特許第5693717号(P5693717)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5693717-車両のドライバを支援するための方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5693717
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】車両のドライバを支援するための方法
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/00 20060101AFI20150312BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20150312BHJP
【FI】
   B60R21/00 628D
   G08G1/16 C
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-520027(P2013-520027)
(86)(22)【出願日】2011年6月1日
(65)【公表番号】特表2013-536112(P2013-536112A)
(43)【公表日】2013年9月19日
(86)【国際出願番号】EP2011059094
(87)【国際公開番号】WO2012010365
(87)【国際公開日】20120126
【審査請求日】2013年1月22日
(31)【優先権主張番号】102010031672.5
(32)【優先日】2010年7月22日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100112793
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳大
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス グリュッツマン
(72)【発明者】
【氏名】フォルカー ニームツ
【審査官】 水野 治彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−306105(JP,A)
【文献】 特開2008−302711(JP,A)
【文献】 特開2010−018148(JP,A)
【文献】 特開2007−320433(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/121534(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/000373(WO,A1)
【文献】 特開平9−161196(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/00
G08G 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(11)が事前に算出された軌道に沿って自動的に誘導されるか、又は、前記軌道に沿って走行するために横断方向の誘導が自動的に実施され、前記誘導の終了後に前記車両(11)の制御が再びドライバに移行される、走行操作時に車両(11)のドライバを支援するための方法において、
前記ドライバへの前記制御の移行中に、前記ドライバへの前記制御の移行後における前記ドライバ自身による前記車両(11)の操作に関する、前記車両(11)の周囲に関する情報及び適切なステアリング角度を前記ドライバに提供することを特徴とする、走行操作時に車両(11)のドライバを支援するための方法。
【請求項2】
前記制御の移行時に前記ドライバによって選択されたステアリング角度が前記周囲に危険を及ぼす可能性がある場合に、前記ドライバに警告を発する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記走行操作は駐車スペース(1)からの進出操作である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記制御の移行が行なわれるとドライバに通知する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ステアリング角度に基づく予測された軌道(15)と、前記移行の時点における最適な軌道(17)をドライバに対して表示する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記制御の移行の時点に、前記ドライバは、どのようにして前記最適な軌道(17)に達するかについての指示を得る、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
不必要な警告を回避するために、一方通行の道路又は一方向において複数の走行路を有する道路を識別するための走行路情報を使用する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ドライバへの制御の移行後に前記ステアリング角度に基づき予測された軌道(15)に沿って前記車両を移動させた場合、且つ、方向を変更しなければ前記車両(11)が衝突する恐れのある物体が識別された場合に、自動的な非常ブレーキを実施する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法を実施するための装置において、
事前に算出された軌道に沿って車両(11)を制御する手段と、
前記車両(11)の周囲に関する情報及び適切なステアリング角度を、前記ドライバへの前記制御の移行中に前記ドライバに対して出力する手段とを備えていることを特徴とする、装置。
【請求項10】
事前に算出された軌道に沿って前記車両(11)を制御するための手段は駐車支援制御装置を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
情報を出力する手段としてモニタが使用され、該モニタ上に、車両(11)及び軌道(15,17)並びに前記車両(11)の周囲の物体が二次元の平面図で表示される、請求項9又は10に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載されている、走行操作時に車両のドライバを支援するための方法に関する。更に本発明は、本方法を実施するための装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
走行操作時にドライバを支援する方法及びシステムにおいては、純粋な間隔測定システムと、セミオートマチックシステムと、フルオートマチックシステムとが区別される。間隔測定システムにおいては、車両の周囲が検出され、車両の周囲における物体までの間隔がドライバに表示される。走行操作を実施するための適切なステアリング角度についての更なる支援はドライバには提供されない。
【0003】
セミオートマチックシステムでは、検出された周囲に基づいて適切な軌道が算出され、その軌道に沿って走行操作、例えば駐車スペースへの進入操作又は駐車スペースからの進出操作を実施することができる。軌道に沿って走行するためにドライバには操舵の指示が提供され、ドライバは車両を依然として自身で操舵し、また車両の長手方向の移動、即ち、制動、加速及び速度維持も自身で実施する。このシステムに付加的に、システムによって操舵が行われるシステムも公知である。この場合、ドライバは車両の長手方向の誘導に専念する。
【0004】
これに対しフルオートマチックシステムでは、長手方向の誘導も、横断方向の誘導、即ち、車両の操舵もシステムによって行われるので、ドライバは単に監視の役割を担うに過ぎない。
【0005】
駐車スペースから進出の際に車両のドライバを支援するための方法及び装置は例えばWO−A 2009/121534に記載されている。この発明においては先ず、駐車スペースの長さが測定され、その測定によって取得されたデータに基づき、駐車スペースから進出するための軌道が算出される。続いて、駐車スペースから進出するための軌道に沿って、車両が自動的に移動する。駐車スペースの境界を成している物体との衝突を回避するために、駐車スペースからの進出中は、駐車スペースの境界を成している物体までの間隔が監視される。衝突無く駐車スペースから進出できる位置に車両があると、駐車スペースからの自動的な進出過程は即座に終了される。
【0006】
しかしながらこの方法の欠点は、自動的な制御の終了後の移行時点に、任意の非常に大きいステアリング角度が設定される可能性もあり、それによって、移行後にそのステアリング角度が維持されている場合には、車両がドライバによって過度に高速に移動され、例えば対向車両と衝突する危険が存在することになる可能性も生じる。
【0007】
発明の概要
発明の利点
例えばドライバの不注意又はドライバ自身のシステムの理解不足に起因する自車両と対向車両との衝突を回避し、且つその種の衝突を防止するために、車両が事前に算出された軌道に沿って自動的に誘導されるか、又は、軌道に沿って走行するために横断方向の誘導が自動的に実施され、走行操作の終了後に車両の制御が自動的にドライバに移行される、走行操作時に車両のドライバを支援するための本発明による方法においては、ドライバへの制御の移行前及び/又は移行中に、車両の周囲及び適切なステアリング角度に関する情報がドライバに提供される。
【0008】
車両のドライバに対して車両の周囲に関する情報が通知され、且つ適切なステアリング角度がドライバに指示されることによって、ドライバは自動的な走行操作の終了後に最適な軌道上において車両を更に移動させることができる。特に、走行操作が走行すべき道路に平行に配向されている長手方向の駐車スペースからの進出操作である場合には、そのような情報によって、ハンドルが大きく切られた状態でドライバが車両を必要以上に加速させること、つまり、場合によっては対向車両と衝突することを回避することができる。操舵情報を出力することによって、ドライバは、自動的な走行操作の終了後においても、交通の流れに上手く割り込むための最適な軌道に沿って車両を移動させることができる。
【0009】
一つの有利な実施の形態においては、制御の移行時に車両のドライバによって選択されたステアリング角度が周囲に危険をもたらす可能性がある場合には、ドライバに警告がなされる。周囲にもたらされる危険とは、ここでは特に、車両の周囲の物体との衝突と解される。車両の周囲のその種の物体は、例えば道路交通に関与する別の車両であり、その種の車両には自動車又はトラックのような四輪車も自転車又はオートバイのような二輪車も含まれると解される。更には、危険に晒される可能性がある物体は、例えば駐車スペース又は走行路の境界を成す壁、植木鉢、並びに道路交通に関与する人間、例えば歩行者である。
【0010】
車両のドライバに警告を発することができるようにするために、走行操作中に周囲が更に検出され、車両の周囲の物体との間隔が車両のドライバに表示される。付加的に、ドライバは目下のステアリング角度に関する情報を得て、それによりドライバには、どの方向に車両の操舵可能な車輪があり、従って更なる走行時にどの方向に車両が移動するかに関する正確な情報が通知される。
【0011】
車両のドライバが駐車スペースからの進出過程に過度に早期に介入すること、もしくは択一的に、ドライバが車両の制御を行うまでに車両が過度に長く好適でない位置に留まり続けることを回避するために、制御の移行が行われるときにドライバに情報が通知される場合には更に有利である。ドライバへの情報通知を例えば視角的又は聴覚的に行うことができる。つまり例えば、操舵が委ねられることをドライバは聴覚的な指示により得ることができる。適切な表示素子における相応の視覚的な表示部、例えばドライバの視界領域におけるモニタ、例えばナビゲーションシステムのモニタにおいても相応の情報を出力することができる。この場合、制御が移行されることの指示の他に、ドライバが交通の流れにも注意を払わなければならないことの指示も提供される場合には更に有利である。
【0012】
ドライバが制御の移行後に車両を更に最適な軌道に沿って移動できるようにするために、目下のステアリング角度に基づき予測された軌道も、移行の時点における最適な軌道もドライバに表示される場合には更に有利である。軌道の表示を例えば2次元の平面図で表示装置において、例えばナビゲーションシステムのモニタにおいて行うことができる。別個の表示装置も考えられる。ステアリング角度に基づき予測された軌道の表示によって、ステアリング角度の変更が行われない場合には車両がどの方向に移動することになるかをドライバは見ることができる。最適な軌道の表示によって、周囲に危険を及ぼすことなく、どのようにしてドライバは車両を最善に更に移動させられるかがドライバに表示される。
【0013】
ドライバへの制御の移行後に車両を更に最適な軌道に沿って移動させることができるようにするために、ドライバが制御の移行時点に、どのようにして最適な軌道に達するかの指示を得る場合には更に有利である。この指示を視覚的、聴覚的又は触覚的に行うことができる。視覚的又は触覚的な指示が有利である。視覚的な指示は例えば、軌道に到達するためにどの方向にハンドルを移動させるべきかの矢印を表示することによって行うことができる。触覚的な指示として、例えば、ハンドルを適切な方向に移動させるようにドライバを誘導する、ハンドルに作用するトルクが適している。しかしながらこの場合、システムによって設定された最適な軌道に従うのではなく、任意の他の角度にハンドルを切って車両を更に移動させることの自由裁量は如何なる時点においてもドライバに委ねられている。このことは例えば、ドライバが駐車スペースから進出する際に、反対方向に向かって走行するために車両を方向転換させたい場合に必要である。この場合、ドライバが特に車両の周囲の物体、特に、走行方向における交通の流れにも、走行方向とは反対方向における交通の流れにも注意を払うことが必要である。
【0014】
特に走行操作が駐車スペースからの進出操作である場合、走行路情報が一方通行の道路又は一方向における多車線の道路を識別するために利用されるときには更に有利である。これによって、不必要な警告を回避することができる。一方通行の道路の場合、基本的には、対向車両が存在しないことが前提となる。多車線の道路の場合、車両が交通の流れに急に合流した際に対向車両に衝突する危険は、各方向において走行路が一つしか無い場合に比べて低い。多車線の道路又は一方通行の道路の場合、特に、交通の流れに注意を払わなければならず、また他の車両が接近しているか否かを監視しなければならない。
【0015】
目下のステアリング角度に基づき予測された軌道に沿って更に走行した場合には車両の周囲の物体との衝突が脅威となることを証明するために、ドライバへの制御の移行後にステアリング角度に基づき予測された軌道に沿って車両が移動した場合、且つ、方向を変更しなければ衝突する可能性のある物体が識別された場合に、自動的な非常ブレーキが実施されるときには有利である。自動的な非常ブレーキによって、車両が接近する物体との衝突の前に適宜に停止され、そのようにして衝突を回避することができる。非常ブレーキが必要である場合には、非常ブレーキが間もなく行われることに関する情報がドライバに通知されるときには更に有利である。このことを例えば視覚的に行うことができる。択一的には、先ず、車両の加速度が例えば短時間だけ変更されることによって警告的な急激な躍動が行われ、続いて制動過程が開始されることも考えられる。警告的な急激な躍動は、最初に制動を行い、続いて短時間加速を行うことによっても実現することができる。情報によって、例えば警告的な急激な躍動によって、ドライバは非常ブレーキが間もなく行われることに備えることができる。非常ブレーキが視覚的に表示される場合には、例えば、警告信号を点灯させるか、又は相応の情報が表示装置において表示される。この場合有利には、表示装置は、軌道も表示される表示装置で良い。
【0016】
本発明による方法は、駐車スペース、特に走行路に平行に配置されている長手方向の駐車スペースからの進出のための走行操作に特に適している。しかしながら本方法を、横断方向の駐車スペースからの進出のためにも、又は、他の任意の走行操作、例えば狭い道路の通行にも使用することができる。
【0017】
本方法を実施するための適切な装置は、事前に算出された軌道に沿って車両を制御するための手段と、制御をドライバに移行する前及び/又は移行している間に、車両の周囲に関する情報及び適切なステアリング調整をドライバに出力するための手段とを備えている。
【0018】
事前に算出された軌道に沿って車両を制御するための適切な手段は、例えば駐車支援制御装置を含んでいる。この駐車支援制御装置は、駐車スペースからの進出のため、又は他の任意の走行操作の実施のためにも利用することができる。その場合、制御装置からは、信号が操舵のためのサーボモータに出力され、それにより、車両が駐車支援制御装置によって算出された軌道に従うように車両のハンドルが切られる。付加的に、複数の情報も例えばESC(横滑り防止装置;Electronic Stability Control)制御装置又は他の任意の制御装置に出力され、それらの制御装置によって車両の長手方向の誘導が監視される。つまり、車両が加速及び制動される。
【0019】
上記において述べたように、情報を出力するための手段として、二次元表示で車両及び軌道並びに車両の周囲の物体が平面図で表示されるモニタが適している。
【0020】
その場合、モニタ上にはドライバに対する警告も出力することができる。
【0021】
車両の周囲に物体が存在する場合には、ドライバに警告を発することが可能である。警告を例えば視覚的に行うことができる。間隔が十分に大きく、車両が更に移動しても物体との衝突の危険が存在しない場合には、例えば、物体を緑色で表示するか、又は、車両の近傍に物体が存在しないことをドライバに示す緑色の表示を選択することができる。対象物に更に接近しているが、緊急の危険を表すものではない場合には例えば黄色の表示が好適であり、また更に走行した際には物体と衝突する可能性がある距離では赤色の表示が好適である。危険のレベルに応じた緑色、黄色及び赤色の選択は有意義である。何故ならば、交通関与者はそれらの色を相応の指示と結び付けるからである。つまり例えば、一般的に、危険が迫っているか、又は車両を急停止すべき場合には赤色が選択される。
【0022】
本発明の実施例は図面に示されており、またそれらの実施例を以下において詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】駐車スペースから進出する車両を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
唯一の図面には、駐車スペースから進出する車両が例示的に示されている。
【0025】
唯一の図面に示されている、駐車スペース1からの進出操作は単に例示的なものであると解するべきである。本発明による方法は、駐車スペース1からの進出の他に、他の任意の走行操作、例えば方向転換操作又は、例えば狭い道路の通行時の狭い周囲における走行にも使用することができる。
【0026】
図1に示されているように、長手方向の駐車スペースとして構成されている駐車スペース1は、一般的に、前部境界3及び後部境界5を含んでいる。前部境界3及び後部境界5は例えば、駐車している別の車両によって形成されることも考えられる。前部境界3及び/又は後部境界5が例えば植木鉢又は壁によって形成されることも考えられる。駐車スペース1の他のあらゆる任意の境界も考えられる。側方境界7としては一般的に縁石が使用される。この場合、駐車スペース1の他に例えば歩行者専用道路又は固定されていない敷地部分も存在する。しかしながら更には、駐車スペースの側方境界7が壁又はレンガによって形成されることも考えられる。
【0027】
前部境界3、後部境界5及び側方境界7の種類に依存して、車両を駐車スペースから進出するために、駐車スペースから車両を移動させることができる軌道が算出される。車両が容易に乗り越えることのできる縁石が側方境界7である場合には、側方境界7が壁である場合とは異なる軌道を算出することもできる。側方境界が縁石である場合には、この側方境界を例えば、進出過程の際に乗り越えることが考えられる。側方境界を乗り越えることは、側方境界が壁である場合には不可能である。
【0028】
駐車スペースから進出する車両11におけるセンサ9によって測定される駐車スペース1の幾何学形状からは、車両11を駐車スペースから進出するための軌道が算出される。車両11は続いてその軌道に沿って移動する。本発明によれば、進出過程はフルオートマチックで行われる。即ち、車両の長手方向の誘導も車両の横断方向の誘導も走行支援システムによって行われる。もしくは進出過程は、横断方向の誘導のみが自動的に実施されるセミオートマチックで行われる。ここで、車両の長手方向の誘導とは、車両の加速、速度維持及び制動並びに車両の方向転換に関係するものであり、横断方向の誘導とは車両の操舵に関係するものである。
【0029】
センサ9として、車両11の周囲を検出することができる、当業者には公知の任意のセンサが適している。適切なセンサ9は例えば超音波センサ、赤外線センサ、レーダセンサ又はLIDARセンサである。光学的なセンサ、例えばカメラも周囲の検出に使用することができる。
【0030】
車両の横断方向の誘導を行うために、例えば、走行支援システムから信号をサーボモータに送信し、サーボモータが車両の操舵を行うことも考えられる。車両の長手方向の誘導を例えば、相応の信号を走行支援システムから受信するESC(横滑り防止装置;Electronic Stability Control)制御装置によって行うこともできる。走行支援システムはこのために、車両の移動に必要とされる軌道を事前に算出し、その軌道に沿った制御を行う。
【0031】
自動的な走行操作の終了後に、例えば、周囲に危険を及ぼすことなく車両を駐車スペースから移動させることができる位置に到達した後に、しかしながらまた、走行操作の終了後の他の任意の走行操作の際においても、制御を車両11のドライバに再び委ねることが必要になる。特に駐車スペースからの進出の際に、車両が操舵可能な車輪の位置に基づき、ドライバによる急な加速によって対向車両13と衝突することを回避するために、本発明によれば、車両11のドライバには車両の周囲及び適切なハンドル調整に関する情報が提供される。車両の周囲に関する情報を、例えば二次元の平面図で提供することができ、表示部においてはドライバに対して自車両並びに周囲の物体が表示される。例えば図1に示されているような表示を行なうことができる。例えば、車両の周囲の物体との衝突、特に対向車両13との衝突を回避するための適切なハンドル調整についての指示を、例えば、どの方向にハンドルを切るべきかの方向矢印をハンドルと一緒に表示することによって提供することができる。
【0032】
更に有利には、ステアリング角度を変更せずに車両を移動させた場合の予測された軌道15も、対向車両13との起こり得る衝突を回避するために車両を移動させるべき最適な軌道17も表示される。
【0033】
ここで図示されている実施の形態においては、ステアリング角度を変更しなかった場合には車両がそのまま真っ直ぐに対向車両に向かって移動することになる。前輪を別の角度に調整した場合にも、例えば、車両が直接的に対向車両に向かう弧を描くことも考えられる。しかしながら最適な軌道17に沿った角度よりも大きい角度を有する走行方向に移動してしまうことも考えられる。
【0034】
最適な軌道17に沿って走行するためには、車両が相応にドライバによって操舵されることが必要になる。一般的に、最適な軌道17の方向にハンドルを切っている間にドライバは既に僅かな距離を進んでいるので、車両の実際の経路は予測された軌道15と最適な軌道17との間に位置している。しかしながら、操舵可能な車輪のハンドルが切られて既に最適な軌道の方向に向けられている場合には、走行操作が終了されることも考えられる。もっともこの場合においても、例えば弧を描く走行によって前部境界3を成す車両と衝突することが回避されるように、ドライバが適切に反対方向にハンドルを切るために、ドライバに対して指示をなすことは必要である。つまり、例えば、前輪が既にハンドルが切られた状態で急発進をした際に、前部境界3を成す車両の側面との衝突に繋がる弧を描くように走行することも考えられる。従ってこれを回避するために、有利には、車輪が真っ直ぐに配向されている状態で制御の移行が行われる。この場合、予測された軌道及び最適な軌道は、図1において参照番号15又は17でもって表されているような経過を有する。
【0035】
ここで図示されている実施の形態においては、予測された軌道15及び最適な軌道17が操舵可能な車輪の轍として示されている。その種の表示形態の他にも、軌道を単純な線として表すことも可能であり、軌道は例えば後車軸の中心点が進む道程である。この場合、軌道の表示は後車軸の中心点の経路に応じて示されることになる。
【0036】
操舵可能な車輪のステアリング角度を変更せずに走行した場合、又は、最適な軌道に沿わずに実施された走行の場合に、対向車両13と衝突する危険が存在するならば、ドライバに対して警告がなされることは有利である。警告を例えば視覚的、聴覚的及び/又は触覚的に行うことができる。視覚的な警告は例えば警告ランプの点灯によって行うことができる。択一的には、例えば、二次元表示において対向車両13を色によって強調することも可能である。音響的な警告は例えば、間隔表示システムにおいて既に使用されているような警告音によって行うこともできる。触覚的な警告を行うために、例えば、急激な加速度変化によって実施される、警告的な急激な躍動が適している。このために例えば、急激な躍動を生じさせるために、車両を短時間加速させて即座に再び制動を行うか、又は、制動を行い、続けて制動過程を短時間中断することも考えられる。対向車両13との衝突を排除するために、更に有利には、車両がハンドルを切らずに更に走行した際に接近する物体と衝突する危険がある場合に非常ブレーキが実施される。ここでもまた有利には、非常ブレーキの実施前にドライバに対して警告が行われる。警告を同様に視覚的、聴覚的及び/又は触覚的に行うことができる。この場合にも、表示部による視覚的な警告、また、例えば警告的な急激な躍動による触覚的な警告が有利である。
【0037】
危険に依存して、例えば起こり得る衝突に依存して、車両11の周囲における物体を異なる色で表示することも考えられる。つまり例えば、予測された軌道に沿って、又は、車両の制御によって生じる相応の方向に沿って車両が更に走行しても衝突する危険がない物体を緑色で表示することが考えられる。ハンドルを切らずに更に走行した際に起こり得る危険が存在する場合には、その車両を色によって、例えば黄色で強調することが望ましい。周囲において例えば衝突による危険が迫っている場合には、その物体を例えば赤色で表示することができる。これによってドライバは、自身が予定している軌道に沿った更なる走行が周囲に危険を及ぼすか否か、例えば衝突に繋がるか否かの指示を得る。この際、緑色は周囲に危険を及ぼすことがないことを意味し、黄色はドライバによる注意を高めることが要求されることを意味し、また赤色は物体との衝突が迫っていることを意味する。
【0038】
個々の物体の二次元形態の表示及び強調の他に、択一的には、他の表示方式を選択することも勿論可能である。つまり例えば、単純に、危険に依存して異なる色で点灯する、警告ランプを設けるか、又は警告表示を設けることも考えられる。
図1