特許第5693527号(P5693527)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5693527ナビゲーション装置、ナビゲーションシステム、ナビゲーション方法およびナビゲーションプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5693527
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】ナビゲーション装置、ナビゲーションシステム、ナビゲーション方法およびナビゲーションプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20150312BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20150312BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20150312BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20150312BHJP
【FI】
   G01C21/26 P
   G08G1/005
   G09B29/00 A
   G09B29/10 A
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-140072(P2012-140072)
(22)【出願日】2012年6月21日
(65)【公開番号】特開2014-6077(P2014-6077A)
(43)【公開日】2014年1月16日
【審査請求日】2013年3月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】入山 高光
(72)【発明者】
【氏名】宇野 浩史
【審査官】 東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−195196(JP,A)
【文献】 特開平08−055298(JP,A)
【文献】 特開2006−138835(JP,A)
【文献】 特開2008−225905(JP,A)
【文献】 特開2009−063580(JP,A)
【文献】 特開2010−107392(JP,A)
【文献】 特開2009−281814(JP,A)
【文献】 特開2003−215228(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/081414(WO,A1)
【文献】 特開2008−089466(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/070595(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 − 21/36
G08G 1/00 − 1/16
G09B 29/00
G09B 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在地を測定する測位手段と、
前記現在地から移動先に向けた方向表示を扇形の図形を用いて行う方向表示手段と、を
備え、
前記方向表示手段は、
前記測位手段による現在地の測定精度に基づいた中心角の扇形の図形を生成する扇形図形生成部と、
前記扇形図形生成部で生成された前記扇形の中心点から弧への向きを、前記現在地から前記移動先までの方向に合わせて、記憶手段から取得した地図上の前記現在地に重ねて表示する扇形図形表示部と、を備え、
前記扇形図形生成部は、
前記測位手段の測定精度を半径とし、現在地を中心とする円を地図データ上に設定し、
前記移動先から前記円に2本の接線を設定し、前記移動先における前記2本の接線のなす角度を算出して前記扇形の中心角に設定することで、
前記測位手段による現在地の測定精度が高くなるにつれて前記扇形の中心角を小さくし、
前記測位手段による現在地の測定精度が低くなるにつれて前記扇形の中心角を大きくする
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記扇形図形生成部は、
前記現在地から移動先までの距離が大きくなるにつれて前記扇形の半径を長くする
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置において、
前記扇形図形生成部は、
前記現在地から移動先までの距離を前記扇形の半径とする
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のナビゲーション装置において、
前記方向表示手段は、
前記現在地から移動先までの距離を求め、
前記距離が前記現在地の測定精度よりも大きい場合は、前記扇形の図形を用いて方向表示を行い、
前記距離が前記現在地の測定精度以下の場合は、メッセージ表示を行う
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
ナビゲーション装置と、前記ナビゲーション装置に対して双方向通信可能に接続される
サーバ装置とを備え、
前記サーバ装置は、
地図データを記憶する記憶手段と、
前記ナビゲーション装置から少なくとも現在地および移動先の情報を取得する地点情報取得手段と、
前記現在地および移動先の地図データを少なくとも前記ナビゲーション装置に送信する地図情報送信手段とを備え、
前記ナビゲーション装置は、
現在地を測定する測位手段と、前記現在地から移動先に向けた方向表示を扇形の図形を用いて行う方向表示手段と、前記測位手段で測定した現在地および移動先の情報を少なくとも前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置から前記地図データを取得する地図情報取得手段と、を備え、
前記方向表示手段は、
前記測位手段による現在地の測定精度に基づいた中心角の扇形の図形を生成する扇形図形生成部と、
前記扇形図形生成部で生成された前記扇形の中心点から弧への向きを、前記現在地から前記移動先までの方向に合わせて、前記サーバ装置から取得した地図上の前記現在地に重ねて表示する扇形図形表示部と、を備え、
前記扇形図形生成部は、
前記測位手段の測定精度を半径とし、現在地を中心とする円を地図データ上に設定し、
前記移動先から前記円に2本の接線を設定し、前記移動先における前記2本の接線のなす角度を算出して前記扇形の中心角に設定することで、
前記測位手段による現在地の測定精度が高くなるにつれて前記扇形の中心角を小さくし、
前記測位手段による現在地の測定精度が低くなるにつれて前記扇形の中心角を大きくする
ことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項6】
現在地を測定する測位手段と、地図データを記憶する記憶手段と、を備えるナビゲーション装置で実行されるナビゲーション方法であって、
前記ナビゲーション装置は、
前記測位手段の測定精度を半径とし、現在地を中心とする円を地図データ上に設定し、
前記移動先から前記円に2本の接線を設定し、前記移動先における前記2本の接線のなす角度を算出して前記扇形の中心角に設定することで、
前記測位手段による現在地の測定精度に基づいた中心角の扇形の図形を、前記測定精度が高くなるにつれて前記扇形の中心角を小さくして生成し、前記測定精度が低くなるにつれて前記扇形の中心角を大きくして生成し、
前記現在地および移動先を、前記記憶手段から読み出した地図データに重ね、さらに前記扇形の中心点から弧への向きを前記現在地から前記移動先までの方向に合わせて、前記地図データ上の前記現在地に重ねて表示手段に表示する
ことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項7】
現在地を測定する測位手段と、地図データを記憶する記憶手段と、を備えるナビゲーション装置で実行されるナビゲーションプログラムであって、
前記ナビゲーション装置に、
前記測位手段の測定精度を半径とし、現在地を中心とする円を地図データ上に設定し、
前記移動先から前記円に2本の接線を設定し、前記移動先における前記2本の接線のなす角度を算出して前記扇形の中心角に設定することで、
前記測位手段による現在地の測定精度に基づいた中心角の扇形の図形を、前記測定精度が高くなるにつれて前記扇形の中心角を小さくして生成し、前記測定精度が低くなるにつれて前記扇形の中心角を大きくして生成するステップと、
前記現在地および移動先を、前記記憶手段から読み出した地図データに重ね、さらに前
記扇形の中心点から弧への向きを前記現在地から前記移動先までの方向に合わせて、前記
地図データ上の前記現在地に重ねて表示手段に表示するステップと、
を実行させるためのナビゲーションプログラム。
【請求項8】
現在地を測定する測位手段を備え、サーバ装置に対して双方向通信可能に接続されるナビゲーション装置で実行されるナビゲーションプログラムであって、
前記ナビゲーション装置に、
前記測位手段で測定した現在地および移動先の情報を少なくとも前記サーバ装置に送信するステップと、
前記サーバ装置から前記現在地および移動先に関する地図データを取得するステップと、
前記測位手段の測定精度を半径とし、現在地を中心とする円を地図データ上に設定し、
前記移動先から前記円に2本の接線を設定し、前記移動先における前記2本の接線のなす角度を算出して前記扇形の中心角に設定することで、
前記測位手段による現在地の測定精度に基づいた中心角の扇形の図形を、前記測定精度が高くなるにつれて前記扇形の中心角を小さくして生成し、前記測定精度が低くなるにつれて前記扇形の中心角を大きくして生成するステップと、
前記現在地および移動先を、前記サーバ装置から取得した地図データに重ね、さらに前記扇形の中心点から弧への向きを前記現在地から前記移動先までの方向に合わせて、前記地図データ上の前記現在地に重ねて表示手段に表示するステップと、
を実行させるためのナビゲーションプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、ナビゲーションシステム、ナビゲーション方法およびナビゲーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やスマートフォンなどの携帯機器の性能向上により、これらの機器を歩行者や自転車用のナビゲーション装置として活用するサービスも普及してきた。
例えば、GPS受信機によって現在地を取得し、その現在地から目的地に向かうルートを探索し、そのルートに応じて利用者が進むべき方向に矢印を表示してナビゲーションするナビゲーション装置が知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
特許文献1では、利用者が進むべき方向の誘導は、目的地に向かう矢印を地図上に表示することで行われる。ジャイロセンサーが内蔵された携帯機器であれば、携帯機器の向きに地図の方角を合わせることができる。よって、利用者は、表示された矢印の方向に進むことで目的地に到達できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−91270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、GPS等で取得した現在地は、必ずしも正確であると言えず、誤差が生じることが多い。例えば、仰角の低い衛星から送信される電波は、GPS受信機まで到達する距離が長くなるため、大気の影響を受けて誤差の一因となる。また、ビル等の建物や樹木での電波の反射によるマルチパスの影響で誤差が生じることもある。
このため、測位によって求めた現在地には誤差が生じ、特許文献1のように、取得した現在地から目的地に向けて表示した矢印の方向にも誤差が含まれてしまい、利用者を誤った方向に案内してしまうという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、現在地の測定精度を踏まえた案内を行うことで、利用者に対して適切なナビゲーションを行うことができるナビゲーション装置、ナビゲーションシステム、ナビゲーション方法およびナビゲーションプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のナビゲーション装置は、現在地を測定する測位手段と、前記現在地から移動先に向けた方向表示を扇形の図形を用いて行う方向表示手段と、を備え、前記方向表示手段は、前記測位手段による現在地の測定精度に基づいた中心角の扇形の図形を生成する扇形図形生成部と、前記扇形図形生成部で生成された前記扇形の中心点から弧への向きを、前記現在地から前記移動先までの方向に合わせて、記憶手段から取得した地図上の前記現在地に重ねて表示する扇形図形表示部と、を備え、前記扇形図形生成部は、前記測位手段の測定精度を半径とし、現在地を中心とする円を地図データ上に設定し、
前記移動先から前記円に2本の接線を設定し、前記移動先における前記2本の接線のなす角度を算出して前記扇形の中心角に設定し、前記測位手段の測定精度が高くなるにつれて前記扇形の中心角を小さくし、前記測位手段の測定精度が低くなるにつれて前記扇形の中心角を大きくすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、現在地の測定精度を踏まえた案内を行うことで、利用者に対して適切なナビゲーションを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態のナビゲーション装置の構成を示すブロック図。
図2】前記第1実施形態の方向表示処理を示すフローチャート。
図3】前記第1実施形態の扇形での方向表示処理を示すフローチャート。
図4】前記第1実施形態の扇形の図形の生成方法を説明する説明図。
図5】前記第1実施形態のナビゲーション装置での表示例を示す図。
図6】前記第1実施形態のナビゲーション装置での他の表示例を示す図。
図7】本発明の第2実施形態のナビゲーション装置の構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
第1実施形態のナビゲーション装置1は、携帯電話やスマートフォンのように、利用者が携帯して利用する端末装置である。なお、ナビゲーション装置1は、歩行者用や自転車利用者用の専用のナビゲーション装置であってもよい。
【0011】
[ナビゲーション装置の全体構成]
ナビゲーション装置1は、図1に示すように、現在地情報を取得する測位手段10と、入力手段20と、表示手段30と、制御手段40と、記憶手段50とを備える。制御手段40は、CPU(Central Processing Unit)等で構成される。
【0012】
記憶手段50は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等で構成される。記憶手段50は、OS(Operating System:基本ソフトウェア)や、測位手段10、入力手段20、表示手段30等を制御するプログラムの他、各種アプリケーションソフトウェア(アプリ)や各種データ等が記憶されている。CPUは、記憶手段50に格納されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って各種処理を行う。
【0013】
また、記憶手段50は、地図情報記憶手段51を備える。
地図情報記憶手段51は、地図データが記憶される。この地図データは、地図データを提供するサーバ装置から予めダウンロードなどで入手することができる。地図データを地図情報記憶手段51にダウンロードして記憶しておけば、通信手段12でサーバ装置と通信していない状態でも地図表示が可能になる。
【0014】
[測位手段の構成]
測位手段10は、GPS(Global Positioning System)衛星等から送信される衛星信号を受信するGPS受信手段11を備えている。
また、ナビゲーション装置1は、通話やデータ通信用の通信手段12を備えている。この通信手段12としては、携帯電話通信手段13と、無線LAN通信手段14とを備えている。
携帯電話通信手段13は、携帯電話用の通信規格を利用した通信手段である。無線LAN通信手段14は、Wi-Fi(登録商標)などの無線LANの通信規格を利用した通信手段である。
【0015】
これらの通信手段12は、どの基地局の電波を受信しているのかを解析することで、概略の現在地を測定することもできる。このため、通信手段12も測位手段10として機能する。
すなわち、ナビゲーション装置1は、GPS受信手段11、携帯電話通信手段13、無線LAN通信手段14の3種類の測位手段10を備えている。そして、測位手段10は、GPS受信手段11、携帯電話通信手段13、無線LAN通信手段14のいずれかの測位手段で測位した現在地情報(緯度および経度)を制御手段40に出力する。
【0016】
[測位手段の測定精度]
これらのGPS受信手段11、携帯電話通信手段13、無線LAN通信手段14によって測定される現在地は、各測位の仕組みや受信環境(信号強度)などに影響される測定精度(誤差距離)がある。
このため、測位手段10のGPS受信手段11、携帯電話通信手段13、無線LAN通信手段14は、測定した現在地情報に加えて、その測定時の測定精度(誤差距離)も制御手段40に出力する。表1には、ある場所においてある測定条件で測定した場合の測定精度の一例を示す。
【0017】
【表1】
【0018】
GPS受信手段11の場合、天頂方向の仰角の高い衛星の信号(信号強度の高い信号)を受信できた場合には、測定精度は5m程度に抑えられる。このため、GPS受信手段11は、信号強度が予め設定した閾値以上の信号から現在地を測位した場合のように、比較的測定条件が良い場合には、前記測定精度(誤差距離)が5mとなる場合がある。一方で、測定開始直後や測定条件が悪い場合には、測定精度が50〜100m程度となる場合もある。GPS受信手段11の測定精度は、信号強度等の測定条件によるため、GPS受信手段11は測定条件に応じて測定精度を出力する。
携帯電話通信手段13で現在地を測定する場合も、測定条件によって測定精度が変化する。従って、表1の例では、携帯電話通信手段13による前記測定精度(誤差距離)は100mであったが、測定条件によっては、測定精度がより小さな値になる場合もあり、逆に大きな値になる場合もある。このため、携帯電話通信手段13は、測定条件に応じて測定精度を出力する。
無線LAN通信手段14で現在地を測定する場合も、測定条件によって測定精度が変化する。例えば、比較的多くの基地局が近い距離にあれば、測定精度も高くなり、基地局の数が少なくかつ距離も離れていれば、測定精度は低下する。従って、表1の例では、無線LAN通信手段14による前記測定精度(誤差距離)は15mであったが、測定条件によっては、測定精度がより小さな値になる場合もあり、逆に大きな値になる場合もある。このため、無線LAN通信手段14は、測定条件に応じて測定精度を出力する。
この測定精度は、後述するように、方向表示用の扇形の図形を生成する際に、制御手段40が利用する。
【0019】
[入力手段および表示手段の構成]
入力手段20は、ナビゲーション装置1に設けられたタッチパネルや、音声入力、キーボード、マウスなどであり、少なくとも移動先を入力するものである。
移動先は、最終的な移動先(目的地)に限らず、移動経路中の経由地も含む。すなわち、利用者は、歩行や自転車で移動する移動先を入力する。
この移動先(目的地や経由地)の入力方法としては、表示手段30に地図データを表示し、移動先をタッチ操作などで指定する方法でもよいし、施設名や住所をキー入力や音声入力で入力する方法でもよい。さらに、自宅など予め登録されている地点を選択してもよく、最終的に移動先となる地点の緯度経度の情報が取得できればよい。
表示手段30は、液晶パネル、有機ELパネルなどで構成される携帯電話やスマートフォンで一般的な表示装置が利用できる。
【0020】
[制御手段の構成]
制御手段40は、入力手段20で入力された移動先の情報(移動先の緯度経度データ)を取得する移動先情報取得手段41と、測位手段10を制御して現在地の情報(現在地の移動経度データ)を取得し、さらに、測位手段10から出力される現在地の誤差距離データを取得する現在地情報取得手段42と、現在地から移動先までの直線距離を算出する距離算出手段43と、現在地から移動先に向かう方向を表示する方向表示手段44とを備える。
これらの移動先情報取得手段41、現在地情報取得手段42、距離算出手段43、方向表示手段44は、ナビゲーション装置1にインストールされたナビゲーション用のアプリケーションソフトウェア(アプリ)で実現されている。
【0021】
[方向表示手段の構成]
方向表示手段44は、メッセージ表示部45と、扇形方向表示部46とを備える。
メッセージ表示部45は、後述するように、測位結果が所定の条件の場合に、メッセージを地図上に重ねて表示手段30で表示する。
【0022】
[扇形方向表示部の構成]
扇形方向表示部46は、扇形図形生成部47と、扇形図形表示部48とを備える。
扇形図形生成部47は、前記移動先情報取得手段41および現在地情報取得手段42で取得された移動先、現在地の緯度経度データおよび誤差距離データと、前記距離算出手段43で算出された直線距離とを用いて方向指示用の扇形の図形を生成する。
扇形図形表示部48は、扇形図形生成部47で生成された扇形の図形を地図上に重ねて表示手段30で表示する。
【0023】
[ナビゲーション装置による方向表示処理]
ナビゲーション装置1において現在地から移動先に向かう方向を案内する方向表示処理について、図2,3に示すフローチャートを用いて説明する。
ナビゲーション装置1において、利用者の操作によってナビゲーション用アプリが実行されると、移動先情報取得手段41は、入力手段20によって入力される移動先の情報を取得する(ステップS1)。
【0024】
また、現在地情報取得手段42は、測位手段10を作動して現在地の情報を取得する(ステップS2)。
すなわち、測位手段10は、GPS受信手段11、携帯電話通信手段13、無線LAN通信手段14のいずれかを用いて現在地を測位する。この場合、測位手段10は、所定の順番で測位処理を行う。この測定処理の順番は適宜設定できるが、一例を挙げれば以下の通りである。
まず、測位手段10はGPS受信手段11によって現在地を測位する。この際、測位処理に必要な数(例えば4つ)の衛星信号を捕捉できないなどの理由でGPS受信手段11による測位処理をできない場合には、測位手段10は無線LAN通信手段14による現在地の測位を行う。
また、無線LAN通信手段14がオフ状態であったり、無線LANの基地局からの電波を受信できない場合には、測位手段10は携帯電話通信手段13による現在地の測位を行う。携帯電話通信手段13は、地下や山間部などの携帯電話用電波が届かないエリア以外であれば、殆どの場所で基地局の電波を受信できるため、現在地を測位できる。逆に、山間部などの携帯電話用電波や無線LAN用電波が届かないエリアでは、GPS受信手段11による測位処理が有効である。
なお、前記測位処理の順番は、上記の例に限定されない。また、GPS受信手段11、携帯電話通信手段13、無線LAN通信手段14のいずれかの測位処理での測定誤差が、あらかじめ設定された閾値よりも小さい場合(測定精度が高い場合)には、他の測位手段による測位処理を行わずに完了してもよい。例えば、測位処理における消費電力が小さい携帯電話通信手段13、無線LAN通信手段14、GPS受信手段11の順番で測位処理を行い、携帯電話通信手段13による測位処理や、無線LAN通信手段14による測位処理で測定精度が高い現在位置を取得できた場合には、それ以降の測位処理を行わずに終了してもよい。
【0025】
そして、現在地情報取得手段42は、測位手段10から現在地の情報(緯度経度データ)と誤差距離データとを取得する。
【0026】
次に、距離算出手段43は、現在地の緯度経度データと、移動先の緯度経度データを用いて、現在地から移動先までの直線距離(地点間距離)を算出する(ステップS3)。
方向表示手段44は、現在地情報取得手段42で取得した誤差距離と、距離算出手段43で算出した地点間距離を比較し、地点間距離が誤差距離より大きいかを判定する(ステップS4)。
【0027】
方向表示手段44は、地点間距離が誤差距離以下であり、ステップS4で「No」と判定すると、メッセージ表示部45を作動してメッセージ表示処理を実行する(ステップS5)。
すなわち、メッセージ表示部45は、誤差距離があらかじめ設定された閾値(例えば50m)以下の場合には、「目的地周辺です」というメッセージを表示する。
また、メッセージ表示部45は、ステップS4で「No」と判定された場合に、誤差距離があらかじめ設定された閾値(例えば50m)以上の場合には、「測定誤差が大きいためにナビゲーションできません」といったメッセージを表示する。
【0028】
[扇形方向表示]
方向表示手段44は、地点間距離が誤差距離より大きく、ステップS4で「Yes」と判定すると、扇形方向表示部46を作動して扇形での方向表示処理を実行する(ステップS10)。
図3に、扇形方向表示部46による扇形での方向表示処理S10のフローチャートを示す。
扇形方向表示部46の扇形図形生成部47は、図4に示すように、測位手段10で測定した現在地を中心点とし、測位手段10から取得した測定精度(誤差距離)を半径とした円を地図データ上に設定する(ステップS11)。
【0029】
図4では、スタートを意味する「S」のマークで、GPS受信手段11が測位した現在地100を示し、半径がGPS受信手段11の誤差距離R101の円101を実線で示す。
また、図4では、無線LAN通信手段14で測位した場合の円102を一点鎖線で示し、携帯電話通信手段13で測位した場合の円103を二点鎖線で示す。なお、これらの誤差距離の円101,102,103は、前述した表1の場合の例であり、各円の半径は測定条件などによって変化する。
【0030】
次に、扇形図形生成部47は、地図データにおいて、移動先情報取得手段41で取得した移動先110を設定する。図4では、ゴールを意味する「G」のマークで、移動先110を示している。そして、扇形図形生成部47は、移動先110から前記円101に二本の接線121、122を引く(ステップS12)。
そして、扇形図形生成部47は、地図データ上に設定された前記二本の接線121、122がなす角度αを算出する(ステップS13)。
【0031】
扇形図形生成部47は、前記角度αを中心角とし、前記距離算出手段43で算出された現在地100および移動先110間の直線距離(地点間距離)を半径とする扇形131の図形を生成する(ステップS14)。
【0032】
扇形図形表示部48は、扇形図形生成部47で生成された前記扇形131の中心を、現在地100に合わせ、前記扇形131の中心角αの二等分線を前記移動先110に合わせて地図データ上に重ね、表示手段30に地図データと共に表示する(ステップS15)。
【0033】
このように、扇形131の図形は、測位手段10の誤差距離と、地点間距離によって、中心角および半径が設定される。例えば、図4に示すように、現在地100および移動先110が同じ場合でも、測位手段10の誤差距離に基づく半径がR102である円102であれば、中心角βの扇形132となり、半径がR103である円103であれば、中心角γの扇形133となる。
すなわち、現在地および移動先が同じ場合、測位手段10の誤差距離がR101<R101<R103と大きくなると、方向表示用の扇形131〜133の中心角もα<β<γと大きくなる。
また、中心角は移動先110から誤差距離を半径とする円に引かれた接線121,122のなす角度であるため、誤差距離が同じであれば、地点間距離が短いほど大きくなり、長いほど小さくなる。
従って、地図上に表示される扇形の形状(中心角および半径)を見ることで、利用者は現在地の誤差および地点間距離を直感的に把握できる。
【0034】
なお、扇形図形表示部48は、表示手段30に表示されている地図の縮尺に合わせて扇形の図形サイズを変更する。すなわち、表示手段30に現在地から移動先までの地図が表示されている場合には、扇形図形表示部48は扇形の図形の中心を現在地に合わせ、中心角の二等分線が円弧と交わる点を移動先に合わせて表示する。また、表示手段30に、現在地または移動先の一方のみが表示されている場合や、両方とも表示されていない場合は、扇形図形表示部48は、現在地および移動先を結ぶ線分上に、前記扇形の中心角の二等分線が重なるようにして、表示手段30に表示されている範囲に前記扇形の図形を表示する。
【0035】
図5には、扇形図形表示部48によって方向表示用の扇形135が地図データに重ねられた方向表示用地図M1が、表示手段30に表示されたナビゲーション装置1の例を示す。
図5の例では、扇形135の中心角が大きいため、現在地の誤差距離が比較的大きく、かつ、地点間距離が比較的短いことが分かる。従って、利用者は、地図M1上に示す現在地100が現実の位置とずれている可能性がある点を把握し、扇形135で示される中心角の範囲の方向に進むべきことを判断できる。
【0036】
図6には、現在地の誤差距離は図5の場合と同じであるが、現在地100および移動先110間の地点間距離が長い場合の方向表示用地図M2を示す。なお、図6には、比較のために、図5の扇形135を点線で示す。地図M2は、地図データ上に、進行方向を表示する扇形136を重ねて表示手段30に表示している。
現在地の誤差距離に比べて地点間距離が長いと、進行方向を算出する際に、現在地の誤差の影響は相対的に小さくなる。すなわち、現在地の誤差が100mと大きい場合でも、前記地点間距離が2kmなどと誤差距離に比べて大きい場合、100m離れた2点から移動先に向かう方向の角度の差は小さい。従って、誤差範囲の影響が軽減し、図6に示す扇形136の中心角も扇形135に比べて小さくなる。
【0037】
[第1実施形態の作用効果]
以上の第1実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
現在地を測定する測位手段10の誤差距離を把握し、地点間距離が誤差距離より大きい場合に、扇形方向表示部46を用いて扇形の図形で移動先の方向を表示している。このため、従来のように、矢印で移動先の方向を表示する場合に比べて、道に迷う可能性を低減できる。
すなわち、現在地の測定に誤差が含まれており、現在地が実際の位置と異なる場合、ナビゲーション装置1が矢印で表示する方向が誤っている可能性がある。この場合、利用者は、ナビゲーション装置1が方向を明確に指示するため、その指示方向が正しいと考えて、その指示方向通りに移動する可能性が高い。このため、利用者は、誤った案内方向に沿って移動してしまい、移動先に到達できない虞がある。
これに対し、本実施形態では、矢印ではなく扇形の図形で移動方向を表示する。このため、利用者は、現在地の測定に誤差が含まれており、現在地が実際の位置と異なる可能性がある点を把握できる。従って、利用者は、扇形の円弧の範囲(中心角の範囲)に移動先があるが、具体的な方向は特定できない点を理解して進むため、移動先の方向を自分自身で判断しながら注意深く移動する。すなわち、利用者は、矢印で方向が表示されている場合には、自分自身で方向を判断することなく指示された方向に進むため、指示が誤っていれば道に迷う可能性が高い。一方、本実施形態では、移動先の方向を扇形の図形で表示しているので、少なくとも誤った方向を情報として提示することがない。このため、利用者は自分自身で進行方向を判断する際に、誤った情報に基づく判断は行わないため、結果的に移動先に到達できる可能性も高まる。
【0038】
また、前記扇形の図形は、現在地の測定精度(誤差距離)が高いほど、中心角が小さくなり、測定精度が低いほど中心角が大きくなる。このため、利用者は、扇形の中心角によって現在地の測定精度を把握できる。このため、利用者がより測定精度が高い測位処理が必要であると判断した場合に、誤差距離の小さいGPS受信手段11を用いて再度測位すれば、正しい移動方向を容易に把握することもできる。従って、方向感覚が弱い利用者であっても、測定精度の高い測位手段10を用い、中心角が小さい扇形の図形で方向が指示されてから移動すれば、迷わずに移動先に到達することができる。
【0039】
さらに、本実施形態では、誤差距離だけでなく地点間距離も用いて扇形の図形を生成するため、現在地の誤差距離が同じ場合でも、移動先までの距離によって扇形の中心角を変更している。このため、扇形の図形で移動先の方向を適切に指示できる。
【0040】
また、本実施形態では、地点間距離が誤差距離以下の場合には、メッセージ表示を行うため、状況に応じて適切な表示を行うことができる。すなわち、現在地から移動先までの距離が誤差距離以下の場合であり、その誤差距離が所定値以下の場合には、現在地が目的地の近くにあると推測できるため、「目的地周辺です」とメッセージして通知すればよい。一方で、誤差距離が所定値よりも大きい場合には、適切なナビゲーションが行えないため、その旨を表示することで、誤った情報でナビゲーションすることを防止できる。従って、状況に応じて適切な表示を行うことができる。
【0041】
また、扇形図形生成部47は、図3に示す処理によって扇形の図形を生成しているので、誤差距離に基づく円の設定、移動先から前記円に対する接線の設定、接線のなす角度の検出、地点間距離の検出といった簡単な処理で扇形の図形を生成することができる。従って、スマートフォンや携帯電話で動作するアプリで、扇形図形生成部47や扇形図形表示部48を実現できる。
さらに、誤差距離に基づく円に対して、移動先から接線を引いて中心角を求めているので、地点間距離も考慮した扇形の図形を生成でき、利用者に対して適切な方向を指示できる。
【0042】
さらに、ナビゲーション装置1は、地図データを地図情報記憶手段51に記憶しているので、通信手段12でサーバ装置に接続することなく、方向表示用地図M1、M2を表示手段30に表示できる。このため、通信手段12を常時作動させて通信する必要が無く、消費電力を低減できてナビゲーション装置1の作動持続時間を長くできる。さらに、山間部などの携帯電話用電波や無線LAN用電波が届かない場所でも、地図データを表示してナビゲーションを行うことができ、登山用のナビゲーション装置1としても有効である。
【0043】
[第2実施形態]
第2実施形態は、地図データをナビゲーション装置の記憶手段50にダウンロードして記憶するのではなく、サーバ装置7から配信される地図データを受信して表示する点が第1実施形態と相違する。このため、第2実施形態は、サーバ装置7と通信しながらナビゲーション装置1Aを利用するナビゲーションシステム200である。
【0044】
第2実施形態のナビゲーションシステム200は、サーバ装置7と、サーバ装置7にインターネット8を介して双方向通信可能に接続された端末装置であるナビゲーション装置1Aとを備える。
【0045】
サーバ装置7は、地点情報取得手段71と、地図情報送信手段72と、地図情報記憶手段73とを備える。地図情報記憶手段73は、地図データが記憶されている。
地点情報取得手段71は、ナビゲーション装置1Aの通信手段12から送信される移動先や現在地の地点情報を、インターネット8を介して取得する。
地図情報送信手段72は、地点情報取得手段71で取得した地点情報の地図データを、地図情報記憶手段73から読み出してナビゲーション装置1Aに送信する。
【0046】
ナビゲーション装置1Aは、前記第1実施形態のナビゲーション装置1と比較して、制御手段40に地図情報取得手段49が追加されている点と、記憶手段50の地図情報記憶手段51が地図情報一時記憶手段52に変更されている点が相違する。その他の構成は、ナビゲーション装置1と同じであるため説明を省略する。
【0047】
地図情報取得手段49は、入力手段20で入力されて移動先情報取得手段41で取得された移動先の情報(緯度経度データ)と、測位手段10で測位されて現在地情報取得手段42で取得された現在地の情報(緯度経度データ)とを、前記通信手段12を用いてサーバ装置7に送信する。
そして、地図情報取得手段49は、サーバ装置7の地図情報送信手段72から送信される地図データを取得して、前記地図情報一時記憶手段52に記憶する。
さらに、地図情報取得手段49は、入力手段20の操作によって、表示手段30に表示される地図のエリアが移動された場合など、地図情報一時記憶手段52に一時的に記憶された地図データ以外の地図データが必要な場合には、サーバ装置7から地図データを受信して地図情報一時記憶手段52に記憶し、表示手段30に表示する。
【0048】
このように、第2実施形態のナビゲーションシステム200のナビゲーション装置1Aは、地図データをサーバ装置7から取得する処理が追加される以外は、前記第1実施形態と同じ処理を実行する。
【0049】
また、サーバ装置7は、ナビゲーション装置1Aの地図情報取得手段49からのリクエストで地図データを地図情報記憶手段73から読み出して送信する処理を行う以外は、一般的なサーバ装置と同様の処理を行う。
【0050】
[第2実施形態の作用効果]
以上の第2実施形態においても、前記第1実施形態と同じ作用効果を奏することができる。
さらに、地図情報一時記憶手段52に記憶される地図データは、一時的に記憶されるいわゆるキャッシュデータであり、現在地から移動先までの必要最小限の地図データのみを一時的に保管すればよい。このため、地図情報一時記憶手段52の記憶容量を小さくできてコストも低減できるとともに、サーバ装置7の地図情報記憶手段73に記憶される地図データを最新版に更新しておけば、ナビゲーション装置1Aにおいても常に最新の地図データを利用できる利点がある。
【0051】
[変形例]
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で、以下に示される変形をも含むものである。
例えば、ナビゲーション装置1、1Aに、加速度センサーやジャイロセンサーなどを設け、ナビゲーション装置1、1Aが移動したことを検知した場合には、検知した移動データに基づいて現在地を更新してもよい。この場合、方向表示手段44は、現在地の移動に連動して、方向を示す扇形の図形も移動すればよい。
このように構成すれば、利用者が移動した場合に、その移動に連動してリアルタイムに移動方向を表示できる。また、加速度センサーなどで移動を検出できるので、測位手段10による現在地の測位処理は、30分や1時間など、ある程度の時間間隔で実行すればよく、その分、電力消費を低減できる。
【0052】
また、加速度センサーやジャイロセンサーを備える場合に、測位手段10による測位結果によって前回測位した位置から移動したことが検出された場合でも、加速度センサーやジャイロセンサーでは移動を検知していない場合や、逆に測位手段10による測位結果の移動量が、加速度センサーやジャイロセンサーで検知された移動量に比べて誤差が大きいと判断した場合、方向表示手段44は、測位手段10の測位結果に含まれる誤差が大きいと判断してその測位結果を用いないようにすることが好ましい。一方、測位結果の誤差が小さい場合、その測位結果を現在地として前記第1,2実施形態と同じ処理を行い、扇形の方向表示を行えばよい。
【0053】
さらに、利用者が移動しながら測位手段10で現在地情報を取得した際に、その誤差距離や移動先への向きが変化した場合には、扇形の図形を変化させてリアルタイムに反映してもよい。このようにリアルタイムに扇形の図形の形や向きを変化させることで、移動方向および方角の指示精度を同時に表現することができる。
【0054】
前記実施形態の扇形図形生成部47は、図3に示す処理で扇形の図形を生成していたが、扇形の生成方法は前記実施形態に限定されない。例えば、前記実施形態では、地点間距離によって扇形の半径を設定していたが、扇形の半径は地点間距離に限らず、表示手段30に表示される地図の縮尺等によって変化させても良い。
さらに、扇形の半径は、地点間距離に限らず、一定にしてもよい。例えば、測位手段10による測位処理を一定間隔で行っている場合に、その処理間隔に応じた利用者の移動量に合わせて扇形の半径を設定してもよい。例えば、時速4kmで歩行している場合に、10分毎に測位処理を行うとすれば、処理間隔(10分)の間に約667m移動する。この場合、前記扇形の半径を約667mに設定してもよい。
ただし、扇形の半径を地点間距離に応じて設定、つまり地点間距離が大きくなるに従って扇形の半径を大きくすれば、利用者は扇形の図形によって地点間距離も把握できる利点がある。特に、前記実施形態のように、扇形の半径を地点間距離に設定すれば、測定精度が高く、地点間距離が大きな移動先に対しては、扇形の中心角も小さいため、スポットを指しているイメージで表示でき、利用者が移動先を把握しやすい利点がある。
【0055】
また、扇形の中心角の求め方も、誤差距離の円を設定し、移動先から引いた二本の接線のなす角度で求める方法に限定されない。例えば、誤差距離が大きくなるにしたがって中心角が大きくなり、誤差距離が小さくなるにしたがって中心角が小さくなるように、誤差距離と中心角との関係を予め設定しておいてもよい。
【0056】
前記第2実施形態では、ナビゲーション装置1Aに扇形方向表示部46を設けていたが、サーバ装置に扇形方向表示部を設けてよい。すなわち、ナビゲーション装置から移動先、現在地および測定精度の各情報をサーバ装置に送信し、サーバ装置側でこれらの情報から扇形の図形を生成して地図データに重ねた方向表示用地図を作成し、ナビゲーション装置はサーバ装置から送信される方向表示用地図を表示するものでもよい。
【0057】
また、ナビゲーション装置1、1Aにカメラを設け、カメラで撮影された画像に、メッセージ表示部45や扇形方向表示部46による表示を重ねて表示する拡張現実(AR:Augmented Reality)を実現する手段を追加しても良い。
【符号の説明】
【0058】
1、1A…ナビゲーション装置、10…測位手段、20…入力手段、30…表示手段、40…制御手段、41…移動先情報取得手段、42…現在地情報取得手段、43…距離算出手段、44…方向表示手段、45…メッセージ表示部、46…扇形方向表示部、47…扇形図形生成部、48…扇形図形表示部、49…地図情報取得手段、50…記憶手段、51…地図情報記憶手段、52…地図情報一時記憶手段、7…サーバ装置、71…地点情報取得手段、72…地図情報送信手段、73…地図情報記憶手段、200…ナビゲーションシステム。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7