(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
制御ロッドにリンクされ、リアクションディスクを介してスラストロッドに作用する、液圧アクチュエータを受けるアクチュエータピストンであって、戻しばねの作用およびサーボブレーキの駆動の作用を受ける、アクチュエータピストンにおいて、
A 前記アクチュエータピストン(100)は、後部が円筒体(121)からなり、前部がカラー(122)からなる、射出成形ピース(120)によって形成され、
− 前記円筒体(121)は、前記液圧アクチュエータ(110)および運動検出器(160)を受け、
− 前記円筒体(121)内に開口する前記カラー(122)の開口は、前記戻しばね(250)のためのサポートとして機能し、前記リアクションディスク(140)を受けるために、前記カラーの前面を覆うシェル(150)によって占められ、前記リアクションディスク(140)の後面は、前記液圧アクチュエータ(110)にアクセス可能であり、
B 前記アクチュエータピストン(100)の前記円筒体(121)の後方端部(123)は、内部方向に突出して前記液圧アクチュエータ(110)のためのガイド軸受を形成する内部十字構成の1次ラグ(125)を備え、前記ラグの前部は、当接部(126)を形成し、
C 前記液圧アクチュエータ(110)は、前記アクチュエータピストンの前記円筒体(121)の形状と補足的な形状の十字構成の2次ラグ(115)によって前部が画成された円筒状表面を備え、前記円筒状表面が、ずらされた全体外周配向を有することにより、組立時に、後部付近で前記円筒体(121)内に前記液圧アクチュエータ(110)が導入され、前記円筒体(121)と前記液圧アクチュエータ(110)との相対的な回転の後には、前記2次ラグ(115)が前記1次ラグ(125)に当接することにより、前記液圧アクチュエータ(110)が保持され、
D 前記2次ラグ(115)間の十字構成の間隔部分に適合化された十字構成のリブ(181)を備えたスリーブ(180)は、前部で前記アクチュエータピストン(100)内に導入され、前記2次ラグ(115)の前記間隔部分内のリブ(181、181a)に嵌って、前記液圧アクチュエータ(110)の回転をスライド可能な状態で妨げることを特徴とする、アクチュエータピストン。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、単純な設計からなり、全体の大きさを縮小するために直径が縮小され長さが短い、アクチュエータピストンおよびかかるピストンを備えるサーボブレーキを開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これを目的とし、本発明は、
A アクチュエータピストンは、後部が円筒体から、および前部がカラーからなる、射出成形ピースによって形成され、
− 円筒体が、液圧アクチュエータおよび運動検出器を受け、
− 円筒体内に開口するカラーの開口が、戻しばねのためのサポートとして機能し、リアクションディスクを受けるために、カラーの前面を覆うシェルによって占められ、リアクションディスクの後面が、液圧アクチュエータにアクセス可能であり、
B アクチュエータピストンの円筒体の後方端部が、内部方向に突出して液圧アクチュエータのためのガイド軸受を形成する内部十字構成の1次ラグを備え、ラグの前部が、当接部を形成し、
C 液圧アクチュエータが、アクチュエータピストンの本体の形状と補足的な形状の十字構成の2次ラグによって前部が画成された円筒状表面を備え、円筒状表面が、ずらされた全体外周配向を有することにより、組立時に、後部付近で円筒体内に液圧アクチュエータが導入され、円筒体と液圧アクチュエータとの相対的な回転の後には、2次ラグが1次ラグに当接することにより、液圧アクチュエータが保持され、
D 2次ラグ間の十字構成の間隔部分に適合化された十字構成のリブを備えるロック/ガイドスリーブが、前部の付近にてアクチュエータピストン内に導入され、2次ラグの間隔部分内のリブに嵌って、液圧アクチュエータの回転をスライド可能な状態で妨げることを特徴とする、上述において規定されるタイプのアクチュエータピストンに関する。
【0006】
本発明によるアクチュエータピストンは、システムの軸においてスラストロッドの方向にアクチュエータピストンに対して加えられる作用力の効果的な伝達を可能にする、縮小された直径を有するアクチュエータピストン体からなるという利点を有する。これにより、種々のモータドライブシステムおよびとりわけラックドライブを、ならびに特に単体のラックアンドピニオンを予期することが可能となる。
【0007】
このアクチュエータピストンは、一方の側からアクチュエータピストンの全ての要素を組み付けることが可能となることによる、製造コストの削減という利点をさらに有する。
【0008】
有利な一特徴によれば、液圧アクチュエータは、後部において、戻しばねを支持する当接カラーにより終端され、軸受の直径と一致する直径を有し、軸受の長さよりも長い長さを有する、カラーの前に、ガイド円筒状外方表面を有する。
【0009】
この実施形態により、液圧アクチュエータの後方移動を制限する当接部を構成するサーボブレーキのキャップを使用することにより、サーボブレーキの本体内に既知の液圧アクチュエータを保持するという手法を不要とすることが可能となる。
【0010】
液圧アクチュエータおよび液圧アクチュエータに関連する要素を備えるアセンブリは、回転が単にスリーブによって阻止され、スリーブは、円筒体内における回転が成形リンクによって阻止される。移動においては、スリーブは、シェルにより阻止される。成形リンクは、好ましくは、スロット内に、または円筒体およびアクチュエータピストンのカラーを形成するプラスチック材料から作製されるピースのサポート上をスライドする、突出ラグからなる。アクチュエータピストンを介してマスターシリンダに加えられる作用力の伝達は、伝達軸に対する距離が短いことにより、優れた状態で実現され、これは、アクチュエータピストン体の案内における過度の摩擦損失を回避させる比較的良好な効率に反映される。
【0011】
別の有利な特徴によれば、ロック/ガイドスリーブは、運動検出器を受けるために、円筒体の指定区域に対面する平坦側部を有する。
【0012】
この構成により、アクチュエータピストンの本体に差動運動検出器を容易に組み込むことが可能となる。
【0013】
別の有利な特徴によれば、液圧アクチュエータは、制御ロッドにリンクされ、カラーおよび2次ラグを支持する、後方部品と、検出器に面する磁石を支持する非磁性材料から作製される前方部品とからなり、この前方部品は、十字断面を有し、この十字断面の間隔部分が、スリーブのリブを受けるために、後方部品の2次ラグにより形成される断面の間隔部分と一致する。
【0014】
後方部品は、好ましくは金属から作製され、前方部品は、差動運動検出器の作動を妨げないように、およびとりわけアクチュエータピストン内への組み込みを可能にするために、アルミニウムから作製される。
【0015】
別の有利な特徴によれば、前方部品の2次ラグの輪郭が、スリーブセクションの内部輪郭、および内部輪郭を越えて延在する後部部品の2次ラグの外部輪郭に合致し、スリーブのリブは、フィンガの形状で延在して、液圧アクチュエータのスライド運動に必要な長さにわたって、液圧アクチュエータの後方部品の2次ラグの間隔部分内に嵌まる。
【0016】
この実施形態は、アクチュエータのピストンの組立を簡単にすると共に、液圧アクチュエータのスライド案内を確保する。
【0017】
別の有利な特徴によれば、2つの部品が、バンディングなどの成形リンクにより組み付けられる。
【0018】
最後に、本発明は、上記において規定されるような液圧アクチュエータを備えるサーボブレーキに関する。
【0019】
添付の図面に示すサーボブレーキアクチュエータピストンの一例を用いて、本発明をさらに詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1および
図2によれば、本発明は、制御ロッド111にリンクされる液圧アクチュエータ110を受ける、サーボブレーキアクチュエータピストン100に関する。制御ロッド111は、次いで、図示しないブレーキペダルにリンクされ、サーボブレーキの平常作動条件下においてはアクチュエータピストン100により作動される、またはサーボブレーキの故障時には液圧アクチュエータ110がリアクションディスク140を圧迫し、このリアクションディスク140がスラストロッド130を押すことにより作動される、スラストロッド130を介してマスターシリンダを制御する。アクチュエータピストン100は、輪郭だけが示された戻しばね250の作用を受ける。サーボブレーキは、制御された運動をアクチュエータピストンに伝達するモータを好ましくは有する、電気サーボブレーキである。これらの手段は、図示しない。
【0022】
液圧アクチュエータ110およびその入力および出力における様々な装備アイテムが、軸XXに沿って整列される。説明のために、マスターシリンダの方向に向けられた前側と、制御ロッド111の方向に向けられた後側とを慣例的に区別することが適切である。図面および説明を単純化するために、このアセンブリのサーボブレーキもマスターシリンダも図示しない。
【0023】
アクチュエータピストン100は、ピース120からなり、このピース120は、とりわけ射出成形プラスチック材料から作製され、後方においては円筒体121、および前方においてはカラー122により形成される。円筒体121は、液圧アクチュエータ110を収容し、差動運動検出器160を受けることにより、アクチュエータピストン100に対する液圧アクチュエータ110の相対的な移動によって、図示しない手段によりアクチュエータピストンを駆動するサーボブレーキを制御する。
【0024】
カラー122は、ピース120の円筒体121の開口を囲む。カラー122の前面および円筒体121の開口は、シェル150を受ける。シェル150の外周リング151が、アクチュエータピストンの戻しばね250のためのサポートとして機能し、シェル150の中央部が、スラストロッド130のベース131を圧迫する前面を有するリアクションディスク140を受けるハウジング152を形成する。リアクションディスク140の後面は、シェル150のハウジング152のショルダ155を圧迫する。
【0025】
シェル150は、小さな後方ハウジング153によって延在される。この後方ハウジング153は、軸XXを中心とする開口154を有し、剛体のピストン145の形態の伝達ピースを受ける。この伝達ピースは、サーボブレーキの故障時には、このハウジング153内に摺入することにより、液圧アクチュエータ110により押されるリアクションディスク140を圧迫するように移動することが可能である。
【0026】
円筒体121の後方端部123が、液圧アクチュエータ110を受け、これをスライド可能な状態で保持する。サーボブレーキの後部は、制御ロッド111を通しつつ、液圧アクチュエータ110を保持するように、軸XXを中心として開口したキャップ170によって、閉鎖される。
【0027】
これを目的として、液圧アクチュエータ110は、図示しないサーボブレーキの本体に固定されたキャップ170により保持されるように、その後方端部に、キャップ170の開口171よりも大きな直径を有するカラー112を備える。
【0028】
アクチュエータピストンの本体110の後部の外周溝124内に大部分が収容される戻しばね113が、液圧アクチュエータ110のカラー112を圧迫し、液圧アクチュエータ110を押し戻して、キャップ170に当接させる。
【0029】
2つの切断面(
図1A)に沿った
図1および
図2の断面によって示すように、円筒体121の後方端部123は、円筒体121の内部方向に突出し、液圧アクチュエータ110のためのガイド軸受を形成する、1次ラグ125からなる内部十字構成を備える。これらの1次ラグ125は、液圧アクチュエータ110の軸受の表面と一致するある特定の長さ(L)を有し、前側において、当接表面126にて終端する。この当接表面126を越えると、円筒体121の内径は広くなる。
【0030】
液圧アクチュエータ110は、当接部126により保持されていることによりラグ125によって形成されるこのスライド軸受と協働する。このために、液圧アクチュエータ110は、この軸受と協働し、この軸受の長さ(L)よりも長い長さを有する、滑り円筒表面114を備える。
【0031】
液圧アクチュエータ110は、このガイド表面114を越えた位置に、円筒状ガイド表面114の弧のセクションの外部方向に延在し、本体121の1次ラグ125の十字構成の形状と補足的な形状を有する、2次ラグ115からなる十字構成を備える。つまり、2次ラグ115の形状は、円筒体121の1次ラグ125同士の間に残される間隔部分と実質的に一致する。外周構成は、同一であるが、角度配向は、組立の際に、液圧アクチュエータ110が、2次ラグ115を1次ラグ125の間隔部分内に通すために、円筒体121の角度配向とはずれた軸XXに沿った角度配向となることにより、その後部によってアクチュエータピストン120の円筒体121内に導入されるようにずらされる。液圧アクチュエータ110が、2次ラグ115が1次ラグ125の前に来るように十分に係合されると、液圧アクチュエータ110と円筒体121との間における相対的な回転により、2次ラグ115は、少なくとも、1次ラグ125と部分的に外周重畳状態に、および1次ラグ125の前に来る。
【0032】
次いで、この角度配向は、円筒体121内に液圧アクチュエータ110を導入およびロックする前に定位置に配置された戻しばね113の作用に逆らって、円筒体121に対してスライド可能な状態で液圧アクチュエータ110が円筒体121内に保持されるように、妨げられる。
【0033】
アクチュエータピストンの円筒体121に対する軸XXを中心とする液圧アクチュエータ110の配向は、カラー122およびその円筒体121の開口を貫通するアクチュエータピストン100の前側により導入されるロック/ガイドスリーブ180によって、妨げられる。円筒体121内に摺入されるこのスリーブ180は、液圧アクチュエータ110の2次ラグ115の間隔部分の十字構成と同一の断面および構成を有する、ならびにスリーブ180が円筒体121内に配置された場合に、液圧アクチュエータ110がスライド位置にあるにもかかわらず、ガイドリブ181が2次ラグ115同士の間の間隔部分内に嵌るような長さを有する、十字構成のリブ181(
図1)を有する。したがって、液圧アクチュエータ110は、ブレーキペダルにより制御ロッド111に加えられる推力およびサーボブレーキによりアクチュエータピストン100に対して加えられる運動に応じてスリーブ180のリブ181同士の間を案内されてスライドすることが可能でありながら、円筒体121に対する、換言すればアクチュエータピストン100に対する回転が妨げられる。
【0034】
スリーブ180が閉位置に配置された後に、スリーブ180の指定区域127内に信号処理回路を適宜備える運動検出器160が、導入されて、液圧アクチュエータ110の磁石161に対して正確に位置決めされる。
【0035】
検出器160のケーブル162が、カラー122の溝内を通り、図示のようにこの溝から出て、サーボブレーキ制御回路にリンクされる。
【0036】
運動検出器160が、定位置に配置された後に、アクチュエータピストン100が、リアクションディスク140を収容するシェル150を受ける。シェル150は、その外側リング151上において、スラストロッド130を囲む戻しばね250の推力を受け、次いでこの推力は、リアクションディスク140に対して加えられる。
【0037】
この実施形態においては、液圧アクチュエータ110は、2つの部品、すなわち2次ラグ115を備える後方部品110Aと、延在部を形成し、適切な配置において磁石161を備える円筒状前方部品110Bとからなる。この磁石161は、アクチュエータピストン100の作動中に、この磁石が検出器160の前を通過して、検出器160の回路と協働する。この円筒状部品110Bは、液圧アクチュエータ110の後方部品110Aの2次ラグ115により形成される十字断面と同一の断面および配向を有する。
【0038】
ピストン110の延在部110Bは、非磁性材料から作製される。
【0039】
前方において、部品110Bは、縮小セクション110Cによって延在されて、シェル150の後方ハウジング153の開口154を通り、中間ピストン145と接触状態になり、この中間ピストン145を押す。緊急作動モードにおいては、中間ピストン145が、リアクションディスク140を押すこととなる。
【0040】
2次ラグ115Aの輪郭は、円筒体121の内部断面と、少なくともその後方部品において一致し、2次ラグ115Bの輪郭は、スリーブ180の内部輪郭と一致する。
【0041】
後方部品110Aおよび前方部品110Bは、詳述しない手段による成形リンクによって、共に組み付けられる。
【0042】
図3は、分解されたアクチュエータピストンの本体の構造をさらに簡単に示す。この断面は、面II−IIにおいては円筒体121に関して図示され、切断面I−Iにおいてはカラー122に関して図示されたものである。延在部110Bを有する液圧アクチュエータ110(110A)は、アクチュエータピストン100の円筒体121内の定位置において示されるが、スリーブ180は、液圧アクチュエータ110の2つの部品110A、110Bと円筒体121との間の定位置にはまた配置されていない。
【0043】
左側には、回転を阻止し、ピストン110を、換言すればその後方部品110Aおよび前方部品110Bを案内するために使用される、中空内部リブ181の形状を、断面において下方部分に有するスリーブ180が図示される。
【0044】
スリーブ180は、リアクションディスク140のハウジングと中間ピストン145を有する後方延在部153とを備えるシェル150(これらの要素はこの図面には図示されない)を受ける、拡張された前方部分182を有する。頂部183が、円筒体121の中に検出器160を配置するための、指定区域127への前方アクセス用に開口している。
【0045】
検出回路のプレート164を有する検出器160のためのサポート163およびリンクケーブル162が、外された状態で示される。
【0046】
この図面においては、円筒体121の後方部分123は、1次ラグ125と共に、および
図1Aの切断面II−IIに沿って示されるが、カラー122を有する前部は、
図1Aの切断面I−Iに沿って切断された状態で示される。
【0047】
円筒体121の内部形状は、前部において、検出器160およびそのサポート163を受けるリザーバ127を上方に有して示される。スリーブ180の頂部は、検出器160の下方に進むために平坦側部184によって形成され、後部にてリブ181により延在される。さらに具体的には、リブは、ブランチ181aのみにより延在され、円筒状ジャケットは、後方部品110Aの2次ラグ115Aの間隔部分内に収容されるようには設計されていないが、既に示唆したように、ラグ115Bのラジアル方向高さは、ラグ115Aのラジアル方向高さ未満である。ラグ115Bは、スリーブ180により覆われ、それらの間隔部分は、リブ181を受けるが、2次ラグ115Aは、スリーブ180のジャケット内のリブ181のみの延在部を形成するブランチ181A間に収容および移動される。
【0048】
図4は、
図3の趣旨と同一の趣旨において描かれた断面図であり、面II−IIおよび面II−IIに垂直な面の上に正中面がそれぞれ位置する2つの2次ラグ125を示す。
図1Aの面I−Iに沿って切断された前部は、運動検出器160が定位置に配置された円筒体、ならびにカラー122に対面する、リアクションディスク140を支持するシェル150、中間ピストン145、およびスラストロッド130を示す。
【0049】
図5A乃至
図5Cは、ピース120およびシェル150を示さずに、アクチュエータピストンの組立をより良く理解させるためのものである。
【0050】
図5Aは、構成要素が整列された状態にある分解図である。液圧アクチュエータ110の部品110Aが、液圧アクチュエータ110の前方部品110B(または延在部)、および磁石161を有する液圧アクチュエータ110Bの上方に示された検出器160の回路164の奥に示される。ロック/ガイドスリーブ180は、比較的大きな直径の前方部分により画成される平坦頂部184を有する円筒形態の本体部からなり、前方部分182の頂部183は、切断され、ピース120の溝内に収容された2つのガイド/安定化ラグによってこの切断部分の両側に延在される。スリーブ180の内部の方向に突出するリブ181が、右側に示される。これらのリブ181は、同一セクションの4つのブランチ181aによって後側に延在される。これらのリブは、液圧アクチュエータ110の2つの部品110A、110Bのラグ115、115B間の間隔部分内に収容される。
【0051】
図5Aにおいて示す実施形態によれば、液圧アクチュエータ110は、液圧アクチュエータ自体かまたは制御ロッド111にリンクされたその一部である後方部品110Aと、前方部品110Bとからなる。これらの2つの部品は、共に嵌め合わされ、例えば
図1、
図2、および
図3の断面図により示すように圧力嵌めされる。これらのピースは、異なる材料から作製され、後方部品110Aは、例えば金属から作製され、部品110Bは、検出器160と同一高さに配置され、磁石161を支持するので、アルミニウムなどの非磁性材料から作製される。
【0052】
一般的には、2つの部品110A、110Bの断面は、同一であるか、または少なくとも類似している。部品110Bが、部品110Aの断面と完全に同一の断面を有するため、部品110Bは、部品110Aに装着することが可能であり、適切に形成された液圧アクチュエータ110は、既説のように、円筒体121の後部を通り、次いで4半回転式枢動によりロックすることにより、円筒体121内において定位置に配置される。
【0053】
しかし、
図5Aに示す変形形態におけるように、前方部品110Bの断面が、3つの2次ラグ115Bが後方部品の2次ラグ115Aと同一である点において、後方部品110Aの断面とは若干異なる場合には、頂部ラグ115BBは、検出器160の回路基板164を受けるために、その幅が後方部品110Aとは異なる。この場合には、後方部品110Aは、本体121の後方端部を通過することにより定位置に配置されることとなり、部品110Bは、この前方部品Aによって導入され、部品110Bの先導点を用いて後方部品110Aの中に強制的に押し込まれる。
【0054】
ラグ115同士の間に形成されたチャネルは、ラグ115BBの両側のチャネルよりも幅広である。リブ180の断面は、この異なる幅に適合化される。これと同様のことが、延在部が形成されるリブ181の断面と同一の断面からなるブランチ181Aを受けなければならないラグ115A同士の間の間隔部分および位置について該当する。
【0055】
最後に、および図示しない別の変形形態によれば、ラグ115Bは全て、同一の断面を有し、回路基板164の寸法は、これに応じて縮小される。
【0056】
しかし、2つの実施形態間のこの若干の構造的差異によって、ロック/ガイドスリーブ180を介在させたアクチュエータピストン100のピース120内への液圧アクチュエータ110の組付けおよび案内の原理が、変更されることはない。
【0057】
図5Bは、液圧アクチュエータ110の戻しばね113と、液圧アクチュエータ110との、およびスリーブ180との組立を示す。
【0058】
図5Cは、概略的に示したアクチュエータピストン100との間で適切になされた組立を示す正面図である。
【0059】
部分的に上述したようなアクチュエータピストンは、以下の通りに組み立てられる。
【0060】
− 初めに、液圧アクチュエータ110または少なくともその後方部品110Aが、部分回転によりスライドおよびロックすることによって、アクチュエータピストン100の円筒体121の後方端部123内に設置される。これは、ばね113がハウジング124内の定位置に配置された後に行われる。
【0061】
− 液圧アクチュエータが前方部品110Bを伴わずに定位置に配置された後に、前方部品110Bは、初めに後方部品110Aの対応するハウジング内にこの前方部品110Bを押し入れることによって、定位置に配置される。
【0062】
− その後、ケーブル162を有する検出器160が、ピース120内において定位置に配置され、次いでピース120の前部が、シェル150、中間ピース145、リアクションディスク140、およびスラストロッド130により閉鎖される。
【0063】
これらの要素は全て、主軸を構成する単一の軸に沿って組み立てられる。全体的に、弁本体またはアクチュエータピストンは、縮小された直径を有することにより、マスターシリンダ上のスラスト軸(軸XX)に比較的近いアクチュエータピストンの駆動により得られる遠隔の作用力の伝達を可能にする。したがって、大きなトルクの取り込みが、回避され、これは、アクチュエータピストンの案内に対する摩擦力の低下につながる比較的良好な効果に反映される。
【0064】
マスターシリンダの付近にリアクションディスクをずらすことにより、およびピースの特定の形状により、ピストンの直径を縮小することが可能となる。さらに、運動センサを組み込むことにより、軸方向における大きさを抑えることが可能となる。
【0065】
本発明は、ブレーキングシステムの分野、およびブレーキングシステムを製造する自動車備品産業に関する。