(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
最小の編成車両数がM両(M≧3)でなる編成車両数が異なる列車が同一の停止位置目標に停止するように運用される駅において、停止する前記列車の位置を判定する列車位置判定システムであって、
第1センサ及び第2センサを、(1)検知対象位置に列車が存在しない或いは車両の連結部が存在する場合に非検知となり、前記検知対象位置に車体が存在する場合に検知となり、且つ、(2)列車が前記停止位置目標に正確に停止した場合に、前記第1センサがm両目車両(1≦m<(M−1))の車体後方部を前記検知対象位置とし、前記第2センサが(m+1)両目車両の車体前方部を前記検知対象位置とする、位置に設置して備え、
前記第1センサ及び第2センサの検知結果を用いて、前記列車の位置を判定する位置判定手段と、
前記位置判定手段による判定結果を報知する報知手段と、
を備えた列車位置判定システム。
前記位置判定手段は、前記第1センサ及び第2センサの検知状態が所定の定位置遷移条件を満たした場合に、列車が停止するための定位置に位置していると判断する定位置判断手段を有し、
前記報知手段は、前記定位置判断手段によって定位置に位置していると判断された場合に、その旨を報知する、
請求項1に記載の列車位置判定システム。
前記定位置判断手段は、前記第1センサの検知状態が検知のまま、前記第2センサの検知状態が検知、非検知、検知と遷移して、前記第1センサ及び第2センサが共に検知となったことを前記所定の定位置遷移条件として判断する、
請求項2に記載の列車位置判定システム。
前記位置判定手段は、前記第1センサの検知状態が検知のまま、前記第2センサの検知状態が検知、非検知と遷移して、前記第1センサが検知、第2センサが非検知となった場合に、列車の位置ズレが生じていると判断する第1の位置ズレ判断手段を有し、
前記報知手段は、前記第1の位置ズレ判断手段によって位置ズレが判断された場合に、その旨を報知する、
請求項1〜3の何れか一項に記載の列車位置判定システム。
前記位置判定手段は、前記第1センサの検知状態が検知のまま、前記第2センサの検知状態が検知、非検知、検知と遷移した後、前記第1センサが非検知、第2センサが検知となった場合に、列車の位置ズレが生じていると判断する第2の位置ズレ判断手段を有し、
前記報知手段は、前記第2の位置ズレ判断手段によって位置ズレが判断された場合に、その旨を報知する、
請求項1〜4の何れか一項に記載の列車位置判定システム。
前記故障判定手段は、前記在線検出手段の検出状態が非検出から検出に変化した際に、前記故障判定対象センサが既に検知状態であった場合に当該故障判定対象センサが故障していると判定する第1の手段を有する、
請求項8に記載の列車位置判定システム。
前記故障判定手段は、前記在線検出手段の検出状態が検出から非検出に変化するまでの間に、前記故障判定対象センサの検知状態に変化が無かった場合に当該故障判定対象センサが故障していると判定する第2の手段を有する、
請求項8又は9に記載の列車位置判定システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1では、算出した列車の走行速度でもって所定の停止位置に停止したかを推定するため、判定誤差が考えられる。ホームドアを設置した駅においては、安全上、許容される停止位置範囲(定位置)に列車が停止していることを確実に判定する必要がある。そのため、例えば、きわめて低速度だからといっても停止位置範囲を越えて列車が停止した場合には、そのことを確実に判定する必要がある。また、特許文献2では、距離画像センサを、各駅の各ホームのホームドア毎に設置する必要があるため、コストが高くなるという問題が有る。
【0006】
また、列車には、編成車両数が異なる複数種類の列車が存在する。ホームドアを設置した駅においては、到着する列車の編成車両数を把握し、編成車両数に応じて、車両が存在する位置のホームドアのみを開閉する必要がある。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための第1の発明は、
最小の編成車両数がM両(M≧3)でなる編成車両数が異なる列車が同一の停止位置目標に停止するように運用される駅において、停止する前記列車の位置を判定する列車位置判定システムであって、
第1センサ(例えば、
図1のセンサ10f))及び第2センサ(例えば、
図1のセンサ10e)を、(1)検知対象位置に列車が存在しない或いは車両の連結部が存在する場合に非検知となり、前記検知対象位置に車体が存在する場合に検知となり、且つ、(2)列車が前記停止位置目標に正確に停止した場合に、前記第1センサがm両目車両(1≦m<(M−1))の車体後方部を前記検知対象位置とし、前記第2センサが(m+1)両目車両の車体前方部を前記検知対象位置とする、位置に設置して備え、
前記第1センサ及び第2センサの検知結果を用いて、前記列車の位置を判定する位置判定手段と、
前記位置判定手段による判定結果を報知する報知手段と、
を備えた列車位置判定システムである。
【0008】
この第1の発明によれば、最小の編成車両数がM両(M≧3)でなる編成車両数が異なる列車が同一の停止位置目標に停止するように運用される駅において、第1センサ及び第2センサの検知結果を用いて列車の位置が判定され、この列車位置の判定結果が報知される。第1センサ及び第2センサは、列車が停止位置目標に停止した場合に、第1センサがm両目車両(1≦m<(M−1))の車体後方部を検知し、第2センサが(m+1)両目車両の車体前方部を検知する位置に設置されている。センサは、検知対象位置に車両の連結部が位置する場合には非検知となるため、第1センサ及び第2センサの検知結果によって、列車が停止位置目標に位置しているか否かを確実に判定することが可能である。
【0009】
また、第2の発明として、第1の発明の列車位置判定システムであって、
前記位置判定手段は、前記第1センサ及び第2センサの検知状態が所定の定位置遷移条件を満たした場合に、列車が停止するための定位置に位置していると判断する定位置判断手段を有し、
前記報知手段は、前記定位置判断手段によって定位置に位置していると判断された場合に、その旨を報知する、
列車位置判定システムを構成しても良い。
【0010】
具体的には、第3の発明として、第2の発明の列車位置判定システムであって、
前記定位置判断手段は、前記第1センサの検知状態が検知のまま、前記第2センサの検知状態が検知、非検知、検知と遷移して、前記第1センサ及び第2センサが共に検知となったことを前記所定の定位置遷移条件として判断する、
列車位置判定システムを構成しても良い。
【0011】
この第3の発明によれば、定位置遷移条件として、第1センサの検知状態が検知のまま、第2センサの検知状態が、検知、非検知、検知と遷移して、第1センサ及び第2センサがともに検知となったことが判断される。つまり、列車が前進して停止位置目標に位置する際には、先ず、第2センサがm両目車両を検知し、続いて第1センサがm両目車両を検知する。その後、第1センサは、m両目車両を検知したままであり、第2センサは、検知対象位置がm両目車両と(m+1)両目車両の連結部となって非検知となった後、(m+1)両目車両を検知する。
【0012】
また、第4の発明として、第1〜第3の何れかの列車位置判定システムであって、
前記位置判定手段は、前記第1センサの検知状態が検知のまま、前記第2センサの検知状態が検知、非検知と遷移して、前記第1センサが検知、第2センサが非検知となった場合に、列車の位置ズレが生じていると判断する第1の位置ズレ判断手段を有し、
前記報知手段は、前記第1の位置ズレ判断手段によって位置ズレが判断された場合に、その旨を報知する、
列車位置判定システムを構成しても良い。
【0013】
この第4の発明によれば、列車が停止目標位置に到達していない位置ズレ(ショート位置)であることが判断される。
【0014】
また、第5の発明として、第1〜第4の何れかの発明の列車位置判定システムであって、
前記位置判定手段は、前記第1センサの検知状態が検知のまま、前記第2センサの検知状態が検知、非検知、検知と遷移した後、前記第1センサが非検知、第2センサが検知となった場合に、列車の位置ズレが生じていると判断する第2の位置ズレ判断手段を有し、
前記報知手段は、前記第2の位置ズレ判断手段によって位置ズレが判断された場合に、その旨を報知する、
列車位置判定システムを構成しても良い。
【0015】
この第5の発明によれば、列車が停止位置目標を超えた位置ズレ(オーバー位置)であることが判断される。
【0016】
また、第6の発明として、第1〜第5の何れかの発明の列車位置判定システムであって、
前記列車には、編成車両数としてn種類(n≧2)があり、
前記列車が前記停止位置目標に正確に停止した場合に、少なくとも、最短編成を除く(n−1)種類の列車それぞれの最後尾車両の車体中央部を検知対象位置とする位置にそれぞれ設置した第3センサ(例えば、
図1のセンサ10b,10d)と、
前記第3センサの検知結果を用いて、前記列車の編成車両数を判定する車両数判定手段を備えた、
列車位置判定システムを構成しても良い。
【0017】
この第6の発明によれば、第3センサの検知結果を用いて列車の編成車両数が判定される。
第3センサは、少なくとも、最短編成を除く(n−1)種類の列車それぞれの最後尾車両の車体中央部を検知対象位置とする位置にそれぞれ設置されているため、位置ズレが生じた場合でも、多少の位置ズレであれば検知対象位置が車両の連結部になることはなく、第3センサの検知結果によって、列車の編成車両数の判定が可能である。
【0018】
また、第7の発明として、第6の発明の列車位置判定システムであって、
前記停止位置目標の内方に設置した第4センサ(例えば、
図1のセンサ10g)と、
前記第4センサの検知結果を用いて、前記列車の過走を判定する過走判定手段と、
前記過走判定手段により過走が判定されている場合に、前記車両数判定手段の判定を抑止する車両数判定抑止手段と、
を備えた列車位置判定システムを構成しても良い。
【0019】
この第7の発明によれば、第4センサの検知結果を用いて列車の過走が判定され、過走が判定されている場合には編成車両数の判定が抑止される。第4センサは停止位置目標の内方に設置されているため、検知結果が検知であることによって、列車の過走を確実に判定することが可能である。そして、列車の過走が判定されている場合には、編成車両数の判定を抑止することで、編成車両数を短く判定するといった誤判定を防止することができる。
【0020】
また、第8の発明として、第1〜第7の何れかの発明の列車位置判定システムであって、
前記停止位置目標に係る番線に列車が存在することを検出する在線検出手段(例えば、
図15の在線判定部150)と、
前記在線検出手段の検出状態が変化した際に、前記第1センサ及び第2センサのうちの何れかの故障判定対象センサの検知状態に基づいて、当該故障判定対象センサが故障しているか否かを判定する故障判定手段(例えば、
図15のセンサ故障判定部160)と、
を更に備えた列車位置判定システムを構成しても良い。
【0021】
この第8の発明によれば、第1センサ及び第2センサのうちの何れかの故障判定対象センサの検知状態に基づいて、当該故障判定センサが故障しているか否かを判定できる。
【0022】
また、第9の発明として、第8の発明の列車位置判定システムであって、
前記故障判定手段は、前記在線検出手段の検出状態が非検出から検出に変化した際に、前記故障判定対象センサが既に検知状態であった場合に当該故障判定対象センサが故障していると判定する第1の手段を有する、
列車位置判定システムを構成しても良い。
【0023】
この第9の発明によれば、故障判定対象センサが故障しているか否かの具体的な判定として、停止位置目標に係る番線に列車が存在するか否かの検出状態が非検出から検出に変化した際に、故障判定対象センサが既に検知状態であった場合、故障していると判定される。いわゆるON故障を判定できる。
【0024】
また、第10の発明として、第8又は第9の発明の列車位置判定システムであって、
前記故障判定手段は、前記在線検出手段の検出状態が検出から非検出に変化するまでの間に、前記故障判定対象センサの検知状態に変化が無かった場合に当該故障判定対象センサが故障していると判定する第2の手段を有する、
列車位置判定システムを構成しても良い。
【0025】
この第10の発明によれば、故障判定対象センサが故障しているか否かの具体的な判定として、停止位置目標に係る番線に列車が存在するか否かの検出状態が検出から非検出に変化するまでの間に、故障判定対象センサの検知状態に変化が無かった場合、故障していると判定される。いわゆるOFF故障を判定できる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。但し、本発明の適用可能な実施形態がこれに限定されるものではない。また、列車位置がずれた場合を分かり易く説明するために、図面上、極端に列車位置をずらして図示している。また、本実施形態では、列車が停止している状態における位置を判定することとして説明するが、勿論、走行速度が停止しているとみなせる程度の低速度で移動中の位置を判定する場合にも本発明を適用可能である。また、本発明は、最小の編成車両数がM両(M≧3)でなる編成車両数が異なる列車が同一の停止位置目標に停止するように運用される駅において適用可能であるが、説明を簡単にするために、8両編成と10両編成の二種類として説明する。
【0028】
[システム構成]
図1は、本実施形態の列車位置判定システム1の構成図である。列車位置判定システム1は、編成車両数が異なる複数種類(
図1では、8両編成及び10両編成の二種類。すなわち、最小の編成車両数Mが8両である。)の列車が、同一の停止位置目標Pmに停止するように運用される駅であり、且つ、ホームドアが設置された駅に適用されることとして説明する。
【0029】
図1に示すように、列車位置判定システム1は、列車の存在を検知する7つのセンサ10a〜10gと、制御装置20とを備えて構成され、進入してきた列車の編成車両数を判定するとともに、列車が停止位置目標Pmに合った位置に停止しているかを判定する。なお、停止位置目標Pmは、運転席の位置に定められるのが一般的であるが、図示上は、理解を容易にするために列車の先頭位置に設けられることとして説明する。
【0030】
ここで、停止位置目標Pmに列車が位置しているとは、
図2に示す状態をいう。すなわち、停止位置目標Pmを中心とした所定の範囲(停止位置目標範囲)W1が定められる。そして、この停止位置目標範囲W1内に列車の所定位置(例えば、先頭車両の先頭部)が位置している状態を、停止位置目標に位置しているとして判定する。停止位置目標範囲W1は、列車のドア開口部とホームドアのドア開口部との関係で、乗降時の安全上問題ないとして規定される停止位置のズレが許容される範囲である。また特に、列車の所定位置(例えば、先頭車両の先頭部)が停止位置目標Pmに一致している状態を、列車が“正確”に停止位置に停止しているという。
【0031】
センサ10は、例えば、プラットホームの線路側の端部や、プラットホームに設けられたホームドアの線路側の側面に、その検知方向を線路側に向けて設置されている。そして、センサ10は、近接した列車の車体を側方から検知し、検知対象位置に車体が無い場合や車両の連結部分は非検知となるように位置及び向きが設定される。なお、センサ10を軌道上等のプラットホーム上面より低い位置に設置し、検知方向を上方向として、車体下方から検知するように設置してもよい。センサ10による検知状態は、随時、制御装置20へ出力される。これらのセンサ10は、例えば、照射光に対する反射光を受光することで対象物の有無を検知する反射型の光センサや、超音波センサ等で実現される。
【0032】
また、これらのセンサ10a〜10gは、主な用途によって分類することができ、主に編成車両数の判定に用いられる編成車両数判定用センサ(センサ10a〜10d)、主に列車位置の判定に用いられる位置判定用センサ(センサ10e,10f)、主に過走の判定に用いられる過走判定用センサ(センサ10g)の3種類に分類される。
【0033】
制御装置20は、センサ10a〜10gの検知状態をもとに、列車の編成車両数の判定や、列車が停止位置目標Pmに位置しているかの判定を行う。そして、判定結果を、プラットホームに設けられた、車両ドアやプラットホームのホームドアを開閉させる車掌用の表示器30aや、停止位置目標Pmの近傍に設けられた列車の運転士用の表示器30bに表示させて報知する。なお、報知方法は、表示ではなく、ブザー等の音でもよい。
【0034】
[原理]
(A)編成車両数の判定
図3は、編成車両数判定用センサの設置位置の説明図である。編成車両数判定用センサは、編成車両数がn種類(n≧2)ある場合、少なくとも最短編成を除く(n−1)種類の列車それぞれの最後尾車両の車体中央部を検知対象位置とするセンサが設けられる。最短編成の最後尾車両に対応するセンサは、何れの編成であっても必ず検知状態が検知となるため、不要とすることができるためである。本実施形態では、10両編成と8両編成の2種類であるため、編成車両数判定用センサ10bが、最低限必要なセンサ(第3センサ)となる。ただし、本実施形態では、編成車両数の判定の確実性向上、および位置ズレを考慮した列車全体(特に後方部)の位置把握のために、編成車両数判定用センサ10a〜10dを用いることとする。
【0035】
センサ10a及びセンサ10bは、到着列車が10両編成か否かの判定を主用途とするセンサである。センサ10bは、停止位置目標に位置している10両編成の列車の最後尾車両(10両目車両)の車体中央部を検知対象位置とするように設置され、センサ10aは、この最後尾車両(10両目車両)の後方(実際には存在しないが11両目の車体の位置)に設置される。センサ10aの検知状態が非検知となることで、到着列車が10両編成であるか否かを判定することを可能とする。
【0036】
センサ10c及びセンサ10dは、到着列車が8両編成か否かの判定を主用途とするセンサである。センサ10dは、停止位置目標位置している8両編成の列車の最後尾車両(8両目車両)の車体中央部を検知対象位置するように設置され、センサ10cは、この最後尾車両(8両目車両)の後方(9両目の車体の位置)にセンサ10cが設置されている。
【0037】
図4は、編成車両数の判定の説明図である。
図4では、列車が停止位置目標Pmに停止している状態での、センサ10a〜10dそれぞれの検知状態を示している。すなわち、
図4の(1)は、列車が8両編成の場合を示している。この場合、センサ10a〜10dの検知状態は、センサ10a〜cが「検知無し」、センサ10dが「検知有り」となる。また、
図4の(2)は、列車が10両編成の場合を示している。この場合、センサ10a〜10dの検知状態は、センサ10aが「検知無し」、センサ10b〜10dが「検知有り」となる。
【0038】
従って、列車が停止位置目標に停止している状態でのセンサ10a〜10dの検知状態(有り/無し)の組み合わせによって、編成車両数(8両/10両)を判定することができる。また、少なくともセンサ10bとセンサ10dは、車体中央部を検知対象位置とすることで、列車が停止位置目標に停止していない場合であっても、位置ズレ量が車両の約1/2程度以下であれば、正しく編成車両数を判定することができる。また、センサ10bのみを設置した場合には、センサ10bの検知状態が検知であれば10両編成、非検知であれば8両編成と判定することができる。
【0039】
(B)位置の判定
図5は、位置判定用センサの設置位置の説明図である。位置判定用センサであるセンサ10e,10fは、列車が停止位置目標に停止している状態で、センサ10fの検知対象位置が先頭車両の車体後方部となり、センサ10eの検知対象位置が2両目車両の車体前方部となるように設置されている。
【0040】
すなわち、センサ10eは、列車が、停止位置目標範囲W1内であって最も後方に位置する状態での、2両目車両の先頭部の位置P1が検知対象位置となるように設置される。センサ10eは第2センサに相当する。また、センサ10fは、列車が、停止位置目標範囲W1内であって最も前方に位置する状態での、先頭車両の後端部の位置P2が検知対象位置となるように設置される。センサ10fは第1センサに相当する。
【0041】
センサ10e,10fの検知対象位置の間隔W3は、停止位置目標範囲W1と、先頭車両と2両目車両との連結部の幅W2との和となる。そして、この場合、列車が停止位置目標範囲W1の外側近傍に位置している場合には、センサ10e,10fの一方の検知状態が「検知無し」となることで、列車が停止位置目標範囲W1外に位置すること(位置ズレ)を判定することができる。
【0042】
なお、センサ10e,10fの設置位置は、適宜調整することができる。例えば、センサ10eを、検知対象位置が位置P1より若干前方(内方)となるように設置し、センサ10fを、検知対象位置が位置P2より若干後方(外方)となるように設置して、W3<W1+W2、とすることで、定位置停止の判定を、停止位置目標範囲W1よりも厳しく判定することとしてもよい。
【0043】
また、本実施形態では、停止位置目標範囲W1を、列車のドア開口部とホームドアのドア開口部との関係で許容されるドア位置のズレの範囲として説明しているが、ドア位置の許容ズレ範囲が、停止位置目標範囲W1より広い場合には、センサ10e,10fの設置位置を次のように設定することができる。
【0044】
すなわち、ドア位置の許容ズレ範囲が、停止位置目標範囲W1の前方側と後方側にそれぞれ距離L1分広い範囲であるとすると、
図6の(1)に示すように、センサ10eを、検知対象位置が位置P1より距離L1分後方(外方)の位置に設置し、センサ10fを、検知対象位置が位置P2より距離L1分前方(内方)の位置に設置することができる、
【0045】
この場合、
図6の(2)に示すように、センサ10eは、列車が停止位置目標W1より距離L1だけ手前の位置で、その検知状態が「検知有り」から「検知無し」に変化する。また、センサ10fは、列車が停止位置目標W1から距離L1だけ前方の位置で、その検知状態が「検知有り」から「検知無し」に変化する。つまり、列車が、停止位置目標範囲W1より広い範囲W4(=W3+2×L1:ドア位置の許容ズレ範囲)に位置していればセンサ10e,10fの両方の検知状態が「検知有り」となり、範囲W4外であれば一方の検知状態が「検知無し」となることで、列車が、この範囲W4に位置しているか否かを判定することができる。
【0046】
図7は、位置の判定の説明図である。
図7では、列車が停止位置目標に接近して走行している場合の、センサ10e,10fの検知状態の変化を示している。先ず、
図7の(1)に示すように、列車が停止位置目標に接近すると、センサ10e,10fが先頭車両を検知して、その検知状態がともに「検知有り」となる。次いで、
図7の(2)に示すように、列車が更に前進して、センサ10eが先頭車両と2両目車両との連結部(車両間)を検知すると、その検知状態が「検知無し」に変化する。この(1),(2)は、列車が停止目標位置に到達していない位置(ショート位置)である。
【0047】
続いて、
図7の(3)に示すように、列車が停止位置目標に位置(ジャスト位置)している場合、センサ10eが2両目車両を検知してその検知状態は「検知有り」となり、センサ10fが先頭車両を検知してその検知状態は「検知有り」となる。
【0048】
その後、
図7の(4)に示すように、列車が停止位置目標を越えて前進すると、センサ10fが、先頭車両と2両目車両との連結部を検知して、その検知状態が「検知無し」に変化する。このとき、センサ10eの検知状態は「検知有り」のままである。続いて、
図7の(5)に示すように、列車が更に前進すると、センサ10fが、2両目車両を検知して、その検知状態が「検知有り」に変化する。このとき、センサ10eの検知状態は、「検知有り」のままである。この(4),(5)は、列車が停止目標位置を越えた位置(オーバー位置)である。
【0049】
従って、列車が停止位置目標に接近している際のセンサ10e,10fの変化によって、列車の位置を判定することができる。すなわち、列車が停止位置目標に位置している(ジャスト位置)、停止位置目標に到達していない(ショート位置)、或いは、停止位置目標を越えた(オーバー位置)の何れであるかを判定できる。
【0050】
(C)過走の判定
図8は、過走判定用センサの設置位置の説明図である。過走判定用センサであるセンサ10gは、停止位置目標に位置する列車の先頭位置より前方(内方)の位置を検知するように設置されている。つまり、センサ10gの検知状態は、列車が停止位置目標に位置している場合には「検知無し」となり、列車が停止位置目標を越え(過走)、先頭車両を検知することで「検知有り」となる。過走判定用センサ10gは第4センサに相当する。
【0051】
(D)センサの故障判定
ところで、センサ10が自身で故障の有無を判定する自己診断機能を有していない場合、センサ10の故障によって上述の編成車両数の判定や位置の判定、過走の判定を正確に行えないおそれがある。そこで、センサ10の検知状態を用いて、センサ10の故障の有無を判定する。センサ10の故障には、検知状態として「検知有り」が続く「ON故障」と、「検知無し」が続く「OFF故障」とがある。本実施形態では、列車が駅に在線しているか否かを表す「在線フラグ」と、センサ10a〜10gの検知状態との組み合わせによって、センサ10の故障(ON故障/OFF故障)を判定する。
【0052】
図9は、在線フラグを説明する図であり、「非在線(OFF)」から「在線(ON)」への変化の条件を示している。列車のホームへの進入に伴って、センサ10a〜10gの順に、検知状態が「検知無し」から「検知有り」に変化する。このため、列車の進入側に設置されているセンサ10a,10bの検知状態が、ともに「検知無し」から「検知有り」に変化した場合に、在線フラグを「ON」とする。
【0053】
図10は、在線フラグを説明する図であり、「在線」から「非在線」への変化の条件を示している。列車がホームから進出する際には、センサ10a〜10gの順に、検知状態が「検知有り」から「検知無し」に変化する。このため、列車の進出側に設置されているセンサ10e,10f,10gのうちの2つ以上のセンサの検知状態が、「検知有り」から「検知無し」に変化し、「検知無し」の状態が所定時間続いた場合に、在線フラグを「OFF」とする。なお、応答時間が長い等、感度が鈍感なセンサを用いた場合には、進出しようとして増速する列車の車両間を敏感に検知することができないため、「検知有り」から「検知無し」に変化した後の所定時間の判定は短い時間(極端には所定時間の判定をせずともよい)としてよい。
【0054】
図11は、センサ10aの「ON故障」の判定を説明する図である。センサ10aが「ON故障」しており(すなわち、検知状態が常に「検知有り」)、他のセンサ10b〜10gは全て正常であると仮定する。先ず、
図11の(1)に示すように、列車がホームに進入する際、列車の先頭部がセンサ10aの検知対象位置に到達する前は、在線フラグは「非在線」である。次いで、
図11の(2)に示すように、列車の先頭部がセンサ10bの検知対象位置に達すると、在線フラグが「非在線」から「在線」に変化する。続いて、
図11の(3)に示すように、列車が更に進行し、列車の後端部が、センサ10fの検知対象位置を通過すると、在線フラグが「在線」から「非在線」に変化する。このため、在線フラグが「在線」から「非在線」に変化しても、センサ10aの検知状態が(「検知有り」のまま)変化しない。従って、在線フラグが「在線」から「非在線」に変化する間にセンサ10aの検知状態に変化が無い場合には、センサ10aの「ON故障」が発生したと判定する。センサ10bの「ON故障」についても、同様に判定できる。
【0055】
図12は、センサ10aの「OFF故障」の判定を説明する図である。センサ10aが「OFF故障」しており(すなわち、検知状態が常に「検知無し」)、他のセンサ10b〜10gは全て正常であると仮定する。先ず、
図12の(1)に示すように、列車がホームに進入する際、列車の先頭部がセンサ10aの検知対象位置に到達する前は、在線フラグは「非在線」である。次いで、
図12の(2)に示すように、列車の先頭部がセンサ10bの検知対象位置に達しても、在線フラグは「非在線」のままである。続いて、
図12の(3)に示すように、列車が更に進行すると、センサ10c,10dの検知状態が、順に「検知無し」から「検知有り」に変化する。このため、在線フラグが「非在線」のまま、センサ10c,10dの検知状態がともに「検知無し」から「検知有り」に変化した場合には、センサ10aの「OFF故障」が発生したと判定する。センサ10bの「OFF故障」についても、同様に判定できる。
【0056】
図13は、センサ10cの「ON故障」の判定を説明する図である。センサ10cが「ON故障」しており(すなわち、検知状態が常に「検知有り」)、他のセンサ10a,10b,10d〜10gは、全て正常であると仮定する。先ず、
図13の(1)に示すように、列車がホームに進入する際、列車の先頭部がセンサ10aの検知対象位置に到達する前は、在線フラグは「非在線」である。次いで、
図13の(2)に示すように、列車の先頭部が、センサ10bの検知対象位置に到達すると、在線フラグが「非在線」から「在線」に変化する。このため、在線フラグが「非在線」から「在線」に変化したとき、センサ10cの検知状態が既に「検知有り」の場合に、センサ10cの「ON故障」が発生したと判定する。センサ10d〜10gそれぞれの「ON故障」についても、同様に判定できる。
【0057】
図14は、センサ10cの「OFF故障」の判定を説明する図である。センサ10cが「OFF故障」しており(すなわち、検知状態が常に「検知無し」)、他のセンサ10a,10b,10d〜10gは、全て正常であるとする。先ず、
図14の(1)に示すように、列車がホームに進入する際には、列車の先頭部がセンサ10bの検知対象位置に到達すると、在線フラグが「非在線」から「在線」に変化する。次いで、
図14の(2)に示すように、列車が進行して先頭部がセンサ10cの検知対象位置に到達しても、センサ10cの検知状態は「検知無し」のままである。続いて、
図14の(3)に示すように、列車が更に進行して、後端部が、センサ10fの検知対象位置を過ぎると、在線フラグが「在線」から「非在線」に変化する。このため、在線フラグが「在線」から「非在線」に変化しても、センサ10cの検知状態が(「検知無し」のまま)で変化しない場合に、センサ10cの「OFF故障」が発生したと判定する。センサ10d〜10gそれぞれの「OFF故障」についても、同様に判定できる。
【0058】
[機能構成]
図15は、制御装置20の機能構成の概略を示す図である。
図15によれば、制御装置20は、機能的に処理部100と、記憶部200とを備えて構成される一種のコンピュータシステムといえる。もちろん、操作部や表示部をさらに備えて構成されるとしてもよい。
【0059】
処理部100は、例えばCPU等のプロセッサや演算装置で実現され、記憶部200に記憶されたプログラムやデータ、センサの検知結果等に基づいて制御装置20の全体制御を行う。また、処理部100は、進入判定部110と、編成車両数判定部120と、位置判定部130と、過走判定部140と、在線判定部150と、センサ故障判定部160とを有し、列車位置判定プログラム210に従った列車位置判定処理(
図13参照)を実行する。
【0060】
進入判定部110は、列車全体がホームへ進入しきったこと(入りきり)を判定する。列車がホームに進入し始めて停止位置目標に接近する際には、センサ10a〜10fの順に、検知状態が「検知無し」から「検知有り」へと変化する。このため、センサ10fが非検知から検知へと変化したことをもって、列車のホームへの進入(入りきり)を判定する。
【0061】
編成車両数判定部120は、編成車両数判定用センサ10a〜10dの検知結果に基づいて、進入してきた列車の編成車両数を判定する。具体的には、進入判定部110によって列車の進入が判定された後に、センサ10a〜10dの検知状態(検知有り/無し)の組み合わせが、編成車両数判定テーブル220にて定められるセンサ条件を満たすか否かに応じて、列車の編成車両数を判定する。
【0062】
図16は、編成車両数判定テーブル220のデータ構成例である。
図16に示すように、編成車両数判定テーブル220は、編成車両数判定用センサ10a〜10dそれぞれの検知状態の組み合わせであるセンサ条件と、編成車両数とを対応付けて格納している。
【0063】
位置判定部130は、位置判定用センサ10e,10fの検知結果に基づいて、列車の位置を判定する。具体的には、編成車両数判定部120によって編成車両数が判定された後に、センサ10e,10fそれぞれの検知状態の遷移が、位置判定テーブル230にて定められるセンサ条件(定位置遷移条件)の何れを満たすかに応じて、列車の位置を判定する。
【0064】
図17は、位置判定テーブル230のデータ構成例である。
図17に示すように、位置判定テーブル230は、位置判定用センサ10e,10fそれぞれの検知状態の遷移であるセンサ条件と、停止位置目標に対する列車位置とを対応付けて格納している。
【0065】
過走判定部140は、過走判定用センサ10gの検知結果に基づいて、列車の過走を判定する。すなわち、センサ10gの検知状態が、過走判定テーブル240にて定められるセンサ条件を満たすか否かに応じて、過走の有無を判定する。
【0066】
図18は、過走判定テーブル240のデータ構成例である。
図18に示すように、過走判定テーブル240は、過走判定用センサ10gの検知状態であるセンサ条件と、過走有無とを対応付けて格納している。
【0067】
在線判定部150は、センサ10の検知結果に基づいて、在線フラグを判定する。具体的には、センサ10の検知状態の組み合わせが、在線判定条件テーブル280で定められる判定条件の何れかを満たすかに応じて、在線フラグを判定する。
【0068】
図19は、在線判定条件テーブル280のデータ構成の一例を示す図である。
図19に示すように、在線判定条件テーブル280は、在線フラグの変化と、センサ10の検知状態の条件である在線判定条件とを対応付けて格納している。
【0069】
センサ故障判定部160は、在線フラグと、センサ10それぞれの検知結果とに基づいて、センサ10それぞれの故障を判定する。具体的には、在線フラグと、センサ10の検知状態との組み合わせが、故障判定条件テーブル290にて定められる故障判定条件を満たすか否かに応じて、センサ10の故障(ON故障/OFF故障)の発生を判定する。また、センサ故障判定部160は、在線フラグが「非在線」から「在線」に変化する間に全てのセンサ10の検知状態が変化した場合には、上述の故障(ON故障/OFF故障)の発生の判定を取り消し、全てのセンサ10は正常(故障が発生していない)と判定する。これは、虫や落ち葉などによる故障の誤判定を補償するためである。
【0070】
図20は、故障判定条件テーブル290のデータ構成の一例を示す図である。
図20によれば、故障判定条件テーブル290は、センサそれぞれについて、ON故障判定条件と、OFF故障判定条件とを対応付けて格納している。ON故障判定条件及びOFF故障判定条件は、在線フラグの設定値とセンサ10の検知状態の組み合わせである。
【0071】
記憶部200は、ROMやRAM、ハードディスク等の記憶装置で実現され、処理部100が制御装置20を統合的に制御するためのシステムプログラムや、各種機能を実現するためのプログラムやデータ等を記憶しているとともに、処理部100の作業領域として用いられ、処理部100が実行した演算結果や、センサ10それぞれからの検知結果等が一時的に格納される。本実施形態では、列車位置判定プログラム210と、センサ故障判定プログラム260と、編成車両数判定テーブル220と、位置判定テーブル230と、過走判定テーブル240と、在線判定条件テーブル280と、故障判定条件テーブル290とが記憶される。
【0072】
[処理の流れ]
(A)列車位置判定処理
図21は、列車位置判定処理の流れを説明するフローチャートである。先ず、進入判定部110が、新たな列車のホームへの進入(入りきり)を判定すると(ステップA1:YES)、過走判定部140が、センサ10gの検知状態に基づいて、当該列車の過走判定を行い(ステップA3)、判定結果を出力する(ステップA5)。
【0073】
その結果、過走と判定されたならば(ステップA7:YES)、編成車両数の判定ができないとしてステップA9〜A17の処理をスキップすることで、編成車両数の判定を抑止する。
【0074】
また、過走をしていないと判定されたならば(ステップA7:NO)、続いて、編成車両数判定部120が、センサ10a〜10dの検知状態に基づいて、当該列車の編成車両数の判定を行い(ステップA9)、判定結果を出力する(ステップA11)。その結果、編成車両数が判定されたならば(ステップA13:YES)、位置判定部130が、センサ10e,10fの検知状態の変化に基づいて、当該列車の位置の判定を行い(ステップA15)、判定結果を車掌用表示器30a及び運転士用表示器30bに表示出力させる(ステップA17)。
【0075】
その後、対象駅からの発車等によって当該列車に対する位置等の判定を終了するかを判断し、終了しないならば(ステップA19:NO)、ステップA3に戻り、同様の処理を繰り返す。終了するならば(ステップA19:YES)、本処理を終了する。
【0076】
(B)故障判定処理
図22は、センサ故障判定処理の流れを説明するローチャートである。この処理は、列車位置判定処理とは独立且つ並行して実行される処理である。
【0077】
先ず、在線フラグが「非在線」ならば(ステップB1:NO)、センサ故障判定部160が、センサ10c,10dの検知状態をもとにセンサ10a,10bのOFF故障判定を行い(ステップB1)、判定結果を外部出力する(ステップB3)。
【0078】
次いで、在線フラグが「非在線」から「在線」に変化すると(ステップB5:YES)、センサ故障判定部160が、在線フラグの設定値の変化及びセンサ10c〜10gの検知状態をもとにセンサ10c〜10gのON故障判定を行い(ステップB7)、判定結果を外部出力する(ステップB9)。
【0079】
その後、在線フラグが「在線」から「非在線」に変化すると(ステップB11:YES)、センサ故障判定部160が、在線フラグの設定値の変化及びセンサ10a,10bの検知状態をもとにセンサ10a,10bのON故障判定を行うとともに、在線フラグの設定値の変化及びセンサ10c〜10gの検知状態をもとにセンサ10c〜10gのOFF故障判を行い(ステップB13)、判定結果を外部出力する(ステップB15)。
【0080】
続いて、在線フラグが「在線」から「非在線」に変化した間に全てのセンサ10の検知状態が変化したか否かを判断し、変化したならば(ステップB17:YES)、全てのセンサ10は「正常(故障無し)」と判定して、判定結果を外部出力する(ステップB19)。その後、外部からの終了指示等によって本処理を終了するか否かを判断し、終了しないならば(ステップB21:NO)、ステップB1に戻り、同様の処理を繰り返す。終了するならば(ステップB21:YES)、本処理を終了する。
【0081】
[作用効果]
このように、本実施形態の列車位置判定システム1は、駅のプラットホームに設置された、列車の車体を検知し車両間の連結部は検知しないセンサ10a〜10gと、制御装置20とを備えて構成される。
【0082】
センサ10e,10fは、それぞれ、停止位置目標Pmに位置する列車の2両目車両と先頭車両を検知する位置に設置される。制御装置20は、このセンサ10e,10fの検知状態の遷移によって列車が停止位置目標範囲に位置しているか否かを確実に判定することが可能である。また、制御装置20は、センサ10e,10fの検知状態の遷移に基づいて、停止位置目標に合ったジャスト位置であるか、ショート位置/オーバー位置であるかを判定することもできる。そして、判定結果が車掌用表示器30aや、運転士用表示器30bに表示(報知)される。また、編成車両数判定用センサであるセンサ10a〜10dの検知状態によって列車の編成車両数を判定することができる。
【0083】
また、センサ10a〜10gそれぞれが故障しているか否かを、センサ10a〜10gそれぞれの検知状態に基づいて判定し、その判定結果を外部出力することができる。
これにより、列車の位置や編成車両数の判定の信頼性の向上を図ることができる。
【0084】
なお、上述の実施形態においては、最小編成車両数Mを8両とし、8両編成及び10両編成の二種類の編成車両数の列車に適用した場合を説明したが、最小編成車両数Mは3両以上であれば良く、また、3種類以上の編成車両数の列車に適用しても良い。
【0085】
また、上述の実施形態では、位置判定用センサであるセンサ10f(第1センサ),10e(第2センサ)は、それぞれ、先頭車両、2両目車両を検知対象位置とするように設置されることとしたが、センサ10f(第1センサ)が2両目以降のm両目車両(1≦m<(M−1))を検知対象位置とし、センサ10e(第2センサ)がその次の(m+1)両目車両を検知対象とするように設置しても良い。