特許第5694269号(P5694269)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5694269
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】アンテナ共用器
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/52 20150101AFI20150312BHJP
   H03H 7/46 20060101ALI20150312BHJP
【FI】
   H04B1/52
   H03H7/46 A
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-230706(P2012-230706)
(22)【出願日】2012年10月18日
(65)【公開番号】特開2014-82700(P2014-82700A)
(43)【公開日】2014年5月8日
【審査請求日】2013年11月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】514250975
【氏名又は名称】スカイワークス・パナソニック フィルターソリューションズ ジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】藤原 城二
(72)【発明者】
【氏名】治部 徹
(72)【発明者】
【氏名】小松 禎也
(72)【発明者】
【氏名】中村 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】鶴成 哲也
(72)【発明者】
【氏名】西村 和紀
【審査官】 小池 堂夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−118611(JP,A)
【文献】 特開2006−311041(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/073377(WO,A1)
【文献】 特開2004−242280(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/52
H03H 7/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通端子と送信端子との間に接続され、弾性表面波フィルタからなる送信フィルタと、
前記共通端子と受信端子との間に接続され、弾性表面波フィルタからなる受信フィルタと、
前記共通端子、前記送信端子および前記受信端子の少なくとも2つの端子間に、前記送信フィルタまたは前記受信フィルタと並列に接続された回路部を具備し、
前記回路部は2個の容量と一端子対弾性表面波共振器からなる第1の共振器を有し、
2個の前記容量と前記第1の共振器は、2個の前記容量が前記第1の共振器を挟むように、前記端子間に直列に接続されたことを特徴とするアンテナ共用器。
【請求項2】
2個の前記容量の静電容量は、いずれも前記第1の共振器の静電容量よりも小さい請求項1に記載のアンテナ共用器。
【請求項3】
前記第1の共振器の共振周波数は前記送信フィルタの通過帯域内または前記受信フィルタの通過帯域内にある請求項1に記載のアンテナ共用器。
【請求項4】
2個の前記容量のうち前記送信端子に近い側の容量の静電容量を、前記受信端子に近い側の容量の静電容量よりも小さくした請求項1に記載のアンテナ共用器。
【請求項5】
さらに第1のグランド端子を有し、2個の前記容量の内の一方と前記第1の共振器とを接続する接続部と、前記第1のグランド端子との間にさらに一端子対の第2の共振器を設けた請求項1に記載のアンテナ共用器。
【請求項6】
前記送信フィルタと前記受信フィルタと前記回路部は同一圧電基板上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ共用器。
【請求項7】
前記送信フィルタは、
前記送信端子と前記共通端子を結ぶ信号ラインに直列に接続された直列腕共振器と、
第2のグランド端子と、
前記信号ラインと前記第2のグランド端子との間に接続された並列腕共振器とを有し、
前記圧電基板は互いに対向する第1と第2の端面を有し、
前記共通端子と前記並列腕共振器は前記圧電基板上における第1の端面側に設けられ、
前記直列腕共振器と前記回路部は前記圧電基板上における第2の端面側に設けられた請求項6に記載のアンテナ共用器。
【請求項8】
前記共通端子は前記圧電基板の長辺を等分した中央よりも受信フィルタ側に設けられた請求項6に記載のアンテナ共用器。
【請求項9】
前記共通端子と前記第2のグランド端子との間にいずれの弾性波共振器とも接続されていないダミーの端子を設けた請求項7に記載のアンテナ共用器。
【請求項10】
前記受信フィルタは前記共通端子と前記受信端子の間に縦続接続された第1の縦結合型共振器と第2の縦結合型共振器を有し、
第1の縦結合型共振器のグランド電極を接地するグランド端子と、
第2の縦結合型共振器のグランド電極を接地するグランド端子は、
前記圧電基板上で電気的に分離された請求項6に記載のアンテナ共用器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として移動体通信機器等において使用されるアンテナ共用器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話などの無線通信装置の小型化が進められている。このため、無線通信装置で用いられる部品点数を減らすことが検討されている。無線回路部においては、送信経路や受信経路の段間フィルタを削減することにより、無線通信装置の部品点数を減らすことができる。しかしながら、前記の部品点数の削減を実現するためにはアンテナ共用器のアイソレーション特性を向上させることが必要となる。
【0003】
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2010/073377号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1によればアンテナ共用器のアイソレーション特性は改善できるものの、アイソレーション特性が環境温度によって劣化するという課題があった。図9を用いて従来のアンテナ共用器の課題を説明する。図9は従来のアンテナ共用器1000の回路構成を示す図である。従来のアンテナ共用器1000は、共通端子1003と送信端子1004に接続された送信フィルタ1001と、共通端子1003と受信端子1005に接続された受信フィルタ1002とが、移相回路1006を介して共通端子1003側で接続されている。アンテナ共用器1000は、外部回路として容量1007を送信端子1004と受信端子間1005の間に接続することにより、経路Aにより伝送される信号と経路Bにより伝送される信号の位相差を約180°とすることができ、送信端子1004から受信端子1005に伝送される信号がキャンセルされアイソレーション特性が確保される。しかしながら、送信フィルタあるいは受信フィルタを構成する弾性波共振器の温度特性は容量1007の温度特性と異なるため、環境温度が変わると経路Aと経路Bの位相差が大きく変化し、アイソレーション特性が低下してしまう。
【0006】
本発明は、アイソレーション特性が良好で、環境温度変化によるアイソレーション特性の低下が少ないアンテナ共用器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、共通端子と送信端子との間に接続された送信フィルタと、前記共通端子と受信端子との間に接続された受信フィルタと、前記共通端子、前記送信端子および前記受信端子の少なくとも2つの端子間に、前記送信フィルタまたは前記受信フィルタと並列に接続された回路部を具備し、前記回路部は容量と共振器を具備する構成としたものである。
【発明の効果】
【0008】
このような構成としたことで、アイソレーション特性が良好で環境温度変化によるアイソレーション特性の劣化が少ないアンテナ共用器を得ることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態1におけるアンテナ共用器の回路構成図
図2】同アンテナ共用器の特性図
図3】本発明の実施の形態2におけるアンテナ共用器の回路構成図
図4】同アンテナ共用器の特性図
図5】アンテナ共用器の回路図
図6】アンテナ共用器の配線図
図7】本発明の実施の形態3におけるアンテナ共用器の回路構成図
図8】本発明の実施の形態3における他のアンテナ共用器の回路構成図
図9】従来のアンテナ共用器の回路構成図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態におけるアンテナ共用器について図面を参照して説明する。
【0011】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるアンテナ共用器100の回路構成を示す図である。
【0012】
図1において、アンテナ共用器100は、同一の圧電基板上に形成された送信フィルタ101および受信フィルタ102と、共通端子103と送信端子104と受信端子105とを有する。
【0013】
送信フィルタ101は、弾性表面波フィルタからなり、共通端子103と送信端子104に接続され、送信帯域は880〜915MHzである。受信フィルタ102は、弾性表面波フィルタからなり、共通端子103と受信端子105に接続され、受信帯域は925〜960MHである。このアンテナ共用器100が使用される通信機器(図示せず)の内部において、共通端子103はアンテナ(図示せず)に接続され、送信端子104は送信回路(図示せず)に接続され、受信端子105は受信回路(図示せず)に接続される。共通端子103側において送信フィルタ101と受信フィルタ102は共通接続され、移相回路106に接続されている。送信端子104と受信端子105は送信フィルタ101と受信フィルタ102とに並列に、容量111と共振器113と容量112がこの順に直列に接続された回路が接続されている。この容量111と共振器113と容量112は、送信フィルタ101と受信フィルタ102が形成された圧電基板の同一表面に電極パターンで形成したものであり、共振器113は弾性表面波共振器である。共振器113の共振周波数は929MHzに設定したものであり、受信帯域925〜960MHz内に配置したものである。容量111と共振器113と容量112がこの順に直列に接続された回路はアイソレーションを改善するための回路部115であり、共振器113の共振周波数を受信フィルタ102または送信フィルタ101の通過帯域内の周波数に設定することでアイソレーション特性が改善するとともに環境温度の変化に対してアイソレーション特性の劣化が少ないという優れたアンテナ共用器100を得ることができる。このような効果は共振器113の共振周波数を受信フィルタ102または送信フィルタ101の通過帯域内の周波数に設定することにより、受信フィルタ102または送信フィルタ101を構成する弾性表面波共振器と共振器113の温度による周波数ドリフト特性がほぼ等しいために得られる。
【0014】
図2は本発明の実施の形態1におけるアンテナ共用器100のアイソレーション特性を示す図である。図2において、実線は本発明の実施の形態1におけるアンテナ共用器100のアイソレーション特性であり、破線は比較例のアイソレーション特性である。
【0015】
ここで、比較例は、図1におけるアンテナ共用器100においてアイソレーション改善用の回路部115を有さず、送信フィルタと受信フィルタと移送回路は本発明の実施の形態1におけるアンテナ共用器100と同じものを使用したものであり、比較例の回路構成は図9に示す従来のアンテナ共用器1000と同様の回路構成を有する。また、本発明の実施の形態1におけるアンテナ共用器100と同様、比較例の送信帯域は880〜915MHz、受信帯域は925〜960MHzである。
【0016】
図2において、アイソレーション特性はマイナスの方向に大きな値であるほど特性が良好であることを意味する。図2から判るように、本発明の実施の形態1におけるアンテナ共用器100は、受信帯域におけるアイソレーション特性が945〜960MHzにおいて大きく改善していることがわかる。
【0017】
以上のように、本発明の実施の形態1におけるアンテナ共用器100は、共通端子と送信端子との間に接続された送信フィルタと、前記共通端子と受信端子との間に接続された受信フィルタと、前記共通端子、前記送信端子および前記受信端子の少なくとも2つの端子間に、前記送信フィルタまたは前記受信フィルタと並列に接続された回路部を具備し、前記回路部は容量と共振器を具備することにより、アイソレーション特性を大きく改善することができるものである。
【0018】
なお、上記実施の形態1におけるアンテナ共用器100において、送信フィルタ101と受信フィルタ102と共振器113は、弾性表面波フィルタおよび弾性表面波共振器により構成したものであったが、送信フィルタ101と受信フィルタ102と共振器113を、弾性境界波フィルタおよび弾性境界波共振器により構成しても良いものであり、上記実施の形態1におけるアンテナ共用器100と同様にアイソレーション特性を向上することができるという効果を有する。
【0019】
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2におけるアンテナ共用器200の回路構成を示す図である。本発明の実施の形態2におけるアンテナ共用器200において、本発明の実施の形態1におけるアンテナ共用器100と同じ構成要素については同一番号を付し、その説明は省略する。
【0020】
本発明の実施の形態2におけるアンテナ共用器200において使用する送信フィルタ101と受信フィルタ102と移相回路106は、図1で示した本発明の実施の形態1におけるアンテナ共用器100に使用したものと同じ設計のものであり、本発明の実施の形態2におけるアンテナ共用器200は、本発明の実施の形態1におけるアンテナ共用器100と同じ送信帯域880〜915MHzおよび受信帯域925〜960MHzを有する。
【0021】
本発明の実施の形態2におけるアンテナ共用器200が、図1で示した本発明の実施の形態1におけるアンテナ共用器100と異なる点は、共振器114が容量111と共振器113との接続部とグランド間に接続されていることである。このような構成にすることでアイソレーション特性を更に改善することができる。また、共振器114の共振周波数を送信フィルタまたは受信フィルタの通過帯域近傍の周波数に設定することで環境温度の変化に対してアイソレーション特性劣化の少ないという優れたアンテナ共用器を得ることができる。
【0022】
受信帯域におけるアイソレーションを改善する場合、共振器113の共振周波数を受信帯域の周波数範囲内にあたる929MHzとし、共振器114の共振周波数を送信帯域の近傍の周波数である916MHzのように設定することで受信帯域におけるアイソレーション特性を格段に改善できるとともに、環境温度の変化に対してアイソレーション特性劣化の少ないという優れたアンテナ共用器を得ることができる。このような効果は共振器113の共振周波数を受信フィルタの通過帯域内の周波数に設定し、共振器114の共振周波数を送信フィルタの通過帯域近傍の周波数にすることにより、受信フィルタまたは送信フィルタを構成する共振器と共振器113および共振器114の温度による周波数ドリフト特性がほぼ等しいために得られる。
【0023】
図4は本発明の実施の形態2におけるアンテナ共用器200のアイソレーション特性を示す図である。図4において、実線は本発明の実施の形態2におけるアンテナ共用器200のアイソレーション特性であり、破線は比較例のアイソレーション特性である。ここで、比較例は、実施の形態1において説明した比較例と同じものである。
【0024】
図4から判るように、受信帯域925〜960MHzの全周波数範囲においてアイソレーション特性の大幅な改善が見られる。
【0025】
図5は本発明の実施の形態2におけるアンテナ共用器200の詳細な回路図である。図5において送信フィルタ101は送信端子104と共通端子103を結ぶ信号ラインに直列腕共振器S1、S2、S3、S4、S5が順に直列接続されている。信号ラインとグランドの間には、並列腕共振器P1、P2、P3、P4、P5が接続されている。図5において受信フィルタ102は共通端子103から受信端子105の間に一端子対共振器R1と第1の縦結合型共振器R2と第2の縦結合型共振器R3が縦続接続されている。更に、送信端子104と受信端子105の間に、送信フィルタ101と受信フィルタ102に並列に回路部215が接続されている。回路部215において、容量111と共振器113と容量112がこの順に直列接続され、共振器114が容量111と共振器113の接続部とグランドの間に接続されている。
【0026】
容量111と容量112は共振器113の静電容量よりも小さな容量値に設定し、送信端子104に近い容量111の方が受信端子105に近い容量112より小さな容量に設定されている。このように設定することでアイソレーション特性を良好にすることができる。
【0027】
図6は、図5で示した本発明の実施の形態2のアンテナ共用器200の圧電基板上に構成したときのレイアウトと結線を示した図である。図6において、圧電基板1の一主面に、送信フィルタを構成する直列腕共振器S1、S2、S3、S4、S5と並列腕共振器P1、P2、P3、P4、P5と受信フィルタを構成する一端子対共振器R1と第1の縦結合型共振器R2と第2の縦結合型共振器R3と容量111、112と共振器113、114とが、形成されている。このように1つの圧電基板上に形成することにより小型でアイソレーション特性に優れたアンテナ共用器を得ることが可能になる。圧電基板1の長辺側に共通端子103が形成され、送信フィルタを構成する並列腕共振器P1、P2、P3、P4、P5は共通端子103が形成された端面側に配置され、直列腕共振器S1、S2、S3、S4、S5は共通端子103が形成された端面に対向する端面側に配置されている。また、アイソレーション改善用の回路部を形成する共振器113と114は共通端子103が形成された端面に対向する端面側に配置されている。このような配置にすることでアイソレーション特性が改善される。
【0028】
共通端子103は圧電基板1の長辺を等分した中央より受信フィルタ側に配置されている。このようにすることで送信フィルタを構成する直列腕共振器および並列腕共振器の占める面積を大きくするとともに圧電基板上の配線を短くすることができるため耐電力性に優れ、かつ配線の抵抗損失の小さなアンテナ共用器が得られる。
【0029】
さらに、共通端子103と送信フィルタの並列腕共振器のグランド端子121、122の間に共振器と電気的に接続されていないダミーの端子123、124を設けている。このような構成とすることで、並列腕共振器から共通端子103への電磁界結合による回り込みを防止し、アイソレーションを改善できる。
【0030】
125は第1の縦結合型共振器R2のグランド電極を接地する端子であり、126は第2の縦結合型共振器R3のグランド電極を接地する端子であり、125と126を圧電基板上で電気的に分離された構成にしている。
【0031】
このようにすることで受信フィルタの減衰特性を良好とし、アイソレーション特性を良好にすることができる。
【0032】
127は共振器114の接地端子であり、123、124、128、129の各々はいずれの共振器とも接続されていない端子であり、接地されている。
【0033】
これらの端子は圧電基板の固着力強化をする他、送信端子と共通端子、受信端子と共通端子、または送信端子と受信端子の間のアイソレーションを向上する効果がある。
【0034】
(実施の形態3)
図7は本発明の実施の形態3におけるアンテナ共用器300の回路構成を示す図である。本発明の実施の形態3におけるアンテナ共用器300において、本発明の実施の形態1におけるアンテナ共用器100と同じ構成要素については同一番号を付し、その説明は省略する。
【0035】
本発明の実施の形態3におけるアンテナ共用器300が、図1で示した本発明の実施の形態1におけるアンテナ共用器100と異なる点は、アイソレーション特性を改善するための回路部315が送信フィルタ101に並列接続されるよう送信端子104と共通端子103との間に容量111と共振器113と容量112が直列接続されている点である。このような構成にすることで送信フィルタ101の受信帯域における減衰量を大きくすることができ、その結果、受信帯域におけるアイソレーション特性を向上できる。
【0036】
図8は、本発明の実施の形態3における他のアンテナ共用器400の回路構成を示す図である。本発明の実施の形態3における他のアンテナ共用器400において、本発明の実施の形態1におけるアンテナ共用器100と同じ構成要素については同一番号を付し、その説明は省略する。
【0037】
本発明の実施の形態3における他のアンテナ共用器400が、図1で示した本発明の実施の形態1におけるアンテナ共用器100と異なる点は、アイソレーション特性を改善するための回路部415が受信フィルタ102に並列接続されるように、受信端子105と共通端子103との間に容量111と共振器113と容量112が直列接続されている点である。このような構成にすることで受信フィルタの送信帯域における減衰量を大きくすることができ、その結果送信帯域におけるアイソレーション特性を向上できる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明に係るアンテナ共用器は、各種通信機器を構成する電子部品として有用である。
【符号の説明】
【0039】
100、200、300、400 アンテナ共用器
101 送信フィルタ
102 受信フィルタ
103 共通端子
104 送信端子
105 受信端子
106 移相回路
111、112 容量
113、114 共振器
115、215、315、415 回路部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9