(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
服用量注入手段(50;250;350;450;550)を支持する、及び/または、当該服用量注入手段(50;250;350;450;550)を収容するためのケーシング手段(5;205;305;405;505)が設けられた服用量注入ユニット(2;202;302;402;502)と、
取付状態(A)において前記服用量注入ユニット(2;202;302;402;502)を支持すると共に係止するための、充填装置に結合可能な支持手段(40)と、
前記ケーシング手段(5;205;305;405;505)に結合され、第一方向(X)に沿って前記支持手段(40)のガイド手段(41)に対して摺動的に挿入可能または分離可能な連結手段(60)と、
を備え、
前記支持手段(40)は、前記取付状態(A)において前記連結手段(60)を前記案内手段(41)に係止するための固定手段を有し、
前記服用量注入手段(50;250;350;450;550)は、第一軸(W1)に沿って直線的に可動であり、及び/または、当該第一軸(W1)を中心に回転可能である作動手段を有しており、
前記作動手段は、前記充填装置に結合される運動手段(101)に連接可能であり、且つ、当該運動手段(101)によって駆動されることが可能であり、
規定された線形位置及び角度位置において前記作動手段を前記ケーシング手段(5;205;305;405;)に取外可能に係止し、組付状態(R)において前記服用量注入ユニット(2;202;302;402;502)を保持するための係止手段(70;270;370;470)を備えている
ことを特徴とする装置。
前記ケーシング手段(5;205)は、前記服用量注入ユニット(2;202)が操作者によって容易に把持され取扱われることを可能にするべく、把持部分(52a;252a)を含んでいる
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の装置。
第二方向(Y)に沿った予め定められた固定力で、前記複数の固定要素(42、43)を押圧して各々の連結ノッチ(62、63)に当接させるべく配置された押圧手段(44、45)を備え、
前記第二方向(Y)は、前記第一方向(X)に対して横向きである
ことを特徴とする請求項5に記載の装置。
前記固定手段は、前記ガイド手段(41)の第一開口(47)及び第二開口(48)にそれぞれ摺動的に挿入される第一固定要素(42)及び第二固定要素(43)を含んでおり、
前記第一開口(47)及び前記第二開口(48)のうちの1つは、各々の固定要素(43)が前記第一方向(X)に沿って移動することを可能にするように成形されている
ことを特徴とする請求項5または6に記載の装置。
前記複数の固定要素(42、43)は、前記服用量注入ユニット(2;202;302;402;502)を前記支持手段(40)に係止するように実質的に環状となっている各々の接触面(65、66)に沿って、対応する連結ノッチ(62、63)に当接する
ことを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の装置。
前記服用量注入手段(50;250;350;450;550)は、容積式ピストンポンプ、ぜん動性のポンプ、膜板あるいは膜ポンプ、時間−圧力式服用量注入システム、流量制御の服用量注入システム、流量計の服用量注入システム、粉状物あるいは粒状物用の容積式服用量注入システムのうちの1つを有している
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の装置。
前記作動手段は、前記ケーシング手段(5)の注入口(82)から所望の量の液体を引き込んで、前記ケーシング手段(5)の排出口(83)に前記所望の量の液体を誘導するべく、前記ケーシング手段(5)の服用量注入チャンバ(4)内で、第一軸(W1)に沿って直線的に可動であり且つ前記第一軸(W1)を中心に回転可能であるピストン手段(3)を有している
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
前記運動手段(101)は、前記第一軸(W1)を中心に前記作動手段を回転させるべく配置された第一運動手段(201)、及び/または、前記第一軸(W1)に沿って前記作動手段を直線的に移動させるべく配置された第二運動手段(301)を有している
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
前記係止手段(70;270370;470)は、前記ケーシング手段(5;205;305;405)の第一ハウジング(71;271)内に摺動的に装着され、前記組付状態(R)において前記作動手段内に形成された第二ハウジング(73;273)と係合するように可動である係止ピン(77;277)を含んでいる
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
前記係止手段(70;270;370;470)は、前記ケーシング手段(5;205;305;405)の第一ハウジング(71;271)内に摺動的に取付られ、前記組付状態(R)において前記作動手段内に形成された第二ハウジング(73)と係合するように可動である係止ピン(77;277)を含んでいる
ことを特徴とする請求項16乃至18のいずれかに記載の服用量注入ユニット。
前記係止手段(70;270370;470)は、前記係止ピン(77;277)に横方向に固定され、前記取付状態(A)において前記駆動手段(76)の駆動軸(74)と係合するべく配置された駆動ピン(75;275)を有している
ことを特徴とする請求項20に記載の服用量注入ユニット。
前記作動手段は、前記ケーシング手段(5)の注入口(82)から所望の量の液体を引き込んで、前記ケーシング手段(5)の排出口(83)に前記所望の量の液体を誘導するべく、前記ケーシング手段(5)の服用量注入チャンバ(4)内で、第一軸(W1)に沿って直線的に可動であり且つ当該第一軸(W1)を中心に回転可能であるピストン手段(3)を有している
ことを特徴とする請求項16乃至21のいずれかに記載の服用量注入ユニット。
前記作動手段は、前記服用量注入手段(250;350;450)を直線的に及び/または回転可能に動かすために、運動手段(101)に連接可能な軸(203;303;403)を有している
ことを特徴とする請求項16乃至21のいずれかに記載の服用量注入ユニット。
前記服用量注入手段(50;250;350;450;550)は、容積式ピストンポンプ、ぜん動性のポンプ、膜板あるいは膜ポンプ、時間−圧力式服用量注入システム、流量制御の服用量注入システム、流量計の服用量注入システム、粉状物あるいは粒状物用の容積式服用量注入システムのうちの1つを有している
ことを特徴とする請求項16乃至21のいずれかに記載の服用量注入ユニット。
【背景技術】
【0001】
本発明は、ボトル、小型容器、アンプル及びこれらの類似物のような容器内に、予め定められた精密な量の製品を投与するための自動充填装置に結合可能な装置及び服用量注入ユニットに関する。
【0002】
製薬(調剤)、美容及び食品分野において、服用量で入れられる製品の機能の点に関して異なるタイプの服用量注入装置を充填するための充填装置を利用することが知られている。
【0003】
流体製品については、容積式ピストンポンプ、ぜん動性のポンプ、膜板ポンプ、時間−圧力式服用量注入システム、流量計の服用量注入システム、及び流量制御計の服用量注入システムが一般に利用されている。
【0004】
服用量注入装置の選定は、服用量で入れられる製品、服用量で入れる体積、服用量で入れる精度及び正確さ、及び、充填処理の衛生及び殺菌の要求からなる化学的及び物理的特性のような、複数の要因に依存する。例えば、ポンプの構成要素と接触するようになってはならない液体製品の場合には、典型的には汚染を回避するべく、ぜん動性のポンプ、膜板ポンプまたは時間−圧力式服用量注入システムが利用されている。より高濃度で、及び/または、粘性のある液体製品の場合には、ピストンポンプが好ましいとされている。
【0005】
充填装置には、粉状または粒状製品用の服用量注入装置も設けられ得る。
【0006】
前記服用量注入装置は、一般的に充填装置内に収容された、運動手段によって駆動される。運動手段は、典型的には回転運動及び/または直線運動のような要求される運動を、服用量注入装置の服用量注入手段に提供する。服用量注入手段と運動手段とは、駆動軸及びピストンを有する作動手段によって連接されている。
【0007】
容積式ピストンポンプにおいて、服用量注入手段は、液体製品の規定体積を吸込んでそれから投与するべく、服用量注入チャンバ(空洞)内で運動手段によって往復運動により直線的に駆動されるピストンを有している。ピストンが切換バルブとしても作用するポンプにおいては、前記ピストンは、服用量注入チャンバを供給管及び配送管に選択的に連通させるべく、当該ピストンの長手方向軸を中心として運動手段によって更に回転される。
【0008】
膜板ポンプにおいては、服用量注入手段は、服用量注入チャンバを閉鎖し、駆動軸を利用して運動手段によって往復運動により直線的に移動させられる弾性薄膜を有している。
【0009】
ぜん動性ポンプにおいては、服用量注入手段は、自身の内部を流体が占める可撓性チューブを圧搾するべく、各々の駆動軸を用いて運動手段によって連続的に回転させられるロータからなる。チューブを選択的に圧搾することで、流体がチューブの内部を進んでいく。
【0010】
粉状製品用の服用量注入装置においては、服用量注入手段は、各々の駆動軸を用いて運動手段によって往復運動により回転させられる服用量注入ドラムまたはホイールを有している。
【0011】
服用量注入装置は、運動手段への連接も可能な適切な支持構造によって充填装置に固定されている。既知の支持構造は、服用量注入装置に対する精密で堅固な支持を確実にするが、専門化した操作者を必要とする、労力を要し複雑な取付及び取外作業を課す。服用量注入装置が防腐性のまたは無菌の環境下で作動する充填装置に結合されていて、グローブ(「グローブポート」)が設けられた開口だけを通じて製品のパッケージングが行われる処理領域にアクセス可能にさせる収容室が、設けられている際であっても、これらの作業は、複雑で不便である。
【発明の概要】
【0012】
各服用量注入装置が特有の支持構造を要求する場合、可能性のある、あるタイプの服用量注入装置を別のタイプの服用量注入装置への置換えは、同一の充填装置においては一般に可能ではない、あるいは複雑で長い適合及び配置作業の後にのみ可能である。
【0013】
信頼できる製品順応性を提供するべく、いくつかの充填装置には、服用量で入れられる製品に応じて選択的に利用され得る複数の異なる服用量注入装置が設けられている。そのような装置は、それにもかかわらず複雑で高価である。
【0014】
既知の服用量注入装置の1つの欠点は、服用量注入手段の作動手段、すなわち駆動軸及びピストンが、一旦運動手段から解放されてしまうと−例えば搬送中や装置の取付/取外作業中に−拘束されない状態のままとなり、自由に回転運動及び/または直線運動して、これにより、上述したような服用量注入手段の制御されず規定されない運動を引き起こし得るという事実である。従って、服用量注入装置を充填装置に取付けるある工程において、服用量注入手段及び/または運動手段のための適合工程及び/または調整工程が必要不可欠である。そして、当該工程は、一般に極めて労力を要し時間も長くかかる。
【0015】
容積式服用量注入ポンプの場合には、ピストンが運動手段から取外されると、ピストンは、損傷及び/または汚染されるリスクを有しながら、服用量注入チャンバから解放されて服用量注入チャンバを抜出す場合さえもある。このように、ピストンが服用量注入チャンバ内で手動で保持されなければならない場合、既知の容積式服用量注入ポンプを組付ける及び取外すための作業は、少なくとも2人の専門の操作者の使用を必要とし、特に複雑で時間も長くかかる。
【0016】
本発明の1つの目的は、充填装置に結合可能な装置及び服用量注入ユニットを改良することである。
【0017】
他の目的は、服用量注入ユニットと、充填装置に結合可能な支持及び係止手段と、を備え、服用量注入ユニットが、例えば類似のタイプまたは別のタイプの服用量注入ユニットと置換えられることを許容するために、容易で素早く取付けられ取外されることを可能にするような服用量注入装置を作ることである。
【0018】
更なる目的は、服用量注入ユニットと、支持及び係止手段と、を備え、支持及び係止手段が、取付作業状態において、服用量注入ユニットを精密で堅固に位置決めすることを確実にする服用量注入装置を作ることである。
【0019】
更に他の目的は、操作者の手動介入を要求することなく、充填装置に設けられた運動手段に対して自動で連接されるまたは取外されるべく配置された服用量注入ユニットを備える服用量注入装置を作ることである。
【0020】
別の更なる目的は、服用量注入手段を支持する及び/または収容するためのケーシング手段を備え、服用量注入手段には、作動手段が設けられており、当該作動手段は、誤ってケーシング手段から分離されることを防止されると共に、服用量注入ユニットが所望の位置で固定された状態を保持することができるように、ケーシング手段に予め定められた線形位置及び角度位置で係止され得る、という服用量注入ユニットを作ることである。
【0021】
本発明の第一の特徴において、請求項1による服用量注入ユニットが提供される。
【0022】
本発明の服用量注入装置によれば、素早く容易であると共に精密で堅固な態様で、特に充填装置に結合可能な各々の支持手段に、服用量注入ユニットを掛止及び係止することが可能である。同時に、操作者の手動介入を要求することなく、これゆえに短縮された不稼働時間及び取付の際における低い誤りのリスクをもって、完全に自動な態様において、服用量注入ユニットを充填装置の運動手段に連接可能である。
【0023】
取付作業は、1人だけの操作者によって行われ得り、支持手段のガイド手段の形状及び寸法と服用量注入ユニットの連結手段とにより特に容易に行われる。服用量注入ユニットが所望の位置に到達された際に、操作者による手動介入を必要とすることなく、押圧要素によって駆動される支持手段の固定手段が、自動で係止されることを可能にする。服用量注入ユニットを支持手段から取外すための作業は、連結手段を案内手段から手動で取出すことを伴うが、同様に容易で素早いものである。
【0024】
本発明の第二の特徴において、請求項18による服用量注入ユニットが提供される。
【0025】
第一軸に沿って直線的に駆動可能である、及び/または、当該第一軸を中心に回転駆動可能である作動手段が設けられた服用量注入手段を支持する及び/または収容するのに適したケーシング手段が設けられた本発明の服用量注入ユニットによれば、取外し(復元)可能な態様で規定された線形位置及び角度位置において服用量注入手段を係止し、組付状態で服用量注入ユニットを保持することが可能となる。特に、服用量注入ユニットに設けられた係止手段により、容積式ピストンポンプの場合にはピストンを有し、ぜん動性のポンプ、膜板あるいは膜ポンプ、粉状物あるいは粒状物用の容積式服用量注入器の場合には駆動軸を有する作動手段が係止され得る。
【0026】
係止手段は、ケーシング手段内に形成された第一ハウジング内に摺動的に取付けられ、組付状態において作動手段内に形成された第二ハウジングと係合するように可動である係止ピンを含んでいる。係止ピンは、充填装置の駆動手段によって自動で駆動され得る、あるいは、操作者によって手動で駆動され得る。
【0027】
係止手段は、(例えば容積式ピストンポンプの場合にはピストンを有し、ぜん動性のポンプの場合には駆動軸を有する)作動手段が服用量注入手段に拘束された状態を維持し、これにより前記作動手段が誤って好ましくなく取外されることを防ぐことに留意されるべきである。このような態様の場合、服用量注入ユニットを取付ける及び取外す作業が、簡略化され、ただ1人の操作者によって行われ得る。操作者は、既知の容積式ポンプでたいてい生じるような、例えばピストンのような作動手段を支持することについても懸念することなく、ケーシング手段の把持部分によって服用量注入ユニットを支持でき、服用量注入ユニットを充填装置に対して固定または取外しできる。
【0028】
服用量注入手段が、組付状態において規定された角度位置及び/または線形位置で係止手段によって保持されるので、既知の服用量注入ユニットでたいてい生じるような、服用量注入装置を充填装置に取付けて始動する工程において、労力を要する適合及び/または調整作業を行う必要はない。更に、作動手段によって服用量注入ユニットを運動手段に自動で連接することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は、例として制限されない実施の形態を図示した添付の図面を参照して、よりよく理解され補われ得る。
【0031】
図1は、取付状態における本発明の服用量注入装置の部分断面正面図である。
図2は、
図1における装置の支持手段の部分側面図である。
図3は、
図1における線III−IIIに沿った断面である。
図4は、取付状態において支持手段に結合された服用量注入ユニットを示す、
図1における装置の部分拡大図である。
図5は、服用量注入ユニットの運動手段の概略部分断面正面図である。
図6は、服用量注入ユニットの他の実施の形態の部分断面正面図である。
図7は、服用量注入ユニットの更なる実施の形態の部分断面正面図である。
図8は、服用量注入ユニットの他の実施の形態の部分断面正面図である。
図9は、服用量注入ユニットの更に別の実施の形態の部分断面正面図である。
【0032】
図1乃至4を参照すると、服用量注入ユニット2と、取付状態Aにおいて服用量注入ユニット2を支持すると共に係止するべく配置された支持手段40と、を備える、充填装置に結合可能な服用量注入装置1が図示されている。特に、支持手段40は、例えば充填装置の基部102の外壁102aに固定可能である。
【0033】
服用量注入ユニット2は、所定量の製品、特に所定量の製薬製品を容器内に投与するための服用量注入手段50と、服用量注入手段50を支持し、及び/または、当該服用量注入手段50を収容し、服用量注入ユニット2を支持手段40に取外し可能に連接するケーシング手段5と、を備えている。服用量注入手段50には、充填装置の運動手段101に連接可能な作動手段3が設けられている。
【0034】
服用量注入手段は、それに制限されない例として、容積式ピストンポンプ、ぜん動性のポンプ、膜板あるいは膜ポンプ、時間−圧力式の服用量注入システム、流量制御の服用量注入システム、流量計の服用量注入システム、粉状物用の容積式服用量注入器等のような、製薬及び/または食品分野において利用される多数の既知の服用量注入装置及びシステムのいかなるものも含むことができる。
【0035】
図1乃至4に図示されている実施の形態において、服用量注入手段50は、特に容積式ポンプを含んでいる。当該容積式ポンプにおいて、作動手段が、ケーシング手段5の注入口82から所望の量の液体を引き込んで、ケーシング手段5の排出口83に当該所望の量の液体を誘導するべく、ケーシング手段5の服用量注入チャンバ4内で第一長手方向軸W1に沿って直線的に可動で、当該第一長手方向軸W1を中心として回転可能なピストン手段3を有している。
【0036】
装置1は、更に、取付状態Aにおいて、ピストン手段3の第一端部6を運動手段101に取外し可能に連接するための接合手段10を備えている。運動手段101は、ピストン手段3を直線的に移動及び回転させるべく配置されている。
【0037】
ピストン手段3の第一端部6は下端部であり、それゆえに服用量注入ユニット2は運動手段101によって下方から駆動される。
【0038】
ピストン手段3は、ピストンバルブタイプであり、第二端部7を含んでいる。第二端部7は、第一端部6の反対にあり、服用量注入チャンバ4内で摺動可能で、注入口82ないし排出口83に服用量注入チャンバ4を連通させる切換手段9が設けられている。運動手段101によって駆動されるピストン手段3は、引込ないし内部位置と伸張ないし外部位置との間で第一軸W1に沿って往復直線運動で移動できる。ピストン手段3は、切換手段9が服用量注入チャンバ4を注入口82に連通させる吸入位置と、切換手段9が服用量注入チャンバ4を排出口83に連通させる配送位置と、の間で第一軸W1を中心とした回転運動で動くことができる。
【0039】
ケーシング手段5は、自身の内部に服用量注入チャンバ4が形成され、実質的に円筒状の形状を有する内部管状要素51と、接合手段10が通り抜けることができるように別個の開口56が設けられた下部空洞53を形成するように、内部管状要素51の下方に延在し、内部管状要素51を覆っている外部カバー要素52と、を含んでいる。
【0040】
カバー要素52は、後述の発明の詳細な説明内で説明されるように、特に装着/取外し工程中に、服用量注入ユニット2が操作者によって容易に把持されて取扱われることを可能にするべく、取手状の把持部分52aを更に有している。
【0041】
服用量注入チャンバ4は、実質的に円筒状の形状を有しており、内部管状要素51の全長に亘って長手方向に延びている。服用量注入チャンバ4は、異なる直径及び長さを有する下部(底部)服用量注入チャンバ4aと上部服用量注入チャンバ4bとを含んでいる。特に、下部服用量注入チャンバ4aは、上部服用量注入チャンバ4bの直径より大きい直径を有している。上部服用量注入チャンバ4bは、注入口82を介して、服用量で入れられる製品の供給巡回路に流動的に接続されている。注入口82は、内部管状要素51の側壁とカバー要素52の側壁とに形成された導管からなる。更に、上部服用量注入チャンバ4bは、製品を配送するための配送巡回路に排出口83を介して流動的に接続されている。排出口83は、服用量注入チャンバ4を上方で閉鎖するカバー要素52の上部52bに形成された別個の導管からなる。前記別個の孔は、第一長手方向軸W1に実質的に同軸である。
【0042】
ピストン手段3は、第一端部6と第二端部7との間に中間部8を含む細長い円筒状の部分を有している。第一端部6と第二端部7と中間部8とは、第一軸W1に共に同軸であり、異なる直径及び長さを有している。中間部8は、下部服用量注入チャンバ4a内で密封的に摺動するように配置されている。一方、第二端部7は、上部服用量注入チャンバ4b内で密封的に摺動するように配置されている。
【0043】
第一端部6は、空洞53内で間隔を空けながら摺動する。ピストン手段3の第一端部6は、接合手段10のクラッチ部11を取外し可能に受容するべく構成されたシート16を有している。クラッチ部11は、第一軸W1に実質的に平行な連結方向Tに沿って、シート16に挿入可能であり、且つ、当該シート16から分離可能である。クラッチ部11とシート16とは、例えば円筒状のような相補的な形状と、残差の半径方向の隙間を最小にするような寸法と、を有している。
【0044】
接合手段10は、クラッチ部11を含む接続要素25と、自身の端部が運動手段101に接続されている更なる接続要素26と、を含んでいる。接続要素25と更なる接続要素26とは、球状要素27を介して回転可能に接続されている。更なる接続要素26は、第二軸W2に沿って且つ第二軸W2を中心として、運動手段101によって動かされる。利用の際には、接合手段10は、運動手段101に通常は組付けられている。
【0045】
特に
図5を参照すると、運動手段101は、充填装置の基部102内に収容されており、ピストン手段3を回転させるべく配置された第一運動手段201と、ピストン手段3を直線的に移動させるべく配置された第二運動手段301と、を有している。更に詳細には、第一運動手段201及び第二運動手段301は、接合手段10の更なる連接要素26に連接されている。更なる連接要素26は、第一軸W1と実質的に一致する第二軸W2を中心に回転させられる、及び/または、当該第二軸W2に沿って動かされる。例えば服用量注入ユニット2及び/または支持手段40の取付及び/または製造の不正確さにより、第一軸W1が第二軸W2に関して整列されていない及び/または傾斜させられている場合であっても、接合手段10は、それにも関わらず、運動手段101からピストン手段3への運動の正確な伝達を確実にするように、成形されている。
【0046】
図5に例として図示された実施の形態において、第一運動手段201は、例えば、接合手段10の更なる連接要素26に連接された駆動軸218を、1組の歯車216、217によって回転させる第一モータ215を有している。
【0047】
駆動軸218は、第二運動手段301によって第二軸W2に沿って更に直線的に移動させられる。第二運動手段301は、例えば、親ねじユニットのナット318を、1組の更なる歯車316、317によって回転させる第二モータ315を有している。ナット318の回転は、運動軸218に接続された対応するネジ319を直線的に移動させる。
【0048】
連結手段60が、ケーシング手段5に結合され、服用量注入ユニット2の取付状態Aにおいて支持手段40のガイド手段41に摺動的に係合するべく配置されている。
【0049】
連結手段60は、第一軸W1に実質的に平行な第一方向Xに沿って、ガイド手段41に挿入可能あるいはガイド手段41から分離可能である。第一方向Xは、例えば、支持手段40が固定され得る充填装置の基部102の上壁102aに垂直で実質的に直交している。
【0050】
図示されていない服用量注入装置1の他の形態においては、第一方向Xは、例えば、第一軸W1に平行であり、実質的に直交し得る。
【0051】
支持手段40は、上壁102aに固定され、ガイド手段41を支持する支持本体46を含んでいる。ガイド手段41は、平坦な形状を有し、直線溝49(
図3において視認できる)が設けられているガイド要素を含んでいる。直線溝49は、T字の横断面を有し、第一方向Xに平行に延びている。
【0052】
服用量注入ユニット2が、支持手段40に対して容易に取付けられ、取外されることを可能にするべく、連結手段は、予め定められた隙間をもって直線溝49に摺動的に係合するようにT字に成形され、ケーシング手段5に固定された連結要素60を有している。連結要素60は、例えば、カバー要素52の円筒状下部52cの側壁に直接的に形成されている。代替的には、連結要素60は、別個の要素であり、円筒状下部52cの前記側壁に固定され得る。
【0053】
支持手段40は、連結要素60をガイド手段41に取外し可能に係止するべく配置された固定手段42、43を有している。固定手段は、ガイド手段41に結合された、少なくとも第一固定要素42及び第二固定要素43を含んでいる。第一固定要素42及び第二固定要素43は、それぞれ連結手段をガイド手段41に係止するべく、連結要素60の各連結ノッチ62、63(
図4において視認可能)に係合するように移動可能である。あるいは、第一固定要素42及び第二固定要素43は、それぞれ連結手段をガイド手段41から解放するべく、連結要素60の各連結ノッチ62、63(
図4において視認可能)から解放されるように移動可能である。
【0054】
押圧手段44、45が、固定要素42、43に作用して、第一方向Xに実質的に直交する第二方向Yに沿った予め定められた固定力で、固定要素42、43を押圧して連結ノッチ62、63に当接させるべく設けられている。
【0055】
図に示されている実施の形態を参照すると、固定手段は、球状の形状を有していて、第一開口47及び第二開口48にそれぞれ挿入される第一固定要素42と第二固定要素43とを含んでいる。第一開口47及び第二開口48は、ガイド手段41内で第一方向Xに対して整列されて、第一方向Xに対して重なっている。第一固定要素42及び第二固定要素43は、取付状態Aにおいて、連結要素60の第一連結ノッチ62及び第二連結ノッチ63にそれぞれ係合するように、押圧手段44、45によって突出している状態を維持されている。
【0056】
押圧手段は、作動手段、特に第一作動部44及び第二作動部45、を有している。第一作動部44及び第二作動部45は、例えば空気圧タイプまたは機械的タイプであり、第一固定要素42及び第二固定要素43にそれぞれ連接されている。作動部44、45を作動させることによって、固定要素42、43を引込位置または突出位置内に選択的に配置することができる。突出位置においては、固定力が、固定要素42、43によって連結ノッチ62、63に適用される。
【0057】
図3に示されているように、作動部は、第一固定要素42に作用する第一弾性手段44と、第二固定要素43に作用する第二弾性手段45と、を更に有している。第一弾性手段44及び第二弾性手段45は、例えば、各々のコイルバネを有している。
【0058】
固定要素42、43が開口47、48から完全に抜け出すことを防止するべく、すなわち固定要素42、43が予め定められた量だけ突出することを可能にするべく、第一開口47及び第二開口48には、不図示の係止部が設けられている。
【0059】
固定要素42、43がそれぞれ実質的に環状の接触面65、66に沿って接するように、連結ノッチ62、63が、固定要素42、43の曲率半径より小さい曲率半径を有する球状のキャップ形状を有している。
【0060】
第一開口47は、きわめて少ない半径方向隙間で第一固定要素42を収容するような直径を有する円筒状の孔を含んでいる。
【0061】
第一固定要素42が第一連結ノッチ62に当接し、第二方向Yに沿って直線溝49に対して連結要素60を押圧する際には、服用量注入ユニット2が、第一方向X、第二方向Y、及び、第一方向X及び第二方向Yに直交する第三方向Zに移動することを妨げられながら、堅固で精密な態様で係止される。一方、第二固定要素43が第二連結ノッチ63の位置に適合されることを可能にし、第二連結ノッチ63と第一連結ノッチ62との間の第一方向Xに沿った間隔の偏差を補償するべく、第二開口48は、第一方向Xに延びた貫通孔を有している。第二固定要素43が第二連結ノッチ63に当接し、直線溝49に対して連結要素60を押圧する際には、第二方向Yに平行で第一固定要素42を通過する軸を中心とする服用量注入ユニット2の回動も係止される。
【0062】
第一連結ノッチ62及び第二連結ノッチ63は、連結要素60内に組込まれ、金属製材料からなる対応挿入部材67、68内に形成されている。これにより、対応挿入部材67、68は、連結ノッチ62、63に対する更なる堅固さ及び非変形性と、固定要素42、43に当接する際の更なる精密さ及び抵抗性と、を確実にする。
【0063】
服用量注入ユニット2は、ピストン手段3が服用量注入チャンバ4内で第一軸W1に沿って摺動することを妨げるべくまたは可能にするべく配置された係止手段70を更に備えている。特に、係止手段70は、運搬及び服用量注入ユニット2を接合手段10への取付け及び服用量注入ユニット2を接合手段10からの取外しのために必要不可欠である組付状態Rで、服用量注入ユニット2を保持するように、ピストン手段3を前記ケーシング手段5に関して予め定められた線形位置及び角度位置で係止する。
【0064】
特に、係止手段70は、カバー要素52の円筒状下部52cの側壁に形成された第一ハウジング71内に摺動的に取付られ、シート16の開口でピストン手段3の第一端部6の外壁6a上に設けられた第二ハウジング73に係合するべく配置された係止ピン77を有している。
【0065】
第一ハウジング71は、連結要素60に隣り合っていて、ガイド手段41と対向している、空洞53の開口56に形成されている。
【0066】
第二ハウジング73は、係止ピン77の寸法に実質的に等しい寸法を有する孔を有している。係止ピン77は、第二方向Yに平行に、すなわち第一軸W1に垂直に移動可能であり、支持手段40に結合された駆動手段76によって引込位置と伸張位置との間を移動させられる。引込位置において、係止ピン77は、第一端部6と互いに影響し合うことなくピストン手段3を移動させることができるように、第1ハウジング71内に完全に収容されている。伸張位置において、係止ピン77は、第二ハウジング73内に挿入され、ピストン手段3が第一軸W1に沿って移動すること及び当該第一軸W1を中心として回転することを妨げており、これにより服用量注入ユニット2の組付状態Rを規定している。
【0067】
係止ピン77に対して横方向に固定されている駆動ピン75が、駆動手段76の駆動軸74に係合されている。駆動軸74は、係止ピン70に平行であり、例えば空圧式シリンダを備える直線作動手段によって駆動される。駆動軸74には、駆動ピン75を受容するのに適した別個の半径方向溝が設けられている。
【0068】
図示されていない服用量注入ユニット2の実施の形態において、作業者が伸張位置と引込位置との間で係止ピン77を手動で操作して、これによりピストン手段3を係止または解放することができるように、連結手段60の反対側にあってガイド手段41の反対側にある円筒状下部52cの側面に、第一ハウジング71が形成されている。本実施の形態において、第二ハウジング73が、第一端部6の外壁6aに形成され、第一ハウジング71と対向している。
【0069】
服用量注入ユニット2を支持手段40に取付ける工程において、操作者は、組付状態Rに配置された服用量注入ユニット2を把持手段52aによって支持し、第1方向Xに沿って連結要素60を案内手段41内に挿入する。連結要素60と案内手段41の直線溝49との間にある隙間のおかげで、容易で素早い挿入が許容される。
【0070】
各作動部44、45によって突出位置に押される固定要素42、43が、各連結ノッチ62、63に当接し、取付状態Aで服用量注入ユニット2を適切な位置に係止する最終位置に、連結要素60が到達するまで、固定要素42、43が各開口47、48内で各作動部44、45によって引込位置内に保持されながら、連結要素60は案内手段41内で摺動する。この状態において、係止ピン77の駆動ピン75は、駆動軸74の半径方向溝内に収容される。逆の態様で作動を行うことによって、すなわち、固定要素42、43が各作動部44、45によって引込位置内に保持されながら、ガイド手段41から連結要素60を取除くことによって、服用量注入ユニット2を支持手段40から取外すことが可能になる。
【0071】
一旦服用量注入ユニット2が支持手段40内に挿入されると、クラッチ部11が第一端部6のシート16内に挿入されるまで、運動手段101が第二軸W2に沿って接合手段10を移動させることを可能にするべく、係止ピン77は、ケーシング手段5に固定されたピストン手段3が組付状態Rにおける予め定められた線形位置及び角度位置に係止されている状態をなお保持する。
【0072】
一旦クラッチ部11がシート16内に挿入されると、係止ピン77は、ピストン手段3から解放される。特に、駆動手段76は、ピストン手段3が自由に動くことができるように、係止ピン77を引込位置に移動させるために作動させられる。
【0073】
図示されていない装置の他の形態においては、係止ピン70は、連結要素60が摺動すること、すなわち服用量注入ユニット2が支持手段40から抜取られること、を妨げるべく、ガイド手段41内に形成された第三ハウジングに係合する。
【0074】
このように、本発明の服用量注入装置1によれば、素早く容易であると共に精密で堅固に、各支持手段40に服用量注入ユニットを掛止及び係止することが可能である。
【0075】
取付作業は、1人だけの操作者によって行われ得り、隙間が設けられたガイド手段41及び連結要素60の形状及び寸法により特に容易に行われることに、留意されることが重要である。各作動部44、45によって駆動される固定要素42、43は、服用量注入ユニット2が所望の位置に到達された際に自動で係止されることを可能にする。
【0076】
全取付作業が、組付状態Rにおいてピストン手段3をケーシング手段5に固定する係止手段70のおかげで、容易に行われる。この態様では、操作者は、既知の容積式ピストンポンプでたいてい生じるようなピストン手段も支持することについて懸念することなく、把持部分52aによって服用量注入ユニット2を支持することができ、連結要素60を第1方向Xに沿ってガイド手段41内に挿入することができる。
【0077】
服用量注入チャンバ4内でピストン手段3が移動させられることを可能にするべく、ピストン手段3から係止手段70を解放することも、駆動手段76を利用して自動的に行われることに留意されるべきである。支持手段40から服用量注入ユニット2を取外すための作業は、同様に容易で素早いものであり、第1方向Xに沿ってガイド手段41から連結要素60を手動で取除くことによって行われる。
【0078】
係止手段70が、組付状態において規定された線形位置及び角度位置でピストン手段3を−これゆえに服用量注入手段50を−係止することによって、ピストン手段3の誤った好ましくない取外しを防ぐことに加えて、取付及び始動工程において、既知の服用量注入ユニットでたいてい生じるような、労力を要する適合及び/または調整作業を避けることができる。更に、ピストン手段3を接合手段10に自動で連接することが可能である。
【0079】
図6は、第一軸W1を中心として回転運動可能であり、接合手段10を介して運動手段101に取外し可能に連接された駆動軸を有する作動手段203によって回転させられる既知のタイプのぜん動性ポンプを有する服用量注入手段250を含む服用量注入ユニット202に対してのみ、上述した実施の形態とは異なる、本発明の服用量注入装置1の実施の形態を図示している。特に、服用量注入ユニット202の支持手段40への取付状態Aにおいて、軸203の第一端部206が、運動手段101に連接されている一方で、第一端部206の反対側にある軸203の第二端部207が、ぜん動性ポンプ250に連接されている。ぜん動性ポンプ250は、第二端部207に取付けられ、製品を服用量で入れるべく1つまたは複数の服用量注入チューブ225を押潰すために配置されたローラ224が設けられている。
【0080】
作動中には、運動手段101によって第一軸W1を中心に回転させられる軸203が、ロータ223を回転させ、ロータ223のローラ224が、自身の内部に流体製品が存在する服用量注入チューブ225を押潰す。これによりローラ224が流体製品を進ませて、これにより当該流体製品を容器内に投与する。軸203の第一端部206は、接合手段10のクラッチ部11を取外し可能に受容するべく構成されたシート216を有している。クラッチ部11は、連結方向Tに沿ってシート216に対して挿入可能であり、分離可能である。
【0081】
服用量注入ユニット202のケーシング手段205が、軸203の第一端部206を収容するのに適した内部空洞253が設けられており、例えば円筒状で管状の形状である第一要素252と、服用量注入手段250を支持して収容する第二要素255と、を有している。空洞253には、接合手段10の導管のための下部開口256が設けられている。
【0082】
ケーシング手段205の第一要素252と第二要素255とは、単一体で形成され得る。
【0083】
不図示の装置の他の形態において、ケーシング手段205の第一要素252は、実質的に平坦な形状を有する、支持手段40への連接壁を有している。ケーシング手段205は、例えば第一要素252に固定され、服用量注入ユニット202が操作者によって容易に把持され取扱われることを可能にする取手として成形された把持部252aを有している。
【0084】
連結手段60は、ケーシング手段205の第一要素252の側壁252cに直接形成された連結要素を有している。代替的には、連結要素60は、側壁252cとは区別できて、当該側壁252cに固定された要素であってもよい。
【0085】
図6に図示されている実施の形態において、接合手段10への正確な接続のために必要不可欠である組付状態Rで服用量注入ユニット203を保持するために、及び、服用量注入手段250のロータ223の自由で好ましくない回転を防ぐために、係止手段270は、軸203をケーシング手段205に予め定められた線形位置及び角度位置で係止する。
【0086】
特に、係止手段270は、ケーシング手段205の第一要素252の側壁252cに形成された第一ハウジング271内に摺動的に取付られ、シート216の開口で第一端部206の外壁206a上に形成された第二ハウジング273に係合するべく配置された係止ピン277を有している。
【0087】
第一ハウジング271は、連結要素60に隣り合っていて、ガイド手段41と対向している空洞253の開口256に形成されている。
【0088】
第二ハウジング273は、係止ピン277の寸法に実質的に等しい寸法を有する孔を有している。係止ピン277は、第二方向Yに平行に、すなわち第一軸W1に垂直に移動可能であり、支持手段40の駆動手段76によって引込位置と伸張位置との間を移動させられる。引込位置において、係止ピン277は、第一端部206と互いに影響し合うことなく、軸203を移動させることができるように、第1ハウジング271内に完全に収容されている。伸張位置において、係止ピン277は、第二ハウジング273内に挿入され、ピストン手段3が第一軸W1に沿って移動すること及び当該第一軸W1を中心として回転することを妨げており、これにより服用量注入ユニット202の組付状態Rを規定している。
【0089】
係止ピン277に対して横方向に固定されている駆動ピン275が、駆動手段76の駆動軸74に係合されている。駆動軸74は、係止ピン277に平行であり、例えば空圧式シリンダを備える、直線作動手段によって駆動される。駆動軸74には、駆動ピン275を受容するのに適した別個の半径方向溝が設けられている。
【0090】
図示されていない服用量注入ユニット202の実施の形態において、作業者が伸張位置と引込位置との間で係止ピン277を手動で操作して、これにより軸203を手動で係止または解放することができるように、連結要素60の反対側にあってガイド手段41の反対側にある円筒状下部252cの側面に、第一ハウジング271が形成されている。本実施の形態において、第二ハウジング273が、第一端部206の外壁206aに明らかに形成されていて、第一ハウジング271と対向している。
【0091】
服用量注入ユニット202を支持手段40に取付ける工程において、操作者は、組付状態Rに配置された服用量注入ユニット202を把持手段252aによって支持し、第1方向Xに沿って連結要素60を案内手段41内に挿入する。
図1乃至4の実施の形態におけるように、各作動部44、45によって突出位置に押される固定要素42、43が、各連結ノッチ62、63に当接し、取付状態Aで服用量注入ユニット2を適切な位置に係止する最終位置に、連結要素60が到達するまで、固定要素42、43が各開口47、48内で各作動部44、45によって引込位置内に保持されながら、連結要素60は案内手段41内で摺動する。
【0092】
服用量注入ユニット202を下方へ摺動することは、接合手段10のクラッチ部11を第一端部206のシート216内に挿入することも伴って、ずい動性ポンプ250を駆動するために必要不可欠である後続の回転運動の伝達を可能にする。この目的に対して、服用量注入ユニット202の構造上及び寸法上の特徴に応じて、接合手段10は、予め定められた「ゼロ」または掛止位置内に第二運動手段301によって予防的に位置決めされる。
【0093】
一方、接合手段10は、取付工程の初期で軸203から適切に間隔を置かれた解放位置に配置され得る。
【0094】
次に、取付状態Aにおいて、一旦服用量注入ユニット202が支持手段40に係止されると、クラッチ部11が第一端部206のシート216内に挿入されるまで、第二運動手段301が、第二軸W2に沿って接合手段10を移動させるように駆動され得る。この工程において、軸203をケーシング手段205に係止する係止手段270は、軸203が予め定められた正確な角度に調整されながら、接合手段10に連結されることを可能にする。
【0095】
一旦クラッチ部11がシート216に係合されて係止されると、係止手段270は、軸203が自由に回転できるように、当該軸203から解放される。
【0096】
図7は、流体製品を服用量で入れるために配置された既知のタイプの膜板あるいは膜ポンプを有する服用量注入手段350を含む服用量注入ユニット302を備えた、本発明の服用量注入装置1の他の実施の形態を図示している。
【0097】
膜板ポンプ350は、別個の駆動軸を有する作動手段303によって駆動される。膜板ポンプ350は、第一軸W1に沿って往復運動により直線的に移動可能であり、接合手段10を介して運動手段101に取外し可能に連接されている。特に、軸303は、接合手段10に取外し可能に連結するために配置された第一端部306と、服用量注入チャンバ324の側面を閉鎖している薄膜323に作用する第二端部307と、を有している。
【0098】
服用量注入ユニット302は、軸303によって提供される回転運動を往復直線運動に変換するべく、レバー及びクランクシステム、または、カムシステムを選択的に有してもよい。本実施の形態においても、服用量注入ユニット302は、軸303の第一端部306を収容するのに適した空洞353を有し、例えば円筒状で管状の形状である第一要素352と、服用量注入手段350を支持する第二要素355と、を有するケーシング手段305を含んでいる。
【0099】
服用量注入ユニット302の取付状態Aにおいて、支持手段40のガイド手段41に摺動的に係合するために配置された連結手段60は、ケーシング手段305の第一要素352の側壁352cに結合されている。
【0100】
服用量注入ユニット302は、上述された実施の形態の係止手段270と実質的に等しい係止手段370を有している。
【0101】
係止手段370は、軸303が接合手段10に正確に連接されることを可能にするべく、軸303をケーシング手段305に予め定められた線形位置及び角度位置で係止する。
【0102】
特に
図8を参照すると、粉状製品または粒状製品のための容積式服用量注入器を有する服用量注入手段450が設けられた服用量注入ユニット402を備えるという事実の点で、上述した実施の形態とは異なる本発明の服用量注入装置1の更なる実施の形態が図示されている。
【0103】
服用量注入器450は、既知のタイプであり、
図8に概略的に図示されているが、複数の半径方向服用量注入チャンバ424が設けられた服用量注入ドラム423を含んでいる。服用量注入チャンバ424は、図示されてはいないが、ホッパーから粉状製品を引き込んで、続いて容器内に当該製品を放出するのに適している。服用量注入ドラム423は、別個の伝達手段425を介して駆動軸403を有している作動手段によって回転させられる。伝達手段425は、例えば、服用量注入ドラム423を回転させて、一対のベベルギア427、428を利用して軸403によって今度は回転させられる第二軸426を有している。
【0104】
ケーシング手段405は、連結手段60が結合された第一要素452と、服用量注入手段450、すなわち服用量注入ドラム423及び別個の伝達手段425を支持して収容する第二要素455と、を有している。
【0105】
ケーシング手段405の第一要素452は、例えば円筒状で管状の形状であり、接合手段10に連結されることを意図された軸手段403の第一端部406を包含する空洞453を有している。服用量注入ユニット402は、上述された形態の係止手段270、370と実質的に等しい係止手段470を有している。当該係止手段470は、軸403が接合手段10に正確に連接されることを可能にするべく、軸403をケーシング手段405に予め定められた線形位置及び角度位置で係止する。
【0106】
図9は、運動手段による駆動を要求しない服用量注入手段550を含む服用量注入ユニット502を備える、本発明の服用量注入装置1の別の更なる実施の形態を図示している(従って運動手段は図示されていない)。当該服用量注入手段は、例えば、時間−圧力式の作動を備えた服用量注入システム、流量制御の服用量注入システム、及び流量計の服用量注入システム等のような既知のタイプの服用量注入システムを有している。
【0107】
図示された実施の形態においては、服用量注入手段550は、時間−圧力式タイプであり、特に、容器内に投与されて不図示の蓄圧器からもたらされる流体の流量を調整する1つまたは複数の服用量注入バルブ523を有している。既知のように、貯留圧力と服用量注入バルブ523の開放時間との間の関係を管理することによって、所定の量の製品を服用量で入れることが可能になる。
【0108】
服用量注入ユニット502は、実質的に平坦な形状を有する第一要素552と、服用量注入バルブ523が固定される第二要素555と、を有している。服用量注入ユニット502の取付状態Aにおいて、支持手段40のガイド手段41に摺動的に係合するべく配置された連結手段60は、第一要素552の側壁552cに固定されている。第一要素552と第二要素555とは、例えば単一体で形成され得る。
【0109】
それに制限されない例として上述された服用量注入ユニットは、製薬及び/または食品分野において広く一般に利用される服用量注入装置及び/またはシステムに関する。とはいえ、本発明の服用量注入装置は、いかなるタイプの服用量注入手段も有する服用量注入ユニットを備えることができることは明らかである。