(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5693777
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】トンネル窯を用いた焼き芋の製造方法及び製造装置
(51)【国際特許分類】
A47J 37/04 20060101AFI20150312BHJP
A47J 37/06 20060101ALI20150312BHJP
A21B 2/00 20060101ALN20150312BHJP
【FI】
A47J37/04 101Z
A47J37/06 356
!A21B2/00
【請求項の数】6
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-184118(P2014-184118)
(22)【出願日】2014年9月10日
【審査請求日】2014年9月10日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】310018951
【氏名又は名称】株式会社西田工業
(74)【代理人】
【識別番号】100139033
【弁理士】
【氏名又は名称】日高 賢治
(72)【発明者】
【氏名】西田春樹
【審査官】
礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−295930(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3160993(JP,U)
【文献】
特開平07−203870(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3047984(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3031598(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3173975(JP,U)
【文献】
特開2012−090550(JP,A)
【文献】
特開平11−299446(JP,A)
【文献】
特開2000−083834(JP,A)
【文献】
実開平02−048034(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/00 − 37/07
A21B 1/00 − 7/00
A23N 1/00 − 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル窯を用いた焼き芋の製造方法であって、
煉瓦等で組上げた断面アーチ状のトンネル窯と、
前記トンネル窯内に設置されたコンベアと、
前記コンベアの下部に設置され、かつ前記トンネル窯の軸線方向と直交する方向に、前記トンネル窯内に対して出し入れ可能な熱源容器と、
前記熱源容器の上部を覆う鉄板及びセラミックプレートからなり、
前記トンネル窯の入り口又は出口から一定距離内にある前記熱源容器の上部は前記鉄板で覆うか、或いは何も覆うことなく熱源を露出させ、
それ以外の前記熱源容器の上部は前記セラミックプレートで覆い、
前記トンネル窯の入り口で前記コンベア上に生のサツマイモを載置し、当該サツマイモがトンネル窯内を通過する間に焼き上げる、
ことを特徴とするトンネル窯を用いた焼き芋の製造方法。
【請求項2】
前記トンネル窯の入り口又は出口から一定距離は、2〜3mの範囲である、
ことを特徴とする請求項1に記載のトンネル窯を用いた焼き芋の製造方法。
【請求項3】
前記セラミックプレートは溶岩プレートである、
ことを特徴とする請求項1に記載のトンネル窯を用いた焼き芋の製造方法。
【請求項4】
トンネル窯を用いた焼き芋製造装置であって、
煉瓦等で組上げた断面アーチ状のトンネル窯と、
前記トンネル窯内に設置されたコンベアと、
前記コンベアの下部に設置され、かつ前記トンネル窯の軸線方向と直交する方向に、前記トンネル窯内に対して出し入れ可能な熱源容器と、
前記熱源容器の上部を覆う鉄板及びセラミックプレートからなり、
前記トンネル窯の入り口又は出口から一定距離内にある前記熱源容器の上部は前記鉄板で覆うか、或いは何も覆うことなく熱源を露出させ、
それ以外の前記熱源容器の上部は前記セラミックプレートで覆われている、
ことを特徴とするトンネル窯を用いた焼き芋製造装置。
【請求項5】
前記トンネル窯の入り口又は出口からの一定距離は、2〜3mの範囲である、
ことを特徴とする請求項4に記載のトンネル窯を用いた焼き芋製造装置。
【請求項6】
前記セラミックプレートは溶岩プレートである、
ことを特徴とする請求項4に記載のトンネル窯を用いた焼き芋製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル窯を利用した焼き芋の製造方法及び製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からある一般的な焼き芋製造装置は、外側に焦げ目が付かないようセラミックによる遠赤外線を利用して中までしっかりと火を通しながら、ふっくらと仕上げるように、筐体内部に設置されている加熱室中に、電気ヒータ或いは木炭等の熱源、輻射板、載置皿等を配置している。
【0003】
また、筐体内で載置皿を観覧車のように回転させながらムラなく焼き上げるようにしたものや、更にはセラミック素材として溶岩プレートを利用することも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−278798号公報
【特許文献2】特開2011−067391号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の方法や装置では、サツマイモ外側を含めて全体がしっとりふっくらと仕上がるものの、やや香ばしさに欠け、昔懐かしい焼き芋愛好者にはやや物足りなさが残ると言う課題があった。
【0006】
本発明の目的は、セラミックによる遠赤外線を利用して中までしっかりと火を通しながら、外側は香ばしく仕上げる焼き芋の製造方法及び製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、トンネル窯を用いた焼き芋の製造方法であって、煉瓦等で組上げた断面アーチ状のトンネル窯と、前記トンネル窯内に設置されたコンベアと、 前記コンベアの下部に設置され
、かつ前記トンネル窯の軸線方向と直交する方向に、前記トンネル窯内に対して出し入れ可能な熱源容器と、前記熱源容器の上部を覆う鉄板及びセラミックプレートからなり、前記トンネル窯の入り口又は出口から一定距離内にある前記熱源容器の上部は前記鉄板で覆うか、或いは何も覆うことなく熱源を露出させ、それ以外の前記熱源容器の上部は前記セラミックプレートで覆い、前記トンネル窯の入り口で前記コンベア上に生のサツマイモを載置し、当該サツマイモがトンネル窯内を通過する間に焼き上げる、ことを特徴とする。
【0008】
また本発明は、トンネル窯を用いた焼き芋製造装置であって、煉瓦等で組上げた断面アーチ状のトンネル窯と、前記トンネル窯内に設置されたコンベアと、 前記コンベアの下部に設置され
、かつ前記トンネル窯の軸線方向と直交する方向に、前記トンネル窯内に対して出し入れ可能な熱源容器と、前記熱源容器の上部を覆う鉄板及びセラミックプレートからなり、前記トンネル窯の入り口又は出口から一定距離内にある前記熱源容器の上部は前記鉄板で覆うか、或いは何も覆うことなく熱源を露出させ、それ以外の前記熱源容器の上部は前記セラミックプレートで覆われている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、一定の長さを有するトンネル窯を用い、当該トンネル窯内に設置されたコンベア上に載置したサツマイモを、焼き始め或いは焼き終わりの工程では強力な火力で表面部分を香ばしく焼き上げ、それ以外の工程では遠赤外線を用いて中までしっかり、しっとりと焼き上げることが可能となる。
【0010】
また、焼き始め或いは焼き終わり工程において付ける香ばしさの強弱は、熱源容器の上部をフリーにするか、或いは鉄板で覆うかによって調節することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係るトンネル窯を用いた焼き芋製造方法及び製造装置を図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
(実施例1)
図1、
図2、
図3に示すように、トンネル窯1は煉瓦等を断面アーチ状に積み上げて構成され、全長は約14〜15m、全幅は2.5〜3m程度としている。トンネル窯1の内部には、モータ7で駆動されるコンベア2が設置されており、当該コンベア2上に生のサツマイモを載置し、当該サツマイモがトンネル窯内を通過する間に焼き上げる構造となっている。図中6は、トンネル窯1内の温度を調整するための換気口である。
【0014】
コンベア2の下部には熱源容器3が適宜の間隔を置いて配置されている。本実施例では、全部で8個の熱源容器3がコンベア2の下部に設置されているが、その個数や間隔はトンネル窯1の大きさ、コンベアの搬送速度、焼き加減等を総合的に考慮して適宜に決定することができる。サツマイモを焼き上げる熱源は炭火が最適であり、本実施例1では熱源容器内に木炭を収納しているが、熱源としては木炭以外にも適宜に選択可能である。
【0015】
当該熱源容器3は、トンネル窯1の軸線方向(長手方向)と直交する方向に、トンネル窯1に対して、レール5上を移動して出し入れ可能としている。また、各熱源容器3内の木炭への着火はガスを用いるため、トンネル窯1に沿ってガス管8が配置されている。
図2、3で示す9は、焼き上がり製品を室内で回収作業するため、トンネル窯1を途中で仕切るための壁である。
【0016】
本発明では、熱源容器3の上部開口を覆うことが可能な鉄板4−1とセラミックプレート4−2としての溶岩プレートが用意されている。熱源を鉄板4−1やセラミックプレート4−2で覆うことで、熱を均等にトンネル窯1内に充填させ、焼き上げにムラが無いようにするためである。
【0017】
本実施例1では、
図3、
図4に示すように、トンネル窯1の入り口付近(2〜3mの範囲)、即ち、焼き始め位置にある熱源容器3の上部開口は鉄板4−1で覆い、それ以降のコンベア下流側の熱源容器3の上部開口はセラミックプレート(溶岩プレート)4−2で覆うようにしている。なお、焼き始め位置の鉄板4−1は、必要に応じて用いずに、炭火を直接的にサツマイモに当てて、より香ばしく焼いても良い。
【0018】
(実施例2)
上記実施例1では、焼き始め位置で香ばしく焼き上げるために熱源容器3を鉄板4−1で覆っているが、実施例2としては、焼き始めからセラミックプレート4−2で覆い、焼きの最終工程、即ちトンネル窯1の出口付近で鉄板4−1を用いて(或いは用いずに)、サツマイモの表面部分を香ばしく焼き上げるようにしても良い。
【0019】
以上のとおり本願発明によれば、焼き始め工程、或いは焼き終わりの工程において、強力な火力で表面に焦げ目が付く程度に香ばしく焼き、それ以外の工程ではセラミックプレート4−2を用いて遠赤外線効果によりじっくりと中まで火を通すようにすることができる。
【0020】
またセラミックプレート4−2として、溶岩プレートを用いた場合、自然資源を有効に利用しつつ遠赤外線効果を高めることができるとともに、特にサツマイモの一大産地である鹿児島県では、地元桜島の溶岩を利用することで、地域振興策の一環としての効果も奏する。
【符号の説明】
【0021】
1 トンネル窯
2 コンベア
3 熱源容器
4−1 鉄板
4−2 セラミックプレート(溶岩プレート)
5 レール
6 換気口
7 モータ
8 ガス管
9 壁
【要約】
【課題】
従来の焼き芋製造方法及び焼き芋製造装置では、サツマイモ外側を含めて全体がしっとりふっくらと仕上がるものの、やや香ばしさに欠け、昔懐かしい焼き芋愛好者にはやや物足りなさが残ると言う課題があった。
【解決手段】
本願発明は、トンネル窯を用いた焼き芋の製造方法及び製造装置であって、 煉瓦等で組上げた断面アーチ状のトンネル窯と、トンネル窯内に設置されたコンベアと、コンベアの下部に設置された熱源容器と、熱源容器の上部を覆う鉄板及びセラミックプレートからなり、トンネル窯の入り口又は出口から一定距離内にある熱源容器の上部は鉄板で覆うか、或いは何も覆うことなく熱源を露出させ、それ以外の熱源容器の上部はセラミックプレートで覆い、トンネル窯の入り口でコンベア上に生のサツマイモを載置し、当該サツマイモがトンネル窯内を通過する間に焼き上げる。
【選択図】
図3