(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態のセルフサービス端末システム1を図面に基づいて説明する。
図1は本実施形態のセルフサービス端末システム1の概略構成を示す図である。
【0009】
図1に示すように、本実施形態のセルフサービス端末システム1は、セルフサービス端末装置2とユーザ端末3とを有する。
【0010】
セルフサービス端末装置2は、
図1に示すように、載置部26、第1無線通信部21(第2の通信部)、第1近接無線通信部22(第1の通信部)、第1記憶部23(記憶部)、第1制御部24(制御部)および第1表示部25を有する。ここでのセルフサービス端末装置2としては、例えば、街頭やコンビニ等の店舗内に設置され、映画や音楽等のカテゴリ情報に分類された各種エンターテイメントコンテンツ情報(以下、コンテンツ情報という)をユーザ端末3に配信(転送)するキオスク端末などである。尚、セルフサービス端末装置とは、店舗や施設、街頭などに設置される端末装置であり、情報の取得を所望しているユーザや、各種手続きの遂行を所望しているユーザ自らが操作するための装置である。このようなセルフサービス端末装置として、本実施形態では上記のキオスク端末として説明するが、これ以外にも、例えば店舗などに設置された、来客者自らが操作することで商品検索や各種手続きを行う装置、駅構内に配置され、駅の利用者自らが操作することで駅構内の案内図や周辺案内図などを表示する装置がある。またセルフサービス端末装置としては、役所などに配置され、利用者自らが操作することで各種手続きを行い、帳票などを発行するための装置、銀行などに設置されたATM装置などがある。
【0011】
図1に示すように、載置部26は、セルフサービス端末装置2に設けられており、ユーザ端末3を載置する。ユーザ端末3が、載置部26に載置されると、後述の第1近接無線通信部22の第1の通信範囲内にユーザ端末3が位置したと後述の第1制御部24は判断する。
【0012】
第1近接無線通信部22は、載置部26に載置されたユーザ端末3(第1の通信範囲内に位置するユーザ端末3)に対して近接無線通信を行う。第1近接無線通信部22は、例えばトランスファージェット(Transfer jet(登録商標))と称される通信規格に準拠した通信インターフェースであり、トランスファージェットの仕様は、中心周波数が4.48GHz,転送レートが560Mbps(MAX)/実行レート375Mbps、通信距離が3cm以内のものである。また、トランスファージェットは、ユーザ端末3を認識すると自動的にユーザ端末3との通信を始める。
【0013】
第1近接無線通信部22は、セルフサービス端末装置2全体の制御を行う第1制御部24が制御する第1近接無線インターフェース(第1I/Fと略す)221、および第1I/F221の送受信アンテナとなる第1アンテナ部222を有する。第1アンテナ部222は、載置部26内に設けられている。
【0014】
第1無線通信部21は、
図1に示すように、セルフサービス端末装置2の内部に設けられており、第1の通信範囲よりも広い第2の通信範囲内に位置するユーザ端末3に対して、近接無線通信部22の通信速度よりも遅い通信速度である無線通信をユーザ端末3に対して行う。第1無線通信部21は、例えばIEEE 802.11標準に準拠する無線ネットワーク(WiFiネットワークまたはWLAN)、またはIEEE 802.16標準(例えば、Wimax、802.16e、またはWibro)に準拠する無線通信ネットワークなどを用いて通信を行うものであり、第1近接無線通信部22と異なり、載置部26から離れた第2の通信範囲内にあるユーザ端末3に対して通信を行うことができる。また、第1無線通信部21は、ユーザ端末3とセルフサービス端末装置2との間で無線通信を行うために初期認証手続(ユーザ端末3から入力されたIDやパスワードの照合手続)を行い、この初期認証で得られた接続IDを有するユーザ端末3と通信を行う。このため、第1無線通信部21は、接続IDを有するユーザ端末3が複数ある場合には、この複数のユーザ端末3に対して同時に通信することができる。
【0015】
第1記憶部23は、
図1に示すように、第1無線通信部21および第1近接無線通信部22に接続されており、メモリまたはHDD(Hard Disk Drive)等である。第1記憶部23には、セルフサービス端末装置2の内部に設けられており、複数のカテゴリ情報、複数のカテゴリ情報の見出し一覧に関する情報(カテゴリ見出し一覧情報)、各カテゴリ情報に分けられた複数のコンテンツ情報、および複数のコンテンツ情報の見出し一覧に関する情報(コンテンツ見出し一覧情報)が記憶されている。また、第1記憶部23は、様々なコンテンツを蓄積するクラウドサービス群4(サーバ)に接続されている。第1記憶部23は、後述の第1制御部24が取得した選択コンテンツ情報が第1記憶部23に記憶されていない場合に、クラウドサービス群4から選択コンテンツ情報を内部に転送して記憶する。なお、クラウドサービス群4は、複数のクラウドコンピュータ(不図示)から構成されるものであり、各クラウドコンピュータ内には、映画や音楽などの様々な各種コンテンツ情報が記憶されている。
【0016】
第1制御部24は、例えばCPUであり、セルフサービス端末装置2全体を制御する。第1制御部24は、ユーザ端末3が第2の通信範囲内に位置すると、第1無線通信部21を動作させて、第1記憶部23およびクラウドサービス群4に記憶された複数のコンテンツ情報のうちユーザが選択する選択コンテンツ情報をユーザ端末3から受信する。また、第1制御部24は、ユーザ端末3から選択コンテンツ情報を受信した後に、ユーザ端末3が第1の通信範囲内に位置すると、近接無線通信部22を動作させて、選択コンテンツ情報に対応するコンテンツ情報をユーザ端末3へ転送する。
【0017】
ここで、ユーザ端末3から受信する選択コンテンツ情報は、第1制御部24が、第1無線通信部21を動作させて、第2の通信範囲内のユーザ端末3に対して、第1記憶部23およびクラウドサービス群4内に記憶された複数のコンテンツ情報の見出し一覧に関するコンテンツ見出し一覧情報を送信し、コンテンツ見出し一覧情報からユーザが選択した情報としも良い。
【0018】
また、ユーザ端末3から受信する選択コンテンツ情報は、第1制御部24が、第1無線通信部21を動作させて、第2の通信範囲内のユーザ端末3に対して、第1記憶部23およびクラウドサービス群4内に記憶された複数のカテゴリ情報の見出し一覧に関するカテゴリ見出し一覧情報を送信し、第2の通信範囲内のユーザ端末3から、カテゴリ見出し一覧情報のうちユーザが選択した選択カテゴリ情報を受信し、第2の通信範囲内のユーザ端末3に対して、選択カテゴリ情報に対応する複数のコンテンツ情報の見出しに関するコンテンツ見出し一覧情報を送信し、コンテンツ見出し一覧情報からユーザが選択した情報としても良い。
【0019】
第1表示部25は、
図1に示すように、タッチパネル式のディスプレイパネルであり、ユーザから各種操作を受付ける。第1表示部25は、第1制御部24の出力に基づいて、ユーザに情報を表示するものである。また、第1表示部25は、第1記憶部23内およびクラウドサービス群4内に記憶された複数のカテゴリ情報、カテゴリ見出し一覧情報、各カテゴリ情報に属する複数のコンテンツ情報およびコンテンツ見出し一覧情報を表示する。第1表示部25は、第1制御部24からコンテンツ情報の転送準備が完了した旨の表示用の情報を受信すると、セルフサービス端末装置2がユーザ端末3へのコンテンツ情報の転送準備を完了している旨の表示を行う。
【0020】
ユーザ端末3は、第1無線通信部21と無線通信を行う第2無線通信部31、第1近接無線通信部22と近接無線通信を行う第2近接無線通信部32、ユーザからの各種操作入力を受け付ける操作部33および使用者に各種表示を行う第2表示部34を有する。ユーザ端末3として、例えばノートパソコン、タブレット型パソコン、携帯電話、PHS,スマートフォン、スマートブック、スレート型端末、カメラ等である。
【0021】
第2無線通信部31は、例えば、IEEE 802.11標準に準拠する無線ネットワーク(WiFiネットワークまたはWLAN)、またはIEEE 802.16標準(例えば、Wimax、802.16e、またはWibro)に準拠する無線通信ネットワークなどを用いて通信を行うものであり、第1無線通信部21と同じ構成であるため、説明を省略する。
【0022】
第2近接無線通信部32は、トランスファージェット(Transfer jet(登録商標))と称される通信規格に準拠した通信インターフェースであり、第1近接無線通信部22と同じ構成であるため、説明を省略する。
【0023】
第2近接無線通信部32は、第1I/F221と無線通信を行う第2近接無線インターフェース(第2I/F)321、および第2I/F321の送受信アンテナとなる第2アンテナ部322を有する。
【0024】
次にセルフサービス端末システム1におけるハードウェア構成について説明する。
図2は、実施形態のセルフサービス端末システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0025】
セルフサービス端末装置2は、第1制御部24、第1無線通信部21、第1近接無線通信部22、第1メモリ27、第1記憶部23およびLAN I/F28を有する。第1近接無線通信部22は、第1I/F221と第1アンテナ部222を含んでいる。
【0026】
第1メモリ27は、第1無線通信部21および第1近接無線通信部22を介して転送するカテゴリ情報、カテゴリ見出し一覧情報、コンテンツ情報、コンテンツ見出し一覧情報、選択カテゴリ情報および選択コンテンツ情報を一時的に記憶する。
【0027】
LAN I/F28は、有線ネットワーク用のインターフェースであり、クラウドサービス群4に接続されている。第1無線通信部21で受信した選択コンテンツ情報が、第1記憶部23内に記憶されていない場合に、第1制御部24は、LAN I/F28を動作させて、クラウドサービス群4へ選択コンテンツ情報に対応するコンテンツ情報を要求する。そして、第1制御部24は、LAN I/F28を介して、クラウドサービス群4から選択コンテンツ情報に対応するコンテンツ情報を第1記憶部23へ転送して記憶し、第1無線通信部21を介してユーザ端末3へコンテンツ情報を転送する。
【0028】
ユーザ端末3は、第2制御部35、第2メモリ36、第2記憶部37、第2無線通信部31、第2近接無線通信部32、操作部33及び第2表示部34を有する。第2近接無線通信部32は、第2I/F321と第2アンテナ部322を含んでいる。
【0029】
第2制御部35は、CPUであり、ユーザ端末3全体を制御する。第2制御部35は、ユーザが操作部33に入力した操作に基づいて、第2表示部34へ表示出力する。また、第2制御部35は、第2無線通信部31および第2I/F321を動作させて、転送させたカテゴリ情報、カテゴリ見出し一覧情報、コンテンツ情報、コンテンツ見出し一覧情報、選択カテゴリ情報および選択コンテンツ情報を、第2記憶部37へ記憶する。
【0030】
第2メモリ36は、第2無線通信部31および第2近接無線通信部32を介して送受信したカテゴリ情報、カテゴリ見出し一覧情報、コンテンツ情報、コンテンツ見出し一覧情報、選択カテゴリ情報および選択コンテンツ情報を一時的に記憶する。
【0031】
次に、本実施形態のセルフサービス端末システム1によるコンテンツ通信方法について説明する。
図3は実施形態における複数のユーザが所持するユーザ端末3へのコンテンツ情報を転送する際の概略を示す図であり、
図4は実施形態における複数のユーザ端末3へのコンテンツ情報を転送するための制御フローチャートであり、
図5は実施形態のセルフサービス端末装置2でカテゴリ情報およびコンテンツ情報を選択した場合におけるユーザ端末3へのコンテンツ情報の転送に関する制御フローチャートであり、
図6(a)は比較例のセルフサービス端末装置2からユーザ端末3へのカテゴリ情報等の手続およびコンテンツ情報の転送に要する時間を示す図であり、
図6(b)は実施形態のセルフサービス端末装置2からユーザ端末3へのカテゴリ情報等の手続およびコンテンツの転送に要する時間を示す図である。
【0032】
図3に示すように、セルフサービス端末装置2はユーザAが使用しており、ユーザB、ユーザCおよびユーザDはユーザAの後に並んでいる状態とする。この状態におけるユーザA、B、CおよびDがそれぞれ所持する各ユーザ端末3へのコンテンツの転送操作について説明する。
【0033】
まず、
図4を用いて、ユーザAにおけるセルフサービス端末装置2内のコンテンツをユーザ端末3へ送信する制御について説明する。
【0034】
第1制御部24は、所定時間待機する(ACT101)。ユーザAが、自己のユーザ端末3をセルフサービス端末装置2の載置部26に載置する。第1制御部24は、第1近接無線通信部22の通信可能範囲内(第1の通信範囲内)にユーザ端末3が載置されているか否かを判断する(ACT102)。第1近接無線通信部22の通信可能範囲内にユーザ端末3が載置されていると判断したならば(ACT102のYES)、第1制御部24は、例えばタッチパネル等の第1表示部25に第1記憶部23内に記憶されたカテゴリ見出し一覧情報を表示させる(ACT103)。第1制御部24は、ユーザによって第1表示部25が操作されて第1表示部25に表示されたカテゴリ見出し一覧情報から所望のカテゴリ情報(選択カテゴリ情報)が選択されたか否かを判断する(ACT104)。選択カテゴリ情報が選択されたと判断したならば(ACT104のYES)、第1制御部24は、選択された選択カテゴリ情報を取得し、この選択カテゴリ情報に属するコンテンツ見出し一覧情報を第1表示部25に表示させる(ACT105)。第1制御部24は、ユーザによって第1表示部25が操作されて第1表示部25に表示されたコンテンツ見出し一覧情報から所望のコンテンツ情報(選択コンテンツ情報)が選択されたか否かを判断する(ACT106)。
【0035】
選択コンテンツ情報が選択されたと判断されたならば(ACT106のYES)、第1制御部24は、選択コンテンツ情報を取得し、選択コンテンツ情報をユーザ端末3へ転送するために必要な費用や支払い方法などの各種決済手続を第1表示部25に表示する(ACT107)。第1制御部24が、各種の決済手続きが完了したか否かを判断する(ACT108)。各種決裁手続きが完了したと判断したならば(ACT108YES)、第1制御部24は、選択された選択コンテンツ情報に対応する第1記憶部23に記憶されたコンテンツ情報を第1メモリ27へ転送して、ユーザ端末3への転送準備を行う(ACT109)。第1制御部24は、第1メモリ27へのコンテンツ情報の転送準備が完了したか否かを判断する(ACT110)。第1メモリ27へのコンテンツ情報の転送準備が完了したと判断すると(ACT110YES)、第1制御部24は、第1無線通信部21を介して転送準備完了情報をユーザ端末3へ送信する(ACT111)。第1制御部24は、所定時間転送を待機する(ACT112)。第2制御部35は、第2無線通信部31を介して転送準備完了情報を受信すると、第2制御部35は第2表示部34に転送準備が完了した旨を表示させ、ユーザ端末3をセルフサービス端末装置2からのコンテンツ情報を受信する受信可能状態に設定する。
【0036】
第1制御部24は、ACT112での所定時間待機後、第1無線通信部21を介して返信を受けたか否かを判断し、その返信に基づいてユーザ端末3が受信可能状態にあるか否かを判断する(ACT113)。第1制御部24は、ユーザ端末3が受信可能状態にあると判断したならば(ACT113YES)、第1制御部24は、第1近接無線通信部22を介して第1メモリ27に転送されたコンテンツ情報をユーザ端末3へ転送する(ACT114)。なお、第1近接無線通信部22はトランスファージェットを用いた場合、第1制御部24が第1近接無線通信部22と第2の近接無線通信部32とが、所定の範囲内に配置されていると配置されていると判断された場合に、ユーザAの確認処理をすることなく、自動的にコンテンツ配信が開始される。
【0037】
次に、
図5を用いて、ユーザBにおけるユーザ端末3でコンテンツ情報等を選択した場合におけるユーザ端末3へのコンテンツ情報の転送に関する制御について説明する。
【0038】
図3に示すように、ユーザBはユーザAの後に並んでおり、ユーザAのように直接セルフサービス端末装置2を操作することはできない。そのため、カテゴリ情報、コンテンツ情報に関する選択手続および決済手続に関してはユーザ端末3で行う。
【0039】
第1制御部24は第1無線通信部21を介してユーザBのユーザ端末(載置部26にあるユーザ端末と異なる端末)3からの要求を待つ(ACT201)。第1制御部24は、第1無線通信部21を介してユーザBのユーザ端末3にユーザBのID及びパスワードの入力を要求し、取得する(ACT202)。第1制御部24は、取得したIDおよびパスワードがセルフサービス端末装置2へアクセス可能な接続IDおよびパスワードであるかを判断する(ACT203)。取得したID及びパスワードがセルフサービス端末装置2へのアクセス可能な接続ID及びパスワードでないと判断すると(ACT203のNO)、第1制御部24はACT202の処理に戻る。第1制御部24が、取得したIDおよびパスワードがセルフサービス端末装置2へのアクセス可能なものと判断すると(ACT203のYES)、第1制御部24は、ユーザ端末3へ接続IDを送信して、第1無線通信部21を介して、ユーザ端末3との通信を開始する(ACT204)。
【0040】
第1制御部24は、第1記憶部23に記憶されたカテゴリ見出し一覧情報を第2状態のユーザ端末3へ送信して第2表示部34に表示させる指示をする(ACT205)。ユーザBは、第2表示部34を操作して、第2表示部34に表示されたカテゴリ見出し一覧情報のうち所望のカテゴリ情報(選択カテゴリ情報)を選択する。第1制御部24は、ユーザ端末3からの選択カテゴリ情報が選択されたか否かを判断する(ACT206)。ユーザ端末3からの選択カテゴリ情報が選択されていないと判断しれたならば(ACT206のNO)、第1制御部24は、ACT205の処理に戻る。ユーザ端末3からの選択カテゴリ情報が選択されたと判断すると(ACT206のYES)、第1制御部24は、ユーザBのユーザ端末により選択された選択カテゴリ情報を取得し、この選択カテゴリ情報に属するコンテンツ見出し一覧情報を第2表示部34に表示させる指示をする(ACT207)。ユーザBは、第2表示部34を操作して、第2表示部34に表示されたコンテンツ見出し一覧情報のうち所望のコンテンツ情報(選択コンテンツ情報)を選択する。第1制御部24は、ユーザ端末3から受信した情報が選択コンテンツか否かを判断する(ACT208)。ユーザ端末3から受信した情報が選択コンテンツでないと判断したならば(ACT208のNO)、第1制御部24は、ACT207の処理に戻る。
【0041】
第1制御部24は、ユーザ端末3から受信した情報が選択コンテンツであると判断したならば(ACT208のYES)、第1制御部24は、第1無線通信部21を動作させて、ユーザBにより選択された選択コンテンツ情報を取得し、選択コンテンツ情報をユーザ端末3へ転送するために必要な費用や支払い方法などの各種決済手続に関する情報を第2表示部34に表示させる指示をし、所定時間待機する(ACT209)。第1制御部24は、ユーザBのユーザ端末3からの情報を、第1無線通信部21を介して受信し、受信した情報が各種手続きの完了情報か否かを判断する(ACT210)。各種決裁手続きの完了情報でないと判断したならば(ACT210のNO)、第1制御部24は、ACT209の処理に戻る。
【0042】
第1制御部24は、各種決済手続に関する情報を全て取得した、すなわち各種決裁手続きの完了情報であると判断したならば(ACT210YES)、第1制御部24は、選択コンテンツ情報に対応する第1記憶部23に記憶されたコンテンツ情報を第1メモリ27へ転送して、ユーザ端末3への転送準備を行う(ACT211)。第1制御部24が、第1メモリ27へのコンテンツ情報の転送準備が完了したと判断すると(ACT212YES)、第1制御部24は、第1無線通信部21を介して転送準備完了情報(コンテンツ情報の転送準備が完了した旨の表示用の情報)をユーザ端末3へ送信する(ACT213)。第2制御部35は、第2無線通信部31を介して転送準備完了情報を受信すると、第2制御部35は第2表示部34に転送準備が完了した旨を表示させ、ユーザ端末3を受信可能状態にする。
【0043】
そして、ユーザAがセルフサービス端末装置2における操作を完了した後に、ユーザBは自己のユーザ端末3を載置部26へ載置させることになる。第1制御部24は、ACT213の処理の所定時間後、第1近接無線通信部22の通信範囲内に受信可能状態にあるユーザBのユーザ端末3があるか否かを判断する(ACT215)。第1近接無線通信部22の通信範囲内に受信可能状態にあるユーザBのユーザ端末3があると判断すると(ACT215のYES)、第1制御部24は、第1近接無線通信部22を動作させて、ユーザBのユーザ端末3内へ所望のコンテンツ情報を転送する(ACT216)。
【0044】
セルフサービス端末装置2からユーザCおよびユーザDの各ユーザ端末3内にコンテンツ情報を転送するための動作に関しては、ユーザBの、ユーザ端末3への接続ID発行動作(ACT200〜ACT204)、カテゴリ情報の選択動作(ACT205、ACT206)、コンテンツ情報の選択動作(ACT207、ACT208)、決済動作(ACT209、ACT210)、コンテンツ情報の転送準備動作(ACT211〜ACT213、ACT220、ACT221)およびコンテンツ情報の転送動作(ACT214〜ACT217)と同じであるため、説明は省略する。ここで、第1無線通信部21は、通信可能範囲内にユーザCおよびユーザDのユーザ端末3が位置しさえすれば、ユーザBのユーザ端末3とセルフサービス端末装置2が通信している間においても、セルフサービス端末装置2はユーザCのユーザ端末3およびユーザDのユーザ端末3のそれぞれに対して同時に通信することができる。
【0045】
このように、セルフサービス端末装置2内に設けられた第1無線通信部21を用いることで、ユーザAがカテゴリ情報の選択手続、コンテンツ情報の選択手続、決済手続およびセルフサービス端末装置2からのコンテンツ情報の転送手続をセルフサービス端末装置2で操作している間において、ユーザAの後に並ぶユーザB、ユーザCおよびユーザDのそれぞれのユーザ端末3とセルフサービス端末装置2が通信して、ユーザB、ユーザCおよびユーザDからカテゴリ情報の選択手続、コンテンツ情報の選択手続および決済手続を済ませることができる。すなわち、本実施形態のセルフサービス端末装置2を用いることで、ユーザB、ユーザCおよびユーザDがセルフサービス端末装置2を操作する動作に関してセルフサービス端末装置2から所望のコンテンツ情報をユーザ端末3へ転送する動作のみとすることができる。これにより、ユーザB、ユーザCおよびユーザDがセルフサービス端末装置2を占有する時間を短くすることができる。そして、ユーザA、ユーザB、ユーザCおよびユーザDの全体がセルフサービス端末装置2を使用する時間に関しても短くすることができる。
【0046】
上記効果をより具体的に説明するために、セルフサービス端末装置2が近接無線通信部のみを備える比較例と、本実施形態のセルフサービス端末装置2と対比して説明する。ここで、各ユーザによるカテゴリ情報の選択時間、コンテンツ情報の選択時間および決済時間の合計時間を300秒とし、コンテンツ情報をセルフサービス端末装置2からユーザ端末3へ転送する転送時間を100秒とする。なお、第1近接無線通信部の通信速度は375Mbpsであり、転送するデータはDVD1枚分のデータ量とする。
【0047】
図6(a)に示すように、比較例においては、各ユーザが、載置部26にユーザ端末3を載置した状態で、セルフサービス端末装置2を操作して、カテゴリ情報の選択手続、コンテンツ情報の選択手続、決済手続およびコンテンツ情報の転送手続を行うため、ユーザA、ユーザB、ユーザCおよびユーザDの各ユーザ端末3に対して各ユーザの所望のコンテンツ情報を転送するために、それぞれ合計で400秒ずつかかる。そのため、比較例のセルフサービス端末装置2で、ユーザA、ユーザB、ユーザCおよびユーザDの各ユーザ端末3にコンテンツ情報を転送する動作が完了するためには、合計で1600秒(26分40秒)かかることになる。
【0048】
これに対して、本実施形態のセルフサービス端末装置2は、
図6(b)に示すように、ユーザAのカテゴリ情報の選択手続、コンテンツ情報の選択手続、決済手続およびコンテンツ情報の転送手続を行っている間に、ユーザB、ユーザCおよびユーザDのカテゴリ情報の選択手続、コンテンツ情報の選択手続および決済手続を完了させることができるため、ユーザB、ユーザCおよびユーザDがセルフサービス端末装置2を操作する時間は、コンテンツ転送手続の100秒のみとなる。このため、本実施形態のセルフサービス端末装置2で、ユーザA、ユーザB、ユーザCおよびユーザDの各ユーザ端末3にコンテンツ情報を転送する動作が完了するためには、合計で700秒(11分4秒)となる。すなわち、本実施形態のセルフサービス端末装置2で4人のユーザが所望のコンテンツ情報を各ユーザ端末3へ転送するために要する時間は、比較例のセルフサービス端末装置2で要する時間の半分以下の時間とすることができる。この構成により、本実施形態のセルフサービス端末装置2は、比較例のセルフサービス端末装置2に比べて、多くのユーザが使用する場合において、後に並ぶユーザを長時間待たせないようにすることができる。
【0049】
また、本実施形態のセルフサービス端末システム1は、セルフサービス端末装置2でユーザの所望のコンテンツ情報を転送する準備が完了すると、ユーザ端末3に転送準備完了情報を送信し、ユーザ端末3の第2表示部34に転送準備が完了した旨を表示することにより、どのユーザが次に所望のコンテンツ情報をセルフサービス端末装置2からユーザ端末3へ転送するのかを明確にすることができる。すなわち、セルフサービス端末装置2を使用するために並んでいるユーザの列が変更しても、ユーザは、自己のユーザ端末3の表示を確認することで、自分がコンテンツ情報をセルフサービス端末装置2から取得する順番を把握することができる。
【0050】
さらに、本実施形態のセルフサービス端末システム1は、選択コンテンツ情報の選択手続、および各種決済手続が完了して受信可能状態にあるユーザ端末3に対してのみ、セルフサービス端末装置2からのコンテンツ情報を転送させることで、選択手続および各種決済手続が完了していないユーザが誤って、載置部26に載置させても(近接させても)、このユーザが載置させたユーザ端末3にセルフサービス端末装置2からのコンテンツ情報を誤って転送されることを防ぐことができる。
【0051】
なお、本実施形態で説明したプログラムは、コンピュータに読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって読み取られて、本実施形態のセルフサービス端末装置2を用いた処理方法をコンピュータに実行させる機能を有する。このような機能に関して、本実施形態では、セルフサービス端末装置2の内部に発明を実施する機能が予め記録されている場合で説明したが、これに限らず同様の機能をネットワークから装置にダウンロードしてもよいし、同様の機能を記録媒体に記憶させたものを装置にインストールしてもよい。記録媒体としては、CD−ROM等プログラムを記憶でき、かつセルフサービス端末装置2が読取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であってもよい。また、このように予めインストールやダウンロードによって得られる機能は、セルフサービス端末装置2の内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0052】
上記した実施形態は一例を示すもので、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。特許請求の範囲によって示す技術的事項の解釈は明細書本文になんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、すべて本発明の範囲内のものである。