【文献】
Brian T.Schowengerdt,44.1:Volumetric Display using Scanned Fiber Array,SID Symposium Digest of Technical Papers,2010年 5月,Volume 41 Issue 1,653−656
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ファイババンドルコンバイナは、前記ファイババンドルの長手方向に対して垂直な断面上で前記複数の第1の光ファイバ、前記複数の第2の光ファイバおよび前記複数の第3の光ファイバが六方最密格子を形成するように各ファイバを固定し、
複数個積層される前記光ファイバ列のそれぞれの配置方向が、前記複数の第1の光ファイバ、前記複数の第2の光ファイバおよび前記複数の第3の光ファイバのそれぞれの配置方向に対して60度傾いている、請求項1に記載の光源装置。
前記ファイババンドルコンバイナは、前記ファイババンドルの長手方向に対して垂直な断面上で前記複数の第1の光ファイバ、前記複数の第2の光ファイバおよび前記複数の第3の光ファイバが正方格子を形成するように各ファイバを固定し、
複数個積層される前記光ファイバ列のそれぞれの配置方向が、前記複数の第1の光ファイバ、前記複数の第2の光ファイバおよび前記複数の第3の光ファイバのそれぞれの配置方向に対して垂直である、請求項1に記載の光源装置。
【背景技術】
【0002】
立体的に画像を表示する画像表示装置が知られている。例えば、特許文献1には、平面的にマトリックス構成され、かつ表示側先端において表示画面の最小単位となる単画素ごとに長さが異なる複数の透明なファイバと、そのファイバの背面側に一様に設けられた光源とを有する画像表示装置が記載されている。この画像表示装置では、表示側先端におけるファイバの長さを段階的に変えることで、ファイバ先端面の相対的な高さの違いによって表示画像に奥行き感を与える。
【0003】
また、立体画像を表示する3次元表示装置として、体積ディスプレイ(Volumetric Display)が知られている(例えば、特許文献2を参照)。体積ディスプレイは、光源からのレーザ光をMEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラーなどにより走査して、複数の層状に配置された仮想的なスクリーンのそれぞれに表示物体の断面の画像を投影することにより、複数の画像を組み合わせて立体画像を表示する。特に、互いに結像位置が異なる複数のレーザ光を網膜上に走査することにより、目に直接立体画像を投影する網膜走査型の体積ディスプレイが知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
【0004】
図16(A)および
図16(B)は、網膜走査型の体積ディスプレイの原理を説明するための図である。複数のレーザ光源にそれぞれ接続された複数の光ファイバ101から、例えば図中に黒丸で示した通り水平方向(奥行き方向)の異なる位置で結像するように、複数のレーザ光を出射する。
図16(A)および
図16(B)では、光ファイバ101から投射レンズ102,103,104を介して観察者の目105に投影される4つのレーザ光を、実線や破線により示している。
【0005】
複数のレーザ光は、互いに重ね合わされて多焦点のビームとなり、スキャナ106によって観察者の目105に走査されることにより、複数の画像が層状に重ね合わされた立体画像を形成する。例えば、
図16(A)に示す通り、点Aが網膜上に来るように観察者が水晶体を調整すると、観察者には遠くの位置に焦点が合ったように見える。逆に、
図16(B)に示す通り、点Bが網膜上に来るように観察者が水晶体を調整すると、観察者には近くの位置に焦点が合ったように見える。このようにして、観察者は、体積ディスプレイの画像を見たときに奥行きを知覚することができる。
【0006】
体積ディスプレイのレーザ光源には、ファイバピグテイルモジュールを多数個並べたものが用いられている。しかしながら、それでは装置全体が大型になってしまうため、装置を小型化するためには、アレイ型光モジュールを光源に用いることが好ましい。
【0007】
非特許文献1には、体積ディスプレイのレーザ光源として、複数のLD(レーザダイオード)素子にそれぞれ接続された光ファイバアレイが記載されている。非特許文献1の体積ディスプレイでは、一方がLD素子に接続され他端が斜めに切断された光ファイバアレイにより、各ファイバの出射端面から網膜までの距離を変化させて、投影される画像の奥行き方向の位置を制御する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、光源装置と投影装置について詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0023】
以下では、光源装置を光源部として用いた投影装置の例として、眼鏡型の体積ディスプレイを説明する。ただし、投影装置は、異なる奥行き位置にRGBの各色レーザ光を結像させて立体画像を投影する体積ディスプレイであれば、眼鏡型のものに限らない。
【0024】
図1は、眼鏡型の体積ディスプレイ1の斜視図である。体積ディスプレイ1は、使用者の頭部に装着され、レーザ光を使用者の網膜に投影させて画像を視認させるNTE(near-to-eye)ディスプレイである。
【0025】
図1に示すように、体積ディスプレイ1は、眼鏡型フレーム2と、投影ユニット3,3’と、ハーフミラー4,4’とを有する。眼鏡型フレーム2は、一般的な眼鏡と同様に、頭部に装着可能な形状を有する。投影ユニット3,3’は、略L字状の形状を有し、左目用と右目用のレンズ部分にそれぞれ取り付けられている。ハーフミラー4,4’は、使用者が眼鏡型フレーム2を頭部に装着したときに、それぞれ使用者の左目および右目と対向するように、投影ユニット3,3’の先端部に取り付けられている。自然な立体表示をするには両眼視差を再生することも必要なため、投影ユニットは右目用と左目用を装荷し、各投影ユニットには両眼視差を考慮した異なる画像を表示することは言うまでもない。投影ユニット3,3’はどちらも同じ構成を有するため、以下では投影ユニット3について説明する。
【0026】
図2は、体積ディスプレイ1の投影ユニット3の概略構成図である。投影ユニット3は、内部に、光源部10と、投影部30と、制御部40とを有する。光源部10は、光源装置の一例であり、画像信号に応じた強度のレーザ光を出射する。投影部30は、伝送されたレーザ光を走査して使用者の左目に投影する。制御部40は、投影される画像の画像データに応じて、光源部10による各色レーザ光の発光タイミングや発光強度などを制御する。
【0027】
投影部30は、投射レンズ31と、MEMSミラー32とを有する。投射レンズ31は、光源部10から出射された各色レーザ光がMEMSミラー32に照射されるように整形する。MEMSミラー32は、駆動部(図示せず)により例えば水平方向および垂直方向に高速に揺動される。MEMSミラー32は、投射レンズ31により集光された各色レーザ光Lbを偏向させて使用者の左目60に入射させ、その網膜上で2次元状に走査させる。このように、体積ディスプレイ1は、使用者の網膜を投影面として使用し、その上に画像を投影する。使用者は、網膜上で走査された光により、画像信号に応じた画像を視認する。
【0028】
図2に示すように、使用者の左目60には、投影部30から出射されるレーザ光Lbがハーフミラー4で反射して入射するとともに、外光Laもハーフミラー4を透過して入射する。すなわち、体積ディスプレイ1は、外光Laによる外景に、レーザ光Lbによる投影画像を重ねて表示する、いわゆるシースルー型の投影装置である。ただし、これは一例であって、投影装置は必ずしもシースルー型でなくてもよい。
【0029】
図3(A)および
図3(B)は、体積ディスプレイ1による立体画像の投影について説明するための図である。
【0030】
図3(A)は、奥行き位置が異なるレイヤ50を示す図である。体積ディスプレイ1の光源部10は、異なる奥行き位置にRGBの各色レーザ光を結像させて、複数の画像が層状に重ね合わされた立体画像を形成する。体積ディスプレイ1は、2次元の画像を重ね合わせることにより、使用者に投影画像の奥行きを知覚させる。奥行き位置が異なるこれらの各層は、仮想的なスクリーンと考えられる。これらの各層のことを、以下では「レイヤ」という。一般に、レイヤが6層くらいあれば、使用者は奥行きを知覚することができる。体積ディスプレイ1では、例えばレイヤ50を10層とし、そのレイヤ数に対応させて、光源部10に10組のRGBレーザ光源を設ける。
【0031】
図3(B)は、出射点の前後位置により結像位置が前後することを示す図である。
図3(B)に示すように、出射点51を投射レンズ31により近い位置Aとすると、出射点51からの光はより大きな角度で投射レンズ31に入るため、より遠くの位置A’に結像する。逆に、出射点51を投射レンズ31からより遠い位置Bとすると、出射点51からの光はより小さな角度で投射レンズ31に入るため、より近くの位置B’に結像する。したがって、出射点51の位置を投射レンズ31に対して前後させると、結像位置が前後する。このことから、体積ディスプレイ1では、10層のレイヤ50に対応する10組のRGBレーザ光について、出射点の位置を投射レンズ31に対して前後させる。そして、体積ディスプレイ1は、出射点の位置が互いに異なる10組のRGBレーザ光を走査することにより、10層のレイヤ50のそれぞれに画像を表示させる。
【0032】
図4は、光源部10の概略構成図である。光源部10は、光モジュール11Rと、光モジュール11Gと、光モジュール11Bと、ファイババンドルコンバイナ12とを有する。
【0033】
光モジュール11Rは、第1の光モジュールの一例であり、ファイバアレイ25Rを介して赤色のレーザ光を出射する。光モジュール11Gは、第2の光モジュールの一例であり、ファイバアレイ25Gを介して緑色のレーザ光を出射する。光モジュール11Bは、第3の光モジュールの一例であり、ファイバアレイ25Bを介して青色のレーザ光を出射する。
【0034】
光源部10は、RGB各色の光源として、各色専用の光モジュールを使用する。光モジュール11R,11G,11Bは同様の構成を有するため、以下では、これらを区別せず単に「光モジュール11」ともいう。
【0035】
ファイババンドルコンバイナ12は、例えば石英ガラスで構成され、各モジュールからのファイバアレイ25R,25G,25Bを束ねて固定して、ファイババンドルを形成する。特に、ファイババンドルコンバイナ12は、ファイバアレイ25R,25G,25Bのうちの1本ずつを含む3本の光ファイバ列が複数個積層されるように各ファイバの端部を固定して、ファイババンドルを形成する。このように、光源部10では、RGBの合波後にバンドルするのではなく、各光モジュール11からのRGBの光ファイバをファイババンドルコンバイナ12で束ねる。
【0036】
ファイバアレイ25R,25G,25Bの本数は、体積ディスプレイ1のレイヤ数に対応して、それぞれ10本である。これにより、光源部10では、RGB3本の光ファイバ列を10組積層させてアレイ化する。そして、それぞれの光ファイバ列は、10層のレイヤ50に対応した互いに異なる奥行き位置に結像されるレーザ光を出射する。
【0037】
各ファイバの出射端面から出射された各色レーザ光は、上記の通り、投射レンズ31を介してMEMSミラー32により走査されて、投影面(網膜)上に投影される。しかしながら、ファイババンドルコンバイナ12でRGBの各ファイバを単に束ねるだけでは、各ファイバのコア間の距離が離れているため、RGBの各投影点間で位置ずれが発生し、画像がにじんで見える。そこで、各ファイバの出射位置のずれによる投影画像のずれをあらかじめ計測し、各層のRGBの発光タイミングとMEMSミラー32の走査タイミングとを事前に調整しておくことで、組立誤差を含んだ投影画像のずれを補正しておく。また、制御部40は、例えばタイムオブフライト(TOF)方式やパタン投射法あるいは画像によるパタン認識などを利用し、例えば図示しない検知部が赤外線を照射してからその反射光を受光するまでの光の飛行時間を計測するか、近赤外CMOS/CCDカメラからなる画像センサで取得した画像の画像処理によるパタン認識によって眼球の動きを計測することにより、アイトラッキングを行う。このようにして、制御部40は、投影画像を眼球の動きに応じて変化させることができる。
【0038】
図5は、光モジュール11の概略構成図である。光モジュール11は、体積ディスプレイ1の各レイヤ50に対応させて同じ波長(色)の光源を多重化(空間多重)するために、対応する色のLDアレイを設けたアレイ型光モジュールである。光モジュール11は、シリコン基板20と、LDアレイ21と、PD(フォトダイオード)アレイ22と、サブ基板23と、第1のファイバアレイ24と、第2のファイバアレイ25と、ファイバコネクタ26と、ドライバIC27とを有する。LDアレイ21、PDアレイ22、サブ基板23、第1のファイバアレイ24およびドライバIC27は、シリコン基板20上に実装される。
【0039】
シリコン基板20は、例えば、上面から底面に貫通するシリコン貫通電極(through-silicon via:TSV)が設けられ、底面に集中配置された半田バンプを介して図示しない回路基板に電気的に接続される、TSV型の基板である。あるいは、シリコン基板20は、FPC(Flexible printed circuits)型の基板でもよい。
【0040】
LDアレイ21は、それぞれが赤色、緑色または青色の同じ色のレーザ光を出射する複数のダイレクトレーザである。光モジュール11RのLDアレイ21は複数の第1の光素子の一例であり、すべて赤色のレーザ光を出射する。光モジュール11GのLDアレイ21は複数の第2の光素子の一例であり、すべて緑色のレーザ光を出射する。光モジュール11BのLDアレイ21は複数の第3の光素子の一例であり、すべて青色のレーザ光を出射する。LDアレイ21は、ドライバIC27からの電流供給により駆動される。また、LDアレイ21は、MEMSミラー32に同期した強度出力となるように、個々に変調されている。
【0041】
LDアレイ21は、シリコン基板20の上面に設けられたマイクロバンプを介して、シリコン基板20上に表面活性化接合で実装される。表面活性化接合とは、物質表面を覆っている酸化膜、塵(コンタミ)などの不活性層をAr(アルゴン)プラズマ処理などで取り除いて活性化し、表面エネルギーの高い原子同士を接触させ、高荷重を加えることで原子間の凝着力を利用して常温で接合させることをいう。
【0042】
あるいは、LDアレイ21を赤外領域のレーザとして、それぞれに光結合されるようにPPLN(Periodically Poled Lithium Niobate)アレイ(図示せず)を設けて、それぞれのLD素子で生成された光を、対応する色のレーザ光に波長変換して出射してもよい。光結合とは、一方の光素子から出射された光を他方の光素子に直接入射できるように、相互に位置関係が定められていることをいう。
【0043】
ファイババンドルコンバイナ12でRGB3本の光ファイバ列を10組積層させて束ねることから、LDアレイ21は、対応する色のレーザ光を出射するLD素子を最低10個含む必要がある。LD素子には一定の割合で不良品が含まれるが、LDアレイ21をベアチップとする場合には、各素子をすべて実装した状態でないと動作確認ができない。このため、バーンイン(通電動作エージング)後に不良品を排除できるようにするために、LDアレイ21には10個以上のLD素子を含めて、ある程度の冗長性をもたせる。
【0044】
光通信用のレーザモジュールとは異なり、レーザディスプレイ用のレーザモジュールでは、波長帯域(RGB)が広い。このため、RGBの各色レーザで、材料、組成および構造を変える必要があり、ウェハサイズも異なる。したがって、色ごとにLD素子の不良率が異なるため、色ごとの歩留まりの違いを考慮して、光モジュール11R,11G,11Bの素子数を決める必要がある。例えば、体積ディスプレイ1のレイヤ数に対応する10個の良品を安定的に得るためには、LDアレイ21の素子数を色ごとに変化させる必要がある。そこで、光源部10では、例えば、光モジュール11R(赤色レーザ)では17個、光モジュール11G(緑色レーザ)では15個、光モジュール11B(青色レーザ)では16個というように、LDアレイ21の素子数を色ごとに変化させる。
【0045】
例えば、LDアレイ21の素子数が15個であれば、バーンイン工程で最大5個の不良品が生じても、光モジュールとしては良品になる。このように、LDアレイ21に冗長性を持たせることにより、光モジュール11の歩留まりが改善される。
【0046】
PDアレイ22は、LDアレイ21の各素子に対応して、レーザ光の出射方向に対する各LD素子の背面側に設けられる複数のフォトダイオードである。PDアレイ22の各素子は、対応するLD素子の後方光を受光し、その光量をモニタする。PDアレイ22も、LDアレイ21と同様に、シリコン基板20上に表面活性化接合で実装される。
【0047】
LD素子は、経年変化により電流・光出力特性が変動するため、出力を一定に保つためには、光量をモニタしフィードバック制御を行うことが好ましい。そこで、光モジュール11では、各LD素子の光量が一定に保たれるように、各LD素子の光量をPDアレイ22がモニタし、各LD素子に供給する駆動電流を検出された光量に応じてドライバIC27が制御する。
【0048】
サブ基板23は、第1のファイバアレイ24を保持するための溝が下面に形成された、例えば「コ」の字型の基板である。サブ基板23は、シリコン基板20に接合され、第1のファイバアレイ24の端部を固定する。サブ基板23には、シリコン基板またはガラス基板が用いられる。サブ基板23も、LDアレイ21と同様に、シリコン基板20上に表面活性化接合で実装される。サブ基板23の端部には、結合部材としてGI(Graded Index)レンズを一体的に設けてもよい。また、サブ基板23には、「コ」の字型の基板に代えてV溝基板を用いてもよい。
【0049】
第1のファイバアレイ24は、LDアレイ21から出射されたレーザ光をそれぞれ導波する、当該波長におけるフィウモードまたはシングルモードの光ファイバである。サブ基板23がシリコン基板20に接合された状態で、第1のファイバアレイ24の端部は、LDアレイ21の各素子に光結合される。第1のファイバアレイ24の本数は、LDアレイ21の素子数と同じである。例えば、光モジュール11R,11G,11Bでは、LDアレイ21の素子数をそれぞれ17個,15個,16個としているから、第1のファイバアレイ24もそれぞれ17本,15本,16本とする。また、LDアレイ21の各素子との調芯を容易にするため、第1のファイバアレイ24には、例えば6μmなど、口径が比較的大きいものを用いる。
【0050】
第2のファイバアレイ25は、ファイバコネクタ26を介して一端が第1のファイバアレイ24に光結合され、LDアレイ21からのレーザ光を光モジュール11の外部にそれぞれ出射する、当該波長におけるフィウモードまたはシングルモードの光ファイバである。光モジュール11R,11G,11Bの第2のファイバアレイ25は、
図4に示したファイバアレイ25R,25G,25Bにそれぞれ相当する。光モジュール11R,11G,11Bの第2のファイバアレイ25は、ファイバコネクタ26とは反対側の端部がファイババンドルコンバイナ12により固定され、その端部から、対応する色のレーザ光をそれぞれ出射する。
【0051】
第2のファイバアレイ25の本数は、体積ディスプレイ1のレイヤ数に対応する10本である。第2のファイバアレイ25の本数は、体積ディスプレイ1のレイヤ数で決まるため、第1のファイバアレイ24の本数とは異なり、光モジュール11R,11G,11Bで同じである。
【0052】
第1のファイバアレイ24の本数にはLDアレイ21の素子数に合わせて冗長度をもたせているから、第2のファイバアレイ25の本数は、第1のファイバアレイ24の本数より少ない。したがって、第2のファイバアレイ25は、ファイバコネクタ26を介して第1のファイバアレイ24に選択的に接続される。第2のファイバアレイ25の接続先は、光モジュール11の製造過程において、バーンインによりLDアレイ21の不良品を排除するときに、良品のLD素子のみに接続されるように選択される。
【0053】
また、第2のファイバアレイ25には、例えば4μmなど、第1のファイバアレイ24より口径が小さいものを用いる。モードフィールド径を変換することにより、LDアレイ21側の第1のファイバアレイ24は調芯し易いように大きな径(例えば6μm)のファイバとし、一対一の投射系を用いる場合は、眼球側の第2のファイバアレイ25は、にじみのない画像が表示されるように網膜の視細胞に合わせたファイバ径(例えば4μm)とする。
【0054】
光モジュール11Rの第1のファイバアレイ24と第2のファイバアレイ25は、複数の第1の光ファイバの一例である。光モジュール11Gの第1のファイバアレイ24と第2のファイバアレイ25は、複数の第2の光ファイバの一例である。また、光モジュール11Bの第1のファイバアレイ24と第2のファイバアレイ25は、複数の第3の光ファイバの一例である。
【0055】
ファイバコネクタ26は、第1のファイバアレイ24と第2のファイバアレイ25を接続するコネクタである。ファイバコネクタ26には、市販の一般的な構造のものを用いてよい。
【0056】
ドライバIC27は、シリコン基板20の上面に半田で実装される。ドライバIC27は、LDアレイ21などを駆動する機構であり、少なくとも、LDアレイ21の駆動に必要な電流供給を制御する機構を含む。ドライバIC27は、デジタルインタフェースを実装していることが好ましく、また制御部としてCPUやメモリなどのコア部分を含んでいればなおよい。
【0057】
図6は、光モジュール11の製造工程を示したフローチャートである。まず、ドライバIC27をシリコン基板20に半田接合する(ステップS1)。その後で、LDアレイ21およびPDアレイ22を、パッシブアライメントによりシリコン基板20に表面活性化接合する(ステップS2)。ステップS2では、例えば、シリコン基板20やLDアレイ21、PDアレイ22に設けられたアライメントマークの位置を合わせることにより、シリコン基板20に対するLDアレイ21およびPDアレイ22の位置を決定する。このように、先に半田接合し、その後で表面活性化接合することにより、LDアレイ21などの光素子に熱影響を及ぼさないように各素子を実装する。
【0058】
この状態でバーンインを行い、LDアレイ21に不良品が含まれるか否かを確認する(ステップS3)。次に、第1のファイバアレイ24をサブ基板23に固定し、両者をアクティブアライメントによりシリコン基板20に表面活性化接合する(ステップS4)。ステップS4では、シリコン基板20とサブ基板23の相対位置を変化させながらLDアレイ21からレーザ光を出射させ、第1のファイバアレイ24を通して出射される光の強度に基づいて、シリコン基板20に対するサブ基板23の位置を決定する。さらに、接着剤を用いて、サブ基板23の接合を補強する(ステップS5)。
【0059】
そして、第1のファイバアレイ24のうち、ステップS3で良品と確認されたLD素子に接続されている光ファイバの中から、体積ディスプレイ1のレイヤ数に対応する10本を選択する(ステップS6)。第1のファイバアレイ24のうちステップS6で選択された10本の光ファイバに、ファイバコネクタ26を介して第2のファイバアレイ25を接続する(ステップS7)。これで、光モジュール11の製造工程は終了する。
【0060】
なお、ステップS4で第1のファイバアレイ24とサブ基板23をシリコン基板20に実装した後に、ステップS3のバーンインを行ってもよい。
【0061】
このように、光モジュール11では、LD素子と光ファイバをアレイ化することにより、LD素子と光ファイバを一度に調芯できるという利点がある。また、光モジュール11R,11G,11Bで色別のLDアレイ21をシリコン基板20に実装することにより、RGBの各色で個別に、通常のLD素子のようにLD素子をバーンインすることができる。そして、LDアレイ21に冗長性をもたせ、シリコン基板20への実装後にバーンインできるようにすることにより、光モジュール11の歩留まりが改善される。
【0062】
また、光モジュール11R,11G,11Bをレーザの色別に設けることにより、各色レーザの材料や、組成、構造などによる不良率に応じて、LDアレイ21の冗長性を変化させることができる。これにより、例えば、赤色レーザは材料が安価なので冗長性を高くしてもよいが、緑色レーザと青色レーザは材料が高価なので冗長性をなるべく抑えたいという要望にも、柔軟に対応することが可能になる。
【0063】
以下では、光源部10から出射される10組のRGBレーザ光の結像位置を体積ディスプレイ1の10層のレイヤに対応するように前後させる具体的な方法について説明する。
【0064】
複数のレイヤへの投影を実現するためには、次の2通りの方法がある。1つ目の方法は、各レイヤに対応するRGB3本の光ファイバ列の出射端面が投射レンズ31から同一距離となるように、ファイバアレイ25R,25G,25Bの出射端面を、各色レーザ光の出射方向に対して斜めに研磨するというものである。すなわち、1つ目の方法では、レーザ光の出射端面から投影面までの距離が光ファイバ列ごとに異なるように、各ファイバの端部がファイババンドルの長手方向に対して斜めに研磨される。また、2つ目の方法は、RGB3本ずつの各光ファイバ列からのレーザ光の拡散角を異ならせるように、ファイバアレイ25R,25G,25Bの投射レンズ31側の先端にGIファイバを融着させるというものである。以下では、これらの2つの方法を順に説明する。
【0065】
まず、ファイバアレイ25R,25G,25Bの出射端面を、各色レーザ光の出射方向に対して斜めに研磨する1つ目の方法について説明する。この場合、ファイババンドルコンバイナ12により束ねられる各ファイバの配置によって、研磨の方向が異なる。
【0066】
図7は、ファイバアレイ25R,25G,25Bの第1の配置例を示す図である。
図7では、ファイババンドルコンバイナ12で束ねられたファイバアレイ25R,25G,25Bの端部の断面を示している。第1の配置例は、各ファイバがその長手方向に垂直な断面上で正方格子を形成するように、ファイババンドルコンバイナ12がファイバアレイ25R,25G,25Bを束ねてファイババンドルを形成した場合である。正方格子の場合、1つのレイヤに対応する各光ファイバ列28の配置方向は、
図7に矢印で示したファイバアレイ25R,25G,25Bの配置方向に対して垂直である。すなわち、正方格子の場合は、
図7における垂直方向に同じ順序で並んだRGBの光ファイバ列28が、各ファイバアレイ25R,25G,25Bの配列方向に、10レイヤ分積層されている。
【0067】
図8は、第1の配置例におけるファイバアレイ25R,25G,25Bの出射端面の方向を示す図である。
図8に矢印で示したように、各光ファイバ列28に含まれるRGBの光ファイバの出射光軸は、同一平面内に同じ順序で平行に配置されている。
【0068】
図3(B)を用いて説明したことから、1つのレイヤに結像するRGBは、出射点から投射レンズ31までの距離を同じにする必要がある。そこで、1つのレイヤに対応する光ファイバ列28の出射端面が投射レンズ31に対して同じ距離になるように、ファイババンドルを斜めに研磨する。すなわち、
図7に1〜10の番号で示した各光ファイバ列28について、出射端面から投射レンズ31までの距離が同じになるように、ファイババンドルを斜めに研磨する。
図8に示した各ファイバの長手方向に垂直な断面に対するファイバの出射端面の角度αは、ファイバの屈折率により決まるが、後述するように、42度程度であることが好ましい。このファイババンドルから出射される各色レーザ光を投射レンズ31にて位置・角度変換し、MEMSミラー32で2次元方向に走査することにより、体積ディスプレイ1の各レイヤに画像が投影される。
【0069】
図9は、斜めに研磨された各ファイバの出射端面での屈折について説明するための図である。
図9を用いて、各光ファイバの出射端面の好ましい角度について説明する。
【0070】
図9では、ファイバアレイ25R,25G,25Bのうちの1本の光ファイバ251について、出射端面(界面)付近を拡大して示している。シングルモードファイバ(SMF)のコア材料は例えば石英ガラスであり、界面では、石英ガラスから空気中にレーザ光が出射される。コア部分の等価屈折率をn
g、入射角をθ
g、空気の屈折率をn
a、出射角をθ
aとおくと、スネルの法則より、
n
g・sinθ
g=n
a・sinθ
a (1)
が成り立つ。ここで、n
a=1とすると、式(1)から、
sinθ
a=n
g・sinθ
g (2)
となる。また、ファイババンドルコンバイナ12の先端角をθ
tとおくと、
図9から、
θ
g=π/2−θ
t (3)
となる。先端角θ
tは、光ファイバ251の長手方向に対する出射端面の角度であり、
図8の角度αとはθ
t+α=π/2の関係がある(すなわち、θ
g=αである)。式(3)を式(2)に代入し、sinθ
a<1を考慮すると、
cosθ
t<1/n
g (4)
となる。
【0071】
例えばn
g=1.43の場合は、式(4)よりcosθ
t<0.699であるため、
θ
t>45.63deg
が、界面で全反射が起こらない条件となる。同様に、n
g=1.46の場合は、
θ
t>46.77deg
が、n
g=1.5の場合は、
θ
t>48.19deg
が、界面で全反射が起こらない条件となる。
【0072】
光ファイバ列ごとに異なる奥行き位置に結像されるレーザ光を出射するためには、ファイババンドルコンバイナ12の先端角θ
tはなるべく小さい方が好ましい。しかしながら、ファイババンドルコンバイナ12の先端角θ
tは、波長にもよるが、使用する光ファイバの所定波長における等価屈折率から、式(4)の条件を満たすように選ぶ必要がある。例えば、GeO
2ドープの石英系ファイバを使用する場合には、そのコア部分の等価屈折率n
gは、1.463〜1.467(1.55μm)程度である。したがって、石英系ファイバを使用する場合には、ファイババンドルコンバイナ12の先端角θ
tは、余裕を見て、48度(deg)程度であることが好ましい。すなわち、
図8の角度αでいうと、42度程度が好ましい。
【0073】
なお、θ
aが90度になるときのθ
gは臨界角であり、θ
gが臨界角以上の大きさであると、空間を遠くに伝搬する透過光は理論的には無いため、界面で全反射となる。
【0074】
図10は、ファイバアレイ25R,25G,25Bの第2の配置例を示す図である。
図10でも、ファイババンドルコンバイナ12で束ねられたファイバアレイ25R,25G,25Bの端部の断面を示している。第2の配置例は、各ファイバがその長手方向に垂直な断面上で六方最密格子を形成するように、ファイババンドルコンバイナ12がファイバアレイ25R,25G,25Bを束ねてファイババンドルを形成した場合である。上記の正方格子は最も単純な配置であるが、隣接する2×2の4本のファイバのコアを頂点とする正方形を考えると、その縦横方向のコアに対して対角線方向のコアは√2倍離れているため、その分余分に隙間ができる。第2の配置例のように六方最密格子とすれば、各ファイバが最密充填配置されるため、同じ本数のファイバをアレイ化して積層する際に、ファイババンドルの断面積を最小にすることができる。
【0075】
六方最密格子の場合、1つのレイヤに対応する各光ファイバ列28の配置方向は、
図10に矢印で示したファイバアレイ25R,25G,25Bの配置方向に対して60度傾いている。すなわち、六方最密格子の場合は、
図10において斜めの方向に同じ順序で並んだRGBの光ファイバ列28が、各ファイバの長手方向に垂直な断面上で各ファイバアレイ25R,25G,25Bの配置方向に対して60度傾いた方向に、10レイヤ分積層されている。
【0076】
図11は、第2の配置例におけるファイバアレイ25R,25G,25Bの出射端面の方向を示す図である。
図11に矢印で示したように、六方最密格子の場合も、各光ファイバ列28に含まれるRGBの光ファイバの出射光軸は、同一平面内に同じ順序で平行に配置されている。
【0077】
六方最密格子の場合も、正方格子の場合と同様に、1つのレイヤに対応する光ファイバ列28の出射端面が投射レンズ31に対して同じ距離になるように、ファイババンドルを斜めに研磨する。すなわち、
図10に1〜10の番号で示した各光ファイバ列28について、出射端面から投射レンズ31までの距離が同じになるように、ファイババンドルを斜めに研磨する。
図11に示した各ファイバの長手方向に垂直な断面に対するファイバの出射端面の角度αは、ファイバの屈折率により決まるが、正方格子の場合と同様に、42度程度であることが好ましい。このファイババンドルから出射される各色レーザ光を投射レンズ31にて位置・角度変換し、MEMSミラー32で2次元方向に走査することにより、体積ディスプレイ1の各レイヤに画像が投影される。
【0078】
図12は、斜めに研磨されたファイババンドルと投射レンズ31の位置関係を示す図である。
図12では、光モジュール11R,11G,11Bの第2のファイバアレイ25のうち、5本だけを示している。
図12に示すように、ファイババンドルを斜めに研磨すると、各色レーザ光は斜めに出射される。しかしながら、出射端面の傾きが一定なので、各色レーザ光はすべて同じ方向に出射され、各RGBの投影点は投影面上で等間隔に並ぶ。したがって、
図12に示すように、各ファイバの長手方向に対して斜めの位置に投射レンズ31を配置することにより、斜めの研磨を行わない場合と同様に、各色レーザ光を投射レンズ31にて位置・角度変換することができる。
【0079】
ここで、各ファイバの出射端面を斜めに研磨する1つ目の方法におけるファイババンドルコンバイナ12の構造と製造方法について、
図13と
図14を用いて説明する。なお、上記では、ファイバアレイ25R,25G,25Bはそれぞれ10本の光ファイバで構成されるものとして説明してきたが、
図13および
図14では、簡単のため、ファイバアレイ25R,25G,25Bとして3×4本のシングルモードファイバアレイを設ける場合の例を説明する。
【0080】
図13は、各ファイバの出射端面を斜めに研磨する場合のファイババンドルコンバイナ12の構造を模式的に示した斜視図である。また、
図14は、
図13に示したファイババンドルコンバイナ12の製造方法の例を示したフローチャートである。
【0081】
まず、例えばダイシングマシンなどを使用して、ファイババンドルコンバイナ12の材料となる石英ガラス12aを所定の幅および深さにハーフダイシングすることにより、石英ガラス12aに矩形溝121を形成する(ステップS11)。次に、3×4本のシングルモードファイバアレイ25’を矩形溝121に挿入し(ステップS12)、UV接着剤を矩形溝121に浸透させる(ステップS13)。続いて、ステップS13で得られた石英ガラス12aの先端に、予めUV接着剤を薄く塗布した石英ガラスのカバー12bを被せる(ステップS14)。そして、治具にて石英ガラス12aを固定し、紫外線照射により、カバー12bおよび矩形溝121内の各ファイバを固定する(ステップS15)。
【0082】
次に、ステップS15で得られた石英ガラス12aを所定の箇所にて所定の角度で切断し、その後、上記の先端角θ
tを有する面を出すように石英ガラス12aを研磨する(ステップS16)。最後に、必要に応じて、研磨された石英ガラス12aの先端部分に対し、使用波長に合った反射防止(AR)コーティングを行う(ステップS17)。これにより、
図13に示すような、各ファイバの出射端面が斜めに研磨されたファイババンドルを形成するファイババンドルコンバイナ12が得られる。
【0083】
なお、
図14のステップS11〜14については、大判の石英基板の状態で、一度に複数本を同時加工してもよい。その場合、ステップS16の工程にて、石英基板を切断することにより、単個のファイババンドルコンバイナ12が得られる。
【0084】
次に、ファイバアレイ25R,25G,25Bの投射レンズ31側の先端にGIファイバを融着させる2つ目の方法について説明する。
【0085】
図15は、GIファイバ29がそれぞれ先端に融着されたファイババンドルの模式図である。
図15では、ファイバアレイ25R,25G,25Bが、断面上で正方格子を形成するように配置されている。各ファイバの配置は、六方最密格子でもよい。
【0086】
図15に示すように、各ファイバの先端には、1つのレイヤに対応する光ファイバ列28ごとに異なる長さのGIファイバ29が融着されている。同じレイヤに対応する、各光ファイバ列28について、各GIファイバ29の長さは同じである。各GIファイバ29は、先端が斜めに研磨されておらず、各ファイバの長手方向に対して垂直な出射端面を有する。GIファイバを融着させる場合、ファイババンドルは、各GIファイバ29の出射端面から投射レンズ31までの距離がすべて同じになるように、各ファイバの出射端面が揃えられる。
【0087】
このようなファイババンドルを形成するには、まず、ファイバアレイ25R,25G,25Bとなる各ファイバの先端にGIファイバを融着したものを複数作成する。そして、各光ファイバ列28に対応する光ファイバごとに融着位置をずらして配置し、固定する。その状態で、各GIファイバの先端を研磨して長さを調整する。これにより、光ファイバ列28ごとにGIファイバ29の長さが異なるファイババンドルが形成される。
【0088】
GIファイバ29はマルチモードファイバであり、ファイバアレイ25R,25G,25Bの各ファイバよりコアが太い。このため、GIファイバ29の長さに応じて、出射端面から出射されるときの各色レーザ光の拡散角が変わる。1つの光ファイバ列28の各ファイバは、同じ長さのGIファイバ29が融着されているため、同じ拡散角を有する。そして、光ファイバ列28ごとにGIファイバ29の長さが異なることから、拡散角は光ファイバ列28ごとに異なる。したがって、
図15の例では、10層の異なる拡散角を有するファイババンドルが形成される。
【0089】
各光ファイバ列28の拡散角が異なるため、ファイババンドルから出射される各色レーザ光を投射レンズ31にて位置・角度変換し、MEMSミラー32で2次元方向に走査することにより、体積ディスプレイ1の各レイヤに画像を投影することができる。このため、ファイババンドルを斜めに研磨しなくても、体積ディスプレイ1のレイヤに合わせて結像位置を変えることができ、光ファイバ列28ごとにファイバの長さを変えた(出射端面の位置を投射レンズ31に対して前後させた)ときと同じ効果が得られる。
【0090】
なお、光ファイバ列28ごとにGIファイバの長さを変える代わりに、すべて同じ長さで屈折率がそれぞれ異なるGIファイバを用いてもよい。
【0091】
上記した2つの方法により、体積ディスプレイ1では、光源部10から出射される10組のRGBレーザ光の結像位置を10層のレイヤに対応するように前後させる。これにより、ファイババンドルコンバイナにより束ねられたファイババンドルから各色レーザ光を出射することにより光の利用効率を高め、マルチカラー化された立体画像を投影する投影装置を実現することが可能になる。
光の利用効率を高め、異なる奥行き位置でRGBの各色レーザ光が結像するように配置された光ファイバアレイを有する光源装置を提供する。光源装置は、赤色、緑色および青色のレーザ光をそれぞれ生成する複数の光素子と、複数の光素子からの赤色、緑色および青色のレーザ光をそれぞれ導波する複数の第1、第2および第3の光ファイバと、複数の第1〜第3の光ファイバのうちの1本ずつを含む光ファイバ列が複数個積層されるように複数の第1〜第3の光ファイバの端部を固定してファイババンドルを形成するファイババンドルコンバイナとを有する。