【氏名又は名称原語表記】COMMISSARIAT A L’ENERGIE ATOMIQUE ET AUX ENERGIES ALTERNATIVES
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ブロック(2)の前記第1の面の反対側にある前記ブロック(2)の第2の面に配置され、且つ、第2の導電性ワイヤ素子を収納するための第2の溝(7b)を前記電池の前記ブロック(2)とともに構成する第2のカバー(6b)を備える、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
前記太陽光発電接合と接続された前記電気コンタクト素子のうちの少なくとも1つは、溝に埋め込まれたワイヤ素子を含む、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の方法。
前記電気コンタクト素子のうちの少なくとも1つは、前記半導体基板の面に配置された複数の伝導アーム(10)を備え、前記アーム(10)は、ワイヤ素子と接する又は接続するように設計されている、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の方法。
前記電池をひっくり返すステップの後、各ラインを引き伸ばし、同じラインの複数の電池を前記ラインの中央軸の両側に交互に配置する、ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載の方法。
請求項1乃至9の1つに記載の複数の太陽電池をアセンブルする方法であって、複数の電池の同一ライン(12a、12b、12c、12d)を複数個形成することを備え、ひっくり返すステップの後、複数のライン(12a、12b、12c、12d)と複数のカラム(13a、13b、13c、13d)とのマトリックスを形成するように、前記複数のラインを配置し、第3のワイヤ(14a、14b、14c)を前記マトリックスの2つの隣り合うカラムの間に形成された各間隔(Int1、Int2、Int3)の中に配置し、各第3のワイヤ(14a、14b、14c)を、前記マトリックスの各ライン(12a、12b、12c、12d)の2つの隣り合う電池を接続する前記ワイヤ素子(11a、11b)と電気的に接続する、ことを特徴とする方法。
【発明を実施するための形態】
【0019】
他の利点及び特徴は、本発明の特有の実施形態についての下記の説明により、さらに明らかにされる。本発明の特有の実施形態は、単なる例示であって、本発明を限定するものではない。本発明の特有の実施形態は、添付の図面により示される。
【0020】
図2から
図9に示される本実施形態においては、太陽電池は、少なくとも1つの半導体基板2aを含むブロック2が設けられ、半導体基板には少なくとも1つの太陽光発電接合が形成されている。太陽光発電接合はPN接合を構成することができる。各太陽光発電接合は、第1の極を介して第1の電気コンタクト素子と接続され、第2の極を介して第2の電気コンタクト素子と接続される。太陽電池は、ブロック2の第1の面に配置された第1の透過カバー6aを備え、このカバーは、第1の導電性ワイヤ素子を収納するための第1の溝7aをブロック2とともに構成する。
【0021】
好ましくは、第1の溝7aは、電池の側面8における第1のワイヤ素子を収納するための長手溝である。
【0022】
第1及び第2の極は、例えばアノード及びカソードに対応する。第1及び第2の電気コンタクト素子は、半導体基板中で生成されたチャージ、電子、電子ホールを集めることを可能にする。
【0023】
カバー6aは、好ましくはその複数の長手端(longitudinal edge)の1つにおいてショルダーを備える。好ましくは、ブロック2は、第1のカバー6aのディメンションと精度良く等しいディメンションを有する。従って、
図2に示されるように、第1のカバー6aがブロック2の上の位置にあり、且つ、ショルダーを形成するノッチを有する第1のカバー6aの面がブロック2の第1の面に向いている場合には、第1の長手溝7aは自然に定められる(delimited)。また、第1の溝7aは、2つの側壁9b、9cと接続された底9aにより形成される。側壁9bと底9aとは、第1のカバー6aのショルダーにより構成され(delimited)、他の側壁9cは、ブロック2の第1の面の自由位置(free position)により構成される。
【0024】
好ましくは、第1のワイヤ素子は、第1の溝7aの長手方向に埋め込まれる。長手方向に埋め込まれることにより、ワイヤ素子の軸はそれが埋め込まれた溝の長軸とほぼ平行となることが明らかである。
【0025】
図2及び
図3に示される特有の第1の実施形態によれば、ブロック2は1つの半導体基板のみで形成され、第1のカバー6aは半導体基板上に直接配置することができる。第1の電気コンタクト素子は、基板の第1の面に配置された複数の伝導アームを備えることができる。第2の電気コンタクト素子は、基板の第1の面の反対側にある基板の第2の面の上に形成された金属層4を備えることができる。言い換えると、金属層4は半導体基板を覆うものである。好ましくは、アーム10は、第1の溝7aの長軸とほぼ垂直であり、第1のカバー6aと基板の第1の面との間に配置される。好ましくは、アームは、導電性接続アーム(electrically conducting connection arm)(不図示)を用いて溝と電気的に接続されており、導電性接続アームは、基板の部分により形成された第1の溝7aの側壁9cの部分を少なくとも覆う。好ましくは、アーム10は、電池の活性表面を最適化するように互いの距離を持って配置される。言い換えると、少なくとも1つの電気コンタクト素子は、半導体基板の面の上に配置された複数の伝導アームを備え、このアーム10は、ワイヤ素子と接する又は接続するように設計されている。
【0026】
アーム10と接続アームとは、基板2上に堆積又は形成された金属又は他の導電性材料により形成することができる。
【0027】
変形例によれば、接続アームは必要なものではなく、アーム10は、半導体基板の自由部分により形成された第1の溝7aの側壁9cの部分を覆う。第1の導電性ワイヤ素子が第1の溝7aの長手方向に埋め込まれている場合には、アーム10は互いに電気的に接続している。この第1のワイヤ素子が基板と電気的に接している場合には、例えば、ワイヤが1つの導電性材料のみから形成されている場合には、この第1のワイヤ素子は第1のコンタクト素子の部分を構成する。言い換えると、太陽光発電接合と接続する電気コンタクト素子のうちの少なくとも1つは、溝に埋め込まれたワイヤ素子を備える。
【0028】
他の変形例によれば、電池が、さらに詳細には、半導体基板が、光子の吸収により生成された多量の電子又は電子ホールを引き付けることが可能な最小距離よりも小さなディメンションを有する場合には、アーム10は必須なものではない。第1の導電性ワイヤ素子は、第1の溝7aの長手方向に埋め込まれ、それにより第1の電気コンタクト素子として単独で働くこととなる。
【0029】
導電性ワイヤ素子により直列に接続されたこのような電池のアセンブリは、各電池の間に、第1の電池の第1の溝7aと第2の電池の金属層4とを電気的に接続するワイヤ素子を備える。
【0030】
図4に示される第1の実施形態の変形例によれば、金属層4の自由面は第2のカバー6bにより覆われており、第2のカバーの中央には第2の溝7bが形成されており、好ましくは、第2の溝は第1の溝7aの長軸とほぼ平行な長軸を有する。この第2の溝は、溝を構成することにより直列に接続された電池のアセンブリを製造することを可能にすることができ、例えば長手方向に埋め込むことにより、第2の導電性ワイヤ素子を第2の溝に挿入することができる。
図4に示されるように、電池は、ブロック2の第1の面の反対側にあるブロック2の第2の面の上に配置され、且つ、第2の導電性ワイヤ素子を収納するための第2の溝7bを電池のブロック2とともに構成する第2の透過カバー6bを備えることができる。
【0031】
当然、電池が小さなディメンションを有する場合には、金属層は除去することができ、且つ、第2の電気コンタクト素子は、基板と接する第2の導電性ワイヤ素子により形成される。この場合、第2のカバー6bのみが半導体基板を保護するために維持される。
【0032】
図示しない他の変形例によれば、金属層4は、この金属層4の自由面にある第2の自由面に第2の溝7bを形成するのに十分に厚いものである。
【0033】
図5に示される第2の実施形態によれば、この実施形態においては、ブロック2は太陽光発電接合が設けられた単一(single)の半導体基板を備え、電池は、この基板の第1の面の反対側にある半導体基板の第2の面に配置され、且つ、好ましくは電池の側面8において、第2の導電性ワイヤ素子を収納するための第2の長手溝(7b)を基板とともに構成する第2のカバー6bを備える。好ましくは、この第2の溝7bは第1の溝7aとほぼ平行であり、例えば、第2の溝は第1の溝7aの長軸と平行な長軸を有する。好ましくは、
図12及び13とともに後で説明するが、複数の電池をアセンブルする方法を行うために、第2の溝7bは第1の溝7aと同じ側壁8に配置される。第1及び第2の電気コンタクト素子は、全体的又は部分的に、少なくとも第1及び第2のワイヤ素子となることができ、これらのワイヤ素子は、それぞれ第1及び第2の溝7a、7bの長手方向に埋め込まれる。
【0034】
図5においては、全体的又は部分的に第2の電気コンタクト素子を形成するために、好ましくは、金属層4は半導体基板と第2のカバー6bとの間に挿入され、第2の溝7bに埋め込まれた後にこの金属層4は第2のワイヤ素子と電気的に接する。先に説明したように、
図5の実施形態は、第1のカバー6aと半導体基板との間に配置されたアームと一体化することができる。
【0035】
図6に示される第2の実施形態の変形例によれば、第2のカバー6bも透過性である。このようにすることにより、第1のカバー6a、及び/又は、第2のカバー6bを通過しつつ、半導体中で相互作用する光子により生成されたチャージを集めることを可能にすることができる。従って、金属層4は、先に説明したアーム10と同様のアームにより置き換えることができ、第2のカバー6bと半導体基板との間に挿入することができる。例えば、伝導アームは第2の溝7bの長軸と直交する。複数の伝導アームは、導電性接続アームにより互いに電気的に接続することができる。基板の表面上の伝導アームの存在により、さらに将来的にはワイヤ素子の存在により導入される光子に対する障壁を増やすことがないように、この接続アームは、例えば基板の部分により形成された第2の溝7bの側壁の上といった、将来的に埋め込まれるワイヤ素子の下に配置されることが好ましい。
【0036】
先に説明したように、電池が小さなディメンションを有する場合にはアームは必須のものではない。第1及び第2の導電性ワイヤ素子は、それぞれ第1及び第2の溝7a、7bの長手方向に埋め込まれ、それのみで第1及び第2の電気コンタクト素子を形成することができる。従って、第1のカバー6a、及び/又は、第2のカバー6bは、半導体基板上に直接配置することができる。
【0037】
図7に示される第3の実施形態によれば、電池は、2つのカバー6a、6bに挟まれた中央ブロック2を含む。さらに詳細には、電池は、第1の透過カバー6aと、第1の太陽光発電接合が設けられた第1の半導体基板2aと、金属層4と、第2の太陽光発電接合が設けられた第2の半導体基板2bと、第2の透過カバー6bとで構成される積層を有する。第1のカバー6aと半導体基板2aとは、電池の側面8において導電性ワイヤ素子を収納するための第1の長手溝7aを構成する。第2のカバー6bと半導体基板2bとは、電池の側面8において第2の導電性ワイヤ素子を収納するための第2の長手溝7bを構成する。さらに、この例においては、第1の半導体基板2a及び第2の半導体基板2bは側面8側において金属層4よりも長い。従って、金属層4と第1及び第2の基板2a、2bは、電池の側面8において、金属層4と接続するように設計された第3の導電性ワイヤ素子を収納するための第3の長手溝7cを構成する。言い換えると、第2のカバー6bが透過性であることにより、ブロック2は金属層4により分離された太陽光発電接合を含む2つの半導体基板2a、2bを備え、さらに電池は、この金属層4と接続するように設計された第3の導電性ワイヤ素子を収納するための第3の長手溝7cを備える。第3の溝7cは長軸を備え、好ましくは第1の溝7aの長軸とほぼ平行である。他の電池とのアセンブルを行うために、3つの溝7a、7b、7cは電池の同じ側面8に形成されることが好ましい。このような電池は、電池の2つの主面からの光子を受けることができる。
【0038】
好ましくは、
図6の実施形態において示されるものと同様の複数の伝導アームは、それぞれ、第1のカバー6aと基板2aとの間、第2のカバー6bと基板2bとの間に挿入される。当然、電池が小さなディメンションを有する場合にはアームは必須のものではない。
【0039】
この実施形態においては(
図7)、電池は、半導体基板2a及び2bの中にそれぞれ形成された2つの太陽光発電接合を有する。各太陽光発電接合は第1及び第2の電気コンタクト素子と接続する。第3のワイヤ素子は、第3の溝7cに配置され、上部太陽光発電接合(基板2b中の)のコンタクト素子と接続され、且つ、下部太陽光発電接合(基板2a中の)のコンタクト素子と接続されることとなる。電池の溝に埋め込まれた第1、第2、第3のワイヤ素子を介して行われることとなる接続により、2つの太陽光発電接合は、最終的には直列又は並列に接続された状態で搭載することができる。
【0040】
変形例によれば、電池が小さなディメンションを有する場合には、金属層4は誘電体により置き換えることができる。第3の溝7cは、誘電体と半導体基板2a及び2bの2つの対向する部分とにより構成される。第3の溝7cに挿入されたワイヤ素子は、2つの太陽光発電接合に共通する電気コンタクト素子を形成する。
【0041】
図7中に示されるような数個の電池のアセンブリの一例を以下に説明する。メインアームに接続された2つの第2アームを有するY形状の導電性ワイヤ素子を用いている。第2のアームはそれぞれ電池の第1及び第2の溝7a、7bに挿入されている。Y形状のワイヤ素子のメインアームは、隣り合う電池の第3の溝7cに埋め込まれることとなる。各電池の2つの太陽光発電接合2a、2bは平行に搭載され、電池は共通の第1及び第2の極と接続する単一の接合と等しい。
【0042】
このようなアセンブリにおいては、Yのメインアームを形成するために、Y形状のワイヤ素子は、第3の溝において2つのワイヤを結合させることができる。
【0043】
図8に示される第4の実施形態によれば、電池は常に第1及び第2の透過カバー6a、6bを備え、それらの各々は、ワイヤ素子7a、7bを収納するための長手溝を中央ブロックとともに構成する。ブロック2は誘電体2cにより分離された太陽光発電接合を含む2つの半導体基板2a、2bを備える。第3の長手溝7cと第4の長手溝7dとは、好ましくは第1の溝7aとほぼ平行であり、誘電体層2cとそれに対応する半導体基板2a、2bとの間の界面にそれぞれ形成される。好ましくは、第3の溝7cと第4の溝7dとは、第1の溝7aと第2の溝7bと同じ電池の側面に形成される。
【0044】
さらに、ブロック2は、誘電体2cの両側にあって、半導体基板2a、2bと誘電体2cとの間に挿入された金属層4a、4bを備えことができる。電池のディメンションが、ワイヤ素子が半導体基板中で生成されたすべてのチャージを集めることができない状態にある場合において、金属層4a、4bは電池の効率を最適化することができる。
【0045】
すべての実施形態に適用することができる変形例によれば、各カバー6a、6bは、対応する基板に向かって太陽放射線(solar radiation)を集める集光装置(concentrator)を形成することができる。このようにすることにより、各太陽電池の効率を改善することが可能となる。特有の例によれば、透過カバーは、対応する半導体基板に光子を集束させる複数のレンズを備えることができる。
【0046】
通常の方法によれば、半導体の温度が上昇すると電池の効率が低下する。従って、使用の間、カバーの少なくとも1つはヒートシンクを形成することができ、例えば、くし形状のカバーは熱伝導材料により形成される。例えば、集光透過カバーとヒートシンクカバーとを想定することができる。
【0047】
図9に示される第5の実施形態によれば、電池は
図5及び6に示されるタイプのものであり、例えば、第1及び第2の溝7a、7bを第1の側面8aに備える。さらに、
図9の電池は、第1の側面8aと対向し好ましくは第1の側面8aと平行である第2の側面8bにおいて、ワイヤ素子を収納するための第3と第4の溝7c、7dを備える。これらの溝7c、7dは対応するカバー中のショルダーと半導体基板とにより構成されることが好ましい。2つの電池を直列に接続するアセンブルは、第1の電池の第1の溝7aと第2の電池の第2の溝7bとの両方に挿入された第1のワイヤ素子により行われる。このようにして、第2のワイヤ素子は、第1の電池の第3の溝7cと第2の電池の第4の溝7dとの両方に挿入される。このようにすることにより、2つの対向する側面の上に電池の直列接続を形成することを可能にし、アセンブリの信頼性を改善することができる。さらに、ワイヤ素子の1つが切断した場合であっても、他のワイヤ素子が電池の直列接続の継続性を確保することも可能になる。電池のディメンションにより、これらのワイヤ素子は第1及び第2の電気コンタクト素子を形成するためには十分なものであることができる。そうでない場合には、先に説明したように各カバーと基板との間にアームを形成することができる。当然、当業者は
図7及び8の実施形態にこの原理を適用することができる。
【0048】
このような電池により、半導体基板は、2つのカバー6a、6bにより又は第1の透過カバーと電池の下に形成された金属層4とにより、外部環境から保護される。従って、従来の太陽電池をアセンブルする方法と比べて、(半導体基板が汚染されることを避けるために)ダストの少ない特定の環境で、本発明にかかる様々な太陽電池をアセンブルする必要はない。
【0049】
さらに、カバー6a、6bにより全体が一定以上の堅さを持つこととなり、アセンブルの間の電池の取り扱いを簡単にすることを可能にする。例えば、半導体基板の厚さは約200μmであり、各カバーは200μmの厚さを持つ。
【0050】
先に説明した複数の電池は、フレキシブルな太陽光パネルを形成するために、布と一体となることができるようにアセンブルすることができる。パネルのフレキシビリティーは、小さなサイズの電池を複数個用いることにより可能となり、側辺が5mmよりも小さいことが好ましい。
【0051】
通常の方法によれば、太陽電池のアセンブリは、数個のワイヤ素子で互いに接続された数個の太陽電池を備え、各ワイヤ素子は少なくとも2つの太陽電池の溝に埋め込まれている。
【0052】
さらに、本発明によるアセンブルの方法は、小さなサイズの電池を備える非常に小さなディメンションの太陽光パネルを形成することを可能にする。
【0053】
この特有な場合であって、電池が(2つの透過キャップにより)両側に太陽放射線を集めることができる場合には、このような電池のアセンブリは太陽に向くように設計された第1の面を備える。反射手段はアセンブリの第2の面に配置することができる。実際には、第1の面が太陽放射線に向かっている場合には、太陽放射線の一部は電池の間を通過し、第1の面を介して吸収されることはない。反射手段は、これらの放射線を集め、第2の面の透過カバーへと返すことを可能にすることができる。このような手段は、例えば、パターニングされた又はパターニングされていないアルミニウム箔又は銀箔から形成することができる。
【0054】
ワイヤ素子を収納するための2つの長手溝を同じ側面に備える電池を用いたアセンブリの一例としての特有の実施形態によれば、
図10及び11に示すように、最初に複数の溝が第1及び第2の並び(row)を形成するように、電池は少なくとも1つのライン状に配置される。1つの電池の第1の溝7aが隣り合う電池の第2の溝7bと一列に並ぶ(align) ように、複数の電池は配置される。
図11に示すように、複数の電池は同じサイズと同じ形状とを有することが好ましい。
【0055】
特定の例は、電池A、B、C、D を示し、各電池は太陽電池の側面において2つの長手溝を備える。図 10 においては、電池Aと電池 C とが上に向いている第1の透過カバー6aを有し、一方、電池 B 及び D は下に向いている第1の透過カバー6aを有する。このようにして、第1の溝の並び(
図10の上側の並び)は、太陽電池Aの第1の溝7aと太陽電池Bの第2の溝7bと太陽電池Cの第1の溝7aと太陽電池Dの第2の溝7bとで構成される(左から右へ)。同様に、第2の溝の並び(
図10の下側の並び)は、太陽電池Aの第2の溝7bと太陽電池Bの第1の溝7aと太陽電池Cの第2の溝7bと太陽電池Dの第1の溝7aとで構成される(左から右へ)。
【0056】
適切に電池を配置した後、
図12及び13に示すように、これらの電池は、電池のラインごとに接続される。第1の導電性ワイヤ11aは、第1の溝の並びの各溝(
図12の上側の複数の溝)に挿入され、第2の導電性ワイヤ11bは、第2の溝の並びの各溝(
図12の下側の複数の溝)に挿入される。従って、この特有の例においては、第1のワイヤ11aは、電池Aの第1の溝7aと電池Bの第2の溝7bと電池Cの第1の溝7aと電池Dの第2の溝7bとに伸び、一方、第2ワイヤ11bは、電池Aの第2の溝7bと電池Bの第1の溝7aと電池Cの第2の溝7bと電池Dの第1の溝7aとに伸びる。次いで、各電池の第1及び第2のワイヤ素子を形成するために、第1及び第2のワイヤ11a及び11bは、2つの隣り合う電池の間で交互に(alternatively)切断される(
図14)。実際には、1つの電池の第1のワイヤ素子は、隣り合う電池の第2のワイヤ素子も形成する。第1及び第2のワイヤ11a、11bは、低い抵抗損失(ohmic losses)を持つような良好な伝導体からなる必要がある。例えば、銅から形成されたワイヤ、又は、銅及び銀の合金を含むワイヤを用いることができる。
【0057】
切断している間、
図14に示す特有の例によれば、
図12の上部の複数の溝の中の第1のワイヤ11aは、電池AとBとの間と、電池CとDとの間とにおいて切断される。下部の複数の溝の中の第2のワイヤ11bは、電池BとCとの間で切断される。最終的には、2つの隣り合う電池は、1つの電池の第1のワイヤ素子と隣り合う電池の第2のワイヤ素子との両方を形成する単一のセグメントのワイヤにより接続される。電池Aは第2のワイヤ11bのセグメントにより電池Bに接続され、電池Bは第1のワイヤ11aのセグメントにより電池Cに接続され、電池Cは第2のワイヤ11bのセグメントにより電池Dに接続される。
【0058】
ショートすることを回避するために、ワイヤ11a、11bが2つの隣り合う電池の間で切断される場合、
図14に示すようにこの2つの隣り合う電池の溝において切断されることが好ましい。
【0059】
第1及び第2のワイヤ11a、11bを適切に切断した後、同じ側にある電池の第1のカバーのすべてを所定の方向に向かせるために、1つおきに太陽電池をひっくり返す(
図15)。ひっくり返すことにより、電池が、第1及び第2のワイヤ11a及び11bと平行な軸に沿って初期の位置に対して180°回転していることがわかる。
【0060】
図15及び
図16は、それぞれ、ひっくり返す工程後の複数の電池の構成についての側面図及び上面図を示す。電池A及びCの位置はそのままに維持され、一方、電池B及びDの位置は反転する。この構成においては、各電池の第1のカバー6aは上側に向かっており、すべての溝7aは複数の電池のラインの上部に位置している。
【0061】
変形例によれば、太陽電池をひっくり返した後、
図17に示すように、同じラインにある複数の電池が複数の電池のラインの中央軸の両側に交互に配置されるように、複数の電池の各ラインを引っ張る。
【0062】
この方法は、これまで説明した太陽電池の直列接続をシンプルに形成することができ、且つ、フレキシブルなアセンブリを得ることを可能にする。
【0063】
直列に接続された複数の太陽電池からなる複数のラインの効率は、マトリックス形状にアセンブリを形成することにより改善される。従って、変形例においては、アセンブルする方法は、複数の電池からなる複数の同一ラインを形成することを備える。ひっくり返す工程の後、好ましくは引き伸ばし工程の後、
図18に示すような複数の電池のラインとカラムとのマトリックスを形成するように、複数のラインは配置される。隣り合う電池の2つのカラムは間隔により分離されている。次いで、各間隔において、第3のワイヤが、この間隔におけるマトリックスの各ラインの2つの隣り合う電池を接続する伝導ワイヤ素子を、電気的に接続する。
【0064】
図18に示される特有の例によれば、マトリックスは、4つの電池のカラム13a、13b、13c、13dを形成するように配置された4つのライン12a、12b、12c、12dを備える。第1のカラム13aと第2のカラム13b、第2のカラム13bと第3のカラム13c、及び、第3のカラム13cと第4のカラム13dは、各間隔Int1、Int2、Int3により互いに分離されている。各間隔においては、第3のワイヤ14a、14b、14cが配置され、複数の電池の各ラインを電気的に接続する。この電気的な接続は、この間隔において同じラインにある2つの隣り合う電池を接続するワイヤ素子の各セグメントに、第3のワイヤを溶接することにより行うことができる。従って、
図18に示すように、各ラインは
図17に示すラインに対応し、ワイヤ14aは間隔Int1において各ラインのワイヤ素子と接続し、ワイヤ14bは間隔Int2において各ラインのワイヤ素子11aと接続し、ワイヤ14cは間隔Int3において各ラインのワイヤ素子11bと接続する。
【0065】
1つ又は数個の電池が陰に入った場合のパフォーマンスの損失を抑える為に、1つ又はそれ以上の太陽電池においてバイパスダイオードを用いることができる。実際には、太陽電池は、ダイオード(太陽電池の太陽発電接合により形成された)と並列である電流源としてみなすことができ、電流強度は電池の入射光に依存する。電池が陰に入った場合、電流はとても低く、もっと言えばゼロである。直列に接続された複数の太陽電池のラインにおいては、電池が陰に入った場合には、複数の電池のラインにより生成された電流はその中を循環することはできず、生成される電流量は非常に低くなる又はゼロとなる。陰に入った又はその効率を制限するような設計欠陥が有るような電池に対する影響力を限定するために、バイパスダイオードは電流の迂回路を形成することができる。本発明による太陽電池のアセンブリにおけるバイパスダイオードの挿入の様々なモードは、当業者により想定することができる。
【0066】
例えば、
図18に示すようなアセンブリの場合には、追加ラインの各追加ダイオードがカラムのすべての太陽電池と並列に接続するように、バイパスダイオードの追加ラインを付加することができる。さらに詳細には、各追加ダイオードのアノードとカソードとは、それぞれカラムの太陽電池の太陽光発電接合により形成されたダイオードのカソードとアノードとに接続される。このような各追加ダイオードは、マイクロチップの形状に形成されることができ、このマイクロチップは、各マイクロチップのダイオードのアノードとカソードとにそれぞれ接続された伝導スタブ(conducting stub)が設けられた2つの溝を有する。この追加ダイオードは、互いに接続することができ、且つ、これまで説明したものと同様のアセンブルの方法によるアセンブリの太陽電池に接続することができる。アセンブリとしてのこれらの良好な集積を保証するために、このようなマイクロチップのディメンションはアセンブリの太陽電池のものとほぼ同じであることが好ましい。
【0067】
特有の実施形態の例としては、ダイオードはショットキーダイオードが用いられる。これらのダイオードは、バイパスによる電流の消費を制限するような非常に低い電圧ドロップ(約0.3V)を持つという利点を有する。
【0068】
このような方法は、電池のマトリックス形状のフレキシブルで弾力性のあるパネルを製造することを可能にする。従って、陰に入った領域により、又は、複数の電池のうちの1つが不良になったことによるパネルに対する影響を抑えることとなる。このパネルの良好な寛容性は、平坦ではない表面で使用している間にもパフォーマンスの増加を得ることができる。例えば、パネルは、ガーメント又はバックパックと集積することができ、これにより電気機器に供給するエネルギーを蓄積したり、又は、電池の再充電をしたりすることを可能にする。このような布との一体化を行うことは今日であっても容易ではない。実際には、硬質なサポートの上に存在する標準的な電池は、約16cm×16cmのディメンションを有する。しかしながら、これまで説明したアセンブルの方法により、標準的な電池から、一辺5mmであるほぼ四角形状の約1024個の太陽電池を得ることができる。32のラインと32のカラムとのマトリックスを形成するためにこれらの素子を接続することができる。フレキシブルなワイヤ素子を用いることにより、最終的には、布と集積することに適した一定のフレキシブル性を有する一辺約16cmの四角形を最終的に得る。
【0069】
最終的には、得られたアセンブリは、フレキシブルな接着剤に埋め込まれる、又は、フレキシブルなプラスチックの2つの光子透過性層(photon transparent layer)の間に封入される。これにより、侵食や水に対する保護を保証することにより部品の保護することと、アセンブリのフレキシブル性を維持することと、アセンブリにストレスが印加された場合にワイヤの間のショートを避けることとを可能にする。
【0070】
図2から
図9に示されるような複数の太陽電池の製造の方法の一例は、
図19から
図22に示される。最初の工程においては、複数の活性領域16が活性板(active plate)15の上に形成される。各活性領域16は、半導体材料から形成された少なくとも1つの太陽光発電接合を備える。このような板はシリコンウエハの形状を有することができ、その上には、太陽光発電接合が設けられた複数の活性領域16が形成されている。
【0071】
次いで、例えばガラスといった透過性材料により形成された裏板17は、アセンブリを形成するために活性板15の上に転写することができる。この裏板17はキャビティ18を備え、このキャビティ18は、活性板15の各活性領域16においてキャビティ18がこの活性領域の端部の一つに向かい合うように配置されている(
図19及び20)。
図20においては、ランダムに配置された活性領域16により、キャビティ8は裏板17に連続的に形成されている。
【0072】
最後に、電池を形成するために、様々な活性領域の端部に沿ってアセンブリを切断する。切断パス(cutting path)は各キャビティを通過し、切断後は、少なくとも1つの水平溝をそれぞれ備える複数の電池を得る(
図21)。
【0073】
活性板の上の多数の活性領域を最適化するために、活性領域は
図22に示すようなグリッドを形成する。従って、裏板17のキャビティ18は、アセンブリの切断を行うためのほぼ平行な複数のトレンチにより形成することができる。
【0074】
方法の変形例によれば、活性板15は活性層に覆われており、裏板のキャビティ18は、アセンブリの切断を行うほぼ平行な複数のトレンチにより形成することができる。実際には、活性領域はシンプルなPN接合となることができ、最初に各電池の活性領域を構成する必要はない。
【0075】
2つのキャップを有する太陽電池を形成するために、このアセンブリを切断する前に活性板15の裏面の上に第2の裏板を付加することができる。好ましくは、裏面の裏板はキャビティ又は開口を含み、それらは、アセンブリを切断した後に、電池の裏面の側面の上にそれぞれ位置するワイヤ素子を収納するための溝を形成するように設計されている。
【0076】
製造方法の変形例によれば、非常に薄い電池を形成するために、活性板15はその裏面により薄くすることができる。同様に、活性板15が金属層を含む場合には金属層を薄くすることができる。
【0077】
裏板17を活性板15と一体化した際には、活性板15の裏面の上に他の裏板を転写する前に、活性領域16を平坦にする(flush)するように活性板15を薄くすることができる。特に、これにより、
図6に示すような例えば2つの透過キャップを有する電池を形成することを可能にする。
【0078】
本発明による太陽電池の他の実施形態は、他の太陽電池のアセンブルの方法と同様に、当業者により想定することができる。従って、先に説明した電池の例において、カバーは半導体基板の上に直接配置されているにもかかわらず、中央ブロックの他の構成層の上にカバーを配置することが可能である。さらに、ワイヤ素子を収納するための1つ又はそれ以上の溝は、太陽電池の面の上に形成することができ、例えば、電池のブロックを覆う透過カバーを介して太陽電池の正面上に配置することができる。