(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
送信手段から送信された告知放送信号を伝送線路を介して受信し、当該受信した告知放送信号に基づく告知放送を放送する告知放送用受信機であって、前記告知放送が緊急放送である場合に、当該緊急放送を最大音量で放送する告知放送用受信機において、
告知放送信号を受信する受信手段と、
前記受信手段にて受信された告知放送信号に基づいて告知放送を音により出力する音出力手段と、
前記音出力手段による音出力の音量に関する操作入力を受け付ける第1の受付手段と、
前記告知放送信号に基づく告知放送が緊急放送である場合に、前記音出力手段から前記緊急放送が最大音量で音出力されているときに、前記第1の受付手段を操作不能な状態から操作可能な状態に変更することを受け付ける第2の受付手段と、
前記音出力手段から前記緊急放送が最大音量で音出力されている場合であって、前記第2の受付手段にて前記第1の受付手段が操作可能な状態に変更された場合に、当該第1の受付手段にて操作入力が受け付けられた場合には、当該操作入力に基づいて当該音出力手段による音出力の音量を制御する音出力制御手段と、を備え、
前記音出力制御手段は、
当該音出力制御手段にて前記音出力手段による音出力の音量が制御された場合であって、前記音出力手段から出力される前記緊急放送が終了した場合に、当該音出力制御手段にて制御された当該音出力手段による音出力の音量を、当該音出力制御手段にて制御される前の音出力の音量に復帰させる、
告知放送用受信機。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る告知放送用受信機の各実施の形態を詳細に説明する。最初に、この告知放送用受信機を備えて構成された告知放送システムの全体構成を説明し、次に、告知放送用受信機の構成を説明し、告知放送用受信機が実行する告知放送処理及び緊急放送処理について説明し、最後に本実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。なお、各実施の形態に係る告知放送用受信機の設置対象や適用対象は任意であるが、以下では、住戸の屋内に設置された告知放送用受信機に適用した場合を例として説明を行う。
【0020】
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1について説明する。この形態は、緊急放送時に音出力手段の音量を調整できる形態である。
【0021】
(構成)
最初に、実施の形態1に係る告知放送システムの構成を説明する。
図1は実施の形態1に係る告知放送システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、告知放送システム1は、センター側に配置されたセンター装置2、各住戸に配置された告知放送用受信機3、及びセンター装置2から送信された信号を告知放送用受信機3に送信する伝送系統9を備えて構成されている。このうち、センター装置2は告知放送信号を送信手段であり、公知のセンター装置と同様に構成することができる。また、伝送系統9は、ヘッドエンド90、このヘッドエンド90から各住戸の告知放送用受信機3に至る伝送線路91、さらに、この伝送線路91に配置された、アンプ92、分配増幅器93、分配器94、及び保安器95を備えて構成されている。ヘッドエンド90は、センター装置2から送信された信号を受信し、この信号をレベル増幅した上で伝送線路91に送出する増幅送信手段である。伝送線路91は、告知放送信号を送信する送信線路であり、例えば、CATV信号を伝送するCATV伝送線路(同軸ケーブル)を備えて構成される。アンプ92は、伝送線路91を流れる信号を増幅する増幅手段である。分配増幅器93は、信号を増幅した上で、各住戸に向けて分配する分配増幅手段である。分配器94は、分配増幅器93にて増幅された信号を各住戸に向けて分配する分配手段である。保安器95は、各住戸に設けられ、伝送線路91に乗って受信機に至るサージ成分を制御する。なお、特記する構成を除き、センター装置2、告知放送用受信機3、及び伝送系統9は、公知の装置又はシステムと同様に構成することができる。
【0022】
(構成−告知放送用受信機)
次に、告知放送用受信機3の電気的構成について説明する。
図1に示したように、告知放送用受信機3は、受信部30、ボリュームスイッチ34a、告知再生スイッチ31、ラジオ再生スイッチ32、音切換え部33、音量調整部34、アンプ35、スピーカ36、表示部37、制御部38、音情報格納部39、及び記憶部40を備えている。
【0023】
受信部30は、センター装置2から送信された告知放送信号を復調する告知放送復調手段であり、告知放送信号に含まれる音情報を音切換え部33に出力すると共に、告知放送信号に含まれる制御情報(例えば告知放送が緊急放送又は一般放送の何れかを特定する情報等)を制御部38に出力する。また、受信部30は、後述するアンテナを介してラジオ放送信号を受信し、当該ラジオ放送信号に含まれる音情報を音切換え部33に出力する。
【0024】
ボリュームスイッチ34aは、スピーカ36による音出力の音量を調整する操作入力を受け付ける第1の受付手段である。ここで、「音量を調整する」とは、ボリュームスイッチ34aの設定値を変更することにより、スピーカ36の音量を調整することをいう。このボリュームスイッチ34aは、例えばアナログの回転式のボリュームスイッチとして構成される(ここでは、スピーカ36の音量を段階的(例えば9段階等)に設定可能なボリュームスイッチ34aについて説明する)。
【0025】
告知再生スイッチ31は、音情報格納部39に格納された音情報の出力に関する操作入力を受け付ける告知再生受付手段である。この告知再生スイッチ31は、例えば押しボタン型のスイッチとして構成される。例えば、音情報格納部39に格納された音情報の出力がされていない場合に告知再生スイッチ31が押下されると、当該操作を音情報格納部39に格納された音情報の出力指示として受け付ける。また、音情報格納部39に格納された音情報の出力がされている場合に告知再生スイッチ31が押下されると、当該操作を音情報格納部39に格納された音情報の出力の停止指示として受け付ける。また、この告知再生スイッチ31は、ボリュームスイッチ34aを操作不能な状態から操作可能な状態に変更することを受け付ける第2の受付手段でもある。この告知再生スイッチ31の詳細については後述する。
【0026】
ラジオ再生スイッチ32は、ラジオ放送信号に含まれる音情報の出力に関する操作入力を受け付けるラジオ再生受付手段である。このラジオ再生スイッチ32は、告知再生スイッチ31と同様に、例えば押しボタン型のスイッチとして構成される。例えば、ラジオ放送信号に含まれる音情報の出力がされていない場合にラジオ再生スイッチ32が押下されると、当該操作をラジオ放送信号に含まれる音情報の出力指示として受け付ける。また、ラジオ放送信号に含まれる音情報の出力がされている場合にラジオ再生スイッチ32が1回押下されると、当該操作を、予め設定されているラジオ放送信号の受信チャンネルを一つずらす変更指示として受け付ける。また、ラジオ放送信号に含まれる音情報の出力がされている場合にラジオ再生スイッチ32が所定時間以上押下されると、当該操作をラジオ放送信号に含まれる音情報の出力の停止指示として受け付ける。また、このラジオ再生スイッチ32は、ボリュームスイッチ34aを操作不能な状態から操作可能な状態に変更することを受け付ける第2の受付手段でもある。このラジオ再生スイッチ32の詳細については、後述する。
【0027】
音切換え部33は、受信部30から出力された音情報を音量調整部34又は音情報格納部39に出力し、あるいは、音情報格納部39から出力された音情報を音量調整部34に出力する音切換え手段である。
【0028】
音量調整部34は、音切換え部33から出力された音情報の音量を調整してアンプ35に出力する。この音情報は、アンプ35にて増幅された後、スピーカ36から出力される。このスピーカ36は、音情報を音により出力する音出力手段である。
【0029】
表示部37は、告知放送用受信機3に関する情報を表示するためのものであり、電源表示灯37a、緊急放送表示灯37b、一般放送表示灯37c、状態表示部37d、告知再生表示灯37e、及びラジオ再生表示灯37fを備えている。このうち、電源表示灯37aは告知放送用受信機3の電源ON時に点灯する。また、緊急放送表示灯37bは緊急放送時に点灯又は点滅する。また、一般放送表示灯37cは一般放送時に点灯又は点滅する。また、状態表示部37dは、受信部30にて受信された各種信号の受信状態、受信部30にて受信されているラジオ放送信号の受信チャンネル、又は音情報格納部39における音情報の格納状態を表示する表示手段であり、例えば公知の1桁の7セグメント表示及びドット表示を行う7セグメントLEDを備えて構成される。また、告知再生表示灯37e及びラジオ再生表示灯37fは、制御部38の制御に基づき発光する発光手段であり、例えばLED(Light Emitting Diode)を備えて構成される。
【0030】
制御部38は、告知放送用受信機3の各部を制御する制御手段であり、具体的には、CPU(例えばマイコン)、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種の制御データを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。この制御部38は、機能概念的に、音出力制御部38aを備えて構成されている。音出力制御部38aは、ボリュームスイッチ34aの操作入力に基づいてスピーカ36の音出力を制御する音出力制御手段である。なお、この制御部38によって実行される処理の詳細については後述する。
【0031】
音情報格納部39は、受信部30が受信した告知放送信号に含まれる音情報を格納する音情報格納手段である。この音情報格納手段に格納される音情報には、例えば当該音情報を含む告知放送信号を受信部30が受信した日時を特定する受信日時情報や、音情報格納手段に格納された後に当該音情報が再生されたか否かを特定する再生情報が、例えばヘッダ情報として付加される。この音情報格納部39は、書き換え可能な記録媒体を用いて構成され、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体を備えて構成される。
【0032】
記憶部40は、当該告知放送用受信機3の各種制御に必要な情報や当該告知放送用受信機3にて実行された処理情報を記録する記録手段である。特に、記憶部40は、操作受付済フラグ及び音量制御済フラグを記憶する。操作受付済フラグとは、ボリュームスイッチ34a(後述する実施の形態2では告知再生スイッチ31)が操作不能な状態であるのか否かを示すフラグであり、ここでは、操作受付済フラグ=0の場合にはボリュームスイッチ34aが操作不能な状態であることを示し、操作受付済フラグ=1の場合にはボリュームスイッチ34aが操作可能な状態であることを示す。また、音量制御済フラグとは、音出力制御部38aによってスピーカの音出力の音量が制御されたか否かを示すフラグであり、ここでは、音量制御済フラグ=0の場合には音出力制御部38aによってスピーカの音出力の音量が制御されていない状態であることを示し、音量制御済フラグ=1の場合には音出力制御部38aによってスピーカの音出力の音量が制御された状態であることを示す。なお、この記憶部40の具体的構成は任意であるが、例えば、RAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリを用いることができる。
【0033】
続いて、告知放送用受信機3の基本構成について説明する。
図2は実施の形態1に係る告知放送用受信機3が設置壁Wに固定された状態を示す斜視図である。
図3は、実施の形態1に係る告知放送用受信機3を示す図であり、(a)は正面図、(b)は底面図である。これら
図2及び
図3(a)、(b)に示すように、告知放送用受信機3は、筐体41の内部に図示しない各種の電子部品等を収容して構成されている。この筐体41は、正面カバー41aと背面カバー41bとを組み合わされて構成されている。正面カバー41aと背面カバー41bの接続方法は任意であるが、例えば、正面カバー41aと背面カバー41bは嵌合やネジ留めにて接続することができる。
【0034】
図3(a)に示すように、この筐体41の正面には、上述した告知再生スイッチ31、ラジオ再生スイッチ32、ボリュームスイッチ34a、及び表示部37が設けられている。また、筐体41の内部においては、告知再生スイッチ31の近傍には告知再生表示灯37eが設置され、ラジオ再生スイッチ32の近傍にはラジオ再生表示灯37fが設置されている。これら告知再生スイッチ31やラジオ再生スイッチ32を透光性の材料を用いて形成したり、告知再生スイッチ31やラジオ再生スイッチ32に光を透過させる透過孔を設けることにより、告知再生表示灯37eやラジオ再生表示灯37fから発せられた光を筐体41の外部に透過させることができる。また、筐体41の正面には、筐体41の内部に設けたスピーカ36から出力された音を、当該筐体41の外部に放出するための音響孔42が設けられている。また、
図3(a)、(b)に示すように、筐体41の左側面には、FMラジオ等の電波を受信するためのアンテナ51が設けられている。
【0035】
(告知放送処理)
次に、このように構成された告知放送用受信機3が実行する告知放送処理について説明する。
図4は、実施の形態1に係る告知放送用受信機3が実行する告知放送処理のフローチャートである。なお、以下の説明では、「ステップ」を「S」と略記する。この告知放送処理の実行タイミングは任意で、例えば告知放送用受信機3の電源が投入された場合に実行される。
【0036】
図4に示すように、まず、制御部38は受信部30が何らかの信号を受信しているか否かを監視する(SA1)。
【0037】
ここで、受信部30が何らかの信号を受信した場合(SA1、Yes)、制御部38は、受信部30が告知放送信号を受信したか否かを判定する(SA2)。
【0038】
その結果、受信部30が告知放送信号を受信していないと判定された場合(SA2、No)、制御部38はSA1に移行する。
【0039】
一方、受信部30が告知放送信号を受信したと判定された場合(SA2、Yes)、制御部38は、当該告知放送信号に含まれる放送コマンドを解析することによって、当該告知放送信号が緊急放送であるか否かを判定する(SA3)。
【0040】
その結果、告知放送信号が緊急放送であると判定された場合(SA3、Yes)、制御部38は、緊急放送処理を実行する(SA4)。そして、SA4の処理後、制御部38はSA1に移行する。
【0041】
一方、告知放送信号が緊急放送でないと判定された場合(SA3、No)、制御部38は一般放送処理を実行する(SA5)。この一般放送処理については、例えば、制御部38がボリュームスイッチ34aにて設定された音量で音出力するように音量制御部を制御し、当該制御された音量でスピーカ36によって一般放送を音出力させる。そして、SA5の処理後、制御部はSA1に移行する。
【0042】
(告知放送処理−緊急放送処理)
次に、告知放送用受信機3が実行する緊急放送処理について説明する。
図5は、実施の形態1に係る告知放送用受信機3が実行する緊急放送処理のフローチャートである。
【0043】
図5に示すように、緊急放送処理が起動されると、制御部38は、記憶部40に記憶されている操作受付済フラグ及び音量調整済フラグを「0」に各々初期化する(SB1)。
【0044】
また、制御部38は、スピーカ36から緊急放送が最大音量で音出力するように、音量調整部34を制御する(SB2)。具体的には、制御部38は、音切換え部33から出力された音情報の音量を最大音量にしてアンプ35に出力するように、音量調整部34を制御する。そして、SB2の処理後、制御部38は、SB2にて制御された音量でスピーカ36によって緊急放送を音出力させる(SB3)。
【0045】
次に、制御部38は、告知再生スイッチ31又はラジオ再生スイッチ32がボリュームスイッチ34aを操作不能な状態から操作可能な状態に変更する操作入力を受け付けたか否かを監視する(SB4)。この告知再生スイッチ31又はラジオ再生スイッチ32の操作入力の受付は、例えば、制御部38は、告知再生スイッチ31又はラジオ再生スイッチ32が単に押されることで、操作入力を受け付けてもよい。あるいは、誤操作防止の観点から、告知再生スイッチ31又はラジオ再生スイッチ32が長押しされたり、告知再生スイッチ31及びラジオ再生スイッチ32が同時に押されることで、操作入力を受け付けてもよい。
【0046】
ここで、告知再生スイッチ31又はラジオ再生スイッチ32がボリュームスイッチ34aを操作不能な状態から操作可能な状態に変更する操作入力を受け付けた場合(SB4、Yes)、制御部38は、操作受付済フラグを「1」として記憶部40にセットする(SB5)。
【0047】
SB5の処理が終了した場合、又は告知再生スイッチ31又はラジオ再生スイッチ32がボリュームスイッチ34aを操作不能な状態から操作可能な状態に変更する操作入力を受け付けなかった場合(SB4、No)、制御部38は、ボリュームスイッチ34aがスピーカ36の音量を調整する操作入力を受け付けたか否かを監視する(SB6)。
【0048】
ここで、ボリュームスイッチ34aがスピーカ36の音量を調整する操作入力を受け付けた場合(SB6、Yes)、制御部38は、記憶部40を参照して、操作受付済フラグが「1」であるか否かを判定する(SB7)。
【0049】
その結果、操作受付済フラグが「1」であると判定された場合(SB7、Yes)、音出力制御部38aは、SB6の操作入力に基づいてスピーカ36の音量を調整する(SB8)。具体的には、音出力制御部38aは、音切換え部33から出力された音情報をボリュームスイッチ34aにて操作入力された音量でアンプ35に出力するように音量調整部34を制御する。これにより、スピーカ36の音出力の音量を低減することができる。そして、SB8の処理後、制御部38は、音量調整済フラグを「1」として記憶部40にセットする(SB9)。
【0050】
また、SB9の処理が終了した場合、ボリュームスイッチ34aがスピーカ36の音量を調整する操作入力を受け付けた場合(SB6、No)、又は操作受付済フラグが「1」でないと判定された場合(SB7、No)、制御部38は、告知放送信号に含まれる放送コマンドを解析することによって、緊急放送が終了した否かを監視する(SB10)。ここで、緊急放送が終了していない場合(SB10、No)、制御部38はSB4に移行し、以降、緊急放送が終了する迄、SB4−SB10の処理を繰り返す。このSB4−SB10の処理においては、SB4にて操作入力が受け付けられたと判定されない限り、SB6にてボリュームスイッチ34aがスピーカ36の音量を調整する操作入力を受け付けた場合であっても、緊急放送の出力音量は最大音量に維持される。
【0051】
一方、緊急放送が終了した場合(SB10、Yes)、制御部38は、記憶部40を参照して、音量制御済フラグが「1」であるか否かを判定する(SB11)。
【0052】
その結果、音量制御済フラグが「1」であると判定された場合(SB11、Yes)、制御部38は、スピーカ36の音量が調整された旨を表示部37によって表示させる(SB12)。このスピーカ36の音量が調整された旨の表示については、例えば、制御部38は、緊急放送終了後に緊急放送表示灯37bのみを所定時間点滅させたり、緊急放送表示灯37b、一般放送表示灯37c、告知再生表示灯37e、及びラジオ再生表示灯37f等も併せて所定時間点滅させてもよい。あるいは、スピーカ36の音量が調整された旨を状態表示部37dに記号等で表示させてもよい(例えば、制御部38は状態表示部37dに「C」を点滅表示させる)。これにより、ユーザに対してスピーカ36の音出力の音量が調整された旨を報知できる。
【0053】
また、SB12の処理後、又は音量制御済フラグが「1」でないと判定された場合(SB11、No)、制御部38は緊急放送処理を終了し、告知放送処理に戻る。
【0054】
(効果)
このように実施の形態1によれば、音出力制御部38aは、スピーカ36から緊急放送が最大音量で音出力されている場合であって、告知再生スイッチ31又はラジオ再生スイッチ32にてボリュームスイッチ34aが操作可能な状態に変更された場合に、当該ボリュームスイッチ34aにて操作入力が受け付けられた場合には、当該操作入力に基づいて当該スピーカ36による音出力の音量を制御するので、緊急放送時にユーザがボリュームスイッチ34aを操作することによりスピーカ36の音出力の音量を制御することができ、緊急放送の視聴に関するユーザの利便性を改善することができる。
【0055】
また、表示部37は、音出力制御部38aにてスピーカ36による音出力の音量が制御された場合であって、スピーカ36から出力される緊急放送が終了した場合に、当該音出力制御部38aによって当該スピーカ36による音出力の音量が調整された旨を表示するので、ユーザに対してスピーカ36の音出力の音量が調整されたことを報知でき、ユーザが緊急放送終了以降の一般放送を聞き漏らすことを防止できる。
【0056】
また、音出力制御部38aは、スピーカ36の音量を調整するので、スピーカ36の音出力の音量を低減することができ、緊急放送の視聴に関するユーザの利便性を一層改善することができる。
【0057】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2について説明する。この形態は、緊急放送時に音出力手段の音出力をミュートできる形態である。なお、実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0058】
(構成−告知放送用受信機)
まず、告知放送用受信機3の電気的構成について説明する。
図1に示したように、告知放送用受信機3は、受信部30、ボリュームスイッチ34a、告知再生スイッチ31、ラジオ再生スイッチ32、音切換え部33、音量調整部34、アンプ35、スピーカ36、表示部37、制御部38、音情報格納部39、及び記憶部40を備えている。
【0059】
告知再生スイッチ31は、スピーカ36の音出力をミュートする操作入力を受け付ける第1の受付手段である。ここで、「音出力をミュートする」とは、ボリュームスイッチ34aの設定値を変更せずに、スピーカ36の音出力を消音することをいう。また、ラジオ再生スイッチ32は、告知再生スイッチ31を操作不能な状態から操作可能な状態に変更することを受け付ける第2の受付手段である。
【0060】
制御部38は、機能概念的に、音出力制御部38aを備えて構成されている。音出力制御部38aは、告知再生スイッチ31の操作入力に基づいてスピーカ36の音出力を制御する音出力制御手段である。なお、この制御部38によって実行される処理の詳細については後述する。
【0061】
(告知放送処理−緊急放送処理)
次に、告知放送用受信機3が実行する緊急放送処理について説明する。
図6は、実施の形態2に係る告知放送用受信機3が実行する緊急放送処理のフローチャートである。ただし、この緊急放送処理におけるSC1−SC3、SC5、SC7、SC9−SC11、は、
図5に示した実施の形態1の緊急放送処理のSB1−SB3、SB5、SB7、SB9−SB11と同じであるため、その説明を省略する。
【0062】
図6に示すように、SC3の処理後、制御部38は、ラジオ再生スイッチ32が告知再生スイッチ31を操作不能な状態から操作可能な状態に変更する操作入力を受け付けたか否かを監視する(SC4)。
【0063】
ここで、ラジオ再生スイッチ32が告知再生スイッチ31を操作不能な状態から操作可能な状態に変更する操作入力を受け付けた場合(SC4、Yes)、制御部38はSC5に移行する。
【0064】
また、SC5の処理が終了した場合、又はラジオ再生スイッチ32が告知再生スイッチ31を操作不能な状態から操作可能な状態に変更する操作入力を受け付けなかった場合(SC4、No)、制御部38は、告知再生スイッチ31がスピーカ36の音出力をミュートする操作入力を受け付けたか否かを監視する(SC6)。
【0065】
ここで、告知再生スイッチ31がスピーカ36の音出力をミュートする操作入力を受け付けなかった場合(SC6、No)、制御部38はSC10に移行する。一方、告知再生スイッチ31がスピーカ36の音出力をミュートする操作入力を受け付けた場合(SC6、Yes)、制御部38はSC7に移行する。
【0066】
また、SC7の処理において、操作受付済フラグが「1」であると判定された場合(SC7、Yes)、音出力制御部38aは、スピーカ36の音出力をミュートする(SC8)。具体的には、音出力制御部38aは、音切換え部33から出力された音情報を音量ゼロでアンプ35に出力するように、音量調整部34を制御する。これにより、ボリュームスイッチ34aの設定値を変更せずに、スピーカ36の音出力を消音することができる。
【0067】
また、SC11の処理において、音量制御済フラグが「1」であると判定された場合(SC11、Yes)、音出力制御部38aは、SC8にてミュートされたスピーカ36の音出力の音量を、SC8にてミュートされる前の音出力の音量に復帰させる(SC12)。具体的には、音出力制御部38aは、SC8の処理にてミュートされたスピーカ36の音出力の音量を、現時点でボリュームスイッチ34aにて設定されているスピーカ36の音出力の音量に復帰させる。これにより、所定の操作を要さずとも音出力制御部38aにて制御されたスピーカ36の音出力の音量からの復帰ができる。
【0068】
(効果)
このように実施の形態2によれば、音出力制御部38aが、スピーカ36から緊急放送が最大音量で音出力されている場合であって、ラジオ再生スイッチ32にて告知再生スイッチ31が操作可能な状態に変更された場合に、当該告知再生スイッチ31にて操作入力が受け付けられた場合には、当該操作入力に基づいて当該スピーカ36による音出力の音量を制御するので、緊急放送時にユーザが告知再生スイッチ31を操作することによりスピーカ36の音出力の音量を制御することができ、緊急放送の視聴に関するユーザの利便性を改善することができる。
【0069】
また、音出力制御部38aは、当該音出力制御部38aにてスピーカ36による音出力の音量が制御された場合であって、スピーカ36から出力される緊急放送が終了した場合に、当該音出力制御部38aにて制御された当該スピーカ36による音出力の音量を、当該音出力制御部38aにて制御される前の音出力の音量に復帰させるので、所定の操作を要さずとも音出力制御部38aにて制御されたスピーカ36の音出力の音量からの復帰ができ、ユーザが緊急放送終了以降の一般放送を聞き漏らすことを防止できる。
【0070】
また、音出力制御部38aは、スピーカ36の音出力をミュートするので、ボリュームスイッチ34aの設定値を変更せずに、スピーカ36の音出力を消音することができ、緊急放送の視聴に関するユーザの利便性を一層改善することができる。
【0071】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0072】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0073】
(分散や統合について)
上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成できる。
【0074】
(ボリュームスイッチについて)
上述した実施の形態では、ボリュームスイッチ34aはアナログの回転式のボリュームスイッチとして構成されると説明したが、例えば、デジタルのボリュームコントローラ(ここでは、押しボタン式のボリュームコントローラについて説明する)として構成されてもよい。ただし、デジタルのボリュームコントローラを用いた場合には、アナログの回転式のボリュームスイッチを用いた場合と異なり、音量調整操作が行われた場合であってもボリュームコントローラの操作状態を音出力制御部38aが識別できないため、実施の形態2のSC12における音量復帰ができない。この問題を解消するためには、デジタルのボリュームコントローラを用いて音量調整操作が行われた場合の履歴を記憶部40に記録しておき、SC12において当該履歴を参照して音量復帰を行ってもよい。
【0075】
(第1の受付手段と第2の受付手段について)
上述した実施の形態1では、ボリュームスイッチ34aが第1の受付手段であり、告知再生スイッチ31又はラジオ再生スイッチ32が第2の受付手段であると説明し、上述した実施の形態2では、告知再生スイッチ31が第1の受付手段、ラジオ再生スイッチ32が第2の受付手段であると説明した。すなわち、上述した実施の形態1では、告知放送用受信機3は、第1の受付手段と第2の受付手段とが別々に構成されていると説明したが、これに限られない。例えば、第1の受付手段は、第2の受付手段を兼ねてもよい。具体的には、実施の形態1の場合には、第1の受付手段であるボリュームスイッチ34aが第2の受付手段を兼ねてもよい。この場合に、例えば、緊急放送時にボリュームスイッチ34aが所定量以上回転された(例えば全体の回転量のうち1/3以上の回転量等)場合には、ボリュームスイッチ34aの操作入力が操作可能な状態に変更することを受け付けてもよい。また、実施の形態2の場合には、第1の受付手段である告知再生スイッチ31が第2の受付手段を兼ねてもよい。この場合に、例えば、緊急放送時にボリュームスイッチ34aが所定回数押された(例えば2回押し等)場合には、第1の受付手段の操作入力が受付られたものとしてもよい。これにより、第1の受付手段の機能及び第2の受付手段の機能をボリュームスイッチ34aに集約することができ、ユーザが行う操作入力を簡易にすることができる。
また、実施の形態1はヘッドエンド側から送られた緊急放送を告知放送用受信機3が受信した場合の処理であったが、緊急放送を告知放送受信機3が受信して音情報格納部39にて格納したあとに、ユーザが告知放送再生スイッチ31を操作して緊急放送を再放送させる際に大音量で緊急放送される場合においては、上述の制御と同様にラジオ再生スイッチ32などの操作により音量を制御できるようにしてもよい。
【0076】
(各実施の形態の相互の組み合わせについて)
各実施の形態1、2の緊急放送処理のステップを、相互に組み合わせてもよい。まず、上述した実施の形態1では、SB11の処理にて音量制御済フラグが「1」であると判定された場合(SB11、Yes)、制御部38はスピーカ36の音量が調整された旨を、表示部37によって表示させる(SB12)と説明したが、これに限られない。例えば、音出力制御部38aは、記憶部40に記録された処理情報(特に、ボリュームスイッチ34aの音量設定に関する情報等)を参照して、ボリュームスイッチ34aの操作を自動制御することにより、SB8にて調整されたスピーカ36の音出力の音量を、SB8にて調整される前の音出力の音量に復帰させてもよい。これにより、緊急放送終了後に、ボリュームスイッチ34aを手動で調整するといった煩わしさを解消することができる。
【0077】
また、上述した実施の形態2では、SC11の処理にて音量制御済フラグが「1」であると判定された場合(SC11、Yes)、音出力制御部38aは、SC8にてミュートされたスピーカ36の音出力の音量を、SC8にてミュートされる前の音出力の音量に復帰させる(SC12)と説明したが、これに限られない。例えば、制御部38は、スピーカ36の音出力がミュートされた旨を、表示部37によって表示させてもよい。これにより、ユーザに対してスピーカ36の音出力がミュートされたことを報知でき、ユーザが緊急放送終了以降の一般放送を聞き漏らすことを防止できる。
(付記)
付記1の告知放送用受信機は、送信手段から送信された告知放送信号を伝送線路を介して受信し、当該受信した告知放送信号に基づく告知放送を放送する告知放送用受信機であって、前記告知放送が緊急放送である場合に、当該緊急放送を最大音量で放送する告知放送用受信機において、告知放送信号を受信する受信手段と、前記受信手段にて受信された告知放送信号に基づいて告知放送を音により出力する音出力手段と、前記音出力手段による音出力の音量に関する操作入力を受け付ける第1の受付手段と、前記告知放送信号に基づく告知放送が緊急放送である場合に、前記音出力手段から前記緊急放送が最大音量で音出力されているときに、前記第1の受付手段を操作不能な状態から操作可能な状態に変更することを受け付ける第2の受付手段と、前記音出力手段から前記緊急放送が最大音量で音出力されている場合であって、前記第2の受付手段にて前記第1の受付手段が操作可能な状態に変更された場合に、当該第1の受付手段にて操作入力が受け付けられた場合には、当該操作入力に基づいて当該音出力手段による音出力の音量を制御する音出力制御手段とを備える。
付記2の告知放送用受信機は、付記1に記載の告知放送用受信機において、前記音出力制御手段は、当該音出力制御手段にて前記音出力手段による音出力の音量が制御された場合であって、前記音出力手段から出力される前記緊急放送が終了した場合に、当該音出力制御手段にて制御された当該音出力手段による音出力の音量を、当該音出力制御手段にて制御される前の音出力の音量に復帰させる。
付記3の告知放送用受信機は、付記1に記載の告知放送用受信機において、前記音出力制御手段にて前記音出力手段による音出力の音量が制御された場合であって、前記音出力手段から出力される前記緊急放送が終了した場合に、当該音出力制御手段によって当該音出力手段による音出力の音量が調整された旨を表示する表示手段を備える。
付記4の告知放送用受信機は、付記1から3のいずれか一項に記載の告知放送用受信機において、前記第1の受付手段は、前記第2の受付手段を兼ねる。
付記5の告知放送用受信機は、付記1から4のいずれか一項に記載の告知放送用受信機において、前記音出力制御手段は、前記音出力手段の音量を調整する。
付記6の告知放送用受信機は、付記1から5のいずれか一項に記載の告知放送用受信機において、前記音出力制御手段は、前記音出力手段の音出力をミュートする。
(付記の効果)
付記1に記載の告知放送用受信機によれば、音出力制御手段は、音出力手段から緊急放送が最大音量で音出力されている場合であって、第2の受付手段にて第1の受付手段が操作可能な状態に変更された場合に、当該第1の受付手段にて操作入力が受け付けられた場合には、当該操作入力に基づいて当該音出力手段による音出力の音量を制御するので、緊急放送時にユーザが第1の受付手段を操作することにより音出力手段の音出力の音量を制御することができ、緊急放送の視聴に関するユーザの利便性を改善することができる。
付記2に記載の告知放送用受信機によれば、音出力制御手段は、当該音出力制御手段にて音出力手段による音出力の音量が制御された場合であって、音出力手段から出力される緊急放送が終了した場合に、当該音出力制御手段にて制御された当該音出力手段による音出力の音量を、当該音出力制御手段にて制御される前の音出力の音量に復帰させるので、所定の操作を要さずとも音出力制御手段にて制御された音出力手段の音出力の音量からの復帰ができ、ユーザが緊急放送終了以降の一般放送を聞き漏らすことを防止できる。
付記3に記載の告知放送用受信機によれば、表示手段は、音出力制御手段にて音出力手段による音出力の音量が制御された場合であって、音出力手段から出力される緊急放送が終了した場合に、当該音出力制御手段によって当該音出力手段による音出力の音量が変更された旨を表示するので、ユーザに対して音出力手段の音出力の音量が調整されたことを報知でき、ユーザが緊急放送終了以降の一般放送を聞き漏らすことを防止できる。
付記4に記載の告知放送用受信機によれば、第1の受付手段は、第2の受付手段を兼ねるので、第1の受付手段及び第2の受付手段を1つに集約することができ、ユーザが行う操作入力を簡易にすることができる。
付記5に記載の告知放送用受信機によれば、音出力制御手段は、音出力手段の音量を調整するので、緊急放送の視聴に関するユーザの利便性を一層改善することができる。
付記6に記載の告知放送用受信機によれば、音出力制御手段は、音出力手段の音出力をミュートするので、第1の受付手段の設定値を変更せずに、音出力手段の音出力を消音することができ、緊急放送の視聴に関するユーザの利便性を一層改善することができる。