【課題を解決するための手段】
【0005】
具体的には、本発明は、以後「多層体配列」と称される、多層体の配列によって実現される。多層体配列は、各々が少なくとも1つの処理対象面を有する少なくとも2つの多層体、ならびに少なくとも2つの多層体を位置決めする少なくとも1つの装置を含み、装置は、それぞれの処理対象面が互いに向かい合っており、そうして表面の間に設けられた準閉鎖処理空間を形成するように構成されており、そこで実質的に処理が行われる。多層体は、処理システム内で多層体配列として処理可能、具体的にはセレン化可能である。多層体は、その間に特定の距離を有することができるが、しかし処理対象面は互いの上に直接配置されることも可能である。処理空間もまた可能である。具体的にはその間に特定の距離を備えて設けられる多層体は、こうして実質的に閉鎖されたまたは準閉鎖的な処理空間を形成する。本発明の文脈において、「準閉鎖」という表現は、縁において開放している処理空間を指すが、しかし周囲とのガス交換に関わるエッジ効果がごくわずかなので、処理条件の著しい変化が処理空間内で発生しないように、少なくとも多層体の処理期間の間、処理空間とその周囲との間で事実上ガス交換は発生しない。加えて、バリヤガス密封処理空間またはフレームガス封止処理空間が、提供されることが可能である。本発明による多層体配列において、周囲に開放された処理空間と外部環境との間にガス交換バリヤまたは均圧抵抗が形成されるように、2つの多層体は互いに対して離間しており、これは気化した層成分、処理ガス、または処理反応ガスが量を制御されないまま外部環境内まで通過するのを防止する。これは、向かい合う多層体の処理対象面の間の(非ゼロ)距離の適切な選択によって実現されることが可能であり、これは処理空間の容積、ガス粒子の平均自由行程、または処理空間内のガスのそれぞれの分圧に依存する。例えば、互いに向かい合っている多層体の処理対象面の間の非ゼロ距離は50mm未満、好ましくは10mm未満、特に好ましくは1から8mmであり、非常に薄い多層体(例えば膜)では、1mm未満でさえである。これらの値は、その処理対象面がいずれの場合も例えば100cm
2から200000cm
2の範囲の大きさを有する多層体に基づく。有利なことに、互いに向かい合っている多層体の処理対象面の間の(非ゼロ)距離は、例えば加熱処理(蒸発および外方拡散)によって生じる、例えばカルコゲン成分(S、Se)などの処理空間内のガスの質量損失が、50%未満、好ましくは20%未満、特に好ましくは10%未満、非常に好ましくは1%未満、さらに好ましくは0.1%未満となるように、選択される。
【0006】
それによって処理空間が気密閉鎖される、バリヤまたはフレームを用いない場合、互いに向かい合っている多層体の処理対象面の辺の間の本発明による多層体配列には、処理空間の(ガス通過)開口部がある。この開口部は、2つの多層体の間の距離dに応じて、特定の開放面積Sを有する。距離d(多層体配列において互いに向かい合っている2つの処理対象面の間の距離)だけ離れて位置する辺長aおよびbを有する長方形基板の場合、基板辺の開放面積Sは式S=(2・a+2・b)・dで表される。他方、2つの基板の被膜表面からなる、2つの基板上の総処理面積Tは、処理空間内で処理される。総処理面積Tは、式T=2・a・bで表される(辺長a、bの、2つの長方形の被膜基板)。総処理面積Tに対する開放面積Sの関係を考慮すると(A=S/Tと規定される)、本発明による多層体配列において、Aは最大値0.4、好ましくは最大値0.2、特に好ましくは最大値0.02、さらに好ましくは最大値0.002を有することが、有利である。
【0007】
有利な実施形態は、反応性薄膜と炉環境またはチャンバ空間との間の境界という意味において、実質的に閉鎖された、すなわち準閉鎖処理空間を形成するように、2つの多層体および第一離間要素または2つの多層体および第一離間要素および第二離間要素が、互いに対して設けられると規定する。言い換えると、基板は処理ボックスのカバー要素および床要素を形成し、その一方で離間要素は、例えば処理ボックスの側壁要素として設けられる。多層体のサンドイッチはこの場合、処理ボックスそのものと類似している。処理空間はこうして望ましい方式で縮小される。処理対象面のみが処理ガスに曝される。このプロセス変形例は、チャンバ環境の最小化によって、処理ボックスそのものを用いなくても十分に高い(例えば)Se分圧を保証しようとするものである。
【0008】
本発明の要点は、前駆体被膜を備えるガラス基板など、2つの多層体を同時に処理することが可能である点にあるが、(二重基板突合せRTP)、これは位置決め装置(ならびに支持装置)によって適切に位置決めおよび支持されるからである。2つの基板は、例えばCu、Ga、In、Se、Naなどの前駆体元素で被膜され、これら被膜された処理対象面は互いに向かい合って設けられている。処理時間を維持しながら、この結果、事実上一定のシステム占有面積および同等のシステム投資量で、システムスループットは2倍になる。言い換えると、システム設計は実質的に維持されることが可能である。
【0009】
処理すべき多層体は、すでに上述されたように、第一被膜(前駆体)をすでに有している。追加元素がこれらの被膜上に付着され、および/または前駆体を所望の半導体に変換するための変換が、被膜内で発生する。その結果、互いに向かい合っている表面は、以下において一般に「被膜」、「被膜表面」、「被膜面」、または「処理対象面」などとも称される。
【0010】
本発明は、黄銅鉱半導体のみならず、基板上の機能薄膜のすべての付着についても言及する(例えば、黄銅鉱半導体に加えて、CdTe半導体および関連する半導体)。
【0011】
好ましくは、装置(およびひいては最終的には多層体配列)は、チャンバ空間(またはトンネル空間)を備える処理システムの処理チャンバまたは処理トンネル内、および/または縮小チャンバ空間を形成する装置内、および/または輸送装置によって処理システム(すなわち処理チャンバまたは処理トンネル)の内外に、またはそのために設けられた適切な別の場所に多層体配列を輸送するための運搬要素上に、またはこれと当接して、設けられているかまたは設けられることが可能である(「設けられることが可能」とは、「提供されることが可能」という意味で理解されることも可能である)。装置はこのように、例えば、最終的にチャンバまたはトンネル内に入れるために多層体を受容するため、処理システムの外側に設けられることが可能となるように構成される。この目的のため、例えば、多層体配列を移動させてこれをシステム内外に輸送する輸送装置が、提供される。このために、装置は好ましくは、運搬要素(輸送板など、輸送装置の一種であるキャリア)上の輸送装置を用いて輸送可能となるように構成されている。キャリア単独でも輸送装置を形成することが可能である。多層体配列は、手動でシステムに導入されることも、または直接システム内に組み込まれることも、可能である。最小限の処理ガスを消費するために、チャンバ空間を縮小し、処理空間そのものを提供することが、好都合である。その結果、二次エネルギー源またはエネルギー送信器の役割を果たす選択されたエネルギー源に対して少なくとも部分的に透過性のパネル(例えば、ガラスセラミック製)、あるいは吸収性の高いパネルが、基板とエネルギー源との間に設けられることが可能であり、これらのパネルは加熱プロセスの間に揮発性成分の蒸発を低減または最小化するために、所定の処理空間を形成する。プロセスの特定の段階において、追加処理ガス(例えばH
2、N
2、Ar、H
2S、H
2Se、Sガス、Seガス、および/またはその他)が、この処理空間に導入されることが可能である。これは、例えば処理ボックスまたは処理フードなど、縮小チャンバ空間を形成する装置を用いて実現されることが可能である。位置決め装置は、処理ボックスまたは処理フード内に設けられるように、または設けられることが可能なように構成されている。
【0012】
金属(例えば)CuInGa前駆体の完全なセレン化を確実にするために、十分な量のSeが必要である。Se損失は、結果的に前駆体から黄銅鉱半導体への不完全な変換を生じ、そのため太陽電池モジュールの明らかな出力損失を招くだろう。十分な量のSeを保証することは、例えば、処理ボックスの使用を通じて達成される。その他のこのようなプロセスにも、同じことが該当する。処理ボックスは、開放型または閉鎖型のいずれで設計されることも可能である。開放ボックスでは、側壁がないか、または部分的な側壁のみが存在する。閉鎖ボックスでは、床要素、カバー要素、および側壁が、処理空間を実質的に完全に囲んでいる。処理フードは、慣習的に、処理システム内の静止保持のために構成されている。
【0013】
好適な実施形態において、装置は、多層体が使用中に互いの上にサンドイッチ状に設けられ、そうして多層体配列の底部多層体および上部多層体を形成するように、構成されている。このため、被膜または処理対象面は、底部基板の上面および上部基板の底面に設けられる(対面または突合せ配列)。
【0014】
好ましくは、装置は処理チャンバのチャンバ空間内に(あるいはそれに適しているかまたはそのために提供された場所に)設けられることが可能であり、または装置は、2つの多層体および/または位置決め装置が縮小チャンバ空間を形成する装置、好ましくは処理ボックスを少なくとも部分的に形成するように、2つの多層体がその上に設けられることが可能なように構成されている。このため、構成に応じて、多層体または基板は処理ボックスを形成することができ、追加側壁があってもなくても機能する。位置決め装置は、処理ボックスの部分(例えば少なくとも側壁の部分)を形成することもできる。この場合、縮小チャンバ空間、すなわち処理空間はその後、多層体の間の空間に実質的に対応することになる。このため、例えば処理ボックス自体をなしで済ませることが可能である。
【0015】
処理ボックスの構成要素として基板および/または位置決め装置を使用することは、使用される場所にのみ処理ガスを供給することができるという利点を有する。このため、処理中に生じる可能性のあるいかなる裏面被膜も低減または回避することが可能である。基板の空間的配列によって、これらは処理中、すなわちセレン化の間、もはや処理ボックスの内部には設けられておらず、したがって処理ガス環境の外側に設けられている。基板裏面はこのため、もはやSeまたはS雰囲気にはまったく曝されていない。言い換えると、処理対象側面および処理対象面のみが処理ガスに曝される。
【0016】
チャンバ空間を縮小するために処理ボックスが提供される場合、本発明による位置決め装置は、その内部に直接設けられることが可能である。最終的には、処理ボックスはその後、多層体配列とともに、処理システム内に搬送されることが可能である(例えば、可能性のある可動キャリアによって、もしくは手動で)。システムの外側で多層体配列を「組み立てる」こと、およびその後システム内に(例えばキャリアによって)導入されることだけも、可能である。言い換えると、装置は、組み立てられた多層体配列が輸送装置によってシステム内に入れられることが可能なように、キャリア上に設けられる。システムの処理チャンバは、縮小チャンバ空間で動作可能なように、例えば上述の処理フードを有することも可能であろう。
【0017】
縮小チャンバ空間を形成する装置(そのもの)および/または位置決め装置(装置の一部を形成してもよい)は好ましくは、床要素および/または底部基板またはカバー要素および/または上部基板によって形成された(縮小)空間が適切な容積を有するように、構成される。多すぎる量のカルコゲン(SeまたはS)または場合により揮発性反応生成物が蒸発しないように(処理温度での平衡蒸気圧に基づいて予測される)大きすぎてはならず、しかし加熱プロセスの間に基板が一時的に歪んだ場合に基板が反対側の対向板と接触しないように、小さすぎてもいけない。対向板と基板との間の距離は、例えばいずれの場合もおおむね1から20mmの間でなくてはならない。しかしながら、原則的には、基板と対向板との間の直接接触も可能であろう。
【0018】
エネルギー源からの放射が処理対象面まで完全に貫通できるようにするために、(すでに上述されたように)処理ボックスもしくは処理フードの床要素およびカバー要素などの介在要素は、エネルギー源の設計に応じて、少なくとも部分的に透過性に実現される。基板と放射源との間では、いずれの要素もこのように選択されたエネルギー源に対して部分的透過性または透過性パネル(例えばガラスセラミック製)として、または高吸収性のパネルとして実現されなければならず(エネルギー源配列がこれを必要とする程度まで)、これらは二次エネルギー源またはエネルギー送信器の役割を果たす。放射源が、例えば処理チャンバの内部に設けられている場合(場合により処理ボックスまたは処理フードの内部であってもよい)、ならびに多層体配列もまた、例えば処理チャンバ内に位置している場合、チャンバ壁(側壁、カバー、および/または床)は、不透過性であってもよい。例えば、ガラスセラミック、その他のセラミック、黒鉛、金属、および耐熱ガラス(選択)が、床およびカバー要素および可能性のある側壁要素(処理ボックスそのものに関して)または処理フードの材料として、提供されることが可能である。炭化ケイ素もまたこのために提供されることが可能である。キャリアもまた、処理中にシステム内に残留することが可能なので、少なくとも部分的に透過性または高吸収性材料で実現されるべきである。
【0019】
好ましくは、位置決め装置は、上部多層体および/または底部多層体を収容するように構成された少なくとも第一離間要素を有し、離間要素は、間に空間を空けて設けられることが可能であるか設けられており、そうして多層体配列を形成するように、少なくとも部分的に2つの多層体の間に設けられている。離間要素は、処理対象面が処理ガスに自由にアクセスできるように構成されなければならない。同時に、表面は、適切な処理空間を形成するように離間していなければならない。処理ガスが追加供給されそうもないかまたはされるべきではない場合には、処理対象面の直接接触も考えられる。それでも、処理対象面の間の処理空間が検討され得る。
【0020】
多層体は好ましくは使用中にサンドイッチ状および水平に設けられるので、上部多層体は離間要素上に配置されることが可能である(したがって上部収容領域上の離間要素によって収容される)。底部多層体は、底部収容領域上の離間要素と当接しており(当接とはこのように離間要素による収容としても理解される)、底部収容領域は上部収容領域の辺の反対にある離間要素の辺に設けられている。
【0021】
有利な実施形態において、位置決め装置は、第二離間要素、底部多層体、第一離間要素、および上部多層体がサンドイッチ状に設けられることが可能であるかまたは設けられ、そうして多層体配列を形成するように、上部多層体および/または底部多層体を収容するように構成され、第一離間要素を収容するように構成されている、少なくとも第二離間要素を有する。この構成を用いると、多層体の各々は離間要素のうちの1つによって設けられ運搬されることが可能であり、離間要素は互いの上に積層されることが可能である。言い換えると、プロセスの前に、底部第二離間要素が適切な場所に配置され(処理チャンバまたはボックス内、キャリア上など)、最初に前駆体層側を上向きにして底部基板または多層体が載置される。その後、第一離間要素が置かれ、次に前駆体層側を下向きにして、上部基板または多層体が載置される(多層体配列を形成するための載置)。この配列は、多層体配列の組み立てを容易にする。処理後の取り出しは相応に、逆の順序で行われる。第一離間要素は、原則的に、第二離間要素上には載置されず、むしろ例えばキャリア上など「適切な場所」にも載置されるように設計されることが可能である。底部第二離間要素の底部(使用中の底部)は、この設計では、(例えばローラ装置による)輸送のための支持表面の役割も果たすことができる。第二または底部離間要素自体もまた、キャリアの役割を担うことができる。離間要素は、支持要素とも称されることが可能である。第一離間要素は第一支持要素、第二離間要素は第二支持要素と称される。支持要素というのは、基板または多層体がそれに対して当接しているかまたはその上に載置されているからである。好ましくは、使用中に、第二離間要素は少なくとも部分的に底部多層体の下に設けられることが可能である。こうして、基板の確実な保持が確保される。有利な実施形態において、第一離間要素および第二離間要素は、いずれの場合も少なくとも1つの支持領域を有し、そこにまたはそれに対して多層体が載置されるかまたは当接することができる。基板の積層の間、(生成された吸収体の層品質が局所的または全体的に損なわれないように)接触による汚染または接触表面上の処理ガス雰囲気の崩壊を防止するために、被膜面が可能な限り触れられないように、注意を払わなければならない。この要件は部分的に、例えば各縁の15mmの縁領域が後の処理ステップにおいていずれにせよ除去され、その結果として活性層の一部ではなくなるという点において、促進される。好ましくは、第一離間要素および/または第二離間要素は、いずれの場合も、好ましくはその縁領域上の(周縁の)多層体が、少なくとも部分的にフレーム要素および/またはフレームストリップ要素上に載置されることが可能であるか、あるいはフレーム要素および/またはフレームストリップ要素に対して当接することが可能なように、少なくとも1つのフレーム要素および/またはフレームストリップ要素を有する。フレーム要素またはフレームストリップ要素は、処理対象面を可能な限り空けておくために、多層体、すなわち例えば基板の、これら(すなわちフレーム要素)との最小限度の接触を、可能にする。有利な実施形態は、反応性薄膜と炉環境またはチャンバ空間との間の境界という意味において、実質的に閉鎖された、すなわち準閉鎖空間を形成するように、2つの多層体および第一離間要素または2つの多層体および第一離間要素および第二離間要素が、互いに対して設けられると規定する。言い換えると、基板は処理ボックスのカバー要素および床要素を形成し、その一方で離間要素は、例えば処理ボックスの側壁要素として設けられる。多層体のサンドイッチはこの場合、処理ボックスそのものと類似している。処理空間はこうして望ましい方式で縮小される。処理対象面のみが処理ガスに曝される。このプロセス変形例は、チャンバ環境の最小化によって、処理ボックスそのものを用いなくても十分に高い(例えば)Se分圧を保証しようとするものである。
【0022】
ほとんどの場合、多層体は長方形または正方形である。好ましくは、第一離間要素および/または第二離間要素もまた、好ましくは実質的に多層体の輪郭を再現する長方形または正方形に構成されており、このためいずれの場合も、少なくとも1つの長方形または正方形フレーム要素を有する。この設計では、基板はその後、被膜すべきまたは処理すべき表面が空いたままとなるように、それぞれのフレーム要素のその縁上に載置される。多層体が十分に広い支持表面にわたって離間要素上に載置されるか、またはこれに対して当接するように、注意を払わなければならない。
【0023】
別の実施形態において、第一離間要素および/または第二離間要素は、例えばいずれの場合も、処理空間の内外に処理ガスを供給および/または排出するために、多層体配列の横辺上に、少なくとも1つの開放領域が形成されるように、好ましくはその縁領域上の、例えばその長手辺上の多層体が、少なくとも部分的にフレームストリップ要素上に載置されることが可能であるか、またはフレームストリップ要素に対して当接することが可能なように、多層体の延伸面内で使用中に互いに向かい合っている2つのフレームストリップ要素(ストリップ)を有する。配列は、別の方向、すなわち多層体配列の長手辺上で実現されることも可能であり、いずれの場合も、処理空間の内外に処理ガスを供給および/または排出するために、少なくとも1つの開放領域が形成されている。言い換えると、好ましくはフレームストリップ要素が設けられていない、互いに向かい合っている少なくとも2つの開放領域が存在する。正方形基板の場合には、長手辺と横辺の区別はない。
【0024】
いずれの場合にも、多層体配列の少なくとも2つの対角線上のコーナーに延在するようにフレームストリップ要素を構成することも、可能である。配列の長手辺上および横辺上の両方に設けられた残りの開放領域は、ガス交換に役立つ。このように構成された処理空間は、準開放であり、高速の処理ガス供給または排出を可能にする。したがってこの文脈における「準開放」という用語は、基板環境と炉(チャンバ)環境との間の部分的なガス交換を可能にすることを、意味する。
【0025】
すでに上述されたように、多層体は少なくとも部分的に、その上にあるかまたはそれらと当接している離間要素の支持領域上に載置されるべきである。多層体が完全にその輪郭に沿って支持されている場合、実質的に閉鎖された処理空間が形成され得る。部分的支持の場合、チャンバ空間内の雰囲気との処理ガスの交換を可能にする、開放領域が提供される。例えば基板の長手辺上にのみ設けられた、フレームストリップ要素の場合、これら開放領域は、付加的な努力を伴わずに存在する。結果的に準開放フレームを生じる様々な実施形態もまた、考えられる。変形例の「準開放処理空間」は、具体的にはRTP処理のトンネル設計およびフード設計の対象である(フード内またはトンネル内の基板サンドイッチの処理対象面としての前駆体層への処理ガス供給)。
【0026】
輸送方向に沿った多層体縁または基板辺上のフレーム要素またはフレームストリップ要素の配列を用いると、輸送方向への基板サンドイッチの案内が行われ得るように、フレーム要素またはフレームストリップ要素を構成することも、考えられる。
【0027】
具体的には、準閉鎖システムの場合、処理ガスの供給および排出のための別の能力が提供されなければならない。RTPプロセスにおいて、例えば処理ガスH
2、N
2、Ar、H
2S、H
2Se、Sガス、Seガスが使用され、炉の内部へ、すなわちチャンバ空間または処理ボックスの内部へ、選択された処理時間に導入されることが可能である。このため、気体硫黄(S)を用いる硫化プロセス、または気体セレン(Se)を用いるセレン化プロセスを実行することも、可能である。RTPプロセスの間、ここに提示される構造の薄膜前駆体への(すなわち多層体への)処理ガス供給を可能にするために、フレームを通じての処理ガス供給が提案される。セレン化プロセスにおいて、前駆体に存在するセレンは、所望の半導体構造が得られるように、処理ガス雰囲気の下で変換される。所望の結果に応じて、処理ガス中のセレン(Seガス)を付加的に提供することも、可能である。しかしながら、前駆体セレンの変換もまた、処理ガス中にセレンそのものを伴うことなく可能である。その結果、第一離間要素および/または第二離間要素は好ましくは、処理空間の内外に処理ガスを供給および/または排出するための、ガス供給要素および/またはガス排出要素を有する。ガス供給要素またはガス排出要素は、例えば、ガス供給ラインおよび/またはガス排出ラインを接続するための少なくとも1つのコネクタ要素を用いて第一離間要素および/または第二離間要素に組み込まれた、ガス拡散コームとして構成されることが可能である。この場合、処理ガス供給(ならびに処理ガス排出)はこのように、離間要素を通じて行われる(炉環境(例えばフード環境、トンネル環境)と前駆体薄膜との間の部分的または調整可能なガス交換)。コームおよび連結要素または連結棒の構成は例えばガス流出口(「コーム歯」)の数に対して、異なってもよい。このため、対応する離間要素は、例えば中空で、ガス流出口(または流入口)のための開口部を備えて、実現されることが可能である。それを通じてガスが供給または排出もされることが可能な対応するラインはその後、コネクタ要素(複数可)を通じて接続されることが可能である。原則的に、チャンバおよび/または処理ボックスまたはフードに、ガス拡散器が別途設けられることも可能である。例えば1つの長手縁から他方への、基板表面全体に最も層状のガス流が存在するように、基板までずっと(処理チャンバまたは処理トンネルを経由して、あるいは処理チャンバも処理トンネルもない場合にはこの処理ボックスまたはフード内へ)、例えば外部ガス源などのガス源からの処理ガスの実質的に均質な導入を可能にすることが、重要である。ガス供給は、焼き戻しプロファイルの間、いつでもガス拡散器の所定の流入口において制御されることが可能である。このため処理ガスの消費量は補充されることが可能であり、および/またはもはや望ましくない余分な(例えば)セレン蒸気(および/またはその他の蒸気成分)が、適時に反応チャンバから押し出されることが可能である。具体的には上部基板は(底部基板上に直接載置されていなければ)多かれ少なかれ浮動的に実装されているので、RTP処理の間、必要であれば、基板変形に取り組まなければならない。高い処理温度において、基板変形での処理後に現れる沈降が発生する可能性があると考えられる。その結果、有利な実施形態において、第一離間要素および/または第二離間要素は、いずれの場合も、多層体(複数可)が曲がりを防止するために付加的に支持されることが可能なように、多層体の延伸面内で互いに向かい合っているそれぞれのフレーム要素、使用中に、互いに向かい合っているフレームストリップ要素の領域を接続するために、少なくとも1つの交差接続要素を有する。交差ブレースもまた、フレームまたはフレーム要素またはフレームストリップ要素を安定化するのに役立つ。交差ブレースまたは交差接続要素の設計において、(熱)放射体またはエネルギー源の放射の遮蔽を最小化するために、最小幅(しかし所望の安定性を保証するのに十分な幅)が確保されなければならない。交差接続要素は処理対象面上で実質的に「横に」引かれることが可能なので、交差接続要素と表面との間の接触は、可能な限り最小限に維持されなければならない。この目的のため、交差接続要素は、それぞれの少なくとも1つのフレーム要素またはフレームストリップ要素と同じ高さを有するように構成された支持要素を用いて、多層体が支持要素を通じて交差接続要素に当接するかまたはその上に載置されることが可能なように、少なくとも1つの支持要素を有することができる(フレーム(ストリップ)要素および支持要素上の基板の平坦な配置)。好ましくは、支持要素は点状支持要素として、好ましくは球状要素として、構成される。こうして、最小可能な支持面積またはシステム占有面積が保証される。針状要素によってさらに小さい遮蔽が実現される。本発明の好適な実施形態において、多層体配列の横辺および/または長手辺上で、いずれの場合も、処理空間の内外に処理ガスを供給および/または排出するために、少なくとも1つの開放領域が形成されるように、多層体が支持要素に対して当接するかまたはその上に載置されることが可能なように、少なくとも1つのフレーム要素またはフレームストリップ要素は(または複数のフレームストリップ要素は)、少なくとも2つの支持要素を有する。言い換えると、これ/これらが支持要素を備えて構成される場合、支持領域は、フレーム要素またはフレームストリップ要素上であっても縮小されることが可能である。このアプローチの結果、やはりトンネルまたはフードRTP概念を用いてすでに上述された組み合わせ可能性を備える準開放フレーム設計がもたらされる(環境を通じての処理ガス供給)。支持要素を備えない上述のフレーム要素またはフレームストリップ要素と比較して、この支持要素概念、すなわち例えば、点状支持要素概念の考えられる利点は、基板とのより小さい接触面積、ならびにひいては可能性のある局所的崩壊の低減である。加えて、基板変形の減少は、基板内部における支持点の導入に起因する。
【0028】
好ましくは、第一および/または第二離間要素は、黒鉛または石英ガラスで作られる;ガラスセラミック、その他のセラミック、および耐熱ガラスも考えられる。フレーム材料は、不活性であり、腐食環境において耐性があり(S、Seを含有する)、機械的に安定していなければならない。基板との直接接触により、基板上の温度分布の横方向不均一性を可能な限り回避するため、および層剥離または損傷を防止するために、熱伝導率および熱膨張係数もまた考慮されなければならない。フレーム材料ならびに支持要素も、黒鉛または石英ガラス、ガラスセラミック、その他のセラミック、または耐熱ガラス(例えば球状黒鉛)で作られることが可能である。点状支持体の材料の選択において、以下の材料特性もまた考慮されなければならない。不活性材料、耐腐食性、機械的安定性、熱伝導率、および熱膨張係数。例えば、黒鉛フレーム要素または、黒鉛フレームストリップ要素と組み合わせた球状黒鉛の使用が、例えば考えられる。
【0029】
本発明では、上述のように、各々が少なくとも1つの処理対象面を有する少なくとも2つの多層体、および少なくとも2つの多層体を位置決めする少なくとも1つの装置を含む多層体配列向けに、独立項としての保護が特許請求の範囲とされる。少なくとも2つの多層体は、それぞれの処理対象面が互いに向かい合っており、こうして多層体は表面の間に準閉鎖処理空間を形成するように設けられており、そこで処理が実質的に行われる。この配列では、位置決め装置自体をなしで済ませることが可能である。代わりに、基板は互いに処理対象面上に、例えば処理ボックス内、もしくは処理チャンバ内に、位置する。この配列は、具体的には、処理のための処理ガスが処理対象面の間の空間内に供給される必要がないときに、適している。位置決め装置は、処理チャンバ内に導入され、そこから再び取り出されることが可能である。多層体配列は、処理システムの外側で都合よく組み立てられ、その後そこで所望の処理(例えば、基板のセレン化)を受けるように、システム内に輸送されるか、もしくは手動で挿入される。多層体配列がその中で組み立てられるように、位置決め装置を処理チャンバ内に設けることも、可能である。多層体は、装置を用いないで配置されることも可能である。所望の黄銅鉱半導体への基板の変換の後、配列はチャンバ空間から丸ごと取り出されることが可能であるか、または個々の部分が取り出されることが可能である。
【0030】
上述のように、各々が少なくとも1つの処理対象面を有する、少なくとも2つの多層体を処理するための、具体的にはセレン化するためのシステムであって、チャンバ空間を備える少なくとも1つの処理チャンバ(またはトンネル空間を備えるトンネル)、および少なくとも2つの多層体を位置決めする装置を含むシステム向けにも、独立項としての保護がまた特許請求の範囲とされる。好ましくは、システムは、多層体を加熱するための、少なくとも1つのエネルギー源を有する。好ましくは、エネルギー源は、多層体の各々がいずれの場合も、処理対象面(基板裏面)と反対の方を向いて設けられた側から加熱されるように、処理チャンバ内または処理システム内に設けられる。このために、例えば、2つのエネルギー源が提供されることが可能である。1つは底部多層体向け、もう1つは上部多層体向けである(言い換えると、いずれの場合も、多層体の各々に少なくとも1つのエネルギー源が提供される)。こうして、多層体、すなわち例えば基板は、その裏面を通じて、すなわちいずれの場合も処理対象面と反対の方を向いて設けられた側を通じて、加熱されることが可能である。
【0031】
エネルギー源の構成は、異なってもよい。すでに上述されたように、基板または多層体の加熱は、多層体のそれぞれの裏面またはガラスの裏面を加熱することによって、実質的に片側のみで行われる。上部基板は上面からのみ加熱され、底部基板は下方からのみ加熱される。互いに向かい合う被膜表面の直接加熱は行わない。したがって、エネルギー源の選択において、すでに基板ガラスに吸収されている放射源のスペクトルの一部はある程度の遅延を伴って熱伝導によって層に到達するだけなので、処理対象面上で十分な熱が利用可能であるように(加熱速度)注意を払わなければならない。最初にモリブデンに吸収されるエネルギーの割合が高いほど、より速い加熱速度が獲得可能である。基板ガラスは例えば、およそ1.5μmより上、および350nm未満の波長で、吸収する。パネルは、片側加熱によって破損または過剰に変形する可能性がある。ガラスの厚みは2〜3mmしかなく、放射の大部分が最初にMoに吸収されるので、数K/sの範囲内の加熱速度では、ガラスに垂直勾配が生じる可能性があるとは考えにくい。低破損率のためにはるかに重要なのは、(基板表面における)加熱の横方向均一性である。エネルギー源は相応に提供されなければならない。冷却中に横方向均一性を最適化することも非常に重要であることは、経験から明らかである。この配列において獲得可能な冷却速度では、層面(すなわち被膜面)と裏面との間の垂直勾配によってガラス中に応力が生じるとは考えにくい。
【0032】
好適な実施形態は、処理チャンバ、好ましくは処理ボックスまたは処理フード内に設けられることが可能であるかまたは設けられている、縮小チャンバ空間を形成する少なくとも1つの装置が提供されると規定する。このような装置は、処理に利用可能な実際の空間を縮小し、処理空間そのものを形成する。有利なことに、処理ボックスは、少なくとも1つのカバー要素、および少なくとも1つの床要素を有し、その間に少なくとも2つの多層体が設けられることが可能である。この場合、底部多層体は床要素上に配置されることが可能であり、すると少なくとも1つの離間要素、好ましくはフレーム要素または2つのフレームストリップ要素がその上に配置され、そして上部多層体が離間要素の上に配置される。処理ボックスは、カバー要素によって閉鎖される。このため、多層体配列は、システムの処理チャンバの内部に、定義された方式で収容される。処理ボックスは、付加的な側壁要素で実質的に完全に閉鎖されることが可能である。いかなる開放領域も、ガス交換に役立つことが可能である。処理ボックスは処理チャンバ内に導入されて、そこから取り出されることが可能である。
【0033】
縮小チャンバ空間を形成する装置は、処理フードとして構成されることも可能である。この場合、処理フードは、例えば、処置チャンバ内に静止的に設けられたカバーとして構成される。その結果、処理空間とチャンバ空間との間のガス交換は、明らかに低減可能である。また、チャンバ空間がない場合には、処理空間は(例えば、外部の)ガス源に直接接続されることが可能である。
【0034】
すでに上述されたように、処理ボックスは、少なくとも部分的に多層体配列によって形成されることが可能である。材料は、例えば、上述のように選択される。
【0035】
方法的には、上述の目的は、各々が少なくとも1つの処理対象面を有する少なくとも2つの多層体を処理する方法によって、達成される。本方法において、2つの多層体は、それぞれの処理対象面が互いに向かい合うように設けられ、そうして表面の間に設けられた準閉鎖処理空間を形成し、その中で処理が行われる。好ましくは、以下のさらなるステップが提供される。装置を、チャンバ空間を備える処理システムの処理チャンバまたは処理トンネル内、および/または縮小チャンバ空間を形成する装置内、および/または輸送装置によって処理システム(すなわち処理チャンバまたは処理トンネル)の内外に、またはその他の適切な場所に多層体配列を輸送するための運搬要素上に、またはこれと当接して、配置するステップ。方法の有利な実行において、装置を配置するステップは、以下のように提供されることが可能である。
【0036】
縮小チャンバ空間を形成する装置として、床要素、カバー要素を備え、および好ましくは側壁要素も備える処理ボックス内に配置するステップと、
縮小チャンバ空間を形成する装置として、具体的には処理システム内の静止保持のために構成された、処理フードの内部または下に配置するステップ。
【0037】
好ましくは、方法は、底部多層体および上部多層体が設けられるように、使用中に互いの上にサンドイッチ状に、位置決め装置上に2つの多層体を配置するステップを含む。使用中に水平に置かれている多層体は、こうして最も均一に、最も確実に、処理されることが可能である。好ましくは、以下のさらなるステップが提供される。2つの多層体および/または位置決め装置が、縮小チャンバ空間を形成する装置、好ましくは処理ボックスを少なくとも部分的に形成するように、装置上に、または処理チャンバのチャンバ空間内に、または処理システムのトンネル内に(またはそのために提供された別の場所に)、2つの多層体を配置するステップ。有利な実行において、方法は、以下の追加ステップを含む。
【0038】
上部多層体および/または底部多層体を、そのために提供された場所に配置するステップと、
間に空間を備えて配置され、そうして多層体配列を形成するように、少なくとも部分的に2つの多層体の間に、位置決め装置に含まれる(すなわち、位置決め装置の一部である)、少なくとも1つの第一離間要素を配置するステップ。
【0039】
さらに、有利な実行において、方法は、以下の追加ステップを含む。
【0040】
そのために提供された場所に、位置決め装置に含まれる(すなわち位置決め装置の一部である)少なくとも1つの第二離間要素を配置するステップと、
第二離間要素上に層体の底部を配置するステップと、
第二離間要素上に第一離間要素を配置するステップと、
第一離間要素上に上部多層体を配置するステップ。
従って、第二離間要素、底部多層体、第一離間要素、上部多層体がサンドイッチ状に配置され、それにより多層体配列を形成する。
【0041】
第一離間要素は随意的に、例えばチャンバ空間内、処理ボックスの床要素上、またはキャリア上など、そのために提供された場所に直接設けられることも可能である。第一離間要素は、このために適切に設計されなければならない。
【0042】
すでに上述されたように、多層体配列は、処理システムの外側、例えば処理ボックス内で組み立てられることが可能であり、これは例えば運搬要素によって輸送されるか、または直接運搬要素上にある。配列はその後、運搬要素によって処理システム内に輸送されることが可能である。配列は運搬要素を用いることなく、例えばローラ装置を用いて輸送されることも、可能である。配列(個々の構成要素および先に組み立てられた配列全体の両方とも)の処理システム内への手動導入も、可能である。さらに、底部離間要素は、運搬要素および/または輸送要素の役割を果たすこともできる。位置決めされた多層体を処理システム内に導入すること、これらを処理すること、ならびにこれらをシステムから再び取り出すことも、さらに規定される。これは、例えば、すでに記載された輸送装置によって、または手動でも、可能である。
【0043】
各々が少なくとも1つの処理対象面を有する少なくとも2つの多層体を位置決めする別の方法は、処理システム内の多層体配列として、少なくとも2つの対象物が処理可能、具体的にはセレン化可能であるように、それぞれの処理対象面が互いに向かい合っており、そうして表面の間に設けられた、実質的にその中で処理が行われる、準閉鎖処理空間を形成するように、2つの多層体を配置するステップ。具体的には、これは例えば、処理チャンバ内、処理ボックス内、キャリア上、または別の適切な場所に底部多層体を配置するステップと、処理対象面が互いに向かい合っているように、上部多層体を底部に置くステップと、を意味する。これは、基板が互いの上に直接的に載置されるものの、処理空間と称されることが可能である。
【0044】
多層体配列の組み立てについてすぐ上に記載された方法ステップを用いると、多層体または基板は、その処理が対応するシステムにおいて高スループットで効率の良い方式で実行されることが可能なように、正確に位置決めされることが可能である。
【0045】
本発明はさらに、好ましくは半導体層として黄銅鉱化合物、具体的にはCu(In,Ga)(S,Se)
2を含む、薄膜太陽電池または薄膜太陽電池モジュールの製造のための、上述の方法、ならびに上述の多層体配列の使用にも及ぶ。好ましくは、使用は、CISまたは(CIGSSe)薄膜太陽電池またはCISまたは(CIGSSe)薄膜太陽電池モジュールを製造するのに役立ち、具体的には各多層体は、ガラスパネルの形状で実現され、黄銅鉱薄膜半導体のセレン化および/または硫化のために、少なくともCu、InまたはCu、In、GaまたはCu、In、Ga、セレン元素で被膜されている。
【0046】
本発明の対象の様々な実施形態は、個別に、またはいずれかの組み合わせで実現され得ることは、理解される。具体的には、上述の特徴および以下に説明される特徴は、提示される組み合わせのみならず、その他の組み合わせにおいてまたは単独で、本発明の範囲から逸脱することなく使用されることが可能である。
【0047】
以下に、図面を参照して詳細に説明される例示的実施形態を参照して、本発明が記載される。