特許第5694538号(P5694538)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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5694538六方晶系結晶のナノ構造を備えた光起電力電池
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5694538
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】六方晶系結晶のナノ構造を備えた光起電力電池
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/0256 20060101AFI20150312BHJP
【FI】
   H01L31/04 320
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-528173(P2013-528173)
(86)(22)【出願日】2010年9月9日
(65)【公表番号】特表2013-539607(P2013-539607A)
(43)【公表日】2013年10月24日
(86)【国際出願番号】US2010048242
(87)【国際公開番号】WO2012033493
(87)【国際公開日】20120315
【審査請求日】2013年3月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】504462489
【氏名又は名称】エレクトリシテ・ドゥ・フランス
(73)【特許権者】
【識別番号】506066777
【氏名又は名称】サントゥル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティ フィック セーエヌエールエス
(73)【特許権者】
【識別番号】500376818
【氏名又は名称】ユニバーシティー オブ ヒューストン
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ギルモル,ジャン−フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】オールソン,パル
(72)【発明者】
【氏名】ヴィダル,ジュリエン
(72)【発明者】
【氏名】フランドリッヒ,アレクサンドゥレ
【審査官】 井上 徹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−062539(JP,A)
【文献】 BANDET J et.al,Vibrational and electronic properties of stabilized wurtzite-like silicon,JOURNAL OF PHYSICS D: APPLIED PHYSICS,2002年,vol. 35, no. 3,pages 234-239
【文献】 Wen Yang et al.,Fabrication in-situ SiC nanowires/SiC matrix composite by chemical vapour infiltration process,Materials Letters,2004年,Volume 58,PP.3145-3148
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02−31/078、31/18−31/20、
51/42−51/48
H02S 10/00−50/15
IEEE Xplore
CiNii
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の導電層(22)と、第2の導電層(24)と、上記第1の導電層(22)と上記第2の導電層(24)との間に設けられた活性層(26)とを備えた光起電力電池であって、
上記活性層(26)は、ダイヤモンド型結晶構造を有するシリコンの膜間に挟持されたサブミクロンサイズの六方晶系結晶シリコンの薄膜を含み、
上記六方晶系結晶シリコンの膜は、上記ダイヤモンド型結晶構造を有するシリコンの膜間の上記六方晶系結晶シリコンの膜をエピタキシー条件下で成長させることによって、六方晶系結晶の層を圧迫し安定させたものであることを特徴とする光起電力電池
【請求項2】
上記活性層は、10nm以上1000nm以下の厚さであることを特徴とする請求項1に記載の光起電力電池
【請求項3】
上記活性層が含む炭素ファミリーの単一の元素はシリコンであることを特徴とする請求項1または2に記載の光起電力電池
【請求項4】
上記第1の導電層の電子親和力は、上記活性層の電子親和力より小さく、上記第2の導電層のイオン化エネルギーは、上記活性層のイオン化エネルギーより大きいことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の光起電力電池
【請求項5】
上記活性層と上記第1の導電層との間に、上記活性層の上記電子親和力に略等しい電子親和力と、上記活性層の上記イオン化エネルギーより小さいイオン化エネルギーとを有する第1のブロッキング層(27)をさらに備え、また、上記活性層と上記第2の導電層との間に、上記活性層の上記電子親和力より大きい電子親和力と、上記活性層の上記イオン化エネルギーに略等しいイオン化エネルギーとを有する第2のブロッキング層(28)をさらに備えていることを特徴とする請求項に記載の光起電力電池
【請求項6】
上記第1のブロッキング層および上記第2のブロッキング層の少なくとも一方は、非ドープの半導体層または非ドープの絶縁層であることを特徴とする請求項に記載の光起電力電池
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光センサ、レーザまたはダイオードなどの発光素子、あるいは光起電力電池などの、光電子素子に関する。
【背景技術】
【0002】
起電力電池などの光電子素子を大規模に展開する際に、原材料を節約し生産フローを向上させるためには、薄膜技術を必要とする。
【0003】
上記光電子素子のほとんどは、シリコン半導体を構成要素として備える。実際、シリコンは、技術的に取り扱いやすい豊富に存在する元素である。
【0004】
しかしながら、ダイヤモンドのような結晶層を有するシリコンは、特に可視スペクトルにおいて吸収係数が小さい。そのため、光起電力電池などの有用な光電子素子を製造するためには、原料となるシリコンをかなり厚く(200ナノメートル程度に)しなければならない。
【0005】
そのため、近年(21世紀初頭)、シリコン結晶の著しい需要の高まりから、シリコン結晶の価格が上昇している。
【0006】
また、シリコンの厚さを増すためには、高純度の結晶化率の非常に高いシリコンを使用しなければならず、製造工程も非常に制限されたものとならざるを得ない。そのため、コスト削減に対する主たる障害となっている。
【0007】
数マイクロメートル程度の厚さの活性層を備えた光起電力電池などの薄膜光電子素子を製造するためには、他の原料を使用してもよい。
【0008】
結晶シリコンの代わりに、例えば水素化アモルファスシリコンを活性層の原料として用いてもよいが、水素化アモルファスシリコンからなる活性層を備えた光電子素子は、結晶シリコンからなる活性層を備えた光電子素子ほど効率的ではない。
【0009】
CdTeやCIGSの活性層には、技術的に開発不足であったり、希少な元素でしか作れないという欠点がある。
【0010】
そのため、豊富に存在し、安価であり、効率性が高く、また可視スペクトルにおける吸収係数が結晶シリコンの吸収係数より高いという材料からなる活性層を備えた光電子素子が求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、そのような品質の向上した光電子素子を提供することである。
【0012】
本発明は、光電子素子に関するものであり、該光電子素子は、第1の導電層(22)(例えば、第1の半導体コンタクト層)と、第2の導電層(24)(例えば、第2の半導体コンタクト層)と、上記第1の導電層と上記第2の導電層との間に設けられた活性層(26)とを備えており、上記活性層は、炭素ファミリーから選択された単一の元素あるいは複数の元素の合金の、六方晶系結晶のサブミクロンサイズ構造からなる。
【0013】
本発明の発明者らは、炭素ファミリーから選択された単一の元素あるいは複数の元素の合金からなる六方晶系結晶は、赤外線に近い範囲において、上記と同元素のダイヤモンド型結晶より10〜100倍効率的に光を吸収することを見出した。該六方晶系結晶は1〜2eVの光を吸光した。
【0014】
上記のように、本発明に係る上記光電子素子の上記活性層の効率は向上し、上記活性層はアモルファスシリコンまたはダイヤモンド型結晶シリコンからなる活性層よりも、薄くて安価にできる。
【0015】
また、本発明の別の実施形態によれば、本発明に係る上記光電子素子は、以下の特徴のうち1つないし複数を備えていてもよい。
【0016】
―上記六方晶系結晶のナノ構造の少なくとも一部は、層構造である。
【0017】
―上記六方晶系結晶のナノ構造の少なくとも一部は、フィラメント構造である。
【0018】
―上記六方晶系結晶のナノ構造の少なくとも一部は、ドット構造である。
【0019】
―上記六方晶系結晶のナノ構造の少なくとも一部に対して、少なくとも一方向、例えば、軸方向またはせん断方向においてストレス(応力)がかけられている。
【0020】
―上記活性層は、10nm以上、1000nm以下の厚さである。
【0021】
―上記炭素ファミリーの上記元素はシリコンである。
【0022】
―上記第1の導電層の電子親和力は、上記活性層の電子親和力より小さく、上記第2の導電層のイオン化エネルギーは、上記活性層のイオン化エネルギーより大きい。
【0023】
―上記光電子素子は、上記活性層と上記第1の導電層との間に、上記活性層の上記電子親和力に略等しい電子親和力と、上記活性層の上記イオン化エネルギーより小さいイオン化エネルギーとを有する第1のブロッキング層をさらに備えており、また、上記光電子素子は、上記活性層と上記第2の導電層との間に、上記活性層の上記電子親和力より大きい電子親和力と、上記活性層の上記イオン化エネルギーに略等しいイオン化エネルギーとを有する第2のブロッキング層をさらに備えている。
【0024】
―上記光電子素子は、光起電力電池である。
【0025】
―上記光電子素子は、光センサである。
【0026】
―上記第1の導電層の電子親和力は、上記活性層の電子親和力より大きく、上記第2の導電層のイオン化エネルギーは、上記活性層のイオン化エネルギーより小さい。
【0027】
―上記光電子素子は、上記活性層と上記第1の導電層との間に、上記第1の半導体コンタクト層の上記電子親和力と略等しい電子親和力と、上記活性層の上記イオン化エネルギーより小さいイオン化エネルギーとを有する第1のブロッキング層をさらに備えており、また、上記光電子素子は、上記活性層と上記第2の導電層との間に、上記活性層の上記電子親和力より大きい電子親和力と、上記第2の導電層の上記イオン化エネルギーと略等しいイオン化エネルギーとを有する第2のブロッキング層をさらに備えている。
【0028】
―上記第1のブロッキング層の上記電子親和力は、上記第2のブロッキング層の上記電子親和力より小さく、上記第1のブロッキング層の上記イオン化エネルギーは、上記第2のブロッキング層の上記イオン化エネルギーより小さい。
【0029】
―上記光電子素子は、ダイオードまたはレーザなどの発光素子である。
【0030】
―上記第1のブロッキング層および上記第2のブロッキング層の少なくとも一方は、非ドープの半導体層または非ドープの絶縁層である。
【0031】
本発明の新規な特徴及び本発明自体は、その構造と操作とにおいても、以下の詳細な説明とともに添付の非限定的図面および実施例からもっともよく理解されるであろう。なお、図中、類似の参照符号は同様の構成要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1a】シリコンの異なる結晶相それぞれの吸収係数を示すグラフである。
図1b】シリコンの異なる結晶相それぞれの吸収係数を示すグラフである。
図1c】シリコンの異なる結晶相それぞれの吸収係数を示すグラフである。
図2】本発明の第1の実施形態に係る光電子素子の構造を示す概略図である。
図3】本発明の第2の実施形態に係る光電子素子の構造を示す概略図である。
図4】本発明に係る光電子素子の構造例を示す概略図である。
図5】本発明に係る光電子素子の他の構造例を示す概略図である。
図6】本発明に係る光電子素子のさらに他の構造例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
上記図面の構成要素は簡潔さ及び明瞭さのため図示されたものであり、必ずしも原寸通りに描かれているものではないということは、当業者にとって明らかであろう。例えば、本発明の実施形態を一層深く理解できるように、図中の一部の構成要素の寸法は、他の構成要素に比べて誇張的に示されている。
【0034】
本発明において、上記六方晶系結晶は、ピアソン記号hP4、または空間群P6/mmcに相当する。
【0035】
本発明の実施形態において、上記六方晶系結晶は、六方晶ダイヤモンド(ロンズデーライト)構造、または上記六方晶ダイヤモンド構造の変形であってよい。なお、本発明において、「変形」とは、上記六方晶ダイヤモンド構造の圧縮または伸長、あるいは上記六方晶ダイヤモンド構造の歪と解釈されるものであり、準安定性を維持しつつも、厳密には上記六方晶ダイヤモンド構造の六方対称を欠いたものである。上記構造に印加される応力とは、例えば、格子不整合を伴うエピタキシャル成長後または高温での成長後の熱膨張パラメータの差異によって、材料を接合することにより活性物質に印加される応力である。
【0036】
本発明の実施形態においては、上記炭素ファミリーより選択された上記元素は、炭素およびシリコンの少なくとも一方である。
【0037】
六方晶系シリコンは、当業者にとって既知である方法によって得ることができる。具体的な上記方法としては、以下の引用文献に記載されたものがあげられる。
【0038】
Fissel et al.、“Epitaxial growth of non-cubic silicon(非立方晶シリコンのエピタキシャル成長)”、Microelectronics Journal(マイクロエレクトロニクスジャーナル)36巻、 3〜6号 (3月号〜6月号)、P.506〜509、doi:10.1016/j.mejo.2005.02.064
Fissel et al.、“Formation of twinning-superlattice regions by artificial stacking of Si layers(Si層の人工積層による双晶超格子領域の形成)”、Journal of Crystal Growth(結晶成長ジャーナル)290巻、2号 (2006年5月1日)、P.392〜397、doi:10.1016/j.jcrysgro.2006.02.009
Jin Hyeok KimとJeong Yong Lee、“Hexagonal silicon formation by pulsed laser beam annealing(パルスレーザビームアニーリングによる六法晶系シリコンの形成)”、Materials Letters(材料誌)27巻、6号 (1996年8月)、P.275〜279、doi:10.1016/0167-577X(96)00019
Jin Hyeok KimとJeong Yong Lee、“High-resolution transmission electron microscopy study of pulsed laser beam crystallized Si thin film(パルスレーザビームによる結晶化Si薄膜の高分解透過電子顕微鏡による研究):the formation of hexagonal Si and defects(六方晶Siの形成及び欠陥)”、 固体薄膜292巻, 1〜2号 (1997年1月5日)、P.313〜317、 doi:10.1016/S0040-6090(96)09088-8
Yan Zhang et al.、“Stable hexagonal-wurtzite silicon phase by laser ablation(レーザアブレーションによる安定した六方晶-ウルツ鉱型シリコン相)”、応用物理学会誌 75巻、18号 (1999年11月1日)、P.2758〜2760、doi:10.1063/1.125140
結晶の双晶は、六方晶相を部分形成するための一方法でもある。 (A. Fissel et al.、“Formation of twinning-superlattice regions by artificial stacking of Si layers(Si層の人工積層による双晶超格子領域の形成)”、Journal of Crystal Growth(結晶成長ジャーナル)290巻、2号 (2006年5月1日)、P.392〜397、doi:10.1016/j.jcrysgro.2006.02.009.
上記炭素ファミリーの各元素の六方相は、熱力学的に安定な相とは違い、結晶学的パラメータを有しているため、適当な基板上でのエピタキシーや、あるいは適切な機械的歪をかけることによって、上記六方相を安定させることができる。成長が高温で行われた場合や、層が上記基板の熱膨張率とは異なる熱膨張率を有する場合にも、歪が生じる。また、プラズマイオンの運動エネルギーが層の歪を引き起こすと知られているスパッタリングなどの、成膜工程の詳細に起因して歪曲が引き起こされる。
【0039】
エピタキシーにおいては、一般的には臨界厚さが存在し、その臨界厚さは格子の不整合さに依存している。その臨界厚さを超えると、上記六方相は自発的に転位を生ずる。
【0040】
本発明の発明者は、六方晶系シリコンの光特性を求め、その光特性を他のシリコン結晶構造と比較することができた。
【0041】
図1aに、0.5eV〜3eVにおける、緩和状態の六方晶系シリコン10の吸収係数と押圧状態の六方晶系シリコン12の吸収係数とを示す。上記押圧状態の六方晶系シリコン12は、上記緩和状態の六方晶系シリコン10に、そのZ軸に垂直な面に圧力を印加しものである。
【0042】
また、図1aは、例えば上記Z軸に垂直な上記面に圧力をかけることで、六方結晶相の吸収係数が増大することを示す。
【0043】
図1bに、0.5eV〜3eVにおける、ダイヤモンド型結晶シリコン14の吸収係数と、水素化アモルファスシリコン16の吸収係数と、微結晶シリコン18の吸収係数とを示す。
【0044】
図1cに、0.5eV〜3eVにおける、異なる剪断方向の応力印加条件下での六方晶系シリコンの吸収係数を示す。上記剪断方向応力は、上記Z軸に垂直な上記面に平行に印加されたたものと、完全六方晶格子において上記Z軸に平行な基本ベクトルと上記Z軸との角度θ(度)で定義されるものである。
【0045】
図1cには、上記Z軸に垂直な上記面に平行に剪断方向応力を印加することで、上記六方結晶相の吸収係数が増大することが示されている。
【0046】
図1aと図1bに示されるように、1〜2eVにおける上記緩和状態の六方晶系シリコン10の吸収係数は、上記ダイヤモンド型結晶シリコン14の吸収係数と、上記水素化アモルファスシリコン16の吸収係数と、上記微結晶シリコン18の吸収係数と比較して少なくとも10倍以上高いものとなっている。
【0047】
図2に、本発明の一実施形態に係る光電子素子20を示す。上記光電子素子20は、第1の半導体コンタクト層22と、第2の半導体コンタクト層24と、上記第1の半導体コンタクト層22と上記第2の半導体コンタクト層24との間に設けられた活性層26とを備える。
【0048】
上記活性層26は、上記炭素ファミリーから選択された単一の元素あるいは複数の元素の合金の、六方晶系結晶のサブミクロンサイズ構造からなる。
【0049】
本発明の一実施形態によれば、上記活性層26の六方晶系結晶の上記サブマイロメータサイズ構造は、層構造である。例えば、上記六方晶系結晶のサブミクロンサイズ構造は、連続した六方晶系結晶の層とダイヤモンド型結晶層とを有する。
【0050】
本発明の一実施形態によれば、上記活性層26の上記六方晶系結晶のサブミクロンサイズ構造は、ドット構造である。例えば、上記六方晶系結晶のサブミクロンサイズ構造は、ダイヤモンド型結晶、水素化アモルファスシリコン、微結晶シリコン、またはそれらの混合体が形成するマトリクス状構造中に、複数のドット状の六方晶系結晶を有する構造として構成される。
【0051】
本発明の一実施形態によれば、上記活性層26の上記六方晶系結晶のサブミクロンサイズ構造は、フィラメント構造である。例えば、上記六方晶系結晶のサブミクロンサイズ構造は、ダイヤモンド型結晶、水素化アモルファスシリコン、微結晶シリコン、またはそれらの混合体が形成するマトリクス状構造中に、六方晶系結晶の複数のフィラメントを有する構造として構成される。
【0052】
本発明の一実施形態において、上記光電子素子は、太陽電池または光検出子であってよい。同様の一実施形態によれば、上記光電子素子は、上記第1の半導体コンタクト層22の電子親和力が上記活性層26の電子親和力よりも小さくなるように構成されている。さらに、本発明のそのような構成に係る上記光電子素子は、上記第2の半導体コンタクト層24のイオン化エネルギーが上記活性層26のイオン化エネルギーより大きくなるように構成されている。
【0053】
それゆえ、電子と正孔はより効率的に引き出されるという効果を奏する。
【0054】
本発明の一実施形態において、上記光電子素子は、例えばダイオード、LED、またはレーザなどの発光素子であってよい。同様の一実施形態によれば、上記光電子素子は、上記第1の半導体コンタクト層22の電子親和力が上記活性層26の電子親和力よりも大きくなるように構成されている。本発明のそのような構成に係る上記光電子素子は、さらに、上記第2の半導体コンタクト層24のイオン化エネルギーが上記活性層26のイオン化エネルギーより小さくなるように構成されている。
【0055】
それゆえ、電子と正孔はより効率的に引き出されるという効果を奏する。
【0056】
技術的優位性の理由から、図3に示すように、同一種の電荷担体を遮断するために、上記活性層と上記各半導体コンタクト層との間に、第1のブロッキング層27と第2のブロッキング層28とをそれぞれ設けることが好ましい。
【0057】
本発明の一実施形態において、上記第1のブロッキング層27は、上記活性層の電子親和力に略等しい電子親和力と、上記活性層のイオン化エネルギーより小さいイオン化エネルギーとを有していてもよい。一方、上記第2のブロッキング層28は、上記活性層の電子親和力より大きな電子親和力と、上記活性層のイオン化エネルギーに略等しいイオン化エネルギーとを有していてもよい。
【0058】
本発明の上記実施形態において、上記光電子素子は、太陽電池あるいは光検出子であってもよい。
【0059】
本発明の一実施形態において、上記第1のブロッキング層27は、上記第1の半導体コンタクト層22の電子親和力に略等しい電子親和力と、上記活性層26のイオン化エネルギーより小さいイオン化エネルギーとを有していてもよい。一方、上記第2のブロッキング層28は、上記活性層の電子親和力より大きな電子親和力と、上記第2の半導体コンタクト層24のイオン化エネルギーに略等しいイオン化エネルギーとを有していてもよい。
【0060】
上記第1のブロッキング層27の上記電子親和力は、上記第2のブロッキング層28の上記電子親和力より小さく、上記第1のブロッキング層27の上記イオン化エネルギーは、上記第2のブロッキング層28の上記イオン化エネルギーより小さい。
【0061】
本発明の上記実施形態において、上記光電子素子は、例えばダイオード、LED、またはレーザなどの発光素子であってよい。
【0062】
図4に、本発明に係る光検出子または太陽電池の構造20の一例を示す。上記構造20は、nドープ半導体層である第1の半導体コンタクト層22と、pドープ半導体層である第2の半導体コンタクト層24とを備える。上記構造20の活性層26は、六方晶系シリコンの安定化とエピタキシャル成長とに適合する構造パラメータを有する膜間に挟持された六方晶系シリコンの薄膜を含む。また、上記構造20は、非ドープのブロッキング層27と非ドープのブロッキング層28とを含む。
【0063】
図5に、本発明に係る光検出子または太陽電池の構造20の他の一例を示す。上記構造20は、nドープ半導体層である第1の半導体コンタクト層22と、pドープ半導体層である第2の半導体コンタクト層24とを含む。上記構造20の活性層26は、六方晶系シリコンの安定化とエピタキシャル成長とに適合する構造バラメータを有する、マトリクス状に成長した六方晶系シリコンのフィラメントを含む。また、上記構造20は、非ドープのブロッキング層27と非ドープのブロッキング層28とを含む。
【0064】
図6は、本発明に係るLEDの構造20の一例を示す。上記構造20は、nドープ半導体層である第1の半導体コンタクト層22と、pドープ半導体層である第2の半導体コンタクト層24とを含む。上記構造20の活性層26は、六方晶系シリコン粒子を含有する。上記構造20はさらに、非ドープのブロッキング層27と非ドープのブロッキング層28とを含む。上記活性層26のバンドギャップは、上記第1の半導体コンタクト層22、上記第2の半導体コンタクト層24、非ドープの上記ブロッキング層27および28のいずれのバンドギャップよりも小さい。上記第1の半導体コンタクト層22と、上記第2の半導体コンタクト層24と、非ドープの上記ブロッキング層27および28とはそれぞれ、水素化アモルファスシリコンから構成されていてもよい。上記第1の半導体コンタクト層22と上記第2の半導体コンタクト層24とは、上記六方晶系シリコンの微小空間中で捕捉され、再結合されて放射性を有するようになる多数のキャリアを注入するために用いられる。
【0065】
なお、実施形態を参照してなされた本発明の上記説明は、本発明の一般的な発明の概念を限定するものではない。
図1a
図1b
図1c
図2
図3
図4
図5
図6