(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5694132
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】水溶性液体収容パウチ
(51)【国際特許分類】
B65D 77/00 20060101AFI20150312BHJP
B65D 30/02 20060101ALI20150312BHJP
C11D 17/04 20060101ALI20150312BHJP
【FI】
B65D77/00 B
B65D30/02
C11D17/04
【請求項の数】5
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2011-264842(P2011-264842)
(22)【出願日】2011年12月2日
(62)【分割の表示】特願2008-513839(P2008-513839)の分割
【原出願日】2006年5月31日
(65)【公開番号】特開2012-82014(P2012-82014A)
(43)【公開日】2012年4月26日
【審査請求日】2011年12月12日
【審判番号】不服2014-3034(P2014-3034/J1)
【審判請求日】2014年2月18日
(31)【優先権主張番号】05076277.2
(32)【優先日】2005年6月1日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】06113694.1
(32)【優先日】2006年5月9日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100176094
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 満
(72)【発明者】
【氏名】フランチェスコ、デ、ブッツァッカリーニ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン、ヨゼフ、ルイーズ、クーゼマンズ
(72)【発明者】
【氏名】ロレンツォ、マッテオ、ピエール、グアルコ
【合議体】
【審判長】
栗林 敏彦
【審判官】
千葉 成就
【審判官】
渡邊 真
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第02/074893(WO,A1)
【文献】
国際公開第2004/085586(WO,A2)
【文献】
国際公開第02/060758(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D77/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体組成物を収容する水溶性パウチであって、前記水溶性パウチが、ビニルアルコール及びカルボン酸のコポリマーを含むフィルムから作製されており、前記パウチ中に収容される該液体組成物が、ヒドロキシ−エチレン−1,1−ジホスホネートの溶解したイオン性成分を含み、前記液体組成物が、前記液体組成物の7重量%〜10重量%の水、並びに塩化マグネシウム、亜硫酸水素マグネシウム又はこれらの混合物から選択される金属塩を含み、且つ前記パウチが真空成形・水平型・製袋−充填−密封プロセスを使用して加工されることを特徴とする、水溶性パウチ。
【請求項2】
前記液体組成物が、該液体組成物の8重量%〜10重量%の水を含む、請求項1に記載の水溶性パウチ。
【請求項3】
前記液体組成物が、該液体組成物の0.2重量%〜4.0重量%の前記少なくとも1つのイオン性成分を含む、請求項1または2に記載の水溶性パウチ。
【請求項4】
前記液体組成物が、該液体組成物の1重量%未満の前記金属塩を含む、請求項1に記載の水溶性パウチ。
【請求項5】
前記液体組成物が、ポリカルボン酸、ポリカルボキシレート塩、ポリリン酸、ポリホスホネート塩、カチオン性エトキシル化アミン、双性イオン性ポリマー、酵素、及びこれらの混合物から成る群から選択される、1以上の成分を更に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の水溶性パウチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水溶性・液体収容パウチ、特に、洗剤及び硬質表面洗浄剤などの洗浄液体を収容するパウチに関する。より具体的には、本発明は、選択された濃度の水並びにカルボキシレート類、ホスホネート類、及びこれらの混合物から成る群から選択されるイオン性成分と組み合わせて使用した場合に改良された相溶性を示す、水溶性パウチに関する。
【背景技術】
【0002】
液体が充填されているパウチは、工業製品に加えて、消費者製品を包装する便利な形態として既知である。液体は、「1回用量」としての使用目的で予め計量された量で提供されてよい。液体製品を包むフィルムは、パウチの壁を形成し、水に可溶性である。この目的に特に好適な水溶性フィルムは、ポリビニルアルコールから作製され、この状況において、本発明は、液体洗剤の1回用量の包装に特に好都合である。周知の水溶性パウチは一般に、垂直型製袋−充填−密封(VFFS:vertical form-fill-seal)プロセス又は水平型製袋−充填−密封(HFFS:horizontal form-fill-seal)プロセスのどちらか一方を使用して、又は熱成形水溶性包装材料により直接的に形成される。
【0003】
液体製品は、水溶性フィルム内に包装されており、そのフィルムは、ビニルアルコール及びカルボン酸基を含む水溶性コポリマーから作製される。しかし、このような水溶性フィルムの多くは、その中に充填された組成物と組み合わせて使用した場合で、且つカルボキシレート類、ホスホネート類、及びこれらの混合物から成る群から選択される溶解したイオン性成分を含む場合に、貧弱な相溶性を示す。このようなイオン性成分は、それらが一般に、ビルダー又はキレート剤として機能するため、液体洗剤中において望ましい。上述した非相溶性は、ビニルアルコール及びカルボン酸のコポリマーを含むフィルムから作製された水溶性パウチの溶解度を大きく失わせる結果になる。本溶解度損失は、前記水溶性パウチを長期保存した場合に特に問題となり、洗浄後の布地上に水溶性フィルムのポリマー性残留物を生じうる。
【0004】
前記不溶化現象は、前記水溶性フィルムの内部及び/又は表面上へのラクトン環の望ましくない形成に起因すると考えられている。ビニルアルコール及びカルボン酸のコポリマーを含むフィルムそれ自体の内部に既に生じたラクトン形成は、溶解したイオン性成分を含むパウチ内部に前記組成物が充填された際に、特に促進される。このような溶解したイオン性成分の存在は、前記フィルム内のカルボキシレート基に付随する対イオンと前記液体組成物内の水素イオンとの間の交換を促進し、それによってラクトン形成を促進する。
【0005】
更に驚くことに、これらのイオン性成分を安定的に溶解させるために洗剤組成物内に通常必要となる量の水の追加が、ビニルアルコール及びカルボン酸のコポリマーを含むフィルムから作製された水溶性パウチの溶解度に対してイオン性成分が有する効果に対して、悪影響を及ぼすことが観察された。
【0006】
PCT国際公開特許WO01/79417には、イオン性成分及び過剰の安定化化合物(前記フィルム内でのラクトン形成を低減するのに効果的とされる)を含む非水性液体組成物を含有する高分子フィルムから形成された水溶性包装容器が開示されている。
【0007】
米国特許第6,185,410号は、水溶性フィルムで作製され、固形ビルダー/キレート剤及びアニオン性界面活性剤を含む液体組成物を収容するパウチについて記載する。
【0008】
PCT国際公開特許WO2004/085586には、カルボキシレート類、ホスホネート類及びこれらの混合物から成る群から選択される溶解したイオン性成分を含む液体を収容する水溶性パウチ(ここで、当該パウチは特に、変性された水溶性フィルムから作製される)が開示されている。
【0009】
従来技術に開示されている系は、水溶性パウチのイオン性成分との改良された相溶性を得るための解決策を提供するが、より単純且つ安価な代替系に対する必要性は依然として存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、カルボキシレート類、ホスホネート類及びこれらの混合物から成る群から選択される溶解したイオン性成分との優れた相溶性を示す水溶性液体含有パウチを提供しつつ、前記溶解したイオン性成分について優れた安定性を確かにすること、及びそれによって、長期保存した際に前記液体含有パウチの改良された水溶性を提供することが本発明の目的である。
【0011】
本目的が、カルボキシレート類、ホスホネート類、及びこれらの混合物から成る群から選択される溶解したイオン性成分を含む液体含有水溶性パウチ(前記パウチは水平型製袋−充填−密封プロセス(HFFS)によって作製され、注意深く選択された量の水を有する液体組成物を含む)を提供することによって充足され得ることが見出されている。
【0012】
有利には、本発明の水溶性液体含有パウチは、長期保存後であっても増強された溶解及び分散特性を提供する。更に、本発明の水溶性パウチがイオン性成分の安定した溶解を提供する時に、後者は顕著に改善された機能を発揮し、且つ必要とされるこのような成分はより少量となる。
【0013】
本発明の水溶性パウチの更なる利点は、いかなる更なる改質も必要とせずに、市販の水溶性フィルムを使用して作製してよいことである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、液体組成物を収容する水溶性パウチを包含し、前記水溶性パウチはビニルアルコール及びカルボン酸のコポリマーを含むフィルムから作製され、前記パウチ中に含まれる該液体組成物が、カルボキシレート類、ホスホネート類及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの溶解したイオン性成分、及び前記液体組成物の5重量%〜15重量%の水を含み、且つ前記パウチが、真空成形・水平型・製袋−充填−密封プロセスを使用して加工される。
【0015】
別の実施形態では、本発明は、保存時の改良された水溶性を有する水溶性パウチの製造方法を包含し、前記プロセスは、(a)カルボキシレート類、ホスホネート類、及びこれらの混合物から成る群から選択される溶解したイオン性成分の少なくとも1つ、並びに当該液体組成物の5重量%〜15重量%の水を含む液体組成物を配合すること、並びに、(b)真空成形・水平型・製袋−充填−密封プロセスを使用して、ビニルアルコール及びカルボン酸のコポリマーを含むフィルムを加工して、前記液体組成物を収容する水溶性パウチに加工することの各工程を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
水溶性フィルム
本発明によれば、前記水溶性フィルムは、ビニルアルコール及びカルボン酸のコポリマーを含む。
【0017】
好ましくは、前記コポリマーのフィルム材中での濃度は、当該フィルムの少なくとも60重量%である。前記ポリマーは、任意の重量平均分子量を有することができ、好ましくは、1.66E−21g(1,000ダルトン)〜1.66E−18g(1,000,000ダルトン)、より好ましくは、1.66E−20g(10,000ダルトン)〜4.98E−19g(300,000ダルトン)、更により好ましくは、2.49E−20g(15,000ダルトン)〜3.32E−19g(200,000ダルトン)、最も好ましくは、3.32E−20g(20,000ダルトン)〜2.49E−19g(150,000ダルトン)である。
【0018】
好ましくは、前記フィルム内に存在するコポリマーは、材料の溶解を改善させるために60%〜98%、より好ましくは80%〜95%が加水分解されている。
【0019】
極めて好ましい実施例では、前記コポリマーは0.1モル%〜30モル%、好ましくは1モル%〜6モル%の前記カルボン酸を含む。
【0020】
本発明の水溶性フィルムは、追加のコモノマーを更に含んでよい。好適な追加のコモノマーとしては、スルホネート類及びエトキシレートが挙げられる。好ましいスルホン酸の一例は、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸(AMPS)である。
【0021】
本発明の文脈で用いられる好適な水溶性フィルムは、商標名M8630(登録商標)にて、モノ−ソル社(米国、インディアナ州)から市販されている。
【0022】
本明細書の水溶性フィルムは、ポリマー又はポリマー材料以外の成分も含んでよい。例えば、可塑剤、例えばグリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ソルビトール及びこれらの混合物、追加の水、崩壊助剤、充填剤、消泡剤、乳化/分散剤、並びに/又はブロッキング防止剤を加えることが有益であり得る。パウチ又は水溶性フィルム自体が、洗浄水に供給されるべき洗剤添加物、例えば、有機ポリマー性の汚れ放出剤、分散剤、移染防止剤などを含むことが有用であり得る。所望によりパウチのフィルム表面に微細粉末を散布して、摩擦係数を減少させてもよい。アルミノケイ酸ナトリウム、シリカ、タルク及びアミロースは、好適な微細粉末の例である。
【0023】
液体組成物
用語「液体」は、例えば、混合物、溶液、分散液及び乳濁液を幅広く含むように本明細書において使用されるが、均質液体が最も好ましい。液体は、低粘度から非常に高粘度を有してもよく、ジェル及びペーストを含む。好ましい粘度は、20sec−1及び21℃で測定して、10,000mPa・s以下であってよいが、より好ましくは100〜3,000mPa・s、最も好ましくは300〜1,500mPa・sである。前記液体は、各種用途に適した活性成分を含有してよい。このような用途の例は、家庭及び消費者製品、例えば、洗濯物洗浄及び処置、食器及び硬い表面の洗浄、シャンプー、風呂添加剤;農業用化学物質、例えば農薬、除草剤、殺真菌剤、殺虫剤;工業薬品、例えば建設工業で使用される材料、写真、印刷及び織物工業で使用される材料;水処理用薬品、例えば、水泳プール、水加熱システム、汚水及び排水システム用;健康及び美容製品、例えば、薬剤及び化粧品用途である。特に好ましい液体は、衣類、食器及び他の家財表面の洗浄において、液体洗剤として使用に適している。
【0024】
液体組成物は、0.8kg/L〜1.3kg/L、好ましくは約1.0〜1.1kg/Lの密度を有するのが好ましい。前記液体組成物は、任意の方法によって作製することができ、通常その成分に応じた任意の粘度を有することができる。必要に応じて、粘度は、硬化ヒマシ油及び/又は溶媒などの種々の粘度調節剤を使用することにより調整されてよい。硬化ヒマシ油は、チキシン(Thixcin)(登録商標)として市販されている。好適な溶媒を以下により詳細に記載する。
【0025】
本発明の液体組成物は、均質溶液であることが好ましく、特に、前記イオン性成分が、均質液体中に溶解していることが好ましい。
【0026】
本発明の液体は、前記液体を脱塩水中に1%の濃度で溶解して測定した時、9未満のpH、好ましくは8未満のpHを有することが望ましい。
【0027】
イオン性成分
本発明の液体組成物は、カルボキシレート類、ホスホネート類及びこれらの混合物から成る群から選択される少なくとも1つの溶解したイオン性成分を含む。このようなイオン性成分は、水溶液中の金属イオンを結合するために使用するビルダー/キレート剤活性物質として好適であり得る。
【0028】
本発明の一実施例では、前記イオン性成分は、カルボキシレート、好ましくはカルボキシレートビルダー、更により好ましくはポリカルボキシレートビルダーである。本明細書で使用する時、用語「カルボキシレート」は、塩の酸形態を包含し、また複数個のカルボキシレート基、好ましくは少なくとも3個のカルボキシレートを有する化合物を指す「ポリカルボキシレート」をも包含する。好適なポリカルボキシレートビルダーは、好ましくは、酸形態で組成物に加えることができるが、中和塩の形態で加えることもできる。塩の形態で用いる時は、ナトリウム、カリウム、及びリチウムのようなアルカリ金属塩、又はアルカノールアンモニウム塩が好ましい。
【0029】
様々な類別の有用物質がポリカルボキシレートビルダーの中に含まれる。1つの重要な類別のポリカルボキシレートビルダーは、米国特許第3,128,287号(ベルグ(Berg)、1964年4月7日発行)及び米国特許第3,635,830号(ランバーティ(Lamberti)ら、1972年1月18日発行)に開示されるようなオキシジスクシネートを含むエーテルポリカルボキシレートを包含する。また、米国特許第4,663,071号(ブッシュ(Bush)ら、1987年5月5日発行)の「TMS/TDS」ビルダーも参照のこと。また、好適なエーテルポリカルボキシレートとしては、環状化合物、特に米国特許第3,923,679号、同第3,835,163号、同第4,158,635号、同第4,120,874号及び同第4,102,903号に記載されるものなどの脂環式化合物が挙げられる。
【0030】
その他の有用な洗剤性ビルダーには、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート、無水マレイン酸のエチレン又はビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸、及びカルボキシメチルオキシコハク酸、エチレンジアミン四酢酸及びニトリロ三酢酸のようなポリ酢酸の各種アルカリ金属塩、アンモニウム塩及び置換型アンモニウム塩、並びにメリト酸、コハク酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、及びこれらの可溶性塩のようなポリカルボキシレートが挙げられる。
【0031】
シトレートビルダー、例えば、クエン酸及びその可溶性の塩(特にナトリウム塩)は、その再生可能な資源からの可用性及びその生分解性のために、重質の液体洗剤配合物にとって特に重要なポリカルボキシレートビルダーである。オキシジスクシネートはまたかかる組成物及び組み合わせにおいて特に有用である。
【0032】
また、米国特許第4,566,984号(ブッシュ(Bush)、1986年1月28日発行)に開示の3,3−ジカルボキシ−4−オキサ−1,6−ヘキサンジオエート(hexanedioates)及び関連化合物も、本発明の液体洗剤組成物に好適である。有用なコハク酸ビルダーとしては、C
5〜C
20アルキル及びアルケニルコハク酸並びにその塩が挙げられる。この種類の特に好ましい化合物は、ドデセニルコハク酸(dodecenylsuccinic acid)である。スクシネートビルダーの具体的な例としては、ラウリルスクシネート、ミリスチルスクシネート、パルミチルスクシネート、2‐ドデセニルスクシネート(好ましい)、2‐ペンタデセニルスクシネートなどが挙げられる。ラウリルスクシネートがこの群の好ましいビルダーであり、欧州特許A0200263号(1986年11月5日公開)に記載されている。
【0033】
窒素を含有し、りん光体のないアミノカルボキシレートの具体的な例としては、エチレンジアミン二コハク酸及びその塩(エチレンジアミンジスクシネート、EDDS)、エチレンジアミン四酢酸及びその塩(エチレンジアミンテトラアセテート、EDTA)、並びにジエチレントリアミン五酢酸及びその塩(ジエチレントリアミンペンタアセテート、DTPA)が挙げられる。
【0034】
他の好適なポリカルボキシレートが、米国特許第4,144,226号(クラッチフィールド(Crutchfield)ら、1979年3月13日発行)及び米国特許第3,308,067号(ディール(Diehl)、1967年3月7日発行)に開示されている。米国特許第3,723,322号(ディール(Diehl))も参照のこと。こうした物質には、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、フマル酸、アコニット酸、シトラコン酸、及びメチレンマロン酸のような脂肪族カルボン酸の、ホモ−及びコポリマーの水溶性塩が挙げられる。
【0035】
本発明の別の実施例では、前記イオン性成分はホスホネート成分である。本明細書で使用する時、用語ホスホネートは、塩の酸形態を包含する。本発明で用いるための好適なホスホネート類は、無機及び有機ホスホネート類から成る群から選択されてよい。
【0036】
好ましい実施形態では、前記ホスホネートは、有機ホスホネート類から選択される。本明細書に用いるのに好適な有機ホスホネート類の例は、アミノアルキレンポリ(アルキレンホスホネート類)、アルカリ金属エタンー1−ヒドロキシビスホスホネート及びニトリロトリメチレンホスホネート類である。本明細書に用いるのに好ましい有機ホスホネート類は、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホネート)、エチレンジアミントリ(メチレンホスホネート)、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホネート)及びヒドロキシーエチレンー1,1−ジホスホネート(HEDP)である。本発明との関係においては、HEDPが極めて好ましい。
【0037】
好ましくは、前記少なくとも1つのイオン性成分は、前記液体組成物の0.2重量%〜4.0重量%、好ましくは0.5重量%〜3.0重量%、より好ましくは0.5重量%〜2.0重量%の濃度で組み込まれてよい。
【0038】
水分含有量
本発明の液体組成物は、濃縮組成物ではあるが、それらは依然として若干の水を含有する。
【0039】
本発明の水溶性液体収容パウチ中に含まれる前記液体組成物は、第1必須要件として、当該組成物の5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%(この順番で順次より好ましい)〜15重量%、14重量%、13重量%、12重量%、11重量%、10重量(この順番で順次より好ましい)の水を含んでいなければならない。
【0040】
より具体的には、本発明の水溶性液体含有パウチ中に含まれる前記液体組成物は、当該液体組成物の5重量%〜15重量%、好ましくは6重量%〜12重量%、より好ましくは7重量%〜10重量%、最も好ましくは8重量%〜10重量%の水を含んでいなければならない。
【0041】
驚くことに、前記液体組成物の水分含有量が、当該液体組成物の5重量%〜15重量%、好ましくは6重量%〜12重量%、より好ましくは7重量%〜10重量%、最も好ましくは8重量%〜10重量%の範囲内に維持された場合、カルボキシレート類、ホスホネート類、及びこれらの混合物から成る群から選択されるイオン性成分の最適化され且つ安定した溶解が得られるということが分かっている。
【0042】
水平型製袋−充填−密封プロセス
第2必須要件として、本発明の水溶性液体収容パウチは、真空成形・水平型・製袋−充填−密封プロセス(HFFS)を使用して加工しなければならない。
【0043】
本発明のパウチは、当該技術分野において一般に知られている水平型製袋−充填−密封法のいずれかに従って加工してよい。好適な方法は、例えばPCT国際公開特許WO02/60758に記載されている。
【0044】
本発明の水溶性液体収容パウチを形成するための好適なHFFSプロセスは、(a)第1の水溶性フィルムを、連続的且つ回転自在に動くエンドレス表面(複数のモールドから成る)の水平部の上に連続的に供給すること、(b)連続移動表面の水平部上、及び表面のモールド内のフィルムから、連続的に移動する、オープンパウチの水平に配置させたウェブを、モールドの底部から前記フィルム上へ真空を適用することによって形成すること、(c)連続的に移動する、オープンパウチの水平に配置させたウェブに液体を充填して、水平に配置させたオープンの、充填したパウチを得ること、(d)第2水溶性フィルムを、オープンの、充填したパウチの、水平に配置させたウェブの上に連続的に供給することにより、オープンパウチのウェブを連続的に閉じて、閉じたパウチを得ること、並びに(e)閉じたパウチを熱融着させることの各工程から成る、連続プロセスである。
【0045】
あるいは、上記工程(e)は溶剤接着(PCT国際公開特許WO03/008486に記載の通り)、及び溶剤又は湿式シーリングにより実施されてもよい。
【0046】
真空成形・水平型・製袋−充填−密封プロセスを使用する場合、第1の水溶性フィルムは典型的に、熱成形前に20ミクロン〜100ミクロンの厚さを有する。
【0047】
驚くことに、前記液体組成物の5重量%〜15重量%、好ましくは6重量%〜12重量%、より好ましくは7重量%〜10重量%、最も好ましくは8重量%〜10重量%の水を含み、カルボキシレート類、ホスホネート類及びこれらの混合物から成る群から選択される、少なくとも1つの溶解したイオン性構成成を分む、液体組成物を収容する水溶性パウチが、真空成形・水平型・製袋−充填−密封プロセスを使用して加工された場合、前記液体含有パウチの保存時の水溶性が大幅に改良されるということが分かった。
【0048】
本発明のパウチの増強された水−溶解性は、例えば垂直型製袋−充填−密封プロセスなどの当該技術分野において一般に知られている代替的パウチ作製方法を使用して製造した同様のパウチよりも明確に観察される。前記液体含有パウチを数週間保存した後の水溶性の改善が、特に顕著である。
【0049】
液体組成物の好ましい任意成分
前記液体組成物の極めて好ましい任意成分は、金属塩である。いかなる理論にも束縛されるものではないが、このような金属塩は更に、本発明の水溶性パウチ中に含まれる前記液体組成物中への前記イオン性成分の安定した溶解を得ることに寄与すると考えられている。好ましくは、金属塩は、マグネシウム塩及びカルシウム塩から成る群から選択される。特に好ましい塩類は、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、亜硫酸マグネシウム及び亜硫酸水素マグネシウムである。本発明との関係においては、塩化マグネシウムが、極めて好ましい塩である。しかし、本出願人は、塩化物イオンが特に高温において、製造装置に対して長期にわたる有害な影響を持ち得ることを見出している。この場合、最も好ましい金属塩は、亜硫酸水素マグネシウムである。亜硫酸水素マグネシウムの使用は、更なる利点も提供する。亜硫酸カリウムは、経時変化における組成物の審美性向上という既知の利益を提供する。亜硫酸水素マグネシウムの使用は、洗剤製造業者が1つの成分から2つの利益を得ることを可能にする。マグネシウムは、前記溶解したイオン性成分を安定化させ、亜硫酸水素塩は、前述した美観上の利点を提供する。
【0050】
好ましくは、前記液体組成物は、当該組成物の約1重量%未満、より好ましくは0.5重量%未満、最も好ましくは0.3重量%未満の前記金属塩を含む。
【0051】
液体組成物が洗剤組成物の場合、少なくとも界面活性剤及び/又はビルダー、好ましくは少なくともアニオン性界面活性剤及び好ましくは更に非イオン性界面活性剤、並びに好ましくは少なくともビルダー、より好ましくはホスフェートビルダー及び/又は脂肪酸ビルダーなどの少なくとも水溶性ビルダーが存在していることが好ましい。他の好ましい成分は、酵素及び/又は予め形成されたペルオキシ酸などの漂白剤である。
【0052】
他の好ましい任意成分はまた、香料、増白剤、緩衝剤、粘土及びシリコーンを含む布地柔軟化剤、有益剤、並びに泡抑制剤である。
【0053】
硬い表面の洗浄組成物及び食器洗い組成物において、ホスフェートなどの少なくとも水溶性ビルダーが存在していること、及び好ましくは更に界面活性剤、香料、酵素、漂白剤が存在していることが好ましい。
【0054】
布地向上組成物において、少なくとも香料及び布地有益剤、例えば、カチオン性柔軟化剤又は粘土柔軟化剤、耐しわ剤、織物直接染料が存在していることが好ましい。
【0055】
上記すべての組成物中の他の極めて好ましい任意成分はまた、アルコール類、ジオール類、モノアミン誘導体類、グリセロール、グリコール類、ポリアルキレン(polyalkylane)グリコール類(ポリエチレングリコール、プロパンジオール、モノエタノールアミンなど)などの溶媒である。アルコール類の混合物又はジオール類及びアルコール類の混合物等の溶媒の混合物が非常に好ましい。極めて好ましいのは、(少なくとも)アルコール、ジオール、又はモノエタノールアミンであり、好ましくはグリセロールも組成物中に存在することである。本発明の組成物は好ましくは、50重量%未満又は更に40重量%未満の溶媒(水以外)、好ましくは30重量%未満又は更に20重量%未満の溶媒(水以外)を有する濃縮液体である。好ましくは、溶媒は組成物の少なくとも5重量%又は更に少なくとも10重量%又は更に少なくとも15重量%の濃度で存在する。
【0056】
組成物が、水溶性パウチ材料のための可塑剤、例えば、上記可塑剤の1つ、例えばグリセロールを含むことが極めて好ましい。このような可塑剤は、組成物のその他の成分のための溶媒であること及びパウチ材料のための可塑剤であること、という二重の目的を有することができる。
【0057】
更に極めて好ましい成分は、ポリカルボキシレート化ポリマー類(例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸−マレイン酸コポリマー類)、カチオン性エトキシル化アミン類、双性イオン性(zwiterrionic)ポリマー類(欧州特許出願番号第04447256号に記載されているもの等)アニオン性汚れ遊離ポリマーから成る群から選択される他のイオン性成分である。
【0058】
本発明の別の実施形態では、(a)カルボキシレート類、ホスホネート類、及びこれらの混合物から成る群から選択される溶解したイオン性成分の少なくとも1つ、並びに当該液体組成物の5重量%〜15重量%の水を含む液体組成物を配合すること、並びに(b)真空成形・水平型・製袋−充填−密封プロセスを使用して、ビニルアルコール及びカルボン酸のコポリマーを含むフィルムを加工して、前記液体組成物を収容する水溶性パウチに加工することの工程から成る、保存時の改良された水溶性を有する水溶性パウチの製造方法が提供される。
【0059】
試験方法
ポリマー残留物等級試験
液体洗剤パウチの洗浄時溶解性を評価するために、いわゆる「黒パウチ溶解度法(Black Pouch Solubility Method)」が開発されている。前記方法は、消費者の対応する特定の条件下での液体洗剤パウチの溶解度について対応した評価を提供する。データは、定義された等級スケールを対照して、PVA残留物の目視による等級化によって得られる。
【0060】
必要となる装置:4台のミーレ社(Miele)製洗濯機・型式W467(水温制御システムに接続されている)及び16個のブラックベルベットパウチ(一片のブラックベルベット(23.5X47cm)をベルベットを内側に折り畳み且つ縫製して作製する)。ブラック・コットン・パイ・ベルベット(Black Cotton Pie Velvet)(品質8897)で使用されている布地(デンホルム・ベルベッツ社(Denholme Velvets)(英国、デンホルム)より市販されている)。
【0061】
試験の準備:液体洗剤−含有PVAパウチ(通常条件での推奨用量にて)を、標準化された方法にて、前記ブラックベルベットパウチ内に添加した。結果として得られる黒パウチを、その後、縫製して閉じる。前記4台の洗濯機各々に、標準化された方法にて、4個の黒パウチを取り付ける。異なった液体洗剤パウチを1台の洗濯機へ加えてもよいが、各製品についてそれ以外の(external)4個の複製が必要となる。
【0062】
試験条件:40℃における羊毛洗浄プログラム(14℃+/−1℃の水道水を水温制御システムを通して使用する)
目視による等級化:洗浄サイクルが終了した時点で、前記黒パウチを開けて、予め定義された等級スケールに従い、布地上のポリマー残留物の目視による等級化が少なくとも2人によって直ちに実施される。等級全体は、異なった複製の統計的平均である。前記等級スケールは、0(顕著なPVA残留物が、洗浄後の布地上に無いことを意味する)〜7(明らかに溶解したPVAパウチが実質的に存在しないことを意味する)の範囲で変化する。本試験との関係では、良好なパウチ溶解は、スコアが3未満にて得られる。スコア3は、2cmを超える最大平均直径を持つ不透明なPVA残留物を、洗浄後の布地上に見ることができないことを意味する。理想的には、スコアは最小限にすべきである。
【実施例】
【0063】
以下の実施例で更に本発明を説明する。列記した成分を列記した割合(別段の指定がない限り重量%)で混合することにより組成物を作製する。実施例組成物1〜4は、本発明の組成物を例示することを意図したものであって、必ずしも本発明の範囲を制限しあるいは画定するために使用されるものではない。
【表1】
【0064】
ドデシルベンゼンスルホン酸は、イフラケム社(Ifrachem)より市販されている。
【0065】
C12〜C14アルコール、7xエトキシル化は、サソール社(Sasol)より市販されている。
【0066】
C8〜C10アミドプロピルジメチルアミンは、アクゾ・ノーベル・ケミカルズ社(Akzo Nobel Chemicals LTD)より市販されている。
【0067】
クエン酸は、Citrique Belge NV社より市販されている。
【0068】
C12〜C18アルキル脂肪酸は、アクゾ・ノーベル・ケミカルズ・GMBH社(Akzo Nobel Chem. GMBH)より市販されている。
【0069】
ヒドロキシエタンジホスホン酸は、ソルチア・ヨーロッパ・NV社(Solutia Europe NV)より市販されている。
【0070】
ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸(phosponic acid)は、オールブライト・アンド・ウィルソン社(Albright & Wilson LTD)より市販されている。
【0071】
酵素類は、ジェネンコア社(Genencor)及びノボザイムズ社(Novozymes)それぞれより市販されているタンパク質分解(proteolitic)及びデンプン分解酵素溶液である。
【0072】
塩化マグネシウムは、ネドマグ社(Nedmag)より市販されている。
【0073】
亜硫酸カリウムは、BASF社より市販されている。
【0074】
ポリエチレンイミンエトキシレートPEI600 E20は、BASF社より市販されている。
【0075】
双性イオン性ポリアミンは、BASF社より市販されているルーテンシット(Lutensit)Z96(登録商標)である。
【0076】
蛍光増白剤は、チバAG社(Ciba AG)より市販されている二ナトリウム−4,4’−ビス−(2−スルホスチリル)ビフェニルである。
【0077】
硬化ヒマシ油は、ブラジル・オレオ・デ・マモーナ社(Brazil Oleo De Mamona)より市販されている。
【0078】
プロピレングリコールは、BASF社より市販されている。
【0079】
グリセリンは、NATオレオ(OLEO)社より市販されている。
【0080】
ポリジメチルシロキサンは、ダウ・コーニング社(Dow Corning)より市販されている。
【0081】
モノエタノールアミンは、サソール社(Sasol)より市販されている。
【0082】
前記液体組成物1、2、3及び4を、真空成形・水平型・製袋−充填−密封プロセスを使用してフィルムパウチ(各パウチは、約50mLの液体を収容する)内に充填した。前記フィルムは、ポリビニルアルコール/カルボキシレートコポリマー樹脂(M8630(登録商標)、モノ−ソル社(米国、インディアナ州)製)から作製した。結果として得られるパウチは、完全に均質化された液体(completely homogeneous liquids)を含む。各パウチ入り組成物の溶解及び分解プロファイルは、良好である。前記パウチは、35℃にて長期(8週間)保存後であっても、残留物を少しも残すことなく水中に速やかに溶解/分解する。
【0083】
比較データ
以下の実施例で更に本発明を説明する。列記した成分を列記した割合(別段の指定がない限り重量%)で混合することにより組成物を作製する。実施例組成物5〜6は、本発明の組成物を例示することを意図したものであって、必ずしも本発明の範囲を制限しあるいは画定するために使用されるものではない。実施例組成物A、B、及びCは、比較例である。
【表2】
【0084】
ギ酸は、BASF社より市販されている。
【0085】
エトキシル化テトラエチレンペンタミンは、BASF社より市販されている。
【0086】
蛍光増白剤は、組成物5及びB中では、チバAG社(Ciba AG)から市販の二ナトリウム−4,4’−ビスー(2−スルホスチリル)ビフェニルであり、組成物6、A及びC中では、ヒクソン・アンド・ウェルチ社(Hickson & Welch LTD)より市販されているジサルフェート化ジ−アミノスチルベンベースの蛍光増白剤である。
【0087】
実験1:保存後の各種PVAパウチの物理的安定性及び溶解度に対する前記液体組成物の水分含有量の効果。
【0088】
前記液体組成物5、A、及びBを、真空成形・水平型・製袋−充填−密封プロセスを使用してフィルムパウチ(各パウチは、約50mLの液体を収容する)内に充填した。前記フィルムは、ポリビニルアルコール/カルボキシレートコポリマー樹脂(商品照会名M8630(登録商標)にて、モノ−ソル社(米国、インディアナ州)により販売されている)から作製した。前記対応パウチは、8週間35℃にて保存した。
【0089】
保存後の物理的安定性は、対応パウチの目視観測により評価した。前記液体収容パウチの洗浄時溶解性は、本明細書中にて上述した「黒パウチ溶解度法」を使用して評価した。
【0090】
結果が、以下の表に表される。
【表3】
【0091】
上記結果は、比較用水溶性パウチ(パウチ入り組成物A及びB)に対する、本発明の水溶性パウチ(パウチ入り組成物5)保存後の改良された物理的安定性及び溶解度を明確に示す。
【0092】
実験2:前記水溶性パウチ製造工程の前記液体収容パウチの保存後での洗浄時溶解性に対する効果。
【0093】
液体組成物6及びCは、同一の化学的組成を有するが、2つの異なった型式のフィルムパウチ内に充填した。両方とも約50mLの液体組成物を収容するが、2つの異なった製造プロセスを使用して加工した。第1のパウチ一式は、真空成形・水平型・製袋−充填−密封プロセス(HFFS)(パウチ入り組成物6)を使用して製造し、第2のパウチ一式は、垂直型製袋−充填−密封プロセス(VFFS)(パウチ入り組成物C)を使用して製造した。前記フィルムは、ポリビニルアルコール/カルボキシレートコポリマー樹脂(商品照会名M8630(登録商標)にて、モノ−ソル社(米国、インディアナ州)により販売されている)から作製した。前記対応パウチを室温にて10ヶ月保存した。
【0094】
前記液体収容パウチの洗浄時溶解性は、本明細書中にて上述した「黒パウチ溶解度法」を使用して評価した。
【0095】
結果が、以下の表に表される。
【表4】
【0096】
上記結果は、本発明のものではない水溶性パウチ(パウチ入り組成物C)と比較した場合の、本発明の水溶性パウチ(すなわち、真空成形・水平型・製袋−充填−密封プロセスを使用して加工された、パウチ入り組成物6)の保存後の改良された溶解度を明確に示す。