特許第5693614号(P5693614)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5693614復調用参照信号のハイブリッド多重化に基づいたプリコーディング方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5693614
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】復調用参照信号のハイブリッド多重化に基づいたプリコーディング方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04J 99/00 20090101AFI20150312BHJP
   H04J 13/16 20110101ALI20150312BHJP
   H04J 11/00 20060101ALI20150312BHJP
   H04B 7/04 20060101ALI20150312BHJP
【FI】
   H04J15/00
   H04J13/16
   H04J11/00 Z
   H04B7/04
【請求項の数】20
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2012-552236(P2012-552236)
(86)(22)【出願日】2010年12月17日
(65)【公表番号】特表2013-520046(P2013-520046A)
(43)【公表日】2013年5月30日
(86)【国際出願番号】CN2010079954
(87)【国際公開番号】WO2011097923
(87)【国際公開日】20110818
【審査請求日】2012年8月13日
(31)【優先権主張番号】201010114494.8
(32)【優先日】2010年2月12日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】506073915
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】▲すん▼云鋒
(72)【発明者】
【氏名】張文峰
(72)【発明者】
【氏名】姜静
(72)【発明者】
【氏名】張▲じゅん▼峰
【審査官】 富澤 哲生
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0034312(US,A1)
【文献】 Ericsson, ST-Ericsson,Layer-to-DM RS port mapping for LTE-Advanced[online], 3GPP TSG-RAN WG1#59b R1-100050,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_59b/Docs/R1-100050.zip>,2010年 1月18日
【文献】 Samsung,Discussion on Layer to DMRS mapping[online], 3GPP TSG-RAN WG1#59b R1-100112,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_59b/Docs/R1-100112.zip>,2010年 1月18日
【文献】 Panasonic,DMRS port indicaiton with MU-MIMO considerations[online], 3GPP TSG-RAN WG1#60b R1-102036,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_60b/Docs/R1-102036.zip>,2010年 4月12日
【文献】 ZTE,Views on layer to DMRS port mapping for retransmission[online], 3GPP TSG-RAN WG1#61 R1-102895,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_61/Docs/R1-102895.zip>,2010年 5月10日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 99/00
H04J 11/00
H04B 1/69 − 1/719
H04J 13/00 − 13/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
復調用参照信号(DMRS)のハイブリッド多重化のプリコーディング方法であって、
DMRSポート間の多重化関係を確定することと、
データを伝送する層を、すでに多重化関係が確定されたDMRSポートにそれぞれ対応付けることと、
データを伝送する層とDMRSポートとの対応関係によって、データを伝送する層に対応するプリコーディングベクトルを用いて、データを伝送する層に対応付けられた各DMRSポート対応するパイロットシーケンスをプリコーディングすることとが含まれ
ここで、
前記DMRSポート間の多重化関係は、DMRSポート7、8、11、および13を一つのDMRSポートグループに分け、DMRSポート9、10、12、および14をもう一つのDMRSポートグループに分けることによって確定され、
同じDMRSポートグループ内の各DMRSポート間では符号分割多重方式が用いられ、異なるDMRSポートグループ間では時間分割または周波数分割多重方式が用いられることを特徴とする、復調用参照信号(DMRS)のハイブリッド多重化のプリコーディング方法。
【請求項2】
前記データを伝送する層を、すでに多重化関係を確立したDMRSポートにそれぞれ対応付けることは、
すべてのデータを伝送する層を、分けられた二つのDMRSポートグループのDMRSポートに均一に対応付ける
各コードワードストリームとデータを伝送する層との対応関係によって、すべての層を、分けられた二つのDMRSポートグループのDMRSポートに対応付ける、
という条件のいずれかの一種又は多種の条件の組み合わせによって、層を前記DMRSポートに対応付けることを指す請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記各コードワードストリームとデータを伝送する層との対応関係によって、すべての層を、分割された二つのDMRSポートグループのDMRSポートに対応付けることは、
同一コードワードストリームの層を同一DMRSポートグループのDMRSポートに優先に対応付け、異なるコードワードストリームの層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートにそれぞれ対応付けること、或は
同一コードワードストリームの層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートに優先に対応付け、異なるコードワードストリームの層を同一のDMRSポートグループのDMRSポートに対応付けること
が含まれる請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記同一コードワードストリームの層を同一DMRSポートグループのDMRSポートに優先に対応付け、異なるコードワードストリームの層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートにそれぞれ対応付けることにおいて、
同一コードワードストリームが対応する層の総数Mが一つのDMRSポートグループがサポートした最大ポートの数Nより大きくなると、同一コードワードストリームが対応するすべての層中のN層を同一DMRSポートグループのDMRSポートに優先に対応付け、そして残ったM-N層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートに対応付け、或は
同一コードワードストリームが対応するすべての層の中のN層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートに優先に対応付け、そして残ったM-N層を同一DMRSポートグループのDMRSポートに対応付ける請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記同一コードワードストリームの層を同一DMRSポートグループのDMRSポートに優先に対応付け、異なるコードワードストリームの層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートにそれぞれ対応付けることにおいて、
前記すべての層が二つのコードワードストリームに対応る時、その中の一つのコードワードストリームが対応する層を、一つのDMRSポートグループのDMRSポートに対応付け、もう一つのコードワードストリームが対応する層を、もう1つのDMRSポートグループのDMRSポートに対応付ける請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記データを伝送する層を、すでに多重化関係を確立したDMRSポートにそれぞれ対応付けることは、
層シリアルナンバー及びDMRSポートのシリアルナンバーによって、一対一対応する固定マッピング関係を配置することを表す請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記方法がMU-MIMOシステムに用いられる時、同一多重化ユーザーに対応する層を同一コードワードストリームの対応する層として、層からDMRSポートへのマッピングを行うことが更に含まれる請求項に記載の方法。
【請求項8】
各多重化ユーザーを、それに対応する層の総数によって、高から低へ配列し、且つ配列位置によって、各多重化ユーザーに対応する層にDMRSポートを順次に分配することが更に含まれる請求項に記載の方法。
【請求項9】
DMRSのハイブリッド多重化に基づいたプリコーディング方法に適用する層から多重化復調用参照信号(DMRS)ポートへのマッピング方法であって、
DMRSポート間の多重化関係を確定することと、
データを伝送する層をそれぞれすでに多重化関係を確立したDMRSポートに対応付けることとが含まれ
ここで、
DMRSポート間の多重化関係を確定するステップは、
DMRSポート7、8、11と13を一つのDMRSポートグループに分け、DMRSポート9、10、12と14をもう一つのDMRSポートグループに分けること、および
分割されたDMRSポートグループ内の各DMRSポートの間には符号分割多重方式を用い、異なるDMRSポートグループの間には時間分割/又は周波数分割多重方式を用いること、
を含むことを特徴とする層から多重化復調用参照信号(DMRS)ポートへのマッピング方法。
【請求項10】
データを伝送する層を、すでに多重化関係を確立したDMRSポートにそれぞれ対応付けるステップにおいて、
すべてのデータを伝送する層を、分けられた二つのDMRSポートグループのDMRSポートに均一に対応付ける、
各コードワードストリームとデータを伝送する層の対応関係によって、すべての層を、分けられた二つのDMRSポートグループのDMRSポートに対応付ける、という条件のいずれかの一種又は多種の組み合わせによって、層を前記DMRSポートに対応付ける請求項に記載の方法。
【請求項11】
各コードワードストリームとデータを伝送する層との対応関係によって、すべての層を、分けられた二つのDMRSポートグループのDMRSポートに対応付けることは、
同一コードワードストリームの層を同一DMRSポートグループのDMRSポートに対応付け、異なるコードワードストリームの層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートにそれぞれ対応付けること、或は
同一コードワードストリームの層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートに優先に対応付け、異なるコードワードストリームの層を同一DMRSポートグループのDMRSポートに対応付けることが含まれる請求項10に記載の方法。
【請求項12】
層を前記DMRSポートに対応付けるステップは
同一コードワードストリームに対応する層の総数MがDMRSポートグループにサポートされた最大ポート数Nより大きい時、同一コードワードストリームに対応するすべての層の中のN層を同一DMRSポートグループのDMRSポートに優先に対応付け、そして残ったM-N層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートに対応付けること、或は
同一コードワードストリームに対応するすべての層の中のN層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートに優先に対応付け、そして残ったM-N層を同一DMRSポートグループのDMRSポートに対応付けることが更に含まれる請求項11に記載の方法。
【請求項13】
層を前記DMRSポートに対応付けるステップは、
すべての層が二つのコードワードストリームに対応すると、その中の一つのコードワードストリームに対応する層を一つのDMRSポートグループのDMRSポートに対応付け、もう一つのコードワードストリームに対応する層をもう1つのDMRSポートグループのDMRSポートに対応付けることが更に含まれる請求項11に記載の方法。
【請求項14】
データを伝送する層を、すでに多重化関係を確立したDMRSポートにそれぞれ対応付けるステップは、
層シリアルナンバー及びDMRSポートのシリアルナンバーによって、一対一対応する固定マッピング関係を配置することが含まれる請求項に記載の方法。
【請求項15】
前記方法がMU-MIMOシステムに用いられる時、同一多重化ユーザーが対応する層を同一コードワードストリームが対応する層として、層からDMRSポートへのマッピングを行うことが更に含まれる請求項11に記載の方法。
【請求項16】
各多重化ユーザーを、それに対応する層の総数によって、高から低へ配列し、且つ配列位置によって、各多重化ユーザーが対応する層に順次にDMRSポートを分配することが更に含まれる請求項15に記載の方法。
【請求項17】
復調用参照信号(DMRS)のハイブリッド多重化に基づき、プリコーディングを実現する装置であって、この装置はマッピングモジュールとプリコーディングモジュールを含み、
前記マッピングモジュールはDMRSポートの間の多重化関係を確定し、及びデータを伝送する層を、すでに多重化関係を確立した各DMRSポートにそれぞれ対応付けるように設置され、
前記プリコーディングモジュールはデータを伝送する層とDMRSポートとの対応関係によって、データを伝送する層に対応するプリコーディングベクトルを用いて、データを伝送する層に対応付けられた各DMRSポートが対応するパイロットシーケンスに対してプリコーディングするように設置され、
ここで、
前記マッピングモジュールは、
DMRSポート7、8、11、および13を一つのDMRSポートグループに分け、DMRSポート9、10、12、および14をもう一つのDMRSポートグループに分け、同じDMRSポートグループ内の各DMRSポート間では符号分割多重方式を用い、異なるDMRSポートグループ間では時間分割または周波数分割多重方式を用いることによって、DMRSポートの間の多重化関係を確定するように設置される、復調用参照信号(DMRS)のハイブリッド多重化に基づき、プリコーディングを実現する装置。
【請求項18】
前記マッピングモジュールは、
すべてのデータを伝送する層を、分けられた二つのDMRSポートグループのDMRSポートに均一に対応付ける、
各コードワードストリームとデータを伝送する層の対応関係によって、すべての層を、分けられた二つのDMRSポートグループのDMRSポートに対応付ける、
という条件のいずれか一種又は多種の組み合わせによって、前記データを伝送する層を、すでに多重化関係を確立した各DMRSポートにそれぞれ対応付けるように設置され、
その中に、各コードワードストリームとデータを伝送する層との対応関係によって、すべての層を、分けられた二つのDMRSポートグループのDMRSポートに対応付けることは、
同一コードワードストリームの層を同一DMRSポートグループのDMRSポートに優先に対応付け、異なるコードワードストリームの層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートにそれぞれ対応付けること、或は
同一コードワードストリームの層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートに優先に対応付け、異なるコードワードストリームの層を同一DMRSポートグループのDMRSポートに対応付けることが含まれる請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記マッピングモジュールは、
同一コードワードストリームに対応する層の総数MがDMRSポートグループにサポートされる最大ポート数Nより大きい時、同一コードワードストリームに対応するすべての層の中のN層を同一DMRSポートグループのDMRSポートに優先に対応付け、そして残ったM-N層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートに対応付ける、或は
同一コードワードストリームに対応するすべての層の中のN層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートに優先に対応付け、そして残ったM-N層を同一DMRSポートグループのDMRSポートに対応付ける、
すべてのDMRS層に二つのコードワードストリームが対応すると、その中の一つのコードワードストリームに対応するDMRS層を一つのDMRSポートグループのDMRSポートに対応付け、もう一つのコードワードストリームに対応するDMRS層をもう一つのDMRSポートグループのDMRSポートに対応付ける方式で、層を前記DMRSポートに対応付けるようにさらに設置される請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記装置がMU-MIMOシステムに用いられる時、前記マッピングモジュールは各多重化ユーザーを、それに対応する層の総数によって、高から低へ配列し、且つ配列位置によって、順次に各多重化ユーザーに対応する層にDMRSポートを分配するように更に設置される請求項1719の中のいずれか一つに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先進のロング・ターム・エボリューション(Long Term Evolution Advanced、LTE-A)技術に関し、特に復調用参照信号のハイブリッド多重化に基づいたプリコーディング方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高次マルチアンテナ技術は先進のロング・ターム・エボリューション(LTE-A又はLTE-Advanced)システムの肝心な技術の一つであり、システムの伝送速度を高めることに用いられる。高次マルチアンテナ技術を導入した後のチャンネル品質測定及びデータ復調を実現するために、LTE-Advancedシステムはそれぞれ二種類のパイロット符号、復調用参照信号(Demodulation Reference Signal、DMRS)とチャンネル品質測定用参照信号(Channel State Information- Reference Signal、CSI-RS)を定義し、その中に、復調用参照信号は物理ダウンリンク共有チャンネル(Physical Downlink Shared Channel、PDSCH)を復調することに用いられる参照信号である。
【0003】
測定参照信号はチャンネル状態情報(Channel State Information、CSI)を測定することに用いられる参照信号であり、チャンネル品質表示子(Channel Quality Indicator、CQI)、プリコーディング行列インデックス(Precoding Matrix Indicator、PMI)、ランク指示子(Rank Indicator、RI)等の情報を報告することに更に用いられる。上記二種類の参照信号の構造は例えばマルチセル協調(Coordinated Multi-Point CoMP)、及び空間多重化等LTE-Aの新技術をサポートすることに用いられることができる。
【0004】
LTEにおいて、共通参照信号(Common Reference SignalやCell-specific Reference Signal、CRS)によって、パイロット測定を行い、つまりすべてのユーザーは公共のパイロットを用い、チャンネル推定を行う。このような共通参照信号は発射側から受信端に発射したデータに対しどのような前処理方式を行ったかを通知する必要があり、その同時に、オーバーヘッドが大きくなってしまい、またマルチユーザーマルチ入力マルチ出力(Multi-User Multi-Input Multi-Output、MU-MIMO)システムにおいて、複数のユーザー端末(User Equipment、UE)は同じCRSを使用し、パイロットの直交を実現できなくので、干渉を推定できなくなる。
【0005】
LTE-Aにおいて、パイロットのオーバーヘッドを低下させるために、チャンネル品質測定用参照信号と復調用参照信号を分割して設計し、復調参考信号とデータは同じ前処理方式を用いる。その同時に、復調用参照信号はスケジューリングユーザーがチャンネルに対応する利用可能なランク(rank)情報によって、復調用参照信号をマッピングし、このため、ランク情報によってオーバーヘッドを適応に調整でき、そうすると、ランクが低い場合に、オーバーヘッドを大幅に低減させることができる。
【0006】
従来の討論において、図1(a)、図1(b)及び図1(c)が示すように復調用参照信号の設計図はすでに確定され、ダウンリンク伝送に使用されたrank数は2≦であると、第1ハッチング領域に示したリソースユニットだけDMRSの伝送に用いられ、且つ長さが2である直交マスク(Orthogonal Cover Code、OCC)を用い、時間領域における隣接する二つの直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing、OFDM)符号において、スクランブリングする。図1(a)、図1(b)及び図1(c)中の第2ハッチング領域は共通参照信号(Common reference signal、CRS)を示す。
【0007】
rank数は≧3且つ4≦であると、それぞれ、第1ハッチング領域と第3ハッチング領域が示す通りに二つのグループのリソースユニット(Resource Element、RE)を使用する。その中に、毎グループREには最大の直行可能な符号分割多重(Code Division Multiplexing、CDM)が2層のDMRSを多重化し、毎グループのREは同様に時間領域における隣接する二つのOFDM符号で長さが2 である直交マスクを用い、直交にスクランブリングする。rank数は>4であると、二つのグループのRE(例えば、第1ハッチング領域と第3ハッチング領域が示す通り)はグループ毎に時間領域方向に長さが4であるOCCコードで直交スクランブリングし、且つ各グループREには最大にCDMと直交して多重化できるDMRS層数は4である。
【0008】
また、現在、単一ユーザーマルチ入力マルチ出力(Single-User Multi-Input Multi-Output、 SU-MIMO)である場合に、異なる層数である場合に、図2が示すように、コードワードストリームの層に到達するマッピング方式が定義される。
【0009】
LTE-Aにおいて、最大で8個の層で伝送することをサポートするために、最大で8個のDMRSポートを定義する必要があり、DMRSポート7、8、9、10、11、12、13と14と記す。その中に、DMRSポートは層上に定義された空中線ポートであり、データを伝送する層と一対一対応され、且つ毎層データが空間で伝送された時の等価チャンネルを推定することに用いられる。
【0010】
UE側でデータ復調を行うと、復調するために、どのようなDMRSポートが対応するDMRSが一つの同じグループリソースを占用し、且つ符号分割多重するか、及びデータ層と復調用参照信号ポートとの対応関係を確定する必要があれば、推定して対応層のチャンネル情報を得て、且つ検出できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来技術において定義されたサブフレームのDMRSパターンに基づき、毎コードワードストリームが対応する層の復調用参照信号がどのようにマッピングするか、どのREグループにマッピングするかを設計し、考慮する必要がある問題である。良好な分配方式はシステムの性能を向上させることに有利であり、その同時に、シグナル伝達のオーバーヘッドを低下させ、このため、マッピング方式を提供し、ランダムマッピングの可能性及び制御シグナル伝達のオーバーヘッドを減少させる必要となる。
【0012】
本発明は解決しようとする問題は異なるコードワードストリーム間の対応する層同士の干渉を防止するために、復調用参照信号のハイブリッド多重化に基づいたプリコーディング方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本発明は、復調用参照信号(DMRS)のハイブリッド多重化のプリコーディング方法を開示し、
DMRSポート間の多重化関係を確定し、
データを伝送する層はそれぞれすでに多重化関係を確立したDMRSポートに対応し、及び、
データを伝送する層とDMRSポートとの対応関係によって、各DMRSポートが対応するパイロットシーケンスをプリコーディングすることが含まれる。
【0014】
DMRSポート間の多重化関係を確定することは、
DMRS ポート7、8、11と13を一つのDMRSポートグループに分割し、DMRSポート9、10、12と14をもう一つのDMRSポートグループに分割し、その中に、分割されたDMRSポートグループ内の各DMRSポート間が符号分割多重方式を用い、異なるDMRSポートグループ間が時間分割と/又は周波数分割多重方式を用いることを表す。
【0015】
前記データを伝送する層はそれぞれすでに多重化関係を確立したDMRSポートに対応することは以下の通り、
すべてのデータを伝送する層は分割された二つのDMRSポートグループのDMRSポートに均一に対応し、
各コードワードストリームとデータを伝送する層との対応関係によって、すべての層を分割された二つのDMRSポートグループのDMRSポートに対応する条件の一種又は多種の組み合わせによって、層を前記DMRSポートに対応する。
【0016】
前記各コードワードストリームとデータを伝送する層との対応関係によって、すべての層を分割された二つのDMRSポートグループのDMRSポートに対応することは、
同一コードワードストリームの層を同一DMRSポートグループのDMRSポートに優先に対応し、異なるコードワードストリームの層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートにそれぞれ対応し、或は、
同一コードワードストリームの層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートに優先に対応し、異なるコードワードストリームの層を同一のDMRSポートグループのDMRSポートにそれぞれ対応することが含まれる。
【0017】
前記同一コードワードストリームの層を同一DMRSポートグループのDMRSポートに優先に対応し、異なるコードワードストリームの層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートにそれぞれ対応することにおいて、
同一コードワードストリームが対応する層の総数Mは一つのDMRSポートグループがサポートした最大ポートの数Nより大きくなると、同一コードワードストリームが対応するすべての層中のN層を同一DMRSポートグループのDMRSポートに優先に対応し、更に残ったM-N層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートに対応し、或は、
同一コードワードストリームが対応するすべての層中のN層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートに優先に対応し、更に残ったM-N層を同一DMRSポートグループのDMRSポートに対応する。
【0018】
前記同一コードワードストリームの層を同一DMRSポートグループのDMRSポートに対応し、異なるコードワードストリームの層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートにそれぞれ対応することにおいて、
前記すべての層を二つのコードワードストリームに対応すると、その中の一つのコードワードストリームが対応する層は一つのDMRSポートグループのDMRSポートに対応し、もう一つのコードワードストリームが対応する層は別のDMRSポートグループのDMRSポートに対応する。
【0019】
前記データを伝送する層をすでに多重化関係を確立したDMRSポートにそれぞれ対応することは、
層シリアルナンバー及びDMRSポートのシリアルナンバーによって、一対一対応する固定マッピング関係を配置することを表す。
【0020】
前記方法はMU-MIMOシステムに用いられると、同一多重化ユーザーが対応する層を同一コードワードストリームの対応する層として、層からDMRSポートへのマッピングを行うことが更に含まれる。
【0021】
前記方法は各多重化ユーザーをその対応する層の総数によって、高から低へ配列し、且つ配列位置によって、順次に各多重化ユーザーの対応する層にDMRS ポートを分配することが更に含まれる。
【0022】
上記技術問題を解決するために、本発明は層から多重化復調用参照信号(DMRS)ポートへのマッピング方法を更に開示し、DMRSのハイブリッド多重化に基づいたプリコーディング方法に適用され、
DMRSポート間の多重化関係を確定し、及び、
データを伝送する層はそれぞれすでに多重化関係を確立したDMRSポートに対応することが含まれることを特徴とする。
【0023】
DMRSポート間の多重化関係を確定するステップは、
DMRS ポート7、8、11と13を一つのDMRSポートグループに分割し、DMRSポート9、10、12と14をもう一つのDMRSポートグループに分割し、その中に、分割されたDMRSポートグループ内の各DMRSポート間が符号分割多重方式を用い、異なるDMRSポートグループ間が時間分割/又は周波数分割多重方式を用いることが含まれる。
【0024】
データを伝送する層はそれぞれすでに多重化関係を確立したDMRSポートに対応するステップにおいて、以下の通り、
すべてのデータを伝送する層を分割された二つのDMRSポートグループのDMRSポートに均一に対応し、
各コードワードストリームとデータを伝送する層の対応関係によって、すべての層を分割された二つのDMRSポートグループのDMRSポートに対応する条件の一種又は多種の組み合わせによって、層を前記DMRSポートに対応する。
【0025】
各コードワードストリームとデータを伝送する層との対応関係によって、すべての層を分割された二つのDMRSポートグループのDMRSポートに対応することは、
同一コードワードストリームの層を同一DMRSポートグループのDMRSポートに対応し、異なるコードワードストリームの層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートにそれぞれ対応し、或は、
同一コードワードストリームの層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートに優先に対応し、異なるコードワードストリームの層を同一DMRSポートグループのDMRSポートに対応することが含まれる。
【0026】
層を前記DMRSポートに対応するステップは、
同一コードワードストリームが対応する層の総数MはDMRSポートグループがサポートした最大ポート数Nより大きくなると、同一コードワードストリームが対応するすべての層中のN層を同一DMRSポートグループのDMRSポートに優先に対応し、更に残ったM-N層が異なるDMRSポートグループのDMRSポートに対応し、或は、
同一コードワードストリームが対応するすべての層中のN層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートに優先に対応し、更に残ったM-N層を同一DMRSポートグループのDMRSポートに対応することが更に含まれる。
【0027】
層を前記DMRSポートに対応するステップはすべての層が二つのコードワードストリームに対応すると、その中の一つのコードワードストリームが対応する層は一つのDMRSポートグループのDMRSポートに対応し、もう一つのコードワードストリームが対応する層は別のDMRSポートグループのDMRSポートに対応することが更に含まれる。
【0028】
データを伝送する層はそれぞれすでに多重化関係を確立したDMRSポートに対応するステップは、
層シリアルナンバー及びDMRSポートのシリアルナンバーによって、一対一対応する固定マッピング関係を配置することが含まれる。
【0029】
前記方法は、
前記方法がMU-MIMOシステムに用いられると、同一多重化ユーザーが対応する層を同一コードワードストリームが対応する層として、層からDMRSポートへのマッピングを行うことが更に含まれる。
【0030】
前記方法は、
各多重化ユーザーをその対応する層の総数によって、高から低へ配列し、且つ配列位置によって、順次に各多重化ユーザーが対応する層にDMRS ポートを分配することが更に含まれる。
【0031】
上記課題(技術問題)を解決するために、本発明は復調用参照信号(DMRS)のハイブリッド多重化に基づき、プリコーディングを実現する装置を開示し、この装置はマッピングモジュールとプリコーディングモジュールを含み、その中に、
前記マッピングモジュールはDMRSポート間の多重化関係を確定し、及びデータを伝送する層をすでに多重化関係を確立した各DMRSポートにそれぞれ対応するように設置され、
前記プリコーディングモジュールはデータを伝送する層とDMRSポートとの対応関係によって、各DMRSポートが対応するパイロットシーケンスに対してプリコーディングするように設置される。
【0032】
前記マッピングモジュールは以下の通りの方式によって、DMRSポート間の多重化関係を確定し、DMRS ポート7、8、11と13を一つのDMRSポートグループに分割し、DMRSポート9、10、12と14をもう一つのDMRSポートグループに分割し、その中に、分割された二つのDMRSポートグループ内の各DMRSポート間が符号分割多重方式を用い、異なるDMRSポートグループ間が時間分割/又は周波数分割多重方式を用いる。
【0033】
前記マッピングモジュールは以下の通り、
すべてのデータを伝送する層を分割された二つのDMRSポートグループのDMRSポートに均一に対応し、
各コードワードストリームとデータを伝送する層の対応関係によって、すべての層を分割された二つのDMRSポートグループのDMRSポートに対応する一種又は多種の組み合わせによって、前記データを伝送する層をすでに多重化関係を確立した各DMRSポートにそれぞれ対応し、
その中に、各コードワードストリームとデータを伝送する層との対応関係によって、すべての層を分割された二つのDMRSポートグループのDMRSポートに対応することは、
同一コードワードストリームの層を同一DMRSポートグループのDMRSポートに対応し、異なるコードワードストリームの層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートにそれぞれ対応し、或は、
同一コードワードストリームの層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートに優先に対応し、異なるコードワードストリームの層を同一DMRSポートグループのDMRSポートに対応することが含まれる。
【0034】
前記マッピングモジュールは以下の通りの方式、
同一コードワードストリームが対応する層の総数MはDMRSポートグループがサポートした最大ポート数Nより大きくなると、同一コードワードストリームが対応するすべての層中のN層を同一DMRSポートグループのDMRSポートに優先に対応し、更に残ったM-N層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートに対応し、或は
同一コードワードストリームが対応するすべての層中のN層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートに優先に対応し、更に残ったM-N層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートに対応し、
すべての層を二つのコードワードストリームに対応すると、その中の一つのコードワードストリームが対応する層は一つのDMRSポートグループのDMRSポートに対応し、もう一つのコードワードストリームが対応する層は別のDMRSポートグループのDMRSポートに対応することによって、層を前記DMRSポートに対応する。
【0035】
前記装置はMU-MIMOシステムに用いられると、前記マッピングモジュールは各多重化ユーザーをその対応する層の総数によって、高から低へ配列し、且つ配列位置によって、順次に各多重化ユーザーの対応する層にDMRS ポートを分配するように更に設置される。
【発明の効果】
【0036】
本発明による技術方案は異なるコードワードストリーム間が対応する層同士の干渉を防止し、チャンネル推定の精度を向上させる。その同時に、本発明による技術方案は固定したマッピング方式を用いることで、ランダムマッピングの可能性を低下させ、且つ制御シグナル伝達のオーバーヘッドも低減させる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1(a)】LTE-Aにおける正常なサブフレームのDMRSパターン図である。
図1(b)】LTE-Aにおけるダウンリンクパイロットスロットが11や12個のOFDM符号を占用するサブフレームのDMRSパターン図である。
図1(c)】LTE-Aにおけるダウンリンクパイロットスロットが9や10個のOFDM符号を占用するサブフレームのDMRSパターン図である。
図2】SU-MIMOモード下でのコードワードストリームから層へのマッピング関係模式図である。
図3】本発明が提出したプリコーディングの流れ模式図である。
図4】本実施例におけるDMRS ポートの多重化関係の配置模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図面及び具体的な実施形態を参照しながら、本発明による技術案を更に詳細に説明する。なお、矛盾しない場合に、本請求における実施例及び実施例の中の特徴は互いに任意に組み合わせできる。
【0039】
DMRSのハイブリッド多重化に基づき、プリコーディングを実現する装置であって、マッピングモジュールとプリコーディングモジュールを含み、その中に、
マッピングモジュールはDMRSの各ポートとDMRSパターンの中のREの対応関係を確定し、及びデータを伝送する層をそれぞれすでに多重化関係を確立した各DMRSポートに対応するように設置され、
本実施例において、マッピングモジュールはDMRS ポート7、8、11と13を一つのDMRSポートグループに分割し、DMRSポート9、10、12と14をもう一つのDMRSポートグループに分割し、その中に、分割された二つのDMRSポートグループ内の各DMRSポート間が符号分割多重方式を用い、異なるDMRSポートグループ間が時間分割と/又は周波数分割多重方式を用い、
マッピングモジュールは以下の通り、
A)すべてのデータを伝送する層を分割した二つのDMRSポートグループのDMRSポートに均一に対応し、
B)各コードワードストリームとデータを伝送する層との対応関係によって、すべての層を分割した二つのDMRSポートグループのDMRSポートに対応する条件の一種又は多種の組み合わせによってデータを伝送する層をすでに多重化関係を確定した各DMRSポートに対応し、
その中に、各コードワードストリームとデータを伝送する層との対応関係によって、すべての層を分割した二つのDMRSポートグループのDMRSポートに対応することは、
同一コードワードストリームの層を同一DMRSポートグループのDMRSポートに優先に対応し、異なるコードワードストリームの層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートにそれぞれ対応し、或は、
同一コードワードストリームの層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートに優先に対応し、異なるコードワードストリームの層を同一DMRSポートグループのDMRSポートに対応することを表す。
【0040】
同一コードワードストリームが対応する層の総数MはDMRSポートグループがサポートした最大ポート数Nより大きくなると、マッピングモジュールは同一コードワードストリームが対応するすべての層中のN層を同一DMRSポートグループのDMRSポートに優先に対応し、更に残ったM-N層が異なるDMRSポートグループのDMRSポートに対応し、或は同一コードワードストリームが対応するすべての層中のN層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートに優先に対応し、更に残ったM-N層を同一DMRSポートグループのDMRSポートに対応する。
【0041】
すべてのDMRS層が二つのコードワードストリームに対応すると、マッピングモジュールはその中の一つのコードワードストリームが対応するDMRS層を一つのDMRSポートグループのDMRSポートに対応し、もう一つのコードワードストリームが対応するDMRS層を別のDMRSポートグループのDMRSポートに対応する。
【0042】
マッピングモジュールはデータを伝送する層とDMRSポート間に固定した対応関係を設置するように設置される。
【0043】
プリコーディングモジュールはデータを伝送する層とDMRSポートとの対応関係によって、各DMRSポートの対応するパイロットシーケンスをプリコーディングするように設置される。
【0044】
上記装置はMU-MIMOシステムに用いられ、この時、マッピングモジュールは同一多重化ユーザーの対応する層を同一コードワードストリームの対応する層として、層からDMRSポートへのマッピングを行い、具体的には、マッピングモジュールは各多重化ユーザーをその対応する層の総数によって高から低へ配列し、且つ配列位置によって、順次に各多重化ユーザーの対応する層にDMRS ポートを分配する。
【0045】
以下、上記装置がDMRSのハイブリッド多重化に基づき、プリコーディングを実現する過程を紹介し、図3が示すように、この過程は以下の通りのステップを含む、
ステップ301:DMRSポートとDMRSパターンの中のリソースユニットとのマッピングを確定し、
このステップにおいて、DMRSポートとDMRSパターンとのマッピングを確定することは、実際にどのようなDMRSポートのパイロットが符号分割多重を行うか、どのようなポートが周波数分割多重かを確定し、具体的には、DMRSポートを二つのDMRSポートグループに分割し、同一DMRSポートグループ内の各DMRSポートが符号分割多重方式を用い、DMRSポートグループ間が時間分割と/又は周波数分割多重(FDM/TDM)方式を用い、
本実施例において、DMRSポートを二つのグループに分け、第一DMRSポートグループはDMRSポート[7、8、11、13]を含み、このDMRSポートグループの復調用参照信号は図1(a)、図1(b)及び図1(c)の中の第1ハッチング領域 が示したリソースにマッピングし、且つ符号分割多重を行うことができ、第二DMRSポートグループはDMRSポート[9、10、12、14]を含み、このDMRSポートグループが図1(a)、図1(b)及び図1(c)の中の第3ハッチング領域が示したリソースに対応し、且つ符号分割多重を行う。この二つのDMRSポートグループ間は時間分割/又は周波数分割多重を行う。正常なサイクルプレフィックス(Normal Cyclic Prefix、N-CP)のnormal サブフレームを例にし、DMRSポートとDMRSパターンとのマッピング関係は図4に示すとおりである。
【0046】
ステップ302:データを伝送する各層をDMRSポートにマッピングし、
このステップにおいて、端末に各層の対応するチャンネルでデータを検出させるため、層とDMRSポートとの対応関係を確定する必要があり、具体的な対応原則は以下の任意の一つ又は二つの原則に準じる。
【0047】
A) すべての層を分割した二つのDMRS ポートグループのDMRSポートに均一に対応し、
B)コードワードストリームと層間の対応関係によって、各層をDMRS ポートグループのDMRSポートに対応する。
【0048】
その中に、コードワードストリームと層間の対応関係によって、対応する操作は、
同一コードワードストリームの層を符号分割多重を行うDMRSポートに優先にマッピングし(すなわち同一コードワードストリームの層を同一DMRSポートグループのDMRSポートに優先にマッピングする)、異なるコードワードストリームの層を異なる符号分割多重のグループの対応したDMRSポートにそれぞれマッピングし(すなわち異なるコードワードストリームの層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートにそれぞれマッピングする)、或は、
同一コードワードストリームの層を周波数分割と/又は時間分割多重化のDMRSポートに優先にマッピングし(すなわち同一コードワードストリームの層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートに優先にマッピングする)、異なるコードワードストリームの層を符号分割多重を行うDMRSポートにそれぞれマッピングする(すなわち異なるコードワードストリームの層を一つのDMRSポートグループのDMRSポートに対応する)ことを表す。
【0049】
上記マッピング操作過程において、一つのコードワードストリームの対応する層の総数Mが符号分割多重を行うDMRSポートグループがサポートする最大ポート数Nより大きくなると(すなわち各グループREにはサポートした最大のCDMと直交可能な層数である)、このコードワードストリームの対応するすべての層中のN層を一つのDMRSポートグループのDMRSポートで優先にマッピングし(すなわちこのN層を一つのDMRSポートグループのDMRSポートに対応する)、残ったM-N層をもう一つのDMRSポートグループのDMRSポートにマッピングする。
【0050】
二つのコードワードストリームの状況に対して、層数が多いコードワードストリームの対応する層を一つのDMRSポートグループのDMRSポートに対応し、層数が少ないコードワードストリームの対応した層をもう一つのDMRSポートグループの利用可能なDMRS ポートにマッピングする。
【0051】
層からDMRSポートへの対応関係を確定する時、データを伝送する層とDMRSポートとの間のために、固定した対応関係を更に設置でき、
例えば、DMRSポート[p0,p1,p2,p3,p4,p5,p6,p7]を定義する。その中に、
データを伝送する層数が≦2であると、層とDMRSポートの対応関係は、
【0052】
【数1】
【0053】
となるように設置でき、
層数が>2且つ≦4であると、層とDMRSポートとの対応関係は、
【0054】
【数2】
【0055】
となるように設置でき、
層数が>4且つ≦8であると、層とDMRSポートとの対応関係は、
【0056】
【数3】
【0057】
となるように設置でき、
その中に、LTE-Aにおいて、[p0,p1,p2,p3,p4,p5,p6,p7]はそれぞれDMRSポート7、8、9、10、11、12、13、14である。
【0058】
ステップ303:DMRSポートとDMRS層との対応関係によって、DMRSポートの対応したパイロットシーケンスをプリコーディングし、
具体的な実施過程において、DMRSリソースユニットに対し、プリコーディングを行う時に用いられるプリコーディングベクトルがデータリソースユニットをプリコーディングする時に用いられるプリコーディングベクトルと同じなので、各層の対応するプリコーディングベクトルとこの層の対応するDMRSが用いるプリコーディングベクトルと対応することになる。同一コードワードストリームが同じ符号変調方式を用いるので、層を分配するとき、連続した層を同一コードワードストリームに分配することが好ましい。
【0059】
データがプリコーディングを行う形式は式(1)の形式で表す。
【0060】
【数4】
【0061】
ただし、wiは層iの対応したプリコーディングベクトルを表し、P*1の列ベクトルであり、Pは物理空中線の数を表し、siは層iのデータを表し、1*layerの行ベクトルであり、その中に、Nlayerは各層のデータの長さを表し、Lは層の数を表す。
【0062】
DMRSの 対応するREとデータが同じプリコーディング加重を用いて処理し、このため、layeriと対応するDMRS空中線ポートのDMRS リソースユニットがこの層に対応する加重を用いる。
【0063】
本発明はDMRSのハイブリッド多重化に基づいた層からDMRSポートへのマッピング方法を提供し、この方法は上記プリコーディング方法の中のステップ301と302の操作の具体的な実施方法である。
【0064】
以下、具体的な応用場合にを参照しながら、層からDMRSポートへのマッピングの具体的な実現を説明する。
【0065】
実施例1
本実施例はSU-MIMOシステムを例として、コードワードストリームの層からDMRSポートへのマッピング方式を説明する。SU-MIMOにおいて、毎コードワードストリームの対応する層の総数は各グループCDMが多重化するDMRSポートの対応するREがサポートできる直交符号分割多重の層数以下(この層数も含む)(すなわち、DMRSポートグループ内にサポートした最大ポート数である)であると、マッピング方式は、
同一コードワードストリームの対応した各層のDMRSポートが同じ多重化方式(すなわち同一コードワードストリームの対応した層を同一DMRSグループのDMRSポートにマッピングする)を用い、例えば符号分割多重方式、異なるコードワードストリームの対応した層のDMRSポート間が同じ又は異なる多重化方式を用い(すなわち異なるコードワードストリームの対応する層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートに対応し、或は同一DMRSグループのDMRSポートに対応する)、例えば周波数分割多重や符号分割多重方式。
【0066】
具体的には、同一のコードワードストリームの対応する各層をCDM多重化を用いる一つのグループのDMRSポートにマッピングし、例えば図1に示した第1ハッチング領域が示したRE位置又は第3ハッチング領域が示したRE位置、異なるコードワードストリームの対応する各層を異なるCDMグループのDMRSポートにマッピングする。
【0067】
同一のコードワードストリームの対応した各層のDMRSポートがFDM/TDMの多重化方式を用い(すなわち、同一コードワードストリームの対応層を異なるDMRSポートグループのDMRSポートに対応する)、異なるコードワードストリームの対応した各層のDMRSポートがCDMグループの多重化方式を優先に用いてもよい(すなわち、異なるコードワードストリームの対応する層を同一DMRSポートグループのDMRSポートにマッピングする)。
【0068】
あるコードワードストリームの対応する層の総数目Mは各グループCDMが多重化するREがサポートできる直交符号分割多重のポート数Nより大きくなると、マッピング方法は、同一コードワードストリームの対応する層が優先に同じ多重化方式によって多重化し(すなわち、まず一つのDMRSポートグループのDMRSポートに、一つのグループの最大でサポートできるポート数のN個層をマッピングする)、同一コードワードストリームの中の残った層に対して、異なる多重化方式によって多重化できる(すなわち、残ったM-N層をもう一つのDMRSポートグループのDMRSポートに対応する)ことである。
【0069】
二つのコードワードストリームを例にし、rank1-2である時、対応するDMRS port をp0とp1とし、且つp0とp1が対応するDMRSが符号分割の方式によって多重化するとし、 rank3-4である時、対応するDMRS portが[p0,p1,p2,p3]であり、且つp0とp1が符号分割多重を行い、図1(a)、図1(b)及び図1(c)に第1ハッチング領域が示したREに対応し、且つ時間領域方向に長さが2であるOCC符号多重を用い、p2とp3が符号分割多重を行い、図1に第3ハッチング領域が示したREに対応し、且つ時間領域方向に長さが2であるOCC符号多重を行う。 Rank5-8であると、対応するDMRS portは[p0,p1,p2,p3,p4,p5,p6,p7]であり、且つp0、p1、p4、p6が対応するDMRSは符号分割多重を行い、図1(a)、図1(b)及び図1(c)に第1ハッチング領域が示したREに対応し、且つ時間領域方向に長さが4であるOCC符号多重を用い、p2、p3、p5、p7が対応するDMRSは符号分割多重を行い、図1に第3ハッチング領域が示したREに対応し、且つ時間領域方向に長さが4であるOCC符号多重を用いる。
【0070】
同一コードワードストリーム各層が対応するDMRSはCDMを優先に用い、異なるコードワードストリーム各層の対応するDMRSはFDM/TDMを優先に用いると、異なる層数場合のコードワードストリームが対応する各層からDMRSポートへのマッピング方式は表1-1が示す通りであり、表中のcwiは第i番目のコードワードストリームを表す。
【0071】
【表1】
【0072】
同一コードワードストリームの各層が対応するDMRSはFDM/TDMを優先に用い、異なるコードワードストリーム各層が対応するDMRSはCDMを優先に用いる。異なる層数場合のコードワードストリームの対応する各層からDMRSポートへのマッピング方式は表1-2に示す通りである。
【0073】
【表2】
【0074】
P=8, L=4を例にし、式(1)によって、4個の層の対応するプリコーディングベクトルはそれぞれ[w0,w1,w2,w3]であり、その同時にコードワードストリームの数を2とし、且つCW0が層0と 層1に対応し、CW1が層1と層2に対応するとする。
【0075】
表1-1のマッピング方式によって、同一コードワードストリームの層は符号分割多重のDMRSポートに優先に対応する。表1-1における索引が5である対応方式のように
【0076】
【数5】
【0077】
層0がDMRSポート0に対応し、層1がDMRSポート1に対応し、層2がDMRSポート2に対応し、層3がDMRSポート3に対応し、すなわち同一コードワードストリームの層は符号分割多重のDMRSポートに対応する。このため、DMRS をプリコーディングすると、DMRSポート0〜3がそれぞれ加重[w0,w1,w2,w3]に対応する。ただし、DMRSポートグループ[0、1]とDMRSポートグループ[2、3]は周波数分割多重であるので、二つのグループのDMRSが対応するプリコーディング形式はそれぞれ
【0078】
【数6】
【0079】
であり、その中に、riはDMRSポートiの対応する復調用参照信号である。プリコーディングしたデータをDMRSパターンによって、対応するリソースユニットにマッピングする。
表1-2のマッピング方式において、同一コードワードストリームの層は周波数分割多重のDMRSポートに優先に対応する。表1-2における索引5が対応するマッピング方式通りに
【0080】
【数7】
【0081】
層0がDMRSポート0に対応し、層1がDMRSポート2に対応し、層2がDMRSポート1に対応し、層3がDMRSポート3に対応し、すなわち、同一コードワードストリームが周波数分割多重のポートに対応する。この時、DMRSをプリコーディングすると、DMRSポート0〜3はそれぞれ加重[w0,w1,w2,w3]に対応する。この時、二つのCDM グループのDMRSが対応するプリコーディング形式はそれぞれ
【0082】
【数8】
【0083】
であり、且つプリコーディングしたデータをDMRSパターンによって対応するリソースユニットにマッピングする。
【0084】
LTE-Aにおいて、ポートp0,p1,p2,p3,p4,p5,p6,p7がそれぞれポート7、8、9、10、11、12、13、14に対応する。
【0085】
実施例2
本実施例はMU-MIMOシステムを例にし、コードワードストリームの対応する各層からDMRSポートへのマッピング過程を説明する。MU-MIMO において、毎ユーザーにDMRSポートを分配する準則は毎ユーザーに対して、同一ユーザーの対応する各層を同じ多重化方式を用いるDMRSポートにマッピングする。
【0086】
その中に、同じ多重化方式とは、同一ユーザーの対応する各層はCDMを用いるポートグループのDMRSポートに優先にマッピングし、或は同一ユーザーの対応する各層はFDM/TDMを用いるポートグループのDMRSポートに優先にマッピングする(すなわち異なるDMRSポートグループのDMRSポート)。MU-MIMOの配置を定義するには以下の通りのいくつかのパラメーターを含む。
【0087】
MU-MIMOとなるとシステムの最大にサポートする層数、最大にサポートする多重化ユーザー数及び多重化ユーザー毎の最大の伝送可能な層数、[n1,n2,n3]でそれぞれ上記3個のパラメーターの数値設置を表すことができる。
【0088】
以下、それぞれ数種類の異なるMU-MIMOの配置で、例を挙げて説明する。
【0089】
MU-MIMOの配置が[4,2,2]であると、MU-MIMO において、最大で4個のlayerだけ伝送することを許容し、且つ最大でサポートしたユーザー数が2であり、ユーザー毎が最大で2個のlayerをサポートすると、具体的な対応関係は表2-1と2-2に示す通りである。その中に、表2-1には同一ユーザーの各層が符号分割多重を行う一つのグループDMRSポートにマッピングする状況を出し、表2-2には同一ユーザーの各層が異なる符号分割多重グループのDMRSポートに優先にマッピングする状況を出す。
【0090】
【表3】
【0091】
【表4】
【0092】
MU-MIMOの配置が であると、MU-MIMOが最大で4ユーザー多重化をサポートし、各ユーザーが最大で2個layerで伝送し、且つMU-MIMO において、最大で4個layerを使用すると許容する時のマッピング関係は表2-3と2-4に示す通りである。その中に、表2-3は同一ユーザーの各層が符号分割多重を行う一つのグループのDMRSポートに優先にマッピングする状況を出し、表2-4は同一ユーザーの各層が異なる符号分割多重グループのDMRSポートに優先にマッピングする状況を出す。
【0093】
【表5】
【0094】
【表6】
【0095】
MU-MIMOの配置は[4,4,1]であると、MU-MIMOにおいて最大で4ユーザー多重化をサポートし、各ユーザーが最大で1個layerで伝送でき、且つMU-MIMO において、最大で4個layerだけ使用すると許容する時のマッピング関係は表2-5と2-6が示す通りである。その中に、表2-5 には同一ユーザーの各層を符号分割多重を行うひとつのグループのDMRSポートに優先マッピングする状況を出し、 表2-6には同一ユーザーの各層を異なる符号分割多重グループのDMRSポートに優先にマッピングする状況を出す。
【0096】
【表7】
【0097】
【表8】
【0098】
実施例3
本実施例において、SU -MIMO とMU-MIMO は統一した層からDMRS ポートへのマッピング方式を用い、SU-MIMOとMU-MIMOが固定に層からDMRS ポートへの間をマッピングすることを用いるのを考慮し、層とDMRSポートSポート[p0,p1,p2,p3,p4,p5,p6,p7]との間で固定した対応関係を設置でき、DMRSポート[p0,p1,p2,p3,p4,p5,p6,p7]を定義する。具体的には、
層数≦2であると、層とDMRSポートとの対応関係は、
【0099】
【数9】
【0100】
となるように設置でき、
層数>2且つ≦4であると、層とDMRSポートとの対応関係は、
【0101】
【数10】
【0102】
となるように設置でき、
層数>4且つ≦8であると、層とDMRSポートとの対応関係は、
【0103】
【数11】
【0104】
となるように設置でき、
その中に、LTE-Aにおいて、[p0,p1,p2,p3,p4,p5,p6,p7]はそれぞれDMRSポート7、8、9、10、11、12、13、14である。
【0105】
当業者は上記方法中の全部或は部分的なステップがプログラムで関連ハードウェアを命令し、完成されることができ、上記プログラムはコンピューターの可読記憶媒体に記憶でき、例えば読み出し専用メモリ、磁気ディスク或は光ディスク等と理解できる。上述実施例の全部或は部分ステップが1つ或は複数の集積回路で実現できることは選択できる。それに対応し、上述実施例における各モジュール/ユニットはハードウェアの形式で実現されることができ、ソフトウェアー機能モジュールの形式でも実現できる。本発明は如何なる特定な形式のハードウェアとソフトウェアーの結合に限らないものとする。
【0106】
上記内容は単に本発明の好適な実施例だけで、本発明を限定するものではなく、当業者にとって、本発明は各種の変更や変化を有することができる。本発明の主旨と原則内に作った如何なる修正、同等な置換、改善等はすべて本発明の請求範囲に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明による技術方案は異なるコードワードストリーム間が対応する層同士の干渉を防止し、チャンネル推定の精度を向上させることができる。その同時に、本発明による技術方案は固定したマッピング方式を用いることで、ランダムマッピングの可能性を低下させ、且つ制御シグナル伝達のオーバーヘッドも低減させる。
図1(a)】
図1(b)】
図1(c)】
図2
図3
図4