によって液体がさらに高温まで加熱される。
【0044】
たとえば、暖房運転とハイブリッド除霜運転とが同時に行なわれる場合、熱動弁141および調整弁142の各々の開度が調整されて液体が分配される。熱動弁141および調整弁142のそれぞれを通流する液体が要求される熱量を有するように、加熱機130によって液体が加熱される。
【0045】
なお、ヒートポンプ式給湯暖房機100が複数の床暖房装置140を含む場合、各床暖房装置140に熱動弁141が設けられる。この場合、動作中の床暖房装置140に設けられた複数の熱動弁141および調整弁142の各々の開度が調整されて液体が分配され、複数の熱動弁141および調整弁142のそれぞれを通流する液体が要求される熱量を有するように、加熱機130によって液体が加熱される。
【0046】
給湯暖房用熱交換器114において液体と冷媒とが熱交換することにより、冷媒が加熱される。加熱されて熱量を補充された冷媒が電磁弁115を通過して室外熱交換器111に通流することにより、室外熱交換器111の除霜を確実に行なうことができる。
【0047】
すなわち、ヒートポンプ式給湯暖房機100は、ヒートポンプサイクル110において室外熱交換器111を除霜する際に、冷媒の熱量で除霜できる場合は冷媒を室外熱交換器111に通流させて通常除霜し、冷媒の熱量では除霜できない場合は加熱機130により液体を加熱して給湯暖房用熱交換器にて冷媒の熱量を補充しつつ冷媒を室外熱交換器111に通流させてハイブリッド除霜する。
【0048】
このようにして、外気温が低くて通常除霜では十分に室外熱交換器111の除霜を行なえない場合でも、ハイブリッド除霜により確実に室外熱交換器111の除霜を行なえる。その結果、ヒートポンプ式給湯暖房機100の運転を安定して継続させることができる。
【0049】
以下、ヒートポンプ式給湯暖房機100において、通常除霜およびハイブリッド除霜のいずれを行なうかを決定する流れについて説明する。
【0050】
図2は、本実施形態に係るヒートポンプ式給湯暖房機において通常除霜またはハイブリッド除霜の開始までの流れを示すフローチャートである。
【0051】
なお、本実施形態に係るヒートポンプ式給湯暖房機100は、外気温および室外熱交換器111における温度の少なくともいずれかを測定する図示しない温度測定器をさらに備えている。また、ヒートポンプ式給湯暖房機100は、温度測定器から測定結果の信号を受信し、ヒートポンプ式給湯暖房機100の各構成を制御する図示しない制御部を備えている。
【0052】
ヒートポンプ式給湯暖房機100において、給湯運転および暖房運転の少なくともいずれかが行なわれてヒートポンプサイクル110の作動が継続すると、室外熱交換器111における温度が徐々に低下する。
【0053】
そこで、制御部は、温度測定器が測定した外気温および室外熱交換器111における温度の少なくともいずれかが所定の温度域に達した場合に除霜の準備をするために、ヒートポンプ式給湯暖房機100の各構成を作動させる。上記の所定の温度域を除霜準備域と称する。具体的には、除霜準備域に入った段階で制御部は加熱機130を作動させて加熱した所定量の液体を準備させる。
【0054】
本実施形態においては、室外熱交換器111における温度が−2℃より高く0℃より低い範囲を除霜準備域とし、室外熱交換器111における温度が−2℃以下になると除霜を開始するように設定されている。ただし、上記の除霜準備域および除霜開始条件は一例であって、様々なファクターで設定することができる。
【0055】
図2に示すように、ヒートポンプ式給湯暖房機100の運転が開始されると(S100)、制御部は、ヒートポンプ式給湯暖房機100において給湯運転が行なわれているか確認する(S110)。
【0056】
ヒートポンプ式給湯暖房機100において給湯運転が行なわれて室外熱交換器111における温度が−2℃以下になっている場合、制御部は、温度測定器から受信した外気温の測定結果が2℃以下か確認する(S120)。外気温が2℃以下である場合、制御部は、通常除霜では十分に除霜することができないと判断してハイブリッド除霜を開始する(S130)。具体的には、制御部は、循環ポンプ144を作動させて暖房回路における液体の循環を開始させるとともに、電磁弁115を全開にしてヒートポンプサイクル110の冷媒を循環させる。
【0057】
一方、外気温が2℃より高い場合、制御部は、通常除霜で十分に除霜することができると判断して通常除霜を開始する(S140)。具体的には、制御部は、電磁弁115を全開にしてヒートポンプサイクル110の冷媒を循環させる。
【0058】
また、ヒートポンプ式給湯暖房機100において給湯運転が行なわれていない場合、制御部は、ヒートポンプ式給湯暖房機100において暖房運転が行なわれているか確認する(S111)。
【0059】
ヒートポンプ式給湯暖房機100において暖房運転が行なわれて室外熱交換器111における温度が−2℃以下になっている場合、制御部は、外気温の確認工程(S120)に進む。ヒートポンプ式給湯暖房機100において暖房運転が行なわれていない場合、制御部は、給湯運転の作動確認工程(S110)に戻る。
【0060】
上記のように、ヒートポンプサイクル110において除霜する際に冷媒の熱量で除霜できるか否かを温度測定器による測定結果に基づいて決定して通常除霜またはハイブリッド除霜を開始することにより、通常除霜およびハイブリッド除霜のいずれかを好適に選択して除霜を行なうことができる。
【0061】
通常除霜およびハイブリッド除霜は、除霜準備域に再度入ったことを制御部が確認した段階で終了する。具体的には、制御部は、電磁弁115を全閉にしてヒートポンプサイクル110を通常運転状態にする。
【0062】
ハイブリッド除霜の終了動作においては、制御部は、電磁弁115を閉じるのと同時に循環ポンプ144を停止させてもよいし、先に循環ポンプ144を停止した後で電磁弁115を閉じるようにしてもよい。
【0063】
ハイブリッド除霜中においては、給湯回路における水の循環は停止していることが好ましい。そうすることで、暖房回路を循環する液体の熱量を冷媒に多く補充することができるため、室外熱交換器111の除霜を効率よく行なうことができる。
【0064】
以下、本発明の実施形態2に係るヒートポンプ式給湯暖房機について説明する。なお、本実施形態に係るヒートポンプ式給湯暖房機は、実施形態1に係るヒートポンプ式給湯暖房機100とは通常除霜とハイブリッド除霜との選択方法のみ異なるため、他の構成については説明を繰り返さない。
【0065】
(実施形態2)
図3は、本発明の実施形態2に係るヒートポンプ式給湯暖房機において通常除霜またはハイブリッド除霜の開始までの流れを示すフローチャートである。
【0066】
図3に示すように、本実施形態に係るヒートポンプ式給湯暖房機の運転が開始されると(S100)、制御部は、ヒートポンプ式給湯暖房機において給湯運転が行なわれているか確認する(S110)。
【0067】
ヒートポンプ式給湯暖房機において給湯運転が行なわれて室外熱交換器111における温度が−2℃以下になっている場合、制御部は、運転中の通常除霜の累積回数が3回以上か確認する(S220)。運転中の通常除霜の累積回数が3回以上である場合、制御部は、通常除霜では十分に除霜することができないと判断してハイブリッド除霜を開始する(S130)。具体的には、制御部は、循環ポンプ144を作動させて暖房回路における液体の循環を開始させるとともに、電磁弁115を全開にしてヒートポンプサイクル110の冷媒を循環させる。
【0068】
一方、運転中の通常除霜の累積回数が3回より少ない場合、制御部は、通常除霜で十分に除霜することができると判断して通常除霜を開始する(S140)。具体的には、制御部は、電磁弁115を全開にしてヒートポンプサイクル110の冷媒を循環させる。
【0069】
また、ヒートポンプ式給湯暖房機において給湯運転が行なわれていない場合、制御部は、ヒートポンプ式給湯暖房機において暖房運転が行なわれているか確認する(S111)。
【0070】
ヒートポンプ式給湯暖房機において暖房運転が行なわれて室外熱交換器111における温度が−2℃以下になっている場合、制御部は、通常除霜回数の確認工程(S220)に進む。ヒートポンプ式給湯暖房機において暖房運転が行なわれていない場合、制御部は、給湯運転の作動確認工程(S110)に戻る。
【0071】
上記のように、ヒートポンプサイクル110において除霜する際に冷媒の熱量で除霜できるか否かを運転中の通常除霜の累積回数に基づいて決定して通常除霜またはハイブリッド除霜を開始することにより、通常除霜およびハイブリッド除霜のいずれかを好適に選択して除霜を行なうことができる。
【0072】
上記の方法で通常除霜とハイブリッド除霜との選択することによって、通常除霜が頻繁に繰り返されることを抑制して、ヒートポンプ式給湯暖房機の通常運転を安定して継続することが可能となる。
【0073】
以下、本発明の実施形態3に係るヒートポンプ式給湯暖房機について説明する。なお、本実施形態に係るヒートポンプ式給湯暖房機は、実施形態1に係るヒートポンプ式給湯暖房機100とは通常除霜とハイブリッド除霜との選択方法のみ異なるため、他の構成については説明を繰り返さない。
【0074】
(実施形態3)
図4は、本発明の実施形態3に係るヒートポンプ式給湯暖房機において通常除霜またはハイブリッド除霜の開始までの流れを示すフローチャートである。
【0075】
図4に示すように、本実施形態に係るヒートポンプ式給湯暖房機の運転が開始されると(S100)、制御部は、ヒートポンプ式給湯暖房機において給湯運転が行なわれているか確認する(S110)。
【0076】
ヒートポンプ式給湯暖房機において給湯運転が行なわれて室外熱交換器111における温度が−2℃以下になっている場合、制御部は、温度測定器から受信した外気温の測定結果が2℃以下か、または、運転中の通常除霜の累積回数が3回以上か確認する(S320)。
【0077】
温度測定器から受信した外気温の測定結果が2℃以下である、または、運転中の通常除霜の累積回数が3回以上である場合、制御部は、通常除霜では十分に除霜することができないと判断してハイブリッド除霜を開始する(S130)。具体的には、制御部は、循環ポンプ144を作動させて暖房回路における液体の循環を開始させるとともに、電磁弁115を全開にしてヒートポンプサイクル110の冷媒を循環させる。
【0078】
一方、温度測定器から受信した外気温の測定結果が2℃より高い、または、運転中の通常除霜の累積回数が3回より少ない場合、制御部は、通常除霜で十分に除霜することができると判断して通常除霜を開始する(S140)。具体的には、制御部は、電磁弁115を全開にしてヒートポンプサイクル110の冷媒を循環させる。
【0079】
また、ヒートポンプ式給湯暖房機において給湯運転が行なわれていない場合、制御部は、ヒートポンプ式給湯暖房機において暖房運転が行なわれているか確認する(S111)。
【0080】
ヒートポンプ式給湯暖房機において暖房運転が行なわれて室外熱交換器111における温度が−2℃以下になっている場合、制御部は、外気温の確認または通常除霜回数の確認工程(S320)に進む。ヒートポンプ式給湯暖房機において暖房運転が行なわれていない場合、制御部は、給湯運転の作動確認工程(S110)に戻る。
【0081】
上記のように、ヒートポンプサイクル110において除霜する際に冷媒の熱量で除霜できるか否かを温度測定器による測定結果および運転中の通常除霜の累積回数に基づいて決定して通常除霜またはハイブリッド除霜を開始することにより、通常除霜およびハイブリッド除霜のいずれかを好適に選択して除霜を行なうことができる。
【0082】
上記の方法で通常除霜とハイブリッド除霜との選択することによって、通常除霜が頻繁に繰り返されることを抑制しつつ確実に室外熱交換器111を除霜できるため、ヒートポンプ式給湯暖房機の通常運転を安定して継続することが可能となる。
【0083】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。