特許第5693645号(P5693645)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5693645微小孔を有するマイクロ波エネルギー相互作用構造体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5693645
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】微小孔を有するマイクロ波エネルギー相互作用構造体
(51)【国際特許分類】
   F24C 7/02 20060101AFI20150312BHJP
   H05B 6/74 20060101ALI20150312BHJP
   A47J 27/00 20060101ALI20150312BHJP
   B65D 81/34 20060101ALI20150312BHJP
   B32B 3/24 20060101ALI20150312BHJP
【FI】
   F24C7/02 561E
   H05B6/74 A
   A47J27/00 107
   B65D81/34 U
   B32B3/24 Z
【請求項の数】29
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-92027(P2013-92027)
(22)【出願日】2013年4月25日
(62)【分割の表示】特願2011-513622(P2011-513622)の分割
【原出願日】2009年6月9日
(65)【公開番号】特開2013-168378(P2013-168378A)
(43)【公開日】2013年8月29日
【審査請求日】2013年4月26日
(31)【優先権主張番号】61/059,885
(32)【優先日】2008年6月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504075588
【氏名又は名称】グラフィック パッケージング インターナショナル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(72)【発明者】
【氏名】ミドルトン,スコット,ダブリュ.
【審査官】 礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−348075(JP,A)
【文献】 特開平11−301743(JP,A)
【文献】 特開平10−147381(JP,A)
【文献】 米国特許第04268738(US,A)
【文献】 登録実用新案第3039410(JP,U)
【文献】 実開昭63−066703(JP,U)
【文献】 実開平05−024581(JP,U)
【文献】 特開2006−027627(JP,A)
【文献】 特開2000−030854(JP,A)
【文献】 特開昭63−276535(JP,A)
【文献】 実開昭62−202222(JP,U)
【文献】 特開昭60−058357(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 7/02
H05B 6/74
A47J 27/00
B65D 81/34
B32B 3/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する第1の側面及び第2の側面を有し、且つ、該第1の側面及び該第2の側面の間に、ある厚さを有する高分子膜と、
前記高分子膜の前記第2の側面に配置されるマイクロ波エネルギー相互作用材料層と、
前記マイクロ波エネルギー相互作用材料層を貫通して前記高分子膜の前記第2の側面に及ぶ複数の微小孔であって該複数の微小孔は、前記高分子膜の前記厚さを部分的にのみ通っており、該複数の微小孔は、0.05mm乃至2mmの主一次元寸法を有している、複数の微小孔と、
を備え、
前記マイクロ波エネルギー相互作用材料層を貫通する前記複数の微小孔のうちの少なくとも1つの微小孔は、前記マイクロ波エネルギー相互作用材料層内のマイクロ波エネルギー透過性領域によって囲まれており、且つ、該マイクロ波エネルギー透過性領域は、化学的に不活性化されたマイクロ波エネルギー相互作用材料を備える、マイクロ波エネルギー相互作用構造体。
【請求項2】
前記複数の微小孔は、0.08mm乃至1.5mmの主一次元寸法を有している、請求項1に記載のマイクロ波エネルギー相互作用構造体。
【請求項3】
前記複数の微小孔は、0.15mm乃至0.5mmの主一次元寸法を有している、請求項1に記載のマイクロ波エネルギー相互作用構造体。
【請求項4】
前記複数の微小孔は、0.1mm乃至0.3mmの主一次元寸法を有している、請求項1に記載のマイクロ波エネルギー相互作用構造体。
【請求項5】
前記高分子膜はバリア層として機能する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のマイクロ波エネルギー相互作用構造体。
【請求項6】
マイクロ波エネルギーに曝露されると、複数の空隙が前記複数の微小孔と前記高分子膜の前記第1の側面との間に形成される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のマイクロ波エネルギー相互作用構造体。
【請求項7】
前記複数の空隙は、前記高分子膜の前記第1の側面が前記マイクロ波エネルギー相互作用材料層と開口連通するように、形成される、請求項6に記載のマイクロ波エネルギー相互作用構造体。
【請求項8】
前記マイクロ波エネルギー相互作用材料層内の前記マイクロ波エネルギー透過性領域は、前記マイクロ波エネルギー相互作用材料層内の第1のマイクロ波エネルギー透過性領域であり、前記マイクロ波エネルギー相互作用構造体は、前記マイクロ波エネルギー相互作用材料層内に第2のマイクロ波エネルギー透過性領域を備えており、該第2のマイクロ波エネルギー透過性領域は、化学的に不活性化されたマイクロ波エネルギー相互作用材料を備える、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のマイクロ波エネルギー相互作用構造体。
【請求項9】
前記マイクロ波エネルギー相互作用材料層の前記高分子膜に対向する側面側に接合される支持層をさらに備える、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のマイクロ波エネルギー相互作用構造体。
【請求項10】
前記支持層は、複数の孔を有する、請求項9に記載のマイクロ波エネルギー相互作用構造体。
【請求項11】
前記支持層の前記複数の孔は、前記マイクロ波エネルギー相互作用材料層を貫通する前記複数の微小孔のうちの少なくとも一つの微小孔と整合する少なくとも一つの孔を含む、請求項10に記載のマイクロ波エネルギー相互作用構造体。
【請求項12】
前記支持層は、紙ベースの材料から成る、請求項9乃至11のいずれか一項に記載のマイクロ波エネルギー相互作用構造体。
【請求項13】
食品を入れる内部スペースを有するマイクロ波加熱用構造体の少なくとも一部を構成する、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のマイクロ波エネルギー相互作用構造体。
【請求項14】
前記複数の微小孔は、前記マイクロ波加熱用構造体の取外し可能な部分を少なくとも部分的に画定する、請求項13に記載のマイクロ波エネルギー相互作用構造体。
【請求項15】
前記マイクロ波加熱用構造体の前記取外し可能な部分は、前記内部スペース内の前記食品にアクセスするために機能する、請求項14に記載のマイクロ波エネルギー相互作用構造体。
【請求項16】
マイクロ波エネルギー相互作用構造体であって、該マイクロ波エネルギー相互作用構造体は、
互いに対向する第1の側面及び第2の側面を有し、且つ、該第1の側面及び該第2の側面の間に、ある厚さを有する高分子膜と、
前記高分子膜の前記第2の側面に配置されるマイクロ波エネルギー相互作用材料層と、
前記マイクロ波エネルギー相互作用材料層を貫通して前記高分子膜の前記第2の側面に及ぶ複数の微小孔であって該複数の微小孔は、前記高分子膜の前記厚さを部分的にのみ通っている、複数の微小孔と、
前記マイクロ波エネルギー相互作用材料層に接合される支持層と、
を備えており、
前記マイクロ波エネルギー相互作用材料層を貫通する前記複数の微小孔のうちの少なくとも1つの微小孔は、前記マイクロ波エネルギー相互作用材料層内のマイクロ波エネルギー透過性領域によって囲まれており、且つ、該マイクロ波エネルギー透過性領域は、化学的に不活性化されたマイクロ波エネルギー相互作用材料を備え、
前記マイクロ波エネルギー相互作用構造体がマイクロ波エネルギーに曝露される前は、前記複数の微小孔は、前記マイクロ波エネルギー相互作用材料層を貫通して前記高分子膜の前記第2の側面に及び、前記高分子膜の前記厚さを部分的にのみ通っており、
前記マイクロ波エネルギー相互作用構造体がマイクロ波エネルギーに曝露された後は、前記高分子膜の前記第1の側面が前記支持層と連通するように、前記複数の微小孔は、前記マイクロ波エネルギー相互作用材料層及び前記高分子膜の前記厚さを貫通する、マイクロ波エネルギー相互作用構造体。
【請求項17】
前記複数の微小孔は、0.05mm乃至2mmの主一次元寸法を有している、請求項16に記載のマイクロ波エネルギー相互作用構造体。
【請求項18】
前記複数の微小孔は、0.08mm乃至1.5mmの主一次元寸法を有している、請求項16に記載のマイクロ波エネルギー相互作用構造体。
【請求項19】
前記複数の微小孔は、0.15mm乃至0.5mmの主一次元寸法を有している、請求項16に記載のマイクロ波エネルギー相互作用構造体。
【請求項20】
前記複数の微小孔は、0.1mm乃至0.3mmの主一次元寸法を有している、請求項16に記載のマイクロ波エネルギー相互作用構造体。
【請求項21】
前記支持層は、複数の孔を有する、請求項16乃至20のいずれか一項に記載のマイクロ波エネルギー相互作用構造体。
【請求項22】
前記支持層の前記複数の孔は、前記マイクロ波エネルギー相互作用材料層を貫通する前記複数の微小孔のうちの少なくとも一つの微小孔と整合する少なくとも一つの孔を含む、請求項21に記載のマイクロ波エネルギー相互作用構造体。
【請求項23】
前記支持層は、紙ベースの材料から成る、請求項16乃至22のいずれか一項に記載のマイクロ波エネルギー相互作用構造体。
【請求項24】
食品を入れる内部スペースを有するマイクロ波加熱用構造体の少なくとも一部を構成する、請求項16乃至23のいずれか一項に記載のマイクロ波エネルギー相互作用構造体。
【請求項25】
前記複数の微小孔は、前記マイクロ波加熱用構造体の取外し可能な部分を少なくとも部分的に画定する、請求項24に記載のマイクロ波エネルギー相互作用構造体。
【請求項26】
前記マイクロ波加熱用構造体の前記取外し可能な部分は、前記内部スペース内の前記食品にアクセスするために機能する、請求項25に記載のマイクロ波エネルギー相互作用構造体。
【請求項27】
食品と請求項16乃至23のいずれか一項に記載のマイクロ波エネルギー相互作用構造体との組み合わせであって、該食品は、焼き色付け及びカリカリ仕上げの少なくとも一方が為される表面を有する、食品と請求項16乃至23のいずれか一項に記載のマイクロ波エネルギー相互作用構造体との組み合わせ。
【請求項28】
前記食品の前記表面が前記マイクロ波エネルギー相互作用材料層と近接するように、前記マイクロ波エネルギー相互作用構造体の前記高分子膜の前記第1の側面上に前記食品を位置づけるステップと、
前記マイクロ波エネルギー相互作用材料層が、熱を生成し、且つ前記複数の微小孔に隣接する前記高分子膜を軟化し、それにより、前記複数の微小孔が、前記マイクロ波エネルギー相互作用材料層及び前記高分子膜の前記厚さを貫通するように、前記マイクロ波エネルギー相互作用構造体の前記高分子膜の前記第1の側面上の前記食品をマイクロ波エネルギーに曝露するステップと、
を含む、請求項27に記載の組み合わせを使用する方法。
【請求項29】
前記複数の微小孔が前記食品から蒸気を取り除くように機能するように、前記マイクロ波エネルギー相互作用構造体の前記高分子膜の前記第1の側面上の前記食品をマイクロ波エネルギーに曝露した後に、前記高分子膜の前記第1の側面は、前記支持層と連通する、請求項28に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2008年6月9日に出願された米国仮特許出願第61/059,885号の利益を主張する。該出願は参照によってその全体が本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
多くの場合、マイクロ波エネルギー相互作用パッケージにおいて蒸気抜き孔を用いることで、望ましくは焼き色付け及び/又はカリカリ仕上げする食品から蒸気を取り去る。しかしながら、かかる蒸気抜き孔は一般に、構造体に機械的に穿孔又はカットされる物理的な穴から成る。穴の最小サイズは穴を形成するのに用いられる機械的プロセスによって決まる。不都合にも、かかる穴がサセプタを貫通する場合、これらの穴が比較的大きいことにより、サセプタの有効加熱領域が減り、そのため、食品の焼き色及び/又はカリカリ仕上げ感をあまり均一にしない可能性がある。さらに、これらの穴が空気及び汚染物を自由に通してしまうため、食品の貯蔵寿命を短くする可能性がある。
【0003】
したがって、マイクロ波エネルギー相互作用構造体であって、マイクロ波エネルギーを顕熱に変換する構造体の能力を実質的に低減させることなく加熱時に食品から蒸気を抜くことを可能にする少なくとも1つの孔を有する、マイクロ波エネルギー相互作用構造体が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本開示は包括的に、電子レンジ内で食品を加熱、焼き色付け及び/又はカリカリ仕上げするためのマイクロ波エネルギー相互作用構造体、パッケージ又は他の構造体、並びに、かかる構造体、パッケージ又は他の構造体等を製造及び使用する方法に関する。より詳細には、本開示は包括的に、マイクロ波エネルギー相互作用構造体であって、食品から蒸気及び/又は滲出物を抜くように構成されていることに加えて、該構造体内のマイクロ波エネルギー相互作用要素の性能に悪影響を与えない複数の微小孔を有する、マイクロ波エネルギー相互作用構造体に関する。これにより、食品を加熱、焼き色付け及び/又はカリカリ仕上げすることが有意に高まり得る。
【0005】
微小孔は蒸気抜きの必要に応じて任意の適したサイズ及び配置を有し得る。幾つかの用途では、微小孔は概して、約0.05mm乃至約2mm、例えば約0.1mm乃至約0.3mmの主一次元寸法(例えば直径)を有し得る。微小孔は、任意の適したプロセス又は技法を用いて形成することができ、一例では、レーザー「穴あけ」プロセスを用いて形成される。
【0006】
構造体を用いて、食品を収容するための様々なラップ、スリーブ、パウチ、カートン、容器又は他のパッケージ(総じて「パッケージ」又は「構造体」と呼ぶ)を形成し得る。所望であれば、例えば、パッケージが幾つかの区画に分割される場合にパッケージの特定部分に対して蒸気抜きを行うように微小孔を位置決めしてもよく、特定区画にある食品が蒸気抜きにあやかることになる。代替的に又は付加的に、食品のうち、例えば、生地ベースの食品の外皮である特定部分に対して蒸気抜きを行うように微小孔を位置決めしてもよい。さらにまた、食品により容易にアクセスすることを可能にするパッケージ開口特徴部を画定するのに微小孔を用いてもよい。
【0007】
構造体は、隣接する食品に対するマイクロ波エネルギーの効果を変える1つ又は複数のマイクロ波エネルギー相互作用要素を含み得る。各マイクロ波エネルギー相互作用要素は、特定のマイクロ波加熱用構造体及び食品に対する必要又は所望に応じて、マイクロ波エネルギーを吸収し、伝達し、反射し又は導くように特定の構成で配置される1つ又は複数のマイクロ波エネルギー相互作用材料又はセグメントを備える。マイクロ波エネルギー相互作用要素は、食品の特定領域に焼き色付け及び/又はカリカリ仕上げをするのを促すように、食品の特定領域をマイクロ波エネルギーから遮蔽してその過調理を防ぐように、又は食品の特定領域に対してマイクロ波エネルギーを接離方向に送るように構成されてもよい。一例では、マイクロ波エネルギー相互作用要素はサセプタを含む。しかしながら、他のマイクロ波エネルギー相互作用要素を用いてもよい。
【0008】
本発明の他の特徴、態様及び実施形態は、以下の説明及び添付の図面から明らかになるであろう。
【0009】
本説明は添付の図面に言及し、これらの図面では複数の図全体を通して同様の参照符号は同様の部品を指す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】複数の微小孔を有するマイクロ波エネルギー相互作用構造体の概略的な断面図である。
図2A】マイクロ波エネルギーへの曝露前の、複数の微小孔を有するさらに別のマイクロ波エネルギー相互作用構造体の概略的な断面図である。
図2B】マイクロ波エネルギーへの曝露中の、図2Aのマイクロ波エネルギー相互作用構造体の概略的な断面図である。
図2C】マイクロ波エネルギーへの十分な曝露後の、図2Bのマイクロ波エネルギー相互作用構造体の概略的な断面図である。
図3】複数の微小孔を有する例示的なマイクロ波エネルギー相互作用パッケージの概略的な上面図である。
図4】複数の微小孔を有する別の例示的なマイクロ波エネルギー相互作用パッケージの概略的な上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の種々の態様は、図面を参照することによって説明することができる。簡略化のために、同様の符号は同様の特徴を説明するために使用され得る。複数の同様の特徴が示される場合、このような特徴の全てが必ずしも各図に記される必要がないことが理解されるであろう。幾つかの様々な例示的な態様、実施態様及び実施形態が提示されているが、それらの組合せ、並びに種々の発明、態様、実施態様及び実施形態の変更形態間の数多くの相関が本明細書によって考えられる。
【0012】
図1は、例示的なマイクロ波エネルギー相互作用構造体100を概略的に示す。構造体100は、互いに対向する第1の側面104及び第2の側面106を有する基体102、例えば高分子膜を含む。高分子膜102の第1の側面104は、構造体100のうち食品F(破線で概略的に示す)に隣接して位置する食品接触側とし得る。マイクロ波エネルギー相互作用材料層108(又は「サセプタ」)が高分子膜102の第2の側面106に配置又は支持されて、サセプタ膜110を全体として画定する。サセプタ108は概して厚みが約100オングストローム未満、例えば約60オングストローム乃至約100オングストロームであり、入射するマイクロ波エネルギーの少なくとも一部を吸収しやすく、そのエネルギーを食品との接触部(interface)にて熱エネルギー(すなわち熱)に変換させやすい。しかしながら、さらに以下で説明するように、他のマイクロ波エネルギー相互作用要素を用いてもよい。
【0013】
構造体100はまた、接着剤(不図示)又は他の方法を用いてマイクロ波エネルギー相互作用材料層108に接合される支持層112を任意選択的に備えていてもよい。支持層112は流体を吸収することが可能な材料、例えば紙ベースの材料(例えば紙又は板紙)から成っていてもよく、又は任意の他の適した材料(例えば高分子膜)であってもよい。
【0014】
図1に示すように、複数の微小孔114は、高分子膜102の第1の側面104(すなわち、構造体100のうち食品Fが存在する第1の側面104)が支持層112と開口連通するようにサセプタ108及び高分子膜102の厚みを貫通する。微小孔114は、任意の適したプロセス又は技法を用いて形成されてもよく、一例では、レーザー「穴あけ」プロセスを用いて形成される。かかるプロセスでは、レーザーを用いて構造体の厚みの全体又は一部にボアを形成又はカットする。機械的なカットプロセス又は穿孔プロセスとは異なり、レーザー穴あけプロセスは典型的に、コスト高の非効率な除去工程を必要とする材料の「スラグ」又は「穿孔屑」を生じさせることなくボアを形成することが可能である。さらに、かかる穿孔屑又はスラグを除去するための労力を要する構造体の物理的操作がないため、構造体の完全性が実質的に維持されることで、しわを寄せずに構造体をより容易にロールに巻くことができる。
【0015】
微小孔114は任意の適した寸法、例えば約0.05mm乃至約2mmの主一次元寸法(例えば直径)を有し得る。各種の独立した例では、各微小孔は独立して、約0.08mm乃至約1.5mm、約0.1mm乃至約1mm、約0.12mm乃至約0.8mm、約0.15mm乃至約0.5mm、約0.17mm乃至約0.25mmの主一次元寸法を有し得る。特定の一例では、微小孔は約0.1mm乃至約0.3mm、例えば約0.18mmの直径を有する。
【0016】
構造体100は食品を加熱、焼き色付け及び/又はカリカリ仕上げするのにシート又はカードの形態で用いられてもよい。代替的に、さらに以下で説明するように、この構造体及び他の構造体を用いて、内部スペース内に食品を封じ込めるか又は包み込むためのパッケージ又はラップの全体又は一部を形成してもよい。かかる構造体のいずれかは特定用途の必要に応じてさらなる層を有していてもよい。
【0017】
構造体を使用するために、食品Fを高分子膜102の第1の側面104に隣接して位置決めし、第1の側面104は食品の下に位置してもよく、及び/又は食品の上に位置してもよい。マイクロ波エネルギーM(例えば、図1乃至図2Cに上を向いた矢印で概略的に表す)に十分に曝露されると、サセプタ108は入射するマイクロ波エネルギーの少なくとも一部を熱エネルギーに変換し、次いで、この熱エネルギーが食品Fの表面に伝達されて、焼き色付け及び/又はカリカリ仕上げを向上させることができる。加熱時に食品から放出されるいずれもの水蒸気及び/又は他の滲出物E(例えば、図1図2Cに下を向いた矢印で概略的に表す)を、微小孔114を通じて食品から取り去ってこれらの流体を吸収することができる支持層112へ移し、それにより、食品Fに焼き色付け及び/又はカリカリ仕上げをするのをさらに向上し得る。従来の機械的に形成された孔ではなく、構造体100における微小孔114を用いることによって、多くの数の微小孔及び微小孔の良好な分布が提供されることで、食品を加熱、焼き色付け及び/又はカリカリ仕上げするサセプタ108の能力に著しい悪影響を与えることなく、食品から蒸気及び/又は滲出物をより有効に取り去ることができる。
【0018】
さらに、紙層に接合されるサセプタ膜を含め、多くの従来のサセプタ構造体では、蒸気抜きは孔を構造体の厚み全体に貫通させることによって達成されることに留意されたい。吸収性が必要とされる場合、別個の吸収剤層を孔のあいた支持層に隣接して設けるかもしれない。極めて対照的に、本発明者らはレーザー「穴あけ」プロセスを用いることによって、微小孔114をサセプタ膜110にのみ形成することで支持層112へのアクセスを提供することができることを見出した。このようにして、特に従来の孔を有する構造体100の完全性を危うくする必要なく、また、付加的な吸収剤層を必要とせずに、支持層112が吸収剤層として働くこともできる。
【0019】
付加的なバルク加熱を必要とする場合、1つ又は複数のマイクロ波エネルギー透過性領域116をマイクロ波エネルギー相互作用材料層108内に設けてマイクロ波エネルギーMが構造体100を通るようにしてもよい。図1に概略的に示す例では、マイクロ波エネルギー透過性領域116の少なくとも幾つかは微小孔114と少なくとも部分的に整合し、かかる例によっては、マイクロ波エネルギー透過性領域116は、マイクロ波エネルギー相互作用材料層108を貫通する微小孔114を包囲するか又は取り囲んでもよい。
【0020】
各マイクロ波エネルギー透過性領域116は、構造体100への所望レベルのマイクロ波エネルギー伝達、したがって食品のバルク加熱を行うのに必要とされる任意の適した形状及び/又は寸法を有していてもよい。一例では、少なくとも1つのマイクロ波エネルギー透過性領域116は少なくとも1つの微小孔114、例えばそれぞれ隣接する微小孔114(該当する場合)の主一次元寸法よりも大きな主一次元寸法を有する。マイクロ波エネルギー透過性領域116は、さらに以下で説明するように、例えばマイクロ波エネルギー相互作用材料層108を基体102に選択的に施すことによって、マイクロ波エネルギー相互作用材料層108を選択的に取り除くことによって、又はマイクロ波エネルギー相互作用材料層108を化学的に不活性にすることによって、任意の適した方法で形成することができる。
【0021】
付加的な蒸気抜きが必要とされる場合、支持層112が任意選択的に1つ又は複数の従来の穴又は孔118を含んでいてもよい。所望であれば、かかる孔118の1つ又は複数を基体102及びサセプタ層108の微小孔114と少なくとも部分的に整合させて、蒸気(すなわち水蒸気)及び/又は他の滲出物Eを食品F及び構造体100から追い出すように促してもよい。各孔118は、食品Fから所望レベルの蒸気抜きを行うのに必要とされる任意の適した寸法を有していてもよく、一例では、少なくとも1つの孔118は少なくとも1つの微小孔114、例えば、それぞれ隣接した微小孔114(該当する場合)の主一次元寸法よりも大きな主一次元寸法を有する。しかしながら、孔118の他の適した寸法及び構成も考えられる。上記に示すように、支持層112を穿孔しないように孔118は省いてもよい。
【0022】
図1の構造体100は任意の適した方法で形成することができる。一例では、サセプタ膜110が、接着剤又は他の方法を用いて任意選択的に孔のあいた支持層112に接合される。その場合、構造体100の第1の側面104が、サセプタ膜110に小さな穴又は微小孔114を形成するように構成されているレーザーに曝露され得る。幾つかの実施形態では、微小孔114の少なくとも幾つかが支持層112に幾分延びていてもよい。他の実施形態では、微小孔114の少なくとも幾つかが支持層112の厚み全体を貫通していてもよい。
【0023】
図2A乃至図2Cは、別の例示的なマイクロ波エネルギー相互作用構造体200を概略的に示す。構造体200は、示した変形形態及び当業者によって理解されるであろう変形形態以外は図1に示す構造体100と同様の特徴部を含む。簡潔さのため、同様の特徴部の参照符号は図2A乃至図2Cでは「1」の代わりに「2」で始まっている。
【0024】
図2Aに示すように、この例では微小孔214はサセプタ208を貫通しているが、基体202、例えば高分子膜の厚みは部分的にのみ通っている。マイクロ波エネルギーに十分に曝露されると、サセプタ208はマイクロ波エネルギーを顕熱に変換し、この顕熱により、部分的な微小孔214に隣接する高分子膜202が軟化し、好ましくは収縮することで、図2Bに示すように高分子膜202に複数の空隙220を形成する。かかる空隙220は微小孔214の延長部であることを特徴とし得るか、又は各微小孔214とひと続きの空隙220であることを特徴とし得る。いずれにしても、図2Cに概略的に示すように、各空隙220及びそれぞれ隣接する微小孔214は、構造体200の厚みを貫通する蒸気抜き微小孔又はチャネル222を全体として画定する。かかる構造体200は、例えば食品を収容するパッケージであって、(例えば、蒸気及び/又は酸素がパッケージに入り込むのを防止することによって)加熱前に食品の貯蔵寿命を保つのに物理的なバリアが必要とされ、また、加熱時に、得られる食品の所望程度の焼き色付け及び/又はカリカリ仕上げを達成するのに蒸気抜きが必要とされるパッケージを形成するための使用に適し得る。上述したように、マイクロ波エネルギーMに十分に曝露されると、空隙220が基体202に形成されて、食品Fから蒸気及び/又は他の滲出物Eを取り去ることが可能な蒸気抜き孔222を画定する。
【0025】
図1の構造体100の場合のように、所望であれば、図2A及び図2Bの構造体200は任意選択的に、マイクロ波エネルギー相互作用材料層208内に1つ又は複数のマイクロ波エネルギー透過性領域216を有していてもよく、及び/又は、任意選択的な支持層212内に1つ又は複数の孔218を含んでいてもよい。しかしながら、図1の実施形態並びに図2A及び図2Bの実施形態では、かかる特徴部は省いてもよいことが考えられる。例えば、支持層212を穿孔しないように孔218は省いてもよい。支持層212もまた省いてもよく、所望であれば、その代わりに1つ又は複数の他の層を用いてもよい。
【0026】
図2Aの構造体200は任意の適した方法で形成することができる。一例では、サセプタ膜210が、マイクロ波エネルギー相互作用材料層208を通って高分子膜202に部分的に至る小さな穴又は微小孔214を形成するように構成されているレーザーに曝露される。その場合、マイクロ波エネルギー相互作用材料層208は、接着剤又は他の方法を用いて任意選択的に孔のあいた支持層212に接合され得る。他の方法も考えられる。
【0027】
上述したように、構造体100、200又は本明細書によって考えられる数多くの他のものを用いて、様々なパッケージ又は他の構造体を形成してもよい。本開示の別の態様によれば、マイクロ波エネルギー相互作用構造体内の微小孔の一部又は全体がパッケージ又は構造体を開口する仕組みとして働き得る。
【0028】
例えば、図3は、食品を加熱、焼き色付け及び/又はカリカリ仕上げするマイクロ波エネルギー相互作用パッケージ300の上面図を概略的に示す。パッケージ300は、食品(不図示)を入れる空洞又は内部スペースを画定するマイクロ波エネルギー相互作用構造体(例えば、構造体100、200又は本明細書によって考えられる数多くの他のもの)を備える1つ又は複数の隣り合ったパネルを含み得る。シート又はパネルの辺領域を、縁シール302等を用いて共に接合し得る。第1の複数の微小孔が、パッケージ300にわたって延びる分断線304を画定して、パッケージ300を開口する仕組みを提供する。かかる微小孔は、内部スペース内の食品にアクセスするようにパッケージ300の開口を促す必要又は所望に応じて、パッケージを形成するのに用いられる材料の厚みの全体又は一部に延び得る。図1乃至図2Bに関して説明したように、格子パターンで配置された第2の複数の微小孔306が、パッケージ内部で加熱される食品の蒸気抜きを行う。
【0029】
図4に示す別の例では、パッケージ400が、取外し可能なパネル404を取り囲む分断線402を画定するように配置された複数の微小孔を含み、この取外し可能なパネル404により、加熱後に内部スペース内の食品にアクセスすることができる。上述したように、微小孔はまた、食品から蒸気抜きを行ってもよい。
【0030】
種々の構成を有する数多くの他のパッケージ及び構造体も本開示によって考えられる。さらに、数多くの他のマイクロ波エネルギー相互作用構造体も本開示によって包含される。本明細書に記載の又は本明細書によって考えられる、かかる構造体のいずれかは種々の材料から形成され得るが、ただし、それらの材料が典型的な電子レンジ加熱温度、例えば華氏約250度乃至華氏約425度での軟化、焦げ、燃焼又は劣化に実質的に耐性があることが好ましい。用いる特定の材料は、マイクロ波エネルギー相互作用材料、例えばサセプタ及び他のマイクロ波エネルギー相互作用要素を形成するのに用いられるもの、並びに、マイクロ波エネルギー透過性材料又はマイクロ波エネルギー不活性材料、例えば、基体、支持体及び構造体の残りを形成するのに用いられるものを含み得る。
【0031】
マイクロ波エネルギー相互作用材料は導電性又は半導電性の材料、例えば、金属箔として提供される金属若しくは合金;真空蒸着した金属若しくは合金;又は金属性インク、有機インク、無機インク、金属ペースト、有機ペースト、無機ペースト若しくはそれらの任意の組合せであってもよい。適し得る金属及び合金の例として、アルミニウム、クロム、銅、インコネル合金(ニオブを添加した、ニッケル−クロム−モリブデンの合金)、鉄、マグネシウム、ニッケル、ステンレス鋼、スズ、チタン、タングステン及びそれらの任意の組合せ又は合金が挙げられるがこれらに限定されない。
【0032】
代替的に、マイクロ波エネルギー相互作用材料は、導電性材料と共に任意選択的に用いられる金属酸化物、例えばアルミニウム、鉄及びスズの酸化物を含んでいてもよい。適し得る別の金属酸化物は、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide:ITO)である。ITOはより均一な結晶構造を有し、そのため、たいていのコーティング厚で透明である。
【0033】
代替的にはさらに、マイクロ波エネルギー相互作用材料は、適した導電性、半導電性、又は非導電性の人工誘電体若しくは強誘電体を含んでいてもよい。人工誘電体は、ポリマー又は他の適したマトリックス若しくは結合剤中に細分化された導電性材料を含み、導電性金属、例えばアルミニウムのフレークを含んでいてもよい。
【0034】
サセプタを本明細書に示しているが、構造体は代替的に又は付加的に、入射するマイクロ波エネルギーの実質的な部分を反射するのに十分な厚みを有する、箔又は高い光学密度の蒸着材料を含み得る。かかる要素は典型的に、概して、約0.000285インチ乃至約0.05インチ、例えば約0.0003インチ乃至約0.03インチの厚みを有する中実の「パッチ」の形態で、導電性の反射性金属又は合金、例えばアルミニウム、銅又はステンレス鋼から形成される。他のそのような要素は、約0.00035インチ乃至約0.020インチ、例えば0.016インチの厚みを有し得る。
【0035】
食品が加熱中に焦げやすいか又は乾燥しやすい場合はより大きなマイクロ波エネルギー反射要素が用いられ得る。マイクロ波エネルギーの強度を拡散又は低減させるにはより小さなマイクロ波エネルギー反射要素が用いられ得る。複数のより小さなマイクロ波エネルギー反射要素が、マイクロ波エネルギーを食品の特定領域に対して導くよう、マイクロ波エネルギー誘導要素を形成するように配置されてもよい。所望であれば、ループは、マイクロ波エネルギーを共鳴させる長さを有していてもよく、これにより分散効果を向上させる。マイクロ波エネルギー分散要素は、米国特許第6,204,492号、同第6,433,322号、同第6,552,315号及び同第6,677,563号(これらはそれぞれ、その全体が参照により援用される)において記載されている。
【0036】
所望であれば、本明細書に記載の又は本明細書によって意図される数多くのマイクロ波エネルギー相互作用要素のいずれかは、実質的に連続している、すなわち実質的な破断点又は中断点がなくてもよく、又は、例えば、マイクロ波エネルギーを透過させる1つ又は複数の破断点又は孔を有することによって断続的であってもよい。破断点又は孔は選択的に食品の特定領域を加熱するようにサイズ決め及び位置決めされ得る。破断点又は孔は構造体全体に延びていても1つ又は複数の層のみに延びていてもよい。かかる破断点又は孔の数、形状、サイズ及び位置決めは、形成される構造体のタイプ、その中又はその上で加熱される食品、遮蔽、焼き色付け及び/又はカリカリ仕上げする所望の程度、食品の均一な加熱を得るのにマイクロ波エネルギーへの直接の曝露が必要であるのか若しくは望まれているのかどうか、直接加熱による食品の温度変化を調整する必要性、並びに蒸気抜きの必要があるのかどうか及びその必要がある場合はどの程度までかに応じて、特定の用途ごとに変わり得る。
【0037】
孔は、構造体を形成するのに用いられる1つ又は複数の層又は材料内の物理的な孔又は空隙(例えば微小孔114、214)であってもよく、或いは、非物理的な「孔」(例えばマイクロ波透過性領域116、216)であってもよいことが理解されるであろう。非物理的な孔は、構造体に実際の空隙又は穴がカットされずにマイクロ波エネルギーを構造体に通すマイクロ波エネルギー透過性領域である。かかる領域は、マイクロ波エネルギー相互作用材料を特定領域に単に施さないことによって、又は特定領域にあるマイクロ波エネルギー相互作用材料を取り除くことによって、又は特定領域にあるマイクロ波エネルギー相互作用材料を化学的及び/又は機械的に不活性にすることによって形成され得る。化学的に不活性にすることにより、各領域にある材料を取り除くことなくこの材料をマイクロ波エネルギー透過性(すなわち不活性)の物質又は材料に変えることに留意されたい。物理的な孔及び非物理的な孔の双方により、食品をマイクロ波エネルギーによって直接加熱することが可能である一方で、物理的な孔はまた、水蒸気又は他の蒸気を構造体の内部から逃がす蒸気抜き機能も与える。
【0038】
マイクロ波エネルギー相互作用領域及びマイクロ波エネルギー透過性領域の構成は、特定用途のための必要又は所望に応じて様々なレベルの加熱を与えるように選択され得る。例えば、より高い加熱が望まれる場合、全不活性(すなわちマイクロ波エネルギー透過性)領域を増大させ得る。該領域が増大すると、より多くのマイクロ波エネルギーが食品に伝達される。代替的に、全不活性領域を減らすことによって、より多くのマイクロ波エネルギーがマイクロ波エネルギー相互作用領域によって吸収され、熱エネルギーに変換され、かつ、食品の表面に伝達されることで、加熱、焼き色付け及び/又はカリカリ仕上げが向上する。
【0039】
幾つかの例では、構造体の加熱過多又は炭化を防止する1つ又は複数の不連続部又は不活性領域を形成することが有利であろう。かかる領域は、上述のように、マイクロ波エネルギー相互作用材料を有さずに構造体のこれらの領域を形成することによって、施されているいかなるマイクロ波エネルギー相互作用材料も取り除くことによって、又はこれらの領域にあるマイクロ波エネルギー相互作用材料を不活性にすることによって、形成され得る。例えば、図3のパッケージ300では、縁シール302が、マイクロ波エネルギー透過性又はマイクロ波エネルギー不活性であることで、シールされたシート又はパネルの炭化又は分離を防止してもよい。
【0040】
さらにまた、1つ又は複数のパネル、パネルの幾つかの部分又は構造体の幾つかの部分は、マイクロ波エネルギーを、食品のうち焼き色付け及び/又はカリカリ仕上げすることを意図しない幾つかの部分又は加熱環境に対して損失させるのではなく、加熱、焼き色付け及び/又はカリカリ仕上げさせる領域に効果的に集中させることを確実にするよう、マイクロ波エネルギー不活性であるように設計され得る。このことは、上述したもののような、任意の適した技法を用いて達成され得る。
【0041】
上述したように、マイクロ波エネルギー相互作用要素は、マイクロ波エネルギー相互作用材料及び食品の取扱いを容易にするために、かつ/又はそれらの間の接触を防止するために、マイクロ波エネルギー不活性基体又はマイクロ波エネルギー透過性基体112、212、例えば高分子膜又は他の適した高分子材料上に支持され得る。高分子膜の最外表面は、パッケージの食品接触表面(例えば各高分子膜102、202の表面104、204)の少なくとも一部を画定し得る。適し得る高分子膜の例として、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、セロハン又はそれらの任意の組合せが挙げられるがこれらに限定されない。特定の一例では、高分子膜はポリエチレンテレフタレートを含む。膜の厚みは概して、約35ゲージ乃至約10ミルであってもよい。各種の例では、膜の厚みは約40ゲージ乃至約80ゲージ、約45ゲージ乃至約50ゲージ、約48ゲージ又は任意の他の適した厚みであってもよい。紙及び紙ラミネート等の他の非導電性基体材料、金属酸化物、珪酸塩、セルロース系材料又はそれらの任意の組合せも使用され得る。
【0042】
高分子膜が(例えば加熱前に)バリア層として機能することを意図される場合、バリア層はバリア特性を有する高分子膜、及び/又はバリア層若しくはコーティングを含む高分子膜を含んでいてもよい。適した高分子膜はエチレンビニルアルコール、バリアナイロン、ポリ塩化ビニリデン、バリアフルオロポリマー、ナイロン6、ナイロン6,6、共押出ナイロン6/EVOH/ナイロン6、酸化ケイ素コーティングフィルム、バリアポリエチレンテレフタレート又はそれらの任意の組合せが挙げられ得るがこれらに限定されない。
【0043】
適し得るバリアフィルムの一例は、Honeywell International社(ペンシルヴァニア州ポッツヴィル所在)から市販されるCAPRAN(登録商標)EMBLEM 1200Mナイロン6である。適し得るバリアフィルムの別の例は、同様にHoneywell International社から市販されるCAPRAN(登録商標)OXYSHIELD OBS一軸延伸共押出ナイロン6/エチレンビニルアルコール(EVOH)/ナイロン6である。適し得るバリアフィルムのさらに別の例は、Enhance Packaging Technologies社(ニューヨーク州ウェブスター所在)から市販されるDARTEK(登録商標)N−201ナイロン6,6である。さらなる例としては、上に示される、Toray Films社(ヴァージニア州フロントロイヤル所在)から入手可能なBARRIALOX PET、及びQU50 High Barrier Coated PETが挙げられる。
【0044】
さらに他のバリアフィルムとしては、Sheldahl Films社(ミネソタ州ノースフィールド所在)から入手可能なもの等の、酸化ケイ素コーティングフィルムが挙げられる。したがって、一例では、サセプタは、フィルム上にコーティングされる酸化ケイ素の層と、酸化ケイ素上に蒸着されるITO又は他の材料とを有する、フィルム、例えばポリエチレンテレフタレートを含む構造を有し得る。必要又は所望であれば、個々の層を加工処理中の損傷から防護するようにさらなる層又はコーティングを設けてもよい。
【0045】
バリア層は、ASTM D3985を用いて測定される場合、約20cc/m/日未満の酸素透過率(Oxygen Transmission Rate:OTR)を有し得る。各種の独立した例では、バリア層は約10cc/m/日未満、約1cc/m/日未満、約0.5cc/m/日未満、又は約0.1cc/m/日未満のOTRを有し得る。バリア層は、ASTM F1249を用いて測定される場合、約100g/m/日未満の水蒸気透過率(Water Vapor Transmission Rate:WVTR)を有し得る。各種の独立した例では、バリア層は約50g/m/日未満、約15g/m/日未満、約1g/m/日未満、約0.1g/m/日未満、又は約0.05g/m/日未満のWVTRを有し得る。
【0046】
マイクロ波エネルギー相互作用材料は、任意の適した方法で基体に施されてもよく、場合によっては、基体上に印刷、押出成形、スパッタリング、蒸着又はラミネートされる。マイクロ波エネルギー相互作用材料は任意のパターンで基体に施されてもよく、任意の技法を用いて、食品の所望の加熱効果を達成する。例えば、マイクロ波エネルギー相互作用材料は、円形状、ループ状、六角形状、島状、正方形状、矩形状、八角形状等を含めた、連続的な又は断続的な層又はコーティングとして設けられてもよい。
【0047】
様々な材料が構造体100、200のための支持層(又は支持体)112、212として機能してもよい。例えば、支持層はポリマー又は高分子材料から少なくとも部分的に形成されてもよい。別の例として、支持層は紙又は板紙材料から形成され得る。一例では、紙は約15lbs/ream乃至約60lbs/ream(lb/3000平方フィート)、例えば約20lbs/ream乃至約40lbs/reamの坪量を有する。別の例では、紙は約25lbs/reamの坪量を有する。別の例では、板紙は、約60lbs/ream乃至約330lbs/ream、例えば約155lbs/ream乃至約265lbs/reamの坪量を有する。特定の一例では、板紙は約175lbs/reamの坪量を有する。板紙は概して、約6ミル乃至約30ミル、例えば約14ミル乃至約24ミルの厚みを有し得る。特定の一例では、板紙は約16ミルの厚みを有する。任意の適した板紙、例えば、Graphic Packaging International社から市販される無地漂白板紙又はSUS(登録商標)板紙等の無地無漂白クラフト板紙を用いてもよい。
【0048】
パッケージは、接着結合、熱結合、超音波結合、機械的縫合又は任意の他の適したプロセスの使用を含めた、当業者に既知の数多くのプロセスに従って形成され得る。パッケージを形成するのに使用される様々な構成部材のいずれかは、シート状の材料、ロール状の材料、又は形成されるパッケージの形状のダイカット材料(例えばブランク)として提供され得る。
【0049】
要素及び材料の幾つかの組合せにより、マイクロ波エネルギー相互作用要素は基体又は支持体とは視覚的に区別可能なグレー色又は銀色を有し得ることが理解されるであろう。しかしながら、例によっては、均一な色及び/又は外観を有するパッケージを提供することが望ましいであろう。かかるパッケージは、特に消費者が幾つかの特定の視覚的な属性、例えば無地であり、特定パターン等を有するパッケージ又は容器に慣れている場合、消費者にとってより美観的に満足のゆくものであろう。したがって、例えば、本開示は、銀若しくはグレーの色調の接着剤を用いてマイクロ波エネルギー相互作用要素を支持体に接合するか、銀若しくはグレーの色調の支持体を用いて銀若しくはグレーの色調のマイクロ波エネルギー相互作用要素を覆うか、暗い色調の基体、例えば黒の色調の基体を用いて銀若しくはグレーの色調のマイクロ波エネルギー相互作用要素を隠すか、高分子膜の金属化した側を銀若しくはグレーの色調のインクで重ね刷りして色の変化を目立たなくするか、高分子膜の金属化していない側を銀若しくはグレーのインク若しくは他のコンシールカラーで、適したパターンに若しくは無地層として印刷してマイクロ波エネルギー相互作用要素を覆うか若しくは隠すか、又は、任意の他の適した技法又は技法の組合せを意図する。
【0050】
本開示は、いかようにも限定することを意図しない以下の実施例によってさらに理解されるであろう。
【実施例】
【0051】
実施例1
微小孔を有さない従来のサセプタと比較するように、複数の微小孔を有する種々のサセプタ構造体の伝導率及び最高温度を示すように、熱量測定試験を行った。微小孔を有するサンプルは炭酸ガスレーザーを用いてx−yテーブル上で作製した。
【0052】
各構造体について、約5インチの直径を有するサンプルを、それぞれが約0.25インチの厚み及び約5インチの直径を有する2つの円形パイレックス板間に位置決めした。厚みが約1インチの発泡ポリスチレン絶縁シートに載ったプラスチック製ボウルに入れられた250gの水を上記板の上に置いた(そのため、水からの輻射熱はそれらの板に影響を及ぼさなかった)。3つの実質的に三角形のセラミックスタンドを用いて、底面板をガラス製回転台よりも約1インチ上に持ち上げた。熱光学プローブを頂板の頂面に固定して頂板の表面温度を測定した。1300W電子レンジ内で約5分間、サンプルを最大出力で加熱した後、頂板の表面の平均温度上昇を摂氏温度で記録した。熱量測定試験を行う前に各サンプルの伝導率を測定し、5つのデータ点を集計して平均した。加熱前及び加熱後に幾つかのサンプルに関してTAPPI T 460om−02に従ってガーレー透気度(透気抵抗度)も(5回繰返し)測定した。その結果を表1に示す。微小孔を有するサンプルは若干低いが統計学的に有意でない最大の温度変化があった。
【0053】
【表1】
【0054】
各サンプルの全体のひび割れパターンにも留意した。微小孔を有するサンプル(サンプル2乃至4)は対照サンプル(サンプル1)と実質的に同じひび割れパターンを示し、このことは概して、微小孔の存在が金属化PETの挙動にほとんど又は全く影響しなかったことを示している。
【0055】
実施例2
種々の構造体を、食品を加熱、焼き色付け及び/又はカリカリ仕上げするそれらの各能力を判断するために評価した。約3.5インチ×約7.5インチの寸法を有するマイクロ波加熱用シート又はカードを用意した。これらのサンプルを用いて1100W電子レンジ内で約2分間、Schwan‘s flatbread pizzasを加熱した。その結果は表2にまとめてある。
【0056】
【表2】
【0057】
サンプルの全てが概して許容可能なレベルの焼き色及び/又はカリカリ仕上げ感を呈したが、サンプル8が蒸気及び/又は滲出物の最高度の吸収を呈した。
【0058】
本発明は、本明細書中において特定の態様及び実施形態に関して詳細に説明されているが、この開示は、本発明を示し例示するものに過ぎず、単に本発明の完全な権利が与えられる開示を提供する目的で、また本発明がなされた時点で本発明者らが知っていた本発明を実施するための最良の形態を記載するためになされていることを理解されたい。本明細書に記載される本開示は、例示的なものに過ぎず、本発明を限定するか、又はそうでなくとも本発明の任意のそのような他の実施形態、適合、変形、変更及び均等な構成を除外する意図はなく、またそのように解釈されるべきではない。全ての方向に関する言及(例えば上側、下側、上方、下方、左、右、左側、右側、上部、底部、上、下、鉛直、水平、時計回り及び反時計回り)は、本発明の種々の実施形態を読み手が理解することを助けるために識別する目的で使用されるに過ぎず、特許請求の範囲において具体的に記載されない限り、特に本発明の位置、向き又は使用に関して限定するものではない。接合に関する言及(例えば接合される、取り付けられる、結合される、接続される等)は、広範に解釈されるべきであり、要素と要素とを接続する中間の部材、及び要素間の相対的な移動を含み得る。したがって、接合に関する言及は、必ずしも2つの要素が直接的に接続されて互いに固定された関係にあることを示唆するものではない。さらに、種々の実施形態を参照して説明された種々の要素を取り替えて、本発明の範囲内にある全く新しい実施形態を形成してもよい。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4