(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記薬局端末が前記個人の処方箋の調剤を終了したことを意味する入力を受け付けると、前記サーバーが前記処理終了信号を前記薬局端末から受信する請求項1又は2に記載の医薬品処方支援方法。
前記薬局端末が前記個人を呼び出す処理を行う入力を受け付けると、前記サーバーが前記処理終了信号を前記薬局端末から受信する請求項1又は2に記載の医薬品処方支援方法。
前記使用者データ及び前記処方薬データの両データが、前記サーバーと前記利用者端末との間の一回の通信で受信される請求項1から5のいずれか1項に記載の医薬品処方支援方法。
前記請求項1から6のいずれか1項に記載の前記医薬品処方支援方法の各ステップをコンピュータに実行させて、服用履歴へのアクセスを制御するための、医薬品処方支援用コンピュータプログラム。
前記薬局端末が前記個人の処方箋の調剤を終了したことを意味する入力を受け付けると、前記受信部が前記処理終了信号を前記薬局端末から受信する請求項8又は9に記載の医薬品処方支援装置。
前記薬局端末が前記個人を呼び出す処理を行う入力を受け付けると、前記受信部が前記処理終了信号を前記薬局端末から受信する請求項8又は9に記載の医薬品処方支援装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
患者は自由に薬局を選択することができ、様々な薬局を利用する可能性がある。処方箋を受け付けた薬局の薬剤師は、過去に他の薬局で調剤された医薬品も確認して調剤を行うことが望ましい。一方、各患者の服薬履歴は個人情報であることから、薬剤師が自由にいつでも服薬履歴を閲覧できるのではなく、服薬履歴を参照する必要性が高い一定の条件のときに参照できるようにすることが望ましい。
【0005】
本開示技術は、一定の条件のときに、薬剤師が各患者の服薬履歴を参照することができる技術を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示技術の一態様によって実現される医薬品処方支援方法は、通信ネットワークを介して医薬品の服用履歴にアクセスする可否の制御を行うサーバーの医薬品処方支援方法であって、前記サーバーが、利用者端末から使用者データを受信するステップと、前記利用者端末から処方薬データを受信するステップと、前記使用者データ及び前記処方薬データを受信
し、処理開始信号を受信した場合、個人と前記個人の服用履歴が紐付けられたデータベースのうち前記使用者データに対応する使用者の服用履歴に薬局端末からアクセスすることの可否を示すアクセス可否識別子を、アクセス可能を意味する識別子に設定するステップと、前記薬局端末から処理終了信号を受信するステップと、前記処理終了信号を受信すると、前記アクセス可否識別子をアクセス不可能を意味する識別子に変更するステップと、を実行する。
【0007】
また、本開示技術の一態様によって実現される医薬品処方支援方法は、通信ネットワークを介して服用履歴にアクセスする可否の制御を行うサーバーの医薬品処方支援方法であって、前記サーバーが、利用者端末から使用者データを受信するステップと、前記利用者端末から処方薬データを受信するステップと、薬局端末から処理開始信号を受信するステップ
と、前記使用者データ及び前記処方薬データを受信した後に、前記処理開始信号を受信
した場合、個人と前記個人の服用履歴が紐付けられたデータベースのうち前記使用者データに対応する使用者の服用履歴に薬局端末からアクセスすることの可否を示すアクセス可否識別子を、アクセス可能を意味する識別子に設定するステップと、前記薬局端末から処理終了信号を受信するステップと、前記処理終了信号を受信すると、前記アクセス可否識別子をアクセス不可能を意味する識別子に変更するステップと、を実行する。
【0008】
また、本開示技術の一態様によって実現される医薬品処方支援用コンピュータプログラムは、上記に記載の医薬品処方支援方法の各ステップをコンピュータに実行させて、服用履歴へのアクセスを制御する。
【0009】
また、本開示技術の一態様によって実現される医薬品処方支援装置は、通信ネットワークを介して、処方箋の受け付けを行う医薬品処方支援装置であって、利用者端末から使用者データ及び処方薬データを受信する受信部と、個人と前記個人の服用履歴が紐付けられたデータベースを保存している記憶部と、前記使用者データ及び処方薬データを受信
し、処理開始信号を受信した場合、前記データベースのうち前記使用者データに対応する使用者の服用履歴に薬局端末からアクセスすることの可否を示すアクセス可否識別子を、アクセス可能を意味する識別子に設定する制御部と、を備え、前記受信部は、前記薬局端末から処理終了信号を受信し、前記制御部は、前記処理終了信号を受信すると前記アクセス可否識別子をアクセス不可能を意味する識別子に変更する。
【0010】
また、本開示技術の一態様によって実現される医薬品処方支援装置は、通信ネットワークを介して、処方箋の受け付けを行う医薬品処方支援装置であって、利用者端末から使用者データ、処方薬データを受信する受信部と、個人と前記個人の服用履歴が紐付けられたデータベースを保存している記憶部と、前記データベースのうち前記使用者データに対応する使用者の服用履歴に薬局端末からアクセスすることの可否を示すアクセス可否識別子を変更可能な制御部と、を備え、前記受信部は、前記薬局端末から処理開始信号及び処理終了信号を受信し、前記制御部は、
前記使用者データ及び前記処方薬データを受信した後に、前記処理開始信号を受信
した場合、前記アクセス可否識別子をアクセス可能を意味する識別子に設定し、前記処理終了信号を受信すると前記アクセス可否識別子をアクセス不可能を意味する識別子に変更する。
【発明の効果】
【0011】
本開示技術の医薬品処方支援方法、医薬品処方支援用コンピュータプログラム、及び医薬品処方支援装置によれば、医薬品の服用履歴に薬局端末からアクセスすることの可否を示すアクセス可否識別子を、所定の条件を満たしたときに変更することにより、アクセスの可否を制御し、所定の条件を満たすときに薬剤師が各患者の服薬履歴を参照することができるようにすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本開示の医薬品処方支援方法、医薬品処方支援用コンピュータプログラムおよび医薬品処方支援装置の一例を示す実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
(実施の形態1)
【0014】
図1は本開示の医薬品処方支援システムの一例を示す構成図である。医薬品処方支援システムは、利用者端末1、サーバー2及び薬局端末4とから構成される。利用者端末1及び薬局端末4は、それぞれ通信ネットワークNを介してサーバー2と接続している。利用者端末1は、病院などの医療機関から処方される処方箋を受け取った利用者が操作する端末である。利用者端末1は例えば利用者が持ち運び可能な携帯端末であってもよい。利用者端末1は例えば病院を利用した患者により使用されてもよいし、患者の保護者により使用されてもよい。薬局端末4は薬局に設置される端末である。
【0015】
利用者端末1は、二次元コード読み取り部11、デコード部12、手入力部13、カメラ入力部14、指定薬局情報記憶部15、表示部16、データ送受信部17、制御部18、処方箋情報記憶部19、利用者情報記憶部20を備える。
【0016】
二次元コード読み取り部11は、処方箋に記載された二次元コードを読み取る。この二次元コードは、処方箋に記載された情報の一部又は全てを記号化したものである。デコード部12は、二次元コードをデコードし電子情報に変換する。手入力部13は、処方箋情報を手入力する入力部であり、例えば操作ボタンやタッチパネルなどである。
【0017】
カメラ入力部14は、二次元コードの記載のない処方箋を写真に撮る。なお、二次元コード読み取り部11、手入力部13、又はカメラ入力部14は処方箋に記載されたデータを取得する手段であって、少なくともいずれか一つを備えていればよい。
【0018】
指定薬局情報記憶部15は、利用者が指定する薬局の情報としての薬局データを保存する。指定薬局の情報は二次元コード読み取り部11、手入力部13、カメラ入力部14、データ送受信部17のいずれかから入力される。指定薬局の情報は通信ネットワークNを介してインターネット上又はサーバー2に保存されたデータベースからデータを受信するようにしてもよい。
図2は、指定薬局情報記憶部15に保存されるデータベースの一例を示す図である。指定薬局情報記憶部15には、薬局データとして店舗名、企業名、FAX番号、電話番号、IPアドレス、休店日、閉店時間が保存されているが、薬局を一意に特定するための情報が含まれていればよく、これらの項目に限られない。
【0019】
表示部16は、読み取った処方箋情報やサーバー2とのデータ送受信結果を表示する。データ送受信部17は、サーバー2および薬局端末4とのデータ送受信を行う。制御部18は、これら処理の制御を行う。
【0020】
利用者情報記憶部20は、本システムを使用する上で認証などのために使用する利用者の情報を保存している。利用者の情報は二次元コード読み取り部11、手入力部13、カメラ入力部14、データ送受信部17のいずれかから入力される。
図3は、利用者情報記憶部20に保存されるデータベースの一例を示す図である。利用者情報記憶部20には、利用者データとして利用者ID、保険者番号、記号、氏名、パスワード、端末識別子が保存されているが、利用者又は利用者端末を一意に特定するための情報が含まれていればよく、これらの項目に限られない。
【0021】
処方箋情報記憶部19は、読み取った処方箋情報や、サーバー2と送受信した結果の処方箋情報を保存する。
図4、
図5は、処方箋情報記憶部19に保存されるデータベースの一例を示す図である。データベースには、基本データと処方薬データがある。利用者IDと紐づけてデータが保存されている。
図4、
図5は一人の患者に対して1回発行された処方箋に基づいて作成されたデータベースを表している。処方箋が1回発行されると
図4の基本データ及び
図5の処方薬データがそれぞれ作成される。
図5の処方薬データは
図4の基本データの続きの情報であり、
図4と
図5のデータベースは合わせて一つのデータベースとして保存されている。また、このデータベースは処方箋に印刷された二次元コードにより処方箋情報を読み取る場合に保存されるデータベースの一例である。処方箋に印刷された二次元コードには基本データも処方薬データも含まれており、この二次元コードに含まれている基本データ及び処方薬データを本データベースに保存する。レコードNo.(ナンバー)とは、項目の大分類を示すもので例えばレコードNo.1は医療機関レコード、No.5は医師レコード、No.11は患者氏名レコード、No.12は患者性別レコード、No.13は患者生年月日レコード、No.14は患者一部負担区分レコード、No.21は保険種別レコード、No.22は保険者番号レコード、No.61は麻薬施用レコードをそれぞれ表している。医療機関レコードの分類の中には更に医療機関コード種別、医療機関コード、医療機関都道府県コード、医療機関名称などの小分類項目がある。例えば医療機関コード種別は、1が医科、3が歯科、6が訪問、というように予め定めた番号を記録している。医療機関コードはレセプト提出用コードであり、医療機関都道府県コードは都道府県ごとに割り振られた番号であり、医療機関名称は医療機関名称の漢字が記録されている。基本データの項目はこれに限られない。処方薬データは処方箋に記載された医薬品ごとに区分して保存している。レコードNo.51は処方箋交付年月日、No.101は剤型レコード、No.111は用法レコード、No.201は薬品レコード、No.281は薬品補足レコードである。それぞれのレコードには更に小分類項目がある。処方薬データの項目はこれに限られない。
【0022】
また、一部を手入力やOCR読み込みによってデータを取得してもよい。
【0023】
尚、No.201の薬品レコードには、「ABCD錠」のような記載があるが、「ABCD」といったアルファベットの部分には、実際には医薬品の具体的な商品名が入る。ここでの商品名には登録商標も含まれ得る。他の図面における同様の記載も同様に解釈される。
【0024】
サーバー2は、データ送受信部21、制御部22、処方箋情報記憶部23、利用者認証部24、登録利用者情報記憶部29、薬剤師認証部25、登録薬剤師情報記憶部30、服用履歴情報記憶部26、閲覧権限制御情報記憶部27、OCR解析部28を備える。サーバー2は、通信ネットワークNを介して、処方箋の受け付けを行う医薬品処方支援装置として機能する。
【0025】
データ送受信部21は、利用者端末1および薬局端末4とのデータ送受信を行う。制御部22は、全体の処理の制御を行う。また、閲覧権限制御情報記憶部27の書き換えを行う。処方箋情報記憶部23は、利用者端末1から送られた処方箋情報を蓄積する。処方箋情報記憶部23に記録されるデータベースは、
図4、
図5と同様である。
【0026】
登録利用者情報記憶部29は、本システムを利用する利用者の一覧を保存している。
図6は登録利用者情報記憶部29に保存される登録利用者情報のデータベースの一例を示す図である。登録利用者情報のデータベースは、登録利用者データとして、利用者ごとに、利用者ID、保険者番号、記号、氏名、パスワード、端末識別子が保存されている。登録利用者データは、利用者を特定できればよく、項目はこれらに限らない。
【0027】
利用者認証部24は、利用者端末1から受信した利用者データを登録利用者情報記憶部29に保存されているデータベースと照合して、利用者端末1から情報が送信されたその利用者が登録された利用者であるか否かを照合する。
【0028】
登録薬剤師情報記憶部30は、本システムを利用する薬剤師の一覧を保存している。
図7は登録薬剤師情報記憶部30に保存される登録薬剤師情報のデータベースの一例を示す図である。登録薬剤師情報のデータベースは、登録薬剤師データとして、薬剤師ごとに、所属する店舗の店舗番号、氏名、パスワードが保存されている。登録薬剤師データは、薬剤師を特定できればよく、項目はこれらに限らない。
【0029】
薬剤師認証部25は、薬局端末4から受信した薬剤師データを登録薬剤師情報記憶部30に保存されているデータベースと照合して、薬局端末4から情報が送信されたその薬剤師が登録された薬剤師であるか否かを照合する。
【0030】
服用履歴情報記憶部26は、患者の過去の医薬品の服用履歴の情報を蓄積する。
図8は、服用履歴情報記憶部26に保存されるデータベースの一例を示す図である。服用履歴情報は、患者毎に、過去に調剤薬局で調剤し利用者が購入した医薬品を過去の服用履歴情報として保存するものであり、調剤された薬局や日時および薬剤名の情報が含まれる。ここでは利用者ID、調剤薬局名、調剤日、薬剤名、1回の服用量、日数、服用方法が保存されている。
【0031】
閲覧権限制御情報記憶部27は、服用履歴情報を閲覧する権限の制御情報を保存する。
図9は閲覧権限制御情報記憶部27に保存されるデータベースの一例を示す図である。利用者IDごとに、許可情報として薬局端末4からアクセスすることの可否を示すアクセス可否識別子が保存されている。例えば薬局端末4からアクセスすることを許可する場合はアクセス可否識別子が“1”となり、許可しない場合は“0”となるようにしてもよい。このアクセス可否識別子の書き換えは制御部22が制御し、実行される。
【0032】
OCR解析部28は、利用者端末1から送信された処方箋のカメラ撮影画像を解析し、電子情報に置き換える。OCR解析部28は、利用者端末1がカメラ入力部14を備えない場合には、なくてもよい。
【0033】
薬局端末4は、データ送受信部41、制御部43、処方箋情報記憶部44、表示部42、薬剤師情報記憶部45を備える。データ送受信部41は、利用者端末1とのデータ送受信を行う。制御部43は、処理の全体制御を行う。処方箋情報記憶部44は、利用者端末1から送られた処方箋情報を蓄積する。処方箋情報記憶部44に記録されるデータベースは、
図4、
図5と同様である。
【0034】
表示部42は、受信した処方箋情報を表示する。薬剤師情報記憶部45は、本システムで薬剤師を認証するための情報を蓄積する。
図10は、薬剤師情報記憶部45に保存されるデータベースの一例である。薬剤師情報記憶部45には、薬剤師データとして、店舗番号、氏名、パスワードが保存されているが、薬剤師を一意に特定するための情報が含まれていればよく、これらの項目に限られない。
【0035】
以下に、各構成が実行する処理フローについて説明する。
図11は、本開示の医薬品処方支援システムの処理フローの一例を示す図である。ここでは、処方箋情報を利用者端末1の二次元コード読み取り部11で読み取る場合の一例を示す。
【0036】
まず、二次元コード読み取り部11が二次元コードにて処方箋情報を読み込み、デコード部12が前記読み込んだ処方箋情報をデコードし電子的なデータに変換し結果を処方箋情報記憶部19に蓄積する(ステップS801)。
【0037】
制御部18が、前記電子的なデータに加え、指定薬局情報記憶部15から指定薬局の薬局データを読み出し、利用者情報記憶部20から利用者データを読み出し、処方箋情報、薬局データ、及び利用者データをデータ送受信部17からサーバー2へ送信する(ステップS802)。サーバー2のデータ送受信部21が、前記処方箋情報、薬局データおよび利用者データを受信する(ステップS803)。処方箋情報、薬局データ、利用者データはそれぞれ別々に送信又は/及び受信してもよいし、一度の通信でひとかたまりのデータとして同時に送信又は/及び受信してもよい。一度の通信でひとかたまりのデータとして同時に送信する一例として、例えば利用者端末1において利用者がデータ送信を示す一つのボタンを例えば手入力部13などを用いて押下すると、通信ネットワークNを通信状態とし、制御部18は処方箋情報、薬局データ、及び利用者データをサーバー2へ送信する。
【0038】
制御部22における制御下において、利用者認証部24が利用者データをもとに登録された利用者であるかを認証する。ここでは、受信した利用者データの利用者ID及びパスワードが、登録利用者情報のデータベースに保存してある利用者IDと一致するか否か、及び、その利用者IDに紐づけられたパスワードと一致するか否かを検証する(ステップS805)。登録済みで合った場合(ステップS805でYes)、処方箋情報を、当該利用者データと共に処方箋情報記憶部23に蓄積する(ステップS806)。一方、登録済みでなかった場合(ステップS805でNo)、利用者認証失敗情報をデータ送受信部21が利用者端末1に送信し(ステップS807)、利用者端末1では、利用者認証失敗情報をデータ送受信部17が受信する(ステップS808)。
【0039】
薬剤師が薬局端末4を使用する際は、端末利用者のIDとパスワードの入力を受け付ける。これは例えば一般的なPCの利用者認証でありこれに成功するとアプリケーションが動作を開始し、薬局端末4において、制御部43が薬剤師情報記憶部45から薬剤師データを読み出し、その薬剤師データをデータ送受信部41からサーバー2へ送信する(ステップS809)。
【0040】
サーバー2では、データ送受信部21が薬局端末4から送信された薬剤師データを受信し、制御部22が薬剤師認証部25にて当該薬剤師が登録されているか否かを検証し(ステップS810)、その結果をデータ送受信部21が薬局端末4に送信する(ステップS811)。登録されているか否かの検証は、受信した薬剤師データが、登録薬剤師情報記憶部30の登録薬剤師のデータベースに保存してある登録薬剤師データと一致するか否かを判別する。
【0041】
薬局端末4では、データ送受信部41が薬剤師が登録されているか否かの検証結果を受信し、制御部43が認証結果を検証し(ステップS812)、薬剤師が登録されていた場合に限り(ステップS812でYes)、定期的にサーバー2内の処方箋蓄積情報を確認する(ステップS813)。ここでは、制御部43が、薬局データを含む薬剤師データをデータ送受信部41を用いてサーバー2に送信し、制御部22が処方箋情報記憶部23内を検査し、当該薬局向けの未処理の処方箋情報が蓄積されているかを確認する(ステップS814)。未処理か否かは、例えばデータ保存時刻をデータベースに処方箋と紐づけて保存しておき、前回確認した時間以降にデータが保存されているか否かを判別するようにしてもよい。
【0042】
蓄積されていない場合(ステップS814でNo)、その結果を、薬局端末4のデータ送受信部41に送信し、制御部43は一定時間後再度ステップS813を実施する。一方、蓄積されていた場合(ステップS814でYes)、制御部43はサーバー2に該当する処方箋情報要求を送信する(ステップS815)。
【0043】
サーバー2の制御部22は、データ送受信部21を用いて上記要求を受信すると(ステップS816)、処方箋情報記憶部23から処方箋情報を読み出し薬局端末4へ送信する(ステップS817)。
【0044】
薬局端末4では、前記処方箋情報を受信し(ステップS818)、処方箋受付として処方箋情報記憶部44に蓄積し受け付け完了信号(処理開始信号)をサーバー2に送信する(ステップS819)。
【0045】
サーバー2では、受付完了信号(処理開始信号)をデータ送受信部21が受信し、制御部22が、閲覧権限制御情報記憶部27における閲覧権限制御情報の該当する利用者の許可情報欄に保存している識別子を、閲覧許可を意味する状態に変更し、さらに受付完了信号を利用者端末1に送信する(ステップS820)。薬局側では、処方箋情報を確認し、在庫がない場合などは受け付けを断る場合も考えられるため、このように薬局端末4において受け付けの処理を行う。サーバー2が薬局端末4から処理開始信号を受信してから閲覧権限制御情報の変更を行うことで、実際に調剤を行なうこととなる薬局端末4にのみ閲覧許可とすることができる。上述のとおり、サーバー2が処理開始信号を受信するとサーバー2は閲覧権限制御情報の変更と共にそれとは異なる処理も行う。処理開始信号は、受付完了信号に限られず、サーバー2が処理開始信号を受信するとサーバー2が閲覧権限制御情報の変更とともにそれとは異なる処理も行うためのトリガーとなる信号であればよい。
【0046】
また、サーバー2は薬局ごとに各利用者とその利用者の受付状態を紐付けた状態データベースを備える。サーバー2は、ステップS803において受信した利用者データ、例えば利用者IDを状態データベースに登録しておき、その利用者IDに紐づけて、ステップS820において受付完了信号を受信すると制御部22はその利用者の状態が受付完了となるよう状態データベースを変更する。薬局端末4は定期的にこの状態データベースを読み込み、表示部42にその状態を表示する。
【0047】
利用者端末1では、データ送受信部17が前記受付完了信号を受信し、表示部16にて受付が完了した旨を利用者に通知する(ステップS821)。
【0048】
なお、ここではサーバー2が受付完了信号(処理開始信号)を受信すると閲覧権限制御情報を閲覧許可を意味する状態に変更するが、ステップS803においてサーバー2が処方薬データと、基本データ又は利用者データの少なくとも一方を受信した段階でその受信データを処理開始信号とみなして閲覧権限制御情報を閲覧許可を意味する状態に変更してもよい。基本データ及び利用者データはそれぞれ患者を特定する個人情報を含む使用者データであり、閲覧権限制御情報の変更は少なくともこの使用者データと処方薬データを受信すると実行される。また、サーバー2は、処方薬データ、基本データ、利用者データを受信するとステップS805において説明したとおり、登録された利用者であるかを認証するステップへ進むため、使用者データと処方薬データの受信は、閲覧権限制御情報の変更とともにそれとは異なる処理も行うためのトリガーとなる信号の受信といえる。
【0049】
次に、薬局では、受け付けた処方箋に基づいて、調剤作業を開始する。ここでは、薬剤師が、当該利用者がこれまで飲んだ薬や、現在飲んでいる薬を検査し、飲み合わせや、重複した調剤が発生しないかを確認する必要がある。
【0050】
そこで、薬剤師が当該利用者の服用履歴を閲覧する。具体的には、薬剤師が薬局端末4を操作し、例えば服用履歴を閲覧するための入力を行うと、制御部43が服用履歴情報要求をデータ送受信部41を用いてサーバー2に送信する(ステップS822)。薬局端末4への入力は制御部43により制御される入力部(図示せず)から行われる。
【0051】
サーバー2のデータ送受信部21が薬局端末4から送信された服用履歴情報要求を受信すると(ステップS823)、制御部22が閲覧権限制御情報記憶部27を参照し、アクセス可否識別子が薬局端末4からアクセスすることを許可する識別子となっているか確認する(ステップS825)。ここで「許可」となっていた場合(ステップS825でYes)、つまり前記閲覧権限制御情報記憶部27のデータベースの一例では、許可情報の部分が“1”となっている場合に限り、服用履歴情報記憶部26内の当該利用者の服用履歴情報を読み出し、データ送受信部21を用い薬局端末4に、当該利用者の服用履歴情報を送信する(ステップS824)。薬局端末4のデータ送受信部41はこれを受信し、制御部43は表示部42を用いて当該利用者の服用履歴情報を表示する(ステップS826)。
【0052】
次に、薬剤師が服用履歴情報を参照しながら調剤を完了すると、利用者に、薬局まで取りに来るよう呼び出すため、制御部43は、データ送受信部41を用い、呼び出し信号をサーバー2に送信する(ステップS827)。データ送受信部21は呼び出し信号を受信し、利用者端末1に患者呼び出し信号を送信する(ステップS828)。
【0053】
また、ステップS828においてサーバー2が呼び出し信号を受信すると、制御部22は、サーバー2が備える各利用者とその利用者の受付状態を紐付けた状態データベースにおいて、その利用者の状態が呼び出し中となるよう状態データベースを変更する。薬局端末4は定期的にこの状態データベースを読み込み、表示部42にその状態を表示する。
【0054】
利用者端末1はデータ送受信部17にて患者呼び出し信号を受信し、制御部18が表示部16に薬局から呼び出されている旨を表示する(ステップS829)。
【0055】
利用者は、調剤が出来たことを知り、適宜薬局に、処方箋の原本を持参して薬を取りに行く。薬局では、薬剤師が応対し、処方箋の原本と引き替えに薬剤を渡し、精算を済ませる。
【0056】
その後、薬剤師は、一連の処理の終わりとして、薬局端末4において調剤完了処理を行う。具体的には、制御部43の制御のもとデータ送受信部41がサーバー2に、当該利用者データと共に調剤完了信号(処理終了信号)を送信する(ステップS830)。また、調剤完了処理を行うと、制御部43は薬局端末4の表示部42にその旨の表示を反映させる。このとき、実際に調剤した処方薬データを含む処方箋情報をサーバー2へ送信してもよい。医師から処方された医薬品からジェネリック医薬品などに変更して調剤される場合があるためである。そしてサーバー2の服用履歴情報記憶部26に服用履歴情報としてデータを保存する。ステップS830において実際に調剤した処方薬データを含む処方箋情報をサーバー2へ送信せず、利用者に医薬品を渡す際に、実際に調剤した処方薬データを含む処方箋情報の二次元コードを調剤明細書に印刷し、利用者が利用者端末1の二次元コード読み取り部11から調剤明細書に印刷された二次元コードを読み取って、服用履歴情報として処方箋情報記憶部19へ保存し、サーバー2へその情報を送信して服用履歴情報記憶部26を更新するようにしてもよい。
【0057】
サーバー2では、データ送受信部21が調剤完了信号(処理終了信号)を受信する。この処理終了信号を受信すると、制御部22が、閲覧権限制御情報記憶部27における閲覧権限制御情報の該当する利用者の許可情報を閲覧不許可を意味する状態に変更する(ステップS831)。
つまり前記閲覧権限制御情報記憶部27のデータベースの一例では、許可情報の部分を“0”とする。又は、閲覧権限制御情報記憶部27に登録された当該利用者の情報(利用者IDなど)を消去するようにしてもよい。この場合、ステップS803においてサーバー2が利用者データを受信すると、閲覧権限制御情報記憶部27にその利用者のIDを保存し、許可情報は初めは閲覧不許可を意味する状態にしておき、上述のような所定の条件を満たしたときに許可情報を閲覧許可を意味する状態へ変更し、ステップS831において閲覧権限制御情報記憶部27に登録された利用者ID及び許可情報を消去する。
【0058】
例えばステップS831の後に、すなわち閲覧権限制御情報記憶部27が“0”に変更された後に、薬局端末4から服用履歴情報要求をサーバー2が受信しても、薬局端末4は服用履歴情報にアクセスすることができない。
【0059】
また、ステップS831においてサーバー2が調剤完了信号を受信すると、制御部22は、サーバー2が備える各利用者とその利用者の受付状態を紐付けた状態データベースにおいて、その利用者の状態が調剤完了となるよう状態データベースを変更する。薬局端末4は定期的にこの状態データベースを読み込み、表示部42にその状態を表示する。
【0060】
ここでは、薬局端末4からサーバー2が調剤完了信号を受信すると、処理終了信号を受信したものとして閲覧権限制御情報を閲覧不許可を意味する状態に変更するが、ステップS827において薬局端末からサーバー2へ送信される呼び出し信号を処理終了信号としてもよい。すなわち、ステップS828においてサーバー2が薬局端末4から呼び出し信号を受信すると、制御部22が閲覧権限制御情報記憶部27における閲覧権限制御情報の該当する利用者の許可情報を閲覧不許可を意味する状態に変更するとしてもよい。上述したとおり、呼び出し信号を処理終了信号とみなす場合は、サーバー2がその信号を受信すると利用者端末1に患者呼び出し信号を送信するとともに、制御部22が閲覧権限制御情報の変更を行う。調剤完了信号を処理終了信号とみなす場合は、サーバー2がその信号を受信するとサーバー2が備える状態データベースを変更するとともに、制御部22が閲覧権限制御情報の変更を行う。すなわち、処理終了信号は、サーバー2が閲覧権限制御情報を変更する以外にそれとは異なる処理を行うためのトリガーとなる信号であればよい。
【0061】
なおここで、処方箋に二次元コードがない場合、ステップS801の代わりに、カメラ入力部14が撮影した処方箋画像をデータ送受信部17を用いてサーバー2に送信し、OCR解析部28が当該画像をOCR解析して電子情報に変換するとしても良い。
【0062】
また、同様に処方箋に二次元コードがない場合、ステップS801の代わりに、手入力部13で手入力した情報をデータ送受信部17を用いてサーバー2に送信しても良い。
【0063】
なお、利用者端末1に利用者が服用履歴情報の開示に同意するかを確認する表示を表示部16へ表示し、利用者端末1において利用者が服用履歴情報の開示に同意する旨の入力を行ったときに、利用者端末1からサーバー2へ利用者同意信号を送信し、サーバー2がその利用者同意信号を受信すると、サーバー2が閲覧権限制御情報の変更を行うこととしてもよい。この場合も、ステップS822からステップS826は同様に実行される。また、ステップS830及びステップS831の処理も同様に実行される。すなわち、ここで述べる医薬品処方支援方法は、通信ネットワークを介して薬局端末及び利用者端末がサーバーと通信を行い、前記薬局端末から前記サーバーに蓄積されている個人の医薬品の服用履歴のデータへアクセスする可否の制御を行う前記サーバーの医薬品処方支援方法であって、前記サーバーが、前記利用者端末から利用者同意信号を受信するステップと、前記利用者同意信号を前記サーバーが受信すると、前記利用者の服用履歴のデータに前記薬局端末からアクセスすることの可否を示すアクセス可否識別子をアクセス可能を意味する識別子に設定するステップと、前記薬局端末から処理終了信号を受信するステップと、前記処理終了信号を受信すると、前記アクセス可否識別子をアクセス不可能を意味する識別子に変更するステップとを実行する、医薬品処方支援方法である。また、ここで述べる医薬品処方支援装置は上述のサーバー2によって構成可能であり、通信ネットワークを介して、薬局端末及び利用者端末と通信を行う医薬品処方支援装置であって、前記利用者端末から利用者同意信号を受信する受信部と、個人と前記個人の服用履歴が紐付けられたデータベースを保存している記憶部と、前記利用者の服用履歴のデータに前記薬局端末からアクセスすることの可否を示すアクセス可否識別子を変更可能な制御部とを備え、前記受信部は、前記薬局端末から処理終了信号を受信し、前記制御部は、前記受信部が前記利用者同意信号を受信すると前記アクセス可否識別子をアクセス可能を意味する識別子に設定し、前記処理終了信号を受信すると前記アクセス可否識別子をアクセス不可能を意味する識別子に変更する医薬品処方支援装置である。
【0064】
図12は、ステップS818、S819、S822、S827において薬局端末4に表示される画面の一例を示す図である。
【0065】
薬局では、
図12に示すような画面が表示部に表示されており、薬局に送信される処方箋の受け付けを行う処理を進める。ここには処理対象者を利用者毎に表示し、「受付」のボタンが表示されている利用者は、ステップS818においてサーバーから処方箋情報を受信し、これから受付とする利用者であり、「呼び出し」ボタンが表示されている。利用者は、現在調剤中であり、それが済み次第呼び出しを行うことを示し、ステップS827においてこの呼び出しボタンを押すことにより呼び出し信号を送信する。「呼び出し」ボタンを押すと、「呼出中」の表示に変化する。
【0066】
また、「服用履歴」ボタンは、これを押下すると当該利用者の服用履歴情報が表示されることを示す。「服用履歴」ボタンは常に表示し視覚化しておきいつでも押下が可能にしておくとしても良い。この場合、ボタン押下時にサーバー2が、当該利用者の服用履歴情報閲覧権限が「許可」となっているか確認し、「許可」となっている場合、つまり閲覧権限制御情報記憶部27のデータベースの一例では、許可情報の部分が“1”となっている場合に限り、当該利用者の服用履歴情報を表示するとしても良い。
【0067】
また、薬局端末4の利用者の便宜を考え、「服用履歴」ボタンは、薬局端末4が一定間隔で当該利用者の服用履歴情報閲覧権限が「許可」となっているか検査し、「許可」となっている場合において、当該ボタンが押下可能なように表示するとしてもよい。
【0068】
薬局端末4は定期的にサーバー2に保存されている状態データベースを読み込み、表示部42にその状態を表示するが、前記一定間隔での服用履歴情報閲覧権限の検査を、薬局端末4上に表示する状態情報の、表示情報更新タイミングと置き換えても良い。
【0069】
図13は、ステップS826において薬局端末4に表示される画面の一例を示す図であり、利用者の服用履歴情報の表示イメージである。登録利用者情報記憶部29に保存してある当該利用者の情報と合わせて、服用履歴が調剤薬局名や日時および各薬剤名などが表示される。
【0070】
このように、服用履歴情報記憶部26および閲覧権限制御情報記憶部27を有することによって、利用者が処方箋情報を薬局に送付して調剤を受け付ける場合に、プライバシー情報である服用履歴の閲覧の許可に関して、特別な利用者のアクションなしに、その閲覧可能者およびその期間を限定して提示することが出来る。
【0071】
本開示技術を用いると、従来のように紙媒体で服用履歴を管理する方法に替わって、例えばスマートフォンのアプリケーションなどで電子的に服用履歴の管理を実現することができ、利用者の使い勝手が良くなる。また、ネットワークを介して服用履歴の参照を行うことで、薬局端末から患者の服用履歴にアクセスすることができ、利用者端末に服用履歴を保存しておいて利用者端末を直接薬剤師に見せるといったことも不要となる。例えば、処方箋を事前に利用者端末から薬局に送付して薬局で受け付けを行い、調剤完了後に利用者が薬局へ医薬品を取りに行く場面では、薬局端末から服用履歴が確認でき紙媒体の服用履歴書や服用履歴を保存した利用者端末を薬局に届けなくても薬剤師は患者の服用履歴を参照することができる。つまり、サーバーで服用履歴を管理することにより、薬局からこれを閲覧できるようにしている。しかし、利用者からすれば、プライバシー情報である服用履歴を、勝手に薬局から見られたり、仮に閲覧を許可してもいつまでも見られる状態となっていることは問題となるが、本開示技術を利用することにより薬局から服用履歴にアクセスできる期間を制御することができる。例えばユーザからの服用履歴アクセス許可の意思表示をボタン押下などのアクションとして行う場合は、利用者からは薬剤師が調剤作業を終了するタイミングがわからないため、特に閲覧許可の終了のタイミングを決定することが困難となる。一方、本開示技術によれば、サーバーで服用履歴へのアクセス可否を制御することにより、服用履歴の閲覧終了のタイミングを制御することができる。また、利用者として特別な動作をしなくても服用履歴の閲覧期間を制御することができる。
【0072】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【解決手段】通信ネットワークNを介して服用履歴にアクセスする可否の制御を行うサーバー2の医薬品処方支援方法であって、サーバー2が、利用者端末1から使用者データ及び処方薬データを受信するステップと、使用者データ及び処方薬データを受信すると、個人と個人の服用履歴が紐付けられたデータベースのうち使用者データに対応する使用者の服用履歴に薬局端末4からアクセスすることの可否を示すアクセス可否識別子を、アクセス可能を意味する識別子に設定するステップと、薬局端末4から処理終了信号を受信するステップと、処理終了信号を受信すると、アクセス可否識別子をアクセス不可能を意味する識別子に変更するステップと、を実行する。