【実施例】
【0179】
以下に本実施の形態を、実施例と比較例によってさらに詳細に説明するが、本実施の形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0180】
実施例と比較例においては、プロパン又はイソブタンの転化率、アクリロニトリル又はメタクリロニトリルの収率はそれぞれ次の定義に従う。
プロパン転化率(%)=(反応したプロパンのモル数)/(供給したプロパンのモル数)×100
アクリロニトリル(AN)収率(%)=(生成したアクリロニトリルのモル数)/(供給したプロパンのモル数)×100
【0181】
(前段焼成体の還元率の測定方法)
ビーカーに前段焼成体約200mgを精秤した。そこに濃度が既知のKMnO
4水溶液を過剰量添加した。更に70℃の純水150mL、1:1硫酸(即ち、濃硫酸と水を容量比1/1で混合して得られる硫酸水溶液。以下同様。)2mLを添加した。次いで、そのビーカーに時計皿で蓋をし、70℃±2℃の湯浴中で1hr攪拌し、試料を酸化させた。この時、KMnO
4は過剰に存在させており、液中には未反応のKMnO
4が存在するため、液色は紫色であることを確認した。酸化終了後、ろ紙にてろ過を行い、ろ液の全量を回収した。濃度が既知のシュウ酸ナトリウム(Na
2C
2O
4))水溶液を、ろ液中に存在するKMnO
4に対し、過剰量添加し、液温が70℃となるように加熱攪拌した。液が無色透明になることを確認し、1:1硫酸2mLを添加した。液温を70℃±2℃に保ちながら攪拌を続け、濃度を既知のKMnO
4水溶液で滴定した。この際、KMnO
4により、液色がかすかな淡桃色を呈して約30秒続いたところを終点とした。
全KMnO
4量、全Na
2C
2O
4量から、試料の酸化に消費されたKMnO
4量を求めた。この値から、(n
0−n)を算出し、これに基づき還元率を求めた。
【0182】
(焼成体の比表面積の測定方法)
MICROMETRICS社製Gemini2360(商品名)を用いて、BET1点法により焼成体の比表面積を求めた。
【0183】
(ニオブ混合液の調製)
以下の方法でニオブ混合液を調製した。
水10kgに、Nb
2O
5として79.8質量%を含有するニオブ酸1.530kgとシュウ酸二水和物〔H
2C
2O
4・2H
2O〕5.266kgとを混合した。仕込みのシュウ酸/ニオブのモル比は5.0、仕込みのニオブ濃度は0.50(mol−Nb/kg−液)であった。この液を95℃で2時間加熱撹拌することによって、ニオブが溶解した混合液を得た。この混合液を静置、氷冷後、固体を吸引濾過によって濾別し、均一なニオブ混合液を得た。このニオブ混合液のシュウ酸/ニオブのモル比は下記の分析により2.68であった。
るつぼにこのニオブ混合液10gを精秤し、95℃で一夜乾燥後、600℃で1時間熱処理し、Nb
2O
50.7895gを得た。この結果から、ニオブ濃度は0.594(mol−Nb/kg−液)であった。300mLのガラスビーカーにこのニオブ混合液3gを精秤し、約80℃の熱水200mLを加え、続いて1:1硫酸10mLを加えた。得られた混合液をホットスターラー上で液温70℃に保ちながら、攪拌下、1/4規定KMnO
4を用いて滴定した。KMnO
4によるかすかな淡桃色が約30秒以上続く点を終点とした。シュウ酸の濃度は、滴定量から次式に従って計算した結果、1.592(mol−シュウ酸/kg)であった。
2KMnO
4+3H
2SO
4+5H
2C
2O
4→K
2SO
4+2MnSO
4+10CO
2+8H
2O
得られたニオブ混合液(B
0)は、下記の実施例1〜14の複合酸化物触媒の製造におけるニオブ原料液として用いた。
【0184】
(実施例1)
(乾燥粉体の調製)
乾燥粉体(D
1)を次のようにして製造した。
水1.557kgにヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O〕を432.1g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH
4VO
3〕を59.9g、三酸化二アンチモン〔Sb
2O
3〕を84.3g、さらに硝酸セリウム〔Ce(NO
3)
3・6H
2O〕を4.8g加え、攪拌しながら95℃で1時間加熱して水性原料液(A
1)を調製した。
ニオブ混合液(B
0)378.4gに、H
2O
2として30質量%を含有する過酸化水素水を66.3g添加し、室温で10分間攪拌混合して、水性原料液(B
1)を調製した。
得られた水性原料液(A
1)を70℃に冷却した後にSiO
2として34.0質量%を含有するシリカゾル807.8gを添加し、さらに、H
2O
2として30質量%含有する過酸化水素水98.4gを添加し、55℃で30分間撹拌を続けた。次に、水性原料液(B
1)、メタタングステン酸アンモニウム水溶液を31.0g(純度50%)、粉体シリカ211.5gを水2.855kgに分散させた分散液を順次添加した後に、50℃で2.5時間攪拌熟成し、原料調合液であるスラリー状の水性混合液(C
1)を得た。
得られた水性混合液(C
1)を、遠心式噴霧乾燥器(乾燥熱源は空気。以下同様。)に供給して乾燥し、微小球状の乾燥粉体(D
1)を得た。乾燥器の入口温度は210℃、出口温度は120℃であった。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.2質量%であり、平均粒子径は54μmであった。粒子含有率及び平均粒子径はBECKMAN COULTER製LS230(商品名)により測定した(以下同様。)。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
得られた乾燥粉体(E
1)を80g/hrの供給量で、回転炉内の直径(内径。以下同様。)3インチ、長さ89cmの連続式のSUS製円筒状焼成管に供給した。その焼成管内に1.5NL/minの窒素ガスを乾燥粉体の供給方向と対向する方向(すなわち向流。以下同様。)、及び同じ方向(すなわち並流。以下同様。)にそれぞれ流し、合計の流量を3.0NL/minとした。SUS製焼成管の両端にはエアノッカーを設置し、エアノッカーの打撃頻度は1分当たり10回の間の打撃となるように設定した。また、打撃によるSUS製焼成管表面の振動加速度が50m/s
2となるようにエアノッカー入口の空気圧力を設定した。振動加速度は振動計(旭化成テクノシステム(株)製MD−220(商品名)。以下同様)を用いて測定した。焼成管を4回転/分の速度で回転させながら、最高焼成温度である370℃まで4時間かけて昇温し、370℃で1時間保持できるように炉の温度を設定して前段焼成を行った。焼成管出口で回収した前段焼成体を少量サンプリングし、窒素雰囲気下400℃に加熱した後、還元率を測定したところ、10.2%であった。回収した前段焼成体を60g/hrの供給量で、回転炉内の直径3インチ、長さ89cmの連続式のSUS製焼成管に供給した。その焼成管内に1.1NL/minの窒素ガスを乾燥粉体の供給方向と対向する方向、及び同じ方向にそれぞれ流し、合計の流量を2.2NL/minとした。SUS製焼成管の両端にはエアノッカーを設置し、エアノッカーの打撃頻度は1分当たり10回の間の打撃となるように設定した。また、打撃によるSUS製焼成管表面の振動加速度が50m/s
2となるようにエアノッカー入口の空気圧力を設定した。振動加速度は振動計を用いて測定した。680℃まで2時間で昇温し、680℃で2時間保持した後、300℃まで8時間かけて降温できるように炉の温度を設定して、本焼成を行った。焼成管出口より得られた焼成体(F
1)の比表面積を測定したところ14.0m
2/gであった。焼成体の比表面積はMICROMETRICS社製Gemini2360(商品名)を用いて、BET1点法により求めた(以下同様。)。
(突起体の除去)
底部に直径1/64インチの3つの穴のある穴あき円盤を備え、上部にペーパーフィルターを設けた垂直チューブ(内径41.6mm、長さ70cm)に焼成体(F
1)を50g投入した。次いで、それぞれの穴を経由して、その垂直チューブの下方から上方に向けて、室温にて空気を流通させて、焼成体同士の接触を促した。この時の気流が流れる方向における気流長さは56mm、気流の平均線速は332m/sであった。24時間後に得られた複合酸化物触媒(G
1)中には突起体が存在しなかった。
複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を、蛍光X線分析(装置:リガク株式会社製、RINT1000(商品名)、Cr管球、管電圧50kV、管電流50mA。以下同様。)により測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.219Nb
0.102W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
この複合酸化物触媒(G
1)のX線回折測定をX線回折装置(リガク株式会社製、RINT2500VHF(商品名)、Cu管球、管電圧40kV、管電流200mA。以下同様。)を用いて行った。この時、2θ=8.9°のピークに着目し、シェラーの式から結晶粒子径を測定したところ、52nmであった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
上記で得られた複合酸化物触媒(G
1)を用いて、以下の方法により、プロパンを気相アンモ酸化反応に供した。内径25mmのバイコールガラス流動床型反応管に複合酸化物触媒を35g充填し、反応温度440℃、反応圧力常圧下にプロパン:アンモニア:酸素:ヘリウム=1:1:3:18のモル比の混合ガスを接触時間2.8(sec・g/cc)で供給した。反応後のプロパン転化率は89.2%、アクリロニトリル収率は55.5%であった。この触媒について、30日間連続反応を行ったところ、30日後のアクリロニトリル収率は55.4%であった。
【0185】
(実施例2)
(乾燥粉体の調製)
乾燥粉体(D
1)を次のようにして製造した。
水2.202kgにヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O〕を611.5g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH
4VO
3〕を84.7g、三酸化二アンチモン〔Sb
2O
3〕を119.3g、さらに硝酸セリウム〔Ce(NO
3)
3・6H
2O〕を6.8g加え、攪拌しながら95℃で1時間加熱して水性原料液(A
1)を調製した。
ニオブ混合液(B
0)535.5gに、H
2O
2として30質量%を含有する過酸化水素水を93.8g添加し、室温で10分間攪拌混合して、水性原料液(B
1)を調製した。
得られた水性原料液(A
1)を70℃に冷却した後にSiO
2として34.0質量%を含有するシリカゾル429.7gを添加し、さらに、H
2O
2として30質量%含有する過酸化水素水98.4gを添加し、55℃で30分間撹拌を続けた。次に、水性原料液(B
1)、メタタングステン酸アンモニウム水溶液を42.8g(純度50%)、粉体シリカ112.5gを水1519kgに分散させた分散液を順次添加した後に、50℃で2.5時間攪拌熟成し、原料調合液であるスラリー状の水性混合液(C
1)を得た。
得られた水性混合液(C
1)を、遠心式噴霧乾燥器に供給して乾燥し、微小球状の乾燥粉体(D
1)を得た。乾燥器の入口温度は210℃、出口温度は120℃であった。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.3質量%であり、平均粒子径は52μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は10.3%、本焼成後の焼成体の比表面積は12.5m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.219Nb
0.102W
0.03Ce
0.005O
n/30.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は87.2%、アクリロニトリル収率は54.5%であった。
【0186】
(実施例3)
(乾燥粉体の調製)
乾燥粉体(D
1)を次のようにして製造した。
水1.027kgにヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O〕を285.4g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH
4VO
3〕を39.5g、三酸化二アンチモン〔Sb
2O
3〕を55.7g、さらに硝酸セリウム〔Ce(NO
3)
3・6H
2O〕を3.2g加え、攪拌しながら95℃で1時間加熱して水性原料液(A
1)を調製した。
ニオブ混合液(B
0)249.9gに、H
2O
2として30質量%を含有する過酸化水素水を43.8g添加し、室温で10分間攪拌混合して、水性原料液(B
1)を調製した。
得られた水性原料液(A
1)を70℃に冷却した後にSiO
2として34.0質量%を含有するシリカゾル1117.2gを添加し、さらに、H
2O
2として30質量%含有する過酸化水素水98.4gを添加し、55℃で30分間撹拌を続けた。次に、水性原料液(B
1)、メタタングステン酸アンモニウム水溶液を20.4g(純度50%)、粉体シリカ292.5gを水3948kgに分散させた分散液を順次添加した後に、50℃で2.5時間攪拌熟成し、原料調合液であるスラリー状の水性混合液(C
1)を得た。
得られた水性混合液(C
1)を、遠心式噴霧乾燥器に供給して乾燥し、微小球状の乾燥粉体(D
1)を得た。乾燥器の入口温度は210℃、出口温度は120℃であった。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.3質量%であり、平均粒子径は56μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は10.5%、本焼成後の焼成体の比表面積は17.0m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.219Nb
0.102W
0.03Ce
0.005O
n/68.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は88.8%、アクリロニトリル収率は55.1%であった。
【0187】
(実施例4)
(乾燥粉体の調製)
乾燥粉体(D
1)を次のようにして製造した。
水1.806kgにヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O〕を432.1g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH
4VO
3〕を69.4g、三酸化二アンチモン〔Sb
2O
3〕を90.1g、さらに硝酸セリウム〔Ce(NO
3)
3・6H
2O〕を4.8g加え、攪拌しながら95℃で1時間加熱して水性原料液(A
1)を調製した。
ニオブ混合液(B
0)504.5gに、H
2O
2として30質量%を含有する過酸化水素水を88.4g添加し、室温で10分間攪拌混合して、水性原料液(B
1)を調製した。
得られた水性原料液(A
1)を70℃に冷却した後にSiO
2として34.0質量%を含有するシリカゾル807.8gを添加し、さらに、H
2O
2として30質量%含有する過酸化水素水98.4gを添加し、55℃で30分間撹拌を続けた。次に、水性原料液(B
1)、メタタングステン酸アンモニウム水溶液を31.0g(純度50%)、粉体シリカ211.5gを水2.855kgに分散させた分散液を順次添加した後に、50℃で2.5時間攪拌熟成し、原料調合液であるスラリー状の水性混合液(C
1)を得た。
得られた水性混合液(C
1)を、遠心式噴霧乾燥器に供給して乾燥し、微小球状の乾燥粉体(D
1)を得た。乾燥器の入口温度は210℃、出口温度は120℃であった。
【0188】
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.5質量%であり、平均粒子径は55μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は10.0%、本焼成後の焼成体の比表面積は12.5m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.240Sb
0.250Nb
0.120W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は87.5%、アクリロニトリル収率は55.2%であった。
【0189】
(実施例5)
(乾燥粉体の調製)
乾燥粉体(D
1)の調製は実施例1と同様の方法で行った。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.5質量%であり、平均粒子径は58μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、前段焼成温度を360℃に変更し、前段焼成時の合計窒素流量7.5NL/minに変更したこと以外は実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は10.0%、本焼成後の焼成体の比表面積は12.0m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.219Nb
0.102W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は88.8%、アクリロニトリル収率は55.1%であった。
【0190】
(実施例6)
(乾燥粉体の調製)
乾燥粉体(D
1)の調製は実施例1と同様の方法で行った。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.7質量%であり、平均粒子径は54μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、前段焼成時の合計窒素流量を2.3NL/min(向流、並流のそれぞれを1.15NL/minずつ。)に変更したこと以外は実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は10.3%、本焼成後の焼成体の比表面積は14.8m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.219Nb
0.102W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は89.0%、アクリロニトリル収率は55.1%であった。
【0191】
(実施例7)
(乾燥粉体の調製)
乾燥粉体(D
1)の調製は実施例1と同様の方法で行った。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.2質量%であり、平均粒子径は53μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、本焼成時の合計窒素流量を3.2NL/min(向流、並流のそれぞれを1.6NL/minずつ。)に変更したこと以外は実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は10.3%、本焼成後の焼成体の比表面積は13.6m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.219Nb
0.102W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は88.6%、アクリロニトリル収率は55.1%であった。
【0192】
(実施例8)
(乾燥粉体の調製)
乾燥粉体(D
1)の調製は実施例1と同様の方法で行った。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.3質量%であり、平均粒子径は52μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、本焼成時の合計窒素流量を1.0NL/min(向流、並流のそれぞれを0.5NL/minずつ。)に変更したこと以外は実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は10.1%、本焼成後の焼成体の比表面積は12.4m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.219Nb
0.102W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は89.1%、アクリロニトリル収率は55.1%であった。
【0193】
(実施例9)
(乾燥粉体の調製)
乾燥粉体(D
1)の調製は実施例1と同様の方法で行った。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.1質量%であり、平均粒子径は49μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、前段焼成時の焼成管の回転数を1回/分に変更した以外は実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は11.2%、本焼成後の焼成体の比表面積は15.6m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.219Nb
0.102W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は87.2%、アクリロニトリル収率は54.0%であった。
【0194】
(実施例10)
(乾燥粉体の調製)
乾燥粉体(D
1)の調製は実施例1と同様の方法で行った。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.6質量%であり、平均粒子径は55μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、前段焼成時の最高焼成温度を330℃、焼成管の回転数を12回/分、前段焼成時の合計窒素流量を6.0NL/min(向流、並流のそれぞれを3.0NL/minずつ。)に変更したこと以外は実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は9.8%、本焼成後の焼成体の比表面積は12.1m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.219Nb
0.102W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は90.0%、アクリロニトリル収率は54.2%であった。
【0195】
(実施例11)
(乾燥粉体の調製)
乾燥粉体(D
1)の調製は実施例1と同様の方法で行った。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.5質量%であり、平均粒子径は58μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、前段焼成時の乾燥粉体(E
1)の供給量を72g/hrに変更したこと以外は実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は10.5%、本焼成後の焼成体の比表面積は14.3m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.219Nb
0.102W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は87.9%、アクリロニトリル収率は54.9%であった。
【0196】
(実施例12)
(乾燥粉体の調製)
乾燥粉体(D
1)の調製は実施例1と同様の方法で行った。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.4質量%であり、平均粒子径は60μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、前段焼成時の乾燥粉体(E
1)の供給量を89g/hrに変更したこと以外は実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は9.9%、本焼成後の焼成体の比表面積は12.2m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.219Nb
0.102W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は87.8%、アクリロニトリル収率は54.6%であった。
【0197】
(実施例13)
(乾燥粉体の調製)
乾燥粉体(D
1)の調製は実施例1と同様の方法で行った。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.4質量%であり、平均粒子径は62μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、本焼成時の前段焼成体の供給量を36g/hrに変更したこと以外は実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は10.3%、本焼成後の焼成体の比表面積は12.0m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.219Nb
0.102W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は88.4%、アクリロニトリル収率は55.2%であった。
【0198】
(実施例14)
(乾燥粉体の調製)
乾燥粉体(D
1)の調製は実施例1と同様の方法で行った。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.4質量%であり、平均粒子径は58μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、本焼成時の前段焼成体の供給量を84g/hrに変更したこと以外は実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は10.4%、本焼成後の焼成体の比表面積は14.0m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.219Nb
0.102W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は88.4%、アクリロニトリル収率は54.3%であった。
【0199】
(実施例15)
(ニオブ原料液の調製)
以下の方法でニオブ原料液を調製した。水500kgにNb
2O
5として77.9質量%を含有するニオブ酸72.2kgとシュウ酸二水和物〔H
2C
2O
4・2H
2O〕267kgとを混合した。仕込みのシュウ酸/ニオブのモル比は5.0、仕込みのニオブ濃度は0.552(mol−Nb/kg−液)であった。
この液を95℃で1時間加熱撹拌することによって、ニオブ化合物が溶解した水溶液を得た。この水溶液を静置、氷冷後、固体を吸引濾過によって濾別し、均一なニオブ化合物水溶液を得た。同じような操作を数回繰り返して、得られたニオブ化合物水溶液を一つにし、ニオブ原料液とした。このニオブ原料液のシュウ酸/ニオブのモル比は下記の分析により2.40であった。
るつぼに、このニオブ原料液10gを精秤し、95℃で一夜乾燥後、600℃で1時間熱処理し、Nb
2O
50.835gを得た。この結果から、ニオブ濃度は0.590(mol−Nb/kg−液)であった。
300mLのガラスビーカーにこのニオブ原料液3gを精秤し、約80℃の熱水200mLを加え、続いて1:1硫酸10mLを加えた。得られた溶液をホットスターラー上で液温70℃に保ちながら、攪拌下、1/4規定KMnO
4を用いて滴定した。KMnO
4によるかすかな淡桃色が約30秒以上続く点を終点とした。シュウ酸の濃度は、滴定量から次式に従って計算した結果、1.50(mol−シュウ酸/kg)であった。
2KMnO
4+3H
2SO
4+5H
2C
2O
4→K
2SO
4+2MnSO
4+10CO
2+8H
2O
同工程を経て繰り返し調製し、以下の複合酸化物触媒の製造におけるニオブ原料液として用いた。
【0200】
(乾燥粉体の調製)
水100kgにヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH
4)6Mo
7O
24・4H
2O〕を30.24kg、メタバナジン酸アンモニウム〔NH
4VO
3〕を4.19kg、三酸化二アンチモン〔Sb
2O
3〕を5.52kg、さらに硝酸セリウム〔Ce(NO
3)
3・6H
2O〕371gを26kgの水に溶解させてから加え、攪拌しながら95℃で1時間加熱して水性混合液(A−1)を得た。
上記ニオブ原料液29.9kgに、H
2O
2として30質量%を含有する過酸化水素水3.42kgを添加した。液温をおよそ20℃に維持し、攪拌混合して、水性液(B−1)を得た。
得られた水性混合液(A−1)を70℃に冷却した後に、SiO
2として32.0質量%を含有するシリカゾル56.55kgを添加した。次いで、H
2O
2として30質量%を含有する過酸化水素水6.44kgを添加し、50℃で1時間撹拌混合した後、メタタングステン酸アンモニウム水溶液を2.38kg溶解させ、水性液(B−1)を添加した。さらに、そこに、ヒュームドシリカ14.81kgを214.7kgの水に分散させた液を添加して得られた液を50℃で2.5時間攪拌熟成し、原料調合液であるスラリー状の水性混合液(C
1)を得た。
得られた水性混合液(C
1)を、遠心式噴霧乾燥器に供給して乾燥し、微小球状の乾燥粉体(D
1)を得た。乾燥器の入口温度は210℃、出口温度は120℃であった。
後述する「乾燥粉体(E
1)の焼成」工程を連続式で行うために、本工程を38回繰り返し、乾燥粉体(D
1)を合計約2600kg調製した。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.8質量%であり、平均粒子径は55μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
得られた乾燥粉体(E
1)を、回転炉内の内径500mm、長さ3500mm、肉厚20mmの連続式のSUS製円筒状焼成管であって、高さ150mmの7枚の堰板を、加熱部分の長さを8等分するように設置した焼成管に、20kg/hrの速度で供給した。その焼成管内に、600NL/minの窒素ガスを流通し、焼成管を4回転/分で回転させながら、370℃まで約4時間かけて昇温し、370℃で3時間保持する温度プロファイルとなるように加熱炉温度を調整し、前段焼成することにより前段焼成体を得た。得られた前段焼成体に対して、実施例1に示した本焼成の条件と同条件で焼成を行った。前段焼成体の還元率は10.2%、本焼成後の焼成体の比表面積は13.5m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.219Nb
0.102W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
この複合酸化物触媒(G
1)のX線回折測定を行った。この時、2θ=8.9°のピークに着目し、シェラーの式から結晶粒子径を測定したところ、48nmであった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は89.1%、アクリロニトリル収率は55.0%であった。この触媒について、30日間連続反応を行ったところ、30日後のアクリロニトリル収率は55.3%であった。
【0201】
(実施例16)
実施例15で行った調製法と同様の方法によりニオブ原料液の調製を行った。
(乾燥粉体の調製)
乾燥粉体(D
1)の調製は実施例15と同様の方法で行った。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.4質量%であり、平均粒子径は53μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
得られた乾燥粉体(E
1)を、回転炉内の内径500mm、長さ3500mm、肉厚20mmのSUS製円筒状焼成管であって、高さ150mmの7枚の堰板を、加熱部分の長さを8等分するように設置した焼成管に、20kg/hrの速度で供給した。その焼成管内に、600Nリットル/minの窒素ガスを流通し、焼成管を4回転/分で回転させながら、370℃まで約4時間かけて昇温し、370℃で3時間保持する温度プロファイルとなるように加熱炉温度を調整し、前段焼成することにより前段焼成体を得た。別の回転炉内の内径500mm、長さ3500mm、肉厚20mmのSUS製円筒状焼成管であって、高さ150mmの7枚の堰板を、加熱部分の長さを8等分するように設置した焼成管に、焼成管を4回転/分で回転させながら、前段焼成体を15kg/hrの速度で供給した。その際、焼成管の前段焼成体導入側部分(加熱炉に覆われていない部分)を、打撃部先端がSUS製の質量14kgのハンマーを設置したハンマリング装置で、回転軸に垂直な方向で焼成管上部250mmの高さから5秒に1回打撃を加えながら、500Nリットル/minの窒素ガス流通下で675℃まで2℃/minで昇温し、675℃で2時間焼成し、1℃/minで降温する温度プロファイルとなるように加熱炉温度を調整し、本焼成することにより焼成体を得た。この過程で得られた前段焼成体の還元率は10.1%、本焼成後の焼成体の比表面積は15.2m
2/gであった。
(突起体の除去)
図1に示すような装置の中に、焼成体を1800kg入れ、摂氏15℃、1気圧における触媒質量当たりのエネルギー換算値(m
5/s
2/kg)が50になるように調整し、24時間運転を行った。この時の気流が流れる方向における気流長さは390mm、気流の平均線速は341m/sであり、気体流通口の穴の数Kは350個であった。突起体を除去した後の複合酸化物触媒(G
1)の組成を蛍光X線分析により、a/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.219Nb
0.102W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は89.1%、アクリロニトリル収率は55.2%であった。
【0202】
(実施例17)
(乾燥粉体の調製)
メタタングステン酸アンモニウム水溶液の量を93.0g(純度50%)に変更して加えたこと以外は実施例1と同様にして、乾燥粉体(D
1)を調製した。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.9質量%であり、平均粒子径は56μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は10.2%、本焼成後の焼成体の比表面積は14.2m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.219Nb
0.102W
0.090Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は88.1%、アクリロニトリル収率は55.2%であった。
【0203】
(実施例18)
(乾燥粉体の調製)
メタタングステン酸アンモニウム水溶液を加えなかったこと以外は実施例1と同様にして、乾燥粉体(D
1)を調製した。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.9質量%であり、平均粒子径は57μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は9.9%、本焼成後の焼成体の比表面積は11.0m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.219Nb
0.102Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は88.7%、アクリロニトリル収率は54.4%であった。
【0204】
(実施例19)
(乾燥粉体の調製)
硝酸セリウム〔Ce(NO
3)
3・6H
2O〕を加えなかったこと以外は実施例1と同様にして、乾燥粉体(D
1)を調製した。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.4質量%であり、平均粒子径は55μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は9.9%、本焼成後の焼成体の比表面積は15.5m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.219Nb
0.102W
0.030O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は89.5%、アクリロニトリル収率は54.3%であった。
【0205】
(実施例20)
(乾燥粉体の調製)
硝酸セリウム〔Ce(NO
3)
3・6H
2O〕の添加量を8.7gに変更したこと以外は実施例1と同様にして、乾燥粉体(D
1)を調製した。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.4質量%であり、平均粒子径は52μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は9.7%、本焼成後の焼成体の比表面積は12.8m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示すこの時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.219Nb
0.102W
0.030Ce
0.009O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は89.1%、アクリロニトリル収率は54.6%であった。
【0206】
(実施例21)
(乾燥粉体の調製)
硝酸セリウム〔Ce(NO
3)
3・6H
2O〕の代わりに硝酸ランタン〔La(NO
3)
3・6H
2O〕を4.8g添加したこと以外は実施例1と同様にして、乾燥粉体(D
1)を調製した。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.7質量%であり、平均粒子径は51μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は9.9%、本焼成後の焼成体の比表面積は14.5m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.219Nb
0.102W
0.030La
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は88.8%、アクリロニトリル収率は54.0%であった。
【0207】
(実施例22)
(乾燥粉体の調製)
硝酸セリウム〔Ce(NO
3)
3・6H
2O〕の代わりに硝酸プラセオジム〔Pr(NO
3)
3・6H
2O〕を4.8g添加したこと以外は実施例1と同様にして、乾燥粉体(D
1)を調製した。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.7質量%であり、平均粒子径は56μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は9.9%、本焼成後の焼成体の比表面積は14.2m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.219Nb
0.102W
0.030Pr
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は88.7%、アクリロニトリル収率は54.1%であった。
【0208】
(実施例23)
(乾燥粉体の調製)
硝酸セリウム〔Ce(NO
3)
3・6H
2O〕の代わりに硝酸イッテルビウム〔Yb(NO
3)
3・3H
2O〕を4.6g添加したこと以外は実施例1と同様にして、乾燥粉体(D
1)を調製した。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.6質量%であり、平均粒子径は58μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は9.9%、本焼成後の焼成体の比表面積は14.0m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.219Nb
0.102W
0.030Yb
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は88.8%、アクリロニトリル収率は54.1%であった。
【0209】
(実施例24)
(乾燥粉体の調製)
三酸化二アンチモン〔Sb
2O
3〕を93.5g、ニオブ混合液(B
0)を452.6g、ニオブ混合液(B
0)と共に添加するH
2O
2として30質量%を含有する過酸化水素水を79.3gにそれぞれ変更して添加したこと以外は実施例1と同様にして、乾燥粉体(D
1)を調製した。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.7質量%であり、平均粒子径は53μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は10.8%、本焼成後の焼成体の比表面積は14.8m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.243Nb
0.122W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は89.1%、アクリロニトリル収率は54.8%であった。
【0210】
(実施例25)
(乾燥粉体の調製)
水を1655g、ヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O〕を459.2g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH
4VO
3〕を63.7g、三酸化二アンチモン〔Sb
2O
3〕を99.3g、ニオブ混合液(B
0)を363.6g、ニオブ混合液(B
0)と共に添加するH
2O
2として30質量%を含有する過酸化水素水を63.7gにそれぞれ変更して添加したこと以外は実施例1と同様にして、乾燥粉体(D
1)を調製した。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.8質量%であり、平均粒子径は55μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、前段焼成における最高焼成温度を350℃、本焼成における最高焼成温度を685℃にしたこと以外は実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は9.9%、本焼成後の焼成体の比表面積は11.0m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.220Sb
0.258Nb
0.098W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
この複合酸化物のX線回折測定を行った。この時、2θ=8.9°のピークに着目し、シェラーの式から結晶粒子径を測定したところ、55nmであった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は88.3%、アクリロニトリル収率は54.6%であった。
【0211】
(実施例26)
(乾燥粉体の調製)
三酸化二アンチモン〔Sb
2O
3〕を80.8g、ニオブ混合液(B
0)を337.6g、ニオブ混合液(B
0)と共に添加するH
2O
2として30質量%を含有する過酸化水素水を59.2gに、それぞれ変更して添加したこと以外は実施例1と同様の方法にして、乾燥粉体(D
1)を調製した。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.4質量%であり、平均粒子径は49μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、前段焼成における最高焼成温度を350℃、本焼成における最高焼成温度を690℃にしたこと以外は実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は9.9%、本焼成後の焼成体の比表面積は11.0m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.210Nb
0.091W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
この複合酸化物のX線回折測定を行った。この時、2θ=8.9°のピークに着目し、シェラーの式から結晶粒子径を測定したところ、65nmであった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は89.0%、アクリロニトリル収率は54.5%であった。
【0212】
(実施例27)
(乾燥粉体の調製)
三酸化二アンチモン〔Sb
2O
3〕を81.2g、ニオブ混合液(B
0)を445.2g、ニオブ混合液(B
0)と共に添加するH
2O
2として30質量%を含有する過酸化水素水を78.0gに、それぞれ変更して添加したこと以外は実施例1と同様にして、乾燥粉体(D
1)を調製した。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.4質量%であり、平均粒子径は54μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は10.7%、本焼成後の焼成体の比表面積は15.6m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.211Nb
0.120W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は89.0%、アクリロニトリル収率は55.5%であった。
【0213】
(実施例28)
(乾燥粉体の調製)
三酸化二アンチモン〔Sb
2O
3〕を81.2g、ニオブ混合液(B
0)を519.4g、ニオブ混合液(B
0)と共に添加するH
2O
2として30質量%を含有する過酸化水素水を91.0gに、それぞれ変更して添加したこと以外は実施例1と同様にして、乾燥粉体(D
1)を調製した。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.6質量%であり、平均粒子径は55μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、前段焼成における最高焼成温度を385℃、本焼成における最高焼成温度を680℃にしたこと以外は実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は11.0%、本焼成後の焼成体の比表面積は16.0m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.211Nb
0.140W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
この複合酸化物のX線回折測定を行った。この時、2θ=8.9°のピークに着目し、シェラーの式から結晶粒子径を測定したところ、46nmであった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は87.4%、アクリロニトリル収率は54.6%であった。
【0214】
(実施例29)
(乾燥粉体の調製)
三酸化二アンチモン〔Sb
2O
3〕を93.5g、ニオブ混合液(B
0)を519.4g、ニオブ混合液(B
0)と共に添加するH
2O
2として30質量%を含有する過酸化水素水を91.0gに、それぞれ変更して添加したこと以外は実施例1と同様にして、乾燥粉体(D
1)を調製した。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.5質量%であり、平均粒子径は53μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、前段焼成における最高焼成温度を385℃、本焼成における最高焼成温度を680℃にした以外、実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は11.3%、本焼成後の焼成体の比表面積は15.0m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.243Nb
0.140W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
この複合酸化物のX線回折測定を行った。この時、2θ=8.9°のピークに着目し、シェラーの式から結晶粒子径を測定したところ、45nmであった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は87.2%、アクリロニトリル収率は54.4%であった。
【0215】
(実施例30)
(乾燥粉体の調製)
水を1505g、ヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O〕を417.5g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH
4VO
3〕を57.9g、三酸化二アンチモン〔Sb
2O
3〕を87.4g、ニオブ混合液(B
0)を341.3g、ニオブ混合液(B
0)と共に添加するH
2O
2として30質量%を含有する過酸化水素水を59.8gに、それぞれ変更して添加したこと以外は実施例1と同様にして、乾燥粉体(D
1)を調製した。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.8質量%であり、平均粒子径は50μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、本焼成における最高焼成温度を680℃にしたこと以外は実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は10.1%、本焼成後の焼成体の比表面積は14.3m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.200Sb
0.227Nb
0.092W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は88.3%、アクリロニトリル収率は55.1%であった。
(実施例31)
(乾燥粉体の調製)
水を1505g、ヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O〕を417.5g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH
4VO
3〕を57.9g、三酸化二アンチモン〔Sb
2O
3〕を87.4g、ニオブ混合液(B
0)を426.6g、ニオブ混合液(B
0)と共に添加するH
2O
2として30質量%を含有する過酸化水素水を74.8gに、それぞれ変更して添加したこと以外は実施例1と同様にして、乾燥粉体(D
1)を調製した。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.8質量%であり、平均粒子径は52μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、本焼成における最高焼成温度を680℃にしたこと以外は実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は10.0%、本焼成後の焼成体の比表面積は13.8m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.200Sb
0.227Nb
0.115W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は88.3%、アクリロニトリル収率は55.2%であった。
【0216】
(実施例32)
(乾燥粉体の調製)
乾燥粉体(D
1)の調製は実施例1と同様の方法で行った。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.4質量%であり、平均粒子径は55μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、前段焼成時の乾燥粉体(E
1)の供給量を70g/hrに変更し、前段焼成における合計窒素流量を0.8NL/min(向流、並流のそれぞれを0.4NL/minずつ。)に変更し、前段焼成における最高焼成温度を400℃に変更した。本焼成での前段焼成体の供給量を51g/hrに変更し、本焼成における最高焼成温度を695℃に変更した。これら以外は実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は10.2%、本焼成後の焼成体の比表面積は8.0m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.219Nb
0.102W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は88.4%、アクリロニトリル収率は53.8%であった。
【0217】
(実施例33)
(乾燥粉体の調製)
ニオブ混合液(B
0)を500.8g、ニオブ混合液(B
0)と共に添加するH
2O
2として30質量%を含有する過酸化水素水を87.8gにそれぞれ変更して添加したこと以外は実施例1と同様にして、乾燥粉体(D
1)を調製した。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.4質量%であり、平均粒子径は49μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、本焼成における最高焼成温度を670℃に変更したこと以外は、実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は11.2%、本焼成後の焼成体の比表面積は14.8m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.219Nb
0.135W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は87.5%、アクリロニトリル収率は54.4%であった。この触媒について、30日間連続反応を行ったところ、30日後のアクリロニトリル収率は54.6%であった。
【0218】
(実施例34)
(乾燥粉体の調製)
水を1520g、ヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O〕を421.7g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH
4VO
3〕を58.5g、ニオブ混合液(B
0)を437.8g、ニオブ混合液(B
0)と共に添加するH
2O
2として30質量%を含有する過酸化水素水を76.7gにそれぞれ変更して添加したこと以外は実施例1と同様にして、乾燥粉体(D
1)を調製した。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.7質量%であり、平均粒子径は50μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
本焼成における最高焼成温度を670℃に変更したこと以外は、実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は10.8%、本焼成後の焼成体の比表面積は14.3m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.202Sb
0.219Nb
0.118W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は87.6%、アクリロニトリル収率は52.8%であった。この触媒について、30日間連続反応を行ったところ、30日後のアクリロニトリル収率は54.8%であった。
【0219】
(実施例35)
(乾燥粉体の調製)
ニオブ混合液(B
0)を341.3g、ニオブ混合液(B
0)と共に添加するH
2O
2として30質量%を含有する過酸化水素水を59.8gにそれぞれ変更して添加したこと以外は実施例1と同様にして、乾燥粉体(D
1)を調製した。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.2質量%であり、平均粒子径は52μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、本焼成における最高焼成温度を685℃に変更したこと以外は、実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は9.5%、本焼成後の焼成体の比表面積は13.5m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.219Nb
0.092W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は89.6%、アクリロニトリル収率は55.4%であった。この触媒について、30日間連続反応を行ったところ、30日後のアクリロニトリル収率は54.5%であった。
【0220】
(比較例1)
(乾燥粉体の調製)
乾燥粉体(D
1)を次のようにして製造した。
水1.580kgにヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O〕を438.4g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH
4VO
3〕を60.8g、三酸化二アンチモン〔Sb
2O
3〕を107.8g、さらに硝酸セリウム〔Ce(NO
3)
3・6H
2O〕を4.8g加え、攪拌しながら95℃で1時間加熱して水性原料液(A
1)を調製した。
実施例1と同様にして調製したニオブ混合液(B
0)371.0gに、H
2O
2として30質量%を含有する過酸化水素水を65.0g添加し、室温で10分間攪拌混合して、水性原料液(B
1)を調製した。
得られた水性原料液(A
1)を70℃に冷却した後にSiO
2として34.0質量%を含有するシリカゾル807.8gを添加し、さらに、H
2O
2として30質量%含有する過酸化水素水98.4gを添加し、55℃で30分間撹拌を続けた。次に、水性原料液(B
1)、メタタングステン酸アンモニウム水溶液を31.0g(純度50%)、粉体シリカ211.5gを水2.855kgに分散させた分散液を順次添加した後に、50℃で2.5時間攪拌熟成し、スラリー状の水性混合液(C
1)を得た。
得られた水性混合液(C
1)を、遠心式噴霧乾燥器に供給して乾燥し、微小球状の乾燥粉体(D
1)を得た。乾燥器の入口温度は210℃、出口温度は120℃であった。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.9質量%であり、平均粒子径は50μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、前段焼成における最高焼成温度を390℃、本焼成における最高焼成温度を695℃に変更したこと以外は、実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は9.2%、本焼成後の焼成体の比表面積は9.0m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.210Sb
0.280Nb
0.100W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は86.0%、アクリロニトリル収率は51.5%であった。この触媒について、30日間連続反応を行ったところ、30日後のアクリロニトリル収率は49.0%であった。
【0221】
(比較例2)
(乾燥粉体の調製)
乾燥粉体(D
1)を次のようにして製造した。
水1.730kgにヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O〕を480.1g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH
4VO
3〕を66.6g、三酸化二アンチモン〔Sb
2O
3〕を84.7g、さらに硝酸セリウム〔Ce(NO
3)
3・6H
2O〕を4.8g加え、攪拌しながら95℃で1時間加熱して水性原料液(A
1)を調製した。
実施例1と同様にして調製したニオブ混合液(B
0)333.9gに、H
2O
2として30質量%を含有する過酸化水素水を58.5g添加し、室温で10分間攪拌混合して、水性原料液(B
1)を調製した。
得られた水性原料液(A
1)を70℃に冷却した後にSiO
2として34.0質量%を含有するシリカゾル807.8gを添加し、さらに、H
2O
2として30質量%含有する過酸化水素水98.4gを添加し、55℃で30分間撹拌を続けた。次に、水性原料液(B
1)、メタタングステン酸アンモニウム水溶液を31.0g(純度50%)、粉体シリカ211.5gを水2.855kgに分散させた分散液を順次添加した後に、50℃で2.5時間攪拌熟成し、原料調合液であるスラリー状の水性混合液(C
1)を得た。
得られた水性混合液(C
1)を、遠心式噴霧乾燥器に供給して乾燥し、微小球状の乾燥粉体(D
1)を得た。乾燥器の入口温度は210℃、出口温度は120℃であった。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.9質量%であり、平均粒子径は52μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、前段焼成における最高焼成温度を345℃、本焼成における最高焼成温度を650℃に変更したこと以外は、実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は9.8%、本焼成後の焼成体の比表面積は11.5m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.230Sb
0.220Nb
0.090W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
この複合酸化物のX線回折測定を行った。この時、2θ=8.9°のピークに着目し、シェラーの式から結晶粒子径を測定したところ、35nmであった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は84.0%、アクリロニトリル収率は52.3%であった。
【0222】
(比較例3)
(乾燥粉体の調製)
乾燥粉体(D
1)を次のようにして製造した。
水1.730kgにヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O〕を480.1g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH
4VO
3〕を66.6g、三酸化二アンチモン〔Sb
2O
3〕を100.1g、さらに硝酸セリウム〔Ce(NO
3)
3・6H
2O〕を4.8g加え、攪拌しながら95℃で1時間加熱して水性原料液(A
1)を調製した。
実施例1と同様にして調製したニオブ混合液(B
0)333.9gに、H
2O
2として30質量%を含有する過酸化水素水を58.5g添加し、室温で10分間攪拌混合して、水性原料液(B
1)を調製した。
得られた水性原料液(A
1)を70℃に冷却した後にSiO
2として34.0質量%を含有するシリカゾル807.8gを添加し、さらに、H
2O
2として30質量%含有する過酸化水素水98.4gを添加し、55℃で30分間撹拌を続けた。次に、水性原料液(B
1)、メタタングステン酸アンモニウム水溶液を31.0g(純度50%)、粉体シリカ211.5gを水2.855kgに分散させた分散液を順次添加した後に、50℃で2.5時間攪拌熟成し、原料調合液であるスラリー状の水性混合液(C
1)を得た。
得られた水性混合液(C
1)を、遠心式噴霧乾燥器に供給して乾燥し、微小球状の乾燥粉体(D
1)を得た。乾燥器の入口温度は210℃、出口温度は120℃であった。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.3質量%であり、平均粒子径は56μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、前段焼成における最高焼成温度を390℃、本焼成における最高焼成温度を695℃に変更したこと以外は、実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は9.6%、本焼成後の焼成体の比表面積は9.5m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.230Sb
0.260Nb
0.090W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は81.2%、アクリロニトリル収率は52.0%であった。
【0223】
(比較例4)
(乾燥粉体の調製)
乾燥粉体(D
1)を次のようにして製造した。
水1.505kgにヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O〕を417.5g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH
4VO
3〕を57.9g、三酸化二アンチモン〔Sb
2O
3〕を100.1g、さらに硝酸セリウム〔Ce(NO
3)
3・6H
2O〕を4.8g加え、攪拌しながら95℃で1時間加熱して水性原料液(A
1)を調製した。
実施例1と同様にして調製したニオブ混合液(B
0)519.4gに、H
2O
2として30質量%を含有する過酸化水素水を91.0g添加し、室温で10分間攪拌混合して、水性原料液(B
1)を調製した。
得られた水性原料液(A
1)を70℃に冷却した後にSiO
2として34.0質量%を含有するシリカゾル807.8gを添加し、さらに、H
2O
2として30質量%含有する過酸化水素水98.4gを添加し、55℃で30分間撹拌を続けた。次に、水性原料液(B
1)、メタタングステン酸アンモニウム水溶液を31.0g(純度50%)、粉体シリカ211.5gを水2.855kgに分散させた分散液を順次添加した後に、50℃で2.5時間攪拌熟成し、原料調合液であるスラリー状の水性混合液(C
1)を得た。
得られた水性混合液(C
1)を、遠心式噴霧乾燥器に供給して乾燥し、微小球状の乾燥粉体(D
1)を得た。乾燥器の入口温度は210℃、出口温度は120℃であった。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.3質量%であり、平均粒子径は54μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、前段焼成における最高焼成温度を340℃、本焼成における最高焼成温度を640℃に変更したこと以外は、実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は10.8%、本焼成後の焼成体の比表面積は15.2m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.200Sb
0.260Nb
0.140W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は82.0%、アクリロニトリル収率は51.5%であった。
【0224】
(比較例5)
(乾燥粉体の調製)
乾燥粉体(D
1)を次のようにして製造した。
水1.557kgにヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O〕を432.1g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH
4VO
3〕を59.9g、三酸化二アンチモン〔Sb
2O
3〕を84.3g、さらに硝酸セリウム〔Ce(NO
3)
3・6H
2O〕を4.8g加え、攪拌しながら95℃で1時間加熱して水性原料液(A
1)を調製した。
実施例1と同様にして調製したニオブ混合液(B
0)575.0gに、H
2O
2として30質量%を含有する過酸化水素水を100.8g添加し、室温で10分間攪拌混合して、水性原料液(B
1)を調製した。
得られた水性原料液(A
1)を70℃に冷却した後にSiO
2として34.0質量%を含有するシリカゾル807.8gを添加し、さらに、H
2O
2として30質量%含有する過酸化水素水98.4gを添加し、55℃で30分間撹拌を続けた。次に、水性原料液(B
1)、メタタングステン酸アンモニウム水溶液を31.0g(純度50%)、粉体シリカ211.5gを水2.855kgに分散させた分散液を順次添加した後に、50℃で2.5時間攪拌熟成し、原料調合液であるスラリー状の水性混合液(C
1)を得た。
得られた水性混合液(C
1)を、遠心式噴霧乾燥器に供給して乾燥し、微小球状の乾燥粉体(D
1)を得た。乾燥器の入口温度は210℃、出口温度は120℃であった。
【0225】
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.3質量%であり、平均粒子径は53μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、前段焼成における最高温度を400℃、本焼成における最高温度を700℃に変更したこと以外は、実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は11.5%、本焼成後の焼成体の比表面積は15.0m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.219Nb
0.155W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は81.7%、アクリロニトリル収率は48.5%であった。この触媒について、30日間連続反応を行ったところ、30日後のアクリロニトリル収率は46.5%であった。
【0226】
(比較例6)
(乾燥粉体の調製)
乾燥粉体(D
1)を次のようにして製造した。
水1.557kgにヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O〕を432.1g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH
4VO
3〕を59.9g、三酸化二アンチモン〔Sb
2O
3〕を75.1g、さらに硝酸セリウム〔Ce(NO
3)
3・6H
2O〕を4.8g加え、攪拌しながら95℃で1時間加熱して水性原料液(A
1)を調製した。
実施例1と同様にして調製したニオブ混合液(B
0)482.3gに、H
2O
2として30質量%を含有する過酸化水素水を84.5g添加し、室温で10分間攪拌混合して、水性原料液(B
1)を調製した。
得られた水性原料液(A
1)を70℃に冷却した後にSiO
2として34.0質量%を含有するシリカゾル807.8gを添加し、さらに、H
2O
2として30質量%含有する過酸化水素水98.4gを添加し、55℃で30分間撹拌を続けた。次に、水性原料液(B
1)、メタタングステン酸アンモニウム水溶液を31.0g(純度50%)、粉体シリカ211.5gを水2.855kgに分散させた分散液を順次添加した後に、50℃で2.5時間攪拌熟成し、原料調合液であるスラリー状の水性混合液(C
1)を得た。
得られた水性混合液(C
1)を、遠心式噴霧乾燥器に供給して乾燥し、微小球状の乾燥粉体(D
1)を得た。乾燥器の入口温度は210℃、出口温度は120℃であった。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.3質量%であり、平均粒子径は56μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、前段焼成における最高焼成温度を370℃、本焼成における最高焼成温度を680℃に変更したこと以外は、実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は11.2%、本焼成後の焼成体の比表面積は14.2m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.207Sb
0.195Nb
0.130W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は82.3%、アクリロニトリル収率は51.6%であった。
【0227】
(比較例7)
(乾燥粉体の調製)
乾燥粉体(D
1)を次のようにして製造した。
水1.505kgにヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O〕を417.5g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH
4VO
3〕を57.9g、三酸化二アンチモン〔Sb
2O
3〕を94.3g、さらに硝酸セリウム〔Ce(NO
3)
3・6H
2O〕を4.8g加え、攪拌しながら95℃で1時間加熱して水性原料液(A
1)を調製した。
実施例1と同様にして調製したニオブ混合液(B
0)304.2gに、H
2O
2として30質量%を含有する過酸化水素水を53.3g添加し、室温で10分間攪拌混合して、水性原料液(B
1)を調製した。
得られた水性原料液(A
1)を70℃に冷却した後にSiO
2として34.0質量%を含有するシリカゾル807.8gを添加し、さらに、H
2O
2として30質量%含有する過酸化水素水98.4gを添加し、55℃で30分間撹拌を続けた。次に、水性原料液(B
1)、メタタングステン酸アンモニウム水溶液を31.0g(純度50%)、粉体シリカ211.5gを水2.855kgに分散させた分散液を順次添加した後に、50℃で2.5時間攪拌熟成し、原料調合液であるスラリー状の水性混合液(C
1)を得た。
得られた水性混合液(C
1)を、遠心式噴霧乾燥器に供給して乾燥し、微小球状の乾燥粉体(D
1)を得た。乾燥器の入口温度は210℃、出口温度は120℃であった。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.4質量%であり、平均粒子径は57μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、前段焼成における最高焼成温度を370℃、本焼成における最高焼成温度を680℃に変更したこと以外は、実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は9.0%、本焼成後の焼成体の比表面積は11.0m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.200Sb
0.245Nb
0.082W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は84.2%、アクリロニトリル収率は49.5%であった。この触媒について、30日間連続反応を行ったところ、30日後のアクリロニトリル収率は44.0%であった。
【0228】
(比較例8)
(乾燥粉体の調製)
乾燥粉体(D
1)を次のようにして製造した。
水1.655kgにヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O〕を459.2g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH
4VO
3〕を63.7g、三酸化二アンチモン〔Sb
2O
3〕を80.8g、さらに硝酸セリウム〔Ce(NO
3)
3・6H
2O〕を4.8g加え、攪拌しながら95℃で1時間加熱して水性原料液(A
1)を調製した。
実施例1と同様にして調製したニオブ混合液(B
0)408.1gに、H
2O
2として30質量%を含有する過酸化水素水を71.5g添加し、室温で10分間攪拌混合して、水性原料液(B
1)を調製した。
得られた水性原料液(A
1)を70℃に冷却した後にSiO
2として34.0質量%を含有するシリカゾル807.8gを添加し、さらに、H
2O
2として30質量%含有する過酸化水素水98.4gを添加し、55℃で30分間撹拌を続けた。次に、水性原料液(B
1)、メタタングステン酸アンモニウム水溶液を31.0g(純度50%)、粉体シリカ211.5gを水2.855kgに分散させた分散液を順次添加した後に、50℃で2.5時間攪拌熟成し、原料調合液であるスラリー状の水性混合液(C
1)を得た。
得られた水性混合液(C
1)を、遠心式噴霧乾燥器に供給して乾燥し、微小球状の乾燥粉体(D
1)を得た。乾燥器の入口温度は210℃、出口温度は120℃であった。
(分級操作)
得られた乾燥粉体(D
1)を目開き25μmの篩を用いて分級し、分級品である乾燥粉体(E
1)を得た。得られた乾燥粉体(E
1)の25μm以下の粒子含有率は0.4質量%であり、平均粒子径は58μmであった。
(乾燥粉体(E
1)の焼成)
焼成条件は、前段焼成における最高焼成温度を370℃、本焼成における最高焼成温度を680℃に変更したこと以外は、実施例1と同じ条件で焼成を行った。この時の前段焼成体の還元率は10.5%、本焼成後の焼成体の比表面積は13.8m
2/gであった。
(突起体の除去)
実施例1と同じ条件で突起体の除去を行い、蛍光X線分析により、複合酸化物触媒(G
1)のa/b、a/c組成比を測定した。得られた結果を表1に示す。この時に得られた複合酸化物触媒(G
1)の組成はMo
1V
0.220Sb
0.210Nb
0.110W
0.030Ce
0.005O
n/51.0wt%−SiO
2であった。
(プロパンのアンモ酸化反応)
実施例1と同じ条件で反応を行ったところ、反応後のプロパン転化率は84.3%、アクリロニトリル収率は49.5%であった。
【0229】
【表1】