(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電子写真方式の画像形成装置におけるトナー担持体の端部シール材において、端部シール材は直線状の凹凸を有する縞模様のシート状部材から形成されてカット加工により所望の形状に加工され、トナー担持体である回転体の当接面に当接する略直線状の複数の段差からなる縞模様の凹部と凸部からなる凹凸面を有し、凹部の幅を0.25mmから端部シール幅の1/2未満とするシール部材であり、トナー担持体により搬送されたトナーがシール部材の凹凸面の凸部のエッジ部のアール部又は面取り部に接した時、トナーと接する凸部のエッジ部と、トナーの平均粒径と、トナー担持体の半径とにより形成されるトナーの掻き落とし角度が、凹凸を有するシール部材の凸部のエッジ部によりトナーの安息角よりも大きく形成され、かつ、この直線状の複数の段差からなる縞模様の凹凸面は、トナー担持体である回転体の回転によりトナーをトナー担持体の回転軸方向である内側に戻す角度であるトナー規制角度を有し、回転体と当接するシール部材の凹凸面は回転体と端部シール材の裏面の取付け座面の間に設けた弾性体を介して挟持され、凹凸面を有するシール部材の裏面に配設の弾性体の反発弾性により、凹部が回転体の側へ撓んで変形させられて回転体と当接しているか、又は回転体と凹部の間隙が回転体により掻き落されたトナーを移送できる間隙でかつ40m/s2以下の加速度にて漏れの生じない間隙以下に形成されているかにより、トナー担持体の端部からのトナーの漏れ防止していることを特徴とする電子写真方式の画像形成装置の端部シール材。
端部シール材はトナー担持体である回転体の当接面に当接する直線状の複数の段差からなる縞模様の凹部と凸部からなる凹凸面を有するシール部材から形成され、トナー担持体により搬送されたトナーがシール部材の凹凸面の凸部のエッジ部のアール部又は面取り部に接した時、トナーの掻き落とし角度はトナーと接するシール部材の凸部のエッジ部によりトナーの安息角よりも大きく形成されており、該掻き落とし角度である凸部のエッジ部のアール部の半径は最大で0.1mmであり、アール部を形成する素材はフィラメントからなる糸又は樹脂成形体からなり、かつ、この直線状の複数の段差からなる縞模様の凹凸面はトナー担持体である回転体の回転によりトナーをトナー担持体の回転軸方向である内側に戻す角度であるトナー規制角度が所望のシール形状へのカット時に形成され、トナー担持体と当接するシール部材の凹凸面はトナー担持体と端部シール材の取付け座面に弾性体を介し挟持され、凹凸面を有するシール部材の裏面に配設の弾性体の反発弾性により、凹部がトナー担持体側へ撓んで変形するように構成されており、凹部が撓んで変形してトナー担持体と当接し凹部のコーナーにトナー移送の間隙を形成しているか、又は回転体と凹部の間隙がトナー担持体の回転又表面速度により掻き落されたトナーを移送できる間隙でかつ所望の加速度にて漏れの生じない間隙以下に形成されて、トナー担持体の端部からのトナーの漏れ防止していることを特徴とする請求項1に記載の電子写真方式の画像形成装置の端部シール材。
トナー担持体の端部からのトナーの漏れ防止は、トナー担持体である回転体の外径に対するシール部材の凹凸面からなる段差と、凸部のエッジ部と、凹部の幅と、凹部の厚みと、シール部材の素材と、凹凸面のトナー担持体である回転体に対する規制角度とおよび当接荷重とから決定し、かつトナー担持体と凹部の当接による凹部のコーナーに形成されるトナー移送の間隙もしくはトナー担持体である回転体と凹部の最大で100μmの間隙から考えて、圧接荷重により凹部をトナー担持体に近づく方向に変形せしめ、40m/s2以下の加速度で漏れの生じない間隙に形成することで、トナー担持体の端部からのトナーの漏れを防止していることを特徴とする請求項2に記載の電子写真方式の画像形成装置の端部シール材。
端部シール材を形成するシール部材は長繊維であるフィラメントからなる糸で少なくとも2種類以上の糸を用い2種類の織組織から成る段差を有するストライプ織物又は樹脂成形体からなる樹脂シートから選定された素材であり、これらのシール部材とシール部材の裏面に設けられた弾性体である樹脂成形体から一体化されたシール材であり、トナー担持体である回転体の回転方向によりトナーをトナー担持体の回転軸方向の内側に戻す角度であるトナー規制角度はこのシール材のシート材から所望の端部シール形状へのカット時に形成され、シール部材の裏面に有する弾性体の反発弾性によってトナー担持体への圧縮による当接荷重を形成しており、さらにトナー担持体である回転体の当接面に直線状の複数の段差を形成してなる縞模様の凹凸面をトナー担持体の端部に当接し、トナー担持体の端部からのトナーの漏れを防止していることを特徴とする請求項2に記載の電子写真方式の画像形成装置の端部シール材。
シール部材と弾性体が一体化されたシート状のシール材を用いて所望の形状に形成された端部シール材は、電子写真方式の画像形成装置のクリーニングブレードにより、回収されたトナーのクリーニング容器からのトナーの漏れを防止する端部シール材および画像形成装置の現像ローラを有する現像容器からトナーの漏れを防止する端部シール材であり、少なくともクリーニング容器又は現像容器のいずれか一方に用いている端部シール材であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真方式の画像形成装置の端部シール材。
【背景技術】
【0002】
従来の電子写真方式の画像形成装置に使用する端部シール材としては、発泡体からなるシール部材、不織布からなるシール部材、植毛した部材からなるシール部材、パイル織物からなるシール部材、編物からなるシール部材などがある。トナー担持体である回転体の表面が一部露出しているトナー担持体の端部シール部材としては、前記したシール部材が多く使用されている。
【0003】
これらには、回転体の端部のシール構造として、スリーブ上に傾斜したシール部材を貼り付けて傾斜段部を形成し、この傾斜段部をトナーのガイド部に利用してトナーの外部への漏れを規制した構造が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、傾斜溝が設けられた構造のシール部材が開示されている(例えば、特許文献2あるいは特許文献3参照。)。さらに、端部シート上に軸線方向の内方にガイドとなる凸状パターンのシール部材からなる段差がスクリーン印刷により施されたシール構造が開示されている(例えば、参考文献4参照。)。また、パイル織によるものとは異なる凸状織り目を有する織物部材によるシール部材が開示されている(例えば、特許文献5および特許文献6参照。)。
【0004】
しかし、従来の電子写真方式の画像形成装置のトナーである現像剤すなわちトナーの漏れ防止として、トナーの流れを規制して漏れ防止を行なう構造(例えば、特許文献1参照。)では、トナーの漏れがわずかに生じ、また、スリーブへの付加トルクが大きくなってしまう。すなわち、スリーブ上にトナーを戻すガイド部を設けたものは、このトナーを戻すガイド部が一箇所でシート状で面接触しているので、スリーブと接触する面積が大きく一段のガイド部で構成されていることとなり、トナーが漏れやすく、スリーブへの付加トルクが大きくなるのである。
【0005】
また、傾斜溝の設けられた構造のシール部材(例えば、特許文献2あるいは特許文献3参照。)においては、シール部材が弾性体であり、現像ローラとの接触による駆動力により弾性体が変形してしまうので、トナーを規制して戻す作用が弱まってしまう。
【0006】
また、印刷により施されたシール構造(例えば、参考文献4参照。)では、スクリーン印刷による段差からなるガイドであるために、ガイドとなるエッジをシャープに形成することが難しくなっている。
【0007】
さらに、カットパイルを有さない織物として、糸を浮き上がらせるように波状にして山と谷の位置を異なるように配置した織物からなるシール部材(例えば、特許文献7参照。)では、異なる層ごとに山と谷が互い違いになっており、直線的なガイドとなっていないので、この波状に構成した織物は上下が不安定な構成であってシール部材として満足するものではない。
【0008】
また、上記の織物の重なり部分からなる段差を規則的に配置して傾斜状にした構造のシール部材(例えば、特許文献5および特許文献6参照。)は、1種類の織組織で織られた織物で綾織又は斜紋織であり経糸と横糸とが交差する織り目が斜めに形成されたシール部材であり表面の経糸が傾斜状の凸状の織り目を形成しており経糸は回転方向に沿っている。このため、表面上においては凸部が斜めに形成されているが経糸は回転方向となっているため経糸に沿ってトナーが流れ、傾斜状の凸部による効果はトナーの流れを十分に規制する構造にはなっていない。このために、グリス状のフッ素系潤滑剤を塗布し、この潤滑剤の効果によりシール性を向上させようとしており、シール部材としては、十分であるとはいい難い構造である。このように従来のシール部材の技術では、トナーの漏れおよびトナーの規制について十分な実用性が達しきれておらず、もしくは技術的な裏付けが明確とはいえないものであった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、電子写真の画像処理装置のトナー取扱装置のシール部材において、シール機能が高く、省資源であり、製作時の工程数の低減および資源のロスの低減が可能であり、さらに高品質かつ低価格のシール部材からなる端部シール材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するための本発明の手段は、請求項1の手段では、電子写真方式の画像形成装置におけるトナー担持体の端部シール材において、端部シール材は直線状の凹凸を有する縞模様のシート状部材から形成されてカット加工により所望の形状に加工され、トナー担持体である回転体の当接面に当接する略直線状の複数の段差からなる縞模様の凹部と凸部からなる凹凸面を有し、凹部の幅を0.25mmから端部シール幅の1/2未満とするシール部材であり、トナー担持体により搬送されたトナーがシール部材の凹凸面の凸部のエッジ部のアール部又は面取り部に接した時、トナーと接する凸部のエッジ部と、トナーの平均粒径と、トナー担持体の半径とにより形成されるトナーの掻き落とし角度が、凹凸を有するシール部材の凸部のエッジ部によりトナーの安息角よりも大きく形成され、かつ、この直線状の複数の段差からなる縞模様の凹凸面は、トナー担持体である回転体の回転によりトナーをトナー担持体の回転軸方向である内側に戻す角度であるトナー規制角度を有し、回転体と当接するシール部材の凹凸面は回転体と端部シール材の裏面の取付け座面の間に設けた弾性体を介して挟持され、凹凸面を有するシール部材の裏面に配設の弾性体の反発弾性により、凹部が回転体の側へ撓んで変形させられて回転体と当接しているか、又は回転体と凹部の間隙が回転体により掻き落されたトナーを移送できる間隙でかつ40m/s
2以下の加速度にて漏れの生じない間隙以下に形成されているかにより、トナー担持体の端部からのトナーの漏れ防止していることを特徴とする電子写真方式の画像形成装置の端部シール材である。
【0012】
請求項2の手段では、端部シール材はトナー担持体である回転体の当接面に当接する直線状の複数の段差からなる縞模様の凹部と凸部からなる凹凸面を有するシール部材から形成され、トナー担持体により搬送されたトナーがシール部材の凹凸面の凸部のエッジ部のアール部又は面取り部に接した時、トナーの掻き落とし角度はトナーと接するシール部材の凸部のエッジ部によりトナーの安息角よりも大きく形成されており、該掻き落とし角度である凸部のエッジ部のアール部の半径は最大で0.1mmであり、アール部を形成する素材はフィラメントからなる糸又は樹脂成形体からなり、かつ、この直線状の複数の段差からなる縞模様の凹凸面はトナー担持体である回転体の回転によりトナーをトナー担持体の回転軸方向である内側に戻す角度であるトナー規制角度が所望のシール形状へのカット時に形成され、トナー担持体と当接するシール部材の凹凸面はトナー担持体と端部シール材の取付け座面に弾性体を介し挟持され、凹凸面を有するシール部材の裏面に配設の弾性体の反発弾性により、凹部がトナー担持体側へ撓んで変形するように構成されており、凹部が撓んで変形してトナー担持体と当接し凹部のコーナーにトナー移送の間隙を形成しているか、又は回転体と凹部の間隙がトナー担持体の回転又表面速度により掻き落されたトナーを移送できる間隙でかつ所望の加速度にて漏れの生じない間隙以下に形成されて、トナー担持体の端部からのトナーの漏れ防止していることを特徴とする請求項1の手段の電子写真方式の画像形成装置の端部シール材である。
【0013】
請求項3の手段では、トナー担持体の端部からのトナーの漏れ防止は、トナー担持体である回転体の外径に対するシール部材の凹凸面からなる段差と、凸部のエッジ部と、凹部の幅と、凹部の厚みと、シール部材の素材と、凹凸面のトナー担持体である回転体に対する規制角度とおよび当接荷重とから決定
し、かつトナー担持体と凹部の当接による凹部のコーナーに形成されるトナー移送の間隙もしくはトナー担持体である回転体と凹部の最大で100μmの間隙から
考えて、
圧接荷重により凹部をトナー担持体に近づく方向に変形せしめ、40m/s
2以下の加速度で漏れの生じない間隙に形成
することで、トナー担持体の端部からのトナーの漏れを防止していることを特徴とする請求項2の手段の電子写真方式の画像形成装置の端部シール材である。
【0014】
請求項4の手段では、端部シール材を形成するシール部材は長繊維であるフィラメントからなる糸で少なくとも2種類以上の糸を用い2種類の織組織から成る段差を有するストライプ織物又は樹脂成形体からなる樹脂シートから選定された素材であり、これらのシール部材とシール部材の裏面に設けられた弾性体である樹脂成形体から一体化されたシール材であり、トナー担持体である回転体の回転方向によりトナーをトナー担持体の回転軸方向の内側に戻す角度であるトナー規制角度はこのシール材のシート材から所望の端部シール形状へのカット時に形成され、シール部材の裏面に有する弾性体の反発弾性によってトナー担持体への圧縮による当接荷重を形成しており、さらにトナー担持体である回転体の当接面に直線状の複数の段差を形成してなる縞模様の凹凸面をトナー担持体の端部に当接し、トナー担持体の端部からのトナーの漏れを防止していることを特徴とする請求項2の手段の電子写真方式の画像形成装置の端部シール材である。
【0015】
請求項5の手段では、シール部材と弾性体が一体化されたシート状のシール材を用いて所望の形状に形成された端部シール材は、電子写真方式の画像形成装置のクリーニングブレードにより、回収されたトナーのクリーニング容器からのトナーの漏れを防止する端部シール材および画像形成装置の現像ローラを有する現像容器からトナーの漏れを防止する端部シール材であり、少なくともクリーニング容器又は現像容器のいずれか一方に用いている端部シール材であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項の手段の電子写真方式の画像形成装置の端部シール材である。
【発明の効果】
【0016】
従来のガイド部材もしくは段差によるシール部材と比較し、本発明の手段は複数の段差を設け、かつ、トナーを規制する凸条のガイドとなる位置において、凸部のエッジ部にシール部材として必要なアールを設定し、トナーと凸条の凸部のエッジ部の当接する角度をトナーの持つ安息角よりも大きくすることで、確実にトナーを規制し、凸条のガイドの直線的な構成によりトナーを確実に回転体の内側に戻すことができる。また、この本発明の複数の段差はストライプ状の縞模様の安定した構造としている。したがって、本発明の複数の段差は不安定要素が無く、品質が安定し、高品質に保つことができる。また、従来の端部シート材上にガイドとなる段差が印刷により施されたシール構造を貼り付けたものと比較して、本発明の複数の段差は印刷により設けた段差を貼り付けたもののように剥がれる心配がなく、品質が安定している。
【0017】
さらに、従来の織物のシール部材はパイル織物が主流であり、パイル密度および長さを必要とし、使用する糸の量が多く必要であった。これに対し、本発明は基本的な構成はシート状もしくは繻子織と平織又は繻子織と綾織による段差を設けた構造からストライプ状の縞模様に構成しており、このことで、従来のパイル織りの基布になる部分の厚みでもってシール機能を達成するものであり、したがって、余分の材料構成が無いので省資源である。また、シール部材の厚みとしては、段差がトナーの粒径よりも大きい段差であれば、トナーの掻き落としには基本的に問題はなく、段差による隙間を振動などで漏れない間隙に構成することで隙間があっても問題のない構成である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】トナーであるトナーの攪拌部材、供給ローラ、トナー担持体である現像ローラ、端部シール材および規制ブレードなどからなる電子写真方式の転写手段を除く画像形成装置を示す側面図。
【
図2】端部シール材のトナーの掻き落とし部材を示す拡大模式図。
【
図3】
図2の拡大模式図における繊維からなる部材およびアールを有する成形品からなる部材および面とり部を有する成形品からなる部材の詳細な模式図。
【
図4】
図3のトナーの掻き落とし部材のトナーの掻落としを示す模式図。
【
図6】トナー粒径6μmの掻き落とし半径を変化させた際の掻き落とし角度を示す模式図。
【
図7】トナー粒径10μmの掻き落とし半径を変化させた際の掻き落とし角度を示す模式図。
【
図8】凸部の半径をトナーに比して大きくした時の模式図。
【
図10】シール部材の取付けおよびトナーの流れ方向を示す図。
【
図11】シール部材を圧縮したときの凹部の変形状態および非荷重時の状態を示す図。
【
図12】トナー担持体とシール部材の圧接時の拡大図。
【
図13】シートからなるシール材原反からの端部シール材形状のハーフカット又は全抜きを示す図。
【
図14】シール材として織物からなる段差を形成している状態を示す図。
【
図15】トナーの流動性の指標である安息角の測定方法を示す図。
【
図17】シール部材のトナー漏れ試験の段差と振動の加速度の関係を示すグラフ。
【
図18】シール部材の圧接荷重と凹部の間隙の関係を示すグラフ。
【
図19】シール部材における間隙と耐振動の加速度の関係を示すグラフ。
【
図20】シール部材のストライプの向きの角度とトナー移動速度の関係を示すグラフ。
【
図21】当接荷重とトナー移動速度の関係および当接荷重と凹部の撓みによる変形量によるトナー担持体のオーバーラップ量の関係を示すグラフ。
【
図22】シール部材の幅とトナー侵入幅の関係を示すグラフ。
【
図23】所定荷重における各樹脂シート厚み時の凹幅と撓み量の関係を計算した結果を示すグラフ。
【
図24】所定荷重における緯糸径を変化させた時の凹幅と撓み量の関係を計算した結果を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を実施するための形態について、図面を参照して以下に説明する。
【0020】
本発明は電子写真方式の画像形成装置5におけるトナー7を担持したトナー担持体6の端部シール材1である。このトナー担持体6は回転体6aから形成されている。また、端部シール材1はトナー担持体6である回転体6aの当接面6cに当接する直線状の複数の段差からなる縞模様2cの凹凸面2aを有して、凹幅を0.25mmからシール幅の1/2未満の幅に形成されている。この端部シール材1は、回転体6aであるトナー担持体6により搬送されたトナー7がシール部材1aの凹凸面2aの凹部2fと凸部2dのエッジ部2eのアール部3又は面取り部4に接した時、トナー7と接する凹部2fと凸部2dのエッジ部2eのトナー7の掻き落とし角度8が
図15にトナー7の安息角7aよりも大きく形成されている。しかも、この直線状の複数の段差からなる縞模様2cの凹凸面2aは回転体6aの回転によってトナー7を回転体6aの回転軸方向6eである内側6fに戻す角度であるトナー規制角度10を形成している。さらに、回転体6aと当接するシール部材1aの凹凸面2aの凹部2fは回転体6aとシール部材1aの取付け座面1dに弾性体を介して挟持されている。そして、回転体6aとシール部材1aの取付け面1dの当接荷重に対する、シール部材1aの裏面1eに配設の弾性体11の反発弾性により、凹部2fが回転体6aの側へ撓んで変形させられて回転体6aと当接して回転体6aの端部6dからトナー7の漏れを防止している。あるいは回転体6aと凹部2fの間隙13が回転体6aによりトナー7を搬送できる間隙以下の大きさで、かつ所望の加速度、例えば40m/s
2以下の加速度で、漏れの生じない間隙15以下の大きさに形成して、回転体6aの端部6dからトナー7の漏れを防止している。
【0021】
さらに、本発明の電子写真方式の画像形成装置5におけるトナー担持体6の端部シール材1は、トナー7の掻き落としすなわち清掃をトナー7の特性に合せて安定して行ない、トナー7が移動できる間隙13を有するトナー担持体6の回転によって、掻取ったトナー7を所定の角度でトナー担持体6へ戻し、トナー7の外部への漏れを防止している。
【0022】
この端部シール材1に有する凹部2fと凸部2dでは、凹部2fと凸部2dのエッジ部2eがトナー担持体6と当接したときに、トナー7の安息角7aよりも大きな角度となるように掻き落とし角度8が設けられており、この掻き落とし角度8で掻取ったトナー7は凹部2fと凸部2dで形成された段差の間隙部に落とされ、さらにトナー担持体6の回転軸方向6eの搬送力と流れを規制するトナー規制角度10によるスラスト方向の搬送力とによって、段差の間隙部を経てトナー収容部へ戻される。
【0023】
図1はトナー7のアジテータ(攪拌部材)5b、供給ローラ5c、トナー担持体6である現像ローラ、端部シール材1および規制ブレード5dなどを配置した電子写真方式の画像形成装置5を示す。
図2は、
図1のトナー担持体6と端部シール材1の円で囲むA部の拡大図である。
図3は、さらに
図2のa部の拡大図におけるトナー担持体6と端部シール材1の凹部2fとの間隙13の一部を円で囲むa部の模式的な拡大図で、
図3の(a)は織物1cの素材9であるフィラメント9aからなる凹部2fと凸部2dによる段差の部分とトナー担持体6の部分を示し、フィラメント9aからなる凹部2fの上は間隙13となっており、
図3の(b)は(a)の織物1cの素材9のフィラメント9aに代えて樹脂成形体9bからなり、凸部2dがアール部3の半径Rからなり、
図3の(c)は(b)の凸部2dがアール部3に代えて面取り部4となる、トナー7の掻き落とし部である。
【0024】
さらに、
図4および
図5はトナー7の掻き落としの原理の概略を示す。
図4に示すように、トナー7の粒子は掻き落としによりトナー担持体6の側から矢印で示す凹部2fの方へ落ちている。この掻き落とし角度8は、
図15に示すトナー7の安息角7aよりも大きくなるように構成されており、
図15の安息角7aは
図3および
図4における凹部2fと凸部2dのエッジ部2eのアール部3又は面取り部4と
図5に示すトナー7の直径φ
2およびトナー担持体6の外径6b、すなわちr
1×2により決定される。
図15に示す安息角7aはトナー7の流動性を示す指標であり、安息角7aが小さいほど流動性は良く、トナー7は流れ易い。又トナー7の安息角7aは20°から70°と言われている。その中で球形化したトナー7は安息角7aは30°前後で、流動性も良い。一方、粉砕して形成のトナー7の安息角7aは40°前後である。本発明は、トナー7の安息角7aよりも大きな角度でトナー7を規制することを見出したものである。そこでトナー7がシール部材1aを擦り抜けないように、
図15に示すトナー7の安息角7aよりも大きな掻き落とし角度8であるトナー規制角度10によってトナー7を規制することで、
図4に示すように、トナー7を掻き落としてトナー7をその角度で滑り落ちる状態にしている。
【0025】
図6は、トナー7の粒径を6μmとしたときの、トナー担持体6の半径r
18000μmに当接するシール部材1aの凹凸面2aからなる段差の凸部2dの掻き落とし角度8であるアール部8aを、
図6の(a)でR:10μm、
図6の(b)でR:20μm、
図6の(c)でR:50μmおよび
図6の(d)でR:100μmに変化させたときの、それぞれの掻き落とし角度8の57.4°、42.3°、27.4°および19.5°を示す。さらに、
図7でトナー7の粒径を10μmとしたときの、トナー担持体6の半径r
1:8000μmに当接するシール部材1aの凹凸面2aからなる段差の凸部2dの掻き落とし角度8であるアール部8aを、
図6と同様に、
図7の(e)でR:10μm、
図7の(f)でR:20μm、
図7の(g)でR:50μmおよび
図7の(h)でR:100μmに変化させたときの、それぞれの掻き落とし角度8の70.5°、53.1°、35.0°および25.1°を示す。このように掻き落とし角度8のアール部8aを小さくすることで、掻き落とし角度8は大きくなり、この結果、トナー7が食い込み難くなってシール部材1aで掻き落とし易くなる。
【0026】
これとは逆に、
図8に示すように、掻き落とし角度8のアール部8aを例えばR:200μmと大きくすると、掻き落とし角度8が18°と小さくなり、トナー7が食い込み易くなってトナー7が掻き落とされ難い状態となる。
【0027】
さらにシール部材1aの凹凸面2aからなる段差により、段差の凹部2fと凸部2dのエッジ部2eにトナー担持体6とシール部材1aの圧接力が加わらない間隙13の領域が形成され、トナー7がトナー担持体6の回転による搬送力により、この間隙13の領域を移動できるようになる。さらに、トナー担持体6と、凹部2fと凸部2dからなる段差の凹凸面2aからなる縞模様2cであるストライプから形成されたシール部材1aの凹部2fとの当接部12から、あるいはこの凹部2fと最近接している間隙13から、振動によってトナー7が漏れないように、凹部2fの形状を変形させて漏れにくい条件とする。この条件は、シール部材1aの凹部2fと凸部2dからなる段差の、凸部2d間の凹部2fの幅2gである凹み幅、シール部材1aの凹部2fの厚み2h、シール部材1aの素材、シール部材1aへの当接荷重およびトナー規制角度10から構成されている。さらに凹凸面2aの凸部2dのエッジ部2eにトナー7が移動可能な間隙を形成し、トナー担持体6の回転方向へ回転する力である、トナー7を搬送する力で、シール部材1aの凹凸面2aからなるトナー規制角度10によりトナー7の流れを規制し、トナー担持体6の内側へトナー7を戻すように構成されている。
【0028】
図9は、この矩形状のシール部材1aの構成を示している。
図9の(a)に示す、シール部材1aは凹部2fと凸部2dの凹凸面2aからなる段差からなる縞模様2cのストライプを有する織物1cと、この織物1cの裏面1eの接着層1gを介して発泡ポリウレタンの弾性体層11aと、この弾性体層11aに貼付した両面接着テープ1fを有する。
図9の(b)に、この矩形状のシール部材1aの凹部2fの幅は2gで示し、段差の凹部2fと凸部2dからなるピッチ幅は2iで示し、矩形のシール部材1aの傾斜した縞模様2cであるストライプの短辺からの傾斜角度は2kで示し、シール部材の長辺における凹部の幅は2mで示している。又、
図9の(c)に、段差の高さは2jで示している。
【0029】
図10は画像形成装置5の現像ローラすなわちトナー担持体6である回転体6aに当接しているシール部材1aの縞模様2cのストライプの向きを示している。この縞模様2cのストライプの向きはトナー7の流れ方向を示しており、トナー担持体6である現像ローラの右端側が反時計方向に回転するとき、トナー7は現像ローラの回転軸の端部側からトナー担持体6と当接する現像ローラの容器の内側へ戻され、容器から外部に漏洩することはない。
【0030】
図11はシール材貼付け部1hに貼付されたシール部材1aを圧縮した時の凹部2fの変形状態を(a)と(b)で示し、非荷重時すなわちシール部材1aを圧縮しない時の凹部2fの状態を(c)で示している。
図11の(a)では、シール部材1aは圧縮されており、トナー担持体6とシール部材1aの間隙13は狭くなっており、凹部2fの上全体に狭い間隙13を有する例を示している。
図11の(b)では、同じくシール部材1aは圧縮されているが、段差の凸部2dのエッジ部2eのみに間隙13を有する例を示している。
図11の(c)では、シール部材1aはトナー担持体6と当接しておらず、したがって非荷重時で圧縮されていないので、段差の凹部2fの上には段差の高さ2jからなる間隙13を有している。この
図11に示すように、複数の凹部2fと凸部2dの凹凸面2aを有するシール部材1aは凹部2fを荷重により撓みで変形させることで余分な間隙13を少なくすることで振動などによるトナー7の漏れを防止でき、しかも掻落としの必要な箇所では、この間隙13をトナー担持体6でトナー7を搬送し得る間隙15にすることができる。
【0031】
図12はトナー担持体6とシール部材1aの部分拡大図を示す。
図12の(a)は圧縮しない時のシール部材1aの凹部2fに間隙13のある場合を示し、
図12の(b)は圧縮した時のシール部材1aの凹部2fの部分が撓んで現像ローラであるトナー担持体6に当接して当接部12となっている状態を示している。ところで、図示していないが、このように圧縮した時のシール部材1aの凹部2fの部分が撓んだ変形した場合に、トナー担持体6との間に若干の間隙13を弾性体11の弾性により形成することができる。
【0032】
図13は、例えば繻子織1mと平織1nからなる段差を有する織物1cと弾性発泡体からなるシート部材の原反からハーフカット又は全抜きカットにより段差を有するシール部材1aを製作する状態を示す。端部シール材1の製造においては、カット後に織物1cのシート部材の原反の裏側に設けている両面接着テープ1fの裏面を保護している剥離紙から端部シール材1以外の余剰部を除去する。
図13の(a)は織物1cの原反の平面図であり、(b)はこの織物1cの原反の縞模様2cのストライプを所定の角度に傾斜してハーフカット又は全抜きカットする状態を示す平面図であり、(c)はカットして得られた段差の縞模様2cのストライプを有するシール部材1aを示す平面図である。さらにシール部材1aの段差を上記の織物に変えて樹脂成形体9bから製造することもでき、
図13の(d)は、弾性体11を裏面に有する段差の凹凸面2aを有するシール材1sの側面図を示す。
【0033】
図14はシール部材1aとして織物1cからなる段差を形成している構成図を示す。この図に示すように、織物1cは繻子織1mと平織1nもしくは繻子織1mと綾織1pの組合せからなり、繻子織1mの部分の厚みが厚く、平織1nもしくは綾織1pの部分の厚みが薄なっている。繻子織1mの部分に用いる織糸の経糸1iは、
図14の右側に示すように、甘撚りされた複数のフィラメントからなる糸であり、フィラメント径の半径は50μm以下で構成されている。フィラメントの断面は異形断面あるいは分割繊維からなる断面であっても良く、緯糸1jはモノフィラメントを用いている。一方、平織1nもしくは綾織1pの部分が薄い厚みになるように、平織1nもしくは綾織1pの部分に用いる経糸1kのピッチを糸径以上とし、かつ、この経糸1kを甘撚りした糸を用い、緯糸1jであるモノフィラメント上で、経糸1kが広がるように構成している。
【0034】
図15はトナー7の流動性の指標である安息角7aの測定方法を示す図である。この安息角7aは、息角、休止角とも呼ばれものであり、
図15に示すように、トナー7を漏斗16などから水平面上に落下させて堆積させた場合、落下したトナー7によって形成される円錐の表面と水平面とのなす角度が安息角7aである。この
図15に示す方法を用いて、今回試験に用いた平均粒径6.0μmの球形化したトナー7および平均粒径8.0μmの粉砕化したトナー7の安息角7aを測定した結果、球形化したトナー7の安息角7aは27°であり、粉砕化したトナー7の安息角7aは38°であった。
【0035】
図16は、振動試験装置の模式的断面で概略的に示す側面図である。振動試験装置は加振器17にアングル20で取り付けられたトナーボックス18の前面に縦型のカバー19を有し、このカバー19の下面に試験の評価材料であるシール部材1aを貼付し、トナー7をトナーボックスに収納して、シール部材1aを貼付したカバー19でトナーボックス18の前面を閉じ、加振方向22にトナーボックス18を加振器17で振動させて、トナーボックス18からカバー19のシール部材1aを経てトナー7の漏れを測定する。その時の振動の大きさはピックアップセンサー21で測定するものとする。
【0036】
図17のグラフにより、上記の振動試験装置により、凹部2fと凸部2dから凹凸面2aに形成したシール部材1aの単体のトナー漏れ試験である振動試験結果を示す。この場合、シール部材1aの凹みの幅2gは2mm、トナー7は球形化したトナー7、その平均粒子径は6μmである。シール部材の最悪のケースにおける漏れ試験では、
図17に示すように、段差を有するトナー7の漏れについては、画像形成装置5のトナー7の輸送時の振動の加速度すなわち3G(29.4m/s
2)に耐えられるものとして、シール部材1aの段差としては0.1mm以下が好ましく、0.05mm以下がより好ましい。なお、装置内の振動について測定した結果として5m/s
2以下であった。
【0037】
端部シール材1として織物1cからなる段差を有するシール部材1aの裏面に、弾性体11である発泡ポリウレタンの弾性体層11aを設け、
図11に示すようにシール部材11aに荷重を加えて圧縮した、段差を有するシール部材1aの凹部2fの撓み変形による間隙13を、測定して、その結果を
図18のグラフに示す。このシール部材1aの条件は凹部2fの幅が2mmである。この
図18のグラフから、各段差を有するシール部材1aにおいて、圧接荷重を加えることによって、凹部2fが撓んで変形して間隙13が狭くなっていくことが確認された。
【0038】
段差が0.05mm、0.1mm、0.15mmの3種のシール部材1aの裏面に弾性体11である発泡ポリウレタンの弾性体層11aを設け、
図16に示す振動試験装置により、振動の加速度を縦軸に間隙13を横軸として、シール部材1aからのトナー7の漏れについて確認した結果を
図19のグラフに示す。この試験条件は凹部の幅は2mm、トナー7は球形化したトナー7で平均粒子径6μmである。
図19のグラフに示すようにトナー7のシール部材1aとしての間隙は13は0.1mm(100μm)前後であり、0.05mm(50μm)前後以下より振動の加速度が曲線的に増加し、トナー7の漏れが発生し難くなっている。
【0039】
段差であるストライプを有する織物1cからなるシール部材1aの裏面に弾性体11である発泡ポリウレタンの弾性体層11aを設け、その弾性体層11aの裏面に両面接着テープ1fを貼り付け、段差の凹凸からなるストライプの向きであるトナー規制角度10を所定の角度にし、トナー担持体6である現像ローラと当接させ、各々のトナー規制角度10におけるトナー7の移動速度を測定して、
図20のグラフに示す。このときの条件は現像ローラ表面の速度は250mm/s、荷重は130g/cm
2、段差0.15mm、トナー7は球形化したトナーである。
図20に示すように、トナー7を規制するトナー規制角度10を大きくするとトナー7の移動速度を遅くでき、トナー規制角度10を小さくするとトナー7の移動速度を早くでき、トナー7の移動速度をトナー規制角度10により調整することができる。すなわち、トナー規制角度10を画像形成装置5のトナー担持体6の回転体6aの回転速度に合せて設定できるので、トナー7が侵入する速度よりも速い速度で回転(移動)させることでトナーの侵入を防止することが可能となる。したがって、トナー規制角度10は装置に合せて適宜設定すれば良い。なお、シール部材であるストライプ織物と弾性体の貼り合わせについては両面接着テープ又は接着剤による貼り合わせ方法があるが、裁断時の糸引防止を考慮すると接着剤による貼り合わせの方がより好ましい。
【0040】
トナー担持体6である現像ローラとシール部材1aとの当接荷重とトナー7の移動速度関係、および、シール部材1aの凹部2fの撓み量から段差の厚さを減じたトナー担持体6とのオーバーラップ量と当接荷重との関係を
図21のグラフに示す。
図21に示すように、トナー7の移動速度は当接荷重の増加により2箇所の変曲点を有する。1箇所目は当接荷重の増加により直線的に移動速度が速くなり、一次変曲点後では緩やかに移動速度が速くなり、2箇所目は2次変曲点後にトナー7の移動速度が遅くなる。この現象は、当接荷重とオーバーラップ量から一次変曲点時は凹部2fがトナー担持体6に当接する位置であり、当接することでよりトナーの移動速度をより速くすることとなる。しかし、二次変曲点に見られるように、当接荷重が大きくなるとトナー7の移動速度が逆に低下する。これは凹部2fと凸部2dのエッジ部2eの間隙13が小さくなりすぎることにより、トナー7の移動が規制され、速度が遅くなることによる。
【0041】
トナー規制角度10が70°である織物1cからなる段差を有するシール部材1aを用いて、裏面に発泡ポリウレタンの弾性体11を貼付して幅の異なるシール部材1aを形成し、実機にてシール部材1aへのトナー7の侵入幅を測定した結果を
図22に示す。
図22に示すように、シール部材1aの幅を2mm〜5mmに変化させて測定した結果、トナー7の侵入幅は2mm幅で十分にシールできることが判る。
【0042】
段差からなるストライプを有する樹脂成形体9bからなるシール部材1aの裏面に弾性体11である発泡ポリウレタンを貼付け、さらに発泡ポリウレタンの裏面に両面接着テープ1fを貼付けた後、トナー規制角度10が70°になるようにして端部シール材1を製作し、実機にて試験を行った結果を表1に示す。表1に示すように、掻き落とし角度8のアール部3が
156μmの比較例1および掻き落とし角度8のアール部3が94μmの比較例2はシール性は×で示すように悪く、
62μmの実施例1ではシール性は△で示すように可で、48μmの実施例2ではシール性は○で示すように良好であり、問題はない。なお、この段差を有する樹脂成形体9bからなるシール部材1aの実機による試験は、トナー担持体6の表面速度250mm/sにて行っている。
【0044】
段差からなるストライプを有する織物1cからなるシール部材1aの裏面に弾性体11である発泡ポリウレタンを貼付け、さらに発泡ポリウレタンの裏面に両面接着テープ1fを貼付けた後、トナー規制角度10が70°になるようにして端部シール材1を製作し、実機にて試験を行った結果を表2に示す。表2に示すように、織物1c形成する糸の太さに依存することなく、シール性は問題のない結果となっている。すなわち、掻き落とし角度8となる経糸1iの繊維径が0.1mmより小さい19〜21μmである実施例
3〜9はシール性は○で示すように良好であり、問題はない。すなわち、繊維(フィラメント)径が0.1mmより小さく、掻き落とし角度8となる経糸1iの位置では、フィラメントによる書き落としが行われていることを示し、かつ異なる安息角7aを有するトナー7においてもシール性はいずれも○で示すように良好であり、問題のない結果となっている。
【0046】
上記の表1および表2の結果より、複数の段差を有するシール部材1aを用いた画像形成装置5の端部シール材1において、凹部2fとトナー担持体の所定の間隙13以下および凹部2fと凸部2dからなる段差の凸部2dのエッジ部2eに間隙15を有していても十分にトナー7のシールが可能な端部シール材1であり、トナー担持体6の回転によりトナー規制角度10を有し、トナー7を移動させることにより、トナー担持体6の装置の外へのトナー7の漏れを防止し、かつ、凹部2fをトナー担持体6と所定以下の間隙13にすることで、トナー7の輸送時およびトナー担持体6の使用時の振動にも十分耐えられる端部シール材1であり、従来にない狭いシール幅としてシール可能である。したがって、省資源のシール部材1aであり、装置の小型化を達成することができる。
【0047】
また、本発明のシール部材1aの構成により、段差を有するストライプの幅2gおよびピッチ幅2iは任意に製作できる。また、凹部2fの厚み2hについては凹部2fの幅とも関係するが、樹脂成形体9bである樹脂シートについては、
図23に机上計算した結果の図を示し、厚み2hが0.1mm以下で、好ましくは0.05mm以下が撓み変形し易く使用しやすい。加えて
図24に机上計算した結果の図を示し、織物1cのシール部材1aを用いる時は、撓み変形を主に支配するものは緯糸1jであり、この緯糸1も径が100μm以下のモノフィラメントが好ましく、凹部の幅2mについても織物においては使用可能なフィラメント径が25μm前後を使用することにより0.25mm幅以上になると変形し易くなり、当接圧によるトナー担持体6とシール部材1aの凹部2fの間隙13を小さくすることが可能であることがわかる。また、本発明の端部シール材1は、端部シール材1内に複数の凹凸面2aを形成することでトナー7の掻き落とし効果をより向上させた端部シール材1でかつトナー規制角度10を有するように構成しているため凹部2fの幅の最大幅は端部シール材1の幅の1/2未満に設定することが必要である。
【0048】
さらにトナー担持体6である回転体6aの端部シール材1は感光体の端部シール材1としてまたは中間ベルトの端部シール材1として使用が可能である。加えて、トナー担持体6である回転体6aの回転時のトナー7の噴煙状の噴き出しによるシール領域へのトナー7の付着による汚染についてあるいは段差を形成する凹凸部領域が当接してトナー担持体6の端面と同じ位置もしくはその外側でのトナー7の噴煙状の噴き出しによる汚染について、トナー担持体6である回転体6aの回転によってトナー7を移動させることができ、回転体6aの表面の端部6d又は中間ベルトの表面の端部をクリーニングできる。なお、上記したように織物1cを端部シール材1の素材とした場合に、掻き落とし角度8となる位置で糸を構成するフィラメントが掻き落としを行っており、この糸を構成するフィラメントを異形断面又は複合繊維からなる分割繊維などを用いてもよい。