特許第5693736号(P5693736)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5693736電子モジュール、並びに、電子モジュールの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5693736
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】電子モジュール、並びに、電子モジュールの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/29 20060101AFI20150312BHJP
   H01L 23/31 20060101ALI20150312BHJP
   H01L 23/34 20060101ALI20150312BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20150312BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20150312BHJP
【FI】
   H01L23/30 R
   H01L23/34 B
   H01L25/04 C
【請求項の数】12
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-532115(P2013-532115)
(86)(22)【出願日】2011年9月23日
(65)【公表番号】特表2013-539237(P2013-539237A)
(43)【公表日】2013年10月17日
(86)【国際出願番号】EP2011066608
(87)【国際公開番号】WO2012045600
(87)【国際公開日】20120412
【審査請求日】2013年4月4日
(31)【優先権主張番号】102010042168.5
(32)【優先日】2010年10月7日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】マティアス カイル
【審査官】 原田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−528176(JP,A)
【文献】 特開平06−151703(JP,A)
【文献】 特開平05−304247(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0156173(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/28−23/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子モジュールにおいて、該電子モジュールは、
・モールドボディ(2)と、
・電子構成素子(5)が配置されている第1内側面(3a;13a)と、第1外側面(3b:13b)とを備える第1回路支持体(3;13)と、
・電子構成素子(5)が配置されている第2内側面(4a;14a)と、第2外側面(4b:14b)とを備える第2回路支持体(4;14)と、
・前記第1回路支持体(3;13)及び前記第2回路支持体(4;14)の、前記内側面同士(3a,4a;13a,14a)、又は、前記内側面に配置されている電子構成素子(5)の表面同士を接続する、少なくとも1つのばね装置(6,7;16)と、
を含み、
・前記第1外側面(3b;13b)と前記第2外側面(4b;14b)は、熱を直接前記電子モジュールの外側に排出するために、前記外側に対して露出しており、
・前記第1外側面(3b;13b)と前記第2外側面(4b;14b)は、互いに平行である、
ことを特徴とする電子モジュール。
【請求項2】
前記第1回路支持体(13)と、前記第2回路支持体(14)と、前記ばね装置(16)は、1つの統合された構成部材(12)である、
ことを特徴とする請求項1記載の電子モジュール。
【請求項3】
前記統合された構成部材(12)は、リードフレームである、
ことを特徴とする請求項2記載の電子モジュール。
【請求項4】
前記電子モジュールはさらに、付加的な別個のばね装置を含む、
ことを特徴とする請求項2又は3記載の電子モジュール。
【請求項5】
前記第1回路支持体(13)と前記第2回路支持体(14)は、1つの共通の電気接続端子(18)を有する、
ことを特徴とする請求項2から4のいずれか一項記載の電子モジュール。
【請求項6】
前記第1回路支持体(3)と、前記第2回路支持体(4)と、前記ばね装置(6,7)は、別個の構成部材である、
ことを特徴とする請求項1記載の電子モジュール。
【請求項7】
前記ばね装置(6,7)は、1つ又は複数の別個のばねエレメントを含む、
ことを特徴とする請求項6記載の電子モジュール。
【請求項8】
前記ばね装置(6,7)は、2つ又は4つの別個のばねエレメントを含む、
ことを特徴とする請求項7記載の電子モジュール。
【請求項9】
前記第1回路支持体(3)と前記第2回路支持体(4)は、それぞれ別個の電気接続端子(8,9)を有する、
ことを特徴とする請求項6から8のいずれか一項記載の電子モジュール。
【請求項10】
前記ばね装置は、導電性材料から製造されており、導電機能を有する、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか一項記載の電子モジュール。
【請求項11】
第1回路支持体(3;13)と、第2回路支持体(4;14)と、モールドボディ(2)とを備えた電子モジュール(1)の製造方法において、
・前記第1回路支持体(3;13)と前記第2回路支持体(4:14)を、モールド工具(20)の中に配置し、
前記第1回路支持体と前記第2回路支持体との間に、前記第1回路支持体の外側面(3b;13b)が前記モールド工具(20)の第1壁領域(21a)に押圧されて該第1壁領域(21a)に当接するように、かつ、前記第2回路支持体(4;14)の第2外側面(4b;14b)が前記モールド工具(20)の第2壁領域(22a)に押圧されて該第2壁領域(22a)に当接するように、ばね装置(6,7;16)を配置し、この際、前記第1壁領域(21a)と前記第2壁領域(22a)とを互いに平行に配向し、
・前記モールドボディ(2)を形成するために、前記モールド工具(20)の中にモールドペーストを供給し、この際、前記ばね装置(6,7;16)を、前記モールドペーストによって包囲し、前記第1及び第2回路支持体の前記外側面(3b,4b;13b,14b)は、前記電子モジュール(1)の平行な排熱面として機能するために、前記電子モジュール(1)の外側に対して露出している
ことを特徴とする製造方法。
【請求項12】
前記ばね装置(6,7;16)を、導電性材料から製造し、前記モールド工具(20)の中に入れる前に、前記第1及び第2回路支持体(3,4;13,14)に導電的に接続させる、
ことを特徴とする請求項11記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子モジュール、特にパワーエレクトロニクス、並びに、電子モジュールの製造方法に関する。
【0002】
電子モジュールは、従来技術において多岐に使用されている。この際、電子モジュールは、モールドモジュールとして設けられる。このモールドモジュールは、モールドペーストによって包囲されていない、片側が露出した面、いわゆるエクスポーズド・パッドを有することができ、この面を介して熱を排出することができるようになっている。通常は、この外側に向いた排熱面は、モールドモジュールの表面をフライス加工又は研磨することによって形成される。しかしながら、これは比較的高コストであり時間がかかる。さらに、このような切削による工程の場合には、電子モジュールを損傷する可能性がある。
【0003】
これに対して、請求項1に記載の特徴を有する本発明の電子モジュールは、電子モジュールが、回路支持体の、排熱のための2つの互いに平行な外側面を有するという利点を有する。この際、本発明の電子モジュールは、非常に簡単かつ低コストに提供することができる。特に本発明によれば、モールド工程後に電子モジュールをさらに後処理する必要が無いので、後続の処理中に電子モジュールを不所望に損傷する危険は無い。さらに本発明によれば、電子モジュールの外側に対して露出した、排熱が非常に良好な規定の面を提供することができる。このことは、本発明によれば、電子モジュールが、モールドボディと、第1回路支持体と、第2回路支持体とを含み、これらの回路支持体がそれぞれ1つの内側面と1つの外側面を有することによって達成される。モジュールは、外側に対して露出した外側面を介して熱を直接外側へと排出することができる。回路支持体の外側面同士は、電子モジュールの互いに対向する側に配置されており、従って、電子モジュールからの熱を180°逆向きの方向へと排出することができる。さらに、内側面と内側面との間には、2つの回路支持体を接続するばね装置が設けられている。ばね装置は、内側面に直接接触することができるか、又は、電子モジュールの内側面等に配置することができる。ばね装置は、この際、モールド工程中に2つの回路支持体を互いに平行な所定の位置に保持するという役割を有する。択一的に、ばね装置は、内側面に配置されている構成部材の表面に作用することもできる。
【0004】
従属請求項は、本発明の有利な実施形態を示している。
【0005】
有利には、2つの回路支持体とばね装置とが1つの統合された構成部材として設けられている。これによって、個々の部材の数を低減することができ、特に低コストに製造することが可能となる。特に有利には、2つの回路支持体とばね装置とがリードフレームとして設けられており、このリードフレームは、2つの回路支持体とばね装置とが形成されるように折り曲げられている。ばね装置は、例えばリードフレームを複数回折り曲げることによって得られ、このようにして弾性の領域が得られる。
【0006】
さらに有利には、統合されたばね装置に加えて、さらに第2の別個のばね装置が設けられている。これによって回路支持体を、2つの異なる位置において、特に互いに対向する2つの端部領域において、弾性に支持することができる。
【0007】
本発明の別の1つの有利な実施形態によれば、2つの回路支持体は、1つの共通の電気接続端子を有する。
【0008】
本発明の択一的な実施形態によれば、電子モジュールは、第1の回路支持体と、第2の回路支持体と、ばね装置とを有しており、これらはそれぞれ別個の構成部材として設けられている。これによって確かに必要な構成部材の数は増加するが、構成部材の製造は簡単になる。なぜなら、ばね装置を、回路支持体と統合された構成部材として製造しなくてもよいからである。有利には、ばね装置は、少なくとも1つの別個のばねエレメントを含み、このばねエレメントが、モールド工程中の2つの別個の回路支持体の位置を決定する。さらに有利には、2つの別個の回路支持体は、それぞれ別個の電気接続端子を有する。有利には、2つ又は4つのばねエレメントが設けられている。
【0009】
本発明の1つの有利な実施形態によれば、ばね装置は、付加的に導電機能を有する。つまり、ばね装置は、ばね特性の他にもさらに別の特性を有しており、従って例えば、ばね装置を介して、第1回路支持体から第2回路支持体への電気接続を実現することが可能である。
【0010】
本発明による、2つの回路支持体とモールドボディとを備えた電気モジュールの製造方法は、モールド工具の中に2つの回路支持体を配置し、第1の回路支持体と第2の回路支持体との間にばね装置を配置するステップを含む。この際、ばね装置は、2つの回路支持体の外側面がモールド工具の2つの互いに平行な壁領域に押圧されるように配置される。換言すると、ばね装置によって、2つの回路支持体は、外側面がモールド工具の2つの互いに対向する平行な壁面に押圧されるように、モールド工具の中に位置づけられる。これによって、モールド工具の中にモールドペーストが供給される後続のモールド工程において、モールド工具の縁部領域に当接する2つの外側面が、製造された電子モジュールにおいて外側に対して露出するよう、保証することができる。これによって2つの外側面は、電子モジュールの付加的な後続処理を必要とすることなく、排熱面として構成される。従って、本発明の電子モジュールは、非常に簡単かつ低コストに製造できる。この際、ばね装置を2つの回路支持体と共に統合して形成することができるか、又は、ばね装置を別個の部材として設けることができる。付加的に、統合されたばね装置の他に、さらなる別個のばね装置を設けることもできる。ばね装置の弾性力は、モールド工程中に回路支持体の外側面が確実にモールド工具の壁領域に押圧されるように選択される。
【0011】
本発明の方法において特に有利には、導電性材料からなるばね装置が使用され、ばね装置は、モールド工具の中に入れる前に回路支持体と導電的に接続される。接続は、例えばはんだ付け、又は、ボンディング、又は、溶接、又は、導電性接着剤の使用によって実施される。
【0012】
以下、本発明の有利な実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の第1実施例に基づく電子モジュールの概略断面図である。
図2図2は、製造プロセス中の、図1の電子モジュールの概略断面図である。
図3図3は、本発明の第2実施例に基づく電子モジュールの概略断面図である。
図4図4は、製造プロセス中の、図3の電子モジュールの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図1及び図2を参照しながら、本発明の有利な第1実施例に基づく電子モジュール1について詳細に説明する。
【0015】
図1から見て取れるように、電子モジュール1は、モールドボディ2と、第1回路支持体3と、第2回路支持体4とを有する。第1回路支持体3は、第1電気接続端子8を有し、第2回路支持体4は、第2電気接続端子9を有する。なお、各回路支持体は、それぞれ複数の電気接続端子を有することも可能である。2つの回路支持体3,4は、別個の構成部材として設けられている。2つの回路支持体3,4は、内側面3a及び外側面3b、乃至、内側面4a及び外側面4bを備える実質的に平面形状の構成部材である。内側面3a,4aには、公知の方法で電子構成素子5が配置されている。
【0016】
図1から見て取れるように、第1回路支持体3と第2回路支持体4の間には、第1ばねエレメント6と第2ばねエレメント7とを備えるばね装置が設けられている。これら2つのばねエレメント6,7は、回路支持体3,4の内側面3a,4aに直接支持されている。2つのばねエレメント6,7は、導電性材料から製造することができ、電気接続機能を担うことも可能である。択一的又は付加的に、ばねエレメントを、2つの回路支持体3,4に設けられた電子構成素子5同士の間に配置することも可能である。
【0017】
図2は、第1片側工具21と第2片側工具22とを備えたモールド工具20の断面図を示す。図2から見て取れるように、モールド工具20内では、第1回路支持体3と第2回路支持体4の間に、第1ばねエレメント6及び第2ばねエレメント7が配置されている。これによって第1回路支持体3の外側面3bは、第1片側工具の第1壁面21aに押圧される。それと同時に、第2回路支持体4の外側面4bは、第2片側工具22の第2壁面22aに押圧される。これら2つの壁面21a,22aは、互いに平行に配置されている。従って、回路支持体3,4の2つの外側面3b,4bも互いに平行に配置されることとなる。回路支持体3,4は、この際既に完全に実装済みであるので、次のステップで、モールド工具20内部の中空スペース23の中にモールドペーストを供給することができる。この際、ばねエレメント6,7が、2つの回路支持体3,4を壁面21a,22aに押圧し続けているので、図1に図示したような完成済み装置においては、2つの外側面3b,4bは、外側に対して露出するよう配置されることとなる。従って、2つの外側面3b,4bを、電子モジュール1の排熱のために使用することが可能となる。図1から見て取れるように、これによって、互いに180°逆向きの方向A(第1外側面3bにおいて)と方向B(第2外側面4bにおいて)に熱を排出できる。
【0018】
こうすることにより、本発明によれば、2つの互いに平行な、外側に露出した排熱面を有する電子モジュール1を製造するために、非常に簡単かつ低コストの方法が得られる。この際、ばねエレメント6,7は、モールドペーストによって完全に包囲される。従ってばねエレメント6,7は、完成済みの電子モジュールでは、もはやばね特性を有さない。というのは、硬化したモールドボディ2がばねエレメント6,7の伸張を阻止するからである。必要な場合には、ばねエレメント6,7はまだ導電機能を担うことができる。
【0019】
つまり、本発明によれば、外側に露出した回路支持体面を備える電子モジュールを形成するために、モールド工具20の平行性が利用される。これによって、広い冷却面積を有する電子モジュール1を、非常に簡単かつ低コストに製造することができる。
【0020】
この実施例では、2つのばねエレメントが設けられている。しかしながら、ただ1つのばねエレメントを使用すること、又は、複数のばねエレメント、例えば実質的に回路支持体3,4の角領域に配置される4つのばねエレメントを使用することも可能であることに留意されたい。図示した螺旋ばねの代わりに、別のばねエレメントを使用することも可能である。
【0021】
以下では、図3及び図4を参照しながら、本発明の第2実施例に基づく電子モジュール1について詳細に説明する。ここでは同じ要素、乃至、機能的に同じ要素には、第1実施例と同じ参照符号を付している。
【0022】
図3から見て取れるように、第2実施例においては、第1実施例とは異なり2つの別個の回路支持体は使用されておらず、この2つの回路支持体は、ばね装置も一緒に統合した1つの共通の部材12として図示されている。図3から見て取れるように、この共通の部材12はリードフレームであり、このリードフレームは、1つの共通の電気接続端子18又は複数の電気接続端子18から出発して、第1回路支持体13と、第2回路支持体14と、統合されたばね装置16とを有している。この統合されたばね装置16は、リードフレームを複数回折り曲げることによって得られ、第1回路支持体13を第2回路支持体14に接続している。さらには、付加的に、さらなる別個のばねエレメント6が設けられている。なお、この別個のばねエレメント6無しに構成して、専らばね装置16のみからばね機能を得ることも可能である。全部合わせて、回路支持体13,14の外側面13b,14bが外側に対して露出しており、かつ、矢印A及びBによって図示したような排熱面として使用することができる、電子モジュール1が再び提供される。第1回路支持体13及び第2回路支持体14の内側面には、参照符号13a,14aが付されている。共通の電気接続端子18は、モールド工具20から突出しており、従って、モールドボディ20を形成するために、第1実施例のようにモールドペーストを中空スペース23に供給することができる。この際、モールドボディ2は、統合されたばね装置16も別個のばねエレメント6も包囲している。
【0023】
第2実施例は、その他の点では第1実施例に相当しているので、第1実施例に関する説明を参照することができる。
図1
図2
図3
図4