(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5693583
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】連続プロセスでの真空蒸着技術による電極表面の活性化
(51)【国際特許分類】
C23C 14/46 20060101AFI20150312BHJP
C25B 11/10 20060101ALI20150312BHJP
【FI】
C23C14/46 Z
C25B11/10 B
【請求項の数】10
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-527326(P2012-527326)
(86)(22)【出願日】2010年9月2日
(65)【公表番号】特表2013-503967(P2013-503967A)
(43)【公表日】2013年2月4日
(86)【国際出願番号】EP2010062902
(87)【国際公開番号】WO2011026914
(87)【国際公開日】20110310
【審査請求日】2013年7月24日
(31)【優先権主張番号】MI2009A001531
(32)【優先日】2009年9月3日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】507128654
【氏名又は名称】インドゥストリエ・デ・ノラ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100096013
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100092967
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 修
(74)【代理人】
【識別番号】100161595
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 梓
(72)【発明者】
【氏名】アントッジ,アントニオ・ロレンツォ
(72)【発明者】
【氏名】グッラ,アンドレア・フランセスコ
(72)【発明者】
【氏名】イアコペッティ,ルチアーノ
(72)【発明者】
【氏名】マーテッリ,ジャン・ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】ラムンニ,エンリコ
(72)【発明者】
【氏名】ウージェゲ,クリスチャン
【審査官】
末松 佳記
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−039723(JP,A)
【文献】
特表平09−501468(JP,A)
【文献】
特開2008−303464(JP,A)
【文献】
特表2009−541915(JP,A)
【文献】
特表2005−529446(JP,A)
【文献】
特開昭63−079955(JP,A)
【文献】
特開昭46−005213(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/00−14/58
C25B 11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解プロセス用の電極の製造法であって、化学又は物理蒸着技術によって金属基材上に貴金属又はその酸化物の緻密層を連続的に蒸着することを含み、前記方法は、
− 前記金属基材を予備形成品の状態で物理蒸着装置のコンディショニングチャンバーに装填し;
− 前記コンディショニングチャンバーを第一の圧力レベルに減圧し;
− 前記予備形成品に対して、蒸着チャンバーへの装填、前記第一の圧力レベルより低い第二の圧力レベルでの前記貴金属の緻密層の物理蒸着、取出しチャンバー又は大気中への逐次排出というサイクルを逐次自動実行する
ステップを含み、
前記減圧のステップが、相互に液圧接続された前記コンディショニングチャンバーと前記蒸着チャンバーと前記取出しチャンバーとで実施され、そして前記物理蒸着のステップが前記コンディショニングチャンバーと前記取出しチャンバーとから分離された前記蒸着チャンバーで実施される、
方法。
【請求項2】
前記第一の圧力レベルが10−3〜1Paの範囲であり、前記第二の圧力レベルが10−6〜10−3Paの範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
酸化雰囲気中での熱処理という次なるステップを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記物理蒸着のステップが、ガス状反応物による前記貴金属の同時酸化を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記物理蒸着装置がIBAD装置であり、前記貴金属の緻密層の前記物理蒸着が、200〜500eVのアルゴンイオン照射による基材クリーニングステップ後に、プラズマ相から抽出された1000〜2000eVのエネルギーを有するイオンの照射によって実施される、請求項2〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
請求項1に記載の電解プロセス用の電極の製造法であって、化学又は物理蒸着技術によって金属基材上に貴金属又はその酸化物の緻密層を連続的に蒸着することを含み、前記基材は、コイル状のメッシュ又はコイル状の発泡シートであり、ここで前記基材は、10−3〜1Paの第一の真空度に減圧された、そして10−6〜10−3Paの高真空に減圧できる蒸着部を備えたロール・ツー・ロール又はロール・ツー・シートタイプのマグネトロンプラズマスパッタリング装置又はDCプラズマスパッタリング装置中で実施される前記貴金属の緻密層の物理蒸着によって処理される方法。
【請求項7】
酸化剤雰囲気中での熱処理という次なるステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記物理蒸着が、ガス状反応物による前記貴金属の同時酸化を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記金属基材が、ニッケル、スチール又はチタン製である、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記貴金属又はその酸化物が、白金、ルテニウム、イリジウム及びそれらの酸化物からなる群から選ばれる、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解用途のための触媒電極の製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
当該技術分野において、触媒被覆された金属電極を電解用途に使用することは知られている。貴金属又はその酸化物を基にしたコーティングを備えた金属基材(例えばチタン、ジルコニウム又はその他のバルブ金属、ニッケル、ステンレススチール、銅又はそれらの合金)からなる電極は、例えば、水又は塩化アルカリ電解プロセスにおける水素発生カソードとして、各種の電気冶金プロセスにおける酸素発生アノードとして、又は同じく塩化アルカリ電解における塩素発生アノードとして使用されている。そのようなタイプの電極は、堆積される金属の前駆体溶液を適切な熱処理により分解することによって熱的に;適切な電解槽からの電着(galvanic electrodeposition)によって;又はさらに火炎又はプラズマスプレー法あるいは化学又は物理蒸着法による直接金属化によって製造することができる。
【0003】
蒸着技術は、コーティングの堆積パラメーターをより正確に制御できるという利点を有しうる。それらは一般的に一定程度の真空で運転されることを特徴とし、真空の程度は、異なるタイプの適用(陰極アーク蒸着、パルスレーザー蒸着、所望によりイオンビーム支援されたプラズマスパッタリング及びその他)に応じて高いことも低いこともある。つまり、当該技術分野で知られているプロセスは、基材を適切な蒸着チャンバーに装填することを必要とし、蒸着チャンバーは数時間続く長い減圧プロセスを経なければ単品(single piece)を次に処理することができないので、基本的にバッチプロセスであることを特徴とする。全体的な処理時間は、蒸着装置に二つの別個のチャンバーを設備することによって部分的に削減することはできる。すなわち、中等度の真空レベルが維持されているコンディショニングチャンバー(例えば10
−3〜1Pa)と、コンディショニングチャンバーと連絡していることにより既に一定の真空度にある処理予定品を受け取ることができる蒸着チャンバーである。こうすれば蒸着チャンバーは、大気条件から出発する必要なしに、例えば高効率プラズマを生成するのに必要な高真空条件(例えば10
−6〜10
−3Pa)に付される。後者の場合も、蒸着はなおバッチタイプのプロセスに固有の制限に影響される。
【発明の概要】
【0004】
本発明の様々な側面は添付の特許請求の範囲に示されている。
【発明を実施するための形態】
【0005】
一態様において、本発明は電解用途に適切な電極の製造法に関し、該方法は、貴金属、例えば白金、ルテニウム又はイリジウム、又はそれらの酸化物を、化学又は物理蒸着技術によって連続式プロセスで金属基材上に蒸着することを含む。連続蒸着は、軽度の減圧レベル、例えば10
−3〜1Paの圧力で運転できるコンディショニングチャンバーと;理想的にはなるべく小さい体積を有し、第一運転状態ではコンディショニングチャンバーと液圧接続(hydraulic connection)でき、第二運転状態ではコンディショニングチャンバーから隔離して高減圧レベル、例えば10
−6〜10
−3Paに付することができる蒸着チャンバーと;第一運転状態では蒸着チャンバーと液圧接続でき、第二運転状態では蒸着チャンバーから隔離できる、コンディショニングチャンバーに匹敵する減圧レベルで運転できる所望による取出しチャンバー(withdrawal chamber)とを備えた化学又は物理蒸着装置で実施できる。
【0006】
一態様において、金属基材は、前述の装置のコンディショニングチャンバーに、予備形成品、例えば逐次供給装置の棚又はトレイの列に最終的な使用サイズにカットされたシートにして配列されて装填される。次に、装置全体は中程度の真空度に減圧される。この第一の減圧ステップは、相互に液圧接続されたコンディショニングチャンバー、蒸着チャンバー、及び所望による取出しチャンバーで実施される。次のステップで、蒸着チャンバーは隔離されて高真空度に付される。この側面は、特にプラズマ支援蒸着プロセスにとっては効率がそれによって著しく増大するために重要である。プラズマ相における蒸着プロセスは通常、動的真空下で実施される。指示される減圧レベル(例えば10
−6〜10
−3Pa)は、様々な技術によって(例えば電磁場へのガス流、所望によりアルゴンの供給によって)高密度プラズマを生成するのに必要なレベルである。正式な蒸着は、プラズマと金属ターゲットの相互作用によって起こり、その結果金属イオンが抽出されて処理される基材上に運ばれる。所望により、電磁場、イオンビームなどの追加支援を受けてもよい。ターゲットから気化された元素を酸化物の形態で堆積させたい場合、適切な反応物、例えば酸素含有流を供給することも可能である。あるいは、金属酸化物からなるターゲットの気化から出発して金属酸化物の堆積を実施することも可能である。プロセスはそれによって簡素化されるが、これは一般的にプロセス速度に悪影響を及ぼす。金属又は酸化物の気化及び所望によるガス状反応物の注入は、蒸着ステップ時の実際の真空度を、プラズマ生成の原初の真空度より低下させる(典型的にはコンディショニングチャンバーのそれより多少高い)。連続処理される品(piece)を装填した装置が、異なるチャンバーに対して指示された様々な真空度に減圧されると、予備形成品は、蒸着チャンバーへの逐次供給、化学又は物理蒸着、及びその後の所望による取出しチャンバーへの排出というサイクルに付される。処理された品の排出の後、次の基材が供給され、蒸着チャンバーの真空度が、残りの装置からまた隔離されてかなり短時間で回復される。適切な形状の基材の場合、大気中への直接排出を見込むことができる。例えば、平滑で薄い基材は、制御された液圧シール(hydraulic seal)を備えたスリットから、蒸着チャンバーの真空度に顕著な影響を及ぼすことなく排出できる。
【0007】
一態様において、前述の方法は、金属又は酸化物の形態のルテニウムの層をIBAD(イオンビーム支援蒸着)技術によって堆積するのに使用される。すなわち、10
−6〜10
−3Paの圧力でプラズマを生成させ、イオンビームによって支援されたプラズマの作用下で、蒸着チャンバーに配置された金属ルテニウムターゲットからルテニウムイオンを抽出し、結果的に、処理される基材に1000〜2000eVを含むエネルギーのルテニウムを含有するビームを照射する(衝突させる)。一態様において、IBAD蒸着はデュアルタイプのものである。すなわち、現場生成された低エネルギーレベル(200〜500eV)のアルゴンイオンを照射することによって基材のクリーニングステップを先に行うという方式である。ルテニウムは金属の形態で堆積させた後、酸化雰囲気中での熱処理、例えば400〜600℃の空気を用いて後で酸化物に変換することもできる。
【0008】
別の態様において、蒸着は、ロール・ツー・ロール(roll-to-roll)又はロール・ツー・シート(roll-to-sheet)装置で実施される。この装置は、一般的に第一の真空度(例えば10
−3〜1Pa)に減圧されており、適切なシールによって高真空(10
−3〜10
−6Pa)に減圧できる限られた体積の蒸着部を備えている。このタイプの構成に適した蒸着技術はMPS(マグネトロンプラズマスパッタリング)として知られているもので、磁場と高周波電場の併用を通じて高密度プラズマの生成を提供する。(本発明の)範囲に適合する別の蒸着技術は、磁場と変調直流の併用を通じて高密度プラズマの生成を提供する(DCプラズマスパッタリング)。
【0009】
別の態様において、蒸着は、コイル状に巻かれたメッシュ又は発泡シートに対して実施される。範囲に適合するコイル状の発泡シートは、コイル状の充実シートから出発して、巻出し(unrolling)、引張り(tensioning)、機械的発泡、化学的に攻撃的な溶液を通過することによる所望によるエッチング、及びその後のコイルへの巻戻し(rewinding)を提供する連続プロセスによって得ることができる。エッチングは、蒸着プロセスに適切な、制御された粗度を付与するのに有用でありうる。あるいは、エッチングプロセスは、発泡メッシュをコイルに巻き戻した後に実施してもよい。
【0010】
別の態様において、コイル状の発泡メッシュは、ロール・ツー・ロール処理に適切な、コイルの装填及び巻出し部、所望により第一の封止スリット(sealed slit)によって装填部から分離された蒸着部、及び所望により第二の封止スリットによって蒸着部から分離された巻戻し部を備えた化学又は物理蒸着装置、所望によりMPS装置に供給される。
【0011】
別の態様において、コイル状の発泡シートは、ロール・ツー・シート処理に適切な、コイルの装填及び巻出し部、所望により第一の封止スリットによって装填部から分離された蒸着部、及び所望により第二の封止スリットによって蒸着部から分離された取出し部を備えた化学又は物理蒸着装置、所望によりMPS装置に供給される。
【0012】
取出し部は、所要サイズの平面電極を得るために連続切断装置と統合されていてもよい。一態様において、蒸着装置は、10
−3〜1Paの圧力レベルで運転され、蒸着部は、高真空レベル、例えば10
−3〜10
−6Paから出発して得られる動的真空で運転される。
【0013】
発明者らが得た最も重要な結果の一部を以下の実施例に提示するが、これらは発明の範囲の制限を意図したものではない。
【実施例】
【0014】
実施例1
1000×500×0.89mmサイズの20枚組のチタングレード1のシートを18体積%のHCl中でエッチングし、アセトンで脱脂した。該シートを、連続製造のためにIBAD装置のコンディショニングチャンバーの各トレイに置き、その後130Paに減圧した。次に、シートを蒸着チャンバーに逐次供給し、そこで動的真空下、3.5.10
−5Paの圧力で生成されたプラズマによる二段階のイオン照射に付した。第一段階では、シート表面を可能性ある残留物からクリーニングすることを目的として、シートを低エネルギー(200〜500eV)のアルゴンイオンで照射した。第二段階では、緻密コーティングの堆積を目的として、プラズマ相から抽出された1000〜2000eVのエネルギーの白金イオンによる照射を実行した。0.3mg/cm
2のPtの蒸着完了後、シートを130Paに維持された次の減圧チャンバーに移した。全シートに対する処理が終了したら、減圧チャンバーを周囲空気で加圧し、その後シートを取り出した。
【0015】
このようにして得られた電極の一部から1cm
2のサンプルを切り取り、標準条件における塩素発生電位の測定を実施した。HClの添加によってpH2に調整された290g/lの濃度のNaCl溶液中、50℃の温度、3kA/m
2の電流密度で1.13V/NHEの値が得られた。
【0016】
実施例2
1000×500×0.3mmサイズの10枚組のニッケルシートを、70μmをわずかに下回るRz粗さ値が得られるまでコランダムでブラストし、20体積%のHCl中でエッチングし、アセトンで脱脂した。該シートを、実施例1に記載のIBADプロセスにより、同じ装置を使用し、第二段階ではプラズマ相から抽出された1000〜2000eVのエネルギーのルテニウムイオンによる照射を実施して0.1mg/cm
2のルテニウム膜で被覆した。蒸着後、シートを取り出し、空気中400℃で1時間の熱的後処理に付すことによって、被覆されたルテニウムをRuO
2に酸化した。このようにして得られた電極の一部から1cm
2のサンプルを切り取り、標準条件における水素発生電位の測定を実施した。32重量%のNaOH中、90℃の温度、10kA/m
2の電流密度で−968mV/NHEの値が得られた。
【0017】
実施例3
幅500mm及び厚さ0.36mmの20メートルのコイル状ニッケル発泡メッシュを熱的に脱脂し、約20μmのRz粗さ値が得られるまで20体積%のHCl中でエッチングした。該コイルを、連続ロール・ツー・ロール蒸着のために、マグネトロンプラズマスパッタリング(MPS)装置の供給部に装填し、10
−3Paの圧力をかけた。該装置は0.2cm/sの線速度で運転された。蒸着部への移送中、シートを純Ar中でのスパッタリングによってさらにクリーニングした(基材とチャンバー壁間の公称電力200W及びバイアスゼロで5.10
−5Paで生成されたプラズマを用いて)。次いで、反応性スパッタリングによって得られたRuO
2層で被覆した(200W、20%Ar/O
2混合物、約5.10
−1Paの動的真空及び約450℃の蒸着温度を維持)。蒸着後、3μmの厚さに相当する0.3mg/cm
2のRuO
2で被覆された発泡シートを取出し部でコイル状に巻き戻し、装置を周囲空気で再加圧した後、そこから取り出した。このようにして活性化された発泡シートコイルを次に連続切断機に供給し、そこで長さ100cmの電極を得た。このようにして得られた電極の一部から1cm
2のサンプルを切り取り、標準条件における水素発生電位の測定を実施した。32重量%のNaOH中、90℃の温度、10kA/m
2の電流密度で−976mV/NHEの値が得られた。
【0018】
前述の記載は本発明の制限を意図したものではない。本発明はその範囲から逸脱することなく異なる態様に従って使用でき、その範囲は添付の特許請求の範囲によって一義的に定義される。
【0019】
本願の記載及び特許請求の範囲全体にわたって、“含む(comprise)”という用語並びに“comprising”及び“comprises”などのその変形は、その他の要素又は添加物の存在を排除しないものとする。
【0020】
文献、行為、材料、装置、物品などの考察は、本発明の背景を提供する目的のためだけに本明細書に含められている。これらの事項のいずれか又はすべてが先行技術の基礎の一部を形成していた、又はそれらが本願の各クレームの優先日より前に本発明の関連分野で共通の一般的知識であった、ということを示唆又は表しているのではない。