(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本願発明に係る誘導加熱調理器1の実施の形態を説明する。各実施の形態の説明において、理解を容易にするために方向を示す用語(例えば、「上方」、「下方」、「右側」および「左側」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本願発明を限定するものではない。また以下の添付図面において、同様の構成部品については同様の符号を用いて参照する。
【0011】
実施の形態1.
図1から
図6を参照しながら、本願発明に係る誘導加熱調理器1の実施の形態1について以下に詳細に説明する。
図1は、本願発明の実施の形態1による誘導加熱調理器を示す一部分解斜視図である。また、
図2は、
図1の誘導加熱調理器1の面Aでの断面図である。
図1及び
図2の誘導加熱調理器の内部構造においては説明の煩雑さを避けるために、本願発明の特徴を示す主要な構成要素以外は省略して示した。
【0012】
誘導加熱調理器1は、装置筐体2と鍋やフライパンなどの被加熱物Pを載置するガラスやセラミックあるいは耐熱樹脂などの非磁性絶縁物で形成されたトッププレート3を有する。トッププレート3は装置筐体2と一体になって誘導加熱装置1が構成されるが、
図1では誘導加熱装置1の内部を示すために、トッププレート3を装置筐体2と分離して示した。
【0013】
トッププレート3の表面には被加熱物Pを載置する目印を示した載置位置表示4が印刷などにより形成されている。
図1の誘導加熱調理器1ではトッププレート3上の載置位置表示4が2ヶ所、すなわち2個の被加熱物Pを誘導加熱することができる誘導加熱調理器について示すが、載置位置表示4が3ヶ所以上あるいは、1ヶ所の誘導加熱調理器であっても本願発明を適用することができる。また誘導加熱調理器1は焼き魚調理などを行うグリル調理部5を有していてもよい。
【0014】
誘導加熱調理器1の前面やトッププレート3上にはトッププレート3上に載置された鍋などの被加熱物Pやグリル調理部5の火力を調節する操作部6が設けられる。
【0015】
また、トッププレート3の後方には誘導加熱調理器1内の電気回路で発生する熱やグリル調理部5内で調理中に発生する油煙などを排出するための排気口7、誘導加熱調理器1内へ空気を取り込むための給気口8が設けられていてもよい。
【0016】
トッププレート3の下の装置筺体2の内部には、トッププレート3の載置位置表示5に対応して誘導加熱プレート10が配置されている。誘導加熱プレート10は銅やアルミなどの体積抵抗率が小さい金属材料からなる板を切削加工やプレス加工により電流の入出力端部11a、11bを有する1ターンのリング状に形成したものである。
【0017】
誘導加熱プレート10の入出力端部11a、11bは導線12a、12bに接続され、導線12a、導線12bはトランス13の2次側に接続される。トランス13の1次側はインバータからなる電源回路14に接続される。
【0018】
また、誘導加熱プレート10の裏側(トッププレート3と反対側)にはフェライトコアなどの磁性体15が配置される。さらに磁性体15の下側には誘導加熱プレート10によって発生する磁束が下側に漏洩するのを防止するためにシールド板16を配置してもよい。
【0019】
シールド板16には鉄などの磁性金属を用いてもよいが、アルミや銅などの非磁性で体積抵抗率が小さい金属を用いるのが望ましい。なお、誘導加熱プレート10の裏側には磁性体15が配置されるため、磁性体15のさらに下側まで漏洩する磁束は小さいのでシールド板16は必ずしも必要ではない。
【0020】
また、誘導加熱プレート10と磁性体15の間には誘導加熱プレート10の熱を断熱するための断熱部材(図示せず)や空間を設けてもよい。なお、誘導加熱の効率は低下するが、磁性体15が無い場合であっても誘導加熱プレート10によって発生する磁束により被加熱物Pを誘導加熱することができるので、磁性体15は必ずしも必要ではない。
【0021】
磁性体15を使用しない場合には、誘導加熱プレート10の裏側に漏洩する磁束が大きくなるので、漏洩磁束によって他の金属を誘導加熱したり装置内の電子回路に誤動作を生じさせたりするのを抑制するために、上述のアルミや銅などのシールド板16を設けることが特に望ましい。
【0022】
電源回路14とトランス13は送風ファン17による気流によって冷却される。誘導加熱プレート10は冷却する必要がないので、誘導加熱プレート10を冷却するための送風ファンや風路は不要である。
【0023】
次に、
図3(a)を参照しながら、実施の形態1の誘導加熱調理器に内蔵された電源回路の回路ブロックについて説明する。
図3(a)は誘導加熱調理器1に内蔵された電源回路14の概略的な回路ブロック図である。
【0024】
電源回路14は、概略、単相交流電源101を直流電流に変換するコンバータ(例えばダイオードブリッジ)102と、コンバータ102の出力端に接続された平滑用コンデンサ103、平滑用コンデンサ103に並列に接続されたインバータ104とを備える。インバータ104は、コンバータ102からの直流電流を高周波電流に変換し、トランス105(13)を介して誘導加熱プレート10に高周波電流を供給するものである。
【0025】
図3(a)では、誘導加熱プレート10は、インダクタンス108と抵抗107の等価回路として図示されている。インバータ104は、誘導加熱プレート10のインダクタンスと共振する共振用コンデンサ106を介して、誘導加熱プレート10に接続されており、図示しない制御回路からの任意の制御信号を受けて、誘導加熱プレート10に任意の駆動条件で高周波電流を供給することができる。
【0026】
なお、
図3(a)の電源回路14は、トランス105(13)を介して誘導加熱プレート10に高周波電流を供給するものであるが、電源回路が単体で誘導加熱に必要な電流を供給できれば、
図3(b)のように、トランスを介さなくてもよい。
【0027】
また、電源回路14はトランジスタなどのスイッチング素子で構成されたハーフブリッジ回路やフルブリッジ回路の出力端と共振用のコンデンサを直列に接続したインバータ回路や、共振コンデンサとスイッチング素子を直接に接続し、共振コンデンサとトランスの1次側を並列に接続した1石共振インバータ回路など、従来の誘導加熱調理器で利用されている各種回路構成であってよい。
【0028】
次に、
図4を参照しながら、実施の形態1の誘導加熱調理器の加熱原理について説明する。
図4は本願発明の誘導加熱調理器の加熱原理を示す斜視図である。
【0029】
トランス13はフェライトコアや鉄心コアあるいはダストコアなどの磁性体からなるコア13aに1次側巻線13bと2次側巻線13cとを巻いて構成している。
図4ではコア13aをロ字型断面形状として、ロ字の1辺に1次側巻線13bを設け、対向する1辺に2次側巻線13cを設けたが、コアの形状や1次側、2次側巻線を設ける位置はこれに限るものではなく、従来から知られているトランスの構造を適用することができる。
【0030】
トランス13は1次側巻線13bが複数ターンであり(すなわち、コア13aに一次側巻線が複数回捲回され)、2次側巻線13cは1ターンあるいは2ターン程度の少ないターン数(巻数)であり、2次側巻線13cのターン数は1次側巻線13bのターン数より少なくなっている。
【0031】
電源回路14からトランス13の1次側巻線13bに高周波電流が供給されると、2次側巻線13cには1次側巻線13bの高周波電流と同一周波数の高周波大電流が流れる。トランス13が理想トランスであるとき、1次側巻線13bのターン数をN1、2次側巻線13cのターン数をN2とすると、2次側巻線13cには1次側巻線13bのN1/N2倍の電流が流れる。トランス13は1次側巻線13bのターン数は2次側巻線13cのターン数より多くなっているので、2次側巻線13cには1次側巻線13bよりも大きな電流が流れる。例えば1次側巻線13bが10〜20ターン、2次側巻線13cが1ターンあるいは2ターンのときは、2次側巻線13cには1次側巻線13bの5〜20倍の大電流が流れる。2次側巻線13cは3ターン以上であってもよいが、2次側巻線13cを流れる電流が、1次側巻線13bを流れる電流のN1/N2倍の大きさとなることを考慮すれば、2次側巻線13cは
図4に示すように1ターンである場合が最も良い。
【0032】
なお、実際にはトランス13は理想トランスではないため、2次側巻線13cを流れる電流は1次側巻線13bを流れる電流のN1/N2倍より小さくなるが、ここで説明したトランスによる作用は同じであり、2次側巻線13cが1ターンの場合が最も良いことに変わりはない。なお、電源回路14そのものから誘導加熱に必要な大電流が供給できれば、
図3(b)に示すように、トランス13を介さなくてもよい。
【0033】
2次側巻線13cは導線12a、12bにより誘導加熱プレート10の入出力端部11a、11bに接続されているので、誘導加熱プレート10には、2次側巻線13cに流れる、同一の周波数および電流の大きさを有する高周波大電流が流れる。誘導加熱プレート10に高周波大電流が流れると、誘導加熱プレート10の周囲には磁束が発生し、この磁束が鍋などの被加熱物Pに到達すると、被加熱物Pは従来知られている誘導加熱調理器と同様に誘導加熱される。
【0034】
被加熱物Pを誘導加熱する磁束は、誘導加熱プレート10が作る起磁力と周辺の磁気回路で一意的に定まり、起磁力は誘導加熱プレート10を流れる電流の大きさとターン数の積によって表される。トランス13の1次側巻線13bのターン数を5〜20ターンとし、2次側巻線のターン数を
図4のように1ターンとして構成すれば、誘導加熱プレート10には電源回路14の出力電流の5〜20倍の大きさの大電流を流すことができるため、従来の誘導加熱調理器において5〜20ターンのコイルを用いた場合と同一の起磁力が得られる。
【0035】
誘導加熱プレート10に流す高周波大電流の周波数を20〜100kHzとして表皮効果を考慮すると、誘導加熱プレート10を銅やアルミで形成した場合には、誘導加熱プレート10の厚さは1mm程度であれば十分に所望の大電流を流すことができ、従来の誘導加熱調理器に用いられるコイルよりも薄くすることができる。
【0036】
なお、誘導加熱プレート10の厚みは当然のことながら1mm以上であってもよく、1mm未満の場合であっても表皮効果により誘導加熱プレート10の電気抵抗が大きくなり誘導加熱プレート10でのジュール損が増加するが、被加熱物Pを誘導加熱することができるので本願発明の効果を得ることができる。
【0037】
従来の誘導加熱調理器で用いられるコイルではリッツ線などの被覆銅線を複数回円盤状に巻いて作製しているため、異なる周回の被覆銅線同士の絶縁を確保する必要性から、コイル温度が被覆材料の使用許容温度以下となるように強制空冷などにより冷却していたが、本願発明の誘導加熱プレート10は1ターンの金属板で形成されるため、絶縁を必要とする異なる周回が存在しないので、誘導加熱プレート10は材料の金属が溶融、変形しない温度以下であればよい。
【0038】
したがって、誘導加熱プレート10は冷却する必要がないため、誘導加熱プレート10とトッププレート3の間に冷却用の風路を設ける必要がなく、誘導加熱プレート10をトッププレート3に密着あるいは近接させて配置することができる。
【0039】
これらの結果、誘導加熱プレート10の下側に配置した磁性体15とトッププレート3の上面すなわち被加熱物Pとの距離を短くすることができ、誘導加熱プレート10の周辺の磁気回路の磁気抵抗を小さくして、被加熱物Pの誘導加熱に利用される磁束を大きくして加熱効率を向上させることができる。
【0040】
誘導加熱プレート10を融点が低いアルミで構成した場合であっても500℃程度までは変形せずに使用することができ、融点が高い銅で構成した場合であればさらに高温でも使用することができるので、通常は誘導加熱プレート10の冷却手段を設けなくてもよい。
【0041】
しかし、一般に銅やアルミなどの金属は温度が高くなると電気抵抗が増大するので、誘導加熱プレート10が高温になると誘導加熱プレート10でのジュール損が増大する。従って、ジュール損の増大による効率低下を抑制するために誘導加熱プレート10を強制空冷などにより冷却してもよい。
【0042】
また、磁性体15にフェライトコアを用いた場合には、フェライトコアの温度が高くなるとフェライトコアの飽和磁束密度が低下するので、誘導加熱プレート10の温度が150℃以上に高くなる場合には、誘導加熱プレート10と磁性体15の間に空間や熱伝導率が小さい樹脂部材などを設けたり、あるいは誘導加熱プレート10がさらに高温になる場合には断熱材などを設けたりすることが望ましい。またフェライトコアの代わりにダストコアなど高温でも飽和磁束密度を高く維持できる磁性体を用いてもよい。
【0043】
一方、誘導加熱プレート10を冷却しないことで、誘導加熱プレート10でのジュール損による発熱を被加熱物Pの加熱に積極的に利用することが可能である。例えば、被加熱物Pが鍋であり、この鍋で湯を沸かす場合には水の沸点が100℃であるから、被加熱物Pの温度は100℃か100℃より僅かに高い程度である。
【0044】
誘導加熱プレート10の温度がジュール損による発熱で被加熱物Pの温度より高くなっている場合には、誘導加熱プレート10から被加熱物Pにトッププレート3を介して熱伝導が起こるので、被加熱物Pは誘導加熱プレート10の発熱も利用して加熱される。従って、従来の誘導加熱調理器では加熱コイルを強制空冷などにより冷却していたため、加熱コイルの発熱は排熱されていたので損失となっていたが、本願発明の誘導加熱調理器では誘導加熱プレート10の発熱を被加熱物Pの加熱に利用できるので加熱効率を高くすることができる。
【0045】
また、例えばフライパンでの炒め物調理や天ぷら鍋での天ぷら調理などで、被加熱物Pの温度が200℃以上になり誘導加熱プレート10の温度より高い場合には、被加熱物Pからトッププレート3を介して誘導加熱プレート10側に熱伝導が生じるが、従来の誘導加熱調理器の加熱コイルのように加熱コイルを冷却する場合に比べて、本願発明の冷却の無い誘導加熱プレート10の場合には、被加熱物Pと誘導加熱プレート10との温度差が小さくなるので、被加熱物Pからの熱伝導による放熱が小さくなり加熱効率を高くすることができる。
【0046】
さらに、アルミや銅などの非磁性かつ体積抵抗率が小さい材料で作製された鍋などの被加熱物Pを加熱する場合、アルミや銅は誘導加熱されにくいので、従来の誘導加熱調理器では加熱コイルに流す電流の周波数を40kHz〜100kHzに高くして、また加熱コイルに大きな電流を流してアルミや銅などの鍋を誘導加熱していた。この場合加熱コイルのジュール損による発熱が大きくなるので冷却が困難になっていた。
【0047】
しかし、本願発明の誘導加熱調理器では、誘導加熱プレート10を冷却しなくてもよく、上述のように誘導加熱プレート10の発熱を被加熱物Pの加熱に利用することができるので、被加熱物Pがアルミや銅など材料で作製されている場合には、誘導加熱プレート10に流す電流を大きくして誘導加熱プレート10のジュール損を増大させて温度を高くし、誘導加熱プレート10により発生する磁束による誘導加熱とともに、誘導加熱プレート10からの熱伝導によりアルミや銅の被加熱物Pを加熱することができる。
【0048】
誘導加熱プレート10に流す電流を大きくするためには電源回路14からトランス13の1次側巻線13bに供給する電流を大きくすればよい。このようなアルミや銅などの被加熱物Pを加熱する場合であっても、従来の誘導加熱料理器と同様に誘導加熱プレート10に流す電流の周波数を40〜100kHzに高くすることで、誘導加熱プレート10が発生する磁束により誘導加熱されやすくなるとともに、誘導加熱プレート10の電気抵抗も表皮効果により大きくなるので、誘導加熱プレート10に流す電流の周波数を20〜30kHzとする場合よりも小さな電流で効率よく加熱することができる。
【0049】
上述したように、トランス13の2次側巻線と誘導加熱プレート10には大電流が流れる。そのため、2次側巻線13cや2次側巻線14と繋がった導線12a、12bは電気抵抗が小さくなるように断面積が大きい、すなわち線径が大きい導線あるいはリッツ線で構成される。線径が大きい導線やリッツ線では小さな半径で曲げにくくなるため、トランス13のコア13aの一部に複数回巻くことは困難となる。従って製造しやすさからも2次側巻線は1ターンが最適である。
【0050】
図5はトランス13の2次側巻線を
図4とは異なる構造にしたときの誘導加熱プレート10周辺の構造を示す斜視図である。トランス13の2次側巻線13cと2次側巻線13cに繋がる導線12a、12bに相当するものを銅やアルミなどの体積抵抗率が小さい金属材料の金属棒18で形成している。
【0051】
金属棒18はU字型など所定の形状に曲げてその一部がトランス13のコア13aと鎖交するように配置される。金属棒18の端部は誘導加熱プレート10の入出力端部11a、11bと溶接やロウ付けあるいはネジ止めなどにより電気的に接続される。金属棒18と誘導加熱プレート10には大電流が流れるので、金属棒18と誘導加熱プレート10の接続点の接触抵抗が大きいと、接続点での発熱が大きくなり接続点の金属が酸化されてさらに接触抵抗が大きくなり支障をきたすおそれがある。この場合は金属棒18と誘導加熱プレート10の入出力端部11a、11bを溶接やロウ付けにより接続した方が望ましい。
【0052】
また、
図6はトランス13の2次側巻線を
図4及び
図5とは異なる他の構造にしたときの誘導加熱プレート10周辺の構造を示す斜視図である。トランス13の2次側巻線13cと該2次側巻線13cに繋がる導線12a、12bに相当するものを、誘導加熱プレート10を形成する金属板を切削加工やプレス加工により一体形成したものである。このように2次側巻線13cと誘導加熱プレート10を一体形成することにより、2次側巻線13cと誘導加熱プレート10の接続点における接触抵抗の問題を無くすことができる。
【0053】
以上に述べたように、トランス13の2次側巻線13cを
図4に示すような導線で形成したり、
図5に示すような金属棒で形成したり、
図6に示すような誘導加熱プレート10と一体に形成したりすることができる。いずれの場合においても誘導加熱の原理は上述した通りであり、また以下の実施の形態においても、これらいずれの方法で2次側巻線を形成してもよい。
【0054】
実施の形態2.
図7を参照しながら、本願発明に係る誘導加熱調理器1の実施の形態2について以下に詳細に説明する。実施の形態2に係る誘導加熱調理器は誘導加熱プレートが複数のスリットを有する点を除き、実施の形態1に係る誘導加熱調理器と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関する詳細な説明を省略する。なお、図中同一の構成部品については同一の符号を用いて示す。
図7は、本願発明の実施の形態2の誘導加熱プレート20の周辺部を示す斜視図である。実施の形態1に述べた誘導加熱調理器の誘導加熱プレート10に変えて本実施の形態2で示す誘導加熱プレート20を用いることができる。
【0055】
実施の形態1に示した誘導加熱プレート10は銅やアルミなどの1ターンの金属板で形成されるため、誘導加熱プレート10を流れる高周波大電流は誘導加熱プレート10の内側に多く流れる。その結果、被加熱物Pの加熱面に加熱温度のばらつきが生じて、食材の加熱ムラが生じる場合がある。そこで本実施の形態2では被加熱物Pの誘導加熱される面の温度分布を均一化することができる誘導加熱プレートの構造について述べる。
【0056】
実施の形態2に係る誘導加熱プレート20は切削やプレス加工などにより形成されたスリット20aを有する。誘導加熱プレート20にその周方向に延在するスリット20aを設けることにより第1電流路と第2電流路が画成される。スリット20aは誘導加熱プレート20の電流経路に沿って連続したものであってもよいが、
図7に示すように断続させてスリット20aを設けた方が誘導加熱プレート20の強度保持のためによい。
【0057】
スリット20aを断続させて形成するとき誘導加熱プレート20は第1電流路と第2電流路を連結する連結部20bを有する。連結部20bは誘導加熱プレート20の所定の強度を保持するためである。第1電流路は誘導加熱プレート20の外側を流れる高周波大電流1の経路であり、第2電流路は内側を流れる高周波大電流2の経路である。第1電流路は幅d1を有し、第2電流路は幅d2を有し、第1電流路の幅d1の方が第2電流路の幅d2より広くなっている。従って、第1電流路は外側の経路であるため距離が長いが幅は広くなっており、第2電流路は内側の経路であるため距離が短いが幅は狭くなっており、第1電流路と第2電流路に流れる電流の電流密度を均一化することができ、鍋全体をより均一に加熱することができる。
【0058】
具体的には、スリット20aの形成位置は任意であるので適切な位置にスリット20aを形成すれば、第1電流路と第2電流路の電気抵抗を等しくして高周波大電流1と高周波大電流2の電流の大きさを等しくすることができる。高周波大電流1と高周波大電流2の電流の大きさを等しくすると被加熱物Pの誘導加熱される面の温度分布が完全に均一になるわけではないが、誘導加熱プレート20にスリット20aを形成することによって容易に誘導加熱プレート20を流れる高周波大電流の電流分布を制御することができる。
【0059】
図7では断続した3個のスリット20aを形成して2経路の電流路を形成した場合について示したが、スリット20aを形成する個数は任意であり、またスリット20aによって形成される電流経路の数も任意である。スリット20aを多数形成する場合であってもプレス加工により一度に形成することができるので製造コストの上昇を招くことはない。スリット20aを形成する位置や個数は電磁界解析により容易に最適設計することができ、また電磁界解析を行わなくてもスリット20aを形成する場所や個数を変更したものを数種類作製して温度分布を測定することによって容易に所望の温度分布が得られるスリット20aを形成した誘導加熱プレート20を得ることができる。
【0060】
実施の形態3.
図8(a)および
図8(b)を参照しながら、本願発明に係る誘導加熱調理器1の実施の形態3について以下に詳細に説明する。実施の形態3に係る誘導加熱調理器は誘導加熱プレートが複数の貫通穴を有する点を除き、実施の形態1に係る誘導加熱調理器と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関する詳細な説明を省略する。なお、図中同一の構成部品については同一の符号を用いて示す。
図8(a)および
図8(b)は、本願発明の実施の形態3の誘導加熱プレートを示す平面図である。
【0061】
本実施の形態3も実施の形態2と同様に、被加熱物Pの誘導加熱される面の温度分布を均一化することができる誘導加熱プレート30であり、以下にその構造の詳細を述べる。
【0062】
誘導加熱プレート30には複数の貫通穴30aが切削やプレス加工などにより形成される。誘導加熱プレート30の内周側に形成された貫通穴30aの単位面積あたりの面積を、外周側に形成された貫通穴30aの単位面積あたりの面積よりも大きくなるように、誘導加熱プレート30に貫通穴30aを設ける。
【0063】
貫通穴30aを複数形成することにより、誘導加熱プレート30の残った部分は電流路となる。誘導加熱プレート30の内周側に形成された貫通穴30aの単位面積あたりの面積が、外周側に形成された貫通穴30aの単位面積あたりの面積よりも大きいため、入出力端部31a、31b間をつなぐ外周側の電流路の方が内周側の電流路に比べて相対的に単位長さあたりの抵抗が小さくなっている。従って、外周側の電流路は外側の経路であるため距離は長いが、単位長さあたりの抵抗は小さくなっており、内周側の電流路は内側の経路であるため距離は短いが、単位長さあたりの抵抗は大きくなっている。
【0064】
貫通穴30aの形成位置は任意であるので、適切な位置に貫通穴30aを形成すれば、プレートの内周側に流れる電流の経路と外周側に流れる電流の経路の電気抵抗を均一化して、半径方向においてより均一な電流を流すことができる。これによって、誘導加熱プレート30に貫通穴30aを形成することによって容易に誘導加熱プレート30を流れる高周波大電流の電流分布を制御することができる。
【0065】
また、形成された貫通穴30aの個数は任意である。貫通穴30aを多数形成する場合であってもプレス加工により一度に形成することができるので製造コストの上昇を招くことはない。貫通穴30aを形成する位置や個数は電磁界解析により容易に最適設計することができ、また電磁界解析を行わなくても貫通穴30aを形成する場所や個数を変更したものを数種類作製して温度分布を測定することによって容易に所望の温度分布が得られる貫通穴30aを形成した誘導加熱プレート30を得ることができる。
【0066】
さらに、貫通穴30aの大きさは任意である。
図8(a)では、同一の直径を有する貫通穴30aについて、その個数が内周側から外周側に向かって少なくなるように配置したが、例えば
図8(b)のように、単位面積あたりの貫通穴30bの個数が均一で、かつ、各貫通穴30bの直径が内周側から外周側に向かって小さくなるように構成することもできる。また、
図8では貫通孔は円形としたが、形状は任意であり、三角形や四角形など他の形状であってもよい。
【0067】
実施の形態4.
図9を参照しながら、本願発明に係る誘導加熱調理器1の実施の形態4について以下に詳細に説明する。実施の形態4に係る誘導加熱調理器は誘導加熱プレートの板厚が一定ではない点を除き、実施の形態1に係る誘導加熱調理器と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関する詳細な説明を省略する。なお、図中同一の構成部品については同一の符号を用いて示す。
図9は、本願発明の実施の形態4の誘導加熱プレートを示す断面図である。
【0068】
本実施の形態4も実施の形態2及び3と同様に、被加熱物Pの誘導加熱される面の温度分布を均一化することができる誘導加熱プレートであり、以下にその構造の詳細を述べる。
【0069】
誘導加熱プレート40の板厚は、内周側から外周側に向かうに従って階段状に厚くなっている。この板厚が一定ではない誘導加熱プレート40は、切削やプレス加工などにより形成される。
【0070】
外周側の板厚Hは、内周側の板厚hよりも厚いため、内周側の電流路の方が外周側の電流路に比べて相対的に単位長さあたりの抵抗が大きくなっている。従って、外周側の電流路は外側の経路であるため距離は長いが、単位長さあたりの抵抗は小さくなっており、内周側の電流路は内側の経路であるため距離は短いが、単位長さあたりの抵抗は大きくなっている。
【0071】
各段の板厚を調整することによって、容易に誘導加熱プレート40を流れる高周波大電流の電流分布を制御することができることが容易に理解できる。
【0072】
図9には板厚が3段の階段状に変わるものが示されているが、段数は任意である。板厚を多段に形成する場合であっても、プレス加工により一度に形成することができるので製造コストの上昇を招くことはない。段差を形成する位置や段数は電磁界解析により容易に最適設計することができ、また電磁界解析を行わなくても段差を形成する場所や段数を変更したものを数種類作製して温度分布を測定することによって容易に所望の温度分布が得られる誘導加熱プレート40を得ることができる。
【0073】
実施の形態5.
図10を参照しながら、本願発明に係る誘導加熱調理器1の実施の形態5について以下に詳細に説明する。実施の形態5に係る誘導加熱調理器は、実施の形態4と同様に、誘導加熱プレートの板厚が一定ではない点を除き、実施の形態1に係る誘導加熱調理器と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関する詳細な説明を省略する。なお、図中同一の構成部品については同一の符号を用いて示す。
図10は、本願発明の実施の形態5の誘導加熱プレートを示す断面図である。
【0074】
本実施の形態5も実施の形態2乃至4と同様に、被加熱物Pの誘導加熱される面の温度分布を均一化することができる誘導加熱プレート50であり、以下にその構造の詳細を述べる。
【0075】
誘導加熱プレート50の板厚は、内周側から外周側に向かうに従って漸次厚くなっている。この板厚が一定でない誘導加熱プレート50は切削やプレス加工などにより形成される。
【0076】
外周側の板厚Hは内周側の板厚hよりも厚いため、外周側の電流路の方が内周側の電流路に比べて相対的に単位長さあたりの抵抗が小さくなっている。従って、外周側の電流路は外側の経路であるため距離は長いが、単位長さあたりの抵抗は小さくなっており、内周側の電流路は内側の経路であるため距離は短いが、単位長さあたりの抵抗は大きくなっている。
【0077】
誘導加熱プレート50の半径方向における断面形状を調整することによって、内周側と外周側の電流路の電気抵抗を等しくして高周波大電流と高周波大電流の電流の大きさを均一にすることができる。誘導加熱プレート50の板厚を変えることによって、容易に誘導加熱プレート50を流れる高周波大電流の電流分布を制御することができる。
【0078】
具体的には、
図10には板厚が曲線状に変わるものが示されているが、直線的に変わるものであってもよく、この板厚の変化の仕方は任意である。板厚が直線状に変化するように形成する場合であっても、プレス加工により一度に形成することができるので製造コストの上昇を招くことはない。誘導加熱プレート50の半径方向における断面形状は電磁界解析により容易に最適設計することができ、また電磁界解析を行わなくても板厚の変化の仕方を変更したものを数種類作製して温度分布を測定することによって容易に所望の温度分布が得られる誘導加熱プレート50を得ることができる。
【0079】
実施の形態6.
図11および
図12を参照しながら、本願発明に係る誘導加熱調理器1の実施の形態6について以下に詳細に説明する。実施の形態6に係る誘導加熱調理器は誘導加熱プレートが同心円状に配置された複数の平板状の金属板から構成されている点を除き、実施の形態1に係る誘導加熱調理器と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関する詳細な説明を省略する。なお、図中同一の構成部品については同一の符号を用いて示す。
図11は、本願発明の実施の形態6の誘導加熱プレートおよび電源回路を示す概略図である。
【0080】
本実施の形態6も実施の形態2乃至5と同様に、被加熱物Pの誘導加熱される面の温度分布を均一化することができる誘導加熱プレート60であり、以下にその構造の詳細を述べる。
【0081】
実施の形態6に係る誘導加熱プレート60は、同一平面上で同心円状に配置された複数の平板状の金属板60a、60b、60cで構成され、それぞれ独立に制御可能な個別の電源回路64a、64b、64cに接続されている。
【0082】
誘導加熱プレート60は、内周側の第1の金属板60aに電源回路64aを接続し、中間に配置された第2の金属板60bに電源回路64bを接続し、外周側の第3の金属板60cに電源回路64cがそれぞれ接続されており、各電源回路64a、64b、64cは第1、第2および第3の金属板60a、60b、60cに互いに独立して供給する電流を制御できる。
【0083】
各金属板60a、60b、60cに供給する電流を各電源回路64a、64b、64cにより個別に制御することによって、容易に所望の温度分布が得られる誘導加熱プレート60を得ることができる。
【0084】
なお、
図11には、3つの金属板60a、60b、60cから構成された誘導加熱プレート60が示されているが、金属板及び各金属板を制御する電源回路の個数は任意である。また、3つの金属板60a、60b、60cの電気抵抗を均一化するためには、幅d1をd2より狭く、幅d2をd3より狭くすることが好ましい(d1<d2<d3)。このように金属板60a、60b、60cの幅を適宜調整すれば、共通の電源回路から各金属板60a、60b、60cに電流を供給するようにすることも可能である。さらに、各金属板60a、60b、60cを各電源回路64a、64b、64cに接続する際に、それぞれ必要に応じてトランスを介してもよい。
【0085】
図12は、
図11の誘導加熱調理器の変形例に係る誘導加熱プレート周辺の構造を示す概略図である。
【0086】
誘導加熱プレート70は、同一平面上で同心円状に配置された複数の金属板70a、70b、70cで構成され、それぞれ共通のトランス73を介して電源回路74に接続されている。
【0087】
各金属板70a、70b、70cは共通の電源回路74に接続されているが、各金属板70a、70b、70cの2次側巻線73a、73b、73cのターン数を適宜設定することによって、各金属板70a、70b、70cに流れる電流を予め調整可能である。これによって、各金属板70a、70b、70cによって誘導加熱される被加熱物Pの温度分布を均一化することができる。
【0088】
なお、
図12には、3つの金属板70a、70b、70cから構成された誘導加熱プレート70が示されているが、この金属板の個数は任意である。また、3つの金属板70a、70b、70cの各幅も任意である。ただし、2次側巻線73a、73b、73cのターン数を一定とする場合には、幅d1をd2より狭く、幅d2をd3より狭くすることで、3つの金属板70a、70b、70cの電気抵抗を均一化するのが好ましい(d1<d2<d3)
【0089】
実施の形態7.
図13および
図14を参照しながら、本願発明に係る誘導加熱調理器1の実施の形態7について以下に詳細に説明する。実施の形態6に係る誘導加熱調理器は、誘導加熱プレートが筒状または椀状の形状をしている点を除き、実施の形態1に係る誘導加熱調理器と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関する詳細な説明を省略する。なお、図中同一の構成部品については同一の符号を用いて示す。実施の形態7に係る誘導加熱調理器は、炊飯器として応用したものである。
図13は、本願発明の実施の形態7の誘導加熱プレートを示す断面図である。
【0090】
炊飯器には周知のごとく内鍋を加熱するのに誘導加熱が利用されており、本実施の形態7では誘導加熱調理器である従来の炊飯器で用いられている加熱コイルの代わりに実施の形態1で述べた誘導加熱プレートを用いる場合について説明する。
【0091】
図13において本願発明の主要部以外は省略して示した。また
図14は、
図13の誘導加熱調理器の主要部のみを示す斜視図である。
【0092】
誘導加熱調理器1は本体Mと該本体Mに対して開閉可能な蓋部Tで構成される。本体Mの内部には取り出し可能な被加熱物Pである炊飯鍋Pが収納され、炊飯鍋Pの側面から底面にかけての所定部位に対向して誘導加熱プレート80が配置される。
【0093】
誘導加熱プレート80は、炊飯鍋Pの側面から底面にかけて取り囲むように、周方向で1箇所分割された筒状または椀状の形状をした金属板からなり、その分割された両端部に電源回路14を接続する入出力端部81a、81bを備える。
【0094】
なお、誘導加熱プレート80は、筒状の形状をした金属板から構成し、炊飯鍋Pの側面のみを取り囲むように配置してもよく、また、実施の形態1に示したように、円盤状の誘導加熱プレート80を炊飯鍋Pの底面に対向して配置してもよい。本実施の形態7では複雑な形状の誘導加熱プレートであってもよいことを説明するために
図13および
図14に示すように炊飯鍋Pの側面と底面の両方に対向して誘導加熱プレート80を配置した。
【0095】
誘導加熱プレート80は銅板やアルミ板をプレス加工により曲面形状に成形することで作製することができる。
【0096】
図14の誘導加熱プレート80には実施の形態2や3で説明したスリットや貫通穴は設けられていないが、誘導加熱プレート80のプレス成型時に所定のスリットや貫通穴を成形と同時に形成してもよい。
【0097】
誘導加熱プレート80の外側にはフェライトコアなどの磁性体85が配置される。
【0098】
誘導加熱プレート80の入出力端部81a、81bは導線82a、82bと接続され、導線82a、82bはトランス83の2次側巻線83cに接続される。トランス83の1次側巻線83bは電源回路14に接続される。
【0099】
蓋部Tの内側には内蓋Lが設けられ、蓋部Tを閉じたときに内蓋Lが炊飯鍋Pに蓋をするようになっている。
【0100】
炊飯鍋Pに米と水を入れ使用者が誘導加熱調理器1の炊飯動作を始動させると、電源回路14から高周波電流が供給され、実施の形態1で述べたように誘導加熱プレート80には高周波大電流が流れ、炊飯鍋Pが誘導加熱される。そして従来の炊飯器と同様に、電源回路14から供給する電力を所定のプログラムで制御して炊飯調理が完了する。
【0101】
実施の形態8.
図15を参照しながら、本願発明に係る誘導加熱調理器1の実施の形態8について以下に詳細に説明する。実施の形態8に係る誘導加熱調理器は誘導加熱プレートが分割された2つの金属板からなる点を除き、実施の形態7に係る誘導加熱調理器と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関する詳細な説明を省略する。なお、図中同一の構成部品については同一の符号を用いて示す。
図15は、本願発明の実施の形態8による誘導加熱調理器の主要部のみを示す斜視図である。
【0102】
本実施の形態8も被加熱物Pの誘導加熱される面の温度分布を均一化することができる誘導加熱プレートであり、以下にその構造の詳細を述べる。
【0103】
誘導加熱プレート90は、炊飯鍋Pの側面から底面にかけて取り囲むように、周方向で1箇所分割された筒状または椀状の形状をした金属板90aと、側面のみを取り囲む、周方向で1箇所分割された筒状の形状をした金属板90bとからなり、各金属板90a、90bはその分割された両端部に電源回路14を接続する入出力端部91a、91b、91c、91dをそれぞれ備える。
【0104】
なお、
図15には2つの金属板90a、90bからなる誘導加熱プレート90を示したが、各金属板の形状が、周方向で1箇所分割された平板状、筒状または椀状であればよく、その金属板の個数は任意である。また、誘導加熱プレート90で取り囲む範囲は、実施の形態7と同様に、炊飯鍋Pの側面のみ、または、底面のみであってもよい。
【0105】
また、各金属板90a、90bの入出力端部91a、91b、91c、91dには、トランス93を介して共通の電源回路14に接続されているが、各金属板90a、90bの2次側巻線93c、93dのターン数を適宜設定することによって、各金属板90a、90bに流れる電流を予め調整可能である。これによって、各金属板90a、90bによって誘導加熱される炊飯鍋Pの温度分布を所望の分布に制御できる。
【0106】
さらに、
図15には共通の電源回路14にトランス93を介して接続したものを示しているが、各金属板90a、90bを異なる電源回路に接続してもよい。また、接続される電源回路が単体で誘導加熱に必要な電流を供給可能であれば、トランス93を介さなくてもよい。