特許第5693580号(P5693580)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アトラス コプコ エアーパワー,ナームローゼ フェンノートシャップの特許一覧

特許5693580圧縮気体乾燥器、圧縮気体乾燥方法及び乾燥器を備えたコンプレッサ装置
<>
  • 特許5693580-圧縮気体乾燥器、圧縮気体乾燥方法及び乾燥器を備えたコンプレッサ装置 図000002
  • 特許5693580-圧縮気体乾燥器、圧縮気体乾燥方法及び乾燥器を備えたコンプレッサ装置 図000003
  • 特許5693580-圧縮気体乾燥器、圧縮気体乾燥方法及び乾燥器を備えたコンプレッサ装置 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5693580
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】圧縮気体乾燥器、圧縮気体乾燥方法及び乾燥器を備えたコンプレッサ装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/26 20060101AFI20150312BHJP
   F04B 39/12 20060101ALN20150312BHJP
【FI】
   B01D53/26 101B
   !F04B39/12 101A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-524061(P2012-524061)
(86)(22)【出願日】2010年7月29日
(65)【公表番号】特表2013-501604(P2013-501604A)
(43)【公表日】2013年1月17日
(86)【国際出願番号】BE2010000053
(87)【国際公開番号】WO2011017782
(87)【国際公開日】20110217
【審査請求日】2012年6月8日
(31)【優先権主張番号】2009/0484
(32)【優先日】2009年8月11日
(33)【優先権主張国】BE
(73)【特許権者】
【識別番号】593074329
【氏名又は名称】アトラス コプコ エアーパワー,ナームローゼ フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】ATLAS COPCO AIRPOWER,naamloze vennootschap
(74)【代理人】
【識別番号】100074192
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100121496
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 重雄
(72)【発明者】
【氏名】ベルメール コンスタンティジン フリスコ
【審査官】 岡谷 祐哉
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−517663(JP,A)
【文献】 特表2008−508094(JP,A)
【文献】 特開平11−128649(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/02−53/12
B01D 53/26−53/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥領域(3)と再生領域(5)を有するハウジング(2)と、該ハウジング(2)内で回転し且つ内部に乾燥剤(8)を有するドラム(9)を備え、該乾燥剤(8)が該乾燥領域(3)と該再生領域(5)を連続的に通って移動し、乾燥すべき圧縮気体が該乾燥領域(5)を通るように案内される一方、再生気体が該再生領域(5)を通るように案内される乾燥器を使用する、コンプレッサの出口から流れてくる圧縮気体の乾燥方法において、該再生領域が、該コンプレッサの出口から流れてくる高温の圧縮気体の状態にある第1再生気流を案内する第1サブ領域と、第2再生気流を案内する第2サブ領域とに分割され、そして該第2再生気流が該第1再生気流よりも低い相対湿度を有し、さらに該第2再生気流が前記乾燥領域(3)の出口を出て行く圧縮気体の一部からなり、第2再生気流が、前記第2サブ領域(7)を通るように案内される前に、加熱されること、を特徴とする乾燥方法。
【請求項2】
前記第2再生気流が熱交換器(18)及び/又は外部加熱要素を通るように案内することによって、該第2再生気流を加熱することを特徴とする、請求項1に記載の乾燥方法。
【請求項3】
前記第1及び第2再生気流が前記第1サブ領域(6)と前記第2サブ領域(7)の共通の出口で集められ、その次に、リターン導管(13)を通ってクーラー(15)を経由するようにして前記乾燥領域(3)の入口へと案内されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の乾燥方法。
【請求項4】
出口を有するコンプレッサと、乾燥領域(3)と再生領域(5)を内部に有するハウジング(2)と、該ハウジング(2)内で回転自在であって且つ内部に再生可能な乾燥剤(8)を有するドラム(9)と、該ドラム(9)を回転させるための駆動手段とを備えることによって、該乾燥剤(8)が該乾燥領域(3)と該再生領域(5)を連続的に動くようにしたコンプレッサ装置において、該コンプレッサ(11)の出口が圧力導管(10)を介して前記乾燥領域の入口に連結し、該再生領域(5)が、少なくとも2つのサブ領域、すなわち第1再生気流を供給するための第1入口を有する第1サブ領域(6)と、第2再生気流を供給するための第2入口を有する第2サブ領域(7)を備え、枝管(12)が該コンプレッサ(11)と該乾燥領域(3)の入口との間の前記圧力導管(10)に連結し、さらに該枝管(12)が前記第1サブ領域(6)の第1入口に連結し、前記乾燥領域(3)の出口が連結導管(17)を介して前記第2サブ領域(7)に連結していることによって、該第2再生気流が該第1再生気流よりも相対湿度が低いこと、及び前記連結導管(17)に、該第2再生気流を加熱するための熱交換器(18)を備えていることを特徴とするコンプレッサ装置。
【請求項5】
前記第1サブ領域(6)と前記第2サブ領域(7)が共通の出口を有することを特徴とする、請求項4に記載のコンプレッサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥器を備えたコンプレッサ装置に関するものである。
【0002】
特に、本発明は、内部に再生可能な乾燥剤を有する回転式ドラムを備え、該乾燥剤が該ドラムの回転によって該乾燥器の2つの領域を交互に通るように移動させ、殊に、一方の領域である乾燥領域では該乾燥剤が圧縮気体を乾燥させるために用いられ、さらに他方の領域である再生領域では該乾燥剤を高温の気体に接触させることによって再生させるようにした乾燥器に関するものである。
【背景技術】
【0003】
前記ドラムの回転によって、再生させた乾燥剤は乾燥領域に移動してくる。乾燥器の性能を向上させるためには、該ドラムの中に冷却領域として示した第3の領域を設けるのが適切であり、またそれが普通であり、該冷却領域は、該乾燥剤が実質的にさらなる水分を吸収することが出来るように、該乾燥剤を冷却するのである。
【0004】
そのような乾燥器が、コンプレッサから流れてくる圧縮気体を乾燥するために用いられる時、該圧縮気体の一部は冷却され、その次に該乾燥器の乾燥領域を通るように案内されることによって、この乾燥領域内の乾燥剤は該気体から水分を抜き取る。この結果、低い圧力露点の乾燥気体となる。
【0005】
前記コンプレッサから流れて来て該コンプレッサに起因する高温状態のままの圧縮気体の残りの部分は、該乾燥器の再生領域を通るように案内される。それによって、その高温の気体が該乾燥剤に含まれる水分を吸収するので、該乾燥剤は再生され、その次に新たなサイクルで、該圧縮気体を乾燥するための該乾燥領域において再び用いられる。
【0006】
その欠点は、再生のために用いられる該圧縮気体が比較的高い湿度を有していることであり、そのため、乾燥効率は最大ではないことである。
【0007】
上記のことは、該乾燥剤を次に該乾燥領域に送った時に、この乾燥剤が、該乾燥領域を通るように案内される気体のうち幾分限られた量の水分しか吸収することができない、という望ましくない結果をもたらす。
【0008】
該圧縮気体の熱は、該再生領域で該乾燥剤を再生させるために用いられる。ここで、該圧縮気体の温度が上昇すると乾燥処理は向上し、それに伴って装置の効率も高まる、ということに注目すべきである。
【0009】
再生に用いられる該圧縮気体の温度は、その気体が該再生領域を通る前に案内すべき加熱要素等を設けることによって上昇させることが出来る。
【0010】
それの欠点は、値上がりし続けるエネルギーのコストを考えると、再生のために用いられる気流を加熱することに非常に費用が掛かることである。
【発明の概要】
【0011】
本発明は上記及び/又はその他の欠点の1つ又はそれ以上を克服することを目的とするものである。
【0012】
この目的のため、本発明は、出口を有するコンプレッサと、乾燥領域と再生領域を内部に有するハウジングと、該ハウジング内で回転自在であって且つ内部に再生可能な乾燥剤を有するドラムと、該ドラムを回転させるための駆動手段とを備えることによって、該乾燥剤が該乾燥領域と該再生領域を連続的に動くようにしたコンプレッサ装置において、該コンプレッサの出口が圧力導管を介して前記乾燥領域の入口に連結し、該再生領域が、少なくとも2つのサブ領域、すなわち第1再生気流を供給するための第1入口を有する第1サブ領域と、第2再生気流を供給するための第2入口を有する第2サブ領域を備え、枝管が該コンプレッサと該乾燥領域の入口との間の前記圧力導管に連結し、さらに該枝管が前記第1サブ領域の第1入口に連結し、前記乾燥領域の出口が連結導管を介して前記第2サブ領域に連結していることによって、該第2再生気流が該第1再生気流よりも相対湿度が低い、コンプレッサ装置に関するものである。
【0013】
本発明による乾燥器の有利な点は、第2サブ領域にある乾燥剤が、従来の方法で乾燥剤を再生させるために第1サブ領域を通って流れてくる気流に比べて水分含有量がかなり低い気流と接触することである。
【0014】
その結果、再生段階にある間は、従来の方法よりも遥かに多くの水分を乾燥剤から取り除くことが出来る。別の表現をするならば、このようにして、ディープドライングと言うべき乾燥がなされるのであって、それは、さらなる乾燥段階で、乾燥剤が乾燥すべき気体からより多くの水分を吸収するようにしたものである。従って、本発明による乾燥器の性能は従来のものよりも向上しているのである。
【0015】
本発明による乾燥器の一つの望ましい実施例によれば、前記連結導管に熱交換器を備えている。
【0016】
その一つの有利な点は、前記第2再生気流が、前記第2サブ領域を通るように案内される前に、前記熱交換器によって加熱され、その結果として、該気流が該乾燥剤からより多くの水分を取り除くことが出来ることである。
【0017】
再生に用いられる気流の温度が上昇すると、乾燥処理は向上し、それに伴って乾燥器の効率も向上する。
【0018】
さらなる有利な点は、再生領域を通る全ての気流を加熱する必要はなく、該第2サブ領域を通るように案内された第2再生気流だけを加熱するだけで足りることである。
【0019】
このことは幾つかの有利な効果をもたらす。なぜならば、比較的小型の熱交換器を用いることが出来るため、エネルギーの節約になり、また小型の装置を実現できるからである。
【0020】
本発明はまた、乾燥領域と再生領域を有するハウジングと、該ハウジング内で回転し且つ内部に乾燥剤を有するドラムを備え、該乾燥剤が該乾燥領域と該再生領域を連続的に通って移動し、乾燥すべき圧縮気体が該乾燥領域を通るように案内される一方、再生気体が該再生領域を通るように案内される乾燥器を使用する、コンプレッサの出口から流れてくる圧縮気体の乾燥方法において、該再生領域が、該コンプレッサの出口から流れてくる高温の圧縮気体の状態にある第1再生気流を案内する第1サブ領域と、第2再生気流を案内する第2サブ領域とに分割され、そして該第2再生気流が該第1再生気流よりも低い相対湿度を有し、さらに該第2再生気流が、前記乾燥領域の出口を出て行く圧縮気体の一部からなる、乾燥方法に関するものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明による乾燥器の一部を模式的に斜視図で示す。
図2】本発明による乾燥器を備えたコンプレッサ装置を模式的に示す。
図3】本発明による乾燥器の一部のレイアウトを模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の特徴をより良く説明するために、本発明による乾燥器及びコンプレッサ装置並びに圧縮気体の乾燥方法についての幾つかの望ましい実施例を、添付図面を参照しながら、いかなる限定もしないで、単なる例として以下に説明する。
【0023】
図1は本発明による圧縮気体用コンプレッサ装置の乾燥器の一部1を示す。該乾燥器のその部分1には、乾燥領域3、冷却領域4及び再生領域5を内部に有するハウジング2を備えていて、本発明の特定の特徴によれば、該再生領域5は2つのサブ領域、すなわち、第1サブ領域6と第2サブ領域7をそれぞれ備えている。
【0024】
前記第1サブ領域6が乾燥領域3の後端部分に繋がり、さらに前記第2サブ領域7が該第1サブ領域6に繋がっている一方、該乾燥領域3の開始部分に繋がる冷却領域4にも繋がっているのが望ましい。
【0025】
それ故、前記第1サブ領域6は前記再生領域5の開始部分に位置している。別の表現をすれば、該乾燥器の操作中、該第1サブ領域6は、該水分乾燥剤8が乾燥領域3から該再生領域に入る正にその部分に位置している。さらに、第2サブ領域7は再生領域5の終了部分に位置している。言い換えるならば、該第2サブ領域7は、再生された乾燥剤8が再生領域5を出て冷却領域4に入る際に経由する該再生領域の中のその部分に位置している。
【0026】
前記「乾燥領域3の後端部分とは、前記ドラム9の回転中、該水分乾燥剤8が乾燥領域3を出ていく際に経由する該乾燥領域3の中のその部分を意味し、一方、前記「乾燥領域3の開始部分」とは、新たに再生させた乾燥剤8が入ってくる乾燥領域3の中のその部分を意味する。
【0027】
前記ハウジング2内に回転式ドラム9が設けられ、そのドラム9内に乾燥剤8が設けられている。
【0028】
前記乾燥器1は、さらに、図面には示していない駆動手段を備えている。該駆動手段は、前記ドラム9の回転を可能にする、例えばモーターのように形成されたものであって、前記乾燥剤8が、前記乾燥領域3、前記再生領域5及び前記冷却領域4を連続的に通って動くようにするものである。
【0029】
図2は、本発明によるコンプレッサ装置を示し、該装置は、前記の部分1に加えて、コンプレッサ11の出口と乾燥領域3の入口とを連結する圧力導管10を備えている。該コンプレッサ11は、また、本発明による該コンプレッサ装置の一部を構成する。
【0030】
コンプレッサ11の出口と乾燥領域3の入口との間の圧力導管10に、枝管12が連結され、該枝管は前記第1サブ領域6の第1入口に連結されている。
【0031】
さらに、再生及び冷却のために用いられる気流のためのリターン配管13が設けられている。該リターン配管は、前記再生領域5の前記第1及び第2サブ領域と前記冷却領域4との共通の出口を、前記圧力導管10に連結するものであり、該圧力導管10に設けたベンチュリ管14に隣接した位置に連結されることになる。このリターン導管13にはクーラー15が設けられている。
【0032】
前記乾燥領域3の出口には、一方において、乾燥させた気体をさらなる用途に用いるために排出する取り出しポイント16を備え、他方において、乾燥させた気体の一部を、熱交換器18の第2の側を通るように案内し且つその次に前記再生領域5の第2サブ領域7を通るように案内するための連結導管17を備えている。
【0033】
前記圧力導管10には、コンプレッサ11とベンチュリ管14との間においてアフタークーラー19が設けられている。
【0034】
本発明による圧縮気体の乾燥方法は非常に単純であり、下記の通りである。
【0035】
図面において、気体の流れる方向が示されている。矢印Aは、主流が前記乾燥器の乾燥領域3を通って流れる方向を示している。残りの気体が再生領域と冷却領域を通って流れる方向は、その例に示した通り、矢印B、D及びEによって示したように、主流の流れる方向Aとは反対向きになっている。矢印Cは前記乾燥器のハウジング2内のドラム9の回転方向を示している。
【0036】
コンプレッサ11から流れてくる乾燥すべき気体又は少なくともその気体のかなりの部分は主流として、アフタークーラー19を通る経路の後、乾燥領域3内にある乾燥剤8を通って乾燥領域3の出口へと流れる。乾燥剤8と接触することによって、水分が乾燥剤8に吸収される。このように乾燥させた気体は、取り出しポイント16を経由して、下流に位置する消費ネットワークへと排出される。
【0037】
前記ドラム9は、水分を含んだ乾燥剤8を再生領域5の第1サブ領域6に移動させ、そこでこの乾燥剤8を、コンプレッサ11の出口から枝管12を介して供給される高温の圧縮気体の状態にある第1再生気流に接触させることによって、乾燥剤8の水分を取り除き、そのようにして、前記第1再生領域内にある圧縮熱を利用した乾燥剤8の第1再生を達成する。
【0038】
本発明の特別の特徴によれば、前記乾燥剤8が前記再生領域を通る動きの最後に、再生領域5の第2サブ領域7において、この乾燥剤8を、該第1再生気流よりも相対湿度が低い第2再生気流に接触させることによって、それまでに乾燥出来た量よりもさらに乾燥させるのである。
【0039】
この目的のため、この場合の第2再生気流は、乾燥領域3を出ていく乾燥気体から分岐させた気体であって、それを第2サブ領域7の入口を経由してサブ領域5に供給する前に、この気体に含まれる水分の部分的圧力を下げるために加熱する熱交換器18の第2の側を通るように案内した気体から成る。
【0040】
このようにして、比較的に低水分量の高温乾燥気体を利用することによって該乾燥剤8を該再生領域5の第2サブ領域7で再度乾燥させるので、乾燥剤8に含まれる水分は再生中に相当減少する。このことは本発明による乾燥器及び方法の最も重要な利点である。
【0041】
ドラム9が回転している間、該乾燥剤8が、冷却領域で先ず冷却され、吸収した水分が除かれた後、乾燥領域3に達するまで水分が取り除かれ続け、そのようにして再生させた乾燥剤8は乾燥領域3における次の乾燥サイクルで用いることができるのである。
【0042】
そのように、前記乾燥剤8は、連続的又は非連続的な回転の動きで、該乾燥領域3とその次の該再生領域5に交互に案内される。
【0043】
本発明によれば、該乾燥剤8が該乾燥領域3内の主流と接触する前に、乾燥させた主流の一部が、再生領域5と乾燥領域3との間の移行区域にある冷却領域4において、高温の再生させた乾燥剤8を冷却するために用いられるのが適切である。
【0044】
そのような冷却領域4を設けたことの有利な点は、結局、前記主流が、水分を吸収できず湿気のある気体を乾燥器1から漏らしてしまうような高温の乾燥剤8と接触することがないということである。
【0045】
ベンチュリ管14を設けてあることにより、公知の方法で局所的な圧力低下がなされ、それによって、再生領域5の出口は、前記ドラム9の中で反対側に位置する乾燥領域3の出口よりも低圧を維持する。その結果、乾燥領域3の出口から流れてくる冷却主流の一部は、乾燥領域3と再生領域5の間に位置する冷却領域4を通って、再生領域5の出口の方へ流れる。
【0046】
この気流を冷却領域4を通るように案内することによって、高温の再生させた乾燥剤8は、前記主流を乾燥するのに用いられる前に、効果的に冷却される。
【0047】
上記の、より低い圧力によって、さらに、乾燥領域3から流れて来る気体が前記熱交換器18を通って前記第2サブ領域7の方に流れるように案内される。その流れは、正しい位置、すなわち動圧力が最低の位置で乾燥気体を取り出すことによって特に可能になる。よって、このシステムには送風機は必要ないのである。
【0048】
前記乾燥剤8の再生及び冷却に用いられる気体は、それぞれの領域を通って流れた後、集められ、クーラー15によって冷却される。その後、この気体は、次に該乾燥領域3を通って案内されることになっている主流に加えられる。
【0049】
図3は、本発明による乾燥器の部分1の模式的なレイアウトの例であり、それぞれの区分又は領域を示したものである。
【0050】
この図は、特に、再生領域5がどのように2つのサブ領域6及び7に分割されているかを示し、この場合は、該再生領域5は略90度の円周角に亘っている。
【0051】
この場合に、該第1サブ領域6は75度の角度に亘っている一方、この例では該第2サブ領域7は5度から30度の範囲の角度に亘っていて、この場合は略15度の角度に亘っている。
【0052】
この例では、乾燥領域3は255度の円区画を構成する一方、残りの第2サブ領域7と乾燥領域3の間の15度の部分は、前記乾燥器の円筒形ハウジング2内に冷却領域4を形成する。
【0053】
その図に示した意味合いから、前記ドラム9内の幾つかのそれぞれの領域は通り抜けられるのが望ましいのは明白である。
【0054】
前記第2再生気流が、添付図面には示していない加熱要素等を通るように案内することによって、該第2再生流もまた加熱することができるということは明白である。
【0055】
前記第2サブ領域7を通るように案内される気体は、必ずしも該乾燥器それ自身から来なければならないというものではなく、乾燥気体の外部の源から来るものであってもよい。
【0056】
本発明は、例として明細書に記載し図面に描いた実施例に決して限定されるものではなく、本発明による乾燥器及びコンプレッサ装置並びに圧縮気体乾燥方法は、発明の範囲から逸脱することなく様々なやり方で実現することができる。
図1
図2
図3