(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ユーザ端末は前記電話番号の着信先となる携帯電話端末であり、当該電話番号は当該携帯電話端末の携帯電話番号であることを特徴とする請求項1に記載の認証装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のようなサービスを提供するサービス提供事業者において、新たなサービス申込を受け付けるときに、サービス利用者の本人性確認が重要となる。
【0007】
例えば、申込時に、上記のユーザ端末として使用する携帯端末(スマートフォン等)の利用者情報(住所、氏名等)を受け付けることが考えられるが、そのままの情報では、当該利用者情報が、実際にサービスを利用する利用者の情報かどうかを判別することができず、この方法では確実な本人性確認は困難である。
【0008】
一方、申込時に身分証明書の提示を受けたり、申込確認書類を配達証明郵便等で送付したりするなどして本人性確認を行うことも考えられるが、サービス提供事業者側で確認に手間がかかるとともに、利用者からの申込に即時に対応することができないという問題がある。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ネットワークサービス等のサービスを提供する際における確実性の高いユーザ本人性確認を簡易かつ迅速に行うことを可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明は、ユーザ端末とネットワークを介して接続され、当該ユーザ端末の利用者の認証を行う認証装置であって、前記ユーザ端末から前記利用者の電話番号と、当該利用者により入力された確認用番号とを受信する手段と、前記受信した電話番号を発信先として電話発信を行い、当該電話番号の着信先との間に通話回線を確立する手段と、前記通話回線を通じて前記着信先において入力された番号情報を受信し、当該番号情報と前記確認用番号とを比較し、これらが同一である場合に、前記認証に成功したと判定する手段とを備えたことを特徴とする認証装置として構成される。
【0011】
前記ユーザ端末は、所定の通信サービスを受けるための端末であり、前記認証装置は、前記認証に成功したと判定した場合に、前記ユーザ端末が前記所定の通信サービスを受けるために必要な設定情報を前記ユーザ端末に送信する手段を更に備えることとしてもよい。
【0012】
また、前記ユーザ端末は、IP電話通信を行うための端末であり、前記認証装置は、前記認証に成功したと判定した場合に、前記ユーザ端末がIP電話通信を行うために必要な設定情報としてのSIP通信情報を前記ユーザ端末に送信する手段を更に備えることとしてもよい。
【0013】
前記ユーザ端末として前記電話番号の着信先となる携帯電話端末を用いてもよく、その場合、当該電話番号は当該携帯電話端末の携帯電話番号である。
【0014】
本発明は、前記認証装置が実行する認証方法として構成してもよい。また、本発明は、前記認証装置における各手段として機能させるためのプログラムとして構成してもよい。
【0015】
また、本発明は、前記認証装置に接続されるユーザ端末であって、前記利用者の電話番号と、当該利用者により入力された確認用番号とを前記認証装置に送信する手段と、前記認証に成功したか否を確認するための確認要求を前記認証装置に送信する手段と、前記確認要求により前記認証に成功したことを示す情報を前記認証装置から受信した場合に、前記認証装置に対して前記設定情報を要求し、当該認証装置から受信した前記設定情報を記憶手段に格納する手段と、を備えることを特徴とするユーザ端末として構成することもできる。
【0016】
また、本発明は、コンピュータを、前記ユーザ端末における各手段として機能させるためのプログラムとして構成することもできる。
【発明の効果】
【0017】
ネットワークサービス等のサービスを提供する際における確実性の高いユーザ本人性確認を簡易かつ迅速に行うことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。本実施の形態では、一例として、本発明に係る着信認証方式を、スマートフォン等の携帯端末を用いたIP電話サービスの利用申込時におけるユーザの本人性確認に用いているが、本発明は、これに限らず、他の様々なサービスにも適用できるものである。
【0020】
(システム構成)
図1に、本実施の形態に係るシステムの全体構成図を示す。
図1に示すように、本実施の形態に係るシステムは、インターネット1と電話網2とがGW3を介して接続されて構成され、インターネット1にユーザ端末10と設定・認証装置20が接続されている。電話網2は、例えばPSTN、携帯電話網、キャリアが提供するVoIP通信網等であり、これらの網が相互接続された網であってもよい。
【0021】
本実施の形態におけるユーザ端末10としては、携帯電話機能を備える携帯端末(スマートフォン等)を想定している。ユーザ端末10は、無線通信網4(携帯電話網、無線LAN網等)を介してインターネット1に接続し、インターネット1に接続された他の端末30や、電話網2に接続された電話機5等とIP電話通信を行う。
【0022】
上記のようなIP電話通信を可能とするために、ユーザ端末10及び網側(GW3等)においてSIP通信情報等の設定を行うことが必要となる。
【0023】
設定・認証装置20は、上記SIP通信情報の設定を行うにあたってのユーザの本人性確認(認証)や、ユーザ端末10に対してSIP通信情報の自動設定等を行う装置である。なお、
図1には、設定・認証装置20はインターネット1のみに接続しているように図示されているが、設定・認証装置20は、ユーザ端末10の電話番号(本実施の形態では携帯電話番号)に呼接続し、ユーザ端末10と電話通信を行うことが可能である。
【0024】
図2に、設定・認証装置20の機能構成図を示す。
図2に示すように、設定・認証装置20は、申込受付機能部21、着信認証機能部22、設定情報割当機能部23、端末自動設定機能部24、ステータス管理機能部25、情報格納部26を備える。
【0025】
申込受付機能部21は、ユーザ端末10から、申込に必要な情報を受信し、情報格納部26に格納する。申込に必要な情報は、例えば、ユーザ氏名・住所・電話番号・クレジットカード番号等である。
【0026】
着信認証機能部22は、ユーザ端末10から、着信認証に用いる電話番号と確認用番号(これを「PINコード」と呼ぶ)を含む着信認証要求を受けて、当該電話番号宛てに電話を発呼する機能、及び、当該発呼により確立された通話回線を通じて、ユーザにより入力されたPB信号をユーザ端末10から受信し、PB信号から番号情報を認識し、上記PINコードと比較することにより認証を行う機能を有する。
【0027】
設定情報割当機能部23は、IP電話用電話番号候補を記憶手段に格納しており、その中から認証に成功したユーザのユーザ端末10に対応するIP電話用電話番号を割り当てる機能を有する。また、ユーザ端末10がIP電話通信を行うために必要なSIP通信情報を割り当てる機能も有する。割り当てられた情報は、ユーザ毎(つまり、ユーザ端末毎)に情報格納部26に格納される。
【0028】
端末自動設定機能部24は、IP電話通信に必要な初期設定情報(SIP通信情報)をユーザ端末10に送信し、ユーザ端末10にSIP通信情報を設定させる機能を有する。当該SIP通信情報は、ユーザ端末10が、他の端末や電話機とSIPによるIP電話通信を行うために必要な情報であり、ユーザ端末10に対応するニックネーム、SIP-ID、パスワード、GW3のアドレス等を含む情報である。なお、網側(GW3等)には、設定情報割当機能部23により割り当てられたユーザ端末10のIP電話用電話番号とSIP通信情報とが対応付けて設定される。また、ユーザ端末10には、通信に使用する情報として当該IP電話用電話番号は設定されないが、当該IP電話用電話番号をディスプレイに表示して、ユーザに知らせることは可能である。
【0029】
ステータス管理機能部25は、一連の申込手順の進捗状況(ステータス)を管理する機能部であり、着信認証NGや、着信認証待ち時間超過などが発生したら、申込手順を中断し、再度ユーザ端末10に対して認証情報(電話番号、PINコード等)の入力を要求する等の制御を行う機能を有する。
【0030】
情報格納部26は、ユーザ毎(ユーザ端末毎)に、申込情報、IP電話用電話番号、設定情報等を格納する機能部であり、データベースシステムを構成している。
【0031】
設定・認証装置20は、1つの装置(コンピュータ)として構成することもできるし、1機能部毎もしくは複数の機能部毎に異なる装置(コンピュータ)としてネットワーク接続して構成してもよい。例えば、申込受付機能部21を1つの装置として構成し、それ以外の機能部をまとめて別の装置として構成することができる。設定・認証装置20が複数のコンピュータから構成される場合であっても、全体として設定・認証装置20と称することができる。
【0032】
設定・認証装置20は、1つ又は複数のコンピュータに、本実施の形態で説明する処理内容を記述したプログラムを実行させることにより実現可能である。すなわち、設定・認証装置20の各部が有する機能は、当該設定・認証装置20を構成するコンピュータに内蔵されるCPUやメモリなどのハードウェア資源を用いて、各部で実施される処理に対応するプログラムを実行することによって実現することが可能である。また、上記プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体、例えばFD(Floppy(登録商標) Disk)や、MO(Magneto−Optical disk)、ROM(Read Only Memory)、メモリカード、CD(Compact Disk)−ROM、DVD(Digital Versatile Disk)−ROM、BD(Blu−ray Disk)−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RW、BD−R、BD−RE、HDD、リムーバブルディスクなどに記録して、保存したり、配布したりすることが可能である。また、上記プログラムをインターネットや電子メールなど、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0033】
図3に本実施の形態におけるユーザ端末10(本実施の形態ではスマートフォン等の携帯端末を想定)の機能構成図を示す。ユーザ端末10は、アプリケーション部100、及び電話機能部200を有する。なお、ユーザ端末10は無線通信機能を含み、アプリケーション部100、及び電話機能部200は、当該無線通信機能を利用して無線通信を行う。
【0034】
アプリケーション部100は、ユーザ端末10にインストールされるアプリケーションプログラムにより実現される機能部であり、申込情報入力・送信機能部101、着信認証制御機能部102、自動設定機能部103を備える。
【0035】
ユーザ端末10は、IP電話通信を行うための機能も備えるが、
図3は本発明に関連する着信認証及び自動設定に関わる機能を主に示しており、IP電話通信機能は図示していない。IP電話通信機能は、アプリケーション部100内に備えてもよいし、アプリケーション部100とは別のアプリケーションとして備えてもよい。
【0036】
申込情報入力・送信機能部101は、申込情報(ユーザ氏名・住所・電話番号・クレジットカード番号等)をユーザに入力させるためのGUIをユーザ端末10のディスプレイに表示し、ユーザから入力される申込情報を受け付け、入力された申込情報を設定・認証装置20に送信する機能部である。
【0037】
着信認証制御機能部102は、着信認証用の電話番号とPINコードとをユーザに入力させるためのGUIをユーザ端末10のディスプレイに表示し、ユーザから入力される着信認証用の電話番号とPINコードとを含む着信認証要求を設定・認証装置20に送信する機能、着信認証ステータスの確認のために設定・認証装置20に確認要求(ポーリング)を行い、確認結果を設定・認証装置20から取得する機能を備える。
【0038】
自動設定機能部103は、認証OKである場合に、IP電話通信に必要なSIP通信情報を設定・認証装置20から受信し、IP電話通信に使用できるようにユーザ端末10の記憶手段に保存する機能部である。すなわち、SIP通信情報の自動設定を行う機能部である。
【0039】
電話機能部200は、電話番号(本実施の形態ではこれが着信認証用の電話番号となる)が割り当てられ、当該電話番号を用いた電話の発着信、及び通話を行うための機能部である。本実施の形態では、当該電話番号は携帯電話番号である。電話機能部200は、一般には電話番号を入力する際に用いるPB(プッシュボタン)入力機能部201を備える。
【0040】
ユーザ端末10のアプリケーション部100は、コンピュータ(CPUとメモリとからなる構成)に、本実施の形態で説明する処理内容を記述したプログラムを実行させることにより実現可能である。また、上記プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体、例えばFD(Floppy(登録商標) Disk)や、MO(Magneto−Optical disk)、ROM(Read Only Memory)、メモリカード、CD(Compact Disk)−ROM、DVD(Digital Versatile Disk)−ROM、BD(Blu−ray Disk)−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RW、BD−R、BD−RE、HDD、リムーバブルディスクなどに記録して、保存したり、配布したりすることが可能である。また、上記プログラムをインターネットや電子メールなど、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0041】
(システムの動作)
次に、
図4のシーケンス図を参照して、ユーザ端末10と設定・認証装置20間で実行される着信認証及び自動設定処理の例を説明する。以下では、ユーザ端末10によりIP電話通信を行うためのサービス申込時の例を説明する。
【0042】
ユーザ端末10のユーザは、アプリケーション部100の申込情報入力・送信機能部101により表示されるGUIを用いて申込情報を入力し、申込情報入力・送信機能部101は、入力された申込情報を設定・認証装置20に送信する(ステップ1)。
【0043】
設定・認証装置20において、申込受付機能部21が申込情報を受信し、申込情報を情報格納部26に格納する(ステップ2)。また、申込受付機能部21は、ステータス管理機能部25に対し、当該ユーザについてのステータスが「仮申込み完了」のステータスであることを通知する(ステップ3)。通知を受けたステータス管理機能部25は、例えば、情報格納部26に格納された当該ユーザの申込情報(ユーザ端末10を識別可能な識別情報を含む)に対応付けてステータス情報として「仮申込み完了」を記録する。あるいは、ユーザの申込情報とは別に、ユーザ端末10の識別情報と「仮申込み完了」を示す情報とをステータス情報として記憶手段に格納することとしてもよい。ここでのユーザ端末10の識別情報は、申込情報として入力されるものであってもよいし、申込情報の送信時に自動的に付加される情報(ユーザ端末10のアドレス等)であってもよい。
【0044】
続いて、ユーザ端末10のアプリケーション部100における着信認証制御機能部102は、ユーザ端末10の電話番号(つまり、電話機能部200の電話番号)とPINコードとを入力させるGUIを表示し、GUIからユーザにより入力された当該電話番号とPINコードとを含む着信認証要求を設定・認証装置20に送信する(ステップ4)。
【0045】
申込情報に着信認証用の電話番号を含ませることとする場合には、アプリケーション部100は、申込情報として入力された当該電話番号を保持しておき、着信認証要求時には、PINコードのみを入力させ、保持した電話番号と入力されたPINコードとを含む着信認証要求を設定・認証装置20に送信することとしてもよい。
【0046】
また、着信認証制御機能部102は、着信認証用の電話番号として、ユーザにより入力された電話番号を用いずに、ユーザ端末10の所定の記憶手段からユーザ端末10の電話番号を自動的に取得して、当該電話番号を着信認証用の電話番号として設定・認証装置20に送信することとしてもよい。
【0047】
設定・認証装置20において、着信認証機能部22が電話番号とPINコードとを受信すると、PINコードを記憶手段に保持しておくとともに、当該電話番号に対して発呼を行う(ステップ5)。当該呼の着信先であるユーザ端末10の電話機能部200により、ユーザに着信を知らせる着信音が鳴り、ユーザが応答する(電話に出る)と、ユーザ端末10の電話機能部200と設定・認証装置20間で通話回線(これを認証用通信回線と呼ぶこともできる)が確立される(ステップ6)。
【0048】
このとき、設定・認証装置20は上記通話回線を介してユーザ端末10の電話機能部200に対して、プッシュボタンでPINコードを入力することを促すガイダンスメッセージを流してもよい。
【0049】
ユーザ端末10のユーザが、PB入力機能部201から、ステップ4で入力したPINコードと同じPINコードを入力すると、入力されたPINコードに対応するPB信号が設定・認証装置20における着信認証機能部22に送信される(ステップ7)。
【0050】
着信認証機能部22は、受信したPB信号から番号情報(数字の列)を識別し、当該番号情報と、ステップ4において受信したPINコードとを比較し、これらが同じかどうか判定を行う(ステップ8)。PINコードとしてのPB信号を受信した後、認証用通信回線は切断してよい。
【0051】
判定の結果、番号情報とPINコードが同じである場合、着信認証機能部22は認証成功と判断し、申込みを完了させる。すなわち、
図4は、認証成功の場合を示しており、着信認証機能部22は、当該ユーザ端末10についてのステータスが「申込完了」となった旨をステータス管理機能部25に通知し(ステップ9)、ステータス管理機能部25は、当該ユーザ端末10についてのステータスが「申込完了」となった旨を情報格納部26に記録する。
【0052】
そして、「申込完了」を認識したステータス管理機能部25は、ユーザ端末10に対する電話番号等設定情報割り当て処理要求を設定情報割当機能部23に送る(ステップ10)。設定情報割当機能部23は、当該ユーザ端末10に対して、IP電話用電話番号(例えば050番号)及びSIP通信情報を割り当て、情報格納部26に格納する(ステップ11)。
【0053】
一方、ユーザ端末10のアプリケーション部100における着信認証制御機能部102は、ステップ4の後、例えば、「申込完了」とのステータスが得られるまで、一定時間間隔で設定・認証装置20に対して申込みのステータスの確認要求を送信する(ステップ12)。この確認要求には、ユーザ端末10の識別情報が含まれる。上記のように一定時間間隔で確認要求を行うことに代えて、ユーザによる操作をトリガー(特定ボタン押下時等)にして確認要求を送信することとしてもよい。また、例えば、ユーザ端末10が、電話機能部200による電話通信が行われている間は、アプリケーションが動作しない仕様のものである場合、通話回線が切断(ユーザ端末10での操作により切断、もしくは、設定・認証装置20からの切断)された後に、アプリケーション部100が再動作を開始したとき(アプリケーション再表示時)に、着信認証制御機能部102が確認要求を行うこととしてもよい。
【0054】
確認要求を受信した設定・認証装置20におけるステータス管理機能部25は、情報格納部26から当該ユーザ端末10対応するステータスを取得し、当該ステータスをユーザ端末10に返す(ステップ13)。
【0055】
ユーザ端末10における着信認証制御部102は、受信したステータスが「申込完了」であれば、確認要求の送信を止めるとともに、「申込完了」の旨を自動設定機能部103に通知する(ステップ14)。通知を受けた自動設定機能部103は、SIP通信情報の設定が可能であると判断し、ユーザによる操作トリガとするGUI(設定要求ボタン等)をディスプレイに表示し、ユーザからの操作(設定要求ボタンの押下等)を受けて、設定情報要求(ユーザ端末10の識別情報を含む)を設定・認証装置20に送信する(ステップ15)。なお、設定要求ボタン等を行わずに、「申込完了」を把握した時点で、設定情報要求を設定・認証装置20に送信することとしてもよい。
【0056】
設定情報要求を受信した設定・認証装置20においては、端末自動設定機能部24が、当該ユーザ端末10に対応する設定情報としてのSIP通信情報を情報格納部26から取得し、当該SIP通信情報をユーザ端末10に送信する(ステップ16)。SIP通信情報を受信したユーザ端末10では、自動設定機能部103が、SIP通信情報をIP電話通信に使用できるように記憶手段に格納する(ステップ17)。
【0057】
なお、網側へのユーザ端末10のIP電話用電話番号及びSIP通信情報の設定も行われるが、これはどのような方法を用いて行ってもよい。例えば、ユーザ端末10への情報設定と同様のタイミングで自動的に設定してもよいし、ネットワーク管理者が手動で設定を行うこととしてもよい。
【0058】
ステップ8において、番号情報とPINコードが一致せずに、着信認証機能部22が着信認証NGであると判定した場合は、「着信認証NG」を示すステータスをステータス管理機能部25に通知し、ステータス管理機能部2は、「着信認証NG」を示すステータスをユーザ端末10のステータスとして情報格納部26に記録するとともに、例えばステップ4の前の段階に戻り、電話番号とPINコードの再入力をユーザ端末10に要求する処理を行い、ステップ4からの処理を再実行する。また、ステップ5もしくは6の後、一定時間以内にPB信号を受信しない場合にも、同様に「着信認証NG」とし、電話番号とPINコードの再入力をユーザ端末10に要求する処理を行う。
【0059】
これまでに説明した例では、IP電話通信に用いるユーザ端末10が、認証制御及び設定のためのアプリケーション部100と、着信認証を実行する電話機能部200とを備え、着信認証用の電話番号をユーザ端末10の電話番号としたが、着信認証用の電話番号はユーザ端末10の電話番号でなくてもよい。例えば、着信認証用の電話番号を、ユーザ端末10とは別の電話機の電話番号(これもユーザ端末10のユーザの電話番号である)としてもよい。この場合、設定・認証装置20からの着信認証用の発呼は当該別の電話機に対してなされ、当該電話機から正しいPINコード(PB信号)が入力されれば、認証OKと判定される。この形態では、IP電話通信に用いるユーザ端末として、電話機能部200を含まない端末を使用することが可能となる。
【0060】
(実施の形態の効果)
上述したように、本実施の形態では、サービスを受けるために使用するユーザ端末のユーザの本人性確認に着信認証を用いる。着信認証用の電話番号は、契約時の本人性確認を経てユーザが既に契約している電話回線の電話番号であるから、当該電話番号の着信先(電話番号の契約ユーザ)から、ユーザ端末にユーザにより入力された確認用番号と同じ番号情報が返された場合、ユーザ端末のユーザは電話番号契約ユーザと同一であると推定することができる。従って、この着信認証方式により、確実性の高いユーザの本人性確認が可能となる。
【0061】
また、本実施の形態では、サービス利用にあたってのユーザ端末に対するSIP通信情報の初期設定を自動で実行することで、SIP通信情報を流用できないように秘匿することが可能となっている。
【0062】
本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々変更・応用が可能である。