特許第5694425号(P5694425)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5694425-製品を分配するためのシステム 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5694425
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】製品を分配するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/08 20060101AFI20150312BHJP
【FI】
   B67D1/08 Z
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-97384(P2013-97384)
(22)【出願日】2013年5月7日
(62)【分割の表示】特願2008-558465(P2008-558465)の分割
【原出願日】2007年3月1日
(65)【公開番号】特開2013-189252(P2013-189252A)
(43)【公開日】2013年9月26日
【審査請求日】2013年6月5日
(31)【優先権主張番号】11/276,550
(32)【優先日】2006年3月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391026058
【氏名又は名称】ザ コカ・コーラ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Coca‐Cola Company
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(72)【発明者】
【氏名】パテル,ニラング
(72)【発明者】
【氏名】カーペンター,グレッグ
(72)【発明者】
【氏名】ニューマン,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】フィリップス,ポール,エー.
(72)【発明者】
【氏名】ルディック,アーサー,ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ジーゼル,ローレンス,ビー.
【審査官】 関 義彦
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−506273(JP,A)
【文献】 特開2002−298215(JP,A)
【文献】 特開2002−2890(JP,A)
【文献】 特開平11−262649(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/111955(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1−3
G07F 13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの消費者有益添加物を含む製品を分配するためのシステムであって、
1つ又はそれ以上の多量成分と、
1つ又はそれ以上の微量成分と、
1つ又はそれ以上の消費者有益添加物であって、ポーションコントロールされた1つ又はそれ以上の消費者有益添加物と、
希釈剤と、
前記製品を生成するために、前記1つ又はそれ以上の多量成分と前記1つ又はそれ以上の微量成分と前記1つ又はそれ以上の消費者有益添加物と前記希釈剤と連通した複数のポンプ又は計量装置と、
前記製品に関連する栄養情報であって、当該製品のカロリー量を含む栄養情報を表示する手段と、を備え、
前記1つ又はそれ以上の消費者有益添加物は、前記1つ又はそれ以上の微量成分のうちの1つである、システム。
【請求項2】
1つ又はそれ以上の消費者入力データを受ける手段をさらに備え、
前記1つ又はそれ以上の消費者入力データは、ライフスタイル、消費者生物測定データ及び消費者健康パラメータの少なくとも1つを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
分配される前記製品の量をコントロールするためのポーションコントロールボタンをさらに備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
1つ又はそれ以上の強度インジケータを受けるための手段を備え、
前記1つ又はそれ以上の強度インジケータは、前記1つ又はそれ以上の多量成分、前記1つ又はそれ以上の微量成分、前記1つ又はそれ以上の消費者有益添加物及び前記希釈剤の割合を制御するために使用される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記1つ又はそれ以上の消費者有益添加物は、ビタミンを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記1つ又はそれ以上の消費者有益添加物は、ハーブ抽出物を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記1つ又はそれ以上の消費者有益添加物は、機能性食品を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記1つ又はそれ以上の消費者有益添加物は、薬剤を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
少なくとも1つの消費者有益添加物を含む製品を分配するためのシステムであって、
1つ又はそれ以上の多量成分と、
1つ又はそれ以上の微量成分と、
1つ又はそれ以上の消費者入力データを受ける手段であって、前記1つ又はそれ以上の消費者入力データが、消費者生物測定データ及び消費者健康パラメータの少なくとも1つを有する手段と、
1つ又はそれ以上の消費者有益添加物であって、一部が、前記1つ又はそれ以上の消費者入力データに基づいて選択された1つ又はそれ以上の消費者有益添加物と、
希釈剤と、
前記製品を生成するために、前記1つ又はそれ以上の多量成分と前記1つ又はそれ以上の微量成分と前記1つ又はそれ以上の消費者有益添加物と前記希釈剤と連通した複数のポンプ又は計量装置と、を備え、
前記1つ又はそれ以上の消費者有益添加物は、前記1つ又はそれ以上の微量成分のうちの1つである、システム。
【請求項10】
前記1つ又はそれ以上の消費者有益添加物は、ポーションコントロールされる、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記製品の量をコントロールするためのポーションコントロールボタンをさらに備えた、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記1つ又はそれ以上の消費者有益添加物は、ビタミン、ハーブ抽出物、機能性食品及び/又は薬剤を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
少なくとも1つの消費者有益添加物を含む製品を分配するためのシステムであって、
1つ又はそれ以上の多量成分と、
約10:1以上の再構成比率を有する1つ又はそれ以上の微量成分と、
1つ又はそれ以上の強度インジケータを受けるための手段と、
1つ又はそれ以上の消費者有益添加物と、
希釈剤と、
前記製品を生成するために、前記1つ又はそれ以上の多量成分と前記1つ又はそれ以上の微量成分と前記1つ又はそれ以上の消費者有益添加物と前記希釈剤と連通した複数のポンプ又は計量装置と、を備え、
前記1つ又はそれ以上の強度インジケータは、前記1つ又はそれ以上の多量成分、前記1つ又はそれ以上の微量成分、前記1つ又はそれ以上の消費者有益添加物及び前記希釈剤の割合を制御するために使用され、
前記1つ又はそれ以上の消費者有益添加物は、前記1つ又はそれ以上の微量成分のうちの1つである、システム。
【請求項14】
前記1つ又はそれ以上の消費者有益添加物は、ポーションコントロールされる、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記製品の量をコントロールするためのポーションコントロールボタンをさらに備えた、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記1つ又はそれ以上の消費者有益添加物は、ビタミン、ハーブ抽出物、機能性食品及び/又は薬剤を含む、請求項13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、概して、飲料分配システムに関し、特に、いくつかの異なる飲料の代替物を提供する飲料ディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
共通所有の米国特許第4,753,370号は、「Tri−Mix Sugar−Based Dispensing System」に関する。この特許は、高濃度のフレーバーを甘味料及び希釈剤から分離する飲料分配システムについて記載している。この分離によって、いくつかのフレーバーモジュール及び1つの万能甘味料を使用して多数の飲料オプションを生成することができる。この特許の目的の1つは、飲料ディスペンサが、予めパッケージングした瓶又は缶の市場で入手可能な限り多くの飲料を提供できるようにすることである。
【0003】
これらの分離技術は洗練され、改良され続けている。共通所有の「Methods and Apparatuses for Making Compositions Comprising an Acid and an Acid Degradable Component and/or Compositions Comprising a Plurality of Selectable Components」と題した米国特許出願第11/276,553号に示されているように、甘味料なしの濃縮物の酸性成分及び非酸性成分も分離することができる。この分離によって、保存期間を延長することができ、フレーバー成分をさらに濃縮することもできる。
【0004】
飲料ディスペンサは、歴史的に、希釈剤(水など)を飲料ベースと組み合わせることによって実行してきた。これらの飲料ベースは、通常、約3:1から6:1の再構成比率を有している。飲料ベースは、通常、大型容器に入っており、これは大量の貯蔵空間を必要とし、冷却する必要がある場合がある。これらの要件によって、往々にしてこれらの容器を実際のディスペンサから離れて貯蔵し、容器からディスペンサへと長いラインを通す必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように保存期間及び濃度が改善されると、使用する占有面積を縮小しながら、さらに多くの異なるタイプの飲料を生成することができる飲料ディスペンサがあることが望ましい。これは、従来の飲料ベースを、はるかに高い再構成比率で構成部分に分割することによって達成することができる。これにより、これらの部分をはるかに小さいパッケージに貯蔵し、飲料ディスペンサ自体の付近、その隣、又はその中に貯蔵することができる。飲料ディスペンサは、消費者が飲料を必要に応じてカスタマイズすることができるように、消費者に複数の飲料オプションを与えられることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
それ故、本願は、製品ディスペンサについて説明する。製品ディスペンサは、少なくとも1つの多量成分源(macro−ingredient soruce)と、ディスペンサの周囲に配置される少なくとも1つの微量成分源(micro−ingredient source)と、希釈剤源と、分配弁と、いくつかのポンプ又は計量装置と、ユーザインタフェースとを含むことができる。ユーザインタフェースは、製品タイプに関する要求を受信し、ポンプ又は計量装置に、所定のタイプ及び比率の多量成分、微量成分、及び希釈剤を所定の流量で分配弁へと分配するように命令する。
【0007】
ユーザインタフェースは、制御装置を含むことができる。制御装置は、いくつかのポンプ又は計量装置に、所定のタイプ及び比率の多量成分、微量成分、及び希釈剤を所定の流量で分配弁へと分配するように命令する。
【0008】
多量成分源は、再構成比率が約3:1から約6:1の多量成分を含むことができる。多量成分源は、糖シロップと、HFCS(高フルクトースコーンシロップ)と、果汁濃縮物とを含むことができる。微量成分源は、約10:1以上の再構成比率の微量成分を含むことができる。微量成分源は、天然及び人工フレーバーと、天然及び人工着色料と、人工甘味料と、ビタミンと、ミネラルと、ハーブ抽出物と、機能性食品と、薬剤と、フレーバーの酸性及び非酸性成分とを含むことができる。
【0009】
希釈剤源及び多量成分源は、それぞれポンプの1つと連通することができる。微量成分源は、計量装置の1つと連通することができる。ポンプ又は計量装置は、容積式ポンプを含むことができる。
【0010】
分配弁は、マルチフレーバー弁を含むことができる。分配弁は、多量成分源及び希釈剤源と連通する流量指示器を含むことができる。分配弁は、微量成分源と連通する三次流量アセンブリを含むことができる。
【0011】
ユーザインタフェースは、いくつかの製品選択肢と、いくつかの添加物選択肢と、いくつかの強度選択肢と、栄養情報と、消費者データシステムとを含むことができる。消費者データシステムは、1つ又は複数の生物測定センサを含むことができる。
【0012】
本願は、さらに、複数の飲料を生成する飲料ディスペンサについて説明する。飲料ディスペンサは、ディスペンサの周囲に配置され、再構成比率が約10:1より高い成分を有するいくつかの成分源と、希釈剤源と、成分源及び希釈剤源と連通するいくつかのポンプ又は計量装置とを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本明細書で説明するような飲料ディスペンサの概略図である。
図2図1の飲料ディスペンサとともに使用できる分配ノズルアセンブリの斜視図である。
図3図1の飲料ディスペンサとともに使用するユーザインタフェースの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に図面を参照すると、ここでは類似の番号はいくつかの図面を通して類似の要素を示す。図1は、本明細書で説明するような飲料ディスペンサ100を示す。ユーザインタフェース110は、飲料ディスペンサ100の機能的側面のすべてを制御することができる。消費者は、ユーザインタフェース110を使用して多数のタイプの飲料、混合物及び添加物を選択及び/又は生成することができる。制御装置120は、ユーザインタフェース110を支持することができる。制御装置120は、従来のマイクロコンピュータ又は類似のタイプの装置であってもよい。制御装置120は、飲料ディスペンサ100の内部にあるか、又はそこから離れていてもよい。
【0015】
飲料ディスペンサ100は、任意の数の異なる成分を使用することができる。この例では、いくつかの異なるタイプの成分を使用することができる。すなわち、水源130からの水(淡水及び/又は炭酸水)、いくつかの多量成分源140からの多量成分、いくつかの微量成分源150からの微量成分である。本明細書では、任意の数又は組合せの源130、140、150を使用することができる。例えば、多量成分源を有する必要はなく、高い再構成比率でポンピングすることが困難なHFCSを使用しなくてもよい。それ故、希釈剤源及び微量成分源のみを必要とする場合がでてくる。
【0016】
水源130からの水は、冷却しても、冷却しなくてもよい。本明細書では、他のタイプの希釈剤を使用することができる。従来のカーボネータ又は類似のタイプの装置を使用して、必要に応じて炭酸水を生成することができる。炭酸の量は変更することができる。
【0017】
一般的に、多量成分は、約3:1から約6:1の範囲の再構成比率を有することができる。多量成分の粘度は、通常、約100以上の範囲である。多量成分は、糖シロップ、HFCS(高フルクトースコーンシロップ)、果汁濃縮物、及び類似のタイプの流体を含むことができる。同様に、多量成分ベース製品は、甘味料、酸、及び他の一般的な成分を含むことができる。蜜、甘味料、及びベース製品は、通常、ディスペンサ100から離れた従来のバッグインボックス式容器に貯蔵することができる。多量成分は、飲料ディスペンサ100自体の中に配置することもできる。本明細書では任意のタイプの容器を使用することができる。多量成分は、冷却する必要がある場合もあるし、必要がない場合もある。
【0018】
微量成分は、約10:1、20:1、30:1又はそれ以上の範囲の再構成比率を有することができる。特に、多くの微量成分は、50:1から300:1の範囲であってもよい。微量成分の粘度は、通常、約1から約100センチポアズ程度の範囲である。微量成分の例としては、天然及び人工フレーバー、フレーバー添加物、天然及び人工着色料、人工甘味料(高甘味度など)、酸味を制御する、例えば、クエン酸、クエン酸カリウムなどの添加物、ビタミン、ミネラル、ハーブ抽出物などの機能性添加物、機能性食品、及びアセトアミノフェン及び類似のタイプの材料などの大衆薬(など)が挙げられる。上述したように、甘味料なしの濃縮物の酸性及び非酸性成分は、分離し、個別に貯蔵することもできる。微量成分は液体、粉末(固体)、又は気体状形態及び/又はその組合せであってもよい。微量成分は冷却する必要がある場合もあるし、必要がない場合もある。塗料、染料、油、化粧品などの飲料以外の物質も使用することができる。種々のタイプのアルコールを微量成分又は多量成分として使用することができる。
【0019】
微量成分及び微量成分源150は、従来のバッグインボックス式容器などに離れて配置されるのではなく、飲料ディスペンサ100自体の中又はその周囲に配置することができることが好ましい。ディスペンサの周囲に配置するとは、微量成分源150を、その隣、下、又は他の近辺の位置のようにディスペンサ100の近傍に配置するという意味である。任意の他のタイプの貯蔵装置を使用することもできる。本明細書では、任意のタイプの容器を使用することができる。
【0020】
水源130、多量成分源140、及び微量成分源150は、それぞれポンプ160又は計量装置170と連通することができる。制御装置120は、ポンプ160及び計量装置170を制御することができる。通常、水源130及び多量成分源140は、それぞれポンプ160の1つと連通することができる。ポンプ160は、従来の電磁ポンプ又は類似のタイプの装置であってもよい。
【0021】
微量成分源150は、それぞれ計量装置170の1つと連通することができる。計量装置170は、容積式ポンプ又は類似のタイプの装置であってもよい。このような容積式ポンプは、より高濃度の微量成分のポーションコントロール(portion control)を提供する。容積式ポンプの動作の例が、「Pump System with Calibration Curve」と題した共通所有の米国特許出願第11/276,548号に示されている。
【0022】
例えば、容積式ポンプは、電磁ポンプ、ギアポンプ、環状ポンプ、蠕動ポンプ、シリンジポンプ、圧電ポンプ、又はポンプサイクル毎に固定された容積をポンピングするように設計された任意の他のタイプの容積式装置であってもよい。
【0023】
ポンプ160及び計量装置170は、分配ノズル180と連通することができる。分配ノズル180は、いくつかの流体を同時に混合することができる多フレーバー分配弁であってもよい。本明細書で使用できる分配ノズルの例が、「Dispensing Nozzle」と題した共通所有の米国特許出願第10/233,867号(米国特許公開US2004/0040983A1号)、及び「Dispensing Nozzle Assembly」と題した共通所有の米国特許出願第11/276,551号に示されている。
【0024】
図2は、このような分配ノズル180の例を示す。通常、分配ノズルは、自身を通って延びるいくつかの導管がある流量指示器190を含む。この例では、流量指示器190は自身を通って延びる第1の導管200及び第2の導管210を有することができる。第1の導管200は水、他のタイプの希釈剤、又は他の流体に使用することができる。第2の導管210は、甘味料入り濃縮物、糖シロップ、HFCSシロップ、果汁濃縮物、又は他のタイプの流体などの多量成分に使用することができる。流量指示器190の下にはターゲット220を配置することができる。ターゲット220は、U字又はV字形流路240を形成するいくつかの垂直に延びるフィン230を含むことができる。水、多量成分、又は他の流体が流量指示器190から出て、混合を開始するように、ターゲット220の流路240に沿って流れ落ちることができる。
【0025】
流量指示器190の隣には、三次流量アセンブリ250を配置することができる。三次流量アセンブリ150は、いくつかのモジュール260を含むことができる。モジュール260は、自身を通って延びるいくつかの導管270を有することができる。導管270は、自身を通る所期の流れの性質に応じて異なるサイズ及び構成を有することができる。モジュール260は、交換可能で相互に交換することができる。モジュール260及び導管270は、それぞれ微量成分源150又は他のタイプの流体の一方と連通することができる。導管270は、微量成分又は他の流体を水、多量成分又は他の流体と混合するように、ターゲット220を目指すことができる。任意の数の微量成分又は他のタイプの流体を同時に使用することができる。
【0026】
図3は、ユーザインタフェース110の実施形態、すなわち、インタフェース300を示す。インタフェース300は1組の予め画定された製品ボタン310を含むことができる。各製品ボタン310は、異なるベース製品又は製品成分を表すことができる。各製品ボタン310は、特定の製品又は成分が選択されたことを消費者に信号で知らせることができる使用インジケータ320を有することができる。選択された飲料に対して飲料ディスペンサ100を起動するために、注入/取り消しボタン330も使用することができる。
【0027】
インタフェース300は、さらに、いくつかの添加物ボタン340を含むことができる。製品ボタン310によって画定された事前画定の製品に加えて、添加物ボタン340は、上述したようにフレーバー、着色料、機能性添加物などのような添加物の追加を提供する。通常、飲料が時期尚早に停止した場合に過量効果がないように、最小飲料サイズの約80%が注入されるまで添加物は添加されない。添加物は、既知の飲料サイズが保証されないので、トップオフに添加されない。使用者が「取り消し」ボタン330を押下した場合、添加物は分配されない。使用インジケータ320は、添加物が提供されている場合に常に点滅することができる。これで、ユーザインタフェース300は可視的フィードバックを消費者に与える。
【0028】
インタフェース300は、また、ポーションボタン350を含むことができる。ポーションボタン350は、所定の飲料サイズに対応する従来の「小」、「中」、「大」、「特大」などを使用することができる。
【0029】
インタフェース300は、また、強度インジケータ360も含むことができる。強度インジケータ360は、LED(発光ダイオード)又は飲料の相対的強度を示す類似のタイプの視覚的インタフェースを含むことができる。例えば、注文通りに混合した飲料を提供するように、異なるタイプの果汁を一緒に混合したい場合がある。添加物の量、さらには、濃縮物、甘味料又は他のタイプの成分の性質及び量を変更するために、強度インジケータ360も使用することができる。
【0030】
上記インタフェースに加えて、追加のグラフィカルインタフェースを設けてもよい。例えば、栄養情報を提供することができる。ポーションボタン350又は強度ボタン360を選択する度に、選択された飲料の性質を反映する栄養情報を表示することができる。例えば、消費者が混合したままの飲料のカロリー量を表示することができる。これで、消費者は、必要に応じて飲料の栄養価を変更する選択肢が得られる。コンピュータユーザインタフェース300は、使用できる種々の成分の種類及び量を制限及び/又は許容することもできる。
【0031】
コンピュータユーザインタフェース300は、パスワード、スマートカード、生物測定学的識別、クレジットカード、RFIDなどによる安全なアクセスを個々の消費者に提供することができる。ユーザインタフェース300は、以前に選択した処方、宣伝、及び他のタイプの情報を消費者に提供することができる。ユーザインタフェース300は、消費者が使用できる種々の成分の種類及び量を制限及び/又は許容することができる。消費者の嗜好は、貯蔵し、新製品の開発に使用することもできる。
【0032】
グラフィカルインタフェースに加えて、飲料ディスペンサ100は全体として、ディスペンサの統計値及びトラブルシューティングの情報を提供することができる。例えば、ポンプ160又は計量装置170が始動する遅延時間、通気及び/又は排液サイクルの時間、ポーションサイクルなどに、ユーザインタフェース110、300を通してアクセスすることができる。このインタフェース110、300は、パスワード又は他の方法で保護することができる。ユーザインタフェース110、300は、トラブルシューティング又は修理のために、及び例えば、成分の潜在的に不適当な量の通知又は警告のために、必要に応じてネットワーク又は他の源と通信する及び/又はアクセスすることができる。
【0033】
使用時には、消費者はユーザインタフェース110から所望の飲料を選択することができる。それ故、飲料ディスペンサ100は、必要に応じて多数のタイプの飲料を生成し、混合する能力を消費者に提供する。消費者は、好みに応じて飲料の成分、ならびに強度を変更することができる。それ故、消費者は、注文通りの飲料のために完全な「レシピ」を提示することができる。別の方法としては、消費者は「銘柄」飲料を要求することができる。例えば、ジョージア州アトランタのThe Coca−Cola Company社が販売している「Cherry Coke(登録商標)」飲料は、単に1回分のサクランボのフレーバーを添加した「Coca−Cola(登録商標)」飲料を越えるものである。むしろ、これは味が一定した特定の銘柄飲料である。それ故、飲料ディスペンサ100は、瓶、缶などの市場で入手可能な限り多くの「銘柄」飲料を提供することができる。
【0034】
インタフェース110は、制御装置120とともに個々のポンプ160及び/又は計量装置170に命令して、適切な成分を適切な割合で分配ノズル180に分配する。次に、混合した飲料は、所定の割合で所与の流量にて消費者のカップに流入する。ポンプ160及び計量装置170は、流量を変更するために必要に応じてパルスオン/パルスオフすることができる。このようなパルス状の動作は、例えば、微量成分の混合を確実に行うことができ、様々な炭酸レベルを提供することができる。飲料は、分配ノズル180又は1つ又は複数の源130、140、150の下流(例えば、背面室、インラインなど)で混合することができる。異なる流量及び流れのタイミングを使用することができ、例えば、早期又は後期に特定の流体の流れを添加したり、特定の流体の流れをパルス状にしたりすることができる。
【0035】
水源130、多量成分源140及び多量成分源150に個々のポンプ160及び/又は計量装置170を使用すると、連続的に注入する間に適切な成分を適切な割合で所与の流量にて分配する能力を提供する。すなわち、所定の量の成分が組み合わせられる従来のバッチ作業とは反対に、飲料ディスペンサ100は、任意の容量を注入するために連続的な混合及び流れを正確な比率で提供する。それ故、飲料ディスペンサ100は、従来の卓上型装置、自動販売装置、及び種々のタイプの瓶詰め及び充填装置に対する用途を有する。本発明を飲料ディスペンサ100に関して説明しているが、本発明は濡れていても乾燥していても任意のタイプの成分の組合せに適用可能である。「Juice Dispensing System」と題した共通所有の米国特許出願第11/276,549号は、本明細書で説明した概念を果汁の分野で使用することを特に指向している。
【0036】
再び図1を参照すると、飲料ディスペンサ100は、ユーザインタフェース110及び制御装置120と通信する消費者データシステム400も含むことができる。消費者データシステム400は、通信装置410を含むことができる。通信装置410は、ビデオタッチ画面、ビデオ画面及びキーボード、又は他のタイプの従来の入出力装置を含むことができる。通信装置410は、ユーザインタフェース110の一部又は別個の要素であってもよい。
【0037】
通信装置410は、種々のタイプの生物測定、健康、ライフスタイル及び/又は他のタイプの情報に関するデータを入力するように消費者に促すことができる。消費者の入力に基づいて、制御装置120はデータを分析し、データ入力に照らして改善可能、有益、又は単に消費者を喜ばせることができる飲料又は飲料成分を示唆することができる。
【0038】
健康パラメータとしては、身長、体重、血圧、血糖レベル、インスリンレベル、コレステロールレベル、骨密度、心拍数、他のタイプの代謝情報、ボディマスパーセンテージ、体温、喫煙履歴、妊娠、全体的な医療履歴などを含むことができる。ライフスタイルの質問は、気分、運動強度などを含むことができる。他のタイプのカテゴリとしては、時刻、外気温、現在のイベント、チームへの所属などを含むことができる。任意のタイプのデータを要求することができる。
【0039】
入力されたデータに基づき、消費者データシステム400の通信装置410は、種々のタイプのビタミン、ミネラル、ハーブ抽出物、大衆薬、着色料などを有する飲料を示唆することができる。特定量のカロリーの飲料を示唆することができる。例えば、「骨」パッケージ、すなわち、ビタミンD及びカルシウム、「抗酸化パッケージ」、すなわち、ビタミンC及びE及び亜鉛、「心臓パッケージ」、すなわち、植物ステロール及びBビタミン群、及び多くの他の添加物及び混合物を有する飲料を示唆することができる。飲料及び/又は添加物が選択されると、上述したようにポンプ160及び計量装置160を介して適切な多量成分150又は他の要素を分配することができる。消費者データを格納し、現在のデータと比較することもできる。
【0040】
上述したような通信装置410に加えて、消費者データシステム400は、1つ又は複数の生物測定センサ420も含むことができる。生物測定センサは、所望の健康データ又は他の情報を収集するために自動化された装置を含むことができる。生物測定センサ420としては、体重計、血圧測定用カフ、酒気検知器、血液分析器、毛髪分析器、EKGなどが挙げられる。本明細書では、任意のタイプの監視装置を使用することができる。任意の数の生物測定センサ420を一緒に使用することもできる。生物測定センサ420は、上述したような制御装置120と通信することができる。
図1
図2
図3