(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0003】
産業上の破砕機は、例えば大きな物体をより容易に処理することが出来るより小さな物体へと破砕するリサイクル産業において知られていて使用されている。ゴム(例えば、自動車のタイヤ),木材,そして紙の如き材料を破砕することに加えて、産業上の破砕システムは、例えば廃棄金属,自動車,自動車車体部品,そしてこれ等と同様のものの如き、大きな鉄材料を破砕することが出来る。
【0004】
図1Aは当該技術分野において知られていて使用されている如き一例の破砕システムをを図示しており、そして、
図1Bはこのような破砕システムにおいて使用されて良い従来の破砕ヘッド又は回転体のより詳細な図を図示している。より詳細には、
図1A中に示されている如く、この一例の破砕システム100は、破砕すべき材料104を破砕室106へと導入する(シュート(chute)102の如き)材料入口システムを含んでいる。破砕されるべき材料104は如何なる所望の寸法又は形状であって良く、そして、もし望むのでれば、それは、破砕室06中に導入される以前に加熱されたり,冷却されたり,押しつぶされていたり,梱包されていたり,又は他の事前処理がされていて良い。もし必要であったり又は所望であるならば、入口システム102は、材料104が室106中に入るのを押したり又は割合を制御したりするのを手助けする,材料104を鉄床(anvil)108に対し保持するのを手助けする,及び/又は材料104がシュート102から後方上に移動するのを保持する、供給ローラ又は他の機械を含んで良い。円板ロータが示されているが、しかしながら、スパイダー(spider)及びバレル(barrel)の如き、他のロータもまた普通に使用されていて、そしてこの発明はロータのこれ等の形式で等しく役立って良い。
【0005】
回転破砕ヘッド110(中心線又は軸110Aの回りに回転可能である)は破砕室106中に設けられている。ヘッド110が回転した時、遠心力により、破砕ハンマー112は(
図1A中に示されている如く、そして以下により詳細に説明されるように)外方に延びヘッド110の回転中心線110Aから離れる。これらが回転した時、破砕ハンマー112は、材料104を破壊分解する為にハンマー112と鉄床(anvil)108(又は、破砕システム100中に設けられている他の硬い表面)との間で、破砕される材料104を打つ。一つの従来の破砕ヘッド110の構造が
図1Bに関連して以下に詳細に記載される。材料104が破砕された時、それは、例えば室106の底壁,上壁,又は側壁中に設けられている、出口114の一つを介して破砕室106から排出されて良く、そして、さらなる処理(例えば、さらなるリサイクル,埋め立て(reclamation),分離,又は他の処理)の為に、幾つかの方法(重力を介して,コンベヤー(conveyor)を介して,トラック又は他の車両を介して,その他)で移送される(矢印116により大略示されている)。
【0006】
図2Bは、
図1Aの破砕システム100中において使用されて良い一例の破砕ヘッド110のより詳細な図を提供している。この一例の破砕ヘッド110は、駆動軸110Aの回りに設けられているスペーサ(spacer)122により互いに離されている多数の回転円板120から形成されている。如何なる数の回転円板120に破砕ヘッド110(例えば2〜25)が設けられていて良く、この図示されている一例は、7つの円板120(末端の円板120はその下の構造の詳細をより良く示す為に削除されている)を含む。円板10は、(例えば、図示されていない外部のモータ又は他の動力源により)軸110Aが回転された時に円板120が回転されるのを許容する為に(例えば、溶接,機械的な結合,その他により)軸110Aに関して固定的に設けられている。隙間機能を提供することに加えて、スペーサ122は軸110Aが、例えば破砕された材料104,破砕ハンマー112の破損された部分,その他と接触することによる、望まない損傷から保護することを手助けすることができる。
【0007】
ハンマーピン124が回転円板120の少なくとも幾つか(より通常では、幾つかの円板120の間及び/又はヘッド110の全長さを介して)の間を延出していて、そして、破砕ハンマー112が回転可能に搭載されていてこれらのピ124に関して回転可能である。より詳細には、
図1B中に示されている如く、ハンマーピン124は破砕ハンマー112の搭載部分112F中に設けられている開口112Aを介して延出しており、そして、破砕ハンマー112はこのピン124の回りを回転可能である。この図示されている例においては、破砕ヘッド110は、回転円板120の周辺の回りに6つのハンマーピン124を含んでおり、そして、(個々のハンマーピン124がその上に設けられている単一の破砕ハンマー112を含み、そして破砕ハンマー112がヘッド110長手方向長さに沿い食い違いに配置されるよう)単一の破砕ハンマー112が2つの隣接した回転円板120間の個々のピン124上に設けられている。このハンマー配列は、末端使用者の必要に従い、末端使用者の要求により変更されて良い。特定のハンマーピン124上に破砕ハンマー112が設けられていない回転円板120の間の位置では、ピン124はピン構造124が破砕された材料と接触し破損ことを防止する為にピン保護具126により覆われて良い。如何なる所望の寸法及び形状で良いこれらのピン保護具126はまた、(望まれるのであれば)隣接した回転円板120間のスペーサとして機能して良い。
【0008】
使用においては、回転円板120は、例えば(図示されていない)外部のモータ又は他の動力源により、軸110Aの回りをユニット(unit)として回転する。この回転に関係している遠心力が、破砕ハンマー112をそれらが対応しているピン124の回りで回転させ、
図1A中に示されている如く、それらの重い刃端112Eを外方に延ばし、そして軸110Aから遠ざける。回転が連続すると、破砕ハンマー112は破砕される材料104に接触する。それはハンマーピン124上に回転可能に設けられているので、破砕される材料104との接触は、破砕ハンマー112の回転を遅くし又は破砕される材料104をそれが鉄床(anvil)108に対し打ち付けた時に正反対の方向に回転させさえもする。ピン124,ピン保護具126,ハンマー112,スペーサ122,そして回転円板120は、破砕ハンマー112が材料104を完全に貫通することが出来ない場合には、次の衝突の為の軸1110Aの回りの破砕ヘッド110の回転による遠心力の下でそれが再び外方へ延出することができるまで、それが隣接した板120の間の位置へと回転出来、それにより材料104を通過するよう、構成されそして配置されて良い。また、幾つかの場合には、破砕ハンマー112は、それが破砕される材料を通過する又は貫通する時に、そのピン124上で側方に振れて良い。もし望むのであれば、破砕ヘッド110の種々の部位は、破砕ハンマー112が他のピン124,ピン保護具126,駆動軸110A,他のハンマー112,その他との接触無しでそのピン124の回りを360°回転できるよう、互いに形作られそして方向付けられて良い。上に記載した形式の破砕システム及び破砕ヘッドは、当該技術分野において知られていて、そして使用されている。
【0009】
上述した記載から明らかなように、破砕ハンマー112は使用の極端に厳しい条件にさらされている。従って、典型的な破砕ハンマー112は、低合金鋼又は(重量で略11乃至14%のマグネシウムを含んでいるハッドフィールド(Hadfield)マグネシウム鋼の如き)高マグネシウム合金含有鋼の如き、硬くされた鋼材料から構成されている。このような材料は、オレゴン州ポートランドのESCO Corporationから購入可能な破砕ハンマーにおけるが如く、当該技術分野において知られていて使用されている。このような硬くされた材料が使用された時でさえ、破砕ハンマー112の典型的な寿命は、(例えば、勿論、破砕される材料,使用の量,その他の如き種々の要素に従い)数日乃至数週間である。破砕ハンマー刃又は衝撃領域112Eは時間とともに処理される材料104との繰り返される衝突とともに、
図3中に破線で示されている如く、摩耗する傾向にあり、破砕ハンマーの搭載領域112F(ハンマーピン124が搭載される端)が典型的には隣接した回転円板120の間に隠され、そして(たぶん円板120の露出された外縁及び外周を除き)破砕される材料104に対し露出されない。
【0010】
図2A及び2Bは、ハンマーピン124を受け入れるよう破砕ハンマー112中に設けられている開口112Aの縁の拡大された図を示している。これらの図中に示されている如く、これらの開口112Aの側壁112Bの大部分は真っ直ぐで,平坦で,そして中心線方向において互いに平行であり、開口112Aを形成している側壁112Bの隅112C(即ち、内側壁112Bがハンマー112の主要表面112Dに出会う場所)は傾斜されているか(
図2A)又は丸められていて(
図2B)良い。これ等の形態は、ピン124の直径が開口112Aの直径に寸法が近い時、ハンマーピン124を開口112A中に挿入することを幾分より容易にする(例えば、湾曲された又は傾斜された隅112Cはピン124を開口112A中へと幾分か「漏斗状に導く(funnel)」。
【0011】
上述した如く、破砕ハンマー112は使用時には非常に厳しい条件にさらされている。破砕ハンマー112それ自身は数百ポンド(例えば、150乃至1500ポンド(Ibs))の重量で良い。さらには、これらの重いハンマー112は比較的速い速度で破砕される材料104中に打ち込まれ、そして破砕される材料は、自動車,自動車部品,その他の如き非常に硬い材料を構成している。添えが破砕される材料に衝撃を加える時の破砕ハンマーのこの打ち込み動作及び側方への動きは、破砕ハンマー112中のピン開口112Aの側壁112B、特にこれらの開口112Aの隅112C、とピン124との間に繰り返される高度に応力の高い接触を生じさせる。上述した如く、破砕ハンマー112は典型的には硬くされている鋼材料から構成されていて、破砕ハンマー112はしばしば依然として、(例えば、刃領域112Eが十分に使用される前に)ハンマー112の早期の破損を導くことが出来る、
図3中に示されて如き、搭載領域112F中の割れ目Cを発生させる傾向にある。この早期の破損は、部品及び労力の両方のコストを実質的に増加させ、そして、破砕操作を実質的に遅くし遅延させる。
【0012】
従って、この業界においては、破砕ハンマーの構造及び構成、そしてこのハンマーを使用している機械及びシステムにおいて改良の余地がある。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の記載及び添付の図は、この発明に従った、破砕ハンマー構造及び破砕ハンマーとハンマーピンとの間の係合の例示的な特徴を記載する。以下の記載は、現在の破砕ハンマー構造の早すぎる破損(premature failure)の調査の結果として得られた情報を含む。以下の記載はなぜ破損が生じたか及びなぜこの発明が現在の構造を上回る向上を提供するのかに関する種々の理論を提供するが、この明細書中にはこの発明を操作の如何なる特定の様式(mode)又は理論(theory)に限定すると解釈しなければならないことは何もない。
【0030】
使用の厳しい状況のお蔭で、幾つかの場合には、従来の破砕ハンマーは早すぎる破損、例えば割れ目がハンマーピン開口112Aの端又は近傍に生じそしてハンマー112の主要表面112Dを横切って広まった時、に見舞われている。
図3中の割れ目Cを見て下さい。このような割れ目は破砕ハンマー112の寿命の早い段階で、刃領域112Eの大部分が破砕(spalling)により摩耗され減少されてしまう以前でさえにも、生じることが出来る。
【0031】
図4は、従来の破砕ハンマー112とそのピン124との間の連結を図示している。破砕ハンマー112はピン124の回りを回転することが自由なので、破砕ハンマー112と破砕される材料104との間の衝突(破砕ヘッド110が回転することによる)はまた、破砕ハンマーピン開口112Aを規定している内壁112Bとピン124との間の衝突という結果になる。開口112Aに沿った衝突力Fは、大きさ及び/又は開口112Aの全長さLに沿った方向において、まれに(あったとしても)均一であるので、衝突の力Fは開口112Aの隅112C(即ち、側壁112Bが主要表面112Dと出会う場所)において最初に吸収される。(例えば、
図2A及び2B中に示されている如き)従来の破砕ハンマーピン開口の側における凹み又は面取りの含みは、隅の内方への移動(面取り又は凹みのお蔭による)が接触点間の梃子腕(lever arm)を短縮させるので、ピン開口112Aの隅における応力集中をさらに増大させる。梃子腕はハンマーピン124上でのハンマー112の側方への捩じりを停止させるよう働く。
【0032】
事実、破砕ハンマーピン開口112Aとピン124との間の繰り返される衝突は、(例えば、鍛造処理と類似して)その全ての隅112Cにおいて開口112Aの鋼材料を変形させるよう働くと信じられている。繰り返される衝突はまた材料を硬くする傾向にある。より詳細には、この例示的な配置においては、隅112Cにおける破砕ハンマーピン開口112Aとピン124との間の繰り返される衝突は、ハンマー112のマンガン鋼材料の局部的で激しい塑性変形を生じさせると信じられている。幾つかの知られている破砕ハンマー構造112のマンガン鋼材料の如き、幾つかの材料の為には、この塑性変形は、
図4Aの右手側(
図4Aの「使用後の構造」部分)において示されている移動された材料112Gにより図示されている如く、特に開口112Ano隅縁において、ハンマー112の鋼材料の「寄せ(upsetting)」(側方変形)を導く。この寄せ(upsetting)工程は時間とともにハンマーピン開口縁近傍のハンマー厚さを増大させ続け、そして多くの場合には、ロータとの干渉を停止させる為にハンマーが摩耗し尽くす以前に、寄せ(upsetting)工程のお蔭により移動した材料を切り離す又は削除する必要がある。削除の為に破砕ハンマーの動作を停止させる必要性は、破砕の時間の下降及びハンマーの弱化という結果になり、それ故に壊滅的な損傷の危険を増大させる。この削除工程において加えられる熱は厳しい位置においてハンマーを弱らせることが出来る。
【0033】
移動された材料領域112Gは典型的には、上に記載された工程によるそれ等の形成のお蔭で硬化される。硬くされているにも関わらず、しかしながら、幾つかの知られている破砕ハンマー構造112のマンガン鋼材料においては、この硬くされている材料はまた、破砕ハンマー構造112の当初のマンガン鋼材料よりも幾分か脆い。移動された材料領域112G及びこれらの結果として増大された脆さは、領域112Gにおいて割れ又は破砕(spalling)が始まることを許容し、そしていったん割れが始まると、それは破砕ハンマー構造112の他の部分を通して広がり上に記載した早まった損傷を生じさせる。
【0034】
新たなピン124上に搭載された時の幾つかの知られている破砕ハンマー構造112の早まった損傷を説明する潜在的な機構を上に説明したが、損傷のこの同じ形式はまたこれらの従来の破砕ハンマー112が使用されているピン124上に搭載された時にも注目されている。多くの場合、ハンマーピン124はその上に搭載された破砕ハンマー112よりも長持ちする。時間がたつと、上に記載された衝突のお蔭で、ピン124はまた、
図4B中に示されている如く、その中に溝124Gが形成され摩耗される(
図4Bは、2つの別の破砕ハンマーが搭載されている一例のピン124を図示しており、一つの破砕ハンマーは左側の溝124G領域であり、そして第2の別の破砕ハンマーは右側の溝124G領域である)。
図4C中に示されている如く、この「使用されているピン」配置は、ハンマーピン124の為の開口112Aの隅112Cにおいて繰り返される衝撃力の同じ適用という結果となることが明らかである。事実、いずれにしろ、使用されているピン124の使用は、(
図4Cの左手側上で)使用の初期の段階でさえ問題を悪化させるように見え、ピン124は隅縁のみを開口112Aと接触させる傾向にある。上に記載された寄せ(upsetting)の問題及び/又は割れのお蔭による早まった損傷は、隅112Cが、
図2A及び
図2B中に示されている如く、傾斜されていたり又は丸められていたりする時は、実質的に影響される又は改善されるようには見えない(上に注意した如く、傾斜された又は丸められた特徴のお蔭で、モーメント腕長さ(moment arm length)が短くされるので、隅が内方に移動することが隅における応力を実際に増加させる。
【0035】
図4Dは、破砕ハンマー(そして特にそのピン開口)を動作中に露出させる応力を図示することをさらに手助けしている。
図4Dは、
図4A及び
図4Cの右手側に示されていたものと同様な破砕ヘッド構造の部分の横断面図を示している(即ち、
図4Dの左手側は比較的新しいピンを伴った破砕ヘッドであり、そして
図4Dの右手側は使用されたピンを伴った破砕ヘッドである)。
図4Dは、しかしながら、破砕ハンマーを動作中に露出させる(例えば、破砕される材料との中心のずれた衝撃のお蔭による)力F及びハンマーの結果としての動きをさらに示している。破砕される材料上でのハンマー刃による中心のずれた接触は、ピン124上でハンマー112をずらし、そしてピン124を(例えば、
図4D中に丸で囲って示されている如く上縁及び底縁で)ピン開口の隅縁112Aに強くそして繰り返し打ちつけるようにする。隅縁112Aにおけるこの増大された応力は、上に記載された寄せ(upsetting)現象を生じさせることが出来る。さらに(又は代わりに)ハンマーピン開口の隅縁112Aにおける増大され繰り返される応力は、上に記載された如き割れ及び破砕(spalling)を導くことが出来るこの領域の開口及び/又は張り出し(bulging)の伸びを生じさせることが出来る。
【0036】
図5A乃至
図5Cは、この発明に従っている一例の破砕ハンマー構造200を図示している。
図5Aは斜視図を示しており、
図5Cは正面図を示しており,そして
図5Bは
図5A及び
図5Cにおいて線5B−5Bに沿ってとられた中央断面図を示している。この発明に従った破砕ハンマー構造200は、
図1A及び
図1Bに関連して上に記載された形式の破砕システム100及び破砕ヘッド110を含んでいる、如何なる所望の形式の破砕システム及び如何なる所望の形式の破砕ヘッドにおいて使用されて良い。例えば、上に図示されていて記載されている形式の、破砕ヘッドにおいて使用された時、破砕ヘッドは、この発明から離れることのない種々の部位の如何なる所望の配置及び/又は構成において、如何なる所望の数のロータ(rotor)板,如何なる所望の数の破砕ハンマー又はスパイダー(spider)腕,如何なる所望の数のハンマーピンを含んで良い。更には、2つの回転円板間の領域(提供されている時)は、この発明に従っている如何なる所望の数の破砕ヘッドを、如何なる所望の配置又は構成で含んで良い。
【0037】
この一例の破砕ハンマー200は、ヘッド200がハンマーピン124と係合されている搭載領域202A及び使用中に破砕される材料に接触するハンマー刃領域202Bを含む。これらの領域202A及び202Bは大略的な議論の目的の為に開示されていて、そして破砕ハンマー200上の限定された精密な領域又は位置を意図されていない。破砕ハンマー200は、当該技術分野において従来知られていて使用されている構成(例えば、単一片又は多数片)及び/又は外部形状を含んでいる、如何なる所望の構成及び/又は外部形状を有して良い。
図5A及び
図5B中に示されている如き、もう1つの特別な例の如く、破砕ハンマー200は、例えば溶接による又は機械的な連結構造の使用を介しての如き、従来の方法により、互いに接合されている2つ又はそれ以上の個々の板から形成されて良い。
【0038】
図5A乃至
図5C中に示されている如く、破砕ハンマー200は、2つの主要表面202C及び搭載開口(例えば、ハンマーピン受け入れ開口)202Dを含む。、破砕ハンマー200はまた、ハンマー200の全領域に渡り一定であって良く又は変化されて良い。破砕ハンマー構造200のより良くより容易な取扱い及び移動を可能にするよう、持ち上げ穴(lifting eye)が、望まれるのであれば、設けられて良い。
【0039】
この発明の少なくとも幾つかの概念は、破砕ハンマー構造200におけるハンマーピン受け入れ開口202Dの構造に関係している。この例の構造の開口202Dは、
図5A及び
図5C中に示されている如く、丸められた形状を大略的に有していて、そしてそれは
図1A乃至
図4Cに関連して上に記載されたのと大略的に同じようにしてハンマーピン124を受け入れることが出来る。この発明の少なくとも幾つかの概念は、しかしながら、開口202Dを規定する破砕ハンマー200の内壁202Eの形状に関係している。
図5Bの横断面図中に示されている如く、開口202Dを規定している内表面壁202Eは、破砕ハンマー200の一方の主要表面202Cから他方へと移動している如く湾曲されている。好ましくは、湾曲は、湾曲の局部的な極端(local extrema)が破砕ハンマー200の全厚さTの中央点に又は近傍(例えば、湾曲された表面202Eの直線長さ(linear length)の中央50%内、そして幾つかの例では、湾曲された表面202Eの直線長さ(linear length)の中央30%内)に配置されている。幾つかのより詳細な例においては、局部的な極端(local extrema)が破砕ハンマー200の全厚さTの中央の50%内の表面202Eの部分204内に配置されて良く、そして幾つかの例においては、局部的な極端(local extrema)が破砕ハンマー200の厚さの中央の30%内又は15%内でさえ(又は、
図5B中に示されている如く、その中央にでさえ)、の表面202Eの部分204内に配置されて良い。この発明に従っている幾つかの例示的な構造に於いては、局部的な極端(local extrema)が、表面202Eの中央点である。
【0040】
内表面202Eは、円の弧,放物線,双曲線,その他の如き通常の形状を有するよう構成されていて良い。内表面202Eはまた、単一の曲線,複数の曲線の組み合わせ,又は連続的に変化している湾曲の如く形成されて良い。
図6は、この発明の少なくとも幾つかの例に従って使用されて良い内表面202E形状又は構造の1つ又はそれ以上の特別な例を図示している。この例示的な構造においては、内表面202Eの中央部分(点Bから点Cまで)は(第1半径R
1の如き)第1湾曲特徴を有しており、そして内表面202Eの端部分(点Aから点Bまで及び点Cから点Dまで)は第1湾曲特徴からは異なった湾曲特徴を有している(例えば、端部分は中央部分よりも大きな曲率(curvature)を有して良い)。2つの端部分は、互いに同じ又は異なった湾曲特徴を有して良い。幾つかのより詳細な低の如く、端部分の夫々は半径R
1のよりも小さな湾曲の(即ち、より湾曲された)半径R
2を有して良く、そして任意には、端部分の夫々は、0.05R
1乃至0.5R
1の範囲内、そして幾つかの例では0.06R
1乃至0.25R
1の範囲内に,又は0.08R
1乃至0.12R
1の範囲内にでさえ、である半径R
2を有して良い。さらなる例の如く、第1半径R
1は式0.25≦R
1/T≦4に対応して良く、ここにおいてTはハンマーピン受け入れ開口の位置における破砕ハンマーの厚さである。幾つかの例においては、半径R
1は、式0.5≦R
1/T≦4,式0.6≦R
1/T≦3,又は式0.75≦R
1/T≦2でさえ、満たして良い。もし破砕ハンマーが開口202Dの回りに一定の厚さを有していないのであれば、その時には厚さTは開口202Dの位置において最も小さな厚さ寸法(即ち、最も小さな孔厚さ寸法)に対応している。
【0041】
従って、
図6中に示されている如く、ハンマーピンの為の開口202Dの内表面202Eは、開口202Dの横断面に沿い、多数の湾曲輪郭(curve profile)の組み合わせを有して良い。例えば、表面の中央部分(例えば、
図6中の点BからCまで)は、1つの湾曲特徴(例えば、第1半径R
1)を有して良く、端部分(即ち、
図6中の点AからBまで及び点CからDまで)は異なった湾曲特徴(例えば、より小さな半径の如き、第1半径から異なった第2半径)を有して良い。点Bと点Cとの間の湾曲長さは、開口の全湾曲長さ202Eの大部分に渡り(例えば、湾曲202Eの全直線長さ(linear length)の少なくとも50%に渡り,そして幾つかの例においては、少なくとも65%に渡り,又は湾曲202Eの全直線長さ(linear length)の少なくとも75%にでさえ)延出して良い。点Aと点Bとの間及び点Cと点Dとの間の湾曲は、もし望むのであれば、湾曲202Eの直線長さ(linear length)の残りに渡り(例えば、両縁に均等に分けられて,1つの縁においてのみ,一方の縁を他方の縁より多く,その他)存在して良い。任意に、点Aと点Bとの間の湾曲長さ及び点Cと点Dとの間の湾曲長さは、開口の全湾曲長さ202Eの25%以下,20%以下,15%以下,10%以下,又は5%以下にさえ渡る。もう一つの選択では、もし望まれるならば、全湾曲202Eは単一の湾曲を有して良い(例えば、R
2湾曲が省略されることが出来、そして、R
1湾曲が主要表面202Cまで延出して良い)。個々の湾曲202Eは、この発明から離れることなく、異なった湾曲特徴(curvature characteristic)を有している如何なる所望の数の領域を有して良い。湾曲(例えば、R
1又はR
2)はハンマー本体の外側主要表面に対し接している必要はない(例えば、湾曲R
1は0.5Tよりも大きくて良く、そしてそれは、もし望まれれば、主要表面の両方まで延出して良い;例えば、
図17B参照)。
【0042】
図7は、この発明の一例に従っている破砕ハンマー200中の孔202Dの位置における横断面図を図示しており、ここにおいては破砕ハンマー200は、
図6に関連して上に記載された形式の内孔表面202E輪郭(profile)を有している。
図7中に示されている如く、この例の構造200においては、内孔表面202Eは孔202Dの底表面部分202Eと同じ輪郭を有している(即ち、
図7中に示されている表面202Eは互いの鏡像である)。更には、表面202Eは、表面202Eの中央を貫いて走る垂直な中心線の回りに及び開口202Dの中央を貫いて走る水平な中心線の回りに対称である。注目すべきは、
図7中に示されている如く、表面202Eの本当の縁部分は、
図6と関連して上に記載されていた如く、その中央部分よりも丸められている。
【0043】
図7中に示されている均一性及び対称性は、この発明に従っている全ての破砕ハンマー/ハンマーピン係合構造において要求されていない。さらに、もし望まれるならば、
図8中に図示されている如く、開口202Dは、少なくとも開口202Dを通過して走る中心線の回りに非対称(そして、任意には、もし望まれるのであれば、表面202E及び202Fの中心を通過して走る中心線の回りに非対称)であって良い。より詳細には、この一例の構造300においては、開口202Dの上内表面202Eは
図6〜7に関連して上に記載された形態を有していて、しかし開口202Dの底内表面202Fはより従来の形態を有している(例えば、主要表面202Cの近傍に丸められているか又は傾斜されている隅縁を伴う,四角にされた隅(squared corner)を伴う,その他)。開口202Dの周辺の回りの幾つかの位置では、表面輪郭202Eと表面輪郭202Fとの間に遷移領域(transition region)がある。この遷移領域(transition region)は、この発明から離れることなく、比較的緩やか又は比較的急であって良い。従って、この例の構造300においては、開口202Dの内表面の一部分のみが、一方の主要表面202Cから他方の主要表面202Cに向かい移動するのに伴う連続した湾曲特徴を有している。より詳細には、ハンマー刃部分202Bから離れる方向において開口202D内に配置されていて、破砕ハンマー300が回転した時に(例えば破砕ハンマー300がその上に搭載されているハンマーヘッドの回転のお蔭による遠心力の下で)開口202Dの内表面の少なくとも最初に負荷を受ける部分(例えば、
図8中に示されている如き開口202Dの上1/4,上半分,又は上3/4)は、連続した湾曲特徴を有する。より従来の内表面輪郭202Fを含んでいる開口202Dのこの部分は、負荷をより少なく支持する及びより少ない衝撃力を経験する傾向にある開口202Dの領域(例えば、ハンマー刃部分202Bにより近く位置されている開口202Dの内表面の領域(例えば
図8中に示されている如き開口202Dの底1/4,底半分,又は底3/4)の如き、寄せ(upsetting)の潜在が減少されている領域)に位置されて良い。
【0044】
図9A及び9Bは、その中にハンマーピン124が搭載されているこの発明に従った一例の破砕ハンマー200を図示している。
図9A中に図示されている配置においては、実質的に摩耗していない又は溝が形成されていない部分124Gがまだその中に形成されている如く(
図4B参照)、ハンマーピン124は新しい(又は比較的新しい)。注目すべきは、(主要表面202Cの近くの開口202Dの正に縁又は隅においては必要が無く)開口202D内の湾曲されている内表面202Eが開口202Dの中央内部内で、ピン124と破砕ハンマー200との間の接触点を創出していることを提供していることである。更には、開口202D中の湾曲されている内表面202Eを提供することにより、破砕ハンマー刃領域202Bと破砕される材料との間の衝突から生じる力が変化され内表面202Eのより大きな部分に沿い異なった領域の中に分散されている(例えば、力が常に同じ方向に負荷されないので)。これらの特徴は、衝撃力が(ピン124と開口202Dの壁202Eとの間の)領域で反応しないこと、そして、衝撃力の吸収、開口202Dと主要な表面202Cとの間の交差を規定している正に縁及び/又は隅における顕著な集中を阻止することを手助けする。
【0045】
ピン124と内壁202Eとの間の衝撃接触の領域の分散又は「拡散(spreading out)」は、
図4A及び
図4Cに関連して上に記載された変形機構のお蔭による特に硬くされている領域の集中された寄せ(upsetting)を拡散し遅らせる手助けをすると信じられている。更には、湾曲されている内表面202Eが、寄せ(upsetting)工程の為の「室(room)」(例えば、ポケット220)を開口202Dの内部内に生じさせるよう提供し、その結果として如何なる側方変形領域も破砕ハンマー200の外主要表面202Cに直ちに配置及び/又は露出させない。更には、ピン124と内壁202Eとの間の衝撃接触の領域の分散又は「拡散(spreading out)」は、上に記載された寄せ(upsetting)の問題を最小にするか又は無くす。
【0046】
図9B中に図示されている如く、同様な結果が、この発明に従った湾曲された内部ハンマーピン表面202Eを伴っている破砕ハンマー200が、
図4B及び
図4Cに関連して上に記載され図示された形式の摩耗したピン124と共に使用された時でさえ、得られた。
図9Bから明らかな如く、破砕ハンマー200の刃部分202Bと破砕される材料との間の衝突から生じている入力は、ハンマーピン124と開口202Dの内表面202Eとの間の接触という結果になる。この接触は、表面202Eに沿い変化し、従って、寄せ(upsetting)領域を分散又は「拡散(spreading out)」させ、そして、内表面202Eが主要表面202Cに出会う正に隅縁での側方変形の集中を避けさせる。極(extreme)隅縁での増大されている湾曲の領域(例えば、
図6中における点Aと点Bとの間及び点Cと点Dとの間)はさらに、特にピン124が溝が形成されている領域124Gのお蔭により幾分より自由に動くことが可能であるこの配置においては、開口202Dの隅領域での入力の吸収を避ける手助けをすることが出来る。好ましくは、表面202Eは、それが対応している溝が形成されている領域124Gの湾曲よりも大きな湾曲(例えばより小さな半径)を有する。
【0047】
図10は、この発明に従っているもう一つの例の破砕ハンマー構造400を図示している。この例の構造400においては、開口202Dの上内表面202Eがこの図示されている例の構造400においては平坦である中央部分(部分F)を有しており、そして湾曲されている部分が中央部分Fの外側に設けられている。如何なる所望の湾曲特徴(例えば、単一の湾曲,複数の湾曲,又は連続的に変化している湾曲)を湾曲されている部分に設けて良いが、この図示されている例の構造400においては、上内表面202Eが中央部分Fの直ぐ外側で開口202Dの内部内に(例えば上に記載したR
1の寸法特徴を有している)第1湾曲区域C
1及び第1湾曲区域C
1の直ぐ外側に配置されていて開口202Dの外縁(主要表面202Cに対し開いている領域)に隣接している第2湾曲区域C
2を有していて良い。同様に示されているが、中央部分Fの一方の側の湾曲C
1は、中央部分Fの他方の側の湾曲C
1から異なっていて良い。同様に、中央部分Fの一方の側の湾曲C
2は、中央部分Fの他方の側の湾曲C
2と同じか又は異なっていて良い。更には、
図10中に示されている底表面202Eは
図8中に示されているものと同じであり、この底表面202Eは(開口202D全体が水平中心線の回りに対称であるように)
図10中の上表面202Eと同じ表面特徴を有していて良いし、又はそれはこの発明から離れない他の湾曲特徴又は湾曲されていない特徴を有していて良い。
【0048】
上に注意されていた如く、中央部分Fはこの発明に従っている幾つかの例の構造400において平坦で良い。それは(図示されている如く)開口202Dの中心線長さ(axial length)内で中央にあるが、これは要求ではない(即ち、平坦部分Fは、その中心が表面202Eの直線上中心(linear center)に精密にはないように中心からずれていて良い)。それにも拘わらず、この中心部分Fは、
図4A乃至
図4Cに関連して上に図示され記載されていた割れ問題という結果になるようには、位置付けされるべきでないし大きくされるべきではない。この発明に従っている幾つかの例の構造においては、中央部分Fの両端が表面202Eの全直線長さ(linear length)の中央50%内に配置され、そして幾つかの例においては、これらの両端は表面202Eの全直線長さ(linear length)の中央25%内に、中央10%内にさえ、配置される。第1湾曲区域C
1の夫々に対応している表面202Eの部分は開口202Dの表面202Eの全直線長さ(linear length)の5%から48%を覆って良く、そして第2湾曲区域C
2の夫々に対応している端部分は、存在している時、開口202Dの表面202Eの全直線長さ(linear length)の20%以下,15%以下,10%以下,又は5%以下でさえ、を覆って良い。個々の湾曲202Eは、この発明から離れることなく、如何なる所望の数の平坦領域及び異なった湾曲特徴を有している領域を有して良い。
【0049】
開口202Dの全内表面は
図10中に要素202Eとして示されている横断面輪郭を有して良いが、これは要求ではない。もし望まれれば、この発明に従っている幾つかの構造においては、ハンマー刃部分202Bから遠ざかる方向において開口202D内(例えば、
図8中に示されている如く開口202Dの上1/4,上半分,又は上3/4)に配置されている、破砕ハンマー300が回転した時の(その上に破砕ハンマー300が搭載されているハンマーヘッドの回転のお蔭による遠心力の下での)開口202Dの内表面の少なくとも初期負荷受け部分は、
図10中に要素202Eとして示されている輪郭(profile)を有する。
【0050】
更には、中央領域Fは必然的に完全に平坦である必要がなく、しかしそれは、この発明から離れることなく、湾曲(外方又は内方)又は他の表面構造を有して良い。好ましくは、中央領域Fと湾曲C
1の領域との間の遷移領域(transition region)は、(もしあるならば)湾曲C
1及びC
2間の領域間の遷移領域(transition region)も同様に、比較的滑らかで、そして険しい又は明白な隅を避けていて、その結果として上に記載した寄せ(upsetting)現象は避けられるか又は最小にされる。また、好ましくは、中央領域Fと湾曲C
1の領域との間の遷移領域(transition region)は、開口202Dの内部内に十分配置されて、その結果として、誘起された如何なる寄せ(upsetting)も開口202Dの内部内に残る,表面202Eに沿い拡散される,及び/又はハンマー構造400の外表面202Cへと突出しない。
【0051】
図11A乃至
図11Cは、この発明に従ったもう一つの例の破砕ハンマー構造1100の斜視図,断面図,そして平面図を示している。構造1100は、ハンマーピン受け入れ開口1102Dに関係している種々の特徴を除き、
図5A乃至5Cに関連して上に記載された破砕ハンマー構造200と同様である。これらの図中に図示されている如く、この例の構造1100のハンマーピン受け入れ開口1102Dの上内表面1102Eは、破砕ハンマー1100の一方の主要表面1102Cからその他方の主要表面1102Cへと移動するにつれて非常に湾曲されている(そして
図5A乃至
図5C中に示されている図示されている表面202Eよりも湾曲されている)。この破砕ハンマー構造1100の幾つかの例においては、ハンマーピン受け入れ開口1102Dの内表面1102Eの(例えば、
図11B及び
図11C中に示されているような、上主重量受け部分の如き,上1/4,上半分,又は上3/4の如き)少なくとも一部分が、開口1102Dの位置における破砕ハンマー1100の全厚さTの1/2に等しい半径R
1を有している。このようであると、内表面1102Eの湾曲は、内表面1102Eの外縁で主表面1102Cに接する。ハンマーピン受け入れ開口1102Dの底内表面1102Fは、上表面1102Eと同じ形状を有して良いが、この表面1102Fはまた、(例えば、
図5A乃至
図5C中に示されている如き)幾分か湾曲されている,(例えば、
図8中に示されている如き)幾分か平坦な,又はその他を含む、上に記載されている如何なる他の輪郭を有しても良い。表面1102E及び1102Fが異なった形状又は輪郭を有した時、形状又は輪郭の間の遷移(transition)は、例えば上に概略記載されていた如く、緩やか,滑らか,又は急であって良い。
【0052】
このようであれば(上に記載された他の湾曲された負荷支持表面と同様に)、
図12A及び
図12B中に図示されている如く、ハンマーピン開口1102Dは、ハンマーピン開口1102Dとハンマーピン124との間の支持接触をハンマーピン開口1102Dの中心線により向うようにさせることを開始する。例えば、
図12A及び
図12Bの左手側に示されている如く、新たなピン124(
図12A)又は摩耗したピン124(
図12B)のいずれの為にも、最初の負荷支持接触点が実質的にハンマー1100の実質的に中心線である。使用の間、上に記載したように、ハンマーピン受け入れ開口1102Dの材料は側方に変形され、そして寄せ(upset)を開始し、そしてマンガン(又は他の材料)は硬化を開始するが、この一例の構造1100においては、この寄せ(upsetting)及び硬化は、ハンマーピン開口1102Dの外縁においてではなく、よりハンマーピン開口1102D中心線に向かうことを開始する。中心線での比較的柔らかいマンガン(又は、幾つかのハンマー構造においては、他の材料)による最初の単一点接触は、ハンマーピン受け入れ開口1102Dが側方に変形し、そして新たな又は摩耗したピン124表面のいずれかの表面に向かい形成し合致する(為の室を提供する)ことを許容する。それが形成しマンガン(又は他の材料)移動させることにより、開口1102Dの内部中の支持領域は、中心線において最も高い硬度値を伴い硬化される(そして、
図4A及び
図4Bに関連して上に記載された如く開口の外縁で割れず,破砕(spall)されず,そして役立たなくならない)。
図12A及び
図12Bの右手側で示されている如く、ハンマー1100がピン124上で(例えば、破砕される材料との接触のお蔭により)側方に強いられた時でさえ、ピン124とハンマーピン開口1102Dとの間の接触は、ハンマーピン開口1102Dの内表面1102E内に残る。
【0053】
図12A及び
図12B中にさらに示されている如く、湾曲された表面1102Eが、ハンマー1100が中心をずれて揺動した時でさえ、ハンマー中心線で又はその近くで作動負荷を支持する。さらに、ハンマー1100が(例えば、破砕される材料との接触のお蔭で)中心回転位置に戻る又は反対側に移動した時、それは湾曲しているピン開口表面1102Eに沿い容易に転がる。この転がり動作(rolling action)は、ピン開口表面1102Eを再度固くする。また、この転がり動作(rolling action)(そして、上に記載された如き全体に減少された材料流れ及び材料変形)は、従来のハンマーピン開口で生じている如き滑り動作よりも少ない熱を発生させ、そして熱におけるこの減少は損傷させる熱の蓄積を減少させる手助けをすることが出来、そしてハンマー及びピンは寿命を延ばす手助けをすることが出来る。
【0054】
湾曲された内部ハンマーピン開口表面(例えば、表面202E及び1102E)は、ハンマーピン開口の最も強い部位で(即ち、その中心線で)ハンマー1100の最も高い作業負荷を維持する手助けをする。従って、この構造は、ハンマー材料(特にマンガンハンマー材料)の機械的な特性を過剰に負荷してしまがちなことを非常に減らし、ピン開口延び(即ち、ピン開口の形状の変形)を減少させる手助けをする。湾曲されている支持表面(例えば、表面202E及び1102E)もまた、支持されていない材料(例えば、マンガン)流れ及びハンマーピン開口の外側縁での破砕(spalling)を大きく減少させ又は無くす。これらの特徴は、ハンマーの幅(又は厚さ)の膨張を削減又は無くし、そして、干渉問題(例えば、破砕ヘッドのロータ又は分割板との干渉,その他)を停止させる為にハンマーを削る必要を削減又は無くす。
【0055】
もう一つの潜在的な利点として、湾曲されている支持表面(例えば、表面202E及び1102E)は、(例えば、外側縁におけるより大きな開口寸法のお蔭による開口の周りの金属を数ポンド削減することにより)破砕ハンマー構造200,1100における材料の量を幾分減少させる。この特徴は、破砕される材料上での衝撃力における如何なる摩耗材料又は減少の削減無しでの材料のより良い分配を提供する。
【0056】
上に記載された構造の全ては、ハンマー本体中に規定されているハンマーピン受け入れ開口においてハンマー本体と直接係合されていたハンマーピンを含む。これは要求ではない。むしろ、もし望まれるのであれば、この発明に従っている種々の例の構造は、ピンがハンマー本体に直接係合しているピン係合部材と直接係合するよう、ハンマー本体の搭載開口においてハンマー本体と係合している別のピン係合部材を含んで良い。このような構造の種々の例が以下に記載されている。
【0057】
図13A及び
図13Bは、上に簡単に記載されていた如く破砕ハンマー1300とピン1324との係合の為の別のピン係合部材の使用の一例を図示している。この例においては、破砕ハンマー1300は、上の構造(例えば、
図5A〜5C,6,7,8,10,そして11A〜11C中に示されているもの)の1つと同じか又は類似している構造を有していて良い。この一例の配置においては、しかしながら、ハンマーピン1324は、その上に搭載されているスプール(spool)1326を含む。スプール1326はピン1324を受け入れる為の内部開口1326Dを含み、そしてスプール1326はこの発明から離れること無しで、溶接を介する,機械的な結合を介する,その他を含む如何なる所望の方法においてもピン1324と係合されて良い。或いは、もし望まれるのであれば、ピン1324はスプール開口1326D内に緩く適合されて良く、任意にはスプール1326は、破砕ヘッドの分離板1330(例えば、
図1Bの為の円板120)により所定の位置に維持されている。スプール1326は、破砕ハンマー及び/又はハンマーピン構造の為に従来使用されている材料を含む、如何なる所望の材料で作成されて良い。スプール1326の外表面1326Eは、開口1326Dの一方の側から他方の側まで湾曲されていて良い。湾曲されている外表面1326Eは、
図5A乃至
図11Cに関して上に記載されたピン開口構造の湾曲した内表面の為の形状のいずれも含んでいる、如何なる所望の形状を有して良い。任意には、もし望まれるのであれば(そして
図13B中に図示されている如く)、スプール1326の湾曲された外表面1326Eは、破砕ハンマー1300の搭載開口1302の同様に形作られた内表面1302Eに対し支持して良い。スプール1326の外表面1326Eは、破砕ハンマー1300の搭載開口1302の対応している支持表面1302Eの半径(又は他の湾曲された構造)と同じ又はわずかに大きい半径(又は他の湾曲された構造)有して良く、その結果、これらの表面間の滑らかな転がり係合(rolling engagement)が達成される。(ピン1324を受け入れている)スプール1326は湾曲されているか又は平坦であって良い及び/又はそれはピン1324の外表面に対し形状が従っていて良い。
【0058】
図13A及び
図13Bの破砕ハンマー/ピン構造は、種々の部位(例えばピン1324,ハンマー1300,そしてスプール1326)の材料を選択して摩耗及び引き裂き(tear)の他部分がスプール1326により吸収されそれによりピン及び/又はハンマー寿命を延ばせるので、少なくとも幾つかの環境において役立つことが出来る。ピン1324と(スプール1326を介した)ハンマー1300との間の湾曲されている支持連結もまた、
図5A乃至
図11Cの構造の為の上に記載されていた種々の利点を提供する。
【0059】
上に記載された例の構造の全ては破砕ハンマー上に湾曲されている内部ピン受け入れ開口(又は搭載開口)を有しているが、これはこの発明に従っている全てのピン/破砕ハンマー係合配置における要求ではない。
図14A及び
図14Bは、この発明に従った一例の構造1450を図示していて、ここにおいては破砕ハンマー1400の搭載開口1402は、(例えば、任意に
図2A及び
図2B中に図示されている形式の)主要表面から主要表面への方向において比較的平坦な内表面1402Eを有する(しかし、それは要求されていない)。この例の配置1450においては、ブシュ部材(bushing member)1420が破砕ハンマー1400の搭載開口1402内に設けられていて、そしてブシュ部材1420の内表面1422Eは、そのピン受け入れ開口1422の一端から他端まで(例えば、上に記載されている種々のやり方のいずれかで湾曲された)湾曲されている表面を含んで良い。
図14B中に示されているピン124はブシュ部材1420のピン受け入れ開口1422中に搭載されている。従って、この発明のこの例においては、破砕ハンマーよりもむしろブシュ部材1420が湾曲されているピン支持表面を提供する。
【0060】
ブシュ部材1420は、この発明から離れることがない如何なる所望の方法によっても破砕ハンマー1400の搭載開口1402内に係合されて良い。例えば、もし望まれるのであれば、ブシュ部材1420は、溶接又は他の融合技術(fusing technique)により,機械的な結合具により,又はこれらと同様なものにより、破砕ハンマー1400と固定的に係合されて良い。ブシュ部材1420は、上に記載された及び/又は破砕ハンマー構造の為に従来使用されていた材料のいずれをも含む、この発明から離れることのない如何なる所望の材料により作成されて良い。
【0061】
ブシュ部材1420は、この発明から離れることのない幅広い種類の形状を取って良い。例えば、
図14Bは破砕ハンマー1400の主要表面1402Cで実質的に終了しているブシュ部材1420を示している(これは要求ではない)。さらに、もし望まれるのであれば、ブシュ部材1420は、破砕ハンマー1400の主要表面1402Cの一つ又はそれ以上に少なくとも部分的に渡り延出しそしてそれらに隣接している端キャップ(end cap)又はフランジを含んで良い。ブシュ部材1420はまた、ハンマー搭載開口1402の両端内に配置されているその端表面を有するよう寸法決めされて良い。他の構造もまた、この発明から離れることなく可能である。
【0062】
図15A乃至
図15Eは、ハンマーピンと破砕ハンマーとの間のもう一つの例の「ブシュ型(bushing type)連結構造を図示している。この例の構造において、ブシュは、破砕ハンマー1500の搭載開口1502と係合している球状自在継手部材(ball swivel member)1520の形状である。この例の構造の破砕ハンマー1500の搭載開口1502は、部分的な球形状(以下により詳細に記載される)及び球状自在継手(ball swivel)挿入領域1504を有している内表面1502Eを含む。
【0063】
この例の配置においては、球状自在継手部材(ball swivel member)1520は、球の2つの反対端1520Eが切断されていることを除き、大略的な外球形状表面1520Sを有していて、そしてハンマーピン受け入れ開口1522がこれらの端に規定されている。球状自在継手部材(ball swivel member)1520の外球形状表面1520Sは、破砕ハンマー1500の搭載開口1502の内表面1502Eに隣接して受け入れられそして保持されるよう概略寸法付けされそして形作られている。使用時にハンマーピンを直接支持する球状自在継手(ball swivel)1520の内表面1520Pは、ピン受け入れ開口1522の一端1520Eから他端1520Eまで大略平坦な表面を有して良い。
【0064】
この例の構造における破砕ハンマー1500中の球状自在継手(ball swivel)1520の搭載が、
図15D及び
図15Eに関連してこれから記載される。
図15D中に示されている如く、最初に球状自在継手(ball swivel)1520が回転されてその反対端1520Eが搭載開口1502の球状自在継手(ball swivel)挿入領域1504の両端と一列に整列される。この向きにおいて、球状自在継手(ball swivel)1520は搭載開口1502中に挿入されることが出来、そしてそれは挿入領域1504の傾斜されている内表面1504Rに前進する。一旦十分に挿入されると(即ち、傾斜されている表面1504Rの内端において)、球状自在継手(ball swivel)1520は
図15E中に示されている向きに捩じられて良く、その結果として球状自在継手(ball swivel)ピン受け入れ開口1522は破砕ハンマー1500の搭載開口1502と一列に整列する。球状自在継手(ball swivel)1520は、その球状外表面1502Eが搭載開口1502の直径よりも大きな外直径を有しているので、搭載開口1502内に保持されている。一旦所定の場所にあると、球状自在継手(ball swivel)1520は、上に注意されていた如く、球状自在継手(ball swivel)1520を搭載開口1502内に保持するハンマーピンを開口1522を介して受け入れる、何故ならば球状自在継手(ball swivel)1520は(ハンマーピンの存在のお蔭で)90°回転できず、そして球状自在継手(ball swivel)の外表面1502Eが搭載開口1502よりも大きいからである。ハンマー1500は従って使用中に球状自在継手(ball swivel)1520上で、破砕ハンマー1500が中心がずれた状態で破砕される材料を打った時の開口1522内での回転を含み、回転が可能になる(即ち、球状自在継手(ball swivel)1520は、周方向回転と同様に、ハンマー1500の幾分かの側方回転を許容する)。
【0065】
他のスプール及びブシュ構造及び配置が、この発明から離れることなく使用されて良い。このような構造においては、しかしながら、ハンマーピンを破砕ハンマーに連結している種々の部位間の少なくとも幾つかの境界表面が湾曲され、そして任意にはピン受け入れ開口の一端から他端まで連続的に湾曲されている。
【0066】
この発明の例に従っている幾つかの構造は、ハンマーピン上でハンマーの重量を支持している湾曲された表面を含み、湾曲された表面はこの発明に従っている全ての構造における要求ではない。
図16A及び
図16Bは、この発明に従った一例のハンマーピン構造1600を図示しており、ここにおいてはハンマーピン開口1602Dの内表面1602Eが、断面において、上に記載された湾曲されている表面に近づくようハンマー本体の一方の主要表面1602Cから他方の主要表面まで整列されている一連の平坦区域1602Sを含む。
図16Bは、
図16Aの断面図において示されている円で囲まれた領域の拡大図を構成している。区域長さL,区域1602Sの数,そして隣接した区域1602S間の角度α1,α2,α2,その他は、この発明から離れることなく如何なる所望の値を取って良く、そして長さL及び角度αの為の適切な寸法の特別な範囲及び区域1602Sの全体の数は、通常の経験を介して決定されて良い。さらに、長さL及び角度αは、一方の主要表面1602Cから他方までのハンマーピン開口1602Dの厚さに渡り、同じか又は異なっていて良い。平坦な区域の少なくとも幾つかは、破砕ハンマーの全厚さの中央75%内に配置されている。
【0067】
幾つかのさらに特別な例としては、区域1602Sの長さLは0.01T乃至0.5Tの範囲内(幾つかの例では、0.05Tと0.33Tの間又は0.075Tと0.2Tとの間でさえ)にあって良く、ここでTはハンマーピン受け入れ開口1602Dの位置における破砕ハンマー1600の厚さである。角度αは、鈍角であって良い。幾つかのさらに特別な例においては、角度αは、例えば120°から179°までの範囲で良く,そして幾つかの例では150°乃至175°の範囲内で良い。区域1602Sの数は、例えば2から50までの範囲で良く、そして幾つかの例では、この発明から離れることなく3から40まで又は5から30までの範囲で良い。この例の構造においては、区域1602Sの数が大きくなるのに伴い、区域1602Sの長さLは小さくなり、そして隣接している区域間の角度は180°に近づき、表面は滑らか湾曲している表面になる(又は本質的にはなる)。
【0068】
もし望まれれば、この発明に従った幾つかの例のハンマーピン開口構造においては、上に記載された区域化されている「平坦」特徴は、上の他の例において記載されていた如き湾曲されている表面との組み合わせにおいて使用されて良い。例えば、もし望まれれば、ハンマーピン受け入れ開口の正に中央(その2つの主要な表面の間)が、1つ又はそれ以上の平坦な区域を含んで良く、開口の両端(主要表面の近く)は湾曲されて良い。或いは、もし望まれれば、連続的に湾曲された構造は、開口の両端が区域化された構造を含んでいる間に、ハンマーピン受け入れ開口の中央に設けられて良い。湾曲されている及び区域化されている表面特徴の他の組み合わせは、この発明から離れることなく使用されて良い。
【0069】
図16A及び
図16Bに関連して上に記載されたものと同様な平坦な区域を含んでいる重量支持表面はまた、(湾曲されている表面に代わり又は湾曲されている表面との組み合わせで)上に記載された発明のスプール及び/又はブシュ型実施形態の為の重量支持表面として使用されて良い。
図16A及び
図16Bに関連して上に記載されたものと同様な平坦な区域を含んでいる重量支持表面はまた、(
図8,10,12A及び12B中に示されている時の)開口の上部分が開口の底部分とは異なった表面形状を有している
図8,10,12A及び12B中に示されているものと同様な構造内に含まれていて良い。即ち、開口の全周は同じ表面形状を有している必要がない。
【0070】
図17Aは破砕ハンマー構造のもう一つの例を図示しており、ここでは湾曲されている表面がハンマーピン受け入れ開口の全厚さを延出していない。
図17A中に図示されている如く、この発明の幾つかの例に従っている幾つかの破砕ハンマー構造1700においては、開口1702Dの表面1702Eの中央部分1702Kのみが上に記載された利点を提供するよう湾曲を有しており、開口1702Dの側面1702L及び縁1702Bは他の湾曲及び/又は縁特徴を有して良い。幾つかのより特別な例として、側面1702Lは長い直線又は平坦な表面を構成して良く、そして縁1702Bは、例えば
図2A及び
図2Bに関連して上に記載されたもののような、きつく湾曲された又は傾斜された縁構造を構成して良い。例えば、もし開口1702D及びピン124が、ピン124がハンマー1700に関して作る中心ずれ角(off center angle)とは無関係にピン表面が開口1702Dの隅縁1702Bに接近することが出来ないように、寸法づけされていたならば、このような側面及び縁特徴は設けられて良い。もう一つの例として、分離板120(又は破砕ヘッドの他の構造)は、ピン124上のハンマー1700の側方への移動を制限する。ハンマーピン受け入れ開口1702Dの湾曲が、ハンマー1700の傾きが十分になりピン124が開口1702Dの隅縁1702Bに到達する前に分離板120がハンマーの側方移動を停止させるようであれば、むしろ開口1702Dの隅縁1702Bは四角に取り除かれた,傾斜された,きつく湾曲された,又は他の所望の構造を有して良い。
【0071】
これらの構造においては、湾曲された表面1702K(
図17Aにおいて長さL)を含んでいる開口1702Dの厚さの割合は、上及び下に記載した所望の利点が達成されるのであれば、ハンマーピン開口1702Dの全厚さTの如何なる所望の割合であって良い。この発明の幾つかのより特別な例においては、湾曲された表面1702Kはハンマーピン開口厚さの全直線寸法(linear dimension)の少なくとも25%(即ち、L≧0.25T)に延出して良く、そして幾つかの追加の例においては、湾曲された表面1702Kはハンマーピン開口厚さの全直線寸法(linear dimension)の少なくとも30%,少なくとも40%,又は少なくとも50%にでさえ延出して良い。湾曲された表面1702Kは、開口の内部で、主要表面間の中央部分(任意には、ハンマーピン開口厚さの中央75%)において、ハンマーピン開口表面1702Eの局部的な極端(local extrema)を提供する。更には、湾曲された表面1702Kは、
図17A中に示されている如くハンマーピン開口1702Dの全厚さTの中心にあって良く、それはまたこの発明から離れることなく厚さTに沿った如何なる他の所望の位置又は場所に配置されて良い。同様に、側面(この例の構造1700においては平坦表面1702L)は、この発明から離れることなく主要表面1702Cに関し同じ又は異なった角度で延出して良い。
【0072】
図17Bは一例のハンマー本体構造1750を図示しており、そこにおいてはハンマーピン開口1752Dが、ハンマー本体1750の一方の主要表面1752Cから他方の主要表面1752Cまで延出し、単一湾曲Rにより(断面において)規定されているその内表面1752Eを有している。この一例のハンマー構造1750においては、Rは0.5T以上大きな半径を有している円の弧の形状をしている(とはいうものの、他の構造は、放物線形状,不均一に形作られている湾曲,異なった湾曲の組み合わせ,平坦表面との湾曲の組み合わせ,その他の如き、も可能である)。表面1752Eの形状(この例では0.5Tよりも大きなRを伴っている)のお蔭により、表面1752Eはハンマー本体1750の外主要表面1752Cと接しない(むしろ、より急な隅が設けられている)。それにも拘わらず、開口寸法1752,ピン124直径,及び /又はハンマー本体1750に関する分離板120の移動(又は他の相対的な要素)のお蔭で、ハンマー本体1750は、内部孔表面1752Eがハンマー本体1750の主要表面1752Cと出会う隅縁1752Bに応力を与えるのに必要な程度にまで側方に揺動できない。従って、この隅縁1752Bは、如何なる所望の形状又は断面形状を有して良い。
【0073】
図17A及び
図17Bに関連して上に記載されたものと同様な構造を含んでいる重量支持表面はまた、上に記載したこの発明のスプール及び/又はブシュ型実施形態の為の重量支持表面としても使用されて良い。また、
図17A及び
図17Bに関連して上に記載されたものと同様な重量支持表面はまた、(
図8,10,12A及び12B中に示されている時の)開口の上部分が開口の底部分とは異なった表面形状を有している
図8,10,12A及び12B中に示されているものと同様な構造内に含まれていて良い。即ち、開口の全周は同じ表面形状を有している必要がない。
【0074】
上に注意されている如く、この発明に従っている破砕ハンマーは、この発明から離れることなく、当該技術において従来知られておりそして使用されている寸法及び形状を含む如何なる所望の寸法及び形状、特に外輪郭形状、を有して良い。幾つかのより詳細な例として、破砕ハンマーは、100〜1500ポンド(Ibs)の範囲内、そして幾つかの例では150〜1200ポンド(Ibs)の範囲内、の全重量を有して良い。破砕ハンマーは、15から50インチまでの範囲内(そして、図示されている例においては、略37.5インチ)の(持ち上げ孔(lifting eye)210の端からハンマー刃部分202Bの端までの)全高H,10から40インチまでの範囲内(そして、図示されている例においては、略27インチ)の全幅W,そして1インチから10インチまでの範囲内(そして、図示されている例においては、略5.5インチ)の全厚さTを有して良い。
図5A乃至
図5Cの図示されている例においては、開口202Dの内部表面202Eは、略5.4インチの中央半径R
1(例えば、
図6の点BとCとの間)を有し、そして端部分(
図6の点Aと点Bとの間及び点Cと点Dとの間)の夫々は略0.55インチの半径を有する。開口202Dは、全湾曲202Eが変化している半径の領域間で滑らかに流れるよう形成されている。
【0075】
この発明の概念は如何なる形式の破砕ハンマーとともに実施されて良く、この発明の概念は、上に記載されていた形式の寄せ(upsetting)及び/又は硬化工程を体験する破砕ハンマー材料とともに使用された時に特に有益である。この発明の幾つかの例においては、この発明に従ったハンマーピン開口の湾曲されている内表面は、少なくともハンマーピン開口の領域において、上に記載されていた形式の寄せ(upsetting)及び/又は硬化工程が生じやすい材料から形成されている破砕ハンマーと関連して使用される。さらに幾つかのより詳細な例での如く、この発明に従ったハンマーピン開口の湾曲されている内表面は、低合金鋼又は高マンガン合金含有鋼(例えば、10〜20%マンガン)(ハッドフィールド(Hadfield)マグネシウム鋼又は、重量で、略11〜14%マンガンを含有している他の鋼)の如き、硬化されている鋼材料から形成されている破砕ハンマーに関連して使用される。
【0076】
この発明の幾つかの有益な概念は、破砕ハンマー、特に上に記載されている如き寄せ(upsetting)及び/又は硬化工程を体験する材料から少なくとも部分的に形成されている破砕ハンマー、の向上された寿命及び/又は早い損傷の阻止に関係している。この向上された寿命及び信頼性は、破砕時間の下降を減少させ,(例えば部品,労働,その他の)コストを減少させ,そして破砕工程処理量を向上させる。この発明に従ったピン開口縁における応力の有益な減少は、ハンマーを形成する為に使用されている材料とは無関係に(例えば、上に記載されたマンガン合金鋼から形成されたハンマー、同様に、上に記載された寄せ(upsetting)特性を必然的に発揮しない他の材料から形成されたハンマーの為に、当該技術分野において知られていて使用されている従来の材料から形成されているハンマーを含めて)役立つ。
【0077】
さらに、この発明の少なくとも幾つかの例に従っている破砕ハンマーにおけるハンマーピン開口の湾曲された内表面を含むことは、ハンマー製造方法を簡易にする。(例えば、開口112A中に真っ直ぐな側壁112Bを伴っている)これらの構造の故に、従来の破砕ハンマー構造における開口がしばしば、中子(core)及び砂鋳造(sand casting)又は砂型鋳造(sand molded casting)方法を使用して製造されている。型(mold)の組み立て及び開口構造の為の中子(core)の設置は、鋳造工程に対応している組み立て時間及びコストを増加させている。この発明の少なくとも幾つかの実施形態に従っている湾曲されている破砕ハンマーピン開口(例えば、202D)は、その形成の為の中子(core)を要求しない。これは、湾曲されている表面形状(例えば、表面202E)は、所望の開口(例えば、202D)を直接形成することを、そして、鋳造工程が完了した時に引きはがされるか又は除去されることを、半分の型(mold halves)に許容する適切な「抜きしろ(draft)」を有しているからである。この特徴は、より従来のハンマーピン開口を含んでいる破砕ハンマー構造よりも、この発明の少なくとも幾つかの例に従っている破砕ハンマーをより容易に,より安価に,そしてより早く製造できるようにする。さらに、この特徴は、水を開口(例えば、202D)に入れて出すことが出来るので、固体化及び冷却を向上させることがより容易に出来、この重要な領域(key area)に置けるより良い冷却を提供することを助ける。この発明のこれ等の有益な特徴及び概念は、ハンマーを形成する為に使用されている材料とは無関係に(例えば、上に記載されたマンガン合金鋼から形成されたハンマー、同様に、上に記載された寄せ(upsetting)特性を必然的に発揮しない他の材料から形成されたハンマーの為に、当該技術分野において知られていて使用されている従来の材料から形成されているハンマーを含めて)実現される。
【0078】
結論
この発明は、種々の例の構造,特徴,要素,そして構造,特徴,及び要素の組み合わせを参照して、上に記載され、そして添付の図面中において示されている。開示により提供された目的は、しかしながら、この発明に関係している種々の特徴及び概念の例を提供する為であり、この発明の範囲を限定しない。関係している技術に習熟している人は、種々の変形及び改造を、この発明の範囲から離れることなく上に記載されていた例の構造を成すことが出来ることを認識する。
なお、この明細書の記載には、以下の発明が含まれている。
[1].
ハンマー搭載部分及びハンマー刃部分を含んでいるハンマー本体を備えていて、ハンマー搭載部分はその中に規定されていてハンマー本体の第1主要表面からハンマー本体の第2主要表面まで延出している搭載開口を含み、ハンマーピンと係合する為に搭載開口内にピン搭載表面が設けられていて、ピン搭載表面の少なくとも一部分が凸状であり、凸状のピン搭載表面の部分の少なくとも或る部位が搭載開口において第1及び第2主要表面の間のハンマー本体の全厚さの中央の90%内に配置されている、
破砕ハンマー。
[2].
ピン搭載表面がハンマー本体の搭載開口の内表面中に直接的に形成されている、前記[1].に従っている破砕ハンマー。
[3].
ピン搭載表面の凸状の部分が第1主要表面から第2主要表面へと連続的に湾曲されている、前記[2].に従っている破砕ハンマー。
[4].
搭載表面内に少なくとも部分的に受け入れられているスプール部材をさらに備えていて、スプール部材はそれを通って規定されているハンマーピン搭載開口及び搭載開口の内表面に係合する外表面を含む、前記[2].に従っている破砕ハンマー。
[5].
搭載開口の内表面に係合するスプール部材の外表面の少なくとも一部分が、スプール部材の長手方向において連続して湾曲されている、前記[4].に従っている破砕ハンマー。
[6].
搭載開口内に受け入れられたブッシュ部材をさらに備えていて、ブッシュ部材の内表面はピン搭載表面を構成している、前記[1].に従っている破砕ハンマー。
[7].
ピン搭載表面の少なくとも一部分は、ブッシュ部材の第1端からブッシュ部材の第2端まで連続して湾曲されている、前記[6].に従っている破砕ハンマー。
[8].
ブッシュ部材は搭載開口内で少なくとも部分的にハンマー本体と固定的に係合されている、前記[6].に従っている破砕ハンマー。
[9].
ピン搭載表面の凸状の部分は、搭載開口においてハンマー本体の全厚さの少なくとも25%を延出している湾曲されている表面である、前記[1].に従っている破砕ハンマー。
[10].
ピン搭載表面の凸状の部分は、ハンマー刃部分から最も遠くに配置されているハンマーピン受け入れ開口の半分に少なくとも部分的に配置されている、前記[1].に従っている破砕ハンマー。
[11].
ピン搭載表面の凸状の部分は、第1主要表面から第2主要表面へと向かう方向に連続的に湾曲されている、前記[1].に従っている破砕ハンマー。
[12].
連続的に湾曲されているピン搭載表面の部分はハンマー刃部分から最も遠くに位置している搭載開口の半分中にすくなとも部分的に配置されていて、そして、ハンマー刃部分に対し最も近くに位置している搭載開口の半分中に配置されているピン搭載開口の好くなとも一部分は第1主要表面から第2主要表面に向かう方向において連続的に湾曲されていない、前記[11].に従っている破砕ハンマー。
[13].
ピン搭載表面の凸状の部分は、円の弧の横断面を有している第1領域を含んでいて、この円は、式0.5≦R1/T≦4に対応している半径R1を有していて、ここにおいてTは搭載開口における破砕ハンマーの最も小さな厚さ寸法である、前記[1].に従っている破砕ハンマー。
[14].
ピン搭載表面の凸状の部分は:(a)第1円の弧の横断面を有していて、第1円が式0.5≦R1/T≦4に対応している半径R1を有していて、ここにおいてTは搭載開口における破砕ハンマーの最も小さな厚さ寸法である、中央領域と;(b)中央領域の第1端にあり、半径R2を有している第2円の弧の横断面を有して、ここにおいてR2は0.05R1乃至0.5R1の範囲にある、第1端領域と;そして、(c)中央領域の第2端にあり、半径R3を有している第3円の弧の横断面を有して、ここにおいてR3は0.05R1乃至0.5R1の範囲にあり、そしてここにおいてR3はR2と同じであるから又はR2から異なっていて良い、第2端領域と;を含む、前記[1].に従っている破砕ハンマー。
[15].
R3はR2と同じである、前記[14]に従っている破砕ハンマー。
[16].
ピン搭載表面の凸状の部分は、搭載開口においてハンマー本体の全厚さの中央30%内に配置されている局部的な極端を含んでいる、前記[1].に従っている破砕ハンマー。
[17].
ピン搭載表面の凸状の部分は、搭載開口においてハンマー本体の全厚さの中央内に配置されている局部的な極端を含んでいる、前記[1].に従っている破砕ハンマー。
[18].
ピン搭載表面の凸状の部分は、破砕ハンマーが回転破砕頭部を上で回転された時にピン搭載表面の初期負荷受け部分に対応している位置に配置されている、前記[1].に従っている破砕ハンマー。
[19].
ピン搭載表面の凸状の部分は、第1主要表面から第2主要表面へと向かう方向において連続的に湾曲されていて、そして、ここにおいては、ピン搭載表面が、第1主要表面から第2主要表面へと向かう方向において連続的に湾曲されていない第2部分を含む、前記[1].に従っている破砕ハンマー。
[20].
ハンマー本体は、少なくとも一部が、繰り返される衝撃力に対して反転して動作する鋼材料から構成されている、前記[1].に従っている破砕ハンマー。
[21].
ハンマー本体は、少なくとも一部が、重量による10〜20%の範囲のマンガン合金含入量を有している鋼材料から構成されている、前記[1].に従っている破砕ハンマー。
[22].
ハンマー本体は、少なくとも一部が、重量による11〜14%のマンガン合金含入量を有している鋼材料から構成されている、前記[1].に従っている破砕ハンマー。
[23].
ハンマー本体は、少なくとも一部が、ハッドフィールドマンガン鋼から構成されている、前記[1].に従っている破砕ハンマー。
[24].
ピン搭載表面の凸状の部分は:(a)搭載開口においてハンマー本体の全厚さの中心50%以下に延出している中央平坦領域と;(b)中央平坦領域の第1端において第1湾曲特性を有している第1湾曲側方領域と;そして、(c)中央平坦領域の第2端において第2湾曲特性を有している第2湾曲側方領域と;を含み、ここにおいて、第1湾曲特性は第2湾曲特性と同じか又は異なっている、前記[1].に従っている破砕ハンマー。
[25].
第1湾曲側方領域が第1円の弧の横断面を有しており、ここにおいては第1円が式0.25≦R1/T≦4に対応している半径R1を有していて、第2湾曲側方領域が第2円の弧の横断面を有しており、ここにおいては第2円が式0.25≦R2/T≦4に対応している半径R2を有していて、ここにおいては、Tが搭載開口における破砕ハンマーの最も小さな厚さ寸法である、前記[24].に従っている破砕ハンマー。
[26].
R1がR2と同じである、前記[25].に従っている破砕ハンマー。
[27].
ピン搭載表面の凸状の部分は、複数の平坦で、平行ではない表面を含んでおり、ここにおいては、搭載開口におけるハンマー本体の全厚さの中央50%内の個々の平坦表面が鈍角でそれが隣接している平坦な表面に接合されている、前記[1].に従っている破砕ハンマー。
[28].
ピン搭載表面の凸状の部分は、3から40までの平坦で平行でない表面を含む、前記[27].に従っている破砕ハンマー。
[29].
ハンマー搭載部分及びハンマー刃部分を含んでいて、ハンマー搭載部分がハンマー本体の第1主要表面からハンマー本体の第2主要表面まで延出してその中に規定されている搭載開口を含んでいる、ハンマー本体と;そして
搭載開口中に受け入れられていて、搭載開口に係合する外表面を含み、ピンを受け入れる為の内表面を含んでいるハンマーピン受け入れ開口を規定する、ピン係合部材と;
を備えている破砕ハンマー。
[30].
ピン係合部材が球枢動部材を含んでいて、ここにおいては球枢動部材がハンマー本体の搭載開口中で回転可能である、前記[29].に従っている破砕ハンマー。
[31].
ピン係合部材が、ハンマー本体内に固定的に係合されているブッシュ部材を含んでいる、前記[29].に従っている破砕ハンマー。
[32].
ピン係合部材が、ハンマー本体に関し固定されていないスプール部材を含んでいる、前記[29].に従っている破砕ハンマー。
この明細書に記載されている発明の概念は以下のようにも記載出来る。
この発明の概念は、破砕ハンマーと、ハンマーを破砕ヘッドに係合させているハンマーピンとの間の改良された係合に関係している。より詳細な例として、この発明の概念は、ハンマー搭載部分及びハンマー刃部分を有しているハンマー本体を含んでいる破砕ハンマーに関係していて、ここにおいては、ハンマー搭載部分はその中に規定されていてハンマー本体の第1主要表面からハンマー本体の第2主要表面まで延出している搭載開口を含み、ここにおいては、ハンマーピンと係合する為に搭載開口内にピン搭載表面が設けられていて、ここにおいては、ピン搭載表面の少なくとも一部分が凸状であり、そしてここにおいては、ピン搭載表面の凸状の部分の少なくとも幾つかが搭載開口において第1及び第2主要表面の間のハンマー本体の全厚さの中央の90%内に配置されている(凸状の部分はまた、搭載開口厚さの中央70%内に又は中央50%内にさえも、配置されていて良い)。ピン搭載表面は、(例えば、搭載開口の内表面において)ハンマー本体上に直接設けられていて良いし、又は、それは(ブシュ(bush)又はスプール部材(spool member)の如く)搭載開口中に受け入れられている別部材の部位として設けられていて良い。ピン搭載表面の凸状の部分は、搭載開口に位置おいてハンマー本体の全厚さの少なくとも25%を(そして幾つかの例では、搭載開口位置において全ハンマー本体厚さの、少なくとも35%,少なくとも50%,少なくとも60%,又は全体の厚さ(100%)に渡り)延出していて良い。
この発明の幾つかのより詳細な概念は、ハンマーピン受け入れの為の開口の内表面の少なくとも一部分が破砕ハンマーの一方の主要表面から他方の主要表面まで(即ち、破砕ハンマー構造の厚さを介して)移動する方向において湾曲されている。もし望むのであれば、開口の全内表面(例えば、その全体の周囲の回り)が湾曲されて良い。
この発明のさらなる概念に従えば、ハンマーピンの為の開口の内表面は破砕ハンマーの一方の主要表面から他方の主要表面まで(即ち、破砕ハンマー構造の厚さを介して)移動する方向において滑らかに湾曲されていて良い。例えば、開口の一区域に沿った内表面(又はハンマー構造の厚さを通した内表面の少なくとも主要な部分)が、円の弧(arc of a circle)の如く,放物線(parabola)の如く,又はもう1つの滑らかに湾曲された表面の如く、滑らかに形成されていて良く、ここにおいては湾曲されている表面の局部的な極端(local extrema)(即ち、その局部的な最小又は最大)がハンマーピン開口の内部に(例えば、湾曲された表面の直線長さ(linear length)の中央50%内に、そして幾つかの例では、湾曲された表面の直線長さ(linear length)の中央30%内に)配置されている。
この発明のもう一つの概念は、ハンマーピンの為の開口の内表面が、開口の横断面に沿い、多数の湾曲した輪郭(profile)を有している破砕ハンマーに関係している。例えば、表面の中央部分(例えば、厚さの中央)が一つの湾曲特徴(例えば、第1半径)を有して良く、縁部分(即ち、主要表面に隣接した又は近い)が異なった湾曲特徴(例えば、より小さな半径の如く、第1半径から異なった第2半径)を有して良い。第1湾曲特徴はハンマー中の開口の厚さの大部分に渡り(例えば、開口の内表面を規定している湾曲の全直線長さ(linear length)の少なくとも50%以上に渡り、そして幾つかの例では、この湾曲の全直線長さ(linear length)の少なくとも65%以上に渡り又は少なくとも75%以上に渡り)に延出して良く、他の湾曲特徴が、開口の個々の端部分において開口の内表面を規定している湾曲の全直線長さ(linear length)の25%,20%,15%,10%,又は5%以下にさえ渡る如き、厚さの残りの部分(例えば、両縁に均等に分けられて,ただ一つの縁に,その他)に渡り存在して良い。更なる代わりとしては、内表面は破砕ハンマーの一方の主要表面から他方までに渡る開口の横断面に沿い一定に変化している湾曲を有して良い。
この発明の幾つかの詳細な概念においては、ハンマーピンの為の開口の内表面が、円の弧の横断面を有するよう形成されていて、この円は、式0.25≦R1/T≦4に対応している半径R1を有して良く、ここにおいてTはハンマーピン受け入れ開口の位置における破砕ハンマーの厚さである。幾つかの例では、半径R1は式0.5≦R1/T≦4,式0.6≦R1/T≦3,又は式0.75≦R1/T≦2を満たして良く、又は、これらの式の外側の他の配置を含むことさえ良い。もしも破砕ハンマーが開口の位置において一定の厚さを有していないのであれば、その時はTはその最も薄い位置における開口の厚さを示す。この同じ弧半径は、破砕ハンマー開口の全厚さを通して使用されて良く、この発明の幾つかの例においては、それは破砕ハンマー厚さの好くなとも中央65%又は少なくとも中央75%に渡りさえ、使用される。開口の縁部分が中央部分と異なった湾曲特徴を有している時、縁部分は中央部分よりも小さな半径(例えば、少なくとも50%小さい)を有して良く、そして幾つかの例では、端部分半径「R2」が0.05R1乃至0.5R1の範囲内に、そして幾つかの例では、0.06R1乃至0.25R1の範囲内に,又は0.08R1乃至0.12R1の範囲内にあって良く、又は、これらの式の外側の他の配置でさえ良い。
この発明のさらなる概念は、破砕ハンマーの搭載開口内にブシュ部材(bushing member)を含む破砕ハンマーに関係していて、ここにおいては(ハンマーピンを受け入れる)ブシュ部材の内表面がブシュのハンマーピン受け入れ開口の第1端からブシュのハンマーピン受け入れ開口の第2端、反対端、へと向かう方向において連続して湾曲されている。このような構造においては、破砕ハンマーの搭載開口が(例えば、図2A及び2B中に示されている如く)略平坦な側面,その他を有して良い。
この発明のまた更なる概念は、その中にスプール部材(spool member)が搭載され、そしてその中にハンマーピンが受け入れらえている搭載開口(即ち、このスプール部材の外表面は破砕ハンマーの搭載開口中に受け入れられている)を含む破砕ハンマーに関係している。この発明に従っているこのような一例の構造においては、破砕ハンマー搭載開口の内表面の少なくとも一部分及び/又は(破砕ハンマー搭載開口の内表面に係合している)スプール部材の外表面が、一端から他端まで連続して湾曲していて良い。さらに又は或いは、もし望むのであれば、(ハンマーピンに係合している)スプール部材の内表面が、一端から他端まで連続して湾曲していて良い。
この発明のさらなる概念は、ハンマー搭載部分及びハンマー刃部分を含んでいるハンマー本体を有している破砕ハンマーに関係していて、ここにおいてはハンマー搭載部分がその中に規定されていてハンマー本体の第1主要表面からハンマー本体の第2主要表面まで延出しているハンマーピン受け入れ開口を含む。この発明のこの概念においては、ハンマーピン受け入れ開口の内表面の少なくとも中央部分が、内表面の局部的な極端(local extrema)が第1主要表面と第2主要表面との間に配置されているよう湾曲されている。内表面の湾曲されている中央部分は、例えば、ハンマーピン受け入れ開口厚さの全厚さの少なくとも25%に延出している。
この発明のもう一つの概念は、ハンマー搭載部分及びハンマー刃部分を含んでいるハンマー本体を有している破砕ハンマーに関係していて、ここにおいてはハンマー搭載部分がその中に規定されていてハンマー本体の第1主要表面からハンマー本体の第2主要表面まで延出しているハンマーピン受け入れ開口を含む。この発明のこの概念においては、ハンマーピン受け入れ開口の内表面の少なくとも中央領域が複数の平坦で平行でない表面を含み、ここにおいては中央領域内の個々の平坦表面が中央領域内においてそれに隣接している平坦表面と鈍角(obtuse angle)で接合されている。この特別な状況において使用されている時の「中央領域」は、ハンマーピン受け入れ開口厚さの全厚さの中央75%を構成している。この中央領域は、例えば3乃至40の平坦で平行ではない表面、そして幾つかの構成では、5乃至30の平坦で平行ではない表面、を含んで良い。
この発明のさらにもう1つの概念は、ハンマー搭載部分及びハンマー刃部分を含んでいる破砕ハンマーに関係していて、ここにおいてはハンマー搭載部分がその中に規定されていてハンマー本体の第1主要表面からハンマー本体の第2主要表面まで延出して搭載開口を含んでいる。別のピン係合部材が搭載開口中に受け入れられていて、ここにおいてはピン係合部材が搭載開口に係合する外表面を含み、そして、ここにおいてはピン係合部材がピンを受け入れる為の内表面を含んでいるハンマーピン受け入れ開口を規定している。ピン係合部材は、例えばハンマー本体の搭載開口内で回転可能な球枢動部材(ball swivel member),(少なくとも部分的に搭載開口内でハンマー本体に対し任意に固定されている)ブシュ部材(bush member),又は(搭載開口内を延びていてハンマー本体に関し任意に回転可能である)スプール部材(spool member)を構成して良い。
この発明のさらなる概念は、この発明の複数の例に従っている破砕ハンマーを含んでいる破砕システム及び/又は破砕ヘッドに関係しており、図1A及び1Bに関連して概略的に上述された形式(しかし、この発明に従っている1つ又はそれ以上の破砕ハンマーがその上に搭載されている)の破砕システム及び破砕ヘッドを含んでいる。如何なる所望の形式の破砕システム又は破砕ヘッド(ロータ(rotor))は、円板(disc),スパイダー(spider),バレル(barrel)回転体,その他の如き、この発明の複数の例に従っている破砕ハンマーを含んで良い。
この発明のまたさらなる概念は、破砕ハンマー、例えば上述した形式の、を製造する方法に関係している。このような方法は、製造工程における核心を使用する必要性を避けて良く、製造工程の時間,コスト,そして複雑さを減少させることが出来る。