特許第5693740号(P5693740)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5693740高圧放電ランプのための電極の製造方法及び少なくとも1つの電極を含んだ高圧放電ランプ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5693740
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】高圧放電ランプのための電極の製造方法及び少なくとも1つの電極を含んだ高圧放電ランプ
(51)【国際特許分類】
   H01J 9/02 20060101AFI20150312BHJP
   H01J 61/073 20060101ALI20150312BHJP
【FI】
   H01J9/02 L
   H01J61/073 B
   H01J61/073 F
【請求項の数】14
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-537087(P2013-537087)
(86)(22)【出願日】2011年10月28日
(65)【公表番号】特表2014-500585(P2014-500585A)
(43)【公表日】2014年1月9日
(86)【国際出願番号】EP2011069030
(87)【国際公開番号】WO2012059435
(87)【国際公開日】20120510
【審査請求日】2013年7月11日
(31)【優先権主張番号】102010043463.9
(32)【優先日】2010年11月5日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】512288684
【氏名又は名称】オスラム ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】OSRAM GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフガング ザイツ
【審査官】 井上 博之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−117806(JP,A)
【文献】 特開2002−008587(JP,A)
【文献】 特開2006−164533(JP,A)
【文献】 特開2010−086855(JP,A)
【文献】 特開2005−123161(JP,A)
【文献】 特開2010−129498(JP,A)
【文献】 特表2007−522608(JP,A)
【文献】 特開平06−000664(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 9/02 − 9/04
H01J 61/00 − 65/08
B23K 26/00 − 26/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧放電ランプ(10)のための電極(16)を製造するための方法であって、
a)酸化物層を生成するために電極表面の少なくとも一部をスキャンニングするステップ(ステップ120)と、
b)前記ステップa)において生じた酸化物層を少なくとも部分的に昇華するステップ(ステップ120)と、
c)残留する酸化物層を還元するステップ(ステップ140)とを含んでいることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ステップa)において、電極の少なくとも次のような部分、すなわち、高圧放電ランプのガラス球内への電極の取り付け後にガラス球のガラス内には埋め込まれていない部分のスキャンニングを行う(ステップ120)、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ステップa)は、酸素富化な雰囲気において実施される(ステップ120)、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記ステップb)は、前記ステップa)と同時に実施される(ステップ120)、請求項1から3いずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記ステップc)は、水素を含有する雰囲気において実施される(ステップ140)、請求項1から4いずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記電極(16)はタングステンを含有し、この場合前記ステップc)においてタングステン酸化物が純粋なタングステンに還元される(ステップ140)、請求項1から5いずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記ステップa)におけるスキャンニングは、レーザービーム装置、電子ビーム装置、またはイオンビーム装置を用いて行われる(ステップ120)、請求項1から6いずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記レーザービーム装置、電子ビーム装置、ないしイオンビーム装置は、電極表面の少なくとも一部の溶解、酸化、昇華が可能なエネルギー密度が放出されるように設計されている、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記ステップa)において、前記レーザービーム装置が1kHz乃至100kHzの間の周波数でクロック制御される(ステップ120)、請求項7または8記載の方法。
【請求項10】
前記ステップa)において、前記電極表面に、2つの隣接する溝の間で0.01mm乃至0.2mmの間の溝間隔を有する複数の溝が生成される(ステップ120)、請求項7から9いずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記レーザービーム装置は、0.01mm乃至0.1mmの間のレーザービーム焦点で動作する、請求項7から10いずれか1項記載の方法。
【請求項12】
前記ステップc)は、700℃乃至2500℃の間の温度のもとで実施される(ステップ140)、請求項1から11いずれか1項記載の方法。
【請求項13】
前記ステップa)は、周辺大気温度、周辺大気圧のもとで実施される(ステップ120)、請求項1から12いずれか1項記載の方法。
【請求項14】
請求項5記載の方法において
前記ステップc)は、アルゴンと水素との混合雰囲気において実施される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧放電ランプのための電極を製造するための方法に関している。また本発明は、そのように製造された少なくとも1つの電極備えた高圧放電ランプに関している。
【背景技術】
【0002】
放電ランプの電極の放射率はこの種の放電ランプの幾何学的構成パフォーマンスに対して決定的な影響を有している。
【0003】
従来技法によれば、電極本体における金属粉または有機結合剤を用いた混合物質のペースト塗布やそれに続く焼結ないし焼き入れプロセスなどが公知であるが、いずれにせよ、そのようなペースト塗布され焼結された層は、機械的な耐性に乏しい。このことは、接触の際に部分的な崩壊につながる。
【0004】
WO 2008 090030A1明細書からは、放電ランプの電極の処理方法が公知である。ここでの電極は、ガラスから形成された放電チャンバのガス密に封止されたネック領域において酸化される。この酸化は、通常の大気中における大気圧のもとで700〜1300Kの温度のもとでの化学的な経過によって生じる。引き続き酸化物層は真空環境で昇華し、当該昇華中の温度は1450K〜1900Kの間にある。この経過により、電極の前記領域の表面には微細な荒さが残り、これによって放電容器材料に対する当該電極区間の表面の粘着力が低下し、その結果として放電容器の封止領域におけるひび割れの危険も低減する。昇華期間の間、酸化物層と共に何らかの不純物も電極区間の表面から除去され、それによって粘着力も低減する。
【0005】
US6,626,725B1明細書からは、タングステンからなる棒状の電極が領域毎に気密の封止部分を通って放電容器のネック部分に挿入され、当該放電容器の放電空間内へ延在している放電ランプが公知である。ここでは放電容器作動中の封止領域における放電容器のひび割れを回避できるようにするために、電極の表面が処理されている。電極が封止領域内に配置されている長手領域における電極表面に基本的なタングステン層を形成するために、当該表面においてまず酸化物層が形成される。その際には例えば三酸化タングステン層が生成される。この基本的なタングステン層を生成するために、酸化された電極は水素炉で1200℃くらいで加熱される。そこでは水素が水を通して泡立つ。
【0006】
EP 1 251 548A1明細書からは、ショートアークタイプの高圧放電ランプにおける電極からの熱放射特性を改善するための方法が開示されている。この目的のために複数の溝が電極表面に設けられている。これらの溝は、電極直径の12%以下の値の深さを有し、この場合、溝の深さと間隔の間の比率は2以上である。これらの溝を設けるためにレーザー装置が用いられてもよい。これらの溝は矩形状に形成されてもよいし、湾曲形状に形成されてもよい。この場合湾曲形状の溝を形成するために、まず表面が研削され、その後で、10%の水酸化ナトリウム溶液で電解によって研磨される。しかしながら湾曲した溝は、真空中で高い温度まで加熱すること、例えば表面を、2000℃で120分以上熱することによっても生成することが可能である。
【0007】
発明の開示
本発明が基礎としている課題は、高圧放電ランプのための電極を製造する方法において、電極に対して可及的に高い放射率が達成されるように改善を行うことである。その場合電極表面には可及的に高い機械的耐性が備わるべきである。また本発明の課題はさらにそのように製造された少なくとも1つの電極を備えた高圧放電ランプを提供することにもある。
【0008】
前記課題は請求項1の特徴部分に記載された本発明による方法、並びに請求項14の特徴部分に記載された本発明による高圧放電ランプによって解決される。
【0009】
本発明は基本的に次のような考察に基づいている。すなわち基本的に高い放射率は、電極の熱放射特性を向上させることで実現できるという考えである。この熱放射特性は、電極の表面を拡大することによって向上する。しかしながらその際には電極表面が拡大されても電極の導電性は損なわれないようにしなければならない。
【0010】
それ故に本発明では最初に、電極表面の少なくとも一部が、このことのために適したエネルギッシュなビーム、例えば電磁ビーム、とりわけレーザービーム、または電子ないしイオンビームを用いて酸化層の形成が行われる。その際エネルギー密度の相応の選択によって、形成される酸化層の少なくとも一部が既に昇華する。中間結果としてここでは次のような電極表面が得られる。すなわち、既に極端にラフではあるが、酸化している、つまり導電性が低い電極表面である。この理由から次のステップでは、非昇華酸化物層が金属を形成するために低減される。その結果として極端にラフで高い放射率の表面が得られ、この場合の放射率は、構造化と酸化によって調整可能である。このように形成された表面は、機械的にも非常に堅固で耐性が高い。その上さらに、従来技術で公知のペースト塗布の変化例とは異なり、付加的な不純物がもたらされることはない。
【0011】
化学的な手法による酸化層の形成とは異なり、本発明による方法のもとでは、一部の領域だけを酸化させることも可能である。このことがとりわけ有利なのは、電極において異なる機能領域を定めることができるからである。
【0012】
前述したEP 1 251 548A1明細書で開示されている複数の溝の所定の配置に比べて、本発明の方法によれば、非常に広い表面を生成することができ、それによって格段に高い放射率を実現することが可能となる。
【0013】
有利にはステップa)において、電極の少なくとも次のような部分、すなわち、高圧放電ランプのガラス球内への電極の取り付け後にガラス球のガラス内には埋め込まれていない部分のスキャンニングが行われる。このようにして、当該の処理を、電極における放射にとって重要である箇所に絞ることが可能となり、その結果として時間の節約と、製造コストの低減が図れるようになる。有利には前記ステップa)が次のような雰囲気、とりわけ酸素富化な雰囲気において実施される。電極は通常はほぼタングステン、とりわけドーピングされたタングステンから形成されており、タングステンは酸素に対して容易に反応しやすいので、簡単な手法でタングステン酸化物が生成できる。
【0014】
さらに有利には,ステップb)がステップa)と同時に実施される。そのためスキャンニングの際にはタングステン酸化物の一部が昇華によって既に気体状の状態に移行し、それに対してタングステン酸化物のその他の部分は電極表面に残る。
【0015】
ステップc)は有利には水素を含有した雰囲気、特にアルゴン−水素混合気において実施される。有利なアルゴン−水素混合気は、"VARIGON(登録商標)"とのネーミングで公知である。これにより、タングステン酸化物からの酸素と、ステップc)において使用される雰囲気からの水素とが結合して水が形成される手段が簡単に提供される。電極表面には純粋な金属が残留する。
【0016】
既に記述したように、前記電極は有利にはタングステンを含み、前記ステップc)においてタングステン酸化物が純粋なタングステンに還元される。
【0017】
有利には前記ステップa)においてスキャンニングがレーザービーム装置を用いて行われる。それにより電極表面部分の特に精度の高い処理が可能となる。これは放射率にとって重要である。これにより化学的な処理とは異なって電極表面の異なる領域の様々なスキャンニングが可能となる。電極表面上でレーザービーム装置を用いて引き起こされる変調の変化によってさらなる最適化が高い放射率に関連して行われる。レーザービーム装置を用いたスキャンニングは、設定可能なパラメータ、例えばエネルギー密度、溝間隔、焦点などに関連して、所望の放射率のより正確な設定を可能にする。
【0018】
レーザービーム装置は、この関係においてとりわけ電極表面の少なくとも一部の溶解、酸化、昇華が可能なエネルギー密度が放出されるように設計されている。
【0019】
この場合ステップa)において前記レーザービーム装置は、1kHzから10kHzの間の周波数、特に10kHzの周波数でもってクロック制御される。有利には前記ステップa)において電極表面上において複数の溝が生成され、これらの2つの隣接する溝の間の間隔は有利には0.01mm乃至0.2mmの間、特に有利には0.1mmである。また有利には、前記レーザービーム装置は、0.01mm乃至0.1mmの間のレーザービーム焦点、とりわけ0.02mmのレーザービーム焦点で動作する。このようにして電極表面が最大化でき、それと同時に電極の放射率も最大となる。
【0020】
代替的に前記スキャンニングは他の適切なビーム装置、例えば電子ビーム装置又はイオンビーム装置を用いて行ってもよい。
【0021】
本発明の別の有利な実施形態によれば、前記ステップc)が、700℃乃至2500℃の間の温度、とりわけ2200℃の温度のもとで実施される。それに対してステップa)は、周辺大気温度、とりわけ15℃乃至30℃の間の温度と、周辺大気圧のもとで実施される。
【0022】
本発明のさらに別の有利な実施形態は従属請求項に記載されている。
【0023】
本発明による方法に関連して前述してきた有利な実施形態とそれらの利点は、そのように製造された少なくとも1つの電極を有する本発明による高圧放電ランプにも相応に当てはまると同時に応用も可能である。
【0024】
以下では本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明による高圧放電ランプを概略的に示した図
図2】本発明による方法の実施例を表したフローチャート
図3図1に示された高圧放電ランプのアノード断面図
図4図3に示した電極表面の第1部分の拡大図
図5図3に示した電極表面の第2部分の拡大図
図6図5に示したセクションの拡大図
図7図6に示したセクションの拡大図
【0026】
実施例
図1には、本発明による高圧放電ランプ10の一部が概略的に示されている。この高圧放電ランプ10は、放電チャンバー14を備えた放電容器12を含んでいる。放電チャンバー14内では、第1の電極16(アノード)と第2の電極18(カソード)が延在している。当該断面図において楕円形に形成された放電容器12の中央部分には直径方向で相対向する2つのネック部分20、22が続いている。前記第1の電極16はネック部分22において封止され、前記第2の電極18はネック部分20において封止されている。
【0027】
これらの電極16、18は、ロッド24、26に配設されており、これらのロッドはタングステン若しくはタングステン合金から形成されている。前記電極16、18自体はドーピングされたタングステンから形成されている。
【0028】
まずここでは本発明による方法を、第1の電極16、すなわちアノードを例にとって詳細に説明する。もちろんこれに関してはカソードを例にして本発明の方法による処理を実行する実施形態も考えられる。
【0029】
この方法は、ステップ100でスタートする。ステップ120では、前記第1の電極16の表面の少なくとも一部がレーザービーム装置を用いてスキャンニングされる。その際のエネルギー密度は、当該電極表面が溶解し、酸化並びに昇華する程度に高い。このことは、発生したタングステン酸化物の一部が気体状態に移行し、残りのタングステン酸化物部分は残留することを意味する。ステップ120は有利には酸素富化雰囲気において実施される。レーザービーム装置は、1kHzから100kHzの間の周波数、とりわけ10kHzの周波数でクロック制御される。有利には前記電極表面上に複数のラインが形成され、2つの隣接するラインの間のライン間隔は、0.01mmから0.2mmの間、有利には0.1mmである。また有利な実施形態によれば、前記レーザービーム装置のレーザービーム焦点が0.01乃至0.1mmの間、特に有利には0.02mmで設定される。前記レーザービーム装置の出力は例えば50Wから200Wの間、有利には約120Wであってもよい。またここでのスキャンニング速度は例えば10mm/sから100mm/sの間、有利には30mm/sの速度で行われる。温度は周辺温度(大気温度)であってもよい。また圧力も周辺圧力(大気圧)であってもよい。
【0030】
有利なレーザービーム装置は"rofin rsmarker"の名目で公知であり、ガルボヘッドで作動する。出力は当該実施例では約120Wである。これにより約38Aの電流が流れる。スキャンニング速度は約30mm/sである。
【0031】
有利には前記第1の電極16は、回転可能に支承されており、そのため当該レーザービーム装置によって全周面がパターニング可能である。
【0032】
ステップ120によって非常にラフな酸化物層が形成される。この酸化物層は、幾何学的に特定はしないが、以下の明細書でさらなる図面に基づいて詳細に説明する。
【0033】
ステップ140では、前記第1の電極16が、VARIGON雰囲気中で有利には誘導的に加熱される。それにより表面の酸化された部分が既存の水素によって還元され、金属性タングステンと水とが形成される。その結果、処理の度合いを介して設定可能な放射率を有する非常にラフな金属性電極面が得られる。この表面は、汚染物質から開放される。なぜなら従来技術とは異なってペースト塗布過程において何らかの結合剤を用いる必要がないからである。この電極は、誘導的加熱のもとで非常に良好な入力特性を有しており、機械的に安定している。すなわち、この電極面ではどこにも崩壊傾向は見当たらない。ステップ140は、有利には700℃から2500℃の範囲の温度、有利には2200℃の温度のもとで実施される。
【0034】
この本発明による方法は、ステップ160において終了する。
【0035】
本発明の方法によれば、形成された表面が0.6までの放射率を伴う電極面が生成可能である。それにより、従来技法においてペースト塗布処理によってしか達成できなかった範囲でさえ僅かに越える。
【0036】
図3には、図1の第1の電極16の表面領域の拡大図が示されており、ここでは円筒形から円錐形に移行している。ここでの倍率は10:1である。ここではレーザー処理の軌跡、詳細には、当該電極16の円錐領域における複数の平行ラインの塗布のもとでのビーム照射によって生じるレーザー構造部の重畳領域が明確に識別できる。
【0037】
図4には、図3に示されている円筒状領域から円錐状領域への移行領域における部分の拡大図が示されている。ここでの倍率は1:30である。同じように図3に示された円筒状領域の部分の拡大図は図5に示されている。
【0038】
図6にはさらなる倍率、すなわち1:200で、図5に示された部分の拡大図が示されている。ここでは複数の溝が明確に識別できる。ここでは表面の不規則性が視認できる。この不規則性によって電極表面の著しい拡大が生じ、それによって高い放射率が得られる。
【0039】
最後に図7には図6に示されている溝の詳細が示されている。ここでの倍率は1:1000である。この描写では電極のタングステン表面の荒さが顕著に目立つことが見て取れる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7