【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
任意の麻酔薬カートリッジを緩衝するための方法であって、
隔壁およびプランジャを有する緩衝剤カートリッジを提供することと、
該緩衝剤カートリッジ上の該隔壁および該麻酔薬カートリッジ上の隔壁を通して移送針を貫通させることであって、それによって流体移送経路が確立される、ことと、
該麻酔薬カートリッジ上の該隔壁ではなく、該緩衝剤カートリッジ上の該隔壁に排出針を貫通させることと、
該緩衝剤カートリッジから該麻酔薬カートリッジ内に、ある量の緩衝剤を移送するように該緩衝剤カートリッジ上の該プランジャを前進させる一方で、同量の麻酔薬が該麻酔薬カートリッジから該排出針を通して放出されるようにすることと
を含む、方法。
(項目2)
前記移送針を貫通させ、前記プランジャを前進させることの前に、揮発性種の蒸発を阻止するように、前記緩衝剤カートリッジ内の前記緩衝剤に力が加えられる、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記緩衝剤は、7.5〜7.8の範囲のpHを有する重炭酸ナトリウムを含み、通常の保管温度でのCO
2の蒸発を防止するように、前記カートリッジ内で1.2気圧を上回る圧力を維持するのに十分な力が加えられる、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記緩衝剤は、重炭酸ナトリウムを含み、熱滅菌温度でのCO
2の蒸発を防止するように、前記カートリッジ内で5気圧を上回る圧力を維持するのに十分な力が加えられる、項目2に記載の方法。
(項目5)
前記力は、前記プランジャに対して圧縮状態を保持されたバネによって加えられる、項目2に記載の方法。
(項目6)
前記貫通させることは、前記緩衝剤カートリッジ隔壁を通して前記移送針を前進させるように、該移送針および前記排出針を保持するノブを回すことを含む、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記麻酔薬カートリッジ隔壁を通した前記排出針の移送は、前記麻酔薬カートリッジが前記ノブの容器に挿入される際に生じる、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記排出針は、前記放出された麻酔薬を貯蔵器内に誘導する、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記貯蔵器は、前記緩衝剤カートリッジ周囲の吊り下がり状部の中に配置される、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記緩衝剤カートリッジ上の前記プランジャを前進させることは、該プランジャに対してプッシャに係合させ、該プッシャを前進させることを含む、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記プッシャは、緩衝剤の第1の送達量を規定するように、第1の停止部に係合するまで前進させられる、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記プッシャが、第2の送達量を規定するように第2の停止部に係合するまで、前記第1の停止部を越えて該プッシャを前進させることをさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記第1の送達量を移送した後、および前記第2の送達量を移送する前に、前記麻酔薬カートリッジを交換することをさらに含む、項目12に記載の方法。
(項目14)
麻酔薬カートリッジ内に、ある量の緩衝液を移送するためのデバイスであって、
隔壁およびプランジャを有する緩衝剤カートリッジと、
移送針および排出針を有する針アセンブリと、
該緩衝剤カートリッジ上の該プランジャに係合するプッシャと
を備え、
該移送針は、該緩衝剤カートリッジの該隔壁を貫通し、該針アセンブリは、該麻酔薬カートリッジを着脱可能に受容し、該移送針および排出針は、該麻酔薬カートリッジ上の隔壁を貫通し、これにより、該プッシャが該緩衝剤カートリッジ上の該プランジャを前進して、該移送針を通して該麻酔薬カートリッジ内に緩衝剤を移送し、かつ、該麻酔薬カートリッジからの過剰な麻酔薬を該排出針を通して排出することが可能である、デバイス。
(項目15)
取付端と、開放端と、内部とを有する筐体をさらに備え、該内部は、該取付端に隣接する前記隔壁と該開放端に隣接する前記プランジャとを伴う前記緩衝剤カートリッジを受容する、項目14に記載のデバイス。
(項目16)
前記筐体の前記取付端に螺合可能に接続するノブをさらに備え、前記針アセンブリは、該ノブを回すことが前記移送針を前記緩衝剤カートリッジ内に前進させるように、該ノブによって担持されている、項目15に記載のデバイス。
(項目17)
前記移送針および排出針は、前記ノブ上の麻酔薬カートリッジ容器内に延在し、これにより、前記麻酔薬カートリッジを該容器に挿入することが、該移送針および排出針を該麻酔薬カートリッジの隔壁を通して貫通させる、項目16に記載のデバイス。
(項目18)
前記移送針が前記緩衝剤カートリッジ上の前記隔壁を貫通する前に、該緩衝剤カートリッジに対して所定の距離だけ前記プッシャが前進させられた場合に、該プランジャに所定の力を加えるように配置されている、圧縮部材をさらに備えている、項目14に記載のデバイス。
(項目19)
前記圧縮部材は、前記プッシャと前記緩衝剤カートリッジ上の前記プランジャとの間に位置付けられているコイルバネである、項目18に記載のデバイス。
(項目20)
前記プッシャは、前記圧縮部材を備えている、項目18に記載のデバイス。
(項目21)
前記緩衝剤カートリッジに対して前記所定の前進させられた距離において、前記プッシャを保持するロックをさらに備えている、項目18に記載のデバイス。
(項目22)
前記プッシャが前進させられる際に、第1の量の緩衝剤を送達するように該プッシャの前進を制限する、第1の停止部をさらに備えている、項目14に記載のデバイス。
(項目23)
前記プッシャが前進させられる際に、第2の量の緩衝剤を送達するように、前記第1の停止部を越えた該プッシャの前進を制限する、第2の停止部をさらに備えている、項目22に記載のデバイス。
(項目24)
重炭酸塩緩衝液を保管するための方法であって、
開放内部と、針貫通可能な隔壁と、該開放内部の内容物を加圧するように該開放内部内に前進させることができるプランジャとを有するカートリッジを提供することと、
室温および室圧で二酸化炭素を発生させる重炭酸塩緩衝剤の溶液によって、該カートリッジを充填することと、
保管中に二酸化炭素の発生を阻止するのに十分な圧力を該溶液に加えながら、該カートリッジを保管することと
を含む、方法。
(項目25)
前記緩衝剤は、7.5〜7.8の範囲のpHを有する重炭酸ナトリウムを含み、前記加えられる圧力は、1.2気圧を上回る、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記圧力は、前記プランジャに対してバネを圧縮することによって維持される、項目24に記載の方法。
(項目27)
前記カートリッジは、前記プランジャに対して力を加え、前記圧力を維持する、加圧容器内に配置される、項目24に記載の方法。
(項目28)
前記プランジャは、圧縮可能な弾力材料を備え、該プランジャは、前記溶液に対して圧縮され、圧縮が維持される、項目24に記載の方法。
(項目29)
前記圧力は、熱滅菌中に揮発性種の蒸発を防止するのに十分である、項目24に記載の方法。
(項目30)
熱滅菌プロセス中に前記カートリッジプランジャを通り過ぎて出て行く水を補うために、熱滅菌の前に、ある量の水が前記溶液に加えられる、項目29に記載の方法。
(項目31)
重炭酸塩緩衝剤保管カートリッジアセンブリであって、
重炭酸塩緩衝溶液で充填された開放内部と、針貫通可能な隔壁と、該開放内部の中の該重炭酸塩緩衝剤を加圧するように、該開放内部内に前進させることができるプランジャとを有するカートリッジと、
二酸化炭素の発生を阻止する圧力で、該重炭酸塩緩衝溶液を加圧するのに十分な力を該プランジャに及ぼす圧縮部材と
を備えている、保管カートリッジアセンブリ。
(項目32)
前記カートリッジの前記開放内部は、重炭酸ナトリウムで完全に充填され、上部空間が実質的に残っていない、項目31に記載の保管カートリッジアセンブリ。
(項目33)
前記圧縮部材は、圧縮状態で維持され、前記プランジャに係合する圧縮可能なバネを備えている、項目31に記載の保管カートリッジアセンブリ。
(項目34)
前記圧縮可能なバネは、コイルバネを備えている、項目31に記載の保管カートリッジアセンブリ。
(項目35)
前記圧縮部材は、前記プランジャの一体部分として形成される、項目31に記載の保管カートリッジ。
(項目36)
筐体をさらに備え、前記カートリッジは、該筐体内にあり、前記圧縮部材は、該筐体と前記溶液との間で、圧縮状態で保持される、項目31に記載の保管カートリッジアセンブリ。
(項目37)
前記溶液は、予期される保管条件下での蒸発を防止するように、十分な圧力下で保持される、項目31に記載の保管カートリッジ。
(項目38)
前記溶液は、熱滅菌の条件下での蒸発を防止するように、十分な圧力下で保持される、項目31に記載の保管カートリッジ。
そのような麻酔薬カートリッジを緩衝するための本発明による方法は、緩衝剤カートリッジを提供することを含み、緩衝剤カートリッジはまた、典型的には、隔壁およびプランジャを有し、多くの場合、麻酔薬カートリッジの構造と同様または同一であり得る。移送針が、緩衝剤カートリッジおよび麻酔薬カートリッジの両方の隔壁に貫通され、それらの間に流体移送経路を提供する。排出針はまた、麻酔薬カートリッジ上の隔壁ではなく、緩衝剤カートリッジ上の隔壁に貫通される。緩衝剤カートリッジ上のプランジャを前進させることによって、ある量の緩衝剤が、緩衝剤カートリッジから麻酔薬カートリッジ内に移送され得ると同時に、同量の麻酔薬が、麻酔薬カートリッジから排出針を通して、通常は以下に記載するような廃棄容器に放出される。麻酔薬を同時に放出することによって、麻酔薬カートリッジを過充填することなく、または麻酔薬カートリッジ内のプランジャが過剰な量によって押し出されることなく、所定の量の緩衝剤が麻酔薬カートリッジに導入されることを可能にする。
【0013】
本発明の好ましい側面では、緩衝液の安定性は、その使用の前に、所望のpHの緩衝液でカートリッジを充填し、次いで、緩衝液に十分な圧力を加えることによって、特定のpHまたはそれに近いpHで維持され得、重炭酸塩緩衝剤からの二酸化炭素の蒸発および損失等の揮発性種の蒸発を阻止し、圧力レベルは、pHならびに輸送および保管において遭遇する温度によって決定される。例えば、緩衝剤が8.4%の重炭酸ナトリウムを含み、pHが7.62で維持され、最大予測温度が25℃である場合、緩衝剤カートリッジ内の絶対圧力を、最大で25℃の温度で、pH7.62での8.4%の重炭酸ナトリウム溶液中の二酸化炭素ガスの平衡分圧と少なくとも同じくらい高く維持するのに十分な力が加えられなければならず、それは、ヘンダーソン・ハッセルバルヒの式およびヘンリーの法則に従って、1.64気圧である。通常、予期される保管または移送温度よりも高い場合において安全範囲を生成するためにより大きい力が加えられる。カートリッジが熱滅菌を受けることが予測される場合、加えられる力は、典型的には、安全範囲に対してより高い少なくとも6気圧を生成するのに十分でなければならない。
【0014】
例示的な実施形態では、プッシャによって特定の距離だけ圧縮された場合に、カートリッジ内の溶液が所定の量の圧力下に配置されるように、プランジャに対して圧縮状態で保持されるバネに係合することによって、または圧縮可能な弾力材料から形成されるか、もしくは別様に圧縮可能にされるプランジャを使用することによって、力が加えられる。一例として、目標pHが7.62である場合、必要な圧力は、少なくとも1.64気圧(上記のように)であり、プランジャは、約37mm
2の麻酔薬に曝露される領域を有し、バネは、9.4lbs/in
2のプランジャに対する最大力を加える必要があり得る。力は、バネ定数およびバネ圧縮の深さの両方によって決定される。
【0015】
緩衝剤カートリッジ内に保持される緩衝剤に対し一定陽圧を加えることが、概して、安定性を維持するのに十分であり得るが、密閉前に緩衝剤カートリッジから空気および他のガスを完全に除去することが好ましい。全ての「上部空間(head space)」を除去することによって、重炭酸塩緩衝剤中の二酸化炭素等の揮発性種は、ほとんどまたは全く損失することなく、上昇した圧力によって溶液中に保持される。小さいガス上部空間の存在さえ、いくらかの二酸化炭素または他の揮発性種の損失を可能にし、揮発性種が平衡分圧を達成すると、緩衝剤のpHおよび組成に小さいが測定可能な変化をもたらす。さらに、上部空間を欠くことによって、上部空間のガスが、陽圧によって溶液に追い込まれ、緩衝剤の化学的性質を変化させ得ることを防止する。
【0016】
本発明の方法の特定の側面では、移送針を貫通させることは、緩衝剤カートリッジ隔壁を通して移送針を前進させるように、移送針および排出針を保持するノブを回すステップを含み得る。したがって、麻酔薬カートリッジ隔壁への移送針および排出針の貫通は、通常、麻酔薬カートリッジがノブ上の容器に挿入される際に生じる。好ましくは、排出針は、放出された麻酔薬を貯蔵器内に誘導する。例えば、例示的な実施形態では、放出された麻酔薬は、緩衝剤カートリッジを包囲する筐体内の空間に流入し得る。該空間は、吸収材料を含み得る。緩衝剤カートリッジ上のプランジャの前進は、通常、プランジャに対してプッシャに係合し、プッシャを前進させ、プランジャをカートリッジの内部に沿って前進させ、その中の緩衝剤に対してプランジャを駆動し、緩衝剤を移送針に送り込むことを含む。典型的には、プッシャは、緩衝剤カートリッジが保持される筐体上に往復動自在に載置される。
【0017】
本発明の方法のさらなる特定の側面では、分注される緩衝剤の量は、プッシャが、緩衝剤の第1の送達量を規定する、通常筐体上にある、第1の停止部に係合するまで、プッシャを前進させることによって制御され得る。第2および後続の送達量は、プッシャが、第2の送達量を規定するために第2の停止部に係合するまで、第1の停止部を越えて、および随意に、さらなる送達量を規定するためにさらなる停止部を越えて、プッシャを前進させることによって分注され得る。そのような複数の送達量の緩衝剤は、単一麻酔薬カートリッジ、または緩衝剤送達器具に連続して接続される連続的麻酔薬カートリッジで使用され得る。
【0018】
本発明によるデバイスは、緩衝剤カートリッジから麻酔薬カートリッジ内へ、ある量の緩衝液を移送することを目的とする。緩衝剤カートリッジは、典型的には、一方の端部が密閉され、他方の端部上に摺動可能なプラグを有し、緩衝液がそれらの間の空間内に保持される中空管を備えている。該デバイスはまた、移送針および排出針を有する針アセンブリを備え、移送針は、緩衝剤カートリッジ上の隔壁を貫通するように前進させることができる。針アセンブリはまた、移送針および排出針が麻酔薬カートリッジの上の隔壁を貫通するように、麻酔薬カートリッジを着脱可能に受容する。該デバイスはまた、緩衝剤カートリッジ上のプランジャを前進させ、移送針を通して麻酔薬カートリッジ内に緩衝剤を移送しながら、麻酔薬が緩衝剤によって置き換えられるにつれて、過剰な麻酔薬が麻酔薬カートリッジから排出される、プッシャを備えている。代替実施形態では、わずかに修正された緩衝剤カートリッジが使用される。そのような実施形態では、カートリッジは、一方の端部のみが開放している中空管であり、摺動可能なプランジャは、プランジャおよび隔壁の両方としての機能を果たし、それは、移送針がプランジャ自体を穿孔し、緩衝液が緩衝剤カートリッジを出て麻酔薬カートリッジに流入するための流体経路を生成することを意味する。プッシャがガラス管を下ってプランジャを前進させるにつれて、溶液は、移送針から麻酔薬カートリッジに送り込まれる。
【0019】
本発明のデバイスは、典型的には、取付端、開放端、および開放内部を有する筐体をさらに含む。筐体の内部は、緩衝剤カートリッジを受容し、緩衝剤カートリッジの隔壁は、取付端に隣接し、緩衝剤カートリッジのプランジャは、開放端に隣接する。該デバイスは通常、筐体の取付端に螺合可能に接続するノブをさらに含み、針アセンブリは、ノブを回すことが移送針を緩衝剤カートリッジ内に前進させるように、ノブによって担持される。移送針および排出針は、麻酔薬カートリッジの容器への挿入が、移送針および排出針を麻酔薬カートリッジ上の隔壁を通して貫通させるように、ノブ上の麻酔薬カートリッジ容器内に延在する。
【0020】
緩衝剤カートリッジ内の緩衝剤を加圧および安定化するために、該デバイスは、典型的には、緩衝剤カートリッジのプッシャとプランジャとの間に配置される、圧縮部材をさらに備えている。圧縮部材は、前進させられ、すなわちプッシャが緩衝剤カートリッジに対して所定の距離において配置された場合に、プランジャに所定の力を加えるように圧縮されるか、または適合される。通常、圧縮部材は、コイルバネであり、該デバイスは、緩衝剤カートリッジに対して所定の前進距離においてプッシャを保持するロックをさらに備えている。有利に、一旦移送針が緩衝剤カートリッジ上の隔壁を貫通すると、圧力が解放され、バネまたは他の圧縮部材は前進し、少量の緩衝剤を移送針に通過させて移送針の下準備をし、残留ガスを除去する。
【0021】
第1の所定の量の緩衝剤を麻酔薬カートリッジ内に送達するように、プッシャの第1の前進ストロークを制御するために、デバイス上、典型的には筐体上に、少なくとも1つの停止部が提供される。随意に、プッシャがさらに前進させられる際に、第2の所定の量の緩衝剤を送達するように、第1の停止部を越えたプッシャの前進を制御または制限するために、この場合もやはり典型的には筐体上に、第2の停止部が提供され得る。3つ以上の所定の量を可能にするために、さらなる停止部を組み込むことができる。他の実施形態は、医師が送達される量を調整することを可能にする機構を組み込む。
【0022】
本発明のさらなる側面では、重炭酸塩緩衝液を保管するための方法は、開放内部、針貫通可能な隔壁、およびその内容物を加圧するように開放内部内に前進させることができる、プランジャを有する、カートリッジを提供することを含む。カートリッジは、室温および室圧で二酸化炭素を発生させる重炭酸塩緩衝剤の溶液で充填される。二酸化炭素の発生は、プランジャに力を加えながら、カートリッジを保管することによって阻止され、力は、二酸化炭素の発生を阻止し、それによって緩衝剤のpHおよび組成を安定化する圧力で、重炭酸塩緩衝液を加圧するのに十分な力である。例示的な実施形態では、緩衝剤は、7.5〜7.8の範囲のpHを有する重炭酸ナトリウムを含み、加えられる圧力は、上記の好ましいpHで1.2気圧よりも大きく、圧力範囲は上記の通りである。さらなる例示的な実施形態では、カートリッジが使用されるまで、プランジャに対してバネまたは他の圧縮部材を圧縮し、圧力を維持することによって、力が加えられる。好ましくは、溶液のpHおよび炭酸塩含有量をさらに安定化するために、カートリッジは、全てのガスが排出されて(上部空間を取り除いて)充填される。
【0023】
本発明のさらなる側面では、重炭酸塩緩衝剤保管アセンブリは、上記のような緩衝剤カートリッジ、および圧力下でその中に緩衝液を配置するための機構を備えている。一実施形態では、保管アセンブリは、緩衝剤カートリッジを収納し、プランジャに力を及ぼす圧縮部材を含み、力は、通常1.2気圧を上回り、予期される保管温度での二酸化炭素の発生を阻止するように重炭酸塩緩衝液を十分に加圧する。さらに他の実施形態では、圧力は、通常5気圧を上回り、オートクレーブ温度での二酸化炭素の発生を阻止するのに十分であり得る。
【0024】
好ましい実施形態では、カートリッジの開放内部は、有意な上部空間が残っていない状態で、重炭酸ナトリウムで完全に充填される。圧縮部材は、圧縮状態で維持され、プランジャに係合する圧縮可能なバネを備えてもよい。通常、圧縮可能なバネは、コイルバネであり、カートリッジアセンブリは、筐体をさらに備え、カートリッジは、筐体内に配置され、コイルバネは、筐体とプランジャとの間で、圧縮状態で保持される。