(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
対向するハブアセンブリであって、それぞれが、ハブプレートと、前記シャフトに対して前記対応する複数のブレードの対向する端部を堅固に固定するための複数の取り付けブラケットと、を含んでいる、対向するハブアセンブリを、さらに具備してなることを特徴とする請求項1に記載のタービン。
前記シャフトに対して前記対応するハブアセンブリを堅固に固定するための対向するシャフトカプラーを、さらに具備してなることを特徴とする請求項1に記載のタービン。
前記複数のブレードのそれぞれは、前記略球状タービンの外周まわりの円弧内で略180度にわたって延在しており、かつ、前記複数のブレードのそれぞれによって画定される平面は、前記シャフトの前記中心軸線と略30度の角度で交差することを特徴とする請求項1に記載のタービン。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,451,137号明細書
【特許文献2】米国特許第5,642,984号明細書
【特許文献3】米国特許第6,036,443号明細書
【特許文献4】米国特許第6,155,892号明細書
【特許文献5】米国特許第6,253,700号明細書
【特許文献6】米国特許第6,293,835号明細書
【特許文献7】米国特許第5,405,246号明細書
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1は、球状タービンを備えた本発明に係るパイプ内流体発電システム10の第1実施形態の分解組み立て図である。本発明の一実施形態に基づくシステム10は、T字形断面流体(概して、水などの液体あるいは空気などの気体あるいは有用な流動特性を示す同様の物質を包含する)パイプ12と、バルクヘッドすなわち発電機アセンブリ14と、球状タービンアセンブリ96とを含む。当業者にとって、
図2を参照すれば、組み立てられかつパイプ12を通る流体の流れによって駆動されるとき、タービンアセンブリ96が回転し、そしてシステム10が、貯蔵し、消費し、そして電力グリッドへと供給することができる流体発電電力を発生させることは明らかである。
【0007】
パイプ12は略円筒形であり、概して円形断面を有するが、本発明の趣旨および範囲内において、それは僅かに楕円状となった断面を有していてもよい。パイプ12は、通常、より長く、そしておそらくは、より複雑な流体輸送すなわちパイプシステムの一部であり、そして除去および除去されたセクションを電力システム10で置き換えることによって、既存のパイプシステムは本発明に係る電力システム10を用いて容易に改善できることは明らかである。したがってパイプ12は、上流側および下流側のパイプ端部(図示せず)に対して、いずれかの端部でボルト結合するための円形フランジ12aおよび12bを備える。パイプ12は、側壁の第1の領域に小開口12cを、そしてその直径方向に対向する領域に大開口12dを備える。図から明らかであるように、小開口12cはそれを貫通するようにタービンのシャフトを収容し、一方、大開口12dはタービンアセンブリ96を、それを経て収容する。パイプ12はまた、パイプ12の長軸線と直交するように大開口12dと効果的に係合するフランジ付きT字交差パイプ断面(いわゆる「ティー」)を備える。
【0008】
発電機キャップアセンブリ14は、システム10が組み立てられたとき大開口12dを覆い、すなわちそれを閉塞するよう効果的に機能する円形アーチ状プレート18を含む。アーチ状プレート18は、それを通って流体が流動するためのパイプ12内に隣接円筒壁をもたらし、これによって、さもなければティーセクション内でポケット容積として機能するであろうものの中でのキャビテーションあるいはその他のスムーズな流体の流れを阻害するものを排除する。3ベーンの、円筒形スペーサ20は、環状シール22aおよび円形プレート22bを含むカバープレート22がフランジ12eにボルト結合された際に、ティーセクション内の適所にてアーチ状プレート18を保持する。円形プレート22bは、それ自体に開口22baを有し、その周囲で取り付けブロック24が延在している。ローラーベアリングアセンブリを含む第1のマウント26は、それを介したスムーズな回転のためにタービンアセンブリ96のシャフトの遠位端部を支持する。平らなシム22bbを、取り付けブロック24と円形プレート22bとの間に設けることができる。
【0009】
上記円形プレート22bの代替例が
図6Aおよび図6Bに示されているが、これは、ティーセクション12eの内部を示す断面図である。当業者にとって、
図6Aおよび図6Bにおける絶対的および相対的寸法は一定率での縮尺でないことは明らかである。なぜなら、それらは大まかな構造比較を目的としたものであるからである。
【0010】
図6A(これは上記の平坦な円形プレート22bを示す)と
図6B(これは球状凹面円形プレート22b'を示す)との並列比較は、代替プレート22b'の、ある重要な利点を明らかにする。平坦な円形プレート22bは比較的厚みのある素材から形成する必要があり、したがって、それは重く、取り扱いが困難である。球状凹面円形プレート22b'は、その一方で、比較的薄い素材から形成されることは明らかであり、したがって、それは著しく軽量であり、かつ、取り扱いが著しく容易である。
【0011】
これは、代替プレート22b'の湾曲のためである。
【0012】
さらに、平らな円形プレート22bの中央領域は、タービンアセンブリから、より遠くにあることは明らかであり、したがって、都合の悪いことに、タービンのシャフトの長さを引き伸ばしている。逆に、球状凹面円形プレート22b'の中央領域はタービンアセンブリに、より近接していることは明らかであり、これによって、望ましいことに、タービンのシャフトの必要長あるいは鉛直スパンが短縮される。
【0013】
これもまた、代替プレート22b'の湾曲のためである。
【0014】
図6Bから、凹面プレート22b'は、発電機アセンブリ(この図では簡便のために示していない)から内側に、そしてタービンアセンブリ96'(この図では、二点差線によって大まかに示されており、タービンアセンブリ96との差異は、より短いシャフト64'を備えることである)に向かって突出する凹面を備えた略球形状のものであることが分かる。この内側にあるいは下方に向けられた凹面円形プレートは、逆ドーム(あるいは逆キューポラ)と見なすことができ、かつ、逆ドームとして説明する。球状凹面形状が図示説明されているが、当業者にとっては、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、好適な変更を、それに対して施すことが可能であることは明らかである。たとえば、さまざまなアスペクト比の(すなわち、その一つのみが簡便のためにある程度意図的な深さの誇張を伴って図示されている、さまざまな深さ対幅比の)その他の曲線断面がそうであるように、半円断面ではなく、放物線を描く逆ドームも可能である。また、断面に関してキューポラ形状のプレートは、より丸みを帯びた上側ショルダーを有することができ、複雑な湾曲と見なすことが可能なものを形成する。全てのそうした好適な代替形態は、本発明の趣旨および範囲内のものであると見なされる。
【0015】
当業者にとって、そうした代替実施形態における取り付け構造の細部は、逆キューポラ形状円形プレート22b'およびパイプ12の標準フランジ12eに対する環状シール22aを介した、そのボルト結合アセンブリに対応するために簡単に改変されていることは明らかである。たとえば、取り付けブロック24'は、逆キューポラの内側の球状凹面湾曲と係合しかつそれをシールするために球状凸面状に湾曲したシム22bb'を含んでいてもよい。発電機32は、球状凹面プレート22b'の中央領域の開口の真上で、タービンのシャフトの遠位端部に対して、それと回転するために取り付けられることは明らかである。代替球状凹面円形プレート22b'のための、その他のコンポーネントおよび技術は、本発明の趣旨および範囲内のものであると見なされる。
【0016】
発電機サブアセンブリ28は、円形プレート22bの円形孔装備を介してボルト結合される。発電機サブアセンブリ28は、タービンのシャフトと結合可能な発電機32を収容するための環状スペーサすなわちスタンドオフ30、第1の機械式リフトタブ34aを備えた環状リム34、および第2の機械式リフトタブ36aを有するキャップ36を含む。当業者にとって、タブ34aおよび36aが、組み立て、分解あるいはメンテナンスの間、組み立てられたティーセクション電力発生コンポーネントの全て、あるいは一部を持ち上げるための便利なタブを提供することは明らかである。当業者にとって、発電機は、直流あるいは交流電流(DCあるいはAC)でかつ単相あるいは三相、同期120VACあるいは240VACなどであってもよく、かつ/または、電力グリッド要求条件に依存して一方から他方へと転換可能であることは明らかである。
【0017】
取り付けプレート12fが小開口12cの周りでパイプ12に溶接されており、第2のマウント38は、その中でのスムーズな回転のためにタービンアセンブリ96のシャフトの遠位端部を支持するローラーベアリングアセンブリを含んでいる。当業者にとって、円筒形パイプ12の円形断面に適応するために、本発明の第1実施形態に基づく第1のマウント26は、外側の平らな面およびパイプの外部円筒面と係合するための内側の円筒面とを有するシム(詳しくは図示していないが、この説明から当業者には自明である)を含むことは明らかである。このシムは、機械加工でき、あるいは適当なプロセスによってかつシャフトとそれを経てシャフトが突出するパイプ開口との間で良好なシーリング係合を保証する適当な素材から形成できる。本明細書中で説明しかつ/または図示したシムはいずれも任意のものであり、なぜなら、いずれも、対応する取り付けブロックあるいはプレートに容易に組み付けることができるからである。
【0018】
第1および第2のマウント26および38は、本発明の趣旨および範囲内で代替的形態をとることができるが、たとえば、スリーブベアリングあるいはその他の滑り摩擦機構ではなく、転がり摩擦のみを生じる球状ローラーベアリングを用いることで、軸方向および半径方向のスラストハンドリングが最も良好に達成される。本明細書中で説明したローラーベアリングマウントは、約3〜4フィート/秒(fps)程度のパイプ12を通過する流体流速によって電力を発生させるために、システム10が安全に、確実に、そして永続的に作動することを可能とする。
【0019】
当業者にとって、タービンアセンブリ96はパイプ12の大開口12dを経て滑り込ませられ、かつ、そのシャフトの遠位端部は第2のマウント38に固定されていることは明らかである。発電アセンブリ14がパイプ12のフランジ12e上にボルト結合され、流体発電システム10は作動準備が完了する。発電システム10は、パイプシステム(図示せず)の一部に組み込まれ、あるいは、さもなければそれに対して設けられる。流体がパイプ12を経て流れるとき、発電システム10は電力を発生させる。
【0020】
驚くべきことに、本明細書中で説明しかつ図示したようなタービンアセンブリは、約3〜4フィート/秒(fps)程度の流体流速によって回転することが分かっている。
【0021】
当業者にとって、意図的に広範な用語「回転楕円状」は「球状」との用語に代えて使用可能であり、その逆も同様であることも明らかであり、僅かにあるいはある程度、断面に関して円形あるいは楕円形から逸脱した回転楕円状タービンは、相応に、ある程度、断面に関して円形あるいは楕円形から逸脱した円筒形パイプ内で生産的に使用可能である。本発明に関する、これらおよびその他の変形例は、本発明の趣旨および範囲内のものであると見なされる。
【0022】
図2は組み立てられたシステム10の側面図である。
図2は、それが対応する
図1を参照した上記説明に鑑みると、概ね説明を要しないと考えられる。
図2から、球状タービンアセンブリの「ソリディティ」は、多数のブレードの数およびその個々の形態およびピッチに依存して、約15%ないし30%であることは明らかである。本発明の一実施形態に基づく、複数の球状タービンブレードのそれぞれと、シャフトの中央軸線との交差角度は約30度であるが、それ以外の角度も本発明の趣旨および範囲内のものであると見なされることは明らかである。たとえば、交差角度は、代替的に、ただし、本発明の趣旨および範囲内で、約10ないし45度であっても、さらに好ましくは約15ないし35度であっても、最も好ましくは約25度ないし35度であってもよい。有用な範囲内の、いかなる好適な角度も、本発明の趣旨および範囲内のものであると見なされる。
【0023】
本明細書で説明した実施形態は4枚ブレード球状タービンアセンブリであるが、僅か2枚のブレードおよび20枚ものブレードも、本発明の趣旨および範囲内のものであると見なされる。さらに好ましくは、概ね2枚ないし11枚のブレードが考えられる。最も好ましくは、概ね3枚ないし7枚のブレードが考えられる。約180度円弧球状タービンブレードのその他の数および形態も、本発明の趣旨および範囲内のものであると見なされる。当業者にとっては、おそらく
図3から、球状タービンアセンブリのブレードは、翼形断面によってその全長に沿って特徴付けられることは明らかである。これは、流体発電電力の発生時にタービンの流体力学および効率をもたらす。本発明のこの球状タービン実施形態によれば、回転する球状タービンアセンブリの周囲のおよびパイプ内の十分なクリアランスが提供され、タービンスイープ境界における流体の好ましくない圧縮が回避される(
図2参照)。
【0024】
当業者にとって、(本発明の趣旨および範囲内の)球状タービンブレードは、いかなる好適な素材から、そしていかなる好適なプロセスから形成されてもよいことは明らかである。たとえば、ブレードは、アルミニウム、好適な複合材、あるいは好適な強化プラスチック素材から形成できる。ブレードは、回転あるいは射出成形、押し出し、引き抜き、曲げ、あるいは使用される素材と適応し、かつ実質的に一定の断面を有する長尺体のコスト効率のよい生産と適応する、その他の成形技術によって形成できる。上記およびその他の有用な素材およびプロセスは、本発明の趣旨および範囲内のものであると見なされる。
【0025】
本発明の図示する実施形態によれば、球状タービンブレードの翼形断面は認定NACA20標準に一致するが、代替翼形断面も本発明の趣旨および範囲内のものであると見なされる。
【0026】
図3は、球状タービン96の分解組み立て斜視図である。球状タービン96は上側および下側ハブアセンブリ98および100を含む。各ハブアセンブリは、ハブプレート102および四つの取り付けブラケット104,106,108および110を含む(簡便のために上側ハブアセンブリのみが、そのように指し示されている)。ハブプレート102は平坦であって、かつ、鋸刃状(回転の円形断面輪郭に追従するための曲線およびブレードの端部の当接および同一面状の取り付けを可能とするための直線が交互に並ぶ)周囲縁部を有するが、その直線状部分が、図示のとおり、取り付けブラケットを支持する。取り付けブラケットは、四つの球状ブレード112,114,116および118をそれぞれ、指定された角度、たとえば好ましくは約30度で、各湾曲ブレードによって大まかに描かれる面とシャフトの中心軸線との間で支持する。当業者にとって、球状ブレード112,114,116および118がまた翼形断面、たとえばNACA20あるいはその他の好適な基準を有することは明らかである。上側および下側分割シャフトカプラー120および122が、シャフト64に対してハブアセンブリを堅固に固定するために使用される。本発明のある実施形態によれば、複数のブレードに対してボルト結合された取り付けブラケットは、図示するガイドピンおよびアライメントのための孔を用いて、溶接によってハブプレートに固定される。六角ボルト、ロックワッシャーおよびセットスクリューなどの好適なファスナーが、図示のとおり、球状タービンアセンブリ96の残りのコンポーネント部品を組み立てるために使用される。
【0027】
図4は組み立てられた球状タービン96の斜視図である。
図4は、それが対応する
図3を参照した上記説明に鑑みると、概ね説明を要しないと考えられる。回転する球状タービンアセンブリの動的クリアランスは、その静的クリアランスよりも大きく、かつ、パイプのIDに対して円筒形タービンを僅かに小さなサイズとすることで、たとえば、パイプ12の直径およびその他の用途細目に依存して、約0.5センチメートルないし5センチメートルの、好ましくは約1センチメートルないし3センチメートルの小さな、ただし好ましくは一定のクリアランスを付与することで、適応させられる。こうした間隔は単なる例証であり、限定を意図していない。なぜなら、他の間隔も、本発明の趣旨および範囲内のものであると見なされるからである。
【0028】
図5は、本発明の別な実施形態に基づく装置を示している。代替システム10'は上記システム10と類似しており、したがって、同一のコンポーネントに関しては同じ参照数字を、そして類似のコンポーネントに関してはプライム付き参照数字を使用する。システム10'は、さらに、上流側デフレクター122を含むことが分かる(簡便のために、
図5ではタービンおよび発電機アセンブリなどを省略している)。ある実施形態に基づくデフレクター122は、パイプ12の内部円形断面と曲線的に合致する第1の、僅かに傾斜した延在片122aと、円形断面球状タービンに向かって延在すると共にそれと概ね合致する凹面状に湾曲した内側自由縁部122baを形成する第2の、より傾斜した延在片122bとを含む、2枚以上の平坦な延在片からなっている。二つの延在片は、パイプの中心軸線に対するその傾斜角度内で中断を生じる係合ラインに沿って溶接されるか、あるいはその他の方法で接合される。デフレクター122は、したがって、システム10'の稼働中、エネルギーの生産力が最も低く、したがって、より低い流速で望ましくないストールが発生し得る回転円弧内で球状タービンの回転するブレードの外側回転範囲を効果的に遮蔽する。
【0029】
驚くべきことに、タービンアセンブリ96の上流領域付近のデフレクター122は、パイプ内にそうした上流側デフレクターを持たない球状タービンの公称出力に対して、約14%ないし40%だけ、より確実には約20%ないし30%だけ電気エネルギー発生量を増大させることができることが判明している。
【0030】
当業者にとって、デフレクターの有効範囲およびタービンのスイープとの間の比率は、約10%ないし40%、より好ましくは約20%ないし30%であってもよいことは明らかである。当業者にとってはまた、デフレクター有効範囲の大きさは用途固有であってもよいことは明らかである。なぜなら、それは体積流量および水頭減少との間でトレードオフを示すからである。したがって、タービンスイープに対するデフレクター有効範囲の代替レンジは、本発明の趣旨および範囲内のものであると見なされる。
【0031】
当業者にとってはまた、デフレクター122はいかなる好適な素材、たとえばスチールから形成されてもよいこと、そして、球状タービン96の上流領域における所望の流体流量調整のための寸法および向きとすることができることは明らかである。本発明のある実施形態によれば、デフレクター122は、その自由縁部122baにおいて90度未満の角度で、パイプ12の長軸線に対して傾斜している。パイプ12の中心軸線に対するデフレクターの自由縁部のいわゆる出口角は、好ましくは、約10度ないし40度である。本発明のある実施形態によれば、延在片122aは約15度だけ傾いており、かつ、延在片122bはパイプ12の中心軸線から約30度だけ傾いている。だが、その他の傾斜角度も、本発明の趣旨および範囲内のものであると見なされる。
【0032】
当業者にとっては、デフレクター122が、本発明の趣旨および範囲内で、異なる形態をとることができることは明らかである。たとえば、デフレクター122は、それがパイプ12の中心軸線に向かって半径方向内側に延びるとき、二つよりも多くかつより短い部品状平坦セグメントを有することができ、これによって、滑らかで、かつ、好ましくは円筒カーブが良好に模倣されるが、その中心軸線は、好ましくは、タービンの回転軸線と概ね平行(すなわちシャフト64の長軸線と概ね平行)である。実際、本発明の趣旨および範囲内のデフレクター122は、そのパイプ係合縁部とその自由縁部との間で滑らかに円筒状に湾曲していてもよい。
【0033】
本発明のある実施形態に基づくデフレクター122の自由縁部122baは、その高さに沿ったその内側範囲を、球状タービンのブレードの全体的湾曲と概ね一致させるために凹面状に湾曲している。いかなる好適な直線状あるいは滑らかなカーブあるいは曲率半径も本発明の趣旨および範囲内のものであると見なされる。
【0034】
当業者にとって、上記球状タービンは、電力発生以外の動力変換システムにおいて機能し得ることは明らかである。たとえば、流体の軸方向運動エネルギーは、発電機あるいは好適な代替物を含む回転機械(たとえば、コンベア、グラインダー、ドリル、鋸、ミル、フライホイールなど)のための回転運動エネルギーへと変換できる。本発明に係る流体タービンの全てのそうした用途は、本発明の趣旨および範囲内のものであると見なされる。
【0035】
当業者にとって、その多くの実施形態における、本発明に係るシステムの配置は、単なる例証であり、本発明の範囲の限定として解釈すべきではないことは明らかである。したがって、上側および下側といった用語の使用は、絶対的なものではなく相対的なものであると解釈すべきであり、それは互換性がある。すなわち、上記システムは、発電機およびタービンシャフトを収容するバルクヘッドがパイプの長軸線に対して上方または下方に延在する状態で、(本発明の趣旨および範囲内で)垂直な向きさえ呈することができる。実際、上記システムは、タービンのシャフトが流体の流動の方向に対して概ね直交するように延在する、その他の好適な、いかなる角度をも呈することができる。
【0036】
当業者にとって、本発明に係るシステムのコンポーネント部分は、スチールおよびアルミニウムを含む、いかなる好適な素材から形成されてもよいことは明らかである。たとえば、タービンシャフト、フラットプレートおよびデフレクターがそうであるように、ほとんどの部品は、スチールであってもよい。ハブ、カップリングブロックおよびブレードを含む残りの部分は、機械加工されるか、押し出し成形されるか、あるいは引き抜き成形されるアルミニウム(ブレードは続いてロール成形されかつ/または所望の形状へと湾曲させられる)、あるいは射出成形された強化プラスチックからなっていてもよい。いかなる代替素材およびいかなる代替成形プロセスも、本発明の趣旨および範囲内のものであると見なされる。
【0037】
当業者にとってはまた、本発明に係るシステムは、その用途に応じて、容易に寸法を増減できることは明らかである。寸法は概して本明細書中では提示していないが、寸法は比例的に正確に示されていることは明らかであるから、その絶対スケールは(本発明の趣旨および範囲内で)変更可能である。
【0038】
当業者にとって、二つ以上の流体発電システムを、水輸送パイプ内にかつそれに沿って、所定の間隔で(直列に)設置して、これによって発生電力を増大させることができることは明らかである。当業者にとってはまた、並列配置の二つ以上の流体発電システムを水輸送パイプの枝管内に設置して、これによって代替的にあるいは付加的に発生電力を増大させることができることは明らかである。当業者にとっては、潮汐(双方向、往復)流れ用途における、そうしたシステムの使用のために、必要ならば、本明細書において説明しかつ図示した流体発電システムに対してキックスタート機構を付加できることは明らかである。当業者にとってはまた、ベアリングの故障などの場合に自己破損を阻止するために、本発明に係るパイプ内流体発電システムの使用の際に、フェールセーフモードの運転を実現できることは明らかである。最後に、当業者にとって、本明細書中で説明しかつ図示したような、そうした流体発電システムは、要因から発電システムを保護し、かつ/または電力ケーブルあるいは近くの貯蔵デバイスあるいは電力グリッドへのその他の適当な輸送手段に沿った電力分配を容易にする外部スリーブ管路内に配置されてもよいことは明らかである。
【0039】
本発明は、本明細書中で説明し図示した、手法あるいは構造の細部、製造法、素材、用途あるいは使用法に限定されるものではない。実際、代替実施形態として、好適な製造法、使用法あるいは用途が考えられ、したがってそれは本発明の趣旨および範囲内のものである。
【0040】
用途、使用あるいは運転方法、形態、製造方法、形状、サイズあるいは素材の変更によって生じる本発明の別な実施形態(これは本明細書あるいは図面には開示されていないが当業者にとっては明らかであろう)は、本発明の範囲内のものであることがさらに意図されている。
【0041】
したがって、本発明に関して、本発明に係る装置の上記実施形態を参照して図示・説明してきたが、形態および細部におけるその他の変更は、特許請求の範囲に規定された本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、その中でなし得ることは当業者にとって自明である。