(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5693648
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】調節可能なミル分級機
(51)【国際特許分類】
B07B 7/086 20060101AFI20150312BHJP
B07B 7/08 20060101ALI20150312BHJP
【FI】
B07B7/086
B07B7/08
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-97022(P2013-97022)
(22)【出願日】2013年5月2日
(65)【公開番号】特開2013-233544(P2013-233544A)
(43)【公開日】2013年11月21日
【審査請求日】2013年5月2日
(31)【優先権主張番号】13/462,208
(32)【優先日】2012年5月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503416353
【氏名又は名称】アルストム テクノロジー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ALSTOM Technology Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ロバート プラント
(72)【発明者】
【氏名】マイク ゴドウィン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ダニエル カール
【審査官】
仲村 靖
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−255368(JP,A)
【文献】
特開2009−034560(JP,A)
【文献】
実開平06−048867(JP,U)
【文献】
実公平02−022061(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07B 7/086
B07B 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方への空気流において運搬されるより細かい粒子からより粗い粒子を分離するための分級機システムであって、
概して円形の横断面を有するハウジングを備え、
上部におけるより大きな部分と底部における小さな円錐体出口とを有する、前記ハウジングの内部における円錐体を備え、円錐体は内室を形成しており、
前記上方への空気流において運搬されるより粗い粒子及びより細かい粒子を受け取る、前記ハウジングと前記円錐体との間の外室を備え、
複数の窓を備えていて各窓に隣接してベーンがヒンジ結合されているフレームを有する、前記円錐体の上部に設けられた分級機リングを備え、前記ベーンは、前記窓を部分的に又は完全に閉鎖するように調節可能であり、これにより、前記窓を通って前記内室内へ入ることができる粒子のサイズに影響を及ぼし、
前記空気流を前記分級機システムから排出させる、前記分級機リングの上方における燃料管出口を備え、
前記ハウジング内に配置された制御リングをさらに備え、該制御リングは、該制御リングが前記フレームに対して回転するように該制御リングと前記ベーンとの間に取り付けられた複数のリンクを有し、該リンクはさらに全てのベーンを開閉させることを特徴とする、分級機システム。
【請求項2】
前記ベーンは、湾曲した形状を有する、請求項1記載の分級機システム。
【請求項3】
前記ベーンは、空力的な横断面形状を有する、請求項1記載の分級機システム。
【請求項4】
前記ベーンは、該ベーンを前記フレームに回動可能に取り付けるための縁部支持体を有する、請求項1記載の分級機システム。
【請求項5】
各ベーンは、一方の側においてフレームに回動可能に結合されている、請求項1記載の分級機システム。
【請求項6】
前記ハウジング内に配置されたリング調節装置をさらに備え、該リング調節装置は、ベーン位置の調節を生ぜしめる前記制御リングの手動による調節を可能にする、請求項1記載の分級機システム。
【請求項7】
リング調節装置をさらに備え、該リング調節装置はハンドルを有し、該ハンドルは、作動レバーを移動させ、該作動レバーは、前記ベーンの位置を手動で調節するために前記制御リングを移動させる、請求項1記載の分級機システム。
【請求項8】
さらに、前記分級機リング内に同心状に位置決めされた制御リングを備え、該制御リングは、前記分級機リングの平面において該分級機リングに対して回転し、
複数のリンクを備え、各リンクは、ベーンと前記制御リングとに結合されており、これにより、ベーンの位置を調節する、請求項1記載の分級機システム。
【請求項9】
さらに、調節システムを備え、該調節システムは、
前記分級機リングに進入する空気圧力を測定するために前記分級機リングの上流に設けられた少なくとも1つの圧力センサと、
前記分級機リングから出る空気圧力を測定するために前記分級機リングの下流に設けられた少なくとも1つの圧力センサと、
前記燃料管出口から出る粒子サイズを検出するための粗さ検出装置と、
前記センサから信号を受け取りかつベーンの設定を計算するための制御ユニットとを有する、請求項1記載の分級機システム。
【請求項10】
前記制御ユニットは、前記ベーンの設定を変化させ、対応する物理的パラメータを測定し、該物理的パラメータのうちの少なくとも1つを最適化する、請求項9記載の分級機システム。
【請求項11】
前記制御ユニットは、オペレータと相互作用して、該オペレータからの制約を受け入れる、請求項9記載の分級機システム。
【請求項12】
前記制御ユニットは、前記制約に最も適合する設定を提供するために、様々なベーンの設定を繰り返し試験する能力を有する、請求項11記載の分級機システム。
【請求項13】
前記制約は、分級機背圧及び炉NOx放出量を最小限にするためのものである、請求項11記載の分級機システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、固体燃料ミルにおいて分離される粒子のサイズを調節することができる調節可能な分級機に関する。
【背景技術】
【0002】
発電プラントは、様々な目的のために、例えば電力を発生するための蒸気を発生するために、ボイラにおける固体燃料炉を使用する。
【0003】
固体燃料、典型的には石炭は、粉末に微粉砕され、この粉末は、炉に送り込まれて燃焼される。ミル(又は微粉砕機)は、石炭を粉末に微粉砕するために使用される。ミルは、通常、粒子サイズの分布を生じる。しかしながら、燃焼のために、所定のサイズよりも大きな粒子は完全に燃えず、ひいては燃料が浪費される。
【0004】
しかしながら、全ての粒子が極めて微細なサイズに微粉砕されると、粒子を微粉砕するために要求されるエネルギが浪費される。また、全ての粒子が極めて小さいことが要求される場合、ミル粒子のスループットは著しく低下する。これは、ひいては、極めて高価になる可能性がある付加的なミルを要求する。
【0005】
したがって、粒子サイズの兼ね合いが存在し、この兼ね合いにおいて、燃焼されない石炭の量と、スループットとのバランスが、ボイラを効率的に運転するために要求される。
【0006】
選択される粒子サイズは、粒子を燃焼させるにどれだけ長くかかるか、及びどれだけ多くの燃焼されない燃料が許容できるかに基づいて決定される。
【0007】
粒子は、炉を通って搬送され、粒子の速度に基づき、燃焼するために炉における制限された時間を有する。燃焼速度は、燃焼される燃料の質量と、粒子の表面積と、炉の火炎のエネルギと、含水量と、使用される燃料の種類とに関連する。全てのこれらの要因が一定であり、かつ分級機が、これらの要因に対応するサイズを有する粒子を分離するように設計されているならば、システムはうまく作動する。しかしながら、これらの要因のうちの1つ以上が変化し、異なるサイズの粒子が使用されることを必要とすると、慣用の分級機は、異なるサイズの粒子を分離するために容易に変更されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
現在、ミルから排出させられかつボイラに供給される粒子サイズ分布を調節することができる調節可能な分級機が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上方への空気流において運搬されるより細かい粒子からより粗い粒子を分離するための分級機システム100であって、
概して円形の横断面を有するハウジング110と、
上部におけるより大きな部分(断面)と底部における小さな円錐体出口230とを有する、ハウジング110の内部の円錐台120を備え、円錐体120は内部チャンバ125を形成しており、
上方への空気流において運搬されるより粗い及びより細かい粒子を受け取る、ハウジングと円錐体120との間の外室190を備え、
複数の窓131を備えていて各窓131に隣接してベーン140がヒンジ結合されているフレーム133を有する、円錐体120の上部における分級機リング130を備え、
ベーン140は、窓131を部分的に又は完全に閉鎖するように調節可能であり、これにより、窓131を通って内側チャンバ125内へ通過させられる粒子のサイズに影響し、
空気流を分級機システム100から排出させる、分級機リング130の上方の燃料管出口240を備える、分級機システム100が記載されている。
【0010】
本発明は、
調節システム260であって、
分級機リング130に進入する空気圧を測定するための、分級機リング130の上流における少なくとも1つの圧力センサ263と、
分級機リング130から出てくる空気圧を測定するための、分級機リング130の下流における少なくとも1つの圧力センサ261と、
燃料管出口240から出てくる粒子サイズを検出する粗さ検出装置269と、
センサから信号を受け取りかつベーン140の設定を計算する制御ユニット265とを有する、調節システム260を有してもよい。
【0011】
開示は、開示の様々な特徴の以下の詳細な説明、及びそこに含まれた複数の例を参照することによって、より容易に理解されてよい。
【0012】
ここで図面を参照し、図面において同じエレメントは同じ番号で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】ミルにおいて見られるような、本発明による分級機の1つの実施の形態の正面図である。
【
図2】ミルにおいて見られるような、本発明の分級機の、部分的に切り取られた斜視図である。
【
図4】本発明による2つの分級機ベーンを示す、
図2の分級機リングの内側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
理論
流れる空気による粒子に対する力は、流れ方向での抵抗係数に比例する。重力も、下向きに粒子に力を加える。粒子は空気の流れに含まれ、ある方向にある速度で移動しているので、運動力を有する。
【0015】
例えば、流れの方向が変化すると、粒子を新たな方向に方向付ける抵抗係数に比例した力が存在する。同じ抵抗係数を有するが、著しく異なる質量を有する2つの粒子が同じ空気の流れに含まれ、流れの方向が変化すると、両方の粒子に加えられる同じ力が存在する。第1の粒子の質量は、その力によって容易に逸らされる小さな運動量を有するように十分に小さく、第1の粒子の速度は、流れの新たな方向に方向転換されると仮定する。しかしながら、第2の粒子はより大きな質量及びより大きな運動量を有し、これにより、力は、第2の粒子の速度を部分的にのみ逸らせると仮定する。
【0016】
流れが、その方向を、固体バリヤの周囲を進むように変化したとすると、第2の粒子は、バリヤを回避するように十分に方向転換されず、バリヤに衝突する。この場合、第2の粒子は、その速度エネルギのほとんどを、バリヤに分与し、減速するか又は跳ね返る。いずれの場合にも、第2の粒子はおそらく空気流の外に位置し、これにより、重力が第2の粒子を下方に向かって分級機へ引っ張る。
【0017】
より重い第2の粒子が、バリヤを通過するように十分に逸らされるが、空気の外側部分へ方向付けられると、第2の粒子は、空気流から落下する。通常、空気流の周縁部は、より遅く移動する空気を有する。粒子を運搬する抵抗力は、速度に依存した力であるので、粒子を運搬されたまま保つための十分な力が存在せず、やはり第2の粒子は流れから下方へ落下する。
【0018】
最初に、両方の粒子の抵抗力は同じであると仮定される。より重い粒子は通常はより大きいが、抵抗力は、質量と同じ割合で増大しない。したがって、この仮定は有効である。
【0019】
運搬される粒子を有する空気流の曲率半径がより小さくなるに従って、運搬されたままの粒子の平均サイズもより小さくなる。
【0020】
ミル製品分級は、空気/石炭流を、分級機のベーンを通過する際に半径方向加速にさらすことによって達成される。より大きな運動量を有するより大きな粒子は、制御された流路を通過することができず、さらなる粉砕のためにテーブルへ戻されるのに対し、微細な粒子は、一次空気において運搬されて、分級機から出ていく。
【0021】
分級機が、極めて小さなサイズの粒子を除く全ての粒子を拒絶するように設計されているならば、より大きな粒子は、分級機へ吹き上げられ、拒絶され、落下して微粉砕機へ戻る。これは、何回も行われ、炉のための所要の燃料量を発生するために要求されるエネルギを増大させる。
【0022】
しかしながら、炉に提供される粒子が大きすぎると、粒子は、完全に燃え、灰の中に未燃焼の炭素を生じ、灰を、コンクリートの製造に不適切にする。
【0023】
より細かい粒子は、燃焼効率を高め、未燃焼炭素の量を減じる。これは、間接的に、NOx放出量の減少を生じる。
【0024】
したがって、使用される粒子サイズを決定するために、これらの制約の兼ね合いが存在するべきである。
【0025】
したがって、ミルが運転されている間に分級機ブレードを調節することができることにより、ミルの性能が最適化される。
【0026】
本発明は、分級機における新規の有効な改良に関し、特に、より細かい十分に微粉砕された材料を、さらなる粉砕のためにミルに戻されるより粗い材料から分離するために、ミル又は微粉砕機と直接関連して使用されるサイクロンタイプの分級機に関する。
【0027】
詳細な説明
ここで
図1及び
図2を参照すると、石炭が供給管210を通ってミル(図示せず)に提供され、このミルにおいて石炭は、粉砕される。分級機100は、下方のミル(図示せず)からの上方に向かう空気流において運搬される粗い粒子及び細かい粒子の混合物を受け取るように設計されている。矢印"A"によって示された粒子及び空気流は、外側ハウジング110と内側円錐体120との間に形成された外室190において上方へ吹き上げられる。
【0028】
空気流と、運搬される粒子とは、分級機リング130に進入し、ベーン140と、分流器とを通って、円錐体120の内部の内室125内へ吹き込まれる。
【0029】
空気流の旋回により、より重い粒子は、流れから脱落し、円錐体120の内部において円錐体出口127へ滑り落ち、再粉砕されるためにミルの粉砕テーブルへ戻る。
【0030】
より軽い粒子は、ハウジング110の上部と、燃料管240とからの空気流の流れに追従する。
【0031】
図3は、
図2の分級機リングの斜視図である。
【0032】
分級機リング130は、空気流及び粒子のための蛇行した経路を提供し、この経路は、粒子を空気流から脱落させる。上記のように、空気流の曲率半径が小さくなるほど、空気流において運搬され続ける粒子は小さくなる。したがって、空気流の形状を調節することにより、分級機100を通過する粒子分布が変化する。
【0033】
フレーム133は、それぞれがベーン140を有する複数の窓131を有する。リング調節装置170は、制御リング160を作動させて、複数のリンク150を移動させる。各リンク150はベーン140の一方の側に結合されている。制御リング160はハウジング110の内部に位置する。これにより、制御リング160は、保護され、損傷されにくくなり、材料が詰まりにくくなる。
【0034】
図4は、
図2の分級機リングの内部から見た斜視図であり、本発明による2つの分級機ベーンを示している。
【0035】
ここで
図3及び
図4に関して、各ベーン140の他方の側は、フレーム133に取り付けられた回転軸141を有する。リンク150は、ベーン140に回動可能に取り付けられたベーンアタッチメントを有し、他方の側は、制御リング160に回動可能に取り付けられている。
【0036】
リング調節装置170のハンドル173は、固定されたプレート175における新たな穴177へピン171を手動で移動させるために使用される。これは、制御リング160をフレーム133に対して手動で移動させ、これにより、リンク150はベーン140をさらに開放又は閉鎖させる。フレーム133の窓131に対するベーン140の位置を変化させることにより、異なる空気流パターンが生じ、これにより、異なる粒子分布が分級機から炉へ移動する。
【0037】
図4は、ベーン140の湾曲した空力形状も示している。従来の設計は、ベーンとして機能する、平坦な角度づけられたプレートを有する。窓131内へ移動する空気流は、従来のベーンに衝突し、ベーンの周囲を移動する。これは、円錐体(
図1及び
図2の120)の内部及び内室(
図1の125)の内部において著しい乱流を生じる。乱流によって、粒子の増大した運搬作用が生じるので、これは、より粗い粒子が空気流から分離されるのにかかる時間を延長させる。
【0038】
翼断面を有してもよい湾曲したベーン140は、空気流を、より少ない乱流でベーン上を移動させる。これは、より迅速な分離と、より少ない再循環とを可能にする。
【0039】
上記の本発明の実施の形態は、必要とされる場合により細かい粒子を提供するように調節することができる。より細かい粒子は、燃焼性能を高め、灰における炭素として浪費される燃料の量を減じる。灰における炭素のより低い濃度により、灰が、コンクリートを製造するために販売され、その他の手段、通常は埋立によって廃棄されなければならない量を最小限に減じる。同様に、フライアッシュにおける炭素の濃度が低いので、FGD(煙道ガス脱硫)システムにおいて生ぜしめられる石膏は販売され、その廃棄のためのコストを発生する代わりに収益を発生する。
【0040】
ベーンの調節により、システムは、NOx放出量を低減しかつ微粉砕機を通るときの空気の圧力降下を低減するように最適化される。これらの両方は、付加的なコスト節約を生じる。
【0041】
択一的な実施の形態
システムの択一的な実施の形態において、調節回路260が用いられる。調節回路260は、燃料管出口240の近くで、分級機の出口に配置された、空気圧力センサ261を有する。燃料管出口240には、粗さ検出装置269も設けられている。粗さ検出装置269は、出口粒子の相対粗さを決定する。
【0042】
別の圧力センサ263は、空気流が分級機に進入する前の空気圧力を測定する。この実施の形態において、別の圧力センサ263は、外室190に設けられている。
【0043】
圧力センサ261,263及び粗さ検出装置269からの検出された情報は制御ユニット265に提供される。制御ユニット265は、次いで、計算を行い、モータ267を作動させ、ベーン140の位置を調節する。これは、繰り返し行われるので、調節システムは、この情報を監視しながら多くの異なる設定を試みることができ、最適な粒子粗さ及び圧力降下を決定することができる。制御ユニット265は、ユーザがベーン設定、圧力降下及び粒子粗さの様々な組合せを選択できるようにするための慣用のユーザインタフェースを有する。
【0044】
別の択一的な実施の形態において、NOxセンサが、調節システム260に付加され、燃料管出口240からの空気/粒子流を受け取る炉から出る煙道ガス内に位置決めされている。この場合、制御ユニットは、炉からのNOx放出量も監視することができる。粒子が燃料管240から出て、炉において燃焼されて煙道ガスにおいてNOxを生ぜしめるための時間差を考慮して、調節システム260はこの場合、ベーン140の位置がどのようにNOx放出量に影響することができるかを追跡する。この場合も、システムは、様々なベーン140の位置を繰り返し選択し、結果を監視することができる。NOx放出量は、ある設定において最小になる。現実には、選択された設定は、NOx最小値のためでなくてもよく、NOx放出量と圧力降下との兼ね合いのためであってよい。
【0045】
さらに別の実施の形態において、温度、湿度などのその他の物理的パラメータが測定され、ベーン140のための最善の設定についての知的な決定を行うために制御ユニット265に提供されてもよい。
【0046】
有利には、本発明は、従来技術において言及した課題を克服する。
【0047】
そうでないことが明記されない限り、ここに開示された全ての範囲は、包括的であり、ここでの終点及び全ての中間点において組合せ可能である。"第1の"、"第2の"及び同様の用語はここでは、いかなる順序、量又は重要性をも意味するものではなく、1つの要素を別の要素と区別するために使用されている。ここで単数の記載は、量の制限を意味するのではなく、言及された部材の少なくとも1つの存在を意味する。"約"によって修正された全ての数字は、そうでないことが明記されない限り、その正確な数値を含んでいる。
【0048】
この記載された説明は、最良の態様を含む発明を開示しかつあらゆる当業者が発明を実施及び使用することを可能にするためにも複数の例を使用する。本発明の特許可能な範囲は、請求項によって規定され、当業者に想起するその他の例を含んでいる。このようなその他の例は、請求項の文字言語と異ならない構造的要素を有する場合、又は請求項の文字言語との僅かな差異を有する均等な構造的要素を含む場合、請求項の範囲内にあることが意図されている。
【符号の説明】
【0049】
10 分級機、 110 外側ハウジング、 120 内側円錐体、 125 内室、 127 円錐体出口、 130 分級機リング、 131 窓、 133 フレーム、 140 ベーン、 141 回転軸、 150 リンク、 160 制御リング、 170 リング調節装置、 173 ハンドル、 175 固定されたプレート、 177 穴、 190 外室、 210 供給管、 240 燃料管、 260 調節回路、 261 空気圧力センサ、 263 別の圧力センサ、 265 制御ユニット、 269 粗さ検出装置