特許第5694143号(P5694143)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5694143
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】超弾性発泡材料を有する形状変化構造
(51)【国際特許分類】
   B64C 3/38 20060101AFI20150312BHJP
【FI】
   B64C3/38
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-509525(P2011-509525)
(86)(22)【出願日】2009年4月16日
(65)【公表番号】特表2011-520688(P2011-520688A)
(43)【公表日】2011年7月21日
(86)【国際出願番号】US2009040760
(87)【国際公開番号】WO2009140019
(87)【国際公開日】20091119
【審査請求日】2012年4月2日
(31)【優先権主張番号】12/120,275
(32)【優先日】2008年5月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100095441
【弁理士】
【氏名又は名称】白根 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(72)【発明者】
【氏名】サー、デイビッド・アール.
(72)【発明者】
【氏名】サンダーソン、テリー・エム.
【審査官】 芦原 康裕
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2007/001392(WO,A2)
【文献】 米国特許第06834835(US,B1)
【文献】 米国特許第06056237(US,A)
【文献】 国際公開第2007/005687(WO,A1)
【文献】 特開2005−351270(JP,A)
【文献】 特開平07−205894(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/071231(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
形状変化構造(10)であって、
前記形状変化構造は、ソフトな超弾性金属発泡体の構造部材(12)を具備し、
前記形状変化構造は、第1の形状を有する第1の構造形態と、第2の形状を有する第2の構造形態と、を有し、
前記超弾性金属発泡体の構造部材は、前記超弾性金属発泡体の構造部材の連続的な外部表面を維持しながら、前記第1の構造形態と前記第2の構造形態との間で形状が変化し、
前記形状変化構造は、前記超弾性金属発泡体の構造部材の弾性率を減少させるように、前記超弾性金属発泡体の構造部材の温度を選択的に転移温度より高い温度に上昇させるために使用される熱源(17)をさらに具備し、
前記形状変化構造は、前記超弾性金属発泡体の構造部材内に拡張可能な構造(30)をさらに具備し、
前記拡張可能な構造は、前記超弾性金属発泡体の構造部材を支持し、前記超弾性金属発泡体の構造部材に歪みを加える力を与える、形状変化構造。
【請求項2】
前記超弾性金属発泡体の構造部材の超弾性金属発泡体(14)は、前記形状が変化する間、密度を変化させる請求項1記載の形状変化構造。
【請求項3】
前記超弾性金属発泡体の構造部材の超弾性金属発泡体(14)は、前記形状が変化する間、同じ密度を維持する請求項1記載の形状変化構造。
【請求項4】
前記超弾性金属発泡体は、金属合金発泡体を含んでいる請求項1乃至3のいずれか1項記載の形状変化構造。
【請求項5】
前記金属合金発泡体は、ニッケルとチタニウムとの合金を含んでいる請求項4記載の形状変化構造。
【請求項6】
前記金属合金発泡体は、形状記憶合金を含んでいる請求項4記載の形状変化構造。
【請求項7】
前記熱源は、前記超弾性金属発泡体中に埋設された電気ヒーター(17a)を含んでいる請求項1乃至6のいずれか1項記載の形状変化構造。
【請求項8】
前記熱源は、前記超弾性金属発泡体内に抵抗加熱を含んでいる請求項1乃至6のいずれか1項記載の形状変化構造。
【請求項9】
前記形状変化構造は、拡張可能な航空機の翼の一部分である請求項1乃至8のいずれか1項記載の形状変化構造。
【請求項10】
前記形状変化構造は、拡張可能な航空機のテール(40)の一部分である請求項1乃至8のいずれか1項記載の形状変化構造。
【請求項11】
形状変化構造の形状を変化させる方法であって、
前記方法は、
ソフトな超弾性金属発泡体の構造部材を有する前記形状変化構造を構成するステップと、
前記超弾性金属発泡体の構造部材の形状を変化させるステップと、
を含み、
前記形状を変化させるステップは、前記超弾性金属発泡体の構造部材の熱源により前記超弾性金属発泡体の構造部材を加熱するステップを含み、
前記加熱は、前記超弾性金属発泡体の構造部材の弾性率を減少させるように、前記超弾性金属発泡体の構造部材の温度を転移温度より高い温度に選択的に上昇させ、
前記形状変化構造は、前記超弾性金属発泡体の構造部材内に拡張可能な構造(30)をさらに具備し、
前記拡張可能な構造は、前記超弾性金属発泡体の構造部材を支持し、前記超弾性金属発泡体の構造部材に歪みを加える力を与える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は再構成可能な構造部材の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
本願は2つの同一出願人による同時出願、即ち“Structure with Reconfigurable Polymer Material”(US12/120,271号と、“Shape-Changing Structure Member with Embedded Spring”(PCT/US2009/040762号関連する。これらの両出願はここでは全体的に参考文献として含まれている。
【0003】
金属の発泡材料は骨置換のような静的構造で使用されている。
【発明の概要】
【0004】
本発明の1特徴によれば、形状変化構造(10)であって、
形状変化構造は、ソフトな超弾性金属発泡体の構造部材(12)を具備し、
形状変化構造は、第1の形状を有する第1の構造形態と、第2の形状を有する第2の構造形態と、を有し、
超弾性金属発泡体の構造部材は、超弾性金属発泡体の構造部材の連続的な外部表面を維持しながら、第1の構造形態と第2の構造形態との間で形状が変化し、
形状変化構造は、超弾性金属発泡体の構造部材の弾性率を減少させるように、超弾性金属発泡体の構造部材の温度を選択的に転移温度より高い温度に上昇させるために使用される熱源(17)をさらに具備し、
形状変化構造は、超弾性金属発泡体の構造部材内に拡張可能な構造(30)をさらに具備し、
拡張可能な構造は、超弾性金属発泡体の構造部材を支持し、超弾性金属発泡体の構造部材に歪みを加える力を与える、形状変化構造が提供される
【0005】
本発明の別の特徴によれば、超弾性金属発泡体の構造部材の超弾性金属発泡体(14)は、形状が変化する間、密度を変化させる、形状変化構造が提供される
【0006】
本発明のさらに別の特徴によれば、超弾性金属発泡体の構造部材の超弾性金属発泡体(14)は、形状が変化する間、同じ密度を維持する、形状変化構造が提供される
【0007】
本発明のさらに別の特徴によれば、超弾性金属発泡体は、金属合金発泡体を含んでいる、形状変化構造が提供される
【0008】
本発明のさらに別の特徴によれば、金属合金発泡体は、ニッケルとチタニウムとの合金を含んでいる、形状変化構造が提供される
【0009】
前述および関連される結末を実現するため、本発明は以下十分に説明され請求項で特別に指摘されている特徴を含んでいる。詳細に説明される以下の説明と添付図面は本発明の例示的な実施形態を確証する。これらの実施形態は本発明の原理が使用されることのできる種々の方法の幾つかを示している。本発明のその他の目的、利点、優れた特徴は図面を伴って考慮するとき本発明の以下の詳細な説明から明白になるであろう。
【0010】
添付図面では、実寸大である必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】翼が収縮された構造で示されている本発明の1実施形態による1つの構造部材、即ち拡張可能な翼の斜視図である。
図2】拡張された形態における図1の翼を示す図である。
図3】基礎をなす拡張可能なスケルトンを示すため形状変化材料が除去されている図1の翼を示す図である。
図4】本発明の1実施形態による別の構造部材、即ち収縮された構造で拡張可能な航空機のテールを示している斜位図である。
図5】本発明の1実施形態による別の構造部材、即ち拡張された構造で拡張可能な航空機のテールを示している斜視図である。
図6】構成可能な翼を有しており、第1の形態における本発明の1実施形態の航空機の平面図である。
図7】第2の形態における図6の航空機を示す平面図である。
図8】第3の形態における図6の航空機を示す平面図である。
図9】第4の形態における図6の航空機を示す平面図である。
図10】第5の形態における図6の航空機を示す平面図である。
図11】第6の形態における図6の航空機を示す平面図である。
図12】第1の形態における本発明の1実施形態による構成可能なジェットエンジン入口の断面図である。
図13】第2の形態における図12の構成可能なジェットエンジン入口の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
形状変化構造は構造の構成形態を変化するために形状(モーフ)を変化する超弾性金属発泡構造部材を有している。超弾性金属発泡構造部材は連続的な外部表面を維持しながら、形状を変化し、外部表面内の連続的な金属発泡材料が膨張し、収縮しまたはその他の形状変化を行う。超弾性金属発泡材料はそれが形状を変化することを可能にするために転移温度を超えて加熱され、その後長さを増加させるために冷却され、さらに容易にその新しい形状を維持する。超弾性金属発泡材料は超弾性(擬似弾性)態様を示す適切な合金、例えばニッケルチタニウム合金であってもよい。超弾性金属発泡材料は中程度の加熱時にセット形状に戻る形状記憶合金材料であってもよい。超弾性金属発泡構造部材は内部の熱源または太陽加熱によるような外部の加熱によって加熱されることができる。形状変化構造は例えば航空機の翼および宇宙船構造を含む任意の種々のタイプの構造であってもよい。
【0013】
図1および2は形状変化構造の1例、即ち可変の翼長を有する翼10を示している。翼10は複数の形状変化部材12、ここでは翼10の部分を有する。形状変化翼セグメント12はそれらの形状を変化するために膨張および収縮されることができる。図1はセグメント12がそれぞれ体積において増加され翼長の方向において長くされている第1の(拡張された)形態における翼10を示している。図2はセグメント12が翼長の方向において減少された範囲を有している第2の(収縮された)形態における翼10を示している。
【0014】
セグメント12の形状変化材料は超弾性金属発泡材料14である。時には擬似弾性と呼ばれる超弾性は、固体材料が相変換を受けて材料の弾性率(ヤング率)の減少を生じる状態を指している。機械的に負荷されるとき、超弾性材料は5乃至10%または(より狭めると)6乃至8%の範囲の歪みのような非常に高い歪みへ可逆的に変形されることができる。
【0015】
超弾性発泡材料は適切な金属合金発泡体であってもよい。超弾性金属発泡材料を生成する適切な金属合金の1例はニチノールのようなニッケルチタニウム合金である。ニチノールは重量で55%のニッケルであってもよいが、他の割合が使用されてもよい。他の可能性は銅および亜鉛の合金を含んでおり、アルミニウムを有しても有してなくてもよい。
【0016】
さらに、超弾性発泡体の材料は別の適切な金属ガラスであってもよい。金属ガラスは金属原子が格子パターンで形成しないアモルファス構造を構成するように液体金属を冷却することにより形成される金属材料である。ある金属ガラスは超弾性金属発泡体で使用するための適切な歪み能力を示す。
【0017】
部材12の超弾性金属発泡体は発泡体が膨張された状態にあるとき、理論的密度の10乃至20%程の低い密度を有することができる。他の適切な発泡体密度が使用されてもよいことが認識されよう。
【0018】
形状変化部材12は形状変化プロセスを通して連続的な状態であり完全である連続的な外部表面16を有している。構造10の形状変化プロセスはしたがって1つのディスクリートな部分が別の部分に関して全体として動く構造的動作とは区別される。連続的な外部表面が翼においてより良好な空気力学的特性を提供できるので、形状変化プロセス期間中の連続的な外部表面の維持が翼において有効である。形状変化は連続的な外部表面を維持する一方でここでは「モーフィング」と呼ばれることができる。
【0019】
超弾性金属発泡構造部材12は有効な特性を有することができる。金属発泡体はそれが「リラックス」状態にあるときでさえもかなりの強度を有する。このことは構造部材12が形状を変化しながらでさえもある程度のレベルのローディングをサポートすることを可能にする。即ち構造部材12は発泡体が低い弾性率の「リラックス」状態にあるときでさえも負荷に耐えるため十分大きな弾性率(ヤング率)を有することができる。
【0020】
高い率の「強化された」状態から低い率の「リラックスされた」または(比較的)「ソフトな」状態への超弾性発泡体の転移は、発泡体を前述の転移温度を超えて加熱することにより実現される。金属合金発泡体について、この転移温度は金属合金中で転移又は相変換が生じる温度に対応する。相変換が生じる転移温度は金属材料が合金にされるかその他の方法で形成される態様によって、および金属材料が加熱処理される態様によって操作されることができる。転移温度はしたがって発泡材料周辺の環境温度より高い選択された温度に設定されることができる。代わりに転移温度は材料の通常の動作温度または発泡体材料周辺の環境よりも低く設定されることができる。
【0021】
超弾性金属発泡体の状態を変化するための加熱は、熱源17により行われることができる。熱源17は任意の種々の適切なソースであってもよい。加熱は構造部材12の内部または外部の構造10の一部である適切なヒーターにより行われることができる。加熱は構造部材12内に埋設されている電気ヒーター17aにより行われることができる。電気的加熱は加熱を行うための電気抵抗として金属発泡体自体を使用する抵抗加熱であってもよい。代わりに又はさらに、加熱は構造部材12内での素子の加熱によって、または構造部材12の金属発泡体との熱伝導において実現されることができる。加熱は構造部材12を通して伝導されることができる。放射のような他の熱転送機構も使用されることもできる。
【0022】
超弾性金属発泡体材料の状態を変化するための加熱は、構造10上に入射する太陽放射からのような、構造10の外部から来ることができる。構造10は所望の展開形態への構造10の展開を生じる状態変化を行うために加熱されることができる。
【0023】
構造部材12の超弾性金属発泡体は形状記憶特性を有することができる。1つのタイプの形状記憶特性は材料が加熱され、冷却されるとき、ある温度において本質的に相を変化する材料変化結晶構造を含んでいる。これは材料が材料の冷却及び形状変化後に、その後の加熱により回復されることのできるある形状を「学習」することを可能にする。他の形状記憶材料は形状記憶特性をトリガーするために磁気力のような他の力に依存する。
【0024】
形状記憶特性は材料が存在できる種々の結晶構造間の転移に依存する。例えば材料は加熱及び冷却されながら、ある温度でオーステナイトとマルテンサイトとの間で転移できる。材料形状は材料ウエルを高温のオーステナイト相へ加熱し、材料を位置に保持することによって設定される。その後、材料の冷却は低温のマルテンサイト相への転移を生じる。材料はマルテンサイト相でさらに自由に変形されることができる。オーステナイト相へ転移するようにその後材料が加熱されるとき、材料はオーステナイト相において高温になったときに前もってそれに設定された形状に自発的に戻る。
【0025】
種々の機構は金属発泡材料14における形状変化を生じる力に対して使用されることができる。構造部材12の他の部分は機械的な力を金属発泡体材料14へ加えることによって金属発泡体材料14の形状を変化するために使用されることができる。また、ある程度まで外部負荷または外部力、構造10の外部からの力は金属発泡体材料14の形状の変化に使用されることができる。したがって、金属発泡体材料14の形状記憶特徴は金属発泡体材料14の形状の変化に利用されることができる。
【0026】
図1および2は金属発泡体材料14の1次元の拡張を示している。広範囲の他の金属発泡体材料14の形状及び構造の変化が可能であることが認識されよう。
【0027】
図3は構造10のスケルトン30を示している。スケルトン30は金属発泡体材料14の下にあるまたは他の方法で支持する1以上の剛性部材を含んでいる。スケルトン30は適切な金属のような適切な剛性材料から作られることができる。スケルトン30はそれ自体その長さを変化することを可能にするためのアクチュエイタを設けることによって、または部品を相互に関して滑動することによって形状を変化することができる。このような付勢は水力、電気モーターまたはピエゾ電気材料の使用等によって任意の種々の力で行われることができる。連続的な表面を設けることは多数の状況において、例えば航空機および他の移動ビークルの減少したドラッグにおいて所望されることが認識されよう。スケルトン30は金属発泡材料14のための支持を与えることができ、および/または材料が「ソフト」状態にあるときに金属発泡体材料14の形状を変化するために金属発泡体材料14上に歪みを加えるための力を与えるために使用されることができる。
【0028】
構造10中の種々のセグメントは個々に、または実質的に同時に拡張/引込まれることができる。
【0029】
翼の長さの変化は航空機の速度に関する特性を最適化するために行われる。さらに長い翼は長期間の低速度の飛行により適しており、短い翼は高速度の飛行により適している。
【0030】
図4および5は形状変化材料の別の使用、即ち形態の変化可能な航空機のテール40を示している。多くの飛行形態では大きいテール表面を必要としない。これらの状態では、状況が要求するときに、図5で示されているようにテール領域を拡張する能力を維持しながら小さいテール40(図4)が使用されることができる。テール40は図1および2に示されている翼に関して説明されているものに類似して、一連の形状変化部材12を有することができる。
【0031】
金属発泡体材料14を再形成するための広範囲の他の応用が可能であることが認識されよう。1例は航空機の制御表面として使用される。翼の全体的な後縁は例えば補助翼に変化できる。
【0032】
前述の航空機に関する例は形状変化材料の多くの可能な使用のうちの幾つかのみを示している。図6乃至11は相互に関して回転されることができ、およびテレスコープ式にはめ込まれている多数のセグメントから作られた翼92を有している航空機90の複数の構造を示している。金属発泡体材料14は、翼92の種々の可能な形態のための連続的で空気力学的に適した翼表面を与えるためにその形状を変化されるかモーフされている翼92の部品で使用されることができる。
【0033】
図12および13はジェットエンジン100の部品としての金属発泡体材料14の別の可能な応用を示している。ジェットエンジン100は中心本体104を囲むカウリング102を含んでおり、そのカウリング102と中心本体104は共にエンジン100の入口106を構成する。カウリング102と中心本体104の一方または両者は表面形状を変更するためにここに組み込まれている金属発泡体材料を有することができる。素子110はカウリング102または中心本体104の部分である金属発泡体材料14の下に存在する。素子110は金属発泡体材料14の形状を変化させるために金属発泡体材料14上に適切な力を与えることができる。素子110はその形状が変更されることができるように金属発泡体材料14を柔らかくするために金属発泡体材料14を加熱するエネルギを与えることもできる。入口106の形状の変化は亜音速または超音速流動様式のような異なる流動様式において最適な性能のジェットエンジン100の再構成を可能にすることができる。
【0034】
宇宙船構造は形状記憶金属発泡体構造部材を含むことができることが認識されよう。構造は宇宙空間に配備されるようなアンテナまたはその他の適切な構造であることができる。その構造は最初は、発射期間中にほとんど場所を占有しないコンパクトな折り畳み構造である。発射後、恐らくカバーの除去により、構造部材は太陽加熱のような加熱の影響下で形状を変化する。結果として、形状は展開された構造に変更される。
【0035】
前述したような構造部材の他の応用はミラーおよび日よけを含んでいる。より広く言えば、ここで説明された概念は広範囲の機械的構造の形状または構造形態の調節に使用されることができる。通信衛星および高い正確性の光学系は他の可能な応用である。
【0036】
本発明をある1又は複数の好ましい実施形態に関して示し説明したが、等価の変更及び変形がこの明細書及び添付図面を読み理解すれば他の当業者により行われることが明白である。特に、このような素子の説明に使用された前述の素子(コンポーネント、アセンブリ、装置、組成等)により実行される種々の機能に関して、(「手段」の参照を含む)用語は特に指摘されていなければ、本発明のここで示された例示的な1又は複数の実施形態で機能を行う説明された構造に構造的に等価ではなくても、説明された素子の特定化された機能を行う任意の素子(即ち機能的に等価)に対応する。さらに、本発明の特別な特性を幾つかの示された実施形態の1以上のみに関して前述したが、このような特徴は任意の所定又は特定の応用で所望及び有効であるように、他の実施形態の1以上の他の特徴と組み合わせられることができる。
以下に、本願出願時の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]形状変化構造(10)において、
超弾性金属発泡材料の構造部材(12)を具備し、
前記形状変化構造は第1の形状を有する第1の構造形態と、第2の形状を有する第2の構造形態とを有し、
前期金属弾性発泡構造部材は前記構造部材の連続的な外部表面を維持しながら、前記第1の構造形態と前記第2の構造形態の間の形状変化を受ける形状変化構造。
[2]前記超弾性金属発泡材料の構造部材の金属弾性発泡体(14)は前記形状変化の期間中に密度を変化する前記[1]に記載の構造。
[3]前記超弾性金属発泡材料の構造部材の前記金属弾性発泡体(14)は前記形状変化の期間中に実質的に同じ密度を維持する前記[1]に記載の構造。
[4]前記金属弾性発泡体は金属合金発泡体を含んでいる前記[1]乃至[3]のいずれか1つに記載の構造。
[5]前記金属弾性発泡体はニッケルとチタニウムの合金を含んでいる前記[4]に記載の構造。
[6]前記金属合金発泡体は形状記憶合金を含んでいる前記[4]に記載の構造。
[7]さらに、前記超弾性金属発泡材料の構造部材内に拡張可能な構造(30)を具備している前記[1]乃至[1]のいずれか1つに記載の構造。
[8]さらに、金属発泡材料のスチフネスの減少を生じさせるため転移温度をより高い温度に金属弾性発泡体を選択的に温度を上昇させるために使用される熱源(17)を具備している前記[1]乃至[7]のいずれか1つに記載の構造。
[9]前記熱源は前記金属弾性発泡体中に埋設された電気ヒーター(17a)を含んでいる前記[8]に記載の構造。
[10]前記熱源は前記金属弾性発泡体内に抵抗加熱を含んでいる前記[8]に記載の構造。
[11]前記形状変化構造は、拡張可能な航空機の翼の部分である前記[1]乃至前記[10]のいずれか1つに記載の構造。
[12]前記形状変化構造は、拡張可能な航空機のテール(40)部分である前記[1]乃至[10]のいずれか1つに記載の構造。
[13]形状変化構造(10)において、
超弾性金属発泡材料の構造部材(12)と、
前記構造部材の連続的な外部表面を維持しながら前記構造部材の形状を変化させる手段とを具備している形状変化構造。
[14]前記超弾性金属発泡材料の構造部材の金属弾性発泡体は、前記形状変化の期間中に密度を変化する前記[13]に記載の構造。
[15]前記超弾性金属発泡材料の構造部材の前記金属弾性発泡体は前記形状変化の期間中に実質的に同じ密度を維持する前記[13]に記載の構造。
[16]前記金属弾性発泡体は金属合金発泡体を含んでいる前記[13]乃至[15]のいずれか1つに記載の構造。
[17]前記金属弾性発泡体はニッケルとチタニウムの合金を含んでいる前記[16]に記載の構造。
[18]前記金属合金発泡体は形状記憶合金を含んでいる前記[16]に記載の構造。
[19]さらに、前記超弾性金属発泡材料の構造部材内に拡張可能な構造(30)を含んでいる前記[13]乃至[18]のいずれか1つに記載の構造。
[20]超弾性金属発泡構造部材を有するように構造を構成し、
前記超弾性金属発泡構造部材の形状を変化させるステップを含んでいる形状変化構造の形状変化方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13