(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記空気再利用循環路(78)は、前記抽出系(54)の前記排気ダクト(56)につながるインプットと、前記装置(10)が配置される前記工業用の建物(16)に直接開口するアウトプットと、をそれぞれ有する、少なくとも一つの再循環ダクト(82)を有し、前記処理手段(80)は、少なくとも前記再循環ダクト(82)の前記インプットと前記アウトプットとの間に配置されること、を特徴とする請求項1の装置(10)。
前記空気再利用循環路(78)は、前記抽出された空気の流れの分配を、前記工業用の建物(16)の外の大気中に開口する前記排気ダクト(56)と、前記装置(10)が中に配置される前記工業用の建物(16)に直接開口する前記再循環ダクト(82)との間で選択的に制御するのに適した制限手段(88)を有すること、を特徴とする請求項2の装置(10)。
前記処理手段(80)は、前記抽出された空気の流れが通ることで処理されて前記再利用循環路(78)の前記再循環ダクト(82)を循環するように配置され、前記空気中に存在する前記滅菌剤の全てまたは一部を他の中性生成物に分解して少なくとも前記閾値とするために滅菌剤を含む前記空気と触媒反応を誘発する少なくとも一つの酸化成分を有する、少なくとも一つのフィルタ(92)で作られること、を特徴とする請求項2の装置(10)。
【発明の概要】
【0001】
本発明は、滅菌剤を含む空気を再利用する方法と、空気再利用循環路を有する容器製造装置(container manufacturing installation)とに関する。
【0002】
本発明は特に、熱可塑性の材料によって形成される予備成形品(preform)から容器を製造する装置であって、前記装置の内容積(internal volume)を前記装置が配置される工業用の建物(industrial premise)に収容される環境空気から隔離するための少なくとも一つの保護チャンバ(chamber)を有する装置に関し、当該装置は前記内容積に配置される少なくとも:
− 少なくとも一つの滅菌剤の利用によって前記予備成形品を浄化する装置、
− 前記環境空気を濾過する手段と、特に前記予備成形品の少なくとも一部の冷却を確実にするための換気手段と、を有する空気冷却装置に結合した加熱手段を有する炉からなる前記予備成形品についての熱調節(thermal conditioning)ユニット、
− 前記予備成形品を容器に変形させるユニット、を有し、
そして、滅菌剤を含む空気を前記チャンバの前記内容積から抽出することで、少なくとも一つの排気ダクトを通じて前記工業用の建物の外の大気中に排出する抽出系(システム)(extraction system)を備える。
【0003】
この種の装置は、容器、特にボトルやフラスコなどを、予備成形品または熱可塑性素材の射出によって予め得られる素材、特にPET(ポリエチレンテレフタレート)から製造するものとして知られる。
【0004】
例として、欧州特許第2.191.953号明細書は、特に容器製造装置のための熱調整炉について説明する。
【0005】
滅菌した、または無菌の容器を製造するために、前記装置は一般的に、滅菌剤によって前記予備成形品を処理するための浄化装置またはモジュールを含む。
【0006】
容器製造の分野において、用いられる前記滅菌剤は、例えば、過酸化水素(H
2O
2)、ペルオキシ酢酸、または浄化力のある、特に殺菌性の特性が認められる他の生成物である。
【0007】
国際公開第2006/136498号または国際公開第2006/136499号の教示するところによれば、前記浄化装置は、例えば、前記予備成形品に、滅菌される前記予備成形品の少なくとも内壁に凝縮によって滅菌剤の霧の均一な膜状に堆積される、気化した滅菌剤を含む滅菌蒸気流、好ましくは乾性蒸気の噴流をスプレーするものである。
【0008】
それから前記予備成形品は、前記熱調節ユニットの前記炉に導入され、そしてその中の前記加熱手段、例えば赤外線放射灯が熱活性化および凝縮によって予め堆積された前記滅菌剤の蒸発を引き起こす。
【0009】
前記装置がこのような浄化装置を有するとき、特に、後者が気体状態にあるとき、前記装置の周りの環境空気に滅菌剤が拡散することを防ぐことが必要となる。
【0010】
実際、過酸化水素のような滅菌剤の蒸気は、一方で、人間の健康にとって有毒であり、他方で、特に、前記炉または前記変形ユニットにおいて、前記装置に用いられる金属材料を腐食させる。
【0011】
したがって、滅菌剤の蒸気の腐食効果に原因を求めることができる効率低下(degradation)を避けるため、装置内で働くオペレータおよび装置それ自体の保護を確実にすることが重要である。
【0012】
これは、容器製造装置が一般に、全ての製造手段および滅菌剤を含む空気を排出する連結された抽出系の個々の閉じ込めを確実にする保護チャンバを含む理由の一つである。
【0013】
出願人の装置のうち幾つかにおいて、前記抽出系は、前記装置の滅菌チャンバに収容される空気を大気中に排出する、言い換えれば、滅菌剤を含む前記空気を前記装置が配置された工業用の建物における建造物の外に排出する前記浄化装置に連結された少なくとも第1の抽出手段を備える。
【0014】
前記滅菌チャンバに収容される空気は、最も滅菌剤を含み、当該滅菌剤は、特に、上記の凝縮堆積方法に係る前記予備成形品に適用されるときに気体状態でこの空気中に存在する。
【0015】
しかしながら、前記滅菌剤に適用するこのような方法は、都合の良いことに、効果の向上を得ると同時に、用いられる薬剤の量をかなり減少させることを可能にする。
【0016】
前記装置の前記抽出系は、前記炉に結合され、前記装置の前記チャンバの一部によって定められた(delimited)前記炉の前記内容積に収容される空気を大気中に、すなわち前記工業用の建物の外に排出する第2の抽出手段を備えることが好ましい。
【0017】
前記抽出系のこのような第2の手段によって、一方で、カロリー(熱い空気)と、他方で、前記気体状態のこの空気中により小さい割合で存在する滅菌剤と、が、一緒に前記炉の外に排出される。
【0018】
それは、前記炉での加熱による前記滅菌剤の蒸発によって、前記炉から抽出された冷却空気中に滅菌剤が存在すること、例えば、凝縮によって前記浄化装置の前記滅菌チャンバに堆積された滅菌剤の均一な膜が存在することを想起させるだろう。
【0019】
ある装置の前記抽出系において、前記浄化装置に連結された前記第1の抽出手段は吸込みダクトを備え、そのアウトプットは前記炉に連結された前記第2の抽出手段が有する前記排気ダクトに接続されると都合がよい。
【0020】
このため、前記チャンバと前記抽出系の前記第1および第2の手段とによって、前記抽出系は、一方で、前記炉の前記加熱手段によって生じた前記熱および前記換気手段によって導入されて絶えず入れ替えられる冷却空気、他方で、二つの供給源から、詳しくは、ほとんどが前記浄化装置の前記滅菌チャンバから、そして残りは前記炉から、それぞれ来る前記滅菌剤、を、前記排気ダクトを通じて大気中に排出する。
【0021】
最終的に、前記抽出系によって放出された空気中に存在する滅菌剤の濃度は、環境の要求に従う。
【0022】
実施上、前記浄化装置の前記滅菌チャンバにおける滅菌剤の濃度はおおむね高く、滅菌剤の前記濃度は、前記抽出系の前記第2の手段によって非常に高い流量で抽出された前記冷却空気での希釈によって自動的に低減され、その効力によって、最終的に大気中に放出される空気中の滅菌剤の濃度は、許可される限界値を超えない。
【0023】
このようなシステムによって装置から抽出された前記空気の流量は、例えば、炉の型によって、単位時間当たり空気20000〜30000m
3オーダーという値に達し得、そして、浄化装置の流量は単位時間当たり1000m
3より大きくはならないため、希釈現象は、前記炉のかなりの空気消費量に直接的に関係する。
【0024】
そのような装置において、空気は抽出系の排気ダクトを通って整然と大気中に排出され、これは前記熱および前記残りの滅菌剤を排出するようにされる。
【0025】
しかしながら、出願人は、前記冷却装置および前記装置の抽出系に起因する空気の流量の重大さは、前記容器製造の品質における否定的な結果を間接的に有したことをはっきりさせることができた。
【0026】
実施上、大気中に排出される前記空気は、前記工業用の建物を収容する建造物の外から来る空気によって大部分が入れ替えられることにより、前記工業用の建物において自動的に入れ替わる。現在、前記抽出系によって排出されるかなりの量の空気を補うために外から前記工業用の建物に導入されるこの大気中の空気の質は、制御されない。
【0027】
特に、空気の温度、その相対湿度、および望ましくないバクテリアのようなごみの存在は、制御されず、そして全て製造品質に直接的に影響するパラメータである。
【0028】
加えて、そのようなパラメータは、前記装置を収容する前記建造物の地理的位置、また、全く同一の場所であっても、空気の温度のようなこれらの質的なパラメータのいくつかを変えそうな季節によって変動する(全く同一の日であっても)。
【0029】
しかしながら、当業者にとって、特に空気が滅菌剤を含むため、そのような抽出系による空気の排出は必須に見える。
【0030】
さらに、当業者は、前記抽出系が前記炉に設けられた前記加熱から生じるカロリーを同時に排出することを可能にし、このため、前記炉から環境空気への熱の移動を制限するとも考える。
【0031】
前記工業用の建物での環境空気の質を抑えるために、「クリーンルーム」、言い換えると、前記工業用の建物における極度にクリーンな製造工業状態を得るためにごみや微生物を極力除去するように設計された密閉された囲い(enclosure)、にする前記工業用の建物の変形に頼ることができる。
【0032】
しかしながら、そのような変形の間、前記工業用の建物の変形とその後の装置の運転の連結コストが、常に非常に、ひどく高くなり得ることは容易に理解されるだろう。
【0033】
欧州特許第1.941.913号明細書で、前記予備成形品を滅菌するのに用いられる気化された滅菌剤を排出することが、そして仏国特許第2.774.912号明細書で、滅菌剤の蒸気を再利用することが知られる。
【0034】
特開2008−207434号公報でも、浄化の欠如のために空気が滅菌剤を含まないが、炉が配置された領域から抽出された空気を再利用する調整された空気装置が知られる。
【0035】
本発明の目的は、特に上述の、特に空気を新しくすることについての欠点を改善すること、そしてさらに有効な、経済的でさらに環境に優しい装置を提案することである。
【0036】
このために、本発明は、容器製造装置において滅菌剤を含む空気を再利用する方法を提案し、当該方法は少なくとも、連続してなる以下のステップを具備することを特徴とする:
(a)−前記装置のチャンバの内部から滅菌剤を含む空気を抽出し;
(b)−抽出された前記空気の少なくとも一部を処理することで、前記空気中の滅菌剤の最終濃度を所定の閾値以下にするように前記滅菌剤の全てまたは一部を除去し;
(c)−前記空気の少なくとも一部を前記装置が配置された工業用の建物に再び導入することで、抽出されるとともに処理された前記空気を再利用する。
【0037】
抽出された前記空気中の前記滅菌剤の処理によって、上述の理由の為に予めそしてこれまで常に大気中に放出されたこの空気の再利用を進めることができる。
【0038】
このため、本方法によって再利用された空気は、前記建造物の外部から来る大気中の空気よりも好まれて、チャンバおよび抽出系が備えられる前記装置の直接の外部環境(external environment)を作る前記工業用の建物に再導入されそうであると都合がよい。
【0039】
実施上、前記再利用された空気は、好ましいことに、前記工業用の建物に直接再注入され、当該工業用の建物において、この空気が、前記換気手段を有するとともに非常に空気消費量が大きい前記炉の前記冷却装置によって吸われる空気と入れ替わる。
【0040】
その効力によって、例えば前記換気手段の吸引の結果、その後に前記再利用された空気は、前記保護チャンバをもう一度通過することで、再利用可能となり好ましくは再利用されるためにその後この空気が抽出されて処理されるところから、冷却空気として内容積に入る。
【0041】
そのような空気の再利用は、滅菌剤の存在のため、そしてかなりの量のカロリーのためにも、この空気が大気中に排出されなければならないという、当業者の先入観に反する。
【0042】
このために、本発明はまた、すでに説明された種の装置を提案し、当該装置は、前記装置の外部環境を作る工業用の建物に再導入されることによって再利用される滅菌剤の濃度が所定の閾値以下である処理された空気を得るために滅菌剤の全てまたは一部を、抽出系を使って抽出された空気の少なくとも一部から除去する、処理手段を有する空気再利用循環路、を具備することを特徴とする。
【0043】
本発明に係る再利用循環路を有する装置は、滅菌剤の大気への放出を非常に低く低減し、または除去することを可能にするという点で、さらに環境に優しいと都合がよい。
【0044】
本発明に係る方法および再利用循環路によって、前記工業用の建物に存在する、特に、前記炉の前記空気冷却装置によって吸引された環境空気は、特に、浄化の質を有する再利用される空気によって常に入れ替えられる
このため、前記装置に、そして特に前記炉に入れられた空気は、前記装置の前記内容積に入る前にすでに濾過され、前記滅菌剤に接触しているため、非常に高い質の空気であり、特に、より清浄である。
【0045】
さらに、前記再利用された空気は、より調べやすい、好ましくは前記再利用される空気の前記工業用の建物への再導入が進む前に補われる、相対湿度または温度のようなパラメータを有し、特に、冷却手段によって前記再利用される空気の温度を加減することによって温度は調べやすい。
【0046】
前記再利用される空気は、前記炉における循環で自動的に乾燥されることで、例えば枠組(mold)または他の製造部材における、蒸気凝縮(steam condensation)の発生を見る危険もまた低減されると都合がよい。
【0047】
前記大気中の空気が特に高い、または飽和状態の相対湿度を有するある地理的範囲の中でそのような問題に時々遭遇することが想起されるだろう。
【0048】
本発明により、結果として、もはや前記環境空気のパラメータの変動を回避するために、クリーンルームの設置に頼る必要はない。
【0049】
前記装置の他の特徴によれば:
− 前記空気再利用循環路は、前記抽出系の前記排気ダクトに接続されたインプットと、前記装置が配置された前記工業用の建物に直接開口したアウトプットとをそれぞれ有する少なくとも一つの再循環ダクトを有し、前記処理手段は、少なくとも前記再循環ダクトの前記インプットおよび前記アウトプットの間に配置された前記再循環ダクトで循環する前記抽出された空気に存在する前記滅菌剤の全てまたは一部を除去する;
− 前記空気再利用循環路は、前記工業用の建物の外の大気に開放された前記排気ダクトと前記装置が配置された前記工業用の建物に直接開口した前記再循環ダクトとの間で抽出された空気の流れの配分を選択的に制御する制限手段を有する;
− 前記処理手段は、前記再利用循環路の前記再循環ダクトで循環するように、処理される抽出された空気の流れが通過するように配置されるとともに、前記空気に存在する前記滅菌剤の全てまたは一部を他の中性生成物(neutral product)に分解して少なくとも前記閾値に達するために滅菌剤を含む前記空気と触媒反応を引き起こす少なくとも一つの酸化成分を有する少なくとも一つのフィルタからなる;
− 前記再利用循環路は、前記処理手段の下流に配置されるとともに、前記所定の閾値に対する滅菌剤の濃度を調査するために、前記空気に存在する滅菌剤の濃度を分析する調査手段を有する;
− 前記再利用される空気を調査する前記手段は、前記滅菌剤の濃度が前記閾値よりも大きくなったときに選択的に制限手段を作動させ、特に、前記抽出された空気の流れを排気ダクトに向かわせるのに適した制御ユニットによって動かされる;
− 前記再利用循環路は、インプットが、前記工業用の建物への再導入の前に前記調査手段が分析する前記閾値よりも大きい滅菌剤濃度を有する空気を排出するように、前記処理手段の下流且つ前記排気ダクトの前記アウトプットの上流で、前記再循環ダクトに接続される、分岐ダクトを有する;
− 前記再利用循環路は、最適温度の範囲内に前記建物内の空気の前記環境温度を保つために、前記工業用の建物に再導入される前記再利用される空気の温度を所定の設定温度以下にするように、選択的に制御されて前記再循環ダクトで循環する前記空気の温度を制限し得る空気冷却手段を有する;
−− 前記冷却手段は、前記循環する空気の温度を制限するため、少なくとも前記空気再利用循環路の前記再循環ダクトに配置される;
−− 前記空気冷却手段は、伝導によって前記空気を冷却するとともに、前記空気から前記伝熱流体に熱伝導をさせるために、伝熱流体が循環することで、前記伝熱流体と、前記交換機を通過する前記再利用される空気との間で熱伝導を生ずる少なくとも一つの空気−流体型熱交換器を有し、そして熱は特に、前記工業用の建物を暖める、またはお湯を作る目的に用いられ得る;
− 前記抽出系が前記浄化装置に結合された少なくとも第1の抽出手段と、前記炉に結合された第2の抽出手段とを有し、前記処理手段は、前記第1の抽出手段に滅菌剤を含む前記空気が吸引される前記装置の滅菌チャンバと吸込みダクトとの間に配置され、そのインプットは前記第1の手段に接続され、そのアウトプットは前記排気ダクトに接続される;
−− 前記抽出系は、前記第1の抽出手段を構成する前記浄化装置に連結された少なくとも一つの吸込みフード(hood)を有する;
−− 前記抽出系は、前記炉に連結された前記第2の抽出手段を構成するメインフードと呼ばれる少なくとも一つのフードを有し、前記メインフードは、前記排気ダクトの前記インプットに通じるとともに、その頂部を囲んで、少なくとも前記炉を収容する前記内容積の前記領域を外部環境から分離するように、前記熱調節ユニットを囲む前記チャンバの一部分を補う。
【0050】
本発明の他の特徴および利点は、設計および生産の詳細と同じく、理解のために以下の図面を参照するべき下記の詳細な説明を読むことで明らかになるだろう:
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】−
図1は、最新技術を説明する出願人の一つの容器製造装置を部分的に示す概略的な平面図;
【
図2】−
図2は、前記抽出系を部分的に説明する、
図1に係る前記装置の前記熱調節ユニットの前記炉の断面図;
【
図3】−
図3は、
図1に係る装置を示し、本発明の例示的な実施形態に係る結合された前記抽出系および再利用循環路を説明する斜視図;
【
図4】−
図4は、
図3の前記例示的な実施形態に係る前記再利用循環路の概略的な表示である。
【0052】
本説明および特許請求の範囲において、縦方向に関する「前」または「後」、垂直方向に関するとともに地球の重力に係る「頂(top)」および「底(bottom)」、および図に表される三面に係る縦、垂直および横方向(L,V,T)なる用語は、慣例によって、非限定的に選択されるだろう。
【0053】
また、「上流」および「下流」なる表現は、前記装置および/または前記空気再利用循環路における空気の流れの循環の方向について用いられるだろう。
【0054】
図1は、熱可塑性の材料によって形成された予備成形品14から容器12を製造する装置10を概略的に示し、非限定的な方法で出願人の最新技術を構成する装置の例示的な実施形態を示す。
【0055】
図1は、中空体を形成する容器12の製造のための例示的な予備成形品14を示し、前記予備成形品14は熱的に調節され、ボトルやフラスコなどのような前記容器12を得るために変形する。
【0056】
熱的に調整された予備成形品14を変形させる当該作業は、前記容器を形成するように設計された加圧液体の充填による全体的または部分的変形でのブローイングまたは引伸ブローイング(stretching−blowing)によってなされることが好ましい。
【0057】
定義上、本説明における「容器」なる用語は、
図1で詳細が説明される前記ボトルのような、最終的な容器に直接なる予備成形品を変形させる単一のステップを有する製造方法によって得られる最終的な容器と、幾つかの変形ステップを有する方法を実行する場合の容器の中間生成物(intermediate container)との両方を示す。
【0058】
装置10は、建造物(図示されない)の中の、一般的に密閉された工業用の建物16内に配置され、建物は、装置10の周りの決められた外部環境を形成する環境空気の容積Vを有する。
【0059】
装置10は、種々の容器12の製造手段が配置された装置10の内容積20を、装置10が配置された工業用の建物16の前記環境空気によって形成された前記外部環境から分離する、装置の少なくとも一つの保護チャンバ18を有すると都合がよい。
【0060】
装置10は予備成形品14を供給するシステムに連結される。そのような供給システム(図示されない)は例えば、より完全な詳細を参照すべき国際公開第2005/070793号明細書で説明される。
【0061】
前記供給システムは、例えば、予備成形品14がばらで蓄えられるとともに、それらがリフトによって、前記予備成形品14を重力によって装置10のインプットEに配置された取上げ(take−over)手段に運ぶ傾いたレールの間のポジションに、一般的に一列をなして並んで次々と持っていかれる、ホッパ(hopper)を有する。
【0062】
予備成形品14は、決められた位置、例えば、最も高い頸部(neck)が前記レールにその鍔(collar)を介して支持される位置に配置されることが好ましい。
【0063】
国際公開第2005/070793号文書に述べられるような除去手段は、都合がよいことに、間違って配置された予備成形品14を除去するために経路(path)に配置される。
【0064】
装置10は、予備成形品14を、特に、少なくとも一つの滅菌剤の利用によって、浄化する装置22を有する。
【0065】
浄化モジュールとも呼ばれる浄化装置22は、都合の良いことに、複数の応用に係る装置10に選択的に含まれ得るため独立型の装置として設計される。
【0066】
浄化装置22または装置10のモジュールは、好ましくはチャンバ18から分離した、前記容器12を製造する手段を収容する内容積20を定める保護チャンバ18全体の一部によって形成される変形(variant)としての保護チャンバ19を有する。
【0067】
浄化装置22の保護チャンバ19は、滅菌剤によって予備成形品14が処理される滅菌チャンバ21を形成する内容積を定める。
【0068】
予備成形品14を浄化する装置22は、予備成形品の全てまたは一部、特に予備成形品14の頸部の滅菌に適した紫外線放射によって浄化する手段(図示されない)を有することが望ましい。
【0069】
紫外線放射のような浄化手段は、例えば、前記供給システムの前記レールによって規定される予備成形品14の経路に沿って配置される。
【0070】
前記レールの底端部において、予備成形品14は、装置10のインプットEに配置されたローディングホイール(loading wheel)24によって個々に掴まれる。
【0071】
浄化装置22は、装置10のインプットEに、そして主に少なくとも一つの炉26を有する熱調節ユニットの上流に配置されることが好ましい。
【0072】
浄化装置22は、少なくとも予備成形品14の内壁を滅菌するために滅菌剤の霧の均一な膜の凝縮による堆積が生じるように、乾性蒸気の噴流を予備成形品14にスプレーするように設計されることが好ましい。
【0073】
浄化装置22によって利用される前記滅菌剤は、浄化装置22に含まれる加熱蒸発手段(図示されない)によって蒸発させられる過酸化水素(H
2O
2)、例えば、水および過酸化水素の混合物を有すると都合がよい。
【0074】
浄化装置22は、例えば、予備成形品14が頸部によって定められた開口を通って予備成形品14に入り込む乾性滅菌剤の霧の噴出を加えるノズルの下の最も高い頸部を回転させることによって予備成形品14を支持する手段が設けられた滅菌ホイール28を有する。
【0075】
そのような浄化装置22は、例えば、前記装置のさらに詳細な説明について参照すべき仏国特許発明第2.899.219号明細書にて説明される。
【0076】
そして、予備成形品14は、移動ホイール33によって、浄化装置22の滅菌ホイール28から炉26へ移動させられる。
【0077】
炉26によって形成される装置10の前記熱調節ユニットは主に、予備成形品14の熱調節を続けるために連結された加熱手段30および換気手段32を有する。
【0078】
好ましくは、炉26は、加熱手段30に連結され、濾過手段36および前記換気手段32をそれぞれ有する冷却装置34を有する。
【0079】
炉26のインプットにおいて、予備成形品14はホイール33から、炉26のアウトプットで終わる決められた経路、例えばここでは、安定部と呼ばれる曲線状横断部によって互いに接続される往方向および復方向の二つの平行な長手加熱部を有するU字型の経路に沿ってそれらを運ぶ、予備成形品14のためのエンドレスチェーン支持手段のような運搬装置(図示されない)に移動させられる。
【0080】
前記運搬装置の前記支持手段は、それぞれの予備成形品14の胴部(body)における熱の適切な分布のために、それぞれの予備成形品14を回転させることが好ましい。
【0081】
欧州特許第1.699.613号明細書は、予備成形品の熱調節のための加熱手段と換気手段とを備える例示的な炉について説明する。
【0082】
当該炉は、国際公開第2008/049876号に開示されたような曲線状の安定部に配置された紫外線放射による安定のための手段を有すると都合がよい。
【0083】
炉26によるそれらの熱調節の後、予備成形品14は少なくとも一つの移動ホイール35によって炉26のアウトプットから予備成形品14を容器12に変形させるためのユニット38に運ばれる。
【0084】
変形ユニット38は、ここでは、ブローイングマシン(blowing machine)(または送風機(blower))からなると都合がよい。
【0085】
図1に示される例において、ブローイングマシンは回転型であって、円周状に配置され、主にブローイングまたは引伸ブローイングのためのモールド手段42および連結手段(図示されない)がそれぞれ設けられる、複数の位置が設けられたカルーセル(carousel)40を有する。
【0086】
得られる容器12はその後に、例えば、移動ホイール44,46によって、充填ユニット48に運ばれることが好ましい。
【0087】
充填ユニット48は、少なくとも一つの充填マシン50と、好ましくは閉塞マシン(plugging machine)52とを有し、前記マシン50,52(詳細は図示されない)は、容器12の充填、その後に、例えば前記頸部を補うスクリュー栓によって、充填された容器12の封止を連続して進めるのに適することが好ましい。
【0088】
充填ユニット48は、充填され封止され、そしてラベルを張られた容器12が最終的に得られる位置までに全ての製造プロセスが実行される小型の装置10を得るために、変形ユニット38と並べられることが好ましい。
【0089】
容器12は、例えば、移動ホイール51によってアウトプットSに送られ、その後に包装され、特に、一群として、包装されパレットに乗せられ、そしてそれらが取引の為に輸送されるだろう。
【0090】
図1に示すように、装置10の保護チャンバ18は、説明された、そして、収容され、浄化装置22の滅菌チャンバ21が保護チャンバ19によって分離されるように外部環境の環境空気から分離された全ての製造手段26,38,48が配置された一般的な内容積20を定める。
【0091】
チャンバ18,19は、
図1において太線で示され、例えば、適切な位置にあるパネルによって形成された垂直な複数の壁と、天井を形成する少なくとも一つの水平な壁との集合体からなる。
【0092】
以下に、運転と、工業用の建物16に収容された環境空気とそこに配置された装置10との間で生じる空気の循環とについて説明する。
【0093】
装置10において、炉26における空気の循環は、工業用の建物16に吸い込まれる環境空気を浄化する装置またはモジュール22の換気手段32による吸引を伴って始まる。
【0094】
当該空気は、炉26に導入されるときに冷却装置34の濾過手段36によって濾過されることが好ましい。
【0095】
対応する空気の流れは、少なくとも予備成形品14の一部の冷却のための空気用の吸気口周辺において、
図2の矢印「A」で示される。
【0096】
炉26の内部において、濾過された空気は、冷却のために特に空気が予備成形品14の胴部、好ましくは予備成形品の頸部およびそれらの支持手段に接触する、予備成形品14の加熱のための領域に運ばれる。
【0097】
装置10は、浄化装置22に連結された少なくとも第1の抽出手段74(
図3)と、炉26に連結された第2の抽出手段70と、を好ましくは有する空気抽出系54を有する。
【0098】
第2の抽出手段70が炉26から冷却に用いられる滅菌剤を含む空気を吸い込むのに対し、第1の抽出手段74は、浄化装置22の滅菌チャンバ21に収容された滅菌剤を含む空気を抽出する。
【0099】
抽出系54は、前述したように、少なくとも一つの排気ダクト56を介してそれを工業用の建物16の外の大気中に退避させるため、内容積から滅菌剤を含む空気を抽出するのに適する。
【0100】
そのような空気抽出系54によって、一方の、炉26によって発生した熱と、他方の、浄化装置22を有する装置10の場合、装置の滅菌チャンバ21から、そして炉26でなされる加熱による蒸発から得られた、空気中に存在する、ここでは気体状の、滅菌剤とが、空気とともに排出させられる。
【0101】
空気注入(air insufflation)システムが、ここではブローイングマシンを有する変形ユニット38に連結され、前記系は、天井を形成するチャンバ18の頂部に組み込まれると都合がよい。
【0102】
この注入システムは、チャンバ18の一部によって外部環境から分離された内容積20の連結された部分に空気を吹き込み、効果的に、特に空中の浮遊粒子による、外部からの汚染リスクを軽減する超過気圧をそこに確立し得る。
【0103】
当該注入システムは、そのため、所定の容積の環境空気を、工業用の建物16から吸引する。
【0104】
同様の注入システムは、チャンバ18によって定められた内容積20の内部に超過気圧を確立するために充填ユニット48を装備し、当該注入システムは、それが配置された工業用の建物16から環境空気を吸い込む。
【0105】
非限定的な例によれば、変形ユニット38の注入システムによって吸い込まれる空気消費量または空気流量は、単位時間当たり8000m
3オーダーであるのに対し、充填ユニット48の注入システムのそれは、単位時間当たり10000m
3オーダーである。
【0106】
チャンバ内のマシン38によって占領された領域に局部的に超過気圧を確立するそのような濾過された空気の注入システムの製造および利点のより完全な詳細については、仏国特許発明第2.915.127号明細書が参照されると都合がよい。
【0107】
例えば、炉の型、特に加熱モジュールの数によっては、単位時間当たり20000〜30000m
3オーダーの容積が達成されるため、炉26に連結された空気冷却装置34によって消費される空気はさらに大きい。
【0108】
モジュール設計の炉26では、加熱モジュールあたりの空気消費量は、単位時間当たり1300m
3オーダーであり、当該炉は、例えば、多数の(twenty)モジュールを有しても良い。
【0109】
ところで、冷却装置34によって工業用の建物16から吸い込まれた環境空気の量と、その後の大気中への排出とは、抽出系54の排気ダクト56によって排出させられた空気を補うために、工業用の建物16への大気中の空気の大規模な吸入を誘発する。
【0110】
さらに、大気中の空気によって環境空気を新しくすることは、後に変形および良質な容器12を得るときにこのステップが生命維持に重要であるため、製造方法、特に、熱調節に直接的に影響する空気の質的なパラメータ(温度、湿度、清浄度)の重大な変化を導く。
【0111】
上記の全てにおいて、大気中の空気の清浄度の欠如(塵、微生物等)は、製造される容器12の汚染率(滅菌の度合い)についての劣化を導く。
【0112】
加えてこれは、冷却装置34の濾過手段36の早期の目詰まりを招く。
【0113】
その結果の一つは、濾過手段の寿命の減少であり、そして完全な製造の停止が求められるメンテナンス作業の頻度の増加であり、それをしないと、製造される容器12の清浄度に直接的に影響し、急速に品質が低下する。
【0114】
そのため、容器製造装置10の運転コストに、清浄度を含む製造される容器12の品質と同様に、マイナス効果が及ぼされる。
【0115】
図2に示すように、空気抽出系54は、内容積20から抽出される空気がそこを通って排出され得る少なくとも一つの排気ダクト56を有し、前記排気ダクト56のアウトプットは、大気中、つまり工業用の建物の外に開口する。
【0116】
図2は、炉26の断面図を示し、特に、加熱手段30による熱調節中に予備成形品14を冷却するために炉26に吸引された空気の循環を矢印で説明する。
【0117】
図1〜3に非限定的な方法で示される例示的な実施形態において、炉26は全体として後から前へ、炉26のインプットおよびアウトプットに連結された予備成形品14の移動ホイール33,35が配置される第1の開口後端部から、チャンバ18の壁の一つによって封止される前記安定部に隣接する第2の前端部と同じくらい遠く、縦方向に延びるトンネル形状を有する。
【0118】
しかしながら、製造内容積20の汚染リスク、特に空中の浮遊粒子が効果的に減少させられることで、都合の良いことに変形ユニット38のブローイングマシンに連結されるとともにチャンバ18によって工業用の建物16の環境空気から分離された内容積20に収容された空気注入システムのために、炉26は超過気圧にされた領域に開口する。
【0119】
図2に見られるように、炉26を、炉26を通って上流から下流に、特に、ここでは、垂直に底から頂へ流れる、予備成形品14を冷却するための空気の流れAが通過する。
【0120】
炉26における冷却空気の経路は、空気の流れAの流方向において連続して、上流領域とも呼ばれる空気吸込領域58a、予備成形品14を加熱するための領域58b、および下流領域とも呼ばれる空気抽出領域58cを有する。
【0121】
抽出系54は、冷却に用いられる空気を抽出領域58cから抽出するように、少なくとも炉26の上に配置されると都合がよい。
【0122】
空気の流れAは、垂直に重ねられた領域58a,58b,58cを通り連続して、つまり、対流(convection)の原理を利用するために最も冷たい領域から最も熱い領域への温度勾配に沿って生じる。
【0123】
空気吸込領域58aは、プレナム(plenum)と呼ばれる、ここではチャンバ18に配置された換気グリル62を通って冷却空気の流れAが入り込む平行六面体の箱状の囲みである、少なくとも一つの空気分配チャンバ60を有することが好ましい。
【0124】
外部環境を形成する工業用の建物16の環境空気は、炉26の外部から炉26の内部に流れることで、予備成形品16を冷却する。
【0125】
プレナム60は、好ましくは炉26から外に向かって断面積が増えるじょうご型の、好ましくは濾過手段36を含む、第1の空気吸込口64を装備した第1の大きい縦垂直面を有する。
【0126】
濾過手段36は、吸込口64の上流の開口部に近接して配置された前置フィルタ66と、吸込口64の下流の開口部に近接して配置されたフィルタ68と、を有し、前置フィルタ66の通路の断面は、フィルタ68の通路の断面よりも大きいことが好ましい。
【0127】
前置フィルタ66が、決められた直径の、例えば、10ミクロンよりも大きい、いわゆる粗い粒子に適した重量フィルタ(gravimetric filter)であるのに対し、フィルタ68は、決められた直径の、例えば1ミクロンよりも大きいいわゆる微粒子に適したフィルタであることが好ましい。
【0128】
好ましくは、冷却装置34の濾過手段36は、「HEPA」型と同等の「ULPA」型のフィルタのような、いわゆる「絶対(absolute)」フィルタからなる。
【0129】
「ULPA」フィルタは、「超低浸透空気(Ultra Low Penetration Air)」フィルタを、「HEPA」フィルタは、「高効率粒子空気(High Efficiency Particulate Air)」フィルタを想起させるだろう。
【0130】
濾過手段66,68によって、吸引されてチャンバ18の内容積20に導入された空気は、高い清浄度を有する濾過された空気にされるが、前記清浄度は、使用されるフィルタの種類によって決定される。
【0131】
空気は、例えば、複数のスコップ(scoop)が設けられた一つ以上の遠心ホイール(centrifuge wheel)によって形成された換気手段32によってなされる減圧によってプレナム60から吸い込まれ、その後加熱経路に沿って炉26で循環する予備成形品14に向かって横に吹く。
【0132】
空気の通路が予備成形品14の胴部を冷却する間、換気手段32によって吹く空気は、例えば、横に配置されて加熱手段30に面し、加熱の効率を上げるために赤外線を反射する、孔が空けられた複数の反射部(reflector)(図示されない)を通って、好ましくは、垂直にされたスロットを通って吹く。
【0133】
このため、換気手段32は、予備成形品14を冷却するために、特に、予備成形品14の胴部の外面の損害(結晶化)を避け、胴部の壁部の外面と内面との間が適切な勾配となるよう、予備成形品14の胴部の均一な加熱をするために、加熱手段30の近傍において永続的にかき混ぜられる連続的な空気の動きを誘発する。
【0134】
さらに、換気手段32は、予備成形品14の近傍において、加熱領域58bで超過気圧を生じさせ、濾過された空気以外の他の空気が予備成形品14に接触することを防ぐ。
【0135】
好都合なことに、ホイールのような換気手段32は、モータ(図示されない)によって回動させられる。
【0136】
加熱領域58bは、熱による変形を避けるために空気の流れAの一部によって冷却される予備成形品14の頸部を熱的に保護するための一般的な手段(図示されない)を有すると都合がよい。
【0137】
抽出系54の第2の抽出手段を形成するフード70は、抽出領域58cおよび加熱領域58bの直上にあり、前記フード70は、抽出系54の排気ダクト56に接続されると都合がよい。
【0138】
フード70は、一方で、滅菌剤を含む空気の外部への拡散、他方で、空気中の汚染粒子による炉26内部の汚染を避け、炉26の外部環境から分離するように、炉26を囲むチャンバ18の壁を補う。
【0139】
フード70は、矩形状の底基部を有するとともに、抽出領域58cおよび加熱領域58bの外に向かってじょうご型に広がることで、通路の断面が上に向かって小さくなることが好ましい。
【0140】
抽出系54の排気ダクト56は、排気ダクト56の上流で低圧を生じさせるのに適した、少なくとも一つの連結された抽出手段72、例えばファンを有する。
【0141】
空気の流れAは、予備成形品14の冷却を確実にするために、まず示される矢印の方向において、チャンバ18の外から内容積20の一部を形成する炉26の内部に連続して流れ、その後、滅菌剤を含む熱い空気は、装置10が配置された工業用の建物16の外の大気中に接続されたアウトプットを有するフード70および抽出系54の排気ダクト56によって、炉26から抽出される。
【0142】
抽出系54は、浄化装置22に連結されたフード74によって形成された第1の抽出手段を有すると都合がよい。
【0143】
そして
図1に説明されるように、予備成形品14を浄化する装置22は、炉26のインプットの上流に配置されることが好ましい。
【0144】
他方、予備成形品14を浄化する装置22は、特に炉26とブローイングマシン38との間では、炉26のアウトプットの下流に配置される。
【0145】
そのような変形において、滅菌剤が凝縮による堆積はせずに直接蒸発するように、ブローイングマシン28における変形に適した滅菌剤は、熱い予備成形品14にスプレーされる。
【0146】
フード74は、前記浄化装置22を工業用の建物16によって形成された外部環境から分離するチャンバ19の一部を補う。
【0147】
第2のフード74は、吸込みダクト76のインプット76Eに接続され、そのアウトプット76Sは、炉26に連結されたフード70に接続された排気ダクト56につながると都合がよい。
【0148】
フード74によって、第1の空気抽出は、浄化装置22の可能な限り近く、つまり、滅菌剤の濃度が最も高い位置で生じる。
【0149】
その後、内容積20、特に、炉26を通じて拡散する空気中の滅菌剤の濃度が減少すると都合がよい。
【0150】
実施においては、使用される過酸化水素のようないくつかの滅菌剤は、装置10の構造、特に、炉26に利用される金属材料を腐食させる。
【0151】
フード70によって抽出された空気の流れAに存在する滅菌剤は、そのため、浄化装置22による堆積した滅菌剤の蒸発から、好ましくは、予備成形品14の少なくとも内壁での均一な膜状の霧の凝縮によって堆積させるための滅菌剤の乾性蒸気のスプレーによって生じる。
【0152】
フード74は、浄化装置22の滅菌チャンバ21の直上に配置され、装置10のこの部分を封止するようにチャンバ19の壁を補う寸法を有することが好ましい。
【0153】
フード74は、それ固有のもので、例えば、単位時間あたり600m
3オーダーの流量の空気を吸込む能力がある、ファンのような抽出手段(図示されない)を有すると都合がよい。
【0154】
吸込みダクト76は、その後、排気ダクト56において空気の流れAとフード74に接続された吸込みダクト76から生じる空気の流れBとに対応する滅菌剤を含む熱い空気の流れを排出させる抽出手段72の下流で、排気ダクト56に接続されることが好ましい。
【0155】
図示されない変形において、フード74または吸込みダクト76は抽出手段を有さず、フード70の抽出手段72および排気ダクト56の上流に吸込みダクト76を接続することによって低圧が得られる。
【0156】
好ましくは、フード70に連結された抽出手段72は、内容積20、特に炉26との関連において寸法を合わせられて作られる。
【0157】
フード70に連結された抽出手段72は、例えば、単位時間当たり20000〜30000m
3オーダーの流量の空気を抽出する能力があると都合がよい。
【0158】
浄化装置22に連結された吸込みダクト76が抽出ダクト56に接続されることは、最も滅菌剤の濃度が高い空気の流れBを、炉26から抽出された、滅菌剤の濃度がより低く、流量がかなり大きい空気の流れAにて薄めることを可能にすると都合がよい。
【0159】
流れA、Bに対応する気体状の滅菌剤を含む熱い空気は、このため、抽出系54によって、アウトプットが工業用の建物16の外に開口する排気ダクト56を通って大気中に排出される。
【0160】
前述したように、そのような装置10の抽出系54によって大気中に放出される空気の流れは、工業用の建物16において、一般的に外部から生じる質が制御されない空気により自然にかつ自動的に交換される。
【0161】
このため、温度、塵もしくは粒子の存在、または相対湿度のようなパラメータは、工業用の建物16を有する製造する建物が配置される地理的な位置に、主に依存する。
【0162】
したがって、工業用の建物16の外の大気温度とは無関係に、工業用の建物16内の空気の温度を、例えば20〜25℃の範囲に保つことによって空気を除湿または再冷却する追加的な器具が、時には必要となるかもしれない。
【0163】
当業者の技術的な先入観によれば、空気中に滅菌剤、人間に対する害が知られる薬品が存在するため、抽出系54によって抽出された空気は、工業用の建物16には再導入されないだろう。
【0164】
さらに、炉26を通る循環の間に空気に伝導される熱は、工業用の建物16内の空気の温度のかなりの増加を導くだろう。
【0165】
このため、全ての要因が当業者に、そのような装置10における現行の抽出系54の変更をしないように説く。
【0166】
しかしながら、出願人のそのような抽出で生じる空気を新しくすることに存在する問題の認定(identification)は、特に、技術的な先入観の存在にもかかわらず、問題点の総合的な再検討に導かれた。
【0167】
発明の教示に従えば、抽出系54によって抽出された空気の少なくとも一部は、当該空気中に存在する滅菌剤の処理の後に再利用される。
【0168】
本発明は容器製造装置10において滅菌剤を含む空気を再利用する方法を提案し、前記方法は少なくとも:
(a) − 装置10のチャンバ18の内部から滅菌剤を含む、特に気体状態の空気を抽出する;
(b) − 空気中における滅菌剤の最終的な濃度のため、前記滅菌剤の全てまたは一部を除去する処理手段によって前記抽出された空気の少なくとも一部を処理することで、決められた閾値以下にする;
(c) − 前記装置10が配置された工業用の建物16への前記空気の少なくとも一部の再導入によって、抽出されるとともに処理された空気を再利用する、という連続してなるステップを有することを特徴とする。
【0169】
前記再利用された空気は、建築物の外の大気中から生じた空気より良い品質を有し、特に、炉26におけるその少なくとも一部の循環のため、当該空気の相対湿度は低いと都合がよい。
【0170】
炉26の冷却装置34の前置フィルタおよびフィルタ66,68のような濾過手段36を利用した濾過のため、前記空気はさらに著しく清浄であると都合がよい。
【0171】
熱は、工業用の建物16以外の建築物の一部を暖めるためのような、他の目的に用いられるために、伝熱流体に伝導できると都合がよい。
【0172】
本発明に係る方法の具体化は、さらに経済的かつさらにエコロジーな装置10の製造を可能にすると都合がよい。
【0173】
空気の再利用によって、前置フィルタおよびフィルタ66,68のような濾過手段36の目詰まりが、特に制限される。
【0174】
大気中への滅菌剤の放出が制限されると都合がよい。
【0175】
以下は、前述の空気の再利用方法を実行する装置10のような、本発明の好ましい例示的な実施形態の非限定的な記載である。
【0176】
装置10は、抽出系54に連結され、抽出系54によって抽出された空気の少なくとも一部を処理するための手段80を有する空気再利用循環路78を有すると都合がよい。
【0177】
処理手段80は、所定の閾値以下の滅菌剤の濃度を有する再利用される空気を得るために、前記空気から、滅菌剤の全てまたは一部を除去することに適していると都合がよい。
【0178】
当該滅菌剤の処理によって、前記抽出されるとともに処理される空気は、装置10が配置された工業用の建物16に再導入されることによって再利用され得る。
【0179】
そして
図3,4に示されるように、空気再利用循環路78は、少なくとも一つの再循環ダクト82を有することが好ましい。
【0180】
抽出された空気の再循環のためのダクト82は、抽出系54の排気ダクト56につながるインプット84と、好ましくは前記装置10が配置された工業用の建物16によって形成される外部環境に直接開口するアウトプット86とをそれぞれ有する。
【0181】
前記再循環ダクト82を循環する抽出された空気中に存在する滅菌剤の全てまたは一部を除去するための処理手段80は、空気が通過するように、インプット84とアウトプット86との間において、前記ダクト82に配置されると都合がよい。
【0182】
大気中に開口する排気ダクト56は、除去されないことが望ましい。
【0183】
変形としては、排気ダクト56は、除去され、そして全ての抽出された空気が処理され建物16に再導入されるようにフード70に直接接続される再循環ダクト82となる。
【0184】
制限手段88は、再利用循環路78の再循環ダクト82との接続部の下流において、少なくとも排気ダクト56に配置されると都合がよい。
【0185】
そのような制限手段88によって、抽出された空気の流れの、ここでは、工業用の建物16の外の大気中に開口する排気ダクト56と、装置10が配置され、保護チャンバ18の周りの外部環境を形成する工業用の建物16に直接開口する再循環ダクト82と、の間での分配を選択的に制御することが可能となる。
【0186】
好ましくは、制限手段88は、排気ダクト56の閉塞、または再循環ダクト82の閉塞の少なくとも二つの極端な閉塞(closure)位置の間で動くように実装されたフラップからなる。
【0187】
制限手段88は、抽出された空気の全てまたは一部を再利用するため、抽出された空気の流れの分配をダクト56,82の間で選択的に制御するように囲いの二つの極端な位置の間の中間位置を占領できると都合がよい。
【0188】
再循環路78は、抽出された空気の流れの制限手段88の位置を選択的に動かすのに適した制御ユニット90を有すると都合がよい。
【0189】
変形としては、制限手段88は、それぞれのダクトにおける、空気の循環、または流量を制御するため、排気ダクト56または再循環ダクト82のような一つ以上のダクトに配置された一つ以上の弁からなる。
【0190】
弁のような制限手段88は、それらの開閉を選択的に制御するために、制御ユニット90によって動かされ得ることが好ましい。
【0191】
再利用循環路78の処理手段80は、抽出された空気に存在する滅菌剤の全てまたは一部が他の中性生成物に分解する間の触媒反応を誘発するのに適した少なくとも一つの酸化成分を有すると都合がよい。
【0192】
当該酸化成分は、白金、銀、または触媒を製造するための他の適切な金属を有する混合物からなることが好ましい。
【0193】
用いられる滅菌剤が過酸化水素である時、後者はその後水および酸素分子、すなわち、有害でも有毒でもない生成物に分解すると都合がよい。
【0194】
処理手段80は、
図3に切り欠いて示される、抽出された空気に存在する滅菌剤と反応する少なくとも前記酸化成分を有する少なくとも一つのフィルタ92からなることが好ましい。
【0195】
処理手段80は、前記酸化成分を有する能動基板(active substrate)が設けられた少なくとも一つの処理フィルタ92を有する。
【0196】
図3および4に示されるように、処理手段80は、処理されて再利用循環路78の再循環ダクト82を循環し、空気の流れA,Bの総体の全てまたは一部を作る抽出された空気の流れが通過するように配置される。
【0197】
再利用循環路78は、処理手段80の下流に配置され、空気中に存在する滅菌剤の濃度を調査することで前記濃度が決められた閾値を下回っているかを調査するのに適した調査手段94を有すると都合がよい。
【0198】
再利用される空気の調査のための手段94は、滅菌剤の濃度が前記閾値を超えたときに抽出された空気の流れを、好ましくは排気ダクト56にそらすことを特に可能にするために、制限手段88を選択的に作動させるのに適した制御ユニット90につながると都合がよい。
【0199】
図示されない変形によれば、再利用循環路78は、アウトプットと処理手段80との間の再循環ダクト82の少なくとも一端と、例えば、排気ダクト56に接続されたその他端とに接続される分岐ダクトを有する。
【0200】
制限手段は好ましいことに、分岐および再循環ダクトの接続部に配置され、前記制限手段は、例えば、制御ユニット90によって、空気調査手段94が閾値以上の濃度を測定したときに空気の流れを前記分岐ダクトにそらすために動かされる。
【0201】
前記分岐ダクトの他端は、非適合な空気を工業用の建物16の外の大気中にそらすため、排気ダクト56に接続されることが望ましい。
【0202】
変形としては、分岐ダクトの他端は、環を形成し、滅菌剤処理手段80に空気をもう一度通するため、処理手段80の上流に接続される。
【0203】
分岐ダクトのアウトプットのダクト82または56への接続とは無関係に、追加的な処理手段が、滅菌剤の少なくとも一部を除去し、空気中のその濃度を減少させるために、前記分岐ダクトに配置されると都合がよい。
【0204】
再利用循環路78は、
図4に概略的に示される再利用される空気を冷却するための手段96を有すると都合がよい。
【0205】
再利用される空気の冷却のための手段96は、工業用の建物16に再導入される前記再利用される空気の温度が決められた目標温度以下となるように、再循環ダクト82において循環する空気の温度を制限するように選択的に制御され得ることが望ましい。
【0206】
空気の流れAの、炉26から生ずる抽出される空気内の熱の入力によって、前記建物16における空気の環境温度は与えられる温度の最適な範囲に保たれ、そして温度上昇が制限されると都合がよい。
【0207】
図4に示される例示的な実施形態によれば、冷却手段96は、空気再利用循環路78の再循環ダクト82に配置され、滅菌剤処理手段80に並べられる。
【0208】
空気冷却手段96は、含まれる熱を抽出された熱い空気から伝熱流体に移動させるように、前記伝熱流体と抽出された空気との間で熱伝導を生じるために循環させられる水および添加剤のような伝熱流体を有する空気−流体型の熱交換器として製造されると都合がよい。
【0209】
熱交換器によって形成された冷却手段96は、インプット98と、前記伝熱流体が循環する循環路につながるアウトプット100とを有し、前記流体に移動する熱は、例えば、特に工業用の建物の暖めまたはお湯の製造に用いられることができると都合がよい。
【0210】
少なくとも一つの滅菌剤の利用による予備成形品14の浄化を確保する熱可塑性の材料から形成された予備成形品14から容器12を製造するための装置10の浄化装置22は、滅菌剤のより低い濃度をアウトプットで得るために、滅菌チャンバ21から抽出される空気から、滅菌剤の全てまたは一部を除去することに適した前記処理手段80
と同機能の更なる処理手段を更に有すると都合がよい。