特許第5693778号(P5693778)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5693778
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】仮設山留構造体及び仮設山留方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 17/04 20060101AFI20150312BHJP
【FI】
   E02D17/04 Z
【請求項の数】10
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2014-185004(P2014-185004)
(22)【出願日】2014年9月11日
【審査請求日】2014年9月11日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514231376
【氏名又は名称】近藤 竜也
(74)【代理人】
【識別番号】110000615
【氏名又は名称】特許業務法人 Vesta国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 竜也
【審査官】 富山 博喜
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−204553(JP,A)
【文献】 特開平11−256682(JP,A)
【文献】 特開平09−242089(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に垂直に立設され、挿入によって接続される2段以上の接続受部を配設してなる縦支柱と、
対向配置する前記縦支柱の同一高さにある前記接続受部に両端部の挿入係合部が挿入され、前記接続受部と前記挿入係合部が接続される横支柱と、
前記横支柱を一辺として水平方向に形成され、隣接する鋼矢板相互間を摺動連結することなく、前記鋼矢板毎に前記上下方向に挿脱自在とする前記横支柱の長さ方向の幅及び前記横支柱に対する垂直方向の高さを区画する鋼矢板ガイドと
を具備することを特徴とする仮設山留構造体。
【請求項2】
前記縦支柱に2段以上配設した前記接続受部は、前記縦支柱の水平断面に対して2個乃至4個のコ字状の受部とし、かつ、前記接続受部の寸法を共通させて配設したことを特徴とする請求項1に記載の仮設山留構造体。
【請求項3】
前記縦支柱の下端は、尖軸状のパイルまたは略四角形状のベースまたはボール捩子状の距離を調節するジャッキベースのうちの1種類が接続されてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の仮設山留構造体。
【請求項4】
前記横支柱に配設した前記鋼矢板ガイドは、両端部が前記横支柱の直径の±10mmの範囲の上下幅としたL形鋼部材、それ以外が前記横支柱の直径の±10mmの範囲の上下幅のT形鋼部材とし、前記L形鋼部材と前記T形鋼部材は前記横支柱に溶接してなることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の仮設山留構造体。
【請求項5】
前記縦支柱に対し90度の角度で接続した2本の前記横支柱間には、前記横支柱に両端を溶接したL形鋼部材と、前記2本の横支柱に両端を溶接したL形鋼部材相互間の前記縦支柱を頂点とする角度が変化しないように入隅に火打梁を配設したことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の仮設山留構造体。
【請求項6】
前記横支柱に設けた前記鋼矢板ガイドは、前記鋼矢板の断面の高さ及び幅の寸法を離脱することなく通過させる寸法の断面形状とし、その上下方向の移動を自在としたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の仮設山留構造体。
【請求項7】
前記横支柱に設けた前記鋼矢板ガイドは、前記鋼矢板の断面の高さ及び幅を通過させるように前記鋼矢板の幅間隔に丸棒または角棒からなる区切部材を配設し、前記区切部材の一方を前記横支柱に溶接し、他端側を帯状部材または棒状部材に溶接してなることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の仮設山留構造体。
【請求項8】
前記縦支柱の前記接続受部は、4個のコ字状の受部を円弧部分を介して連続形成し、かつ、前記円弧部分を用いて前記縦支柱の支柱本体部に溶接してなることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載の仮設山留構造体。
【請求項9】
前記横支柱に形成された両端部の前記挿入係合部は、前記挿入係合部の両端部の外側までの距離は同一とし、楔状に先端よりも前記横支柱の内側を変化させたことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1つに記載の仮設山留構造体。
【請求項10】
上下方向に垂直に立設される縦支柱は、前記上方向からの挿入に対してその挿入を受ける2段以上の接続受部を配設しており、
それら対向配置する前記縦支柱の同一高さにある前記接続受部に2本を対とする横支柱として配設された両端の挿入係合部が挿入接続され、
前記横支柱を一辺として水平方向に形成され、隣接する鋼矢板相互間を摺動連結することなく、前記鋼矢板毎に前記上下方向に挿脱自在とする前記横支柱の長さ方向の幅及び前記横支柱に対する垂直方向の高さを区画する鋼矢板ガイドを設け、前記鋼矢板を前記縦支柱に平行して上下方向に通したことを特徴とする仮設山留方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土砂の崩壊を防ぐ山留めに関するもので、地下埋設物用の穴を掘ったり、地下埋設物を埋設したり、それを掘り出したりする際に、作業員が生き埋めになったり、土砂に埋まったりする可能性を排除する仮設山留構造体及び仮設山留方法に関するもので、本発明は、土砂の崩壊を防ぐ軽量鋼矢板を含む鋼矢板を用いた仮設山留構造体及び仮設山留方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、従来、平面形状が長方形の直方体状である立坑や根切り等において、支保工で山留めを行う仮設山留方法として、
(1)矩形の縦辺部分及び横辺部分のうち、一方は切梁式の支保工、他方はアンカー式の支保工にて山留めを行う方法。
(2)一方は切梁式の支保工、他方は火打梁式の支保工で山留めを行う方法。
(3)両方をアンカー式の支保工にて山留めを行う方法。
(4)両方を切梁式の支保工にて山留めを行う方法。
(5)その他の形式の支保工(例えば、アイランド工法等)にて山留めを行う方法。
等の方法の中から、山留壁の規模、土質の性状、施工ステップ等の条件によりに好ましい方法が選択されてきた旨説明されている。
【0003】
上記各種方法のうち、上記(4)の場合、即ち、矩形の縦辺部分及び横辺部分の両方を切梁式の支保工にて山留めを行う場合には、山留め用の横架材である縦横2方向の切梁が上下にずれた状態で交差して配設されることとなるが、この場合には以下のような問題点が生じることがある。
(a)縦方向の切梁と横方向の切梁との間の鉛直方向の間隔が狭いので施工性が悪い。
(b)切梁の設置が煩雑となり、重機による作業の効率や安全性が低い。
(c)平面的にも切梁の占有率が大きくなり、荷下ろし等の作業スペースを確保し難い。
なお、この場合には、山留用の横架材である縦横2方向の腹起こしも、上記切梁の場合と同様に、上下にずれた状態で直角をなして配設されていて、上記と同様の問題点を有している。そこで、特許文献1は従来技術の問題点を解決し、施工性が良好で、設置作業の効率及び安全性が高い山留め用横架材の配設構造を提供している。
【0004】
ところが、地下構造物を埋設するには、埋設場所の地盤を必要な深さまで掘削(根切り)しなければならないが、掘削するには根切り内外の地盤の安定を保つために周囲の土砂が崩壊しないように支える仮設構造物としての山留工が必要となる。
従来の山留工は、図19に示すように、一方の面に示すように、掘削に先行して掘削面に親杭としてH形鋼、古レール等を土質に応じて適当な間隔に打込み、掘削が進むに従って親杭の間に土止め用の横矢板aを挿入して土止壁を構成し、或いは、他方の面に示すように、掘削に先行して鋼矢板50を連続して打込み、この鋼矢板50によって土止壁を構成したりする山留工が行われている。
しかしながら、従来の山留工では、親杭や鋼矢板の内側に腹起や切張b等を設け、更に腹起dと切張bとの入隅に火打梁60を設けることによって、土止壁に働く外力(土圧・水圧)を支えているので、システム・ボックス化した地下構造物をクレーンで吊り下げて埋設する場合、腹起や切張などの支保用部材が邪魔になって、埋設ができないという不具合があった。そのうえ、掘削に先行して親杭や鋼矢板が打込まれるので、打込み時の打撃力によって生ずる振動で近傍の地盤が崩壊されるおそれがあるため、既設の地上家屋に隣接して地下居室としての地下構造物を埋設する場合の山留工としては採用できない。
【0005】
特許文献2では、このような背景で創造されたものであって、その意図するところは、限られた狭い敷地内で地上家屋に隣接して地下居室としての地下構造物を埋設するにあたり、腹起や切張など埋設工事の邪魔になる支保用部材を一切排除し、四周壁のみによって形成された山留フレームで、掘削周囲の土砂の崩壊を確実に防止でき、地上家屋の荷重を支えている基礎部分に崩壊などの悪影響を及ぼすことなく、安全かつ効率的に掘削作業を行うことができる地下構造物埋設用山留の構造を開示している。
【0006】
上記課題を解決するため、本発明が採用した地下構造物埋設用山留フレームの第1の技術的手段は、掘削面を囲繞する上下方向開放状の四周壁からなる山留フレームであって、上記山留フレームは、掘削初期の段階で周囲の土砂の崩壊を防止する上段四周壁と、掘削の進行に伴って上段四周壁の開放部内に挿入して下層掘削露出面の崩壊を防止する下段四周壁とによって構成されている。また、第2の技術手段は、上段四周壁及び下段四周壁は、それぞれ波型鋼板によって形成された単位壁の上下端部に上部胴梁及び下部胴梁が固定され、上部胴梁及び下部胴梁の出会い間はそれぞれ入隅に設けた鋼製火打梁を介して着脱自在に連結して構成されている。そして、第3の技術手段は、上段及び下段四周壁の上部胴梁には、それぞれ所要位置に吊り金具が固設されている。更に、第4の技術手段は、上段四周壁の上部胴梁及び下部胴梁の長手方向所要位置に上下に連通する貫通孔が穿設され、該貫通孔に嵌挿した中空状の間柱には、先端側を外側方に折曲形成した支持杆が嵌挿固定され、該支持杆を介して上段四周壁の上方外側方を囲繞する安全フェンスが張設されている。更にまた、第5の技術手段は、上段及び下段四周壁には、それぞれ上部胴梁と下部胴梁に係脱自在に係合される足場用梯子が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−262560
【特許文献2】特開2000−204553
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、特許文献1は、縦方向の腹起こしと横方向の腹起こしとを2本の接合手を備えたL字状の接合部材を介して、同一平面上において直角をなす形態で接合した。また、縦方向の切梁と横方向の切梁とを、同一平面上に突出した4本の接合手を備えた十字状の接合部材を介して、同一平面上において交差した形態で接合したことにより、施工性が良好で、設置作業の効率及び安全性が高い山留め用横架材の配設構造を得ている。
したがって、特許文献1では、掘削初期の段階で周囲の土砂の崩壊を防止する上下方向鋼矢板で周壁を形成する際に、周壁を形成する鋼矢板を打ち込む必要があり、また、周壁を形成する内側には、腹起こし、接合部材が存在し、作業員が内部に入って作業できる環境ではなかった。
【0009】
また、特許文献2は、掘削初期の段階で周囲の土砂の崩壊を防止する上下方向開放状の上段四周壁と、掘削の進行に伴って上段四周壁の開放部内に挿入して下層掘削露出面の崩壊を防止する上下方向開放状の下段四周壁とによって構成され、限られた狭い敷地内に、地上家屋に隣接して地下居室としての地下構造物を埋設する場合、掘削周囲の土砂の崩壊を確実に防止して掘削することができる地下構造物埋設用山留フレームを提供している。
ここで、上段四周壁を構成する単位壁は波型鋼板によって形成され、H形鋼からなる上部胴梁、下部胴梁と鋼製の火打梁とによって外力(土圧・水圧)に対する剛性が確保されており、また下段四周壁を構成する単位壁も同様に波型鋼板によって形成されているとともに、H形鋼からなる上部胴梁、下部胴梁と鋼製の火打梁によって外力(土圧・水圧)に対する剛性が確保されているので、掘削初期の段階では上段四周壁によって掘削周囲の土砂の崩壊が防止され、掘削の進行に伴って下層の掘削露出面の崩壊は下段四周壁によって防止される。したがって、狭い敷地内で地上家屋に隣接して地下居室としての地下構造物を埋設する場合でも、地上家屋の荷重を支えている基礎部分に崩壊などの悪影響を及ぼすことなく掘削することができる。
【0010】
しかし、特許文献2は上部胴梁、下部胴梁と鋼製の火打梁とによって外力(土圧・水圧)に対する剛性が確保されるものであるが、これら特許文献1及び特許文献2には、共通する事項として水漏れを防止する機能を有しており、それだけ波型鋼板(鋼矢板)の接合を密にする必要があり、例えば、特許文献1のように、四周壁に鋼矢板を打ち込んで形成するとなると、作業時間は長時間にならざるを得なかった。
また、実際の現場では、水脈を縦断するような個所に地下埋設物を埋設したり、その埋設用の穴を掘ったりすることは非常にまれなことであり、皆無に近いことである。また、山間部の傾斜地に建立された家屋で水脈を縦断するような場合があっても、ポンプで汲み上げれば十分である。
そして、四周壁に鋼矢板を打ち込んだり、それを引き抜いたりするとなると特殊な圧入機本体、バイブロハンマー、ラフテレーンクレーン等の専用機が必要となり、作業コストが高くなる可能性がある。また、土木、建築現場には、作業に不慣れな作業員も少なくなく、作業内容及び作業順序に間違いがあると、現場の従業員ばかりか、道路の通行人まで災いが降りかかることがある。
【0011】
そこで、本発明は、上記問題点を解消すべくなされたもので、不慣れな作業員であっても間違いがなく組付け及び分解ができ、かつ、専用機による鋼矢板の打ち込み等の施工を必要とせず、隣接する土砂の崩壊を防ぐことができ、かつ、その施工が簡単な仮設山留構造体及び仮設山留方法の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明にかかる仮設山留構造体において、上下方向に垂直に立設された縦支柱は、上方向からの横支柱の両端部に配設した挿入係合部の挿入に対して、その挿入を受ける2段以上の接続受部を配設している。2個を対とする横支柱は、対向配置する前記縦支柱の同一高さにある接続受部に両端部の挿入係合部が挿入され、それらが結合されることにより接続される。
少なくとも前記横支柱の1本以上には、前記2対の横支柱で囲まれた水平方向の矩形空間の外側で、しかも、前記挿入係合部を設けた前記横支柱の位置から90度回動した位置に鋼矢板を上下方向のみに通す幅及び高さを有する鋼矢板ガイドが配設され、前記横支柱の長さ方向に対して直角方向に移動自在にしている。このとき、前記鋼矢板は打設等により、その下端を地中に埋設させるのが望ましい。また、前記鋼矢板ガイドは、前記横支柱を一辺として水平方向に形成され、隣接する前記鋼矢板相互間を係合等により摺動させて連結することなく、前記鋼矢板毎に上下方向に挿脱自在とするもので、前記横支柱の長さ方向の幅及び前記横支柱に対する垂直方向の高さを区画するものである。なお、この区画は、鋼矢板の全周を取り巻くものに限らず、部分的に保持するものも含む。
ここで、上記縦支柱は、上下方向に垂直に立設され、2本を対とし、2対を最小単位とし、2対以上から構成された上記縦支柱の支柱本体部に、上方向からの挿入に対してその挿入を受ける2段以上設けた接続受部を配設するものである。2段以上設ける接続受部は、取付ける横支柱が腹起しとして機能するから、20〜100cmの間隔に1ヵ所設けるのが望ましい。しかも、接続受部は、2ヵ所以上、4個所以下であればよいが、できれば、1ヵ所で90度毎に隣接した3個所または4個所の受部とするのが望ましい。
【0013】
また、上記横支柱は、対向配置する前記縦支柱の同一高さにある前記接続受部に両端部の挿入係合部が挿入接続される2個を対とするもので、その長さは対では同じ寸法であり、各種の長さが用意されている。
前記横支柱の2本以上には、前記2対の横支柱で囲まれた水平方向の矩形空間で形成された外側の一方乃至四方に、鋼矢板を上下方向のみに通す幅及び高さを有する鋼矢板ガイドが設けられている。ここで使用する鋼矢板は、軽量鋼矢板、波型鋼板等の鋼矢板とすることができる。本実施の形態では、NS−SP−II(新日鉄住金株式会社)、JFESP
−2(JFEスチール株式会社製造)を使用した。コンパクトに、軽量に仮設山留構造体をまとめるには、鋼矢板は軽量鋼矢板とするのが望ましい。なお、本発明を実施する場合の鋼矢板は、格別な断りがない限り、軽量鋼矢板を含む波型鋼板等の鋼矢板の意味で説明する。
そして、上記鋼矢板ガイドは、前記横支柱を一辺として水平方向に形成され、鋼矢板を前記上下方向に挿脱自在とする前記横支柱の長さ方向の幅及び前記横支柱に対する垂直方向の高さを区画するもので、前記横支柱の1本以上に、前記挿入係合部を設けた前記横支柱の位置から90度回動した位置に、前記鋼矢板を上下方向のみに通す幅及び高さの案内を形成したものである。
【0014】
請求項2の発明にかかる仮設山留構造体における前記縦支柱に配設した2段以上の接続受部は、前記縦支柱の水平断面に対して2個乃至4個のコ字状の受部とし、かつ、前記接続受部の寸法を共通させて配設したものであり、前記縦支柱の水平断面に対して180度の位置及び/または90度の位置としたものである。また、全接続受部の寸法を共通させて2段以上として配設したものである。
【0015】
請求項3の発明にかかる仮設山留構造体の前記縦支柱の下端は、尖軸状のパイルまたは略四角のベースまたはジャッキベースの何れか1つを接続してなるものである。
ここで、下端が尖がった金属製の尖軸状のパイルは地中に打ち込む場合に好適であり、略四角のベースは所定の面積(100mm角〜300mm角)により前記縦支柱の荷重を負担するもので、地中が硬いときに地表に配置するのに好適であり、金属製または合成樹脂製である。またはジャッキベースは、他の縦支柱との位置合わせに好適なボール捩子を形成した金属製である。これらの機能を有するものであればよい。
【0016】
請求項4の発明にかかる仮設山留構造体の前記横支柱に配設した鋼矢板ガイドは、前記横支柱の直径の±10mmの上下幅にL形鋼を切断してなるL形鋼部材、それ以外が同様に、前記横支柱の直径の±10mm上下幅のT形鋼部材で形成され、前記L形鋼部材と前記T形鋼部材は前記横支柱に溶接してなるものである。
ここで、前記横支柱に配設した鋼矢板ガイドは、前記横支柱が腹起しとして機能するから前記横支柱で囲まれた空間側を前記横支柱側とし、そこで外周に配設した鋼矢板を押えるものであるから、前記横支柱の鋼矢板側は前記鋼矢板が垂直を維持できればよい。鋼矢板は横方向から入れることも可能であるが、人の安全性にかかわることであるから、鋼矢板を垂直に出し入れするのが好適である。
【0017】
請求項5の発明にかかる仮設山留構造体における前記縦支柱に90度の角度で接続した2本の前記横支柱間には、前記横支柱に両端溶接したL形鋼部材と、前記2本の横支柱に両端溶接したL形鋼部材相互間の角度が変化しないように入隅に火打梁を配設したものである。
ここで、入隅の火打梁は、仮設山留構造体が平面視で矩形状を呈するものであるから、平行四辺形の弱さ、即ち、角度変化を火打梁で変化しないように補強するものである。この入隅の火打梁は、できれば、直角二等辺三角形を描くように、前記2本の横支柱に両端が接続できる機械的構造とすればよい。
【0018】
請求項6の発明にかかる仮設山留構造体における前記横支柱に設けた鋼矢板ガイドは、鋼矢板の高さ及び幅を長さ方向に通過させながらも、水平方向に移動できないようなサイズにL形鋼部材、T形鋼部材を形成したものである。
ここで、鋼矢板の高さ及び幅を通過させるサイズにL形鋼部材、T形鋼部材を形成した鋼矢板ガイドは、最も廉価に構成できるものである。ここで、鋼矢板は上下に挿入自在であるが、側部から嵌め込みは困難であり、組み立てが歪(いびつ)な形状になり得ない。
【0019】
請求項7の発明にかかる仮設山留構造体における前記横支柱に設けた鋼矢板ガイドは、鋼矢板の高さを通過させるサイズに両端板のサイズを決め、前記鋼矢板の幅間隔に丸棒または角棒からなる区切部材を配設し、前記両端板と前記区切部材の一方を前記横支柱に溶接し、他端側を帯状部材または棒状部材で接続したものである。
ここで、前記横支柱に設けた鋼矢板ガイドは、前記鋼矢板の幅間隔に前記鋼矢板の設置枚数+1枚の区切部材を配設し、前記区切部材の一方を前記横支柱に溶接し、他端側を帯状部材または棒状部材に溶接接続したものである。
【0020】
請求項8の発明にかかる仮設山留構造体における前記縦支柱の接続受部は、平面視で4個のコ字状を連続形成し、それを支柱本体部に溶接してなるものである。
ここで、平面視で4個のコ字状を連続形成し、1ヵ所が開放となっているから、それを含めて溶接個所を最大でも4個所としたものである。プレス成型した後に長円孔、円孔、三角形孔、長方形孔、スリットの何れか1つ以上を打ち抜いてもよいし、プレス成型と同時に、または端部側から順次打ち抜き及びプレス成型してもよい。なお、長円孔、円孔、三角形孔、長方形孔、スリットは正確な形状を問うものではなく、概略の形状を意味するものである。
なお、連結部の形成は、1枚の金属板を平板状態とし、コ字状の受部を1度のプレス加工で4個を形成し、次に、それを立てて、連結部の形状を形成するものであるが、複数回に分けて加工する場合もある。また、先にコ字状の受部をプレス加工で4個を同時にまたは順次形成し、次に、その連結部を順次巻き込むように形成することもできる。そして、先にコ字状の受部と連結部を順次巻き込むように形成することもできる。この状態で支柱本体の端部に挿入すると、弾性力に抗して移動可能になっている。
【0021】
請求項9の発明にかかる仮設山留構造体における前記横支柱に形成された両端部の挿入係合部は、その外側の寸法を変化させないで、楔状に先端よりも前記横支柱の内側を太く(変化させたもの)したものである。これにより、前記横支柱に形成された両端部の挿入係合部の結合深さによっては、縦支柱の間隔を変化させない。
ここで、上記挿入係合部は、楔状に先端よりも前記横支柱側を太くしたものであり、それを受ける接続受部も同様にテーパにするのが望ましいが、上下同一開口寸法としてもよい。
【0022】
請求項10の発明にかかる仮設山留方法は、上下方向に垂直に立設され、2本を対とし、2対以上から構成された縦支柱は、上方向からの挿入に対してその挿入を受ける2段以上配設した接続受部を有する。また、2個を対とする横支柱は、対向配置する前記縦支柱の同一高さにある接続受部に両端部の挿入係合部が挿入接続される。少なくとも前記横支柱の1本以上には、前記2対の横支柱で囲まれた水平方向の矩形空間の外側で、しかも、前記挿入係合部を設けた前記横支柱の位置から90度回動した位置に鋼矢板を上下方向のみに通す幅及び高さを有する鋼矢板ガイドを配設し、前記横支柱の長さ方向に対して直角方向に移動自在にするものである。また、前記横支柱を一辺として水平方向に形成され、隣接する前記鋼矢板相互間を摺動させて連結することなく、前記鋼矢板毎に上下方向に挿脱自在とするもので、前記横支柱の長さ方向の幅及び前記横支柱に対する垂直方向の高さを区画する鋼矢板ガイドを構成している。
ここで、上記縦支柱は、上下方向に垂直に立設され、2本を対とし、2対を最小単位とし、2対以上から構成された支柱本体部に、上方向からの挿入に対してその挿入を受ける2段以上設けた接続受部を設けたものである。しかも、接続受部は、2ヵ所以上、4個所以下であればよいが、できれば、1ヵ所で3個所または4個所の受部とするのが望ましい。
また、上記横支柱は、対向配置する前記縦支柱の同一高さにある前記接続受部に両端部の挿入係合部が挿入接続される2個を対とするもので、その長さは対では同じ寸法である。
前記横支柱の2本以上には、前記2対の横支柱で囲まれた水平方向の矩形空間の外側の一方乃至四方に、鋼矢板を上下方向のみに通す幅及び高さを有する鋼矢板ガイドが設けられている。ここでは鋼矢板として、NS−SP−II(新日鉄住金株式会社)、JFESP
−2(JFEスチール株式会社製造)を使用した。コンパクトに、軽量に仮設山留構造体をまとめるには、鋼矢板は軽量鋼矢板とするのが望ましい。なお、本発明を実施する場合の鋼矢板は、格別な断りがない限り、軽量鋼矢板を含む波型鋼板等の鋼矢板の意味で説明する。
そして、上記鋼矢板ガイドは、前記横支柱の1本以上に、前記挿入係合部を設けた前記横支柱の位置から90度回動した位置に、鋼矢板を上下方向のみに通す幅及び高さのガイドを形成したものである。
【発明の効果】
【0023】
請求項1の発明の仮設山留構造体における縦支柱には、上方向からの挿入に対してその挿入を受ける2段以上の接続受部が配設されている。対向配置する前記縦支柱の同一高さにある接続受部に対して、2個を対とする横支柱の両端の挿入係合部が挿入される。このようにして、4本以上の縦支柱と2対以上の横支柱によって縦支柱と横支柱からなる立体的な枠体が形成される。また、前記横支柱を一辺として水平方向に形成され、隣接する前記鋼矢板相互間を摺動連結することなく、前記鋼矢板毎に上下方向に挿脱自在とするもので、前記横支柱の長さ方向の幅及び前記横支柱に対する垂直方向の高さを区画する鋼矢板ガイドを構成している。
前記横支柱の2本以上には、前記2対の横支柱で囲まれた水平方向の矩形空間の外側の一方または二方乃至四方に、鋼矢板を上下方向のみに通す幅及び高さを有する鋼矢板ガイドが設けられているから、前記横支柱の2本以上に鋼矢板を上下方向に挿通し、鋼矢板を設置できる。このとき、横支柱は腹起しとして機能するから、鋼矢板の外部の土砂が内部に入り込むことがない。鋼矢板を上下方向のみに通す幅及び高さを有する鋼矢板ガイドは前記横支柱の水平の両側に設けることもできるが、横支柱の腹起しとして機能する片側のみが好適である。
殊に、発明者らの経験では、道路、宅地の山留めでは、水脈に触れることは殆どなく、山間部の傾斜地においても、水量の多い水脈に接したり、または、それを横断したりすることは非常に稀で、殆どそのようなことは生じない。生じたとしても、水が滲む程度であり、また、仮に生じたとしても、ポンプを取付ければ解決する。
更に、土砂は鋼矢板で堰き止められ、鋼矢板相互間の間隔は最大でも10〜30mmの隙間が形成できる程度であり、殆ど土砂が前記2対の横支柱で囲まれた水平方向の矩形空間に流れ込むことがない。
そして、鋼矢板で堰き止められた土砂は、必要本数の縦支柱と横支柱で腹起しとして機能するから、安定して土砂を堰き止める。
更に、本発明の仮設山留構造体は、地面の上に組み立ててから地中を掘削(根切り)し、そこに移動させてもよいし、重機を使用して所定の深さまで掘った後に本発明の仮設山留構造体を地中に設営してもよい。特に、地中に埋設する浄化槽等の機器等が存在する場合でも、設置状態で長時間設定できる。また、本発明の仮設山留構造体は、山留めを行う事例で説明したが、建築現場用足場の仮囲いとしても使用できる。また、ガードフェンスとしても使用できる。
したがって、不慣れな作業員であっても組付けと分解の順序に狂いが生じないから、間違いがなく組付け、分解ができ、かつ、専用機による鋼矢板の施工を必要とせず、土砂の崩壊を防ぐことができ、かつ、その施工が簡単な仮設山留構造体となる。
【0024】
請求項2の発明の仮設山留構造体における前記縦支柱の2段以上の接続受部は、前記縦支柱の水平断面に対して180度2個のコ字状の受部または90度4個のコ字状の受部、90度3個のコ字状の受部とし、かつ、前記縦支柱の長さ方向に2段以上共通させて配設したものであるから、請求項1に記載の効果に加えて1ヵ所の位置決めができれば、他の箇所も自動的に決定でき、かつ、前記接続受部によって前記縦支柱に回転力を付与しないので、安定した構造体を組付けることができる。また、各接続受部を同一形状とすることにより、使用する材料を2種類の縦支柱、横支柱のみとすることができ、軽量鋼矢板を含む波型鋼板等の鋼矢板を入れても3種類の部品のみで成り立つものであるから、その構成部品の管理が容易である。
【0025】
請求項3の発明の仮設山留構造体における前記縦支柱の下端は、尖軸状のパイルまたは略四角のベースまたはジャッキベースのうちの1種類が接続されてなるから、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、本発明の仮設山留構造体を設置する場合の土地の条件によって軟弱な土(土砂)であると判断されたときには、前記縦支柱の下端を尖軸状のパイルに、堅固な土(土砂)であると判断されたときには、前記縦支柱の下端を略四角のベースとし、また、位置合わせが必要な場合には、ジャッキベースとすることにより、土地の状態によって任意の組み立て構造体を構成できる。特に、掘削(根切り)したとき、前記縦支柱の下端に大きく段差が生じることがある。少ない誤差であれば、略四角のベースの位置決めによって吸収できるが、誤差が大きい場合には、ジャッキベースにより吸収する。
【0026】
請求項4の発明の仮設山留構造体における前記横支柱に配設した鋼矢板ガイドは、端部が前記横支柱の直径の±10mm幅のL形鋼部材、それ以外が前記横支柱の直径の±10mm幅のT形鋼部材で形成し、前記横支柱に溶接してなるものであるから、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の効果に加えて、比較的軽量に鋼矢板ガイドが形成できるから、組付け及び分解の際の操作性が良い。また、前記横支柱の直径の±10mm幅の形鋼からL形鋼部材、T形鋼部材が形成されているから、トラックの荷台に乗せた場合でも、前記横支柱の回転が拘束されるから積載状態が安定化できる。
【0027】
請求項5の発明の仮設山留構造体における前記縦支柱に90度の角度で接続した2本の前記横支柱間には、前記横支柱に両端を溶接したL形鋼部材と、2本の前記横支柱に両端を溶接したL形鋼部材相互間の角度が変化しないように入隅に火打梁を配設したものであるから、請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の効果に加えて、2本の横支柱間が火打梁で固定されるので、本発明の仮設山留構造体を堅固に維持することができる。特に、本発明の仮設山留構造体をピット状に埋設した山留めの場合には、大きな外力に耐えられる。また、本発明の仮設山留構造体は、山留めを行う事例で説明しているが、建築現場用足場の仮囲いとしても使用できる。また、ガードフェンスとしても使用でき、建築現場用足場との違和感がない。
【0028】
請求項6の発明の仮設山留構造体における前記横支柱に設けた鋼矢板ガイドは、上下方向のみに鋼矢板の高さ及び幅を通過させる寸法にL形鋼部材、T形鋼部材を溶接して形成したものであるから、請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の効果に加えて、鋼矢板を最も軽量な状態で保持できるから、軽量化に優れている。
【0029】
請求項7の発明の仮設山留構造体における前記横支柱に設けた鋼矢板ガイドは、鋼矢板の断面の高さ及び幅を通過させる幅間隔に丸棒または角棒からなる区切部材を配設し、前記区切部材の一方を前記横支柱に溶接し、他端側を帯状部材または棒状部材に溶接してなるものであるから、請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の効果に加えて、シンプルな構造でありながら、外側に鋼矢板ガイドの一部が突出せず、それらを帯状部材または棒状部材でカバーしているから、乱暴に扱っても、鋼矢板の断面の高さ及び幅を通過させる寸法に狂いが出難い。
【0030】
請求項8の発明の仮設山留構造体における前記縦支柱の接続受部は、平面視で4個のコ字状を連続形成し、それを支柱本体部に溶接してなるものであるから、請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載の効果に加えて、4個連続配置させることができ、その間に前記本体部に溶接する長円孔、円孔、スリットの何れか1つを用いて溶接面積を広くとることができるから機械的強度が強く、かつ、コ字状の接続受部を個々に扱う必要がないから、溶接作業が機械的にでき、使用中であっても外力が一点に集中しないから、不良が出難い。
【0031】
請求項9の発明の仮設山留構造体における前記横支柱に形成された両端部の挿入係合部は、前記挿入係合部の両端部の外側までの距離は同一とし、楔状に先端よりも前記横支柱の内側を太く形成したものであるから、請求項1乃至請求項8の何れか1つに記載の効果に加えて、楔状に先端よりも前記横支柱側を太くしたものであるから組付け易い。また、組付けた際に、隣接する縦支柱の距離が変化しないから、両端部の挿入係合部と接続受部との組付けを行っても、全体の寸法に狂いが生じない。
【0032】
請求項10の発明の仮設山留方法は、上下方向に垂直に立設された縦支柱は、上方向からの横支柱の挿入に対してその挿入を受ける2段以上の接続受部を配設しており、それら対向配置する前記縦支柱の同一高さにある前記接続受部に2本を対とする横支柱の両挿入係合部が挿入接続され、前記横支柱の1本以上に、前記2対の横支柱で囲まれた水平方向の矩形空間の外側で、しかも、前記挿入係合部を設けた前記横支柱の位置から90度回動した位置に鋼矢板ガイドを設け、鋼矢板を前記横支柱の長さ方向に対して直角方向に移動自在に上下方向のみに通すものである。
このように構成される前記横支柱の2本以上には、前記2対の横支柱で囲まれた水平方向の矩形空間の外側に位置する一方または二方または四方に、鋼矢板を上下方向のみに通す幅及び高さを有する鋼矢板ガイドが設けられているから、前記横支柱の2本以上に鋼矢板を上下方向に挿通し、鋼矢板を設置できる。また、前記横支柱を一辺として水平方向に形成され、隣接する前記鋼矢板相互間を摺動連結することなく、前記鋼矢板毎に上下方向に挿脱自在とするもので、前記横支柱の長さ方向の幅及び前記横支柱に対する垂直方向の高さを区画する鋼矢板ガイドを構成している。このとき、前記横支柱は腹起しとして機能するから、鋼矢板の外部の土砂が内部に入り込むことがない。
殊に、発明者らの経験では、道路、宅地の山留めでは、水脈に触れることは殆どなく、山間部の傾斜地においても、水量の多い水脈に接したり、または、それを横断したりすることは非常に稀であります。殆どが、水が滲む程度であり、ポンプを取付ければ解決する。
また、土砂は鋼矢板で堰き止められ、鋼矢板相互間の間隔は最大でも1〜2cmの隙間が形成できる程度であり、殆ど土砂が前記2対の横支柱で囲まれた水平方向の矩形空間に流れ込むことがない。
そして、鋼矢板で堰き止められた土砂は、必要本数の縦支柱と横支柱で腹起しとして機能するから、安定して土砂を堰き止める。
更に、本発明の仮設山留構造体は、地面の上に組み立ててから地中を掘って行ってもよいし、重機を使用して所定の深さまで掘った後に本発明の仮設山留構造体を地中に設営してもよい。特に、地中に埋設する浄化槽等の機器等が存在する場合でも、設置状態で長時間設定できる。また、本発明の仮設山留構造体は、山留めを行う事例で説明したが、建築現場用足場の仮囲いとしても使用できる。また、ガードフェンスとしても使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は本発明の実施の形態の仮設山留構造体における最小単位の骨組みを斜視図で示す説明図である。
図2図2は本発明の実施の形態の仮設山留構造体を掘削(根切り)したピットに設置する場合の事例である。
図3図3は本発明の実施の形態の仮設山留構造体を掘削(根切り)する土地に直接設置した場合の事例である。
図4図4は本発明の実施の形態の仮設山留構造体における1枚の鋼矢板を挿入直前の斜視図である。
図5図5は本発明の実施の形態の仮設山留構造体における1枚の鋼矢板を挿入中の斜視図である。
図6図6は本発明の実施の形態の仮設山留構造体における1枚の鋼矢板を挿入後の斜視図である。
図7図7は本発明の実施の形態の仮設山留構造体における縦支柱としての2種類の態様を説明する斜視図で、(a)は段差のない接続受部の実施の形態、(b)は段差のある接続受部の実施の形態である。
図8図8は本発明の実施の形態の仮設山留構造体における縦支柱の3種類の下端の態様を説明する斜視図で、(a)は尖軸状のパイル、(b)は略四角のベース段差、(c)はジャッキベースの形態である。
図9図9は本発明の実施の形態の仮設山留構造体における縦支柱が有する4個の接続受部の態様を説明する(a)は平面図、(b)は斜視図及び(c)は展開図である。
図10図10は本発明の実施の形態の仮設山留構造体における縦支柱が有する3個の接続受部の態様を説明する(a)は平面図、(b)は斜視図及び(c)は展開図である。
図11図11は本発明の実施の形態の仮設山留構造体における縦支柱が有する2個の接続受部の態様を説明する(a)は平面図、(b)は斜視図及び(c)は展開図である。
図12図12は本発明の実施の形態の仮設山留構造体で使用する鋼矢板の幅及び高さを説明する(a)は断面図及び(b)は斜視図である。
図13図13は本発明の実施の形態の仮設山留構造体における横支柱が有する鋼矢板ガイドの態様を説明する(a)は平面図、(b)は正面図である。
図14図14は本発明の実施の形態の仮設山留構造体における横支柱が有する鋼矢板ガイドの態様を説明する(a)は分解斜視図、(b)は他の形態の要部の一部の分解斜視図である。
図15図15は本発明の実施の形態の仮設山留構造体における横支柱が有する鋼矢板ガイドの他の態様を説明する斜視図である。
図16図16は本発明の実施の形態の仮設山留構造体における3壁面に鋼矢板を挿入した態様を説明する(a)は斜視図、(b)は平面図である。
図17図17は本発明の実施の形態の仮設山留構造体における鋼矢板ガイドに鋼矢板を挿入した態様を説明する断面図である。
図18図18は本発明の実施の形態の仮設山留構造体を建築現場用足場の仮囲いまたはガードフェンスとして使用した場合の斜視図である。
図19図19は従来の支保工にて山留めを行う場合の説明を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図示の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する説明を省略する。
【0035】
[実施の形態]
図1乃至図18において、上下方向に垂直に立設される縦支柱10は、2本を対とし、2対以上の4本、6本、8本・・・から構成される。通常、鉄製の亜鉛メッキ筒体で、長さが約90、180、270、360、・・・cmの建築物の規格と同一または近似させた数値になっている。1本の縦支柱10には、20〜100cmの間隔毎に1ヵ所の接続受部20を設けている。但し、この寸法は均等割りしてもよいが、縦支柱10の上下端部側は他の接続するアダプタとの関係で、他よりも短くするのが一般的である。なお、本発明を実施する場合には、縦支柱10の材料、形状が問われるものではない。
【0036】
例えば、縦支柱10の下端は、杭等の筒状金属からなる尖軸状のパイル11または金属または合成樹脂状の略四角のベース12またはボール捩子状の距離を調節するジャッキベース13のうちの1種類が選択使用される。勿論、これらを接続しないで直接縦支柱10を立設する場合もあり得る。この選択は、本実施の形態の仮設山留構造体を設置する場合の条件によって決定される。例えば、図2に示すように、軟弱な土地であれば、掘ったピットPに対して尖軸状のパイル11を土または土砂に打ち込み、垂直に立設された縦支柱10に対して横方向、即ち、直角方向の外力に耐えるようにする。
また、地表が堅固な土地であれば、縦支柱10の下端を略四角のベース12とし、図3に示すように、堅固な土地に縦支柱10を打ち込むことなく仮設山留構造体を移動させて設置することができる。また、図2のように、本実施の形態の仮設山留構造体を設置した後に所定の範囲を掘削(根切り)する場合、或いは、図3のように、掘削(根切り)したピットPに対して仮設山留構造体を移動させて設置する場合がある。ここで、複数の略四角のベース12の位置が均一の高さにならない場合には、ボール捩子状の距離を調節するジャッキベース13とすることにより、土地の状態に応じた任意の組み立て構造体を構成できる。
【0037】
また、縦支柱10には、20〜100cmの間隔毎に接続受部20を設けている。接続受部20は縦支柱10の支柱本体部10Aの周囲に等間隔で、平面視すると縦支柱10の長さ方向の断面が3個からなるコ字状、または4個からなるコ字状、または縦支柱10の長さ方向の断面が2個からなるコ字状としている。このコ字状とは、平面視するコ字状の開口を支柱本体部10Aの周囲に溶接していることを意味する。
なお、ここで縦支柱10の支柱本体部10Aとは、接続受部20を除去したポールのみを意味するものである。具体的には、平面視4個からなるコ字状の接続受部20は、図9に示すように、コ字状の受部21及びそこから90度離れたコ字状の受部22、更にそこから90度離れたコ字状の受部23、コ字状の受部21とコ字状の受部23の間に形成したコ字状の受部24を有している。
なお、図9(c)の展開図においては、上辺と下辺は同一長さで描いているが、上辺と下辺は長さが若干異なり、下辺を短くさせている。したがって、コ字状の接続受部20には取付け状態ではテーパが掛っている。コ字状の受部21、コ字状の受部22、コ字状の受部23、コ字状の受部24は何れも上の開口面積が広く、下側の開口面積は狭くなっている。即ち、図9(c)の展開図に示す形状は金属板からプレス加工するもので、この金属板としては、1枚の略長方形または略扇形とすることができる。
【0038】
図9に示すコ字状の受部21とコ字状の受部22とコ字状の受部23、コ字状の受部24の各開口端部間は、縦支柱10の支柱本体部10Aの周囲に沿った曲率で形成されていて、その相互間には連結部21a,22a,23aが、その連結部21a,22a,23aには、長円の打ち抜き孔21b,22b,23bが穿設されている。長円の打ち抜き孔21b,22b,23bは、十分な溶接強度を出すために溶接距離及び面積を確保している。また、端部21c及び端部24cは蛇行した端部(ジグザグ端部)となっている。このジグザグも溶接時の十分な距離を得ようとするものであり、機械的強度を強くし、かつ、その距離を長くすることにより、接続受部20と挿入係合部40との結合時の弾性力を得ている。勿論、直線とすることもできる。
したがって、縦支柱10の支柱本体部10Aの周囲に沿った曲率でコ字状の受部21とコ字状の受部22とコ字状の受部23、コ字状の受部24を巻き付ければ、支柱本体部10Aの略1周を囲むことになり、長円の打ち抜き孔21b,22b,23bが溶接長さ及び面積を広くし、かつ、蛇行した端部21c及び端部24cも溶接長さ及び面積を広くすることができる。
【0039】
このように、上記実施の形態の縦支柱10は、直接コ字状を縦支柱10の支柱本体部10Aの周囲に溶接する従来例と異なり、縦支柱10の支柱本体部10Aの周囲に沿った長円の打ち抜き孔21b,22b,23bの曲率部分までが弾性的に機能するから、無理な操作を行っても弾性限界内であり、破損される可能性が少ない。したがって、従来にない弾性及び保持機能を発揮することができる。
具体的には、溶接ロボットが作業するので、縦支柱10の支柱本体部10Aの周囲に複数のコ字状の接続受部20Aを挿入しておき、接続受部20Aを位置決めしながら溶接を行う。
この実施の形態では、図9に示すように、4個からなるコ字状の受部21とコ字状の受部22とコ字状の受部23、コ字状の受部24を有する接続受部20Aであるが、これを3個のコ字状の受部25とコ字状の受部26とコ字状の受部27を有する接続受部20Bとすることもできる。なお、以下、接続受部の表現として、20A,20B,20Cは各実施の形態を示し、20は共通する接続受部を示すものとする。
【0040】
図10に示す3個のコ字状の接続受部20Bは、コ字状の受部25とコ字状の受部26とコ字状の受部27を有し、コ字状の受部25とコ字状の受部26の間、コ字状の受部26とコ字状の受部27の間は、連結部25a,26aが、その連結部25a,26aには、長円の打ち抜き孔25b,26bが穿設されている。長円の打ち抜き孔25b,26bが溶接長さ及び面積を広くし、かつ、蛇行した端部25c及び端部27cも溶接長さ及び面積を広くすることができる。
なお、図10(c)の展開図においては、上辺と下辺は同一長さで描いているが、上辺と下辺は長さが若干異なり、下辺を短くさせている。したがって、コ字状の接続受部20には取付け状態ではテーパが掛っている。コ字状の受部25、コ字状の受部26、コ字状の受部27は何れも上の開口面積が広く、下側の開口面積は狭くなっている。即ち、この図10(c)の展開図に示す形状も、金属板からプレス加工するもので、この金属板としては、1枚の略長方形または略扇形とすることができる。
【0041】
3個のコ字状の接続受部20Bは、2個のコ字状の接続受部20Cとすることもできる。図11に示すのはその例である。
2個のコ字状の接続受部20Cは、コ字状の受部28とコ字状の受部29を有し、コ字状の受部28とコ字状の受部29の間は、連結部28aが、その連結部28aには、長円の打ち抜き孔28bが穿設されている。長円の打ち抜き孔28bが溶接長さ及び面積を広くし、かつ、蛇行した端部28c及び端部29cも溶接長さ及び面積を広くすることができる。
本実施の形態においても、コ字状の受部28とコ字状の受部29の間は、単に、コ字状のみの形態を具備するものでないので、直接溶接したものに対してその材料の長さにゆとりがあるから、その弾性により結合状態が安定化する。
上記実施の形態では、円弧部分に形成した長円孔の長円の打ち抜き孔21b,22b,23b、長円の打ち抜き孔25b,26b、打ち抜き孔28bは、2列或いは3列の長円孔またはX状の長円孔とすることができる。またはジグザグ状の長円孔とすることもできる。
なお、図11(c)の展開図においては、上辺と下辺は同一長さで描いているが、上辺と下辺は長さが若干異なり、下辺を短くさせている。したがって、コ字状の接続受部20には取付け状態ではテーパが掛っている。コ字状の受部28、コ字状の受部29は何れも上の開口面積が広く、下側の開口面積は狭くなっている。即ち、図11(c)の展開図に示す形状も、金属板からプレス加工するもので、この金属板としては、1枚の略長方形または略扇形とすることができる。
【0042】
このように構成したコ字状の受部28とコ字状の受部29からなる2個のコ字状の接続受部20Cは、図7(b)に示すように、上下2段に設けると、4個のコ字状の接続受部20Aと同様に、1個の接続受部で4個のコ字状の接続部が使用できる。但し、段差ができるので、その段差を問題としないものとする必要がある。
このように、縦支柱10は、上下方向に垂直に立設され、2本を対とし、2対を最小単位とし、2対以上から構成され、かつ、上方向からの挿入に対してその挿入を受ける2段以上の接続受部20(20A,20B,20C)を配設したものであればよい。
また、1本の縦支柱10には、通常、複数個の接続受部20(20A,20B,20C)を配設し、しかも、複数個の接続受部20(20A,20B,20C)はコ字状の上部開口を同一開口形状としている。
【0043】
特に、複数個の接続受部20(20A,20B,20C)は通常、上下に20〜100cmの間隔毎に設けているが、例えば、2個のコ字状の接続受部20Cは、隣接して、しかも、90度回動させて、コ字状の受部28と180度離れた位置にコ字状の受部29を有し、コ字状の受部28とコ字状の受部29の間は、連結部28a及びその連結部28aに穿設した長円の打ち抜き孔28bが溶接長さ及び面積を広くし、かつ、蛇行した端部28c及び端部29cも溶接長さ及び面積を広くするものである。これを上下に隣接させ、互いに90度の回動させた位置で固定させると、段差のある4個のコ字状の接続受部20が形成される。
【0044】
勿論、接続受部20(20A,20B,20C)に対して、従来から存在する断面コ字状の受部を追加してもよい。また、接続受部20(20A,20B,20C)は1本の縦支柱10に対して同一形状に形成した接続受部20(20A,20B,20C)を複数設けるものであるから、縦支柱10の支柱本体部10Aのみと相違し、トラックの荷台に載せても、或いは荷台に凭せ掛けても転がることがない。
【0045】
対向配置する縦支柱10の同一高さにある接続受部20(20A,20B,20C)に両端部の挿入係合部40が挿入接続される2本を対とする横支柱30は、両端部の挿入係合部40が接合されていない状態の鉄製の亜鉛メッキ筒体で、長さが約90、180、270、360、・・・cmの建築物の規格と同一または近似させた数値になっている。
その両端には、接続受部20(20A,20B,20C)に係合する楔状の挿入係合部40が溶接され横支柱30を形成している。挿入係合部40は端部方向に同一長さとなっており、内側にテーパが掛った楔状を呈している。したがって、接続受部20(20A,20B,20C)との結合が如何なる状態であっても、縦支柱10相互間の距離を変更することがない。
したがって、小槌、金槌、ハンマー等で接続受部20(20A,20B,20C)に挿入係合部40を打ち込んでも、縦支柱10の接触点位置が移動しないので、全体形状もほとんど変化しない。
【0046】
更に、本実施の形態の横支柱30は、横支柱本体部30Aの両端部に溶接した挿入係合部40の近傍にL形鋼部材33を溶接している、このL形鋼部材33は、長尺物のL形鋼を横支柱本体部30Aの太さまたはそれに近い値で切断したもの、即ち、横支柱30の直径の±10mmの上下幅のL形鋼で形成され、横支柱30に溶接してなるものである。当然ながら、L形鋼部材33は、面取りした状態で横支柱30の端部に溶接した挿入係合部40付近に溶接するものである。このL形鋼部材33の配設する位置は、後述する鋼矢板50の幅で決定される。
【0047】
この横支柱30は、2本を対として1対は上下に、他の1対は対向側に配置する縦支柱10の同一高さにある接続受部20(20A,20B,20C)に両端部の挿入係合部40が挿入されて接続され、縦支柱10間に配設される。なお、接続受部20を配設した縦支柱10の最下部または最上部には、横支柱30を配設することもできる。横支柱30のL形鋼部材33相互間には、1個以上のT形鋼部材34が溶接によって等間隔に配設される。このT形鋼部材34も、横支柱30の直径の±10mm上下幅のT形鋼で形成されている。
長尺物のT形鋼部材34を横支柱本体部30Aの太さまたはそれに近い値で切断したものを面取りした状態で横支柱30のL形鋼部材33間に必要数溶接したものである。このT形鋼部材34の配設する位置は、後述する鋼矢板50の幅で決定される。
【0048】
図12に示すように、一般的に鋼矢板50は大きく開いている開口間が幅W、この幅Wに対して直角方向が高さHと呼ばれている。L形鋼部材33の横支柱30に沿っての長さは、当該幅Wよりも若干、例えば、3〜15mm大きいT形鋼部材34の間隔としている。この3〜15mmの中にT形鋼部材34の厚みも含まれている。
また、当該高さHは、鋼矢板50の高さHよりも前者同様、例えば、横支柱30から3〜15mm離れた距離としている。この距離は、鋼矢板50相互間のガタツキの隙間となるので、少ないのが望ましいが、鋼矢板50の上方からの挿入し難さに繋がる。また、鋼矢板50の長さの下端と上端でこの寸法が規制されるので、その影響力は大きくない。
【0049】
本実施の形態の鋼矢板50は、図12に示すように、略山形を成しているので、その高さHに合わせて横支柱30の外周からL形鋼部材33、横支柱30からT形鋼部材34の自由端までの距離を定め、その高さを特定している。また、横支柱30の長さ方向は、横支柱30の両端のL形鋼部材33内で複数のT形鋼部材34の厚みで区分し、鋼矢板50を挿入自在としたものである。この鋼矢板50の図12に示す略山形は、1山でも2山でも3山でもよいが、好ましくは、横支柱30の外周から大きく突出したL形鋼部材33、T形鋼部材34とならなければよい。この意味で、本実施の形態の鋼矢板50は薄手である軽量鋼矢板が望ましい。
【0050】
この横支柱30は、両端に挿入係合部40が設けられ、通常、挿入係合部40は上方から垂直下方に挿入されるから、挿入係合部40は横支柱30の長さ方向に対して両端が同一長に配設されている。横支柱30の端部の挿入係合部40を横支柱30が円となる端部から見ると、90度回動した方向にL形鋼部材33及びT形鋼部材34を溶接して突出させている。この90度の回動位置は、横支柱30の端部の挿入係合部40の位置から左方向に90度回動した方向にL形鋼部材33及びT形鋼部材34を突出させているが、横支柱30の他の先端を手前にすれば、横支柱30の端部の挿入係合部40の位置から右方向に90度回動した方向にL形鋼部材33及びT形鋼部材34を突出させていることになる。即ち、横支柱30の端部の挿入係合部40の位置から左方向に90度回動した方向に一列にL形鋼部材33及びT形鋼部材34を突出させていることになる。
即ち、横支柱30の両端の挿入係合部40の長さ方向に平行する横支柱30の外周の接線方向に鋼矢板50が上下に通過するものである。
鋼矢板ガイド80は、横支柱30を一辺として水平方向に形成され、鋼矢板50を縦支柱10の立設方向である上下方向に挿脱自在とする横支柱30の長さ方向の幅及び横支柱30に対する垂直方向の高さを区画するものである。L形鋼部材33及びT形鋼部材34の横支柱30側に接合されている端部の反対側の端部は、自由端となっており、解放されているが、その自由端の一部で鋼矢板50の高さH側を保持する構造になっている。
【0051】
図13においては、L形鋼部材33及びT形鋼部材34を溶接させる事例で説明したが、本発明を実施する場合には、他の方法で製造することもできる。
図14(a)は横支柱30側の面を横支柱30の曲率で切断し、反対側端部を横支柱30の外周の接線に平行な直線状に切断した必要数の区切部材37を配置し、そこで溶接したものである。このとき、区切部材37の横支柱30の直径である外周の曲率で切断した側と、反対側の横支柱30の外周の直線状の接線(帯状部材38)との間の最小寸法は、鋼矢板50の高さHよりも3〜15mm大きい幅Wに設定される。また、区切部材37の間隔は、鋼矢板50の幅Wよりも3〜15mm大きい高さHに設定され、鋼矢板50の挿入が容易になっている。
【0052】
区切部材37の厚みは、隣接する鋼矢板50の隙間となる。したがって、この厚みは、3〜15mm程度に設定される。ここでは、横支柱30に配設した区切部材37は全数溶接によって設け、その後、直線状の帯状部材38を自由端に溶接しているが、本発明を実施する場合には、両端の区切部材37を帯状部材38側に一体に形成することもできる。即ち、帯状部材38の両端に区切部材37を直角に曲げて、その横支柱30の両端を除いた区切部材37に溶接し、両端の区切部材37を横支柱30に溶接を行うことでも製造できる。
図14(b)は、その例で、帯状部材38Aの両端に区切部材37に相当する形状を形成し、それを直角に曲げて、その横支柱30の両端を除いた区切部材37に溶接し、両端の区切部材37を横支柱30に溶接を行うことで製造できる。また、区切部材37を各鋼矢板50相互間毎に設けるのではなく、鋼矢板50が2枚に1ヵ所で区画することもできる。
【0053】
このように、前述した横支柱30に配設したL形鋼部材33及びT形鋼部材34、または、必要数の区切部材37及び帯状部材38、または必要数の区切部材37及び両端の区切部材37を一体に設けた帯状部材38は、少なくとも4本の横支柱30で囲まれた水平方向の矩形空間の横支柱30の上下2本以上の外側には、横支柱30の長さ方向に対して直角方向に鋼矢板50を上下動自在とする幅W及び高さHを有する鋼矢板ガイド80を構成している。この鋼矢板ガイド80は鋼矢板50が上から挿入されると、離脱することなく、容易に平面視の矩形空間の横支柱30の外側に、鋼矢板50を配設することができるように形成されている。
区切部材37及び帯状部材38によって個々に閉じ、鋼矢板50の高さH側及び幅Wを保持する構造になっている。区切部材37の横支柱30側に接合されている端部の反対側の端部は、帯状部材38となり閉じている。したがって、本発明を実施する場合には、自由端となっていても閉じられていてもよいが、機械的な安定性からすれば、図14の構成が好適である。
【0054】
図14では板材で形成したものであるが、本発明を実施する場合には、図15に示すように円管材及び/または円柱材で構成することもできる。図14の区切部材37を円柱材または円管材、特に円管材で構成し、図14の帯状部材38を円柱材または円管材、特に円柱材で構成する棒状部材39とするのが望ましい。
即ち、区切部材37を円柱材または円管材で構成することにより、円柱材または円管材の外周が曲面となってその半径分が案内(ガイド)となるから、鋼矢板50の挿入が容易であり、また、離脱させる場合も接触抵抗が小さい状態で処理できる。それでいて、区切部材37の外周で所定の位置に鋼矢板50がガイドされる。また、円柱材または円管材で構成する棒状部材39は、その周面で案内(ガイド)となり、また、区切部材37で変形し難くなるから、機械的強度も高くなる。
鋼矢板ガイド80は、横支柱30を一辺として水平方向に形成され、隣接する鋼矢板50相互間を連結することなく、鋼矢板50毎に上下方向に挿脱自在とするもので、横支柱30の長さ方向の幅W及び横支柱30に対する垂直方向の高さHを区画するものである。
【0055】
このように、特に、区切部材37は丸棒でも、角棒でも処理が可能であるが、鋼矢板50の挿入、離脱の作業性を考慮すると円管、円柱等の丸棒材料の使用が望ましい。また、帯状部材38と円柱材または円管材で構成する棒状部材39は、棒状部材39であれば、その周面で案内(ガイド)となり、区切部材37で変形し難くなるから、機械的強度も高くなるので、これも円管、円柱等の丸棒材料の使用が望ましい。
【0056】
本実施の形態では、4本の縦支柱10と8本の横支柱30で本発明の実施の形態の仮設山留構造体を形成しても、図1に示すように、火打梁60を設けていないと、平行四辺形として菱形等に変形する可能性がある。そこで、本実施の形態では、所定の長さのL形鋼の両端に長方形状の切れ込みの嵌合部61を設け、その両端の長方形状の嵌合部61を横支柱30の端部から20〜50cmの距離に、設けた係止部材70との間の嵌合部71に係合させることで固定する火打梁60を設けている。
ここで、長方形の切り込みは、火打梁60として使用するL形鋼の1.1〜1.5倍程度の幅であれば、ガタツキが少ない無理のない嵌合ができる。なお、後述するコ字状の接続受部20に段差が生じている場合には、入隅の2本の横支柱30に段差があるので、火打梁60として使用するL形鋼の長方形の切り込みは1.5倍程度の幅が好適である。
【0057】
係止部材70は横支柱30の端部から20〜50cmの距離にL形鋼を横支柱30の直径(太さ)の±10mm幅のL形鋼部材を作成し、それを横支柱30にその開放側の2辺を溶接し、一体化したものである。この係止部材70は両外側の面には長方形状の切れ込みが設けられている。また、火打梁60の両端にも長方形状の切れ込みを設けており、それを横支柱30の端部から20〜50cmの距離に配設した火打梁60の長方形状の切れ込みからなる嵌合部61に装着することになる。
【0058】
したがって、8本の横支柱30、即ち、その中の2本の横支柱30は角度の変化を発生させようとしても、係止部材70を有する2本の横支柱30と火打梁60が直角三角形を形成し、その角度変化を困難にするから、本実施の形態の仮設山留構造体は、4本の縦支柱10と8本の横支柱30で本発明の実施の形態の仮設山留構造体を形成し、平行四辺形として変形する可能性をなくすことができる。
ところが、図11に示す2個のコ字状の接続受部20Cを、上下2段として4個のコ字状の接続受部20とした場合には、縦支柱10を直角の交点とする2本の横支柱30に段差があるので、図1のように、火打梁60を水平に配設することができない。しかし、火打梁60の両端にも長方形状の切れ込みの調節によって、その誤差を吸収することもできる。勿論、火打梁60の端部にエルボクランプ等を自在クランプとして接続すれば、段差を無視した接続とすることもできる。
【0059】
本発明の実施の形態で使用する鋼矢板50は、NS−SP−II(新日鉄住金株式会社)
、JFESP−2(JFEスチール株式会社製造)を使用して実験を行った。本実施の形態で使用したNS−SP−II、JFESP−2は何れも幅Wに対応する高さHが急峻に変
化しており、例えば、T形鋼部材34、L形鋼部材33の自由端側の幅を狭くすることができるので、上記規格のものを使用した。しかし、本発明を実施する場合には、軽量鋼矢板として市販されているLSP−2型及びLSP−3B型(JFEスチール株式会社製造)でも使用できる。
したがって、本発明の実施の形態で使用する鋼矢板50としては、特別断面形状を問われるものではなく、一般的に何れでも使用できる。しかし、軽量鋼矢板として市販されているものの使用が好適である。
【0060】
次に、本実施の形態の仮設山留構造体の施工について説明する。
まず、図2に示すように、重機で地表面に必要なピットP(穴)を掘削(根切り)する。このピットPはこれから組み立てようとする仮設山留構造体の平面積よりもその4辺が横支柱30の端部から20〜50cm程度広いか、それ以上に広いものとする。しかし、できるだけ仮設山留構造体の平面積との違いが小さいピットPが望ましい。
特に、油圧ショベル、パワーショベル、ショベルカー、ユンボ、バックホー等の汎用性のある重機によって、仮設山留構造体の平面積よりも大きい穴を掘削(根切り)し、4本の縦支柱10を基にそれを維持する場合について説明する。
【0061】
ここで、前提として、縦支柱10の下端に接続する略四角のベース12を選択する土壌の条件とする。勿論、縦支柱10の下端は、尖軸状のパイル11または略四角のベース12またはジャッキベース13またはそれらを接続しないで使用してもよい。地表の条件から略四角のベース12を取付けた4本の縦支柱10を構成する。
まず、2本の縦支柱10を立てて、その接続受部20(20A,20B,20C)に、横支柱30の両端の挿入係合部40を挿入し、2本の縦支柱10と横支柱30とを接続する。
【0062】
2本の縦支柱10と横支柱30が接続されたところで、2本の縦支柱10の何れかの方に平面視でL字状に1本の縦支柱10を追加し、その間の長さの横支柱30の両端の挿入係合部40を挿入し、1本の縦支柱10と1本の横支柱30とを接続する。また、3本の縦支柱10と2本の横支柱30が接続されたとこで、3本の縦支柱10の何れかの一方に平面視、コ字状に1本の縦支柱10を追加し、その間の長さの横支柱30の両端の挿入係合部40を挿入し、1本の縦支柱10と1本の横支柱30とを追加接続する。
【0063】
平面視コ字状に3本の縦支柱10と3本の横支柱30が接続されたところで、残りの1本の横支柱30の両端の挿入係合部40を挿入し、1本の横支柱30とを接続する。また、4本の縦支柱10と4本の横支柱30が接続されたとこで、最下段の4本の横支柱30の接続を完了する。平面視コ字状に3本の縦支柱10と3本の横支柱30が接続されたところで、それらは自立し、更に、4本の縦支柱10の上の段の接続受部20(20A,20B,20C)に対して、所定の長さの横支柱30を必要段数設置する。
【0064】
本実施の形態の図2では、横支柱30の段数は上下2本としている。ピットPの中で、本実施の形態の4本の縦支柱10と4本の横支柱30を組み立てた上で、重機の先端にワイヤ等を掛けて鋼矢板50の上部にクランプ止めして保持する。このとき、鋼矢板50は、河川等で使用するものではないので、軽量鋼矢板(鋼矢板50)とすることができる。また、通常であれば、鋼矢板50は鋼矢板/鋼管杭打抜工法により処理されるが、本実施の形態では、鋼矢板50を所定の位置に上下動させればよく、専用の機械の使用は必要ない。但し、施工する土地が軟弱な場合には、鋼矢板50を掘削(根切り)する位置まで移動させた後、5〜20cm打ち込むことにより、機械的強度は大きく上昇する。このうち込みは、油圧ショベル、パワーショベル、ショベルカー、ユンボ、バックホー等の汎用性のある重機のシャベル等によって鋼矢板50の上端を押圧したり、衝撃を加えたりすればよい。
したがって、本実施の形態の仮設山留構造体は格別専用に機械を必要としないから、廉価に工事を行うことができる。混み合った住宅地でも、振動等を生じさせる必要性がない。よって、施工する依頼主の住宅地以外に施工による影響を与えない。
【0065】
鋼矢板50は、図1乃至図6に示すように、重機で持ち上げたり、人力で持ち上げたりし、鋼矢板50の幅Wを所定の長さの横支柱30に配設したL形鋼部材33及びT形鋼部材34間に位置させ、次に、鋼矢板50の高さHを所定のL形鋼部材33及びT形鋼部材34内に設定する。これによって、図4乃至図6のように、鋼矢板50は2本以上の横支柱30の外側を下降することができる。また、そのまま垂直に下降させると、下の段の横支柱30に配設したL形鋼部材33及びT形鋼部材34間、他の横支柱30に配設したL形鋼部材33及びT形鋼部材34間も通過させることができ、下降させることにより、鋼矢板50は地中に食い込む。この状態で鋼矢板50を地中に打ち込んでもよい。
【0066】
この状態で各鋼矢板50を垂直に下降させると、上の段の横支柱30に配設したL形鋼部材33及びT形鋼部材34間、下の段の横支柱30に配設したL形鋼部材33及びT形鋼部材34間も通過させることができ、鋼矢板50は地中に食い込む。
このようにして、本実施の形態においては、少なくとも、4本の縦支柱10と4×2本の横支柱30で骨格を形成し、そこに鋼矢板50を全周に嵌め込み、その周囲を囲うことができる。勿論、4本以上の縦支柱10と8本以上の横支柱30でも同様である。
【0067】
しかし、このとき、全周が鋼矢板50で囲まれるが、鋼矢板50相互間には、3〜15mm程度の隙間が生じている。この隙間は、土砂が4本の縦支柱10と4×2本の横支柱30で形成した空間に流れ込まないようにするもので、仮に水の流れが存在すれば、その水の流れを遮蔽するものではない。特に、本願の出願人らの実験では、水脈が1〜2m以内に存在することは殆どなく、山間部の傾斜地でもまれに存在する程度である。このように水脈を切断した場合には、別にその水を汲み出すポンプを設置すれば、或いは水路を設定すれば、コンクリートで固める場合でも支障がない。
【0068】
通常、本実施の形態の仮設山留構造体では、土砂が4本の縦支柱10と4×2本の横支柱30で形成した空間に流れ込まないように遮蔽される。この遮蔽は、鋼矢板50相互間の3〜15mm程度の隙間では、土砂が通過できないで、鋼矢板50で移動が阻止されることによるものである。鋼矢板50の4本の縦支柱10と4×2本の横支柱30で形成した空間側には、横支柱30が腹起しとして機能し、重機で掘ったピットPの境界の土砂が崩れても、前記内部の空間にまで流れ込むような影響は及ばない。特に、掘削(根切り)する土地は塊となった土砂であり、まとまっているから、3〜15mm程度の隙間は通過できない。ピットPを形成している土砂は、部分的に崩落するが、それらは鋼矢板50で堰き止められ、前記内部の空間にまで流れ込むようなことはない。
【0069】
したがって、本実施の形態の仮設山留構造体で、例えば、4本の縦支柱10と4×2本の横支柱30で形成した空間内で、水槽、浄化槽、エレベータの昇降路、エレベータの機械室、空調の室外機、燃料タンク、水道管、上下水道間等を設置する場合であっても施工時に安全に作業を行うことができる。また、施工するものが埋設物であり、埋め戻しを行う場合であっても、外からの作業が簡単であり、作業効率が低下させることなく効率のよい作業ができる。
本実施の形態の仮設山留構造体を分解する場合には、鋼矢板50を抜き取り、その状態で、仮設山留構造体の骨組みを重機で外に取り出し、そして、分解すればよい。
【0070】
上記実施例では、本実施の形態の仮設山留構造体がピットP内に配設される場合で説明したが、例えば、4本の縦支柱10と4×2本の横支柱30で形成した空間内に基礎を作るために根切り底を加工させる場合には、4本の縦支柱10の下端も同時に掘り下げれば、順次本実施の形態の仮設山留構造体を加工することができる。
また、図示しないが公知のように、鋼矢板50を長さ方向に繋ぐこともできる。この場合には、4本の縦支柱10と4×2本の横支柱30を固定するものではなく、4本の縦支柱10を1対(2本)毎に長さを増加させたり、4の倍数本としたりして上積し、段数を多くすることができる。4×2本の横支柱30もそれに応じて4×3,4×4,4×5本とすることができる。勿論、長さと、高さを同時に変更することもできる。
【0071】
更に、地上で打設コンクリートの機械室等を作る場合にも、本実施の形態の仮設山留構造体は地上で使用することもできる。特に、建造物を建てる場合のガードフェンスとして使用でき、また、建築用足場兼ガードフェンスとしても、仮囲いとしても使用できる。この場合には、鋼矢板50としては軽量鋼矢板とすることもできる。
なお、ガードフェンス、建築用足場、建築用足場兼ガードフェンス、仮囲いとして使用する場合には、軽量であることから、鋼矢板50は軽量鋼矢板とすることが望ましい。
このように、土砂の崩壊を防ぐ山留めとして、または地下埋設物を埋設したり、その埋設用の穴を掘ったりする際に作業員が生き埋めになったり、土砂に埋まったりする可能性を排除した土砂の崩壊を防ぐ鋼矢板50を用いた仮設山留構造体及び仮設山留方法を提供することができる。
【0072】
本実施の形態の仮設山留構造体は、上下方向に垂直に立設され、2本を対とし、2対を最小単位とし、2対以上から構成され、かつ、上方向からの挿入に対してその挿入を受ける2段以上の接続受部20(20A,20B,20C)を配設した縦支柱10と、対向配置する縦支柱10の同一高さにある接続受部20(20A,20B,20C)に両端部の挿入係合部40が挿入接続される2本を対とする横支柱30と、横支柱30で囲まれた水平方向の矩形空間の横支柱30の上下2本以上の外側には、横支柱30の長さ方向に対して直角方向に鋼矢板50を上下動自在とする幅W及び高さHを有する鋼矢板ガイド80とを具備する。
なお、横支柱30に配設したL形鋼部材33及びT形鋼部材34、または、必要数の区切部材37及び帯状部材38、または必要数の区切部材37及び両端の区切部材37を一体に設けた帯状部材38は、少なくとも4本の横支柱30で囲まれた水平方向の矩形空間の横支柱30の上下2本以上の外側には、横支柱30の長さ方向に対して直角方向に鋼矢板50を上下動自在とする幅W及び高さHを有する鋼矢板ガイド80を構成している。
【0073】
上記実施の形態の仮設山留構造体は、縦支柱10が4本、6本、8本等と最小値を4本とし、2の倍数で増加し、その最大値は施工する距離によって決定される。この縦支柱10には、上方向からの挿入に対してその挿入を受ける2段以上の接続受部20(20A,20B,20C)が配設されている。対向配置する縦支柱10の同一高さにある接続受部20(20A,20B,20C)に対して、2個を対とする横支柱30の両端の挿入係合部40が挿入される。このようにして、4本以上の縦支柱10と2対以上の横支柱30によって縦支柱10と横支柱30からなる骨組みからなる枠体が形成される。
【0074】
横支柱30の2本以上には、2対の横支柱30で囲まれた水平方向の矩形空間の外側の一方または二方または四方に、鋼矢板50を上下方向のみに通す幅及び厚みを有する鋼矢板ガイド80が設けられているから、横支柱30の2本以上に鋼矢板50を上下方向に挿通し、鋼矢板50を設置できる。このとき、横支柱30は腹起しとして機能するから、鋼矢板50の外部の土砂が内部に入り込むことがない。
殊に、発明者らの経験では、道路、宅地の山留めでは、水脈に触れることは殆どなく、山間部の傾斜地においても、水量の多い水脈に接したり、または、それを横断したりすることは非常に稀であります。殆どが、水が滲む程度であり、掘削(根切り)底に配設したポンプを取付ければ解決する。
【0075】
また、土砂は鋼矢板50で堰き止められ、鋼矢板50相互間の間隔は最大でも1〜2cmの隙間が形成できる程度であり、殆ど土砂が2対の横支柱30で囲まれた水平方向の矩形空間に流れ込むことがない。
そして、鋼矢板50で堰き止められた土砂は、必要本数の縦支柱10と横支柱30で腹起しとして機能するから、安定して土砂を堰き止める。
更に、本実施の形態の仮設山留構造体は、地面の上に組み立ててから地中を掘って行ってもよいし、重機を使用して所定の深さまで掘った後に本実施の形態の仮設山留構造体を地中に設営してもよい。特に、地中に埋設する水槽、浄化槽等の機器等が存在する場合でも、設置状態で長時間設定できる。
また、本実施の形態の仮設山留構造体は、山留めを行う事例で説明したが、建築現場用足場の仮囲いとしても使用できる。また、ガードフェンスとしても使用できる。
【0076】
例えば、建築現場用足場の仮囲いとして使用する場合には、上下方向に垂直に立設され、2本を対とし、2対を最小単位とし、2対以上から構成され、かつ、上方向からの挿入に対してその挿入を受ける2段以上の接続受部20(20A,20B,20C)を配設した縦支柱10と、対向配置する縦支柱10の同一高さにある接続受部20(20A,20B,20C)に両端部の挿入係合部40が挿入接続される2本を対とする横支柱30と、横支柱30で囲まれた水平方向の矩形空間を形成する横支柱30の上下2本以上の外側には、横支柱30の長さ方向に対して直角方向に鋼矢板50を上下動自在とする幅W及び高さHを有する鋼矢板ガイド80とを具備する仮設山留構造体に、図示しない足場板、桟橋、踏板等の建築現場用足場で使用される部品を組みつけられれば良い。
【0077】
逆に、建築現場用足場で使用される部品と共用する部品として縦支柱10と横支柱30を構成することにより、同様に使用することもできる。
また、ガードフェンスとしては、縦支柱10と横支柱30で四周面を形成した本実施の形態の仮設山留構造体の骨格とし、その外側の一面のみの鋼矢板ガイド80に鋼矢板50を挿入した壁面を構成すればよい。勿論、ガードフェンスの角は、縦支柱10と横支柱30で四周面を形成した本実施の形態の仮設山留構造体の骨格の出隅になる2面の鋼矢板ガイド80に鋼矢板50を挿入した壁面を構成すればよい。
【0078】
仮囲いの場合には、縦支柱10と横支柱30で四周面を形成した本実施の形態の仮設山留構造体の骨格とし、その外側の4面に鋼矢板ガイド80に鋼矢板50を挿入した壁面を構成すればよい。このとき、通路が必要であれば、その1面に鋼矢板50を5〜8割挿入し、そこを通路とすればよい。
本実施の形態の仮設山留構造体は、これら建築現場用足場としても、建築現場用足場の仮囲いとしても、ガードフェンスとしても、仮囲いとしても、ゴミパレットとしても使用できるから、必要に応じて補強パイプを追加したり、手摺を追加したり、梯子、支柱を追加することもできる。
【0079】
このように、本実施の形態の仮設山留構造体は、縦支柱10の2段以上配設した接続受部20(20A,20B,20C)は、縦支柱10の水平断面に対して180度の位置及び/または90度の位置とし、かつ、2段以上の接続受部20(20A,20B,20C)の構造を共通させて配設したものである。
このように、本実施の形態の仮設山留構造体の縦支柱10の2段以上の接続受部20(20A,20B,20C)は、縦支柱10の水平断面に対して180度の位置及び/または90度の位置とし、かつ、縦支柱10の長さ方向に2段以上共通させて配設したものであるから、1ヵ所の位置決めができれば、他の箇所も自動的に決定でき、かつ、接続受部20(20A,20B,20C)によって縦支柱10に回転力を付与しないので、安定した構造体を維持できる。
【0080】
縦支柱10の下端は、尖軸状のパイル11または略四角のベース12またはジャッキベース13のうちの1種類が接続されてなるものである。
本実施の形態の仮設山留構造体における縦支柱10の下端は、尖軸状のパイル11または略四角のベース12またはジャッキベース13のうちの1種類が接続されてなるから、土地の条件によって軟弱な土(土砂)であると判断されたときには、縦支柱10の下端を尖軸状のパイル11に、堅固な土(土砂)であると判断されたときには、縦支柱10の下端を略四角のベース12とし、また、縦支柱10の高さの位置合わせが必要な場合には、ジャッキベース13とすることにより、土地の状態によって任意の組み立て構造体とすることができる。
【0081】
横支柱30に配設した鋼矢板ガイド80は、端部が2〜10mm幅で切断してなるL形鋼部材、それ以外が2〜10mm幅で切断してなるT形鋼部材で形成し、横支柱30に溶接してなるものである。特に、本実施の形態の仮設山留構造体における横支柱30に配設した鋼矢板ガイド80は、端部が横支柱30の直径の±10mm幅のL形鋼部材33、それ以外が横支柱35の直径の±10mm幅のT形鋼部材32で形成し、横支柱35に溶接しているから、比較的軽量に鋼矢板ガイド80が形成でき、組付け及び分解の際の操作性が良い。
【0082】
縦支柱10に対し90度の角度で接続した2本の横支柱30間には、横支柱30に両端を溶接したL形鋼部材33と、2本の横支柱30に両端溶接したL形鋼部材33相互間の縦支柱10を頂点とする角度が変化しないようにする火打梁60を配設したものである。
本実施の形態の仮設山留構造体における縦支柱10に90度の角度で接続した2本の横支柱30間には、横支柱30に両端を溶接したL形鋼部材33と、2本の横支柱30に両端を溶接したL形鋼部材33相互間の角度が変化しないようにする火打梁60を配設したものであるから、2本の横支柱30間が火打梁60で固定されるので、本実施の形態の仮設山留構造体を堅固に維持することができる。特に、本実施の形態の仮設山留構造体のピットP状に埋設した山留めの場合には、大きな外力に耐えられる。なお、本実施の形態の仮設山留構造体は、山留めを行う事例で説明しているが、建築現場用足場の仮囲いとしても使用できる。また、ガードフェンスとしても使用でき、建築現場用足場との違和感がない。特に、本実施の形態の火打梁60は、端部に長方形の切欠きを設けたものであるから、構造が簡単であり、かつ、乱暴に扱っても、壊れることがない。
【0083】
横支柱30に設けた鋼矢板ガイド80は、鋼矢板50の高さH及び幅Wを通過させる寸法にL形鋼部材、T形鋼部材を形成したものである。
ここで、本実施の形態の仮設山留構造体における横支柱30に設けた鋼矢板ガイド80は、鋼矢板50の高さH及び幅Wを通過させるサイズにL形鋼部材33、T形鋼部材32を溶接して形成したものであるから、鋼矢板50を最も軽量な状態で保持できるから、軽量化に優れている。
【0084】
横支柱30に設けた鋼矢板ガイド80は、鋼矢板50の断面の高さH及び幅Wを通過させるように鋼矢板50の幅間隔に区切部材37を配設し、区切部材37の一方を横支柱30に溶接し、他端側を帯状部材38に溶接してなる。
本実施の形態の仮設山留構造体における横支柱30に設けた鋼矢板ガイド80は、鋼矢板50の断面の高さH及び幅Wを通過させる幅間隔に区切部材37を配設し、区切部材37の一方を横支柱30に溶接し、他端側を帯状部材38に溶接してなるものであるから、シンプルな構造でありながら、外側に鋼矢板ガイド80の一部が突出せず、それらを帯状態でカバーしているから、乱暴に扱っても、鋼矢板50の断面の高さH及び幅Wを通過させる寸法に狂いが出難い。
【0085】
縦支柱10の接続受部20(20A,20B,20C)は、平面視で4個のコ字状を連続形成し、それを支柱本体部10Aに溶接してなる。
本実施の形態の仮設山留構造体における縦支柱10の接続受部20(20A,20B,20C)は、平面視で4個のコ字状を連続形成し、それを支柱本体部10Aに溶接してなるものであるから、4個連続配置させることができ、その間に支柱本体部10Aに溶接するスリットを形成し、溶接面積を広くとることができるから機械的強度が強く、かつ、コ字状の接続受部を個々に扱う必要がないから、溶接作業が機械的にでき、使用中であっても外力が一点に集中しないから、不良が出難い。
【0086】
縦支柱10の接続受部20(20A,20B,20C)は、平面視で対向する2個のコ字状を連続形成し、それを支柱本体部10Aに溶接してなる。
本実施の形態の仮設山留構造体における縦支柱10の接続受部20(20A,20B,20C)は、平面視で対向する2個のコ字状を連続形成し、それを支柱本体部10Aに溶接してなるものであるから、中央で縦支柱10の支柱本体部10Aに円弧の渡りを掛け、両側に2個のコ字状を形成するものであるから、前記円弧の渡りで十分な溶接面積を得て、両端部の溶接により一体化できる。また、前記円弧の渡りには溶接部位にゆとりができるので2個のコ字状の接続受部20(20A,20B,20C)が損傷を受けるのを軽減できる。
【0087】
横支柱30に形成された両端部の挿入係合部40は、楔状に先端よりも横支柱30側を太くしたものである。
本実施の形態の仮設山留構造体における横支柱30に形成された両端部の挿入係合部40は、楔状に先端よりも横支柱30側を太くしたものであるから、楔状に先端よりも横支柱30側を太くしたものであるから組付け易い。
【0088】
本実施の形態の仮設山留方法は、上下方向に垂直に立設され、2本を対とし、2対を最小単位とし、2対以上から構成された縦支柱10は、上方向からの挿入に対してその挿入を受ける2段以上の接続受部20(20A,20B,20C)を配設しており、それら対向配置する縦支柱10の同一高さにある接続受部20(20A,20B,20C)に2本を対とする横支柱30の両挿入係合部40が挿入接続され、横支柱30の1本以上に、2対の横支柱30で囲まれた水平方向の矩形空間の外側で、しかも、挿入係合部40を設けた横支柱30の位置から90度回動した位置に鋼矢板ガイド80を設け、鋼矢板50を横支柱30の長さ方向に対して直角方向に移動自在に上下方向のみに通すものである。
【0089】
本実施の形態の仮設山留方法は、上下方向に垂直に立設され、2本を対とし、2対を最小単位とし、2対以上から構成された縦支柱10は、上方向からの挿入に対してその挿入を受ける2段以上の接続受部20(20A,20B,20C)を配設しており、それら対向配置する縦支柱10の同一高さにある接続受部20(20A,20B,20C)に2本を対とする横支柱30の両挿入係合部40が挿入接続され、横支柱30の1本以上に、2対の横支柱30で囲まれた水平方向の矩形空間の外側で、しかも、挿入係合部40を設けた横支柱30の位置から90度回動した位置に鋼矢板ガイド80を設け、鋼矢板50を横支柱30の長さ方向に対して直角方向に移動自在に上下方向のみに通すものである。
【0090】
このように構成される横支柱30の2本以上には、2対の横支柱30で囲まれた水平方向の矩形空間の外側に位置する一方または二方または四方に、鋼矢板50を上下方向のみに通す幅W及び高さHを有する鋼矢板ガイド80が設けられているから、横支柱30の2本以上に鋼矢板50を上下方向に挿通し、鋼矢板50を設置できる。このとき、横支柱30は腹起しとして機能するから、鋼矢板50の外部の土砂が内部に入り込むことがない。
殊に、発明者らの経験では、道路、宅地の山留めでは、水脈に触れることは殆どなく、山間部の傾斜地においても、水量の多い水脈に接し、または、それを横断することは非常に稀であります。殆どが、水が滲む程度であり、ポンプを取付ければ解決する。
また、土砂は鋼矢板50で堰き止められ、鋼矢板50相互間の間隔は最大でも1〜2cmの隙間が形成できる程度であり、殆ど土砂が前記2対の横支柱30で囲まれた水平方向の矩形空間に流れ込むことがない。
【0091】
そして、鋼矢板50で堰き止められた土砂は、必要本数の縦支柱10と横支柱30で腹起しとして機能するから、安定して土砂を堰き止める。
更に、本実施の形態の仮設山留方法は、地面の上に組み立ててから地中を掘って行ってもよいし、重機を使用して所定の深さまで掘った後に本実施の形態の仮設山留方法を地中に設営してもよい。特に、地中に埋設する浄化槽等の機器等が存在する場合でも、設置状態で長時間設定できる。また、本発明の仮設山留構造体は、山留めを行う事例で説明したが、建築現場用足場の仮囲いとしても使用できる。また、ガードフェンスとしても使用できる。
【0092】
上記実施の形態では、必要本数の縦支柱10と横支柱30で仮設山留構造体の枠体を形成することについて説明した、このとき、軽量鋼矢板を含む鋼矢板の長さが不足する場合には、軽量鋼矢板を含む鋼矢板を繋いで使用してもよい。このとき、軽量鋼矢板を含む鋼矢板の何枚かを地中に打ち込み境界線を均一高さとしない方が機械的強度を上げやすい。勿論、軽量鋼矢板を含む鋼矢板の繋目が同じ高さにあると機械的強度が弱すぎるという意味ではない。
【0093】
更に、連結部21a,22a,23a,25a,26a,28aには、長円孔、円孔、三角形孔、長方形孔、スリットの何れか1つ以上を用いて支柱本体部10Aと溶接したものである。また、コ字状の受部21,22,23,24,25,26,27,28,29と、当該受部21,22,23,24,25,26,27,28,29と連接する連結部21a,22a,23a,25a,26a,28aは、1枚の金属板に形成するとき、弧状(扇状)に湾曲した形状とし、当初から楔形に対応する形状とすることもできる。ここで、長円孔、円孔、三角形孔、長方形孔、スリットは正確な形状を問うものではなく、概略の形状を意味するものである。
【0094】
また、仮設山留構造体で土砂の崩壊を防ぐ山留めとして使用する場合には、その外周の四面に土砂が存在する場面だけではなく、その外周の一面、二面、三面に土砂が存在する場合にも使用できるし、軽量鋼矢板を含む鋼矢板の設置も、四面に設置する場面だけではなく、一面、二面、三面の何れに設置してもよい。
特に、一面、二面、三面に軽量鋼矢板を含む鋼矢板の設置を行う場合には、縦支柱10の下端に尖軸状のパイル11を取付け、予め打ち込んでおくのが良い。
【0095】
そして、横支柱30に設けた鋼矢板ガイド80は、横支柱30の一方の外側に設けているが、本発明を実施する場合には、横支柱30の両側の外側に鋼矢板ガイド80を設けてもよい。特に、横支柱30の両側の外側に鋼矢板ガイド80を設けた場合には、方向性が問われないが、片側に配設した場合には、方向性が問われる。
更に、横支柱30に設けた鋼矢板ガイド80は、鋼矢板50の外径形状に近似した断面形状とすることができる。即ち、横支柱30に配設した鋼矢板ガイド80は、鋼矢板50が多くのガタツキを持たないで、上下動できるものであれば、その断面形状を問うものではない。
【0096】
一枚の金属板に形成した連結部21a,22a,23a,25a,26a,28aと、コ字状の受部21,22,23,24,25,26,27,28,29とは、プレス加工によって、受部21,22,23,24,25,26,27,28,29を打ち抜き、折曲した後に、長円孔、円孔、三角形孔、長方形孔、スリット等の何れか1つ以上を用いて打ち抜き、それを支柱本体部10Aと同一形の金型に巻き付けて形成し、それを支柱本体部10Aに溶接したものである。しかし、本発明を実施する場合には、連結部21a,22a,23a,25a,26a,28aと、コ字状の受部21,22,23,24,25,26,27,28,29が形成できれば、具体的に形成する手段を問わない。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、土砂の崩壊を防ぐ山留めに関する発明として説明したが、地下埋設物を埋設したり、それを掘り出したり、地下埋設物用の穴を掘ったりする際に作業員が生き埋めになったり、土砂に埋まったりする可能性を排除する仮設山留構造体及びその仮設山留を行う仮設山留方法に関するものであり、土砂の崩壊を防ぐ鋼矢板としては、軽量鋼矢板であってもよいし、更にその長さ方向に接続したものであってもよい。
本実施の形態の仮設山留構造体においては、必要本数の縦支柱10の上端が図00に示すように段差が形成されている。この径の段差は、縦支柱10を上方に繋ぐものであり、必要に応じてしようされるものであり、小穴は当該縦支柱10を繋いだ状態を維持するロック用である。
【0098】
また、本実施の形態の仮設山留構造体は、入隅みの2本の横支柱30間を火打梁60で固定している。しかし、本発明を実施する場合には、理屈の上では平行四辺形として変化し得るが、縦支柱10及び横支柱30の重み、及び縦支柱10として立設された荷重の集中からすると、外力によって固定されるので、2本の横支柱30の入隅角度が変化することは殆どないので、省略することもできるし、他の構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0099】
10 縦支柱
10A 支柱本体部
11 尖軸状のパイル
12 略四角のベース
13 ジャッキベース
20,20A,20B,20C 接続受部
21,22,23,24,25,26,27,28,29 コ字状の受部
21a,22a,23a,25a,26a,28a 連結部
21b,22b,23b,25b,26b,28b 長円の打ち抜き孔
21c,24c,25c,27c,28c,29c 端部
30 横支柱
30A 横支柱本体部
33 L形鋼部材
34 T形鋼部材
37 区切部材
38 帯状部材
39 棒状部材
40 挿入係合部
50 鋼矢板
60 火打梁
70 係止部材
80 鋼矢板ガイド
【要約】
【課題】土砂の崩壊を防ぐことができ、かつ、その施工が簡単なこと。
【解決手段】縦支柱の最大値は施工する距離によって決定される。この縦支柱には、上方向からの挿入に対してその挿入を受ける2段以上の接続受部が配設されている。対向配置する縦支柱の同一高さにある接続受部に対して、2個を対とする横支柱の両端の挿入係合部が挿入される。4本以上の縦支柱と2対以上の横支柱によって縦支柱と横支柱からなる枠体が形成される。横支柱の2本以上には、2対の横支柱で囲まれた水平方向の矩形空間の外側の一方乃至四方に、鋼矢板を上下方向のみに通す幅及び厚みを有する鋼矢板ガイドが設けられているから、横支柱の2本以上に前記鋼矢板を上下方向に挿通し、前記鋼矢板を設置できる。このとき、横支柱は腹起しとして機能するから、鋼矢板の外部の土砂が内部に入り込むことがない。
【選択図】図1
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