【実施例1】
【0019】
まずは、実施例1の省スペース乾燥装置の構成について、
図1及び
図2に従い説明する。
【0020】
実施例1の省スペース乾燥装置(1)は、高含液被乾燥物(S1)を投入する高含液被乾燥物投入部(101)と、前記高含液被乾燥物を遠心分離処理することにより泥状物を分離する遠心分離部(図示せず)と、前記分離された泥状物(S2)を排出する泥状物排出部(109)と、を備える遠心分離機構(10)と、上面部及び4面の側面部を備え前記遠心分離機構(10)の下部に位置するケーシング(20)と、前記ケーシング(20)の内部に配置し、前記泥状物(S2)が投入される泥状物投入部(301)と、前記投入された泥状物(S2)をドラム乾燥により低含液被乾燥物(S3)に変化させるドラム乾燥部(302)と、最終排出被乾燥物である低含液被乾燥物(S3)を収納するために最下段に配置する低含液被乾燥物収納容器(305)と、を備えるドラム乾燥機構(30)と、前記ケーシング(20)の上面部を貫通し前記泥状物排出部(109)と前記泥状物投入部(301)とを直接結合する垂直連通路(40)と、前記垂直連通路(40)の側面部を貫通し連結する第一蒸気吸入路(501)と、前記ケーシング(20)の上面部を貫通し連結する第二蒸気吸入路(502)と、前記第一蒸気吸入路(501)及び第二蒸気吸入路(502)と連結する吸入源(503)と、を備える蒸気吸入機構(50)と、で構成する。
【0021】
なお、前記ケーシング(20)の形状及び構成については、底面部を有しない上面部及び4面の側面部で構成するが、前記ドラム乾燥機構(30)の乾燥効率、粉じんなどを含む蒸気の発散又は低含液被乾燥物の飛散など、当該乾燥装置としての機能・性能が維持できる範囲内であれば種々の形状及び構成に設計変更し得る。
【0022】
前記ドラム乾燥部(302)の構成は、前記垂直連通路(40)の直下に位置する1台のドラム(3021)と、前記ドラムの温度を上昇させるドラム温度上昇機構(3022)と、延伸後泥状物(S2)の乾燥を促進させる延伸後泥状物乾燥促進機構(3023)と、前記ドラムの中央部を貫通する筒状のドラム軸(3024)と、前記ドラムを回転させる駆動源である1個のドラム駆動モータ(3025)と、前記ドラム軸(3024)と前記ドラム駆動モータ(3025)とを結合するドラム連結チェーン(3026)と、前記ドラムの外側面近傍に設置する1本の延伸ローラ(3031)と、前記延伸ローラの中央部を貫通する延伸ローラ軸(3034)と、前記延伸ローラを回転させる駆動源である1個の延伸ローラ駆動モータ(3035)と、前記延伸ローラ軸(3034)と前記延伸ローラ駆動モータ(3035)とを結合する延伸ローラ連結ベルト(3036)と、前記延伸ローラの下部に位置し、前記延伸ローラと前記ドラムとの隙間の距離を調整する延伸ローラテンショナー(3037)と、延伸後泥状物(S2)を前記ドラムから掻き落とすために設置するスクレーパ(3041)と、で構成する。
【0023】
前記ドラム温度上昇機構(3022)は、熱風発生源(3022a)と、図示左端側を前記熱風発生源(3022a)と接合した第一スリットノズルと兼用する前記ドラム軸(3024)と、前記第一スリットノズルの図示右端側に備えた熱風堰き止め部(3022b)と、前記第一スリットノズルの側面に貫通設置した複数の第一スリットノズル排気口(3022c)とで構成する。
【0024】
前記延伸後泥状物乾燥促進機構(3023)は、前記熱風発生源(3022a)と、前記第一スリットノズルと兼用するドラム軸(3024)の図示右端側の側面に設けた第一スリットノズル吸気孔(3023a)と、前記第一スリットノズルの右端側と接合した第二スリットノズル(3023b)と、前記第二スリットノズルの側面に設けた複数の第二スリットノズル排気孔(3023c)とで、構成する。
【0025】
前記第二スリットノズル(3023b)の位置及び本数は、前記ドラムの周辺近傍に2本配置している。1本は前記ドラム(3021)と前記延伸ローラ(3032)との近傍であり、他の1本は前記ドラムの下面近傍である。前記ケーシング(20)の内部での粉じんの舞い上がりを防止するために当該配置としている。
【0026】
なお、前記ドラム(3021)とドラム駆動モータ(3025)とを結合する手段としてドラム連結チェーン(3026)を使用しているが、技術常識の範囲内での代替手段(例えば、連結ベルトへの変更又は中継ギアを介しての結合等)への変更は行い得る。
【0027】
なお、前記延伸ローラ(3031)と延伸ローラ駆動モータ(3035)とを結合する手段として延伸ローラ連結ベルト(3036)を使用しているが、技術常識の範囲内での代替手段(例えば、連結チェーンへの変更又は中継ギアを介しての結合等)への変更は行い得る。
【0028】
前記スクレーパ(3041)の設置角度は、前記ドラム(3021)の外側面を滑動し滑らかに前記ドラムに付着した泥状物(S2)を舐め落とすために、前記ドラムの外側面と鋭角となる位置に設置することが好ましい。
【0029】
前記スクレーパ(3041)は、図示右端をスクレーパ支軸(3042)で軸支し、図示左端で前記ドラムに付着した泥状物(S2)を掻き取る構造であるが、前記ドラム(3021)への押しつけ力を安定させるために、前記スクレーパ(3041)の上部にスクレーパ押圧バネ(3047)を付加し、前記スクレーパ押圧バネ(3047)で前記スクレーパ(3041)の図示左端を前記ドラム(3021)に押しつける構造とすることが好ましい。
【0030】
なお、前記低含液被乾燥物収納容器(305)の形状及び構成については、上面部を有しない4面の側面部及び底面部で構成するが、低含液被乾燥物(S3)の飛散を防止することができる範囲内であれば様々な形状及び構成に設計変更し得る。
【0031】
なお、前記垂直連通路(40)は、前記ケーシング(20)の上面部を貫通し前記泥状物排出部(109)と前記泥状物投入部(301)とを直接結合しているので、前記泥状物排出部(109)から前記ケーシング(20)の内部までは連通した密閉空間を確保している。
【0032】
蒸気吸入機構(50)を構成する蒸気吸入路は、少なくとも前記第一蒸気吸入路(501)又は第二蒸気吸入路(502)の何れかを備えていれば良いが、乾燥効率等を考慮すると両方備えている方が好ましい。
【0033】
前記第二蒸気吸入路(502)の図示右側端部は、前記ケーシング(20)の一部を貫通し連結すれば良いが、前記ケーシング(20)の内部での乾燥効率などを考慮すれば、蒸気がより多く発生する前記ドラム乾燥部(302)の前半部分である前記延伸ローラ(3031)位置付近の前記ケーシング(20)の上面部を貫通し連結することが好ましい。
【0034】
前記第一蒸気吸入路(501)の最終端部は、前記吸入源(503)と連結されている必要がある。
【0035】
前記第二蒸気吸入路(502)の最終端部(図示左側端部)は、前記吸入源(503)と連結されている必要がある。
【0036】
実施例1では、前記第一蒸気吸入路(501)と前記第二蒸気吸入路(502)とをジョイントしたうえで前記吸入源(503)と連結する構造を選択している。
【0037】
なお、前記吸入源(503)には、ブロワーを使用しているが、吸入動作を行い得る同種の装置であれば良い。
【0038】
次に、実施例1の省スペース乾燥装置のドラム温度上昇動作について、
図3に従い説明する。
【0039】
熱風発生源(3022a)から放出した熱風は、接続ホースを経由し前記第一スリットノズルと兼用する前記ドラム軸(3024)の側面に設けた複数の第一スリットノズル排気口(3022c)から前記ドラムの内側面へ向かって輻射される。
【0040】
前記輻射により、前記ドラム(3021)の温度は上昇する。
【0041】
なお、前記輻射により上昇する温度は、70℃から130℃が好ましい。
【0042】
次に、実施例1の省スペース乾燥装置の乾燥処理動作ついて、メッキ廃水を投入した場合を例に取り、
図1から
図3に従い説明する。
【0043】
メッキ廃水(S1)を高含液被乾燥物投入部(101)から投入し、遠心分離処理を開始することにより、泥状物(S2)が、間欠的(例えば、5分間に1回の間隔)に、泥状物排出部(109)から排出される。
【0044】
前記泥状物排出部(109)から排出された前記泥状物(S2)は、自然重力により落下し、前記ケーシング(20)の上面部を貫通し前記泥状物排出部(109)と前記泥状物投入部(301)とを直接結合する垂直連通路(40)を通って前記ドラム(3021)の上面に堆積する。
【0045】
また、ドラム駆動モータ(3025)の作動により、ドラム連結チェーン(3026)を伝動しドラム軸(3024)及び前記ドラム(3021)が反時計回りに回転する。
【0046】
また、延伸ローラ駆動モータ(3035)の作動により、延伸ローラ連結ベルト(3036)を伝動し延伸ローラ軸(3034)及び延伸ローラ(3031)が時計回りに回転する。
【0047】
前記ドラム(3021)及び延伸ローラ(3031)が回転すると、前記泥状物(S2)は、前記ドラム(3021)と前記延伸ローラ(3031)との間を通過することによって、0.5mmから0.1mm程度の厚さに延伸される。
【0048】
延伸後泥状物(S2)は、前記ドラム温度上昇機構(3022)の作動により、70℃から130℃に温度上昇したドラム(3021)によって内側面から熱的乾燥を継続的に受けながら、前記ドラム(3021)に付着し前記ドラム(3021)と共に回転移動する。
【0049】
ところで、前記第一スリットノズル排気口(3022c)からいったん輻射された熱風は、第一スリットノズル吸気孔(3023a)から接続ホースを経由して第二スリットノズル(3023b)へと導かれ、前記第二スリットノズルの側面に設けた複数の第二スリットノズル排気孔(3023c)から前記ドラム(3021)の外側面に向かって放出される。
【0050】
前記の放出(延伸後泥状物乾燥促進機構(3023)の作動)により、前記延伸後泥状物(S2)は、さらに、前記複数の第二スリットノズル排気孔(3023c)から放出される熱風を前記ドラム(3021)の外側面からも継続的に受けるため、乾燥が促進される。
【0051】
スクレーパ(3041)の位置に到達した前記延伸後泥状物(S2)は、前記スクレーパ押圧バネ(3047)によって上部から押圧された前記スクレーパ(3041)により、前記ドラム(3021)から掻き落とされ最下部に配置する低含液被乾燥物収納容器(305)内に落下収納される。
【0052】
なお、前記ドラム(3021)の周速度は、前記ドラム駆動モータ(3025)の回転速度を変化させることにより、また、前記延伸ローラ(3031)の周速度は、前記延伸ローラ駆動モータ(3035)の回転速度を変化させることにより、調整可能である。
【0053】
前記ドラム駆動モータ(3025)の回転速度は、泥状物排出部(109)から排出される泥状物(S2)の排出間隔に応じ変更し得るが、次の泥状物(S2)が排出されるまでに、低含液被乾燥物(S3)の排出が完了していることが好ましいことから、例えば、5分間に1回の間隔で泥状物(S2)が排出される乾燥装置では概ね3rpm程度の回転速度で作動させている。ただし、前記ドラム(3021)の径の大きさが設計変更されると前記ドラム駆動モータ(3025)の回転速度も変更し得る。
【0054】
なお、前記延伸ローラ(3031)の周速度は、残留泥状物塊や泥状物詰まり、泥状物付着などを生じさせることなく、延伸後泥状物(S2)の厚さを継続的に一定にするため、前記ドラム(3021)の周速度の50%〜100%未満とすることが好ましい。
【0055】
次に、実施例1の省スペース乾燥装置の蒸気吸入動作ついて、メッキ廃水を投入した場合を例に取り、
図1及び
図2に従い説明する。
【0056】
ドラムの上面に堆積した泥状物(S2)及び延伸後泥状物(S2)は、ドラム温度上昇機構(3022)の作動により、70℃から130℃に温度上昇したドラム(3021)によって内側面から熱的乾燥を継続的に受けるので、前記泥状物(S2)から蒸気が発生する。
【0057】
前記発生した蒸気は、吸入源であるブロワー(503)の作動により、第一蒸気吸入路(501)又は第二蒸気吸入路(502)を経由し前記ブロワー(503)の内部を通過した後、前記ブロワー(503)と連通する蒸気排出路(60)へ排出される。
【0058】
なお、前記蒸気排出路(60)へ排出された蒸気は、前記蒸気排出路(60)と連通した蒸気収納容器(70)などに収納される。前記蒸気収納容器(70)などに収納された蒸気は、当該容器の内部で水にもどされる。また、蒸気中の粉じんも、当該容器に回収される。
【実施例2】
【0059】
実施例2の省スペース乾燥装置は、ドラム温度上昇機構及び延伸後泥状物乾燥促進機構の構成を変更した省スペース乾燥装置である。
【0060】
まずは、実施例2の省スペース乾燥装置の構成について、
図4に従い実施例1との変更点のみを説明する。
【0061】
ドラム温度上昇機構(3022)は、スチーム発生源(3022d)と、図示左端側を前記スチーム発生源(3022d)と接合した第一スリットノズルと兼用する前記ドラム軸(3024)と、前記第一スリットノズルの側面に貫通設置した複数の第一スリットノズル分岐部(3022e)と、スチームトラップ(3022f)とで、構成する。
【0062】
延伸後泥状物乾燥促進機構(3023)は、送風発生源である送風機(3023d)と、前記送風発生源(3023d)と接合した第二スリットノズル(3023b)と、前記第二スリットノズルの側面に設けた複数の第二スリットノズル排気孔(3023c)とで、構成する。
【0063】
その他の構成については、実施例1の省スペース乾燥装置と同様であるので、省略する。
【0064】
次に、実施例2の省スペース乾燥装置のドラム温度上昇動作について、
図4に従い、実施例1との変更点のみを説明する。
【0065】
スチーム発生源(3022d)から放出したスチームは、接続ホースを経由し前記第一スリットノズルと兼用する前記ドラム軸(3024)の側面に設けた複数の第一スリットノズル分岐部(3022e)に流れることにより前記ドラムの温度が上昇する。なお、ドレンはスチームトラップ(3022f)により回収される。
【0066】
なお、前記スチーム放出により上昇する温度は、70℃から130℃が好ましい。
【0067】
次に、実施例2の省スペース乾燥装置の乾燥処理動作ついて、メッキ廃水を投入した場合を例に取り、
図1、
図2及び
図4に従い、実施例1との変更点のみを説明する。
【0068】
延伸後泥状物(S2)は、ドラム温度上昇機構(3022)の作動により、70℃から130℃に温度上昇したドラム(3021)によって内側面から熱的乾燥を継続的に受けながら、前記ドラム(3021)に付着し前記ドラム(3021)と共に回転移動する。
【0069】
ところで、送風発生源である送風機(3023d)から放出した気体は、第二スリットノズル(3023b)を経由し、前記第二スリットノズルの側面に設けた第二スリットノズル排気孔(3023c)から前記ドラムの外側面へ向かって放出される。
【0070】
前記の放出(延伸後泥状物乾燥促進機構(3023)の作動)により、前記延伸後泥状物(S2)は、さらに、前記複数の第二スリットノズル排気孔(3023c)から放出される送風を前記ドラム(3021)の外側面からも継続的に受けるため、乾燥が促進される。
【0071】
スクレーパ(3041)の位置に到達した前記延伸後泥状物(S2)は、前記スクレーパ(3041)により、前記ドラム(3021)から掻き落とされ最下部に配置する低含液被乾燥物収納容器(305)内に落下収納される。
【0072】
その他の動作については、実施例1の乾燥装置と同様であるので、省略する。