特許第5694325号(P5694325)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5694325
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】サイバーフィジカルゲーム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/47 20140101AFI20150312BHJP
   A63F 13/57 20140101ALI20150312BHJP
   A63F 13/65 20140101ALI20150312BHJP
   A63F 13/812 20140101ALI20150312BHJP
【FI】
   A63F13/47
   A63F13/57
   A63F13/65
   A63F13/812 D
【請求項の数】17
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-524713(P2012-524713)
(86)(22)【出願日】2010年6月7日
(65)【公表番号】特表2013-501575(P2013-501575A)
(43)【公表日】2013年1月17日
(86)【国際出願番号】US2010037563
(87)【国際公開番号】WO2011022108
(87)【国際公開日】20110224
【審査請求日】2012年2月10日
(31)【優先権主張番号】12/541,940
(32)【優先日】2009年8月15日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】509348786
【氏名又は名称】エンパイア テクノロジー ディベロップメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109586
【弁理士】
【氏名又は名称】土屋 徹雄
(72)【発明者】
【氏名】ポトコニャック,ミオドラッグ
【審査官】 木村 隆一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−308757(JP,A)
【文献】 特開2001−347074(JP,A)
【文献】 特開2003−320164(JP,A)
【文献】 特開2005−218757(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00−13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ装置によって、サイバーフィジカルゲームにおいて実際のスポーツゲームをモデル化するための方法であって、
前記コンピュータ装置が、前記実際のスポーツゲームがプレーされている第1の時点に前記実際のスポーツゲームから収集された、前記実際のスポーツゲームにおける第1の組のイベントに関連する第1の組のデータを受けること、
前記コンピュータ装置が、前記第1の組のデータに基づいて、前記サイバーフィジカルゲームにおける第1のモデル化されたイベントと、前記第1のモデル化されたイベントに関連する第1の目標を生成すること、
前記コンピュータ装置が、前記サイバーフィジカルゲームがプレーされているときに第2の組のデータを受けること、
得点記録を生成するため、および前記実際のスポーツゲームがプレーされているときに前記サイバーフィジカルゲームを続けるかどうかを判定するために、前記第1の目標に鑑みて前記第2の組のデータを評価すること
を含み、
前記第2の組のデータを評価することは、
前記サイバーフィジカルゲームを続けると判定された場合には、
前記コンピュータ装置が、前記実際のスポーツゲームがプレーされている第2の時点に前記実際のスポーツゲームから収集された、前記実際のスポーツゲームにおける第2の組のイベントに関連する第4の組のデータを受けること、
前記コンピュータ装置が、前記第4の組のデータに基づいて、前記サイバーフィジカルゲームにおける第2のモデル化されたイベントと、前記第2のモデル化されたイベントに関連する第2の目標を生成すること、を含み、
前記第2の時点は前記第1の時点よりも後で、前記第1の組のイベントと前記第2の組のイベントは、前記実際のスポーツゲームにおいて連続していないことを特徴とする、
方法。
【請求項2】
第1の組のデータを受けることが、第2の組のデータを受けることよりも前に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の組のデータを評価することが、前記実際のスポーツゲームから第3の組のデータを受け、前記第3の組のデータを用いて、前記サイバーフィジカルゲームのプレーヤによって取られるアクションに対して得点を与えられるか否かを決定することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記コンピュータ装置が、前記実際のスポーツゲームにおける選手に関係する一組のヒストリカルデータを取り出し、前記第2の組のデータと前記一組のヒストリカルデータに基づいて、前記選手が前記サイバーフィジカルゲームによって生成された状況にどのように対処するかを予測することにより、前記サイバーフィジカルゲームによって生成された状況に前記選手が成功裡に対処する確率を決定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記コンピュータ装置が、前記確率を確定するために、前記一組のヒストリカルデータに統計的技法を適用することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記コンピュータ装置が、ランダムに生成された数と前記決定された確率との比較結果に基づいて、前記サイバーフィジカルゲームのプレーヤによって取られるアクションに対して得点を与えられるか否かを決定することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
サイバーフィジカルゲームにおいて実際のスポーツゲームをモデル化するためのコンピュータ装置であって、
メモリと、
前記メモリとインタフェースするように構成された処理装置であって、
前記実際のスポーツゲームがプレーされている第1の時点に前記実際のスポーツゲームから収集された、前記実際のスポーツゲームにおける第1の組のイベントに関連する第1の組のデータを受け、
前記第1の組のデータに基づいて前記サイバーフィジカルゲームにおける第1のモデル化されたイベントと、前記第1のモデル化されたイベントに関連する第1の目標を生成し、
前記サイバーフィジカルゲームがプレーされているときに第2の組のデータを受け、
得点記録を生成するため、および前記実際のスポーツゲームがプレーされているときに前記サイバーフィジカルゲームを続けるかどうかを判定するために、前記第1の目標に鑑みて前記第2の組のデータを評価し、
前記第2の組のデータを評価することは、
前記サイバーフィジカルゲームを続けると判定された場合には、
前記実際のスポーツゲームがプレーされている第2の時点に前記実際のスポーツゲームから収集された、前記実際のスポーツゲームにおける第2の組のイベントに関連する第4の組のデータを受け、
前記第4の組のデータに基づいて、前記サイバーフィジカルゲームにおける第2のモデル化されたイベントと、前記第2のモデル化されたイベントに関連する第2の目標を生成する、ように構成された処理装置と
を備え
前記第2の時点は前記第1の時点よりも後で、前記第1の組のイベントと前記第2の組のイベントは、前記実際のスポーツゲームにおいて連続していないことを特徴とする、
コンピュータ装置。
【請求項8】
前記処理装置が、前記第2の組のデータの前に前記第1の組のデータを受けるように、さらに構成された、請求項7に記載のコンピュータ装置。
【請求項9】
前記処理装置が、前記実際のスポーツゲームにおける選手に関係する一組のヒストリカルデータを取り出し、前記第2の組のデータと前記一組のヒストリカルデータに基づいて、前記選手が前記サイバーフィジカルゲームによって生成された状況にどのように対処するかを予測することにより、前記サイバーフィジカルゲームによって生成された状況に前記選手が対処する確率を決定するように、さらに構成された、請求項7に記載のコンピュータ装置。
【請求項10】
前記処理装置が、前記確率を確定するために、前記一組のヒストリカルデータに1つまたは複数の統計的技法を適用するように、さらに構成された、請求項9に記載のコンピュータ装置。
【請求項11】
前記処理装置が、ランダムに生成された数と前記決定された確率との比較結果に基づいて、前記サイバーフィジカルゲームのプレーヤによって取られるアクションに対して得点を与えられるか否かを決定するように、さらに構成された、請求項9に記載のコンピュータ装置。
【請求項12】
前記コンピュータ装置が、教育、スポーツトレーニングまたは医学的リハビリテーションの目的で使用されるように、前記サイバーフィジカルゲームを実行するように構成された、請求項7に記載のコンピュータ装置。
【請求項13】
サイバーフィジカルゲームにおいて実際のスポーツゲームをモデル化するための一連の命令を含むコンピュータ可読媒体であって、前記一連の命令が、コンピュータ装置によって実行されると、前記コンピュータ装置に、
前記実際のスポーツゲームがプレーされている第1の時点に前記実際のスポーツゲームから収集された、前記実際のスポーツゲームにおける第1の組のイベントに関連する第1の組のデータを受けさせ、
前記第1の組のデータに基づいて前記サイバーフィジカルゲームにおける第1のモデル化されたイベントと、前記第1のモデル化されたイベントに関連する第1の目標を生成させ、
前記サイバーフィジカルゲームがプレーされているときに第2の組のデータを受けさせ、
得点記録を生成するため、および前記実際のスポーツゲームがプレーされているときに前記サイバーフィジカルゲームを続けるかどうかを判定するために、前記第1の目標に鑑みて前記第2の組のデータを評価させ
前記第2の組のデータを評価することは、
前記サイバーフィジカルゲームを続けると判定された場合には、
前記実際のスポーツゲームがプレーされている第2の時点に前記実際のスポーツゲームから収集された、前記実際のスポーツゲームにおける第2の組のイベントに関連する第4の組のデータを受けさせ、
前記第4の組のデータに基づいて、前記サイバーフィジカルゲームにおける第2のモデル化されたイベントと、前記第2のモデル化されたイベントに関連する第2の目標を生成させ、
前記第2の時点は前記第1の時点よりも後で、前記第1の組のイベントと前記第2の組のイベントは、前記実際のスポーツゲームにおいて連続していないことを特徴とする、
コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記コンピュータ装置によって実行されると、前記コンピュータ装置に、前記第2の組のデータを受けるより前に前記第1の組のデータを受けさせる、一連の命令をさらに含む、請求項13に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記コンピュータ装置によって実行されると、前記コンピュータ装置に、前記実際のスポーツゲームから第3の組のデータを受け、前記第3の組のデータを用いて、前記サイバーフィジカルゲームのプレーヤによって取られるアクションに対して得点を与えられるか否かを決定させる、一連の命令をさらに含む、請求項14に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記コンピュータ装置によって実行されると、前記コンピュータ装置に、前記実際のスポーツゲームにおける選手に関係する一組のヒストリカルデータを取り出させ、前記第2の組のデータと前記一組のヒストリカルデータに基づいて、前記選手が前記サイバーフィジカルゲームによって生成された状況にどのように対処するかを予測することにより、前記サイバーフィジカルゲームによって生成された状況に前記選手が対処する確率を決定させる、一連の命令をさらに含む、請求項13に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記コンピュータ装置によって実行されると、前記コンピュータ装置に、ランダムに生成された数と前記決定された確率との比較結果に基づいて、前記サイバーフィジカルゲームのプレーヤによって取られるアクションに対して得点を与えられるか否かを決定させる、一連の命令をさらに含む、請求項16に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、サイバーフィジカルゲームにおいて実際のスポーツゲームをモデル化するための技法に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書において特に指示がない限り、本セクションに記載される手法は、本出願の請求項に対する従来技術ではなく、本セクションに含まれることによって従来技術であるとも認められない。
【0003】
サイバーフィジカルゲームは、ゲームにおけるコンピュータ要素と物理的要素の組み合わせ、および/または、それらの間の連携を特徴とするゲームである。サイバーフィジカルゲームは、ユーザインタフェースと相互作用してビデオ装置および/またはオーディオ装置で視覚的および/または音声的なフィードバックを生成するという電子ゲームであり得る。サイバーフィジカルゲームをプレーするために使用される電子システムは、プラットフォームとして知られている。プラットフォームのいくつかの例には、パーソナルコンピュータ、ビデオゲーム機、および携帯端末が含まれる。いくつかのサイバーフィジカルゲームを操作するために使用される入力装置は、ゲームコントローラと呼ぶことができる。たとえば、ゲームコントローラは、1つまたは複数のボタン、および1つまたは複数のジョイスティックを特徴とすることができる。
【0004】
サイバーフィジカルゲームの1つのタイプは、プレーヤに対する肉体的および戦術的挑戦を含むことができるスポーツゲームである。いくつかのスポーツゲームは、速度、強度、加速度、正確性などを含む、スポーツに関連する運動特性をモデル化するように設計されている。
【発明の概要】
【0005】
本開示のいくつかの実施形態は、一般に、サイバーフィジカルゲームにおいて実際のスポーツゲームをモデル化するための方法に関することができる。1つの方法の例は、実際のスポーツゲームがプレーされているときに実際のスポーツゲームから収集された第1の組のデータを受けること、および第1の組のデータに基づいてサイバーフィジカルゲームにおいて目標を生成することを含むことができる。また、この方法の例は、サイバーフィジカルゲームがプレーされているときに第2の組のデータを受けること、ならびに、得点記録を生成するため、および実際のスポーツゲームがプレーされているときにサイバーフィジカルゲームを続けるかどうかを判定するために、目標に鑑みて第2の組のデータを評価することを含むことができる。
【0006】
また、本開示の別の実施形態は、一般に、サイバーフィジカルゲームにおいて実際のスポーツゲームをモデル化するためのコンピュータ装置に関することができる。1つのコンピュータ装置の例は、メモリおよびこのメモリとインタフェースするように構成された処理装置を含むことができる。処理装置は、実際のスポーツゲームがプレーされているときに実際のスポーツゲームから収集された第1の組のデータを受け、第1の組のデータに基づいてサイバーフィジカルゲームにおいて目標を生成するように構成することができる。また、処理装置は、サイバーフィジカルゲームがプレーされているときに第2の組のデータを受け、得点記録を生成するため、および実際のスポーツゲームがプレーされているときにサイバーフィジカルゲームを続けるかどうかを判定するために、目標に鑑みて第2の組のデータを評価するように構成することができる。
【0007】
本開示のいくつかの実施形態は、一般に、サイバーフィジカルゲームにおいて実際のスポーツゲームをモデル化するための一連の命令を含む、コンピュータ可読媒体に関することができる。この一連の命令がコンピュータ装置によって実行されるとき、コンピュータ装置は、実際のスポーツゲームがプレーされているときに実際のスポーツゲームから収集された第1の組のデータを受け、第1の組のデータに基づいてサイバーフィジカルゲームにおいて目標を生成するように構成することができる。また、コンピュータ装置は、サイバーフィジカルゲームがプレーされているときに第2の組のデータを受け、得点記録を生成するため、および実際のスポーツゲームがプレーされているときにサイバーフィジカルゲームを続けるかどうかを判定するために、目標に鑑みて第2の組のデータを評価するように構成することができる。
【0008】
前述の概要は、例示にすぎず、決して限定することは意図されていない。上述の例示的な態様、実施形態、および特徴に加えて、さらなる態様、実施形態、および特徴が、図面および以下の詳細説明を参照することによって、明らかになるであろう。
【0009】
本開示の前述の特徴および他の特徴は、添付図面と併用して、以下の説明および添付の特許請求の範囲から、より十分に明らかになるであろう。これらの図面は、本開示によるいくつかの実施形態だけを図示しており、したがって、本発明の範囲を限定することは考えられていない。本開示は、添付図面の使用により、さらなる具体性および詳細さを伴って、記載されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の少なくともいくつかの実施形態により構成された、サイバーフィジカルゲームにおいて実際のスポーツゲームをモデル化するように構成されたシステムの例を示す図である。
図2】本開示の少なくともいくつかの実施形態により構成された、サイバーフィジカルゲームプレーヤによって打たれたショットを得点記録する方法のフローチャートである。
図3】本開示の少なくともいくつかの実施形態により構成された、テニスコートおよびテニスのショットのいくつかの着地位置の例の概略図である。
図4】本開示の少なくともいくつかの実施形態により構成された、コンピュータ内で実際のスポーツゲームをモデル化するためのコンピュータプログラム製品を示すブロック図である。
図5】本開示の少なくともいくつかの実施形態により構成された、サイバーフィジカルゲームにおいて実際のスポーツゲームをモデル化するために構成されるコンピュータ装置の例を示す例示的ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細説明では、本明細書の一部を形成する添付図面を参照する。これらの図面においては、文脈が特に指示しない限り、通常、同様の符号は同様の構成部品を識別する。詳細説明、図面、および特許請求の範囲に記載される例示的な実施形態は、限定的であることを意味しない。本明細書で示される主題の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができるし、他の変更をなすことができる。本明細書に全般に記載され、図で例示される本開示の態様は、多種多様の異なる構成で配置し、代用し、併用し、かつ設計することができ、それらすべては明確に考察され、本開示の一部をなしていることが容易に理解されよう。
【0012】
本開示は、とりわけ、サイバーフィジカルゲームにおける実際のスポーツゲームのモデル化に関係する、方法、システム、およびコンピュータプログラムに関する。
【0013】
図1は、本開示の少なくともいくつかの実施形態に従って構成された、サイバーフィジカルゲームにおいて実際のスポーツゲームをモデル化するように構成されるシステム100の例である。システム100は、第1のゲーム空間103の中に、第1のセンサ101を含むことができる。第1のセンサ101は、第1のゲーム空間103の中で実際のスポーツゲームがプレーされている(たとえば、コンピュータシミュレーションではなく、人間のプレーヤが実際のスポーツフィールド上でプレーしている)ときに、実際のスポーツゲームから、1つまたは複数のイベントに関連する第1の組のデータを収集するように構成することができる。システム100はさらにネットワーク107を含むことができ、収集されたデータをネットワーク107を介してコンピュータ装置109に伝送することができる。システム100は、また、第2のゲーム空間113の中に、第2のセンサ111を含むことができる。第2のセンサ111は、第2のゲーム空間113の中のサイバーフィジカルゲームのプレーヤ(たとえば、コンピュータによってサポートされる「仮想の」スポーツフィールド上でプレーするサイバーフィジカルゲーマ)によって取られるアクションに関連する第2の組のデータを収集するように構成することができる。以下の考察では、混乱を避けるために、実際のスポーツゲームの中のプレーヤは選手と呼ぶことができ、サイバーフィジカルゲームのプレーヤは、サイバーフィジカルゲームプレーヤと呼ぶことができる。
【0014】
ネットワーク103を介して、基地局105は、収集された第1の組のデータをコンピュータ装置109に伝送するように適合され得る。基地局105、ネットワーク103、および/またはコンピュータ装置109の間の接続は、有線または無線のいずれであってもよい。同様に、コンピュータ装置109と第2のセンサ111との間の接続もまた、有線または無線のいずれであってもよい。有線接続には、ケーブル接続またはデジタル加入者回線(DSL)が含まれ得るが、それらに限定されるものではない。無線接続は、無線技術(たとえば、無線周波数すなわちRFベース通信、ブルートゥース通信、赤外線すなわちIRなどの光通信、無線ローカルエリアネットワーク通信、など)に基づくことができる。
【0015】
コンピュータ装置109は、実際のスポーツゲームから収集された第1の組のデータを処理するように構成することができ、サイバーフィジカルゲームにおいて、1つまたは複数の制約および1つまたは複数の目標を生成することができる。いくつかの制約の例には、実際のスポーツゲームの一連の規則が含まれ得るが、それに限定されるものではない。いくつかの目標の例には、サイバーフィジカルゲームにおける勝者を当てること、および/または、サイバーフィジカルゲームにおける正確な予測を行うことが含まれ得るが、それらに限定されるものではない。また、コンピュータ装置109は、1つまたは複数の制約および1つまたは複数の目標を満たすことができるかどうか、および/または、どのようにして満たすことができるかを判定するために、第2の組のデータを処理するように構成することができる。この判定に基づいて、コンピュータ装置109は、サイバーフィジカルゲームをプレーするための、1つまたは複数の得点記録を生成するように構成することができる。
【0016】
説明のために、実際のスポーツゲームがテニス試合であり、第1のゲーム空間103がテニス試合用のテニスコートであると仮定する。また、第2のゲーム空間113が、サイバーフィジカルゲームがプレーされているリビングルームであると仮定する。第1のセンサ101は、試合の1つまたは複数のイベントに関連する第1の組のデータを収集するために、テニス試合中の選手のテニスラケットに設置することができ、第2のセンサ111はゲームコントローラの中に組み込むことができる。イベントの例には、試合を開始すること、サーブを打つこと、バックハンドを打つこと等が含まれ得るが、それらには限定されない。第1の組のデータには、テニスコート上の環境条件(たとえば、風、温度、湿度、昼間/夜間、晴れ/曇り/雨、など)、選手の動き、およびテニスラケットの加速度が含まれ得るが、それらには限定されない。あるいは、いくつかの第1のセンサ101は、テニスボールの回転、回転の速度、テニスボールの加速度などであって、それらに限定されない第1の組のデータを取り込むことができるように、実際のテニス試合用のテニスボールに設置することができる。あるいは、いくつかの第1のセンサ101は、第1のゲーム空間103の周囲に設置することができる。いくつかの実装形態では、第1のセンサ101には、テニスボールおよび選手に関する音声情報および/または視覚的運動情報(visual movement information)を取り込むための、オーディオ記録装置および/またはビデオ記録装置を含むことができる。センサ101は無線式であってもよく、収集された情報は基地局105へ伝送することができる。
【0017】
第1の組のデータと、物理法則および/または所定の組の数学方程式と、ヒストリカルデータから決定された統計的関係とに基づいて、コンピュータ装置109は、たとえば、実際のテニス試合で選手がテニスボールを打ち込んだ後のテニスボールの飛び方を予測するように構成することができる。予測されたテニスボールの飛び方には、速度、加速度、軌道の角度またはボールの位置などの、スカラー量またはベクトル量を含むが、それらに限定されない、あらゆるタイプの有用な特性が含まれ得る。予測されたテニスボールの飛び方は、次いで、サイバーフィジカルゲームへの入力の1つとして利用することができる。コンピュータ装置109は、処理された第1の組のデータ(たとえば、予測されたテニスボールの飛び方)に基づいて、サイバーフィジカルゲーム用の1つまたは複数の目標を生成するようにさらに構成することができる。いくつかの実装形態では、サイバーフィジカルゲームの1つの目標の例は、サイバーフィジカルゲームプレーヤが、すでに発生した1つまたは複数のイベントに基づいて、実際のスポーツゲームで何が起ころうとしているかを正確に予測することであり得る。たとえば、実際のテニス試合で選手がサーブした後、サイバーフィジカルゲームプレーヤは、選手と彼または彼女の対戦相手との間で、さらなるショットがいくつプレーされるかを正確に推測するという目標を与えられ得る。このようなタイプのサイバーフィジカルゲームは、ギャンブルと関連付けることができる。いくつかの他の実装形態では、実際のテニス試合で選手がサーブした後、サイバーフィジカルゲームプレーヤは、予測されたボールの飛び方に従って彼に向かって来るモデル化されたサーブを見ることができ、サイバーフィジカルゲームにおいてモデル化されたサーブを正確にリターンするという目標を与えられ得る。どのように前述の目標が満たされるかは、サイバーフィジカルゲームプレーヤの能力レベルなどの、いくつかのパラメータに基づいて調整することができる。実例として同じテニス試合の例を使用すると、コンピュータ装置109は、サイバーフィジカルゲームプレーヤが経験を欠いているときに、モデル化されたサーブを減速すること、および/または、サイバーフィジカルゲームにおけるいくつかの他のパラメータもしくは基準を緩和することにより、目標を満たすための基準を緩めるように構成することができる。
【0018】
第2のセンサ111によって取り込まれた第2の組のデータは、サイバーフィジカルゲームの1つまたは複数の目標がどのようにして満たされたか、および/または、満たされたかどうかを判定するために利用することができる。第2のセンサ111によって取り込まれたいくつかのデータの例には、サイバーフィジカルゲームプレーヤの足および手の動き、シミュレートされたテニスラケット(たとえば、ゲームコントローラ)の速度、加速度、ならびに/または位置が含まれ得るが、それらには限定されない。
【0019】
サイバーフィジカルゲームにおいてモデル化されたサーブをリターンする例を使用すると、いくつかの実装形態では、コンピュータ装置109は、3つの実現可能なシナリオを考慮するように構成することができる。第1のシナリオは、サイバーフィジカルゲームプレーヤによるリターンがネットを横切ることに失敗するか、または境界線を越えることを意味する、明らかな失敗打を表すことができる。第2のシナリオは、サイバーフィジカルゲームプレーヤによるリターンが、実際のテニス試合の選手にとってプレーを続けることが統計的に不可能であることを意味する、明らかな成功打を表すことができる。第3のシナリオは、第1のシナリオおよび第2のシナリオによってカバーされない、他の実現可能な結果を表すことができる。コンピュータ装置109は、選手がプレー中のある状況のもとであるショットを続ける可能性を確定するために、ヒストリカルデータ(たとえば、選手の過去の実際のテニス試合)に依存するように構成することができる。また、コンピュータ装置109は、サイバーフィジカルゲームプレーヤがサーブをミートする、モデル化された位置または場所、シミュレートされたテニスラケットの加速度、および過去に確定された可能性データなどであるがそれらに限定されない因子に基づいて、3つのシナリオのいずれかの発生を確定することができる。1つまたは複数の目標が満たされるかどうか、および/または、どのようにして満たされるかを判定した後、コンピュータ装置109は、サイバーフィジカルゲームの得点を決定するように構成することができる。
【0020】
いくつかの実装形態では、コンピュータ装置109は、実際のスポーツゲームにおける選手の追加的なショットに関連するデータの追加的な組を受け続け、サイバーフィジカルゲームのプレーを続行するように構成することができる。システム100は、実際のスポーツゲームのあるセグメントが終了する(たとえば、選手が実際のテニス試合でポイントを得るか、または失う)まで、繰り返し上述の通り動作するように構成することができる。テニス試合の例を使用して説明すると、サイバーフィジカルゲームプレーヤがモデル化されたサーブをリターンした後では、実際のテニス試合中の選手は対戦相手に対して、1つまたは複数のショットをプレーしている可能性がある。実際のテニス試合がプレーされるように、サイバーフィジカルゲームが続くのを可能にするために、いくつかの実装形態では、コンピュータ装置109は、実際のテニス試合でプレーされた1つまたは複数のショットを無視し、選手が打ち込んでいるショット(たとえば、彼または彼女の対戦相手へのライン沿いのフォアハンド)に関連する、新たに取り込んだデータの組を処理して、サイバーフィジカルゲームプレーヤが満たすべき、1つまたは複数の制約および1つまたは複数の目標を生成することができる。
【0021】
本開示の少なくともいくつかの実施形態による1つの得点記録メカニズムは、第2の組のデータを解析し、1つまたは複数の実現可能なシナリオを評価し、1つまたは複数のシナリオの結果が1つまたは複数の目標を満たす可能性があるかどうか判定し、1つまたは複数の目標を満たすこと、または満たすのに失敗することに対して、ポイントを割り当てる。いくつかの実装形態では、ポイント割り当ては、1つまたは複数の目標を満たす困難度によって決定することができる。たとえば、より困難な目標を満たすことに対しては、より容易な目標を満たすことよりも、多くのポイントを割り当てることができる。
【0022】
いくつかの他の実装形態では、実際のスポーツゲームの例が、ゴルフトーナメントであり得る。第1のゲーム空間103は、ゴルフトーナメントが開催されているゴルフコースに対応することができる。第2のゲーム空間113は、サイバーフィジカルゲームがプレーされているオフィスに対応することができる。第1のセンサ101は、ゴルフトーナメントの1つまたは複数のイベントに関連する第1の組のデータを収集するために、ゴルフクラブに設置することができる。イベントの例には、ゴルフストロークが含まれ得るが、それには限定されない。第1の組のデータには、ゴルフコース上の環境条件が含まれ得るが、それには限定されない。あるいは、いくつかの第1のセンサ101は、ボールの飛び方およびゴルフボールの位置に関連する情報を取り込むために、ゴルフトーナメントで使用されるゴルフボールに設置することができる。
【0023】
選手によって打たれたゴルフボールがゴルフコース上に着地した後、サイバーフィジカルゲームプレーヤは、ゴルフショットのモデル化されたボールの飛び方を見ることができ、次いで適切なクラブを選択するという目標を与えられ、着地位置からできるだけグリーンの近くへゴルフボールを打つことができる。第2のセンサ111は、サイバーフィジカルゲームプレーヤのスイングに関連する第2の組のデータを収集するように構成することができる。
【0024】
第2の組のデータは、サイバーフィジカルゲームプレーヤのスイングの結果を予測するために利用することができる。コンピュータ装置109は、サイバーフィジカルゲームプレーヤのショットの距離および正確性を、ゴルフトーナメントにおける選手のショットと比較し、比較結果に基づいて得点を与えるように構成することができる。また、コンピュータ装置109は、サイバーフィジカルゲームプレーヤのショットを得点記録する方法を決定するために、一般的なゴルフの規則(たとえば、いつペナルティストロークを課すことができるか、いつ救済ストロークが許されるか、など)を考慮することができる。
【0025】
いくつかの他の実装形態では、別の実際のスポーツゲームの例が、カーレースであり得る。第1のゲーム空間103は、レーストラックに対応することができ、第2のゲーム空間113は、サイバーフィジカルゲームがプレーされている部屋であり得る。第1のセンサ101は、レースの1つまたは複数のイベントに関連する第1の組のデータを収集するために、レース中の車に設置することができる。イベントの例には、ターンすること、レーンを変更すること、および/または車を加速もしくは減速することが含まれ得るが、それらには限定されない。第1の組のデータには、レーストラック上の環境条件および/または運転条件が含まれ得るが、それらには限定されない。あるいは、いくつかの第1のセンサ101は、ドライバによって取られるアクションに関連する情報を取り込むために、レーシングカーの実際のドライバに設置することができる。取り込まれる情報には、イベントに関連し得るドライバの手および足の動きが含まれ得るが、それらには限定されない。たとえば、ドライバの動きは、レーシングカーがターンしようとしたり、レーンを変更しようとしたり、かつ/または、車を加速もしくは減速しようとすることを示すことができる。
【0026】
レースがスタートした後、サイバーフィジカルゲームプレーヤは、実際のレースを模倣するモデル化されたレースを見ることができ、サイバーフィジカルゲームプレーヤのシミュレートされた車でレースに勝つという目標を与えられ得る。第2のセンサ111は、たとえばシミュレートされたステアリングおよびシミュレートされたペダルを介し、サイバーフィジカルゲームプレーヤによって取られるアクションに関連する第2の組のデータを収集するように構成することができる。
【0027】
第1の組のデータおよび第2の組のデータの両方に基づいて、コンピュータ装置109は、カーレース中の実際の車と比べて、サイバーフィジカルゲームにおけるシミュレートされた車の状態を予測し、得点を与えるように構成することができる。いくつかの実装形態では、コンピュータ装置109は、さまざまな分野(たとえば、教育、スポーツトレーニングまたは医学的リハビリテーション)で使用することができる。
【0028】
いくつかの他の実装形態では、別の実際のスポーツゲームの例が、バスケットボールであり得る。第1のゲーム空間103は、バスケットボールゲームが2チームの選手によってプレーされている、バスケットコートに対応することができる。第2のゲーム空間113は、サイバーフィジカルゲームがプレーされている、車両のシートに対応することができる。第1のセンサ101は、バスケットボールゲームの1つまたは複数のイベントに関連する第1の組のデータを収集するために、バスケットコートの周りに設置することができる。第1のセンサ101は、一組のカメラを含むことができる。イベントの例には、右手でボールをドリブルすること、左手でボールをドリブルすること、ボールをパスすること、ボールをブロックすること、またはボールをシュートすることが含まれ得るが、それらには限定されない。第1の組のデータには、カメラによって取り込まれた選手の画像が含まれ得るが、それには限定されない。
【0029】
実際のバスケットボールゲームがスタートした後、サイバーフィジカルゲームプレーヤは、実際のバスケットボールゲームにおける選手および彼のチームメンバーの動きを予測し、かつ/または動きに応答するという目標を与えられ得る。過去のゲームにおいて収集されたデータに基づいて、選手によって取られる特定のアクションに基づき選手および彼のチームメンバーがどのようにして相互作用し得るかを記述する、一組の統計的関係を取得することができる。統計的関係、第1の組のデータ、物理法則および/または所定の組の数学方程式に従って、コンピュータ装置109は、選手によってアクションが取られた直後に、サイバーフィジカルゲームプレーヤに目標を与えることができる。いくつかの実装形態では、サイバーフィジカルゲームプレーヤは、速攻の状況で選手および彼のチームメンバーを防御するという目標を与えられ得る。第2のセンサ111は、サイバーフィジカルゲームプレーヤによって取られるアクション、たとえばサイバーフィジカルゲームプレーヤの手および足の動き、に関連する第2の組のデータを収集するように構成することができる。
【0030】
第2の組のデータに基づいて、コンピュータ装置109は、サイバーフィジカルゲームプレーヤが与えられた目標(たとえば、速攻を成功裡に止めること)を達成するかどうかを判定し、それに応じてサイバーフィジカルゲームプレーヤによって取られるアクションに得点を与えるように構成することができる。
【0031】
前述のテニス試合の例を続けると、図2は、本開示の少なくともいくつかの実施形態による、サイバーフィジカルゲームプレーヤによって打たれたショットを得点記録する方法200のフローチャートである。説明のために、失敗打(たとえば、ネットを越えるのに失敗することまたは境界線を越えること)には、0点を割り当てることができる。サイバーフィジカルゲームにおいてポイントを勝ち取る可能性のある打ち込みには、0でない得点を割り当てることができる。サイバーフィジカルゲームの1つの目標は、実際のテニス試合がプレーされているときに、サイバーフィジカルゲームプレーヤが選手からポイントを勝ち取ることであり得る。
【0032】
方法200の処理は、ブロック201から始めることができる。ブロック201では、方法200が、サイバーフィジカルゲームにおいてサイバーフィジカルゲームプレーヤによって取られるアクションに関連し得る、第2の組のデータを解析するように構成することができる。ブロック203に進み、ブロック201での解析結果を、スポーツの規則(たとえば、テニスの規則)と突き合わせて評価することができ、チェック結果は、ブロック205での得点記録に影響し得る。処理はブロック207に進むことができ、そこでは、ポイントを勝ち取る実現可能なシナリオを評価することができる。ブロック207での評価結果に応じて、方法200は、サイバーフィジカルゲームプレーヤが選手に対してポイントを勝ち取るための確率値をブロック211で確定するか、または、サイバーフィジカルゲームプレーヤによるリターンが、実際のテニス試合中の選手にとってプレーを続けることが統計的に不可能であることを結果が示す場合には、ブロック209に進む。ブロック211の後にはブロック213に進むことができ、そこでは、得点を決定するために、確定された確率値を使用することができる。
【0033】
ブロック201では、サイバーフィジカルゲームにおいてサイバーフィジカルゲームプレーヤによって取られるアクションに関連する第2の組のデータを、たとえば、サイバーフィジカルゲームプレーヤが打ち込んだボールの飛び方および/または可能性のある着地位置を判定するために、解析することができる。この判定には、技術的に実現可能な任意の解決方法を使用することができる。
【0034】
ブロック203では、サイバーフィジカルゲームプレーヤの打ち込みの第1の実現可能なシナリオを決定するために、サイバーフィジカルゲームプレーヤが打ち込んだボールの飛び方および/または可能性のある着地位置を、スポーツの規則に基づいて評価することができる。いくつかの規則の例には、いつポイントを失ったと判定されるか、テニスコートの大きさ、ネットの高さおよび幅、などが含まれ得るが、それらには限定されない。打ち込みが失敗した(たとえば、ネットを横切るのに失敗する、または境界線を越える)と判定された場合、ブロック205でその打ち込みに0点を割り当てることができる。そうでなくて、打ち込みがパスしたと判定されたときは、方法200はブロック207に進むことができる。
【0035】
ブロック207では、サイバーフィジカルゲームプレーヤの打ち込みの第2の実現可能なシナリオを評価するために、実際のテニス試合における選手のヒストリカルレコードを考慮することができる。説明すると、選手のヒストリカルレコードには、選手の最高の移動速度、および選手がテニスコート上で成功裡にカバーした最長の距離が含まれ得るが、それらには限定されない。たとえば、サイバーフィジカルゲームプレーヤがショットを打ち込んだ後、そのショットは、ブロック201で確定された、テニスコート上の可能性のある着地位置(たとえば、位置A)に、時間T1で到達するように決定することができる。サイバーフィジカルゲームプレーヤがショットを打ち込むときに選手がテニスコート上のB地点にいると仮定すると、ヒストリカルレコードからの選手の最高の移動速度に基づいて、位置Aと位置Bの間の距離をカバーするための時間を決定することができる。選手がT1のずっと後にしか位置Bに到達することができなければ、方法200はブロック207からブロック209へ進むことができ、サイバーフィジカルゲームプレーヤの方が明らかに勝っているのでサイバーフィジカルゲームプレーヤの打ち込みには得点を与えられる。そうでなければ、方法200はブロック207からブロック211へ進むことができる。
【0036】
ブロック211では、サイバーフィジカルゲームプレーヤが選手に対してポイントを勝ち取る確率値を確定することができる。いくつかの実装形態では、選手のヒストリカルレコードおよび統計的モデルを、確率値を確定するために利用することができる。たとえば、関係するヒストリカルレコードには、選手がショットをリターンするのに失敗するテニスコート上の地点が含まれ得るが、それには限定されない。これは、後述するように、図3によりさらに説明することができる。
【0037】
図3は、本開示の少なくともいくつかの実施形態による、テニスコート、およびテニスショットのいくつかの着地位置の例の概略図300である。選手がプレーした前のテニス試合に基づいて、例示された着地位置のそれぞれにおいて、選手がショットのリターンに失敗する確率を決定することができる。たとえば、図3に例示されるように、位置301には、選手がショットのリターンに失敗し得る確率P1がある。サイバーフィジカルゲームプレーヤの打ち込みが着地する可能性のある位置が、選手のヒストリカルレコードに取り込まれたどのデータとも合致しない、位置311であると仮定しよう。いくつかの実装形態では、技術的に実現可能な統計的技法が、位置311に近い他の既知の位置(たとえば、位置301、303、305、307、および309)、およびそれらに関連付けられた確率(たとえば、P1、P3、P5、P7、およびP9)を利用して、選手が位置311においてショットのリターンに失敗する確率(たとえば、P11)を確定することができる。いくつかの統計的技法の例には、カーネル推定、ブースティング、形状回帰(shape regression)、スムージング、単調回帰、および凸回帰(convex regression)のための処理および方法が含まれ得るが、それらには限定されない。統計的技法によって確定されたいかなる統計的モデルでも、最尤推定および推測統計を含むことができるがそれらに限定されない、いくつかの技法を使用して組み合わせることができる。いくつかの他の実装形態では、モデル化を容易にするために発見的技法を使用することができる。たとえば、選手のヒストリカルレコードが、選手はめったに位置305に行かないことを示す場合、統計的技法は、より効率的な処理のために位置301、303、307、および309のみに適用することができる。他の例では、選手がそれらの位置に移動する頻度のヒストリカルレコードが、統計的技法における重み係数として、たとえば、より頻繁に訪れる位置はまれにしか訪れない位置よりも重くして、使用することができる。
【0038】
再び図2を参照すると、ブロック213において、サイバーフィジカルゲームプレーヤの打ち込みに得点を与えるかどうか判定するために、ランダムに生成された数を確定された確率値(たとえば、P11)と比較することができる。いくつかの実装形態では、ランダムに生成された数は、0と1の間で変動する。その数がP11以上の場合、選手がサイバーフィジカルゲームプレーヤの打ち込みをリターンするのに失敗することを示すことができ、方法200は、ブロック213からブロック209に進んで、打ち込みに得点を与える。一方、その数がP11より小さい場合、選手がボールをリターンすることを示すことができ、処理はブロック213からブロック205に進むことができて、ここではサイバーフィジカルゲームプレーヤの打ち込みに得点を与えることはできない。
【0039】
図4は、本開示の少なくともいくつかの実施形態による、コンピュータ内で実際のスポーツゲームをモデル化するためのコンピュータプログラム製品400を示すブロック図である。コンピュータプログラム製品400は、上述され図2で例示された方法を実行するための、実行可能な1つまたは複数の命令の組402を含むことができる。コンピュータプログラム製品400は、信号伝達媒体404または別の同様な通信媒体406で伝送することができる。また、コンピュータプログラム製品400は、コンピュータ可読媒体408または別の同様な記録可能媒体410に記録することができる。
【0040】
図5は、本開示の少なくともいくつかの実施形態による、サイバーフィジカルゲームにおいて実際のスポーツゲームをモデル化するために構成された、コンピュータ装置500の例を示す例示的ブロック図である。非常に基本的な構成501(破線内に示される)では、コンピュータ500は、通常、1つまたは複数のプロセッサ510、およびシステムメモリ520を含むことができる。メモリバス530は、プロセッサ510とシステムメモリ520の間の通信を行うために使用することができる。
【0041】
所望の構成に応じて、プロセッサ510は、マイクロプロセッサ(μP)、マイクロコントローラ(μC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、またはそれらの任意の組み合わせを含むが、それらに限定されない、いかなるタイプのプロセッサでもあり得る。プロセッサ510は、レベル1のキャッシュ511およびレベル2のキャッシュ512などの1つまたは複数のレベルのキャッシュ、プロセッサコア513、ならびにレジスタ514を含むことができる。プロセッサコア513の例には、算術論理演算装置(ALU)、浮動小数点演算装置(FPU)、デジタルシグナル処理コア(DSPコア)、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。また、メモリコントローラ515の例はプロセッサ510と共に使用することができ、または、いくつかの実装形態では、メモリコントローラ515はプロセッサ510の内部部品になり得る。
【0042】
所望の構成に応じて、システムメモリ520は、揮発性メモリ(RAMなど)、不揮発性メモリ(ROM、フラッシュメモリなど)、またはそれらの任意の組み合わせを含むがそれらに限定されない、いかなるタイプのメモリでもあり得る。システムメモリ520は、オペレーティングシステム521、1つまたは複数のアプリケーション522、およびプログラムデータ524を含むことができる。アプリケーション522は、サイバーフィジカルゲームにおいて実際のスポーツゲームをモデル化するように構成することができる、モデル化プロセス523を含むことができる。プログラムデータ524は、上述のように実際のスポーツゲームから収集された、データの組を含むことができる。いくつかの実施形態では、アプリケーション522は、実際のスポーツゲームから収集されたデータの組を、本明細書に記載されたさまざまな技法に従って評価することができるように、オペレーティングシステム521上でプログラムデータ524を用いて動作するように構成することができる。
【0043】
コンピュータ装置500は、さらなる特徴または機能、ならびに、基本構成501と必要な任意の装置およびインタフェースとの間の通信を容易にするための、さらなるインタフェースを有することができる。たとえば、バス/インタフェースコントローラ540を使用して、記憶装置インタフェースバス541を介した、基本構成501と1つまたは複数のデータ記憶装置550との間の通信を容易にすることができる。データ記憶装置550は、リム−バル記憶装置551、非リム−バル記憶装置552、またはそれらの組み合わせであり得る。リム−バル記憶装置および非リム−バル記憶装置の例をいくつか挙げると、フレキシブルディスクドライブおよびハードディスクドライブ(HDD)などの磁気ディスク装置、コンパクトディスク(CD)ドライブまたはデジタル多用途ディスク(DVD)ドライブなどの光ディスクドライブ、半導体ドライブ(SSD)、ならびにテープドライブが含まれる。コンピュータ記憶媒体の例には、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術によって実装された、揮発性媒体および不揮発性媒体、リム−バル媒体および非リム−バル媒体が含まれ得る。
【0044】
システムメモリ520、リム−バル記憶装置551および非リム−バル記憶装置552は、すべてコンピュータ記憶媒体の例である。コンピュータ記憶媒体には、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)もしくは他の光学式記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶装置、または所望の情報を格納するために使用することができ、コンピュータ装置500によってアクセス可能なその他の任意の媒体が含まれるが、それらに限定されない。このようなコンピュータ記憶媒体はどれでも装置500の一部となり得る。
【0045】
また、コンピュータ装置500は、バス/インタフェースコントローラ540を介した、さまざまなインタフェース装置(たとえば、出力インタフェース、周辺装置インタフェース、および通信インタフェース)から基本構成501への通信を容易にするための、インタフェースバス542を含むことができる。出力装置560の例には、グラフィックス処理装置561およびオーディオ処理装置562が含まれ、これらは、1つまたは複数のA/Vポート563を介して、ディスプレイまたはスピーカなどのさまざまな外部装置と通信するように構成することができる。周辺装置インタフェース570の例には、シリアルインタフェースコントローラ571またはパラレルインタフェースコントローラ572が含まれ、これらは、1つまたは複数のI/Oポート573を介して、入力装置(たとえば、キーボード、マウス、ペン、音声入力装置、タッチ入力装置など)または他の周辺装置(たとえば、プリンタ、スキャナなど)などの外部装置と通信するように構成することができる。通信装置580の例には、ネットワークコントローラ581が含まれ、これは、1つまたは複数の通信ポート582を介し、ネットワーク通信リンクおよび/またはネットワーク通信チャネルを通じた、1つまたは複数の他のコンピュータ装置590との通信を容易にするように構成することができる。
【0046】
ネットワーク通信リンクおよび/またはネットワーク通信チャネルは、通信媒体の1つの例であり得る。通信媒体は、通常、搬送波もしくは他の搬送メカニズムなどの変調データ信号においてコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータによって具現化することができ、任意の情報送達媒体を含むことができる。「変調データ信号」とは、信号内の情報を符号化するような方法で設定または変更された、1つまたは複数の特性を有する信号であり得る。例として、限定はされないが、通信媒体には、有線ネットワークまたは直接有線接続などの有線媒体、ならびに、音響、無線周波(RF)、マイクロ波、赤外線(IR)および他の無線媒体などの無線媒体を含むことができる。本明細書で使用されるコンピュータ可読媒体という用語は、記憶媒体および通信媒体の両方を含み得る。
【0047】
コンピュータ装置500は、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、パーソナルメディアプレーヤ装置、無線ウェブウォッチ装置、パーソナルヘッドセット装置、特定用途向け装置、または上記機能のいずれかを含むハイブリッド装置などの、省スペースのポータブル(またはモバイル)電子装置の一部として実装することができる。コンピュータ装置500は、また、ラップトップコンピュータおよび非ラップトップコンピュータ両方の構成を含む、パーソナルコンピュータとして実装することができる。
【0048】
システムの側面でのハードウェアの実装形態とソフトウェアの実装形態との間には、少しの相違しか残されていない。ハードウェアまたはソフトウェアの使用は、一般に(いつもそうではないが、ある状況ではハードウェアとソフトウェアの間の選択が重要になり得るという点で)、コスト対効果のトレードオフを表す設計上の選択である。本明細書に記載された、プロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術をもたらすことができる、さまざまな達成手段があり(たとえば、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェア)、好ましい達成手段は、プロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術が導入される状況によって異なる。たとえば、実装者が速度と正確性が最も重要であると決定すると、実装者は主にハードウェアおよび/またはファームウェアの達成手段を選択することができる。柔軟性が最も重要なら、実装者は主にソフトウェアの実装を選択することができる。または、さらに別の代替案として、実装者は、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアのいくつかの組み合わせを選択することができる。
【0049】
前述の詳細説明は、ブロック図、フローチャート、および/または例の使用によって、装置および/またはプロセスのさまざまな実施形態を説明した。そのようなブロック図、フローチャート、および/または例が1つまたは複数の機能および/または動作を含む限りにおいて、そのようなブロック図、フローチャート、および/または例の中のそれぞれの機能および/または動作は、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または実質上それらのすべての組み合わせにより、個別に、および/または集合的に実装可能であることが、当業者によって理解されるであろう。ある実施形態では、本明細書に記載された主題のいくつかの部分は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、または他の集積化方式によって実装することができる。しかしながら、本明細書に記載された実施形態のいくつかの態様が、全体においてまたは一部において、1つもしくは複数のコンピュータ上で動作する1つもしくは複数のコンピュータプログラムとして(たとえば、1つもしくは複数のコンピュータシステム上で動作する1つもしくは複数のプログラムとして)、1つもしくは複数のプロセッサ上で動作する1つもしくは複数のプログラムとして(たとえば、1つもしくは複数のマイクロプロセッサ上で動作する1つもしくは複数のプログラムとして)、ファームウェアとして、または実質上それらのすべての組み合わせとして、同様な意味合いで集積回路の中に実装することができることを、当業者は理解するであろうし、電気回路の設計ならびに/またはソフトウェアおよび/もしくはファームウェアのコーディングが、本開示に照らして十分当業者の技能の範囲内であることを、当業者は理解するであろう。加えて、本明細書に記載された主題のメカニズムが、さまざまな形式のプログラム製品として配布することができることを、当業者は理解するであろうし、本明細書に記載された主題の例示的な実施形態が、実際に配布を実行するために使用される信号伝達媒体の特定のタイプにかかわらず適用されることを、当業者は理解するであろう。信号伝達媒体の例には、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、コンピュータメモリ、などの記録可能なタイプの媒体、ならびに、デジタル通信媒体および/またはアナログ通信媒体(たとえば、光ファイバケーブル、導波管、有線通信リンクおよび/または有線通信チャネル、無線通信リンクおよび/または無線通信チャネル)などの通信タイプの媒体が含まれるが、それらに限定されるものではない。
【0050】
本明細書で説明したやり方で装置および/またはプロセスを記載し、その後そのように記載された装置および/またはプロセスを、データ処理システムに統合するためにエンジニアリング方式を使用することは、当技術分野で一般的であることを、当業者は理解するであろう。すなわち、本明細書に記載された装置および/またはプロセスの少なくとも一部を、妥当な数の実験によってデータ処理システムに統合することができる。通常のデータ処理システムは、一般に、ビデオディスプレイ装置、揮発性メモリおよび不揮発性メモリなどのメモリ、マイクロプロセッサおよびデジタル信号プロセッサなどのプロセッサ、オペレーティングシステム、ドライバ、グラフィカルユーザインタフェース、およびアプリケーションプログラムなどのコンピュータ構成要素、タッチパッドもしくはスクリーンなどの、1つもしくは複数の相互作用装置、ならびに/または、フィードバックループおよびコントロールモータを含むコントロールシステム(たとえば、位置検知用および/もしくは速度検知用フィードバック、構成部品の移動用および/もしくは数量の調整用コントロールモータ)を収納する、1つまたは複数のシステム装置を含むことを、当業者は理解するであろう。通常のデータ処理システムは、データコンピューティング/通信システムおよび/またはネットワークコンピューティング/通信システムの中に通常見られる構成部品などの、適切で市販の構成部品を利用して、実装することができる。
【0051】
本明細書に記載された主題は、異なる他の構成部品に包含されるか、または異なる他の構成部品と接続される、他の構成部品をしばしば例示する。そのように図示されたアーキテクチャは、単に例示的にすぎず、実際には、同じ機能を実現する多くの他のアーキテクチャが実装可能であることが理解されよう。概念的な意味で、同じ機能を実現する構成部品の任意の構成は、所望の機能が実現されるように、効果的に「関連付け」される。したがって、特定の機能を実現するために組み合わされた、任意の本明細書の2つの構成部品は、アーキテクチャまたは中間の構成部品にかかわらず、所望の機能が実現されるように、お互いに「関連付け」されていると見ることができる。同様に、そのように関連付けされた任意の2つの構成部品は、所望の機能を実現するために、お互いに「動作できるように接続」または「動作できるように結合」されていると見ることもできるし、そのように関連付け可能な任意の2つの構成部品は、所望の機能を実現するために、お互いに「動作できるように結合可能」であると見ることもできる。動作できるように結合可能の具体例には、物理的にかみ合わせ可能な、および/もしくは物理的に相互作用する構成部品、ならびに/または、ワイヤレスに相互作用可能な、および/もしくはワイヤレスに相互作用する構成部品、ならびに/または、論理的に相互作用する、および/もしくは論理的に相互作用可能な構成部品が含まれるが、それらに限定されない。
【0052】
本明細書の実質的にすべての複数形および/または単数形の用語の使用に対して、当業者は、状況および/または用途に適切なように、複数形から単数形に、および/または、単数形から複数形に変換することができる。さまざまな単数形/複数形の置換は、理解しやすいように、本明細書で明確に説明することができる。
【0053】
一般に、本明細書において、特に添付の特許請求の範囲(たとえば、添付の特許請求の範囲の本体部)において使用される用語は、一般に、「オープンな(open)」用語として意図されていることが、当業者には理解されよう(たとえば、用語「含む(including)」は、「含むがそれに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は、「少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は、「含むがそれに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきである、など)。導入される請求項の記載の具体的な数が意図されている場合、そのような意図は、当該請求項において明示的に記載されることになり、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者にはさらに理解されよう。たとえば、理解の一助として、添付の特許請求の範囲は、導入句「少なくとも1つの(at least one)」および「1つまたは複数の(one or more)」を使用して請求項の記載を導くことを含む場合がある。しかし、そのような句の使用は、同一の請求項が、導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」および「a」または「an」などの不定冠詞を含むときでも、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入が、そのような導入される請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、単に1つのそのような記載を含む例発明に限定する、ということを示唆していると解釈されるべきではない(たとえば、「a」および/または「an」は、通常、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである)。同じことが、請求項の記載を導入するのに使用される定冠詞の使用にも当てはまる。加えて、導入される請求項の記載の具体的な数が明示的に記載されている場合でも、そのような記載は、通常、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることが、当業者には理解されよう(たとえば、他の修飾語なしでの「2つの記載(two recitations)」の単なる記載は、通常、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。さらに、「A、BおよびC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用される事例では、一般に、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(たとえば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。「A、B、またはC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用される事例では、一般に、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(たとえば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。2つ以上の代替用語を提示する事実上いかなる離接する語および/または句も、明細書、特許請求の範囲、または図面のどこにあっても、当該用語の一方(one of the terms)、当該用語のいずれか(either of the terms)、または両方の用語(both terms)を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者にはさらに理解されよう。たとえば、句「AまたはB」は、「A」または「B」あるいは「AおよびB」の可能性を含むことが理解されよう。
【0054】
さまざまな態様および実施形態が本明細書で開示されたが、他の態様および実施形態が当業者には明らかであろう。本明細書で開示されたさまざまな態様および実施形態は、例示目的のためであり限定するものではなく、本来の範囲および精神は、添付の特許請求の範囲によって示される。
図1
図2
図3
図4
図5