特許第5694537号(P5694537)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5694537眼科的診断および介入手技のための患者インターフェース
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5694537
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】眼科的診断および介入手技のための患者インターフェース
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/009 20060101AFI20150312BHJP
   A61F 9/008 20060101ALI20150312BHJP
【FI】
   A61F9/009
   A61F9/008 152
【請求項の数】16
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-527363(P2013-527363)
(86)(22)【出願日】2011年9月2日
(65)【公表番号】特表2013-536741(P2013-536741A)
(43)【公表日】2013年9月26日
(86)【国際出願番号】US2011050448
(87)【国際公開番号】WO2012031277
(87)【国際公開日】20120308
【審査請求日】2013年4月12日
(31)【優先権主張番号】61/402,733
(32)【優先日】2010年9月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506237436
【氏名又は名称】オプティメディカ・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】OPTIMEDICA CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】グッディング, フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】アンジェレイ, デイビッド
【審査官】 寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−520795(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/163507(WO,A2)
【文献】 国際公開第2011/011400(WO,A1)
【文献】 特開平03−218724(JP,A)
【文献】 米国特許第5533998(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/009
A61F 9/008
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼科的介入システムを患者の眼に相互連結するためのシステムであって、
a.内部容積を画定し、近位端および遠位端を有する中空リザーバ筐体であって、前記遠位端は、前記患者の眼に取り外し可能かつ密閉可能に連結されるように構成されている眼インターフェース表面を備え、前記近位端は、前記内部容積内外に液体またはガスを輸送するために、前記内部容積への自由なアクセスを可能にする態様で、前記介入システムと機械的にインターフェース接合されるように構成されている、中空リザーバ筐体と、
b.前記中空リザーバ筐体に固定して連結され、前記内部容積の一部を占有している光学要素と、を備え、
前記リザーバ筐体の内部容積が、重力負荷を含む1つ以上の負荷を介して、前記光学要素と前記眼との間に位置付けられている液体層を収容するよう構成され、前記リザーバ筐体に設けられた開放構成のアクセス部を介して液体が前記液体層注入および除去される、システム。
【請求項2】
前記中空リザーバ筐体は、取り外し可能に互に連結可能な2つの部品を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記2つの部品は、真空連結インターフェース、締まり嵌めインターフェース、電磁連結インターフェース、手動で作動される機械的インターフェース、および電気機械的に作動される機械的インターフェースから成る群から選択される構成を使用して、取り外し可能に互に連結されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記光学要素は、近位表面および遠位表面を有するレンズを備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記レンズの遠位表面は、凸状表面である、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記眼インターフェース表面は、柔軟な円周密閉部材を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記密閉部材は、2つの円周層を備え、真空空間が前記2つの層間に介在する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
真空負荷を前記真空空間内に印加するように構成されている真空負荷デバイスをさらに備えている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記円周層のうちの少なくとも1つは、先細断面を有する、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記円周層のうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的に球状である形状を備えている、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記内部容積、約2立方センチメートルの液体層を収容するよう構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記内部容積は、水、生理食塩水、油、粘弾性ゲル、およびペルフルオロカーボン液体から選択される材料を備える液体層を収容するよう構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記真空負荷デバイスは、約200mmHgから約600mmHgの真空負荷を印加するように構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記中空リザーバ筐体は、近位部品および遠位部品を備え、前記光学要素は、前記遠位部品に固定して連結されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項15】
前記中空リザーバ筐体は、近位部品および遠位部品を備え、前記光学要素は、前記近位部品に固定して連結されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項16】
前記内部容積は、a)前記光学要素と直接接触している、および、b)外部雰囲気へ開放されている、の少なくとも一方である液体層を収容するよう構成されている、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼科的手術手技およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
白内障摘出は、世界で最も一般に行われている手術手技の1つであり、米国では、年間約400万例、世界では、1,500万例が行われている。この市場は、埋込のための眼内レンズ、手術操作を促進するための粘弾性ポリマー、水晶体超音波乳化吸引術用先端を含む使い捨て器具類、管類、ならびに、種々のナイフおよび鉗子を含む種々のセグメントから成る。現代の白内障手術は、典型的には、「水晶体超音波乳化吸引術」と称される、技法を使用して行われ、そこでは、冷却目的のための関連付けられた水流を伴う超音波先端は、「前嚢切開術」またはより最近では「切嚢術」と称される前水晶体嚢の開口部の生成後、水晶体の比較的に硬質の核の形を整えるために使用される。これらのステップ、ならびに断片化を伴わない吸引法による残留するより軟質の水晶体皮質の除去後、合成折畳式眼内レンズ、すなわち、「IOL」が小切開を通して、眼内に挿入され得る。
【0003】
この手技における最先かつ最も重要なステップの1つは、切嚢術の構築、すなわち、その施行である。「缶オープナー式嚢切開術」と称される、先行技法から進化したこのステップにおいて、鋭利な針を使用して前水晶体嚢を円形に穿孔した後、典型的には、直径5−8mmの範囲の水晶体嚢の円形断片の除去が続く。これは、水晶体超音波乳化吸引術によって、核の形を整える次のステップを促進する。缶オープナー式技法の変形例と関連付けられた種々の合併症のため、乳化ステップに先行する前水晶体嚢の除去のためのより優れた技法を開発するための試みがその分野における第一人者によって行われていた。切嚢術の概念は、平滑な連続円形開口部を提供することであり、平滑な連続円形開口部を通して、核の水晶体超音波乳化吸引術を安全かつ容易に行うことができるだけではなく、また、眼内レンズの容易な挿入も行える。それは、挿入のためのクリアな中心アクセス、患者による網膜への像の透過のための恒久的開口と、転位の潜在性を制限するであろう残りの嚢の内側のIOLの支持とを提供する。
【0004】
レーザを採用し、精密な切嚢術幾何学形状と、種々のタイプの組織構造弛緩切開等の他の所望の切開との生成を支援するもの等、より現代の技法については、例えば、特許文献1〜特許文献5、米国出願公開第2008/028303号、および米国特許出願第61/289,837号、第61/293,357号、第61/297,624号、および第61/302,437号に開示されている。これらの技術の各々は、概して、患者インターフェース、すなわち、患者の眼とレーザおよび関連付けられた撮像システムとを結合し、診断および撮像技術と関連患者組織構造との間の相互作用を最適化する構造を要求する。白内障患者の治療の標準を進歩させるために、患者インターフェース選択肢のさらなる最適化の必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0195076号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2010/0191226号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2008/0281413号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2009/0012507号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2010/0137850号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態は、眼科的介入システムを患者の眼に相互連結するためのシステムであって、a.内部容積を画定し、近位端および遠位端を有する中空リザーバ筐体であって、遠位端が取り外し可能かつ密閉可能に、患者の眼に連結されるように構成されている眼インターフェース表面を備え、近位端が内部容積内外に液体またはガスを輸送するために、内部容積への自由なアクセスを可能にするように、介入システムと機械的にインターフェース接合されるように構成されている、中空リザーバ筐体と、b.中空リザーバ筐体に固定して連結され、内部容積の一部を占有している光学要素と、c.リザーバ筐体の内部容積内に形成され、重力負荷を含む1つ以上の負荷を介して、光学要素と眼との間に位置付けられている液体層とを備えているシステムを対象とする。中空リザーバ筐体は、取り外し可能に互に連結され得る2つの部品を備え得る。2つの部品は、真空連結インターフェース、締まり嵌めインターフェース、電磁連結インターフェース、手動で作動される機械的インターフェース、および電気機械的に作動される機械的インターフェースから成る群から選択される構成を使用して、取り外し可能に、互に連結され得る。光学要素は、近位表面および遠位表面を有するレンズを備え得る。レンズの遠位表面は、凸状表面であり得る。眼インターフェース表面は、柔軟な円周密閉部材を備え得る。密閉部材は、2つの円周層を備え、真空空間が、2つの層間に介在し得る。システムはさらに、真空負荷を真空空間内に印加するように構成されている、真空負荷デバイスを備え得る。円周層のうちの少なくとも1つは、先細断面を有し得る。円周層のうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的に球状である形状を備え得る。液体層は、容積約2立方センチメートルを備え得る。
【0007】
液体層は、水、生理食塩水、油、粘弾性ゲル、およびペルフルオロカーボン液体から選択される、材料を備え得る。真空負荷デバイスは、水銀の約200mmから約600mmの真空負荷を印加するように構成され得る。中空リザーバ筐体は、近位部品および遠位部品を備え得、光学要素は、遠位部品に固定して連結される。中空リザーバ筐体は、近位部品および遠位部品を備え得、光学要素は、近位部品に固定して連結され得る。液体層は、光学要素と直接接触し得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、診断/介入眼科的システムの一実施形態を例証する。
図2A図2A−2Cは、患者の角膜に隣接して係合される焦点レンズを特徴とする、患者インターフェース構成の側面を例証する。
図2B図2A−2Cは、患者の角膜に隣接して係合される焦点レンズを特徴とする、患者インターフェース構成の側面を例証する。
図2C図2A−2Cは、患者の角膜に隣接して係合される焦点レンズを特徴とする、患者インターフェース構成の側面を例証する。
図3A図3A−3Cは、一体型患者インターフェース実施形態の側面を例証する。
図3B図3A−3Cは、一体型患者インターフェース実施形態の側面を例証する。
図3C図3A−3Cは、一体型患者インターフェース実施形態の側面を例証する。
図4A図4A−4Eは、2部品型患者インターフェース実施形態の側面を例証する。
図4B図4A−4Eは、2部品型患者インターフェース実施形態の側面を例証する。
図4C図4A−4Eは、2部品型患者インターフェース実施形態の側面を例証する。
図4D図4A−4Eは、2部品型患者インターフェース実施形態の側面を例証する。
図4E図4A−4Eは、2部品型患者インターフェース実施形態の側面を例証する。
図5A図5A−5Cは、液体インターフェース2部品型患者インターフェース実施形態の側面を例証する。
図5B図5A−5Cは、液体インターフェース2部品型患者インターフェース実施形態の側面を例証する。
図5C図5A−5Cは、液体インターフェース2部品型患者インターフェース実施形態の側面を例証する。
図6A図6A−6Dは、図1−5Cを参照して説明されるもの等の構成を利用するための技法の側面を例証する。
図6B図6A−6Dは、図1−5Cを参照して説明されるもの等の構成を利用するための技法の側面を例証する。
図6C図6A−6Dは、図1−5Cを参照して説明されるもの等の構成を利用するための技法の側面を例証する。
図6D図6A−6Dは、図1−5Cを参照して説明されるもの等の構成を利用するための技法の側面を例証する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
前述に簡単に説明されるように、白内障診断および介入システムの一実施形態は、超高速(「UF」)光源4(例えば、フェムト秒レーザ)を含む、図1に示されるシステム(2)等、光学ビームを患者の眼(68)内に投影または走査するシステムによって実装され得る。このシステムを使用して、ビームが3次元:X、Y、Zにおいて、患者の眼内で走査され得る。この実施形態では、UF波長は、1010nmから1100nmの間で変動し、パルス幅は、100fsから10000fsの間で変動し得る。パルス反復周波数も、10kHzから250kHzの間で変動し得る。非標的組織への意図されない損傷に関する安全性限界は、反復率およびパルスエネルギーに関する上限の境界を定める一方、閾値エネルギー、手技を完了するための時間、および安定性は、パルスエネルギーおよび反復率の下限の境界を定める。眼(68)、具体的には、眼の水晶体(69)および前嚢内における焦点スポットのピーク電力は、十分に大きく、光学破壊を産生し、プラズマ媒介アブレーションプロセスを開始させる。近赤外線波長は、生物学的組織中の線形光学吸収および散乱がそのスペクトル範囲にわたって低減されるので、好ましい。実施例として、レーザ(4)は、反復率100kHzにおいて500fsのパルスであって、個々のパルスエネルギーが10マイクロジュール範囲のパルスを産生する反復パルス1035nmデバイスであり得る。
【0010】
レーザ(4)は、入力および出力デバイス(302)を介して、制御電子機器(300)によって、制御され、光学ビーム(6)を生成する。制御電子機器(300)は、コンピュータ、マイクロコントローラ等であり得る。この実施例では、システム全体がコントローラ(300)によって制御され、データは、入力/出力デバイスIO(302)を通して移動される。グラフィカルユーザインターフェースGUI304を使用して、システム動作パラメータを設定し、GUI(304)上でユーザ入力(UI)(306)を処理し、眼球構造の像等の収集した情報を表示し得る。
【0011】
発生したUF光ビーム(6)は、半波長板(8)および線形偏光子(10)を通過して、患者眼(68)に向かって進む。ビームの偏光状態は、所望の量の光が半波長板(8)および線形偏光子(10)を通過するように調節することができ、半波長板(8)および線形偏光子(10)は、一緒に、UFビーム(6)のための可変減衰器として作用する。加えて、線形偏光子(10)の配向は、ビーム結合器(34)に入射する入射偏光状態を決定し、それによって、ビーム結合器処理量を最適化する。
【0012】
UFビームは、シャッタ(12)、開口(14)、およびピックオフデバイス(16)を通って進む。システム制御式シャッタ(12)は、手技および安全性理由から、レーザのオン/オフ制御を確実にする。開口は、レーザビームの外側有効直径を設定し、ピックオフは、有効ビームの出力を監視する。ピックオフデバイス(16)は、部分的に反射する鏡(20)および検出器(18)を含む。パルスエネルギー、平均電力、または組み合わせは、検出器(18)を使用して測定され得る。情報は、減衰に対する半波長板(8)へのフィードバックのために、およびシャッタ(12)が開放または閉鎖しているかどうかを検証するために使用することができる。加えて、シャッタ(12)は、位置センサを有し、冗長状態検出を提供し得る。
【0013】
ビームは、ビーム調整段(22)を通過し、そこで、ビームの直径、発散、真円度、および非点収差等のビームパラメータを修正することができる。この例証的実施例では、ビーム調整段(22)は、意図されたビームサイズおよび平行化を達成するために、球状光学(24)および(26)から成る、2要素ビーム拡大望遠鏡を含む。ここでは例証されないがアナモフィックまたは他の光学系を使用して、所望のビームパラメータを達成することができる。これらのビームパラメータを決定するために使用される要因として、治療場所における、レーザの出力ビームパラメータ、システムの全体的倍率、および所望の開口数(NA)が挙げられる。加えて、光学系(22)を使用して、所望の場所(例えば、後述の2軸走査デバイス50間の中心場所)に対して、開口(14)を結像することができる。このように、開口(14)を通過させる光の量は、走査システムを通過させるように確保される。次いで、ピックオフデバイス(16)は、使用可能な光の信頼できる測定器である。
【0014】
調整段(22)を出射後、ビーム(6)は、折畳鏡(28、30、および32)に反射する。これらの鏡は、整列目的のために調節可能であることができる。ビーム(6)は、次いで、ビーム結合器(34)に入射する。ビーム結合器(34)は、UFビーム(6)を反射させる(および、後述のOCT114および照準202ビームの両方を透過させる)。効率的ビーム結合器動作のために、入射角は、好ましくは、45度を下回るように維持され、可能である場合、ビームの偏光は、固定される。UFビーム(6)に対して、線形偏光子(10)の配向は、固定された偏光を提供する。
【0015】
ビーム結合器(34)の後、ビーム(6)は、z調節またはZ走査デバイス(40)上へと続く。この例証的実施例では、z調節は、2つのレンズ群(42および44)(各レンズ群は、1つ以上のレンズを含む)を伴う、ガリレオ式望遠鏡を含む。レンズ群(42)は、望遠鏡の視準位置を中心として、z軸に沿って移動する。このように、患者の眼(68)内のスポットの焦点位置は、示されるz軸に沿って移動する。一般に、レンズ(42)の動きと焦点の動きとの間には、固定された線形関係が存在する。この場合、z調節望遠鏡は、約2倍のビーム膨張比と、1:1関係のレンズ(42)の移動対焦点の移動とを有する。代替として、レンズ群(44)は、z軸に沿って移動し、z調節を作動させ、走査し得る。z調節は、眼(68)内の治療のためのz走査デバイスである。これは、システムによって、自動的かつ動的に制御され、次に説明されるX−Y走査デバイスと独立または相互作用するように選択することができる。鏡(36および38)は、光学軸をz調節デバイス(40)の軸と整列させるために使用することができる。z調節デバイス(40)を通過後、ビーム(6)は、鏡(46および48)によって、x−y走査デバイスに方向付けられる。鏡(46および48)は、整列目的のために調節可能であることができる。X−Y走査は、制御電子機器(300)の制御下で、好ましくは2つの鏡(52および54)を使用して、走査デバイス(50)によって達成され、2つの鏡は、モータ、検流計、または任意の他の周知の光学移動デバイスを使用して、直交方向に回転する。鏡(52および54)は、後述の対物レンズ(58)および焦点レンズ(66)の組み合わせのテレセントリック位置近傍に位置する。これらの鏡(52/54)を傾斜させることによって、それらにビーム(6)を偏向させ、患者の眼(68)内に位置するUF焦点の平面において、側方変位を生じさせる。対物レンズ(58)は、示されるように、複合多要素レンズ要素であって、レンズ(60、62、および64)によって表され得る。レンズ(58)の複雑性は、走査視野サイズ、焦点スポットサイズ、対物レンズ58の近位側および遠位側の両方における利用可能な作業距離、ならびに収差制御の量によって、決定付けられるであろう。15mm直径の入力ビームサイズを伴う、10mmの視野にわたって、10μmのスポットサイズを発生させる焦点距離60のf−シータレンズ58は、実施例の1つである。代替として、スキャナ(50)によるX−Y走査は、同様に、入力および出力デバイス(302)を介して、制御電子機器(300)によって制御され得る、1つ以上の可動光学要素(例えば、レンズ、回折格子)を使用することによって、達成され得る。
【0016】
照準および治療走査パターンは、自動的に、コントローラ(300)の制御下、スキャナ(50)によって発生させることができる。そのようなパターンは、光の単一スポット、光の複数のスポット、光の連続パターン、光の複数の連続パターン、および/またはこれらの任意の組み合わせから成り得る。加えて、照準パターン(後述の照準ビーム202を使用して)は、治療パターン(光ビーム6を使用して)と同じである必要はないが、好ましくは、少なくとも、治療光が患者安全性のために、所望の標的面積内のみに送達されることを確保するために、その境界を画定する。これは、例えば、照準パターンに、意図された治療パターンの輪郭を提供させることによって行われ得る。このように、治療パターンの空間的範囲は、個々のスポット自体の正確な場所ではないにしても、ユーザに把握され、走査は、したがって、速度、効率、および精度のために最適化され得る。照準パターンは、ユーザに対するその可視性をさらに向上させるために、点滅として知覚されるようにもされ得る。
【0017】
同様に、任意の好適な眼科用レンズであり得る、「コンタクトレンズ」と広義に称される場合がある、随意の焦点レンズ(66)を使用して、光学ビーム(6)を患者の眼(68)内にさらに集束するのを支援する一方、眼位置を安定化させるのを支援することができる。光学ビーム6の位置付けならびにその特性および/またはビーム6が眼(68)上に形成する走査パターンはさらに、ジョイスティック、または任意の他の適切なユーザ入力デバイス(例えば、GUI304)等の入力デバイスを使用して、患者および/または光学系を位置付けることによって、制御され得る。
【0018】
UFレーザ(4)およびコントローラ(300)は、眼(68)内の標的構造の表面を標的とするように設定され、ビーム(6)が必要に応じて集束され、非標的組織を非意図的に損傷しないよう確実にすることができる。例えば、光干渉断層撮影法(OCT)、Purkinje撮影法、Scheimpflug撮影法、共焦点または非線形光学顕微鏡法、蛍光撮像法、あるいは超音波等、本明細書に説明される撮像モダリティおよび技法を使用して、レンズおよび水晶体嚢の場所を決定し、その厚さを測定し、2Dおよび3Dパターン化を含むレーザ集束法に対し、より正確性をもたらし得る。レーザ集束はまた、照準ビーム、光干渉断層撮影法(「OCT」)、Purkinje撮像法、Scheimpflug撮像法、共焦点または非線形光学顕微鏡法、蛍光撮像法、超音波、または他の周知の眼科用または医療用撮像モダリティおよび/またはそれらの組み合わせの直接観察を含む、1つ以上の方法を使用して、遂行され得る。図1の実施形態では、OCTデバイス(100)が説明される。眼のOCT走査は、前および後水晶体嚢の軸方向場所、白内障核の境界、ならびに前房の深度に関する情報を提供するであろう。この情報は、次いで、制御電子機器(300)内にロードされ、後続のレーザ支援手術手技をプログラムおよび制御するために使用される。情報はまた、例えば、とりわけ、水晶体嚢の切除、水晶体皮質および核のセグメント化のために使用される焦点面の軸方向上限および下限、および、水晶体嚢の厚さ等、手技に関連する種々のパラメータを決定するために使用され得る。
【0019】
図1におけるOCTデバイス(100)は、ファイバ結合器(104)によって、基準アーム(106)およびサンプルアーム(110)に分割されるブロードバンドまたは掃引光源(102)を含む。基準アーム(106)は、好適な分散および経路長補償とともに、基準反射を含むモジュール(108)を含む。OCTデバイス(100)のサンプルアーム(110)は、UFレーザシステムの残りに対するインターフェースとしての役割を果たす出力コネクタ(112)を有する。基準およびサンプルアーム(106、110)両方からの戻り信号は、次いで、結合器(104)によって、時間領域、周波数、または単一点検出技法のいずれかを採用する、検出デバイス(128)に方向付けられる。図1では、周波数領域技法がOCT波長920nmおよび帯域幅100nmで使用される。コネクタ(112)から出射すると、OCTビーム(114)は、レンズ(116)を使用して、平行化される。平行化されたビーム(114)のサイズは、レンズ(116)の焦点距離によって決定される。ビーム(114)のサイズは、眼内の焦点における所望のNA、および、眼(68)に通じるビーム列の倍率によって、決定付けられる。概して、OCTビーム(114)は、焦点面において、UFビーム(6)と同じ高さのNAを必要とせず、したがって、OCTビーム(114)は、ビーム結合器(34)場所において、UFビーム(6)より小さい直径である。平行化レンズ(116)の後に、開口(118)が続き、眼において、OCTビーム(114)の得られるNAをさらに修正する。開口(118)の直径は、標的組織に入射するOCT光および戻り信号の強度を最適化するように選択される。能動的または動的であり得る、偏光制御要素(120)は、例えば、角膜複屈折の個々の差によって誘発され得る、偏光状態変化を補償するために使用される。鏡(122および124)は、次いで、OCTビーム114をビーム結合器(126および34)に向かって方向付けるために使用される。鏡(122および124)は、整列目的のために、特に、ビーム結合器(34)後のUFビーム(6)にOCTビーム(114)を重ねるために、調節可能であり得る。同様に、ビーム結合器(126)は、OCTビーム(114)と後述の照準ビーム(202)を組み合わせるために使用される。ビーム結合器(34)後のUFビーム(6)と組み合わせられると、OCTビーム(114)は、システムの残りを通して、UFビーム(6)と同一経路を辿る。このように、OCTビーム(114)は、UFビーム(6)の場所を示す。OCTビーム(114)は、z走査40およびx−y走査(50)デバイス、次いで、対物レンズ(58)、焦点レンズ(66)を通して、眼(68)内へと通過する。眼内の構造からの反射および散乱は、光学系を通して、コネクタ(112)内へ、結合器(104)を通して、OCT検出器(128)まで戻る戻りビームを提供する。これらの戻り反射は、順に、UFビーム(6)焦点場所のX、Y、Zにおける場所に関して、システムによって解釈される、OCT信号を提供する。
【0020】
OCTデバイス(100)は、その基準アームとサンプルアームとの間の光学経路長の差を測定する原理に基づいて作用する。したがって、z調節40を通るOCTの通過は、光学経路長が42の移動の関数として変化しないので、OCTシステム(100)のz範囲を拡張させない。OCTシステム(100)は、検出方式に関連する固有のz範囲を有し、周波数領域検出の場合、具体的には、分光計および光源の光学帯域幅に関連する。図1において使用される場合、z範囲は、水性環境において、約3−5mmである。z調節(40)のz走査を通してのサンプルアーム内のOCTビーム(114)の通過は、OCT信号強度の最適化を可能にする。これは、OCTシステム(100)の基準アーム(106)内の経路を相応して増加させることによって拡張された光学経路長に対応しながら、OCTビーム(114)を標的構造上に集束させることによって遂行される。
【0021】
浸漬指数、屈折、および、収差等の影響による、UF焦点デバイスに関するOCT測定の基本的差異のため、UFビーム焦点場所に関するOCT信号の分析の際、有色および単色の両方の配慮がなされなければならない。X、Y、Zの関数としての較正また位置合わせ手技は、OCT信号情報を、UF焦点場所に一致させるために、および、絶対寸法量に関連付けるために行われるべきである。
【0022】
照準ビームの観察も、ユーザがUFレーザ焦点を指図することを補助をするために使用され得る。加えて、赤外線OCTおよびUFビームの代わりに、肉眼で可視である照準ビームは、照準ビームが正確に、赤外線ビームパラメータを表すことを前提として、アライメントに有用であることができる。照準サブシステム(200)は、図1に示される構成において採用される。照準ビーム(202)は、633nmの波長で動作する、ヘリウムネオン等の照準ビーム光源(201)によって発生される。代替として、630−650nm範囲のレーザダイオードが使用され得る。ヘリウムネオン633nmビームを使用する利点は、例えば、ビーム列の光学品質を測定するために、レーザ不均等経路干渉計(LUPI)として、照準経路の使用を可能にするであろうその長い干渉長である。照準ビーム光源が照準ビーム(202)を発生させると、照準ビーム(202)は、レンズ(204)を使用して、平行化される。平行化されたビームのサイズは、レンズ(204)の焦点距離によって決定される。照準ビーム(202)のサイズは、眼内の焦点における所望のNAおよび眼(68)に通じるビーム列の倍率によって決定付けられる。概して、照準ビーム(202)は、焦点面において、UFビーム(6)と同一NAに近くあるべきであり、したがって、照準ビーム(202)は、ビーム結合器(34)場所においてUFビームと類似直径である。照準ビームは、眼の標的組織に対するシステムアライメントの間、UFビーム(6)の代理となるように意図されるので、照準経路の大部分は、前述のようなUF経路を模倣する。照準ビーム(202)は、半波長板(206)および線形偏光子(208)を通って進む。照準ビーム(202)の偏光状態は、所望の光の量が偏光子(208)を通過するように、調節することができる。要素206および208は、したがって、照準ビーム(202)のための可変減衰器として作用する。加えて、偏光子(208)の配向は、ビーム結合器(126および34)に入射する入射偏光状態を決定し、それによって、偏光状態を固定し、ビーム結合器の処理量の最適化を可能にする。当然ながら、半導体レーザが照準ビーム光源(200)として使用される場合、駆動電流は、光学電力を調節するように変動することができる。照準ビーム(202)は、シャッタ(210)および開口(212)を通って進む。システム制御シャッタ(210)は、照準ビーム(202)のオン/オフ制御を提供する。開口(212)は、照準ビーム(202)に対して外側有効直径を設定し、適切に調節することができる。眼において、照準ビーム(202)の出力を測定する、較正手技は、偏光子(206)の制御を介して、照準ビーム(202)の減衰を設定するために使用することができる。照準ビーム(202)は、次に、ビーム調整デバイス(214)を通過する。ビームの直径、発散、真円度、および非点収差等のビームパラメータは、1つ以上の周知のビーム調整光学要素を使用して、修正することができる。光ファイバから出現する照準ビーム(202)の場合、ビーム調整デバイス(214)は、意図されたビームサイズおよび平行化を達成するために、単に、2つの光学要素(216および218)を伴う、ビーム拡張望遠鏡を含む。平行化の程度等の照準ビームパラメータを決定するために使用される最終要因は、眼(68)の場所において、UFビーム(6)と照準ビーム(202)とを一致させるために必要とされるものによって決定付けられる。色差は、ビーム調整デバイス(214)の適切な調節によって、考慮することができる。加えて、光学系(214)は、開口(14)の共役場所等の所望の場所に開口(212)を結像するために使用される。照準ビーム(202)は、次に、好ましくは、ビーム結合器(34)後のUFビーム(6)への整列位置合わせのために調節可能である、折畳鏡(222および220)に反射する。照準ビーム(202)は、次いで、ビーム結合器(126)に入射し、そこで、照準ビーム(202)は、OCTビーム(114)と組み合わせられる。ビーム結合器(126)は、照準ビーム(202)を反射させ、OCTビーム(114)を透過させ、両波長範囲において、ビーム連結機能の効率的動作を可能にする。代替として、ビーム結合器(126)の透過および反射機能は、逆にして、構成を反転することができる。ビーム結合器(126)に続いて、照準ビーム(202)は、OCTビーム(114)とともに、ビーム結合器(34)によって、UFビーム(6)と組み合わせられる。
【0023】
眼(68)上または眼(68)内の標的組織を撮像するためのデバイスは、撮像システム(71)として、図1に図式的に示される。撮像システムは、標的組織の像を生成するためのカメラ(74)および照明光源(86)を含む。撮像システム(71)は、所定の構造を中心とするパターンを提供するため、またはその中にパターンを提供するために、システムコントローラ(300)によって使用され得る像を収集する。視認するための照明光源(86)は、概して、ブロードバンドかつ非干渉性である。例えば、光源(86)は、示されるように、複数のLEDを含むことができる。視認光源(86)の波長は、好ましくは、700nmから750nmの範囲内であるが、視認光を、UFビーム(6)および照準ビーム(202)のためのビーム経路と結合させるビーム結合器(56)によって対応される任意のものであることができる(ビーム結合器56は、視認波長を反射する一方、OCTおよびUF波長を透過させる)。ビーム結合器(56)は、部分的に、照準ビーム(202)が視認カメラ(74)に可視となり得るように、照準波長を透過させ得る。光源(86)正面の随意の偏光要素(84)は、線形偏光子、4分の1位相差板、半波長板、または任意の組み合わせであることができ、信号を最適化するために使用される。近赤外線波長によって発生されるような疑似色像も、容認可能である。光源(86)からの照明光は、UFおよび照準ビーム(6、202)と同一対物レンズ(58)および焦点レンズ(66)を使用して、眼に向かって下方に方向付けられる。眼(68)内の種々の構造から反射および散乱される光は、同一レンズ(58および66)によって収集され、ビーム結合器(56)に向かって後方に方向付けられる。そこで、戻り光は、ビーム結合器および鏡(82)を介して視認経路内に戻り、そして、カメラ(74)上に方向付けられる。カメラ(74)は、例えば、限定されないが適切に定寸された形式の任意のシリコンベースの検出器アレイであることができる。ビデオレンズ(76)は、カメラの検出器アレイ上に像を形成する一方、光学要素(80および78)は、それぞれ、偏光制御および波長フィルタリングを提供する。開口または絞り(81)は、撮像NAの制御、したがって、焦点深度および被写界深度を提供する。小さな開口は、患者ドッキング手順を補助する大きな被写界深度の利点をもたらす。代替として、照明およびカメラ経路は、切り替えることができる。さらに、照準光源(200)は、直接可視ではないが撮像システム(71)を使用して、捕捉および表示され得る赤外線を放出するようにすることができる。焦点レンズ(66)が角膜と接触した場合に標的構造がシステムのX、Y走査の捕捉範囲内にあるように、粗調節位置合わせが通常必要とされる。したがって、システムが接触状態(すなわち、患者の眼(68)と焦点レンズ(66)との間の接触)に接近するにつれ、患者の動きを好ましく考慮するドッキング手技が好ましい。視認システム(71)は、焦点レンズ(66)が眼(68)と接触する前に、患者の眼(68)および他の顕著な特徴が見え得るように、焦点深度が十分に大きくなるように構成される。好ましくは、運動制御システム(70)が全体的制御システム(2)内に統合され、患者、システム(2)またはそれらの要素、あるいは両方を移動させ、焦点、すなわち、「コンタクト」レンズ(66)、その筐体、および/または眼(68)間の正確かつ確実な接触を達成し得る。さらに、後述のように、真空吸引サブシステムおよびフランジがシステム内に組み込まれ、焦点レンズ(66)、その付随筐体、および眼(68)間のインターフェース接合を安定化させるために使用され得る。一実施形態では、焦点レンズ(66)を介した、システム(2)の他の部分に対する、眼(68)の物理的整列は、撮像システム(71)の出力を監視しながら、遂行され、IO(302)を介して、制御電子機器(300)を用いて、撮像システム(71)によって電子的に産生される像を分析することによって、手動でまたは自動的に、行われ得る。力および/または圧力センサフィードバックも、接触を識別し、ならびに真空サブシステムを開始させるために使用され得る。
【0024】
図2Aは、焦点レンズ(66)構成の一実施形態を描写し、レンズ(66)の遠位側面(178)は、角膜(94)と直接接触される。システム(88)から出射する、走査されるビーム(90)は、レンズ(66)の近位表面(176)を交差し、レンズ(66)を通過し、レンズ(66)の遠位表面(178)を横断して出射し、角膜(94)を交差し、最終的に、水晶体(69)に到達し、切嚢術等の介入ステップを促進する。拡大図は、図2Bに例証され、望ましくない角膜折畳(96)の概念を実証しており、これは、角膜のものより比較的に大きな曲率半径を有する、コンタクトレンズ(66)構成によって、角膜にかけられる過剰な圧平負荷と関連付けられ得る(そのような場合、比較的に大きな圧平負荷がレンズ66と角膜94の比較的凸形状との間の表面接触を確実にするために印加され得る)。我々は、角膜折畳(96)が眼の内部への光学経路を劣化させ、眼の組織とのレーザ相互作用の信頼性を低下させ得ることが見出した。さらに、また、概して、診断および介入手技の間、眼内圧力を最小限にすることが望ましく、大きな圧平負荷は、眼内圧力を上昇させる傾向にある。その結果、図3A−3Cおよび4A−4Eに描写される実施形態では、実質的に、典型的ヒト角膜のものに近い遠位表面曲率半径を伴う、焦点レンズ(66)を備え、したがって、以下にさらに詳細に説明されるように、実質的に、圧平および/またはインターフェース接合負荷を緩和する。
【0025】
図2Cを参照すると、「一体型」インターフェースと称され得る、患者インターフェース(182)の一実施形態が図1を参照して説明されるような診断および介入システムの可動部分(160)とインターフェース接合されて示され、患者インターフェース(182)は、角膜インターフェース(130)と、焦点レンズ(66)を格納する、円錐形下側筐体部分(132)と、診断および介入システムの可動部分(160)と機械的にインターフェース接合および連結するように構成されている、近位側面を伴う、円筒形上側筐体部分(134)とを備えている。図3Aは、診断および介入システムの可動部分(160)に取り外し可能に連結される、患者インターフェース(182)を伴う、類似構成を例証する。図3Bは、図2Cおよび3Aに描写されるもの等の患者インターフェース(182)の拡大斜視図を示す。円筒形上側筐体部分(134)の近位側面は、診断および介入システムの可動部分(160)と取り外し可能に連結するために構成されている、幾何学的連結インターフェース(136)を形成する。図3Cは、図3Bの実施形態の横断面図を例証し、円錐形下側筐体部分(132)内の焦点レンズ(66)の位置ならびにレンズ(66)の遠位表面(140)と角膜(94)の直接インターフェース接合、および2つの裂片間に真空チャネル(142)を生成し、約300から600mmHg等の印加される真空条件によって、角膜インターフェース(130)を角膜(94)の表面に取り外し可能に連結するために利用され得る、断面的に2つのローブ状の接触表面(142)を含む、可撓性角膜インターフェース(130)の断面特徴(一実施形態では、シリコーン等の可撓性材料を備えている)を示す。一実施形態では、レンズ(66)の遠位表面(140)は、係合構成を提供するように、平均ヒト角膜(94)より若干大きい、約8.3mmに等しい曲率半径を有し、遠位表面(140)は、遠位表面(140)のほぼ中心において、角膜とゆっくりと係合し、次いで、係合増加および微量の圧平負荷に伴って、泡および流体が接触中心から外向きに押し出され、最終的には、診断および介入目的のための比較的に清潔なインターフェース接合をもたらし得る。図3Cの描写における角膜の形状は、無負荷(無圧平)形状であり、描写される実施形態では、遠位表面(140)と無負荷角膜(94)形状との間の意図的な不一致が存在することを例証する(実際の負荷シナリオでは、表面は、前述のように、直接接触するであろう)。
【0026】
図4A−4Eを参照すると、別の実施形態(「2部品型」実施形態と称され得る)が描写されており、図2C−3Cに示されるもの等の構成は、診断および介入システムの上部部分(152)および可動部分(160)との後の連結前に、底部部分(148)の便利な手動操作配置を提供するために(すなわち、軽量ハンドル150の使用を通して)、分解または分断され得る。一緒に、上部および底部部分(152、148)は、本明細書に説明されるように、内部容積を画定し、眼にインターフェース接合されるように構成されている、「中空リザーバ筐体」を備え得る。上部および底部部分は、真空連結インターフェース、締まり嵌め(すなわち、圧入)インターフェース、電磁連結インターフェース(すなわち、電流が接合をもたらすために印加され、電流は、接合を解除するためにオフにされ得る)、手動で作動される機械的インターフェース(すなわち、ラッチまたは継手が手動で作動または移動され、インターフェースの係止または係止解除をもたらし得る)、または電気機械的に作動される機械的インターフェース(すなわち、ラッチまたは継手がソレノイドまたは他のアクチュエータ等によって、電気機械的に作動または移動され、インターフェースの係止または係止解除をもたらし得る)を使用して、相互に取り外し可能に連結され得る。図4Aを参照すると、患者の顔(146)および眼(68)が、眼(68)の角膜および/または強膜と連結された底部部分(148)とともに示され、真空ポート(154)を用いて印加される真空負荷を使用して、図2C−3Cに示されるもの等の可撓性インターフェースを角膜および/または強膜と取り外し可能な係合状態にする。図4Aに示される下側部分は、比較的に低質量および小さい断面2次モーメントを有し、手によって、所望の位置まで容易に操作され、その後、真空がポート(154)を通して印加され、一時的係合をもたらし得る。続いて、上部部分(152)が若干の締まり嵌め(すなわち、スナップ嵌合等)を備え、前述のように、診断および介入システムの可動部分(160)に連結され得る、組み立てられた2部品型患者インターフェース(184)を形成し得る、機械的インターフェース接合(156)によって、底部部分(148)に連結され得る。図4Cおよび4Dは、別のインターフェース接合実施形態を描写しており、そこでは、バネクランプ(158)が利用され、底部部分(148)および上部部分(152)を取り外し可能に連結し得る。図4Dは、図4Cの実施形態の横断面図である。図4Eは、別のインターフェース接合実施形態を描写しており、そこでは、回転可能コレットタイプ連結部材(162)が利用され、底部部分(148)に対する連結部材(162)の手動操作回転によって、底部部分(148)および上部部分(152)を取り外し可能に連結し得る。
【0027】
図5A−5Cは、別の2部品型患者インターフェース(186)実施形態(この実施形態は、液体インターフェース2部品型実施形態と称され得る)を描写しており、前述のもの(要素66)と同様の焦点レンズ要素(92)等の光学要素を備えているが、焦点レンズ要素(92)の遠位表面(178)は、角膜(94)および/または強膜の表面と直接接触せず、むしろ、焦点レンズ要素(92)の遠位表面(178)と角膜(94)および/または強膜との間に介在する、液体層(172)が存在する。光学要素(92)は、近位表面および遠位表面を有し、遠位表面は、凸状表面であり得る。一実施形態では、光学要素(92)の遠位表面は、直接、液体層とインターフェース接合され(すなわち、浸漬または直接暴露される)、眼と光学要素(92)との間の一体化接続として、液体層を残す。一実施形態では、液体層は、約2立方センチメートルの液体を備え得る。液体は、水、生理食塩水、油(シリコン油等)、眼科的粘弾性ゲル、またはペルフルオロカーボン液体等の材料を備え得る。描写される2部品型実施形態では、光学要素(92)は、患者インターフェースの上部、すなわち、近位部分(152)に固定して連結される。別の実施形態では、光学要素(92)は、患者インターフェースの底部、すなわち、遠位部分(148)に固定して連結され得る。図5Aに示されるように、円錐形底部部分(160)は、一体型および2部品型患者インターフェース構成を参照する前述のものと同様に、可撓性インターフェース(130)に連結される。前述の実施形態と同様に、可撓性インターフェース(130)は、その間に真空空間が介在し、眼の組織に対して、密閉部材の真空によってもたらされる連結を促進する、2つ以上の円周層を備え得る、柔軟な円周密閉部材を備え得る(例えば、調整された機械的真空ポンプ等の真空デバイスを使用して、印加または発生され得る、約200mmから約600mmHgの真空負荷を使用して)。円周層のうちの少なくとも1つは、先細になる、断面形状を有し(すなわち、眼組織により直に隣接する、先細のより小さい部分を伴う)、円周層のうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的に球状である形状(すなわち、球状形状のスライスに類似する)を備え得る。手動操作ハンドルは、底部部分(160)に連結され、図1を参照して説明されるもの等の診断および介入システムの可動部分(160)に取り外し可能に連結されるように構成される(例えば、機械的連結インターフェース、真空、または他の取り外し可能連結手段を使用して)、底部部分の上部部分(166)へのインターフェース(168)係合前に、比較的に低質量および慣性底部部分(160)の角膜および/または強膜への容易な連結を可能にする(例えば、真空ポート154を通して、真空によって提供される連結保定によって)。図5A−5Cに示されるように、インターフェース係合(168)は、好ましくは、液体層(172)が外部環境(すなわち、患者検査または手術室の大気圧構成)に開放され、追加の流体が直接灌注または注射器によって添加され得るように(すなわち、描写されるアクセス特徴165のうちの1つを通して)構成される。同様に、液体は、重力に対して、患者および/または患者インターフェースの配向を変化させ、液体を流出させることによって、(すなわち、描写されるアクセス特徴165のうちの1つを通して)、封入されていない環境から流出され得る。アクセス特徴(165)は、液体層(172)のための画定された容積と近傍大気との間の直接アクセスを提供する、1つ以上の通気孔、ポート、窓、または同等物を備え得る。液体層(172)が外環境への即時アクセスを有する、「開放構成」(液体の容積が少なくとも一時的に、タンクまたは他の構造内に封入され得る、閉鎖または封入構成とは対照的に)とみなされる、そのような構成は、以下のいくつかの理由から、有利である。a)開放は、より容易な充填、再充填、および排出を可能にする、液体層として、患者インターフェース内に貯留される流体への即時アクセスを可能にする。b)開放は、2部品型設計を連結時、流体を漏出可能にする。そのような容易な漏出がない場合、望ましくないインターフェース圧力が構築および/または蓄積され得る。c)開放は、ガスをより容易に漏出可能にし、ガスは、典型的には、泡として液体層環境内に現れ、部分最適に光学シナリオを変化させる(すなわち、治療ビーム忠実性を歪曲させ、混濁または他の望ましくない光学歪みを生じさせ得る)。図5Bおよび5Cは、図5Aの2つの若干異なる横断面図を示す。図5Bを参照すると、液体層(172)は、相互に物理的に接触しない、焦点レンズ(92)の遠位表面(178)と角膜(94)および/または強膜との間に介在されて示される。液体層(172)は、光透過性媒体として作用する。描写される実施形態では、液体層は、底部部分(164)および上部部分(166)のインターフェース(168)連結前は、自由に、底部部分164内を浮遊する(すなわち、液体層172は、底部部分164が図5Cに示される真空ポート154に接続される、真空チャネル170を通して、真空が送給され得る、2つのローブ唇状部分144を使用して、角膜94および/または強膜に連結された後、底部部分164の底部に重力によって静置する)。一実施形態では、2つのローブ状可撓性密閉部(144)の外径は、約21mmであり、内径は、約14.5mmであり、角膜輪部減張切開術等の角膜切開を含むが、それらに限定されない、広範囲の介入レーザ切除に利用可能な約14mmのクリアな開口を残す。液体インターフェースの追加の利点の1つは、レンズ要素(92)の光学特性が直接接触式レンズ要素(例えば、前述の要素66)のように、近位および遠位面曲率半径の解剖学的適合を考慮せずに、最適化され得ることである。さらに、焦点レンズ(92)に対する材料選択により自由度がある。一実施形態では、焦点レンズ(92)は、Schott North America,Inc.(Elmsford、NY)から商標名「BK−7」(RTM)の下で市販の約13mm厚の材料片を備え、レンズ(92)は、約245mmの凸状近位表面曲率半径および約68mmの凸状近位表面曲率半径を有する。加えて、角膜(94)および/または強膜からのレンズ(92)の変位は、水晶体の粒子汚染を伴わずに、レーザを介して、前角膜および/または強膜表面切除をより促進する。例えば、図1を参照して説明されるシステムにおいて、利用可能なようなOCT撮像は、角膜(94)および/または強膜と集束要素(92)との間の流体間隙の寸法を確認するために利用され得る。一実施形態では、液体または流体層(172)は、生理食塩水を備えている。他の実施形態では、液体は、カスタマイズされた分散性、屈折性、泡防止性、および他の品質によって、規定され得る。
【0028】
別の実施形態では、患者インターフェース構造(148、152)の2つの主要な一時的または取り外し可能に連結可能な部分は、図4A−5Cに関する前述のものと同じ特徴を伴うが、そのような部分(148、152)間に分断可能インターフェースを伴わない、「一体型」液体促進患者インターフェースの形態において、より恒久的に連結され得る(すなわち、手技の前または部品の製造の際のいずれかにおいて、互に固定して連結されるか、あるいは1つの構造として一緒に形成される)。
【0029】
図6A−6Dを参照すると、前述のもの等の構成を利用する、種々の実装実施形態が例証される。図6Aを参照すると、術前診断および患者準備ステップ(320)に続いて、患者は、患者インターフェースドッキングに対して、実質的に、水平位置に位置付けられ得る(322)(すなわち、1つまたは2つの部品実施形態を使用時、重力に逆らわないことを所望するため。さらに、液体インターフェース2部品実施形態では、底部部分から液体が溢出しないことが明らかに望ましい)。患者インターフェースがシステムの可動部分に連結された状態において(324)(すなわち、機械的インターフェース連結、真空連結等によって)、可動部分は、患者の角膜および/または強膜(326)に対して、患者インターフェースを望ましいインターフェース接合位置に移動させるために利用され、患者インターフェースは、角膜および/または強膜に取り外し可能に連結され得る(例えば、真空、あるいは機械的負荷または圧力を使用して、液密密閉を生成し、眼を安定化する役割も果たし得る)(328)。ドッキング完了状態において、手技が術中撮像とともに、施行され得る(330)。手技完了後、患者インターフェースは、角膜および/または強膜から分断され得る(すなわち、真空を解除することによって)(332)。
【0030】
図6Bを参照すると、別の実施形態が描写されており、最初の2つおよび最後の2つのステップは、図5Aの実施形態におけるものと同一であるが、中間ステップは、眼に、それ自体(すなわち、2つの部品)に、および近位において、システムに取り外し可能に連結可能である、2部品型患者インターフェース構成を提供するステップ(334)と、底部部分を角膜および/または強膜に取り外し可能に連結するステップ(336)と、システムを、上部部分が底部部分に連結されると、システムに容易に連結され得る、位置に移動させるステップ(338)と、上部部分をシステムに連結するステップ(340)とを含む。
【0031】
図6Cを参照すると、図6Bのものに類似するが、実施形態が描写されており、底部部分が角膜および/または強膜に連結された後、液体を底部部分に添加する(すなわち、その中に灌注する、注射器によってそれを注入する等によって)、中間ステップ342の追加を伴う(すなわち、液体インターフェース2部品型患者インターフェース構成を収容するために)。図6Dは、図6Cのものに類似する実施形態を例証しているが、液体層は、底部部分が角膜および/または強膜に完全に連結される前に(336)、追加され得る(342)。そのような構成は、底部部分と角膜および/または強膜との間において、続いて、真空システム内への液体の漏出につながり得る。
【0032】
本発明の種々の例示的実施形態が本明細書に説明される。非限定的意味において、これらの実施例が参照される。これらは、本発明のより広範に適用可能である実施形態を例証するために提供される。
【0033】
この主題診断または介入手技を行うために説明されるデバイスのいずれも、そのような介入を実行する際に使用するためにパッケージ化された組み合わせにおいて提供され得る。これらの供給「キット」はさらに、使用説明書を含み、そのような目的のために一般的に採用される滅菌トレイまたは容器内にパッケージ化され得る。
【0034】
本発明は、この主題デバイスを使用して行われ得る、方法を含む。方法は、そのような好適なデバイスを提供する作用を備え得る。そのような提供は、エンドユーザによって行われ得る。言い換えると、「提供」作用は、単に、エンドユーザがこの主題方法において、必要デバイスを取得し、それにアクセスし、アプローチし、位置付け、設定し、作動させ、電源を入れ、または別様に提供するように作用することを要求する。本明細書に記載の方法は、論理的に可能である、記載された事象の任意の順序において、ならびに記載れた事象の順序において、行われ得る。
【0035】
本発明の例示的実施形態は、材料選択および製造に関する詳細とともに、前述された。本発明の他の詳細について、これらは、前述の参照の特許および刊行物と併せて理解され得る。例えば、1つ以上の潤滑コーティング(例えば、ポリビニルピロリドン系組成物等の親水性ポリマー、テトラフルオロエチレン等のフッ素重合体、親水性ゲル、またはシリコーン)が所望に応じて、移動可能に連結された部品の比較的に大きなインターフェース表面等のデバイスの種々の部分と使用され、例えば、器具の他の部分または近傍組織構造に対して、そのような物体の低摩擦操作または前進を促進し得る。同じことは、一般または論理的に採用されるような追加の作用の観点において、本発明の方法ベースの実施形態に関しても該当し得る。
【0036】
加えて、本発明は、随意に、種々の特徴を組み込む、いくつかの実施例を参照して説明されたが、本発明は、本発明の各変形例に関して想定されるように、説明または示されるものに限定されない。種々の変更が説明される本発明に行われ得、均等物(本明細書に記載される、または簡略化のために、含まれないかどうかを問わず)が、代用され得る。加えて、値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間の全介在値と、任意の他の記述またはその記述範囲の介在値が本発明内に包含されることを理解されたい。
【0037】
また、説明される本発明の変形例の任意の随意の特徴は、独立して、または本明細書に説明される特徴のうちの任意の1つ以上と組み合わせて、記載および請求され得ることが想定される。単数形項目の参照は、同一項目の複数形が存在することの可能性を含む。より具体的には、本明細書および関連付けられた請求項で使用されるように、具体的には、別様に記載されない限り、単数形「ある(a)」、「ある(an)」、「該(said)」、および「それ(the)」は、複数の指示対象を含む。言い換えると、項目の使用は、前述の説明ならびに本開示と関連付けられた請求項における対象の用語の「少なくとも1つ(at least one)」を考慮に入れる。さらにそのような請求項は、任意の随意の要素を除外するように起草され得ることに留意されたい。したがって、この陳述は、請求項の要素の記載に関連した「単独で(solely)」、「単に(only)」、および同等物のようなそのような排他的な用語の使用か、または「否定的な(negative)」制限の使用に対する根拠として役立つことを意図している。
【0038】
そのような排他的な用語の使用がなければ、本開示と関連付けられた請求項における用語「備えている(comprising)」は、要素の所与の数字が請求項において列挙されるか、または特徴の追加が特許請求の範囲に記述された要素の性質を変質させるとみなされるかにかかわらず、あらゆる追加の要素の包含を考慮に入れるものとする。本明細書で具体的に定義されない限り、本明細書で使用される、すべての技術用語および科学用語は、請求項の合法性を維持しながら、可能な限り広く一般的に理解されている意味が与えられる。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D