(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5694550
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】ディスプレイ一体型光加速度計
(51)【国際特許分類】
G01P 15/093 20060101AFI20150312BHJP
G01P 15/08 20060101ALI20150312BHJP
【FI】
G01P15/093
G01P15/08 101B
【請求項の数】24
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2013-537734(P2013-537734)
(86)(22)【出願日】2011年10月28日
(65)【公表番号】特表2013-545977(P2013-545977A)
(43)【公表日】2013年12月26日
(86)【国際出願番号】US2011058413
(87)【国際公開番号】WO2012061250
(87)【国際公開日】20120510
【審査請求日】2013年6月11日
(31)【優先権主張番号】12/939,966
(32)【優先日】2010年11月4日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】506109856
【氏名又は名称】クゥアルコム・メムス・テクノロジーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM MEMS Technologies, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(72)【発明者】
【氏名】マーティン、ラッセル・エー.
(72)【発明者】
【氏名】カトゥハリ、マニッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ゴーセブ、エブゲニ・ピー.
【審査官】
森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−107104(JP,A)
【文献】
特許第3173208(JP,B2)
【文献】
特公平3−24989(JP,B2)
【文献】
特開昭61−88164(JP,A)
【文献】
特開昭63−201504(JP,A)
【文献】
実開昭63−150376(JP,U)
【文献】
特開平9−5353(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01P 15/093
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を放出するように構成された光源と、
基板と、
前記基板の第1の面に取り付けられ、前記基板を通して前記光源から放出された前記光の向きを変えるように構成された光ガイドと、
光検出器に入射した光の特性を判断するように構成された光検出器と、
1つまたは複数のばねを介して前記基板の第2の面に取り付けられたプルーフマスであって、前記第2の面が前記第1の面の反対側にあり、前記プルーフマスの動きが、前記光源から放出された前記光を少なくとも部分的に遮り、それにより光検出器によって判断された前記光の前記特性を改変するように構成された、プルーフマスと、を備え、前記光の前記特性は、前記光の強度、偏光、および波長のうちの少なくとも1つを含む、加速度計。
【請求項2】
前記判断された特性に基づいて加速度を判断するように構成されたプロセッサをさらに備える、請求項1に記載の加速度計。
【請求項3】
光を放出するように構成された光源と、
基板と、
前記基板の第1の面に取り付けられ、前記基板を通して前記光源から放出された前記光の向きを変えるように構成された光ガイドと、
光検出器に入射した光の特性を判断するように構成された光検出器と、
1つまたは複数のばねを介して前記基板の第2の面に取り付けられたプルーフマスであって、前記第2の面が前記第1の面の反対側にあり、前記プルーフマスの動きが、前記光源から放出された前記光に干渉し、それにより光検出器によって検出された前記光の前記特性を改変するように構成された、プルーフマスと、を備え、
前記光ガイドの反対側の前記基板に堆積され、前記基板を通して光の向きを変えて光を返すように構成された裏面光ガイドをさらに備える、加速度計。
【請求項4】
前記光源は、発光ダイオード、白熱電球、冷陰極蛍光ランプ、または熱陰極蛍光ランプのうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の加速度計。
【請求項5】
前記光ガイドは、前記基板のエッチングされた部分を備える、請求項1に記載の加速度計。
【請求項6】
前記基板が少なくとも部分的に透明である、請求項1に記載の加速度計。
【請求項7】
前記光が前記基板の透明なビアを通して向きが変えられる、請求項1に記載の加速度計。
【請求項8】
前記プルーフマスが少なくとも部分的に不透明であるか、または部分反射性である、請求項1に記載の加速度計。
【請求項9】
前記1つまたは複数のばねが、異なるばね定数をもつ2つのばねを備える、請求項1に記載の加速度計。
【請求項10】
前記基板がガラスを備える、請求項1に記載の加速度計。
【請求項11】
加速度を判断する方法であって、前記方法が、
透明な基板を通してプルーフマスのほうへ光を向けることであって、前記プルーフマスの動きは、前記光を少なくとも部分的に遮るように構成される、光を向けることと、
光ガイドを用いて、前記透明な基盤を通して前記光を返すことと、
前記光の特性に基づいて加速度を判断することとを備え、前記光の特性は、前記光の強度、偏光、および波長のうちの少なくとも1つを含む、方法。
【請求項12】
前記光ガイドは、前記透明な基板の一部を選択的にエッチングすることによって形成される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記プルーフマスの動きが前記光の前記特性を改変する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記光を生成することをさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記光の前記特性を判断することをさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
ディスプレイデバイスを製造する方法であって、前記方法が、
基板を設けることと、
前記基板の近傍に光源と光検出器とを配置することと、
前記基板の第1の面上に光ガイドを堆積またはエッチングすることであって、前記光ガイドが、前記基板を通して前記光源からの光の向きを変えるように構成された、堆積またはエッチングすることと、
1つまたは複数のばねを介して前記基板の第2の面に取り付けられたプルーフマスを形成することであって、前記第2の面が前記第1の面の反対側にあり、前記プルーフマスの動きが、前記光検出器に到達する前記光源からの前記光の特性を改変する、形成することとを備え、前記プルーフマスは、前記光を少なくとも部分的に遮るように構成され、前記光の前記特性は、前記光の強度、偏光、および波長のうちの1つを含む、方法。
【請求項17】
前記光検出器に到達する前記光の前記特性に基づいて加速度を判断するようにプロセッサを構成することをさらに備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記基板の第2の面に取り付けられたプルーフマスを形成することが、前記1つまたは複数のばねを形成することを備える、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記基板の第2の面に取り付けられたプルーフマスを形成することが、エッチング、堆積、またはリソグラフィを備える、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記基板の第2の面に取り付けられたプルーフマスを形成することが、事前成形されたプルーフマスを前記基板の第2の面に取り付けることを備える、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
異なるばね定数をもつ少なくとも2つのばねを介して支持体に取り付けられた光学要素であって、前記光学要素の動きは、光を少なくとも部分的に遮るように構成される、光学要素と、
前記光の強度を判断するように構成された光検出器とを備える、加速度計。
【請求項22】
前記判断された強度に基づいて加速度を判断するように構成されたプロセッサをさらに備える、請求項21に記載の加速度計。
【請求項23】
前記少なくとも2つのばねが、前記光学要素の反対側に取り付けられた、異なるばね定数をもつ少なくとも2つのばねを含む、請求項21に記載の加速度計。
【請求項24】
前記光学要素は、少なくとも部分的に不透明であるか、または部分反射性である、請求項21に記載の加速度計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ディスプレイおよび加速度計に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
電気機械システムは、電気的および機械的要素と、アクチュエータと、トランスデューサと、センサーと、光学的構成要素(たとえば、ミラー)と、電子回路とを有するデバイスを含む。電気機械システムは、限定はしないが、マイクロスケールおよびナノスケールを含む、様々なスケールで製造され得る。たとえば、マイクロ電気機械システム(MEMS:microelectromechanical system)デバイスは、約1ミクロンから数百ミクロン以上に及ぶサイズを有する構造を含むことができる。ナノ電気機械システム(NEMS:nanoelectromechanical system)デバイスは、たとえば、数百ナノメートルよりも小さいサイズを含む、1ミクロンよりも小さいサイズを有する構造を含むことができる。電気および電気機械デバイスを形成するために、堆積、エッチング、リソグラフィを使用して、ならびに/あるいは、基板および/または堆積された材料層の部分をエッチング除去するかまたは層を追加する、他の微細加工プロセスを使用して、電気機械要素が作成され得る。
【0003】
1つのタイプの電気機械システムデバイスは干渉変調器(IMOD)と呼ばれる。本明細書で使用する干渉変調器または干渉光変調器という用語は、光学干渉の原理を使用して光を選択的に吸収および/または反射するデバイスを指す。いくつかの実装形態では、干渉変調器は伝導性プレートのペアを含み得、そのペアの一方または両方は、全体的にまたは部分的に、透明でおよび/または反射性であり、適切な電気信号の印加時の相対運動が可能であり得る。一実装形態では、一方のプレートは、基板上に堆積された固定層を含み得、他方のプレートは、エアギャップによって固定層から分離された金属膜を含み得る。別のプレートに対するあるプレートの位置は、干渉変調器に入射する光の光学干渉を変化させることがある。干渉変調器デバイスは、広範囲の適用例を有しており、特にディスプレイ能力がある製品の場合、既存の製品を改善し、新しい製品を作成する際に使用されることが予期される。
【発明の概要】
【0004】
本開示のシステム、方法、およびデバイスは、それぞれいくつかの発明的態様を有し、それらのうちの単一の態様が、単独で、本明細書で開示する望ましい属性を担当するわけではない。
【0005】
本開示において説明する主題の1つの発明的態様は、光源と、基板と、基板の第1の面に取り付けられ、基板を通して光源からの光の向きを変えるように構成された光ガイドとを含む加速度計において実装され得る。加速度計はまた、光検出器と、1つまたは複数のばねを介して基板の第2の面に取り付けられたプルーフマスとを含み、第2の面は第1の面の反対側にあり、プルーフマスの動きは、光検出器に到達する光源からの光の特性を改変する。
【0006】
いくつかの実装形態では、加速度計は、光検出器に到達する光の特性に基づいて加速度を判断するように構成されたプロセッサを含むことができる。いくつかの実装形態では、加速度計は、光ガイドの反対側の基板に堆積され、基板を通して光の向きを変えて光を返すように構成され得る裏面光ガイドを含むことができる。いくつかの実装形態では、光の特性は光の強度であり得る。いくつかの他の実装形態では、光の特性は偏光または波長であり得る。いくつかの実装形態では、1つまたは複数のばねは、異なるばね定数をもつ2つのばねを含むことができる。
【0007】
別の態様では、加速度を判断する方法は、基板を通して光をプルーフマスのほうへ向けることと、光の特性に基づいて加速度を判断することとを含む。
【0008】
いくつかの実装形態では、光の特性は光の強度であり得る。いくつかの他の実装形態では、光の特性は偏光または波長であり得る。いくつかの実装形態では、プルーフマスの動きが光の特性を改変することができる。いくつかの実装形態では、光の特性は、たとえば、検出器によって判断され得る。
【0009】
別の態様では、加速度計は、基板を通して光をプルーフマスのほうへ向けるための手段と、光の特性に基づいて加速度を判断するための手段とを含む。
【0010】
いくつかの実装形態では、加速度計はまた、光を生成するための手段と、光の特性を判断するための手段とを含むことができる。いくつかの実装形態では、光を生成するための手段は光源を含むことができ、光を向けるための手段は光ガイドを含むことができ、特性を判断するための手段は光検出器を含むことができ、加速度を判断するための手段はプロセッサを含むことができる。
【0011】
別の態様では、ディスプレイデバイスを製造する方法は、基板を設けることと、基板の近傍に光源と光検出器とを配置することと、基板の第1の面上に光ガイドを堆積またはエッチングすることであって、光ガイドが、基板を通して光源からの光の向きを変えるように構成された、堆積またはエッチングすることと、1つまたは複数のばねを介して基板の第2の面に取り付けられたプルーフマスを形成することであって、第2の面が第1の面の反対側にあり、プルーフマスの動きが、光検出器に到達する光源からの光の特性を改変する、形成することとを含む。
【0012】
いくつかの実装形態では、本方法は、光検出器に達する光の特性に基づいて加速度を判断するようにプロセッサを構成することを含むことができる。いくつかの実装形態では、基板の第2の面に取り付けられたプルーフマスを形成することは、エッチング、堆積、またはリソグラフィを含むことができる。
【0013】
別の態様では、加速度計は、異なるばね定数をもつ少なくとも2つのばねを介して支持体に取り付けられ、光を生成または反射するように構成された光学要素と、光の強度を判断するように構成された光検出器とを含む。
【0014】
いくつかの実装形態では、加速度計は、判断された強度に基づいて加速度を判断するように構成されたプロセッサを含む。
【0015】
いくつかの実装形態では、光学要素は光源を含むことができる。いくつかの他の実装形態では、光学要素はミラーを含むことができる。いくつかの実装形態では、少なくとも2つのばねは、光学要素の反対側に取り付けられた、異なるばね定数をもつ少なくとも2つのばねを含む。
【0016】
本明細書で説明する主題の1つまたは複数の実装形態の詳細が、添付の図面および以下の説明において示されている。他の特徴、態様、および利点は、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。以下の図の相対寸法は一定の縮尺で描かれていないことがあることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】干渉変調器(IMOD)ディスプレイデバイスの一連のピクセル中の2つの隣接ピクセルを示す等角図の一例を示す図。
【
図2】3×3干渉変調器ディスプレイを組み込んだ電子デバイスを示すシステムブロック図の一例を示す図。
【
図3A】
図1の干渉変調器についての可動反射層位置対印加電圧を示す図の一例を示す図。
【
図3B】様々なコモン電圧およびセグメント電圧が印加されたときの干渉変調器の様々な状態を示す表の一例を示す図。
【
図4A】
図2の3×3干渉変調器ディスプレイにおけるディスプレイデータのフレームを示す図の一例を示す図。
【
図4B】
図4Aに示すディスプレイデータのフレームを書き込むために使用され得るコモン信号およびセグメント信号についてのタイミング図の一例を示す図。
【
図5A】
図1の干渉変調器ディスプレイの部分断面図の一例を示す図。
【
図5B】干渉変調器の異なる実装形態の断面図の例を示す図。
【
図5C】干渉変調器の異なる実装形態の断面図の例を示す図。
【
図5D】干渉変調器の異なる実装形態の断面図の例を示す図。
【
図5E】干渉変調器の異なる実装形態の断面図の例を示す図。
【
図6】干渉変調器のための製造プロセスを示す流れ図の一例を示す図。
【
図7A】干渉変調器を製作する方法における様々な段階の断面概略図の例を示す図。
【
図7B】干渉変調器を製作する方法における様々な段階の断面概略図の例を示す図。
【
図7C】干渉変調器を製作する方法における様々な段階の断面概略図の例を示す図。
【
図7D】干渉変調器を製作する方法における様々な段階の断面概略図の例を示す図。
【
図7E】干渉変調器を製作する方法における様々な段階の断面概略図の例を示す図。
【
図8】ディスプレイの一部分の断面図を示す、電子デバイスの例の機能ブロック図。
【
図9A】ディスプレイの一部分の断面図を示す、電子デバイスの例の機能ブロック図。
【
図10】加速度計の平面図を示す、電子デバイスの例の機能ブロック図。
【
図11】加速度計の平面図を示す、電子デバイスの例の機能ブロック図。
【
図12】加速度を判断する方法を示すフローチャートの一例を示す図。
【
図13】ディスプレイデバイスを製造する方法を示すフローチャートの一例を示す図。
【
図14A】複数の干渉変調器を含むディスプレイデバイスを示すシステムブロック図の例を示す図。
【
図14B】複数の干渉変調器を含むディスプレイデバイスを示すシステムブロック図の例を示す図。
【0018】
様々な図面中の同様の参照番号および名称は、同様の要素を示す。
【0019】
以下の詳細な説明は、発明的態様について説明する目的で、いくつかの実装形態を対象とする。しかしながら、本明細書の教示は、多数の異なる方法で適用され得る。説明する実装形態は、動いていようと(たとえば、ビデオ)、静止していようと(たとえば、静止画像)、およびテキストであろうと、グラフィックであろうと、絵であろうと、画像を表示するように構成された任意のデバイスにおいて実装され得る。より詳細には、実装形態は、限定はしないが、携帯電話、マルチメディアインターネット対応セルラー電話、モバイルテレビジョン受信機、ワイヤレスデバイス、スマートフォン、Bluetooth(登録商標)デバイス、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス電子メール受信機、ハンドヘルドまたはポータブルコンピュータ、ネットブック、ノートブック、スマートブック、プリンタ、コピー機、スキャナ、ファクシミリデバイス、GPS受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲーム機、腕時計、クロック、計算器、テレビジョンモニタ、フラットパネルディスプレイ、電子リーディングデバイス(たとえば、電子リーダー)、コンピュータモニタ、自動車ディスプレイ(たとえば、オドメータディスプレイなど)、コックピットコントロールおよび/またはディスプレイ、カメラビューディスプレイ(たとえば、車両における後部ビューカメラのディスプレイ)、電子写真、電子ビルボードまたは標示、プロジェクタ、アーキテクチャ構造物、電子レンジ、冷蔵庫、ステレオシステム、カセットレコーダーまたはプレーヤ、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、VCR、ラジオ、ポータブルメモリチップ、洗濯機、乾燥機、洗濯機/乾燥機、パーキングメータ、パッケージング(たとえば、MEMSおよび非MEMS)、審美構造物(たとえば、1つの宝飾品上の画像のディスプレイ)、ならびに様々な電気機械システムデバイスなど、様々な電子デバイス中に実装されるかまたはそれらに関連付けら得ると考えられる。また、本明細書の教示は、限定はしないが、電子スイッチングデバイス、無線周波フィルタ、センサー、加速度計、ジャイロスコープ、動き感知デバイス、磁力計、コンシューマーエレクトロニクスのための慣性構成要素、コンシューマーエレクトロニクス製品の部品、バラクタ、液晶デバイス、電気泳動デバイス、駆動方式、製造プロセス、電子テスト機器など、非ディスプレイ適用例において使用され得る。したがって、本教示は、単に図に示す実装形態に限定されるものではなく、代わりに、当業者に直ちに明らかになるであろう広い適用性を有する。
【0020】
干渉変調器(IMOD)のアレイは、情報を表示するための電子デバイスのスクリーンとして使用され得る。IMODは、IMOD自体の光を生成しないが、むしろ入射光を反射するか、送信するか、または吸収するという点で鏡面ディスプレイ要素である。したがって、電子デバイスは、うす暗い状態および/または暗い状態でIMODアレイを照明する照明システムを含むことができる。照明システムは、光源と、ミラーおよびレンズを含み、IMODアレイに光源からの光の向きを変える1つまたは複数の光リダイレクタとを含むことができる。
【0021】
電子デバイスはまた、タッチスクリーン機能を与えるように、光学タッチ検出システムの一部として、光源と光検出器とを含むことができる。光学タッチ検出システムは、光源と、ディスプレイの閲覧表面に沿って光を誘導する光ガイドと、光がディスプレイにわたって伝搬したのか、または、たとえば、ユーザのタッチによって遮られたのかを検出する光検出器とを含むことができる。
【0022】
電子デバイスはまた、加速度計を含み得る。たとえば、加速度計は、たとえば、ユーザが、それを移動することによって電子デバイスを制御することを可能にする入力デバイスとして使用され得る。概して、加速度計は、プルーフマスの動きを検出することによって加速度を判断するように機能する。いくつかの実装形態では、プルーフマスはディスプレイの閲覧表面の反対側に配置され、プルーフマスの動きは光学的に検出される。光学タッチ検出システムの光源および光検出器は、プルーフマスの動きを判断するために使用され得る。したがって、ディスプレイの閲覧表面にわたって光源から伝搬する光は、ディスプレイを通してプルーフマスに向きが変えられ、ディスプレイを通して閲覧表面に向きを変えられて返され得、閲覧表面では、光は(たとえば、ユーザによって遮られない限り)ディスプレイの残りにわたって伝搬する。
【0023】
本開示で説明する主題の特定の実装形態は、以下の潜在的な利点のうちの1つまたは複数を実現するように実装され得る。いくつかの実装形態では、電子デバイスの光学タッチ検出システムの光源および光検出器は、加速度計の一部としてさらに使用され得る。これにより電子デバイス中で必要とされる部品の数を減らし、それにより重量とコストとを減らすことができる。たとえば、プルーフマスまたは光変向フィルムを含む加速度計の構造は、以下で説明するように、たとえば、エッチング、堆積、またはリソグラフィを使用してディスプレイデバイスの他の部品と同時に製造され得る。これにより、デバイスを製作するために必要な製造ステップの数を減らし、それにより、時間とコストとを減らすことができる。
【0024】
説明する実装形態が適用され得る好適なMEMSデバイスの一例は反射型ディスプレイデバイスである。反射型ディスプレイデバイスは、光学干渉の原理を使用してそれに入射する光を選択的に吸収および/または反射するために干渉変調器(IMOD)を組み込むことができる。IMODは、吸収器、吸収器に対して可動である反射体、ならびに吸収器と反射体との間に画定された光共振キャビティを含むことができる。反射体は、2つ以上の異なる位置に移動され得、これは、光共振キャビティのサイズを変化させ、それにより干渉変調器の反射率に影響を及ぼすことがある。IMODの反射スペクトルは、かなり広いスペクトルバンドをもたらすことができ、そのスペクトルバンドは、異なる色を生成するために可視波長にわたってシフトされ得る。スペクトルバンドの位置は、光共振キャビティの厚さを変更することによって、すなわち、反射体の位置を変更することによって調整され得る。
【0025】
図1は、干渉変調器(IMOD)ディスプレイデバイスの一連のピクセル中の2つの隣接ピクセルを示す等角図の一例を示している。IMODディスプレイデバイスは、1つまたは複数の干渉MEMSディスプレイ要素を含む。これらのデバイスでは、MEMSディスプレイ要素のピクセルが、明状態または暗状態のいずれかにあることがある。明(「緩和」、「開」または「オン」)状態では、ディスプレイ要素は、たとえば、ユーザに、入射可視光の大部分を反射する。逆に、暗(「作動」、「閉」または「オフ」)状態では、ディスプレイ要素は入射可視光をほとんど反射しない。いくつかの実装形態では、オン状態の光反射特性とオフ状態の光反射特性は逆にされ得る。MEMSピクセルは、黒および白に加えて、主に、カラーディスプレイを可能にする特定の波長において、反射するように構成され得る。
【0026】
IMODディスプレイデバイスは、IMODの行/列アレイを含むことができる。各IMODは、(光ギャップまたはキャビティとも呼ばれる)エアギャップを形成するように互いから可変で制御可能な距離をおいて配置された反射層のペア、すなわち、可動反射層と固定部分反射層とを含むことができる。可動反射層は少なくとも2つの位置の間で移動され得る。第1の位置、すなわち、緩和位置では、可動反射層は、固定部分反射層から比較的大きい距離をおいて配置され得る。第2の位置、すなわち、作動位置では、可動反射層は、部分反射層により近接して配置され得る。それら2つの層から反射する入射光は、可動反射層の位置に応じて、強め合うようにまたは弱め合うように干渉し、各ピクセルについて全反射状態または無反射状態のいずれかを引き起こすことがある。いくつかの実装形態では、IMODは、作動していないときに反射状態にあり、可視スペクトル内の光を反射し得、また、
作動しているときに暗状態にあり、可視範囲外の光(たとえば、赤外光)を反射し得る。ただし、いくつかの他の実装形態では、IMODは、作動していないときに暗状態にあり、作動しているときに反射状態にあり得る。いくつかの実装形態では、印加電圧の導入が、状態を変更するようにピクセルを駆動することができる。いくつかの他の実装形態では、印加電荷が、状態を変更するようにピクセルを駆動することができる。
【0027】
図1中のピクセルアレイの図示の部分は、2つの隣接する干渉変調器12を含む。(図示のような)左側のIMOD12では、可動反射層14が、部分反射層を含む光学スタック16からの所定の距離における緩和位置に示されている。左側のIMOD12の両端間に印加された電圧V
0は、可動反射層14の作動を引き起こすには不十分である。右側のIMOD12では、可動反射層14は、光学スタック16の近くの、またはそれに隣接する作動位置に示されている。右側のIMOD12の両端間に印加された電圧V
biasは、可動反射層14を作動位置に維持するのに十分である。
【0028】
図1では、ピクセル12の反射特性が、概して、ピクセル12に入射する光を示す矢印13と、左側のピクセル12から反射する光15とを用いて示されている。詳細に示していないが、ピクセル12に入射する光13の大部分は透明基板20を透過され、光学スタック16に向かうことになることを、当業者なら理解されよう。光学スタック16に入射する光の一部分は光学スタック16の部分反射層を透過されることになり、一部分は反射され、透明基板20を通って戻ることになる。光学スタック16を透過された光13の部分は、可動反射層14において反射され、透明基板20に向かって(およびそれを通って)戻ることになる。光学スタック16の部分反射層から反射された光と可動反射層14から反射された光との間の(強め合うまたは弱め合う)干渉が、ピクセル12から反射される光15の(1つまたは複数の)波長を決定することになる。
【0029】
光学スタック16は、単一の層またはいくつかの層を含むことができる。その(1つまたは複数の)層は、電極層と、部分反射および部分透過層と、透明な誘電体層とのうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実装形態では、光学スタック16は、電気伝導性であり、部分的に透明で、部分的に反射性であり、たとえば、透明基板20上に上記の層のうちの1つまたは複数を堆積させることによって、作製され得る。電極層は、様々な金属、たとえば酸化インジウムスズ(ITO)など、様々な材料から形成され得る。部分反射層は、様々な金属、たとえば、クロム(Cr)、半導体、および誘電体など、部分的に反射性である様々な材料から形成され得る。部分反射層は、材料の1つまたは複数の層から形成され得、それらの層の各々は、単一の材料または材料の組合せから形成され得る。いくつかの実装形態では、光学スタック16は、光吸収器と導体の両方として働く、金属または半導体の単一の半透明の膜(thickness)を含むことができるが、(たとえば、光学スタック16の、またはIMODの他の構造の)異なる、より伝導性の高い層または部分が、IMODピクセル間で信号をバスで運ぶ(bus)ように働くことができる。光学スタック16は、1つまたは複数の伝導性層または伝導性/吸収層をカバーする、1つまたは複数の絶縁層または誘電体層をも含むことができる。
【0030】
いくつかの実装形態では、光学スタック16の(1つまたは複数の)層は、以下でさらに説明するように、平行ストリップにパターニングされ得、ディスプレイデバイスにおける行電極を形成し得る。当業者によって理解されるように、「パターニング」という用語は、本明細書では、マスキングプロセスならびにエッチングプロセスを指すために使用される。いくつかの実装形態では、アルミニウム(Al)などの高伝導性および反射性材料が可動反射層14のために使用され得、これらのストリップはディスプレイデバイスにおける列電極を形成し得る。可動反射層14は、(光学スタック16の行電極に直交する)1つまたは複数の堆積された金属層の一連の平行ストリップとして形成されて、柱18の上に堆積された列と柱18間に堆積された介在する犠牲材料とを形成し得る。犠牲材料がエッチング除去されると、画定されたギャップ19または光キャビティが可動反射層14と光学スタック16との間に形成され得る。いくつかの実装形態では、柱18間の間隔は1〜1000μm程度であり得、ギャップ19は<10,000オングストローム(Å)程度であり得る。
【0031】
いくつかの実装形態では、IMODの各ピクセルは、作動状態にあろうと緩和状態にあろうと、本質的に、固定反射層および可動反射層によって形成されるキャパシタである。電圧が印加されないとき、可動反射層
14は、
図1中の左側のピクセル12によって示されるように、機械的に緩和した状態にとどまり、可動反射層14と光学スタック16との間のギャップ19がある。しかしながら、電位差、たとえば、電圧が、選択された行および列のうちの少なくとも1つに印加されたとき、対応するピクセルにおける行電極と列電極との交差部に形成されたキャパシタは帯電し、静電力がそれらの電極を引き合わせる。印加された電圧がしきい値を超える場合、可動反射層14は、変形し、光学スタック16の近くにまたはそれに対して移動することができる。光学スタック16内の誘電体層(図示せず)が、
図1中の右側の作動ピクセル12によって示されるように、短絡を防ぎ、層14と層16との間の分離距離を制御し得る。その挙動は、印加電位差の極性にかかわらず同じである。いくつかの事例ではアレイ中の一連のピクセルが「行」または「列」と呼ばれることがあるが、ある方向を「行」と呼び、別の方向を「列」と呼ぶことは恣意的であることを、当業者は容易に理解されよう。言い換えれば、いくつかの配向では、行は列と見なされ得、列は行であると見なされ得る。さらに、ディスプレイ要素は、直交する行および列に一様に配置されるか(「アレイ」)、または、たとえば、互いに対して一定の位置オフセットを有する、非線形構成で配置され得る(「モザイク」)。「アレイ」および「モザイク」という用語は、いずれかの構成を指し得る。したがって、ディスプレイは、「アレイ」または「モザイク」を含むものとして言及されるが、その要素自体は、いかなる事例においても、互いに直交して配置される必要がなく、または一様な分布で配設される必要がなく、非対称形状および不均等に分布された要素を有する配置を含み得る。
【0032】
図2は、3×3干渉変調器ディスプレイを組み込んだ電子デバイスを示すシステムブロック図の一例を示している。電子デバイスは、1つまたは複数のソフトウェアモジュールを実行するように構成され得るプロセッサ21を含む。オペレーティングシステムを実行することに加えて、プロセッサ21は、ウェブブラウザ、電話アプリケーション、電子メールプログラム、または他のソフトウェアアプリケーションを含む、1つまたは複数のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成され得る。
【0033】
プロセッサ21は、アレイドライバ22と通信するように構成され得る。アレイドライバ22は、たとえば、ディスプレイアレイまたはパネル30に、信号を与える行ドライバ回路24と列ドライバ回路26とを含むことができる。
図2には、
図1に示したIMODディスプレイデバイスの断面が線1−1によって示されている。
図2は明快のためにIMODの3×3アレイを示しているが、ディスプレイアレイ30は、極めて多数のIMODを含んでいることがあり、列におけるIMODの数とは異なる数のIMODを行において有し得、その逆も同様である。
【0034】
図3Aは、
図1の干渉変調器についての可動反射層位置対印加電圧を示す図の一例を示している。MEMS干渉変調器の場合、行/列(すなわち、コモン/セグメント)書込みプロシージャが、
図3Aに示すこれらのデバイスのヒステリシス特性(hysteresis property)を利用し得る。干渉変調器は、可動反射層またはミラーに緩和状態から作動状態に変更させるために、たとえば、約10ボルトの電位差を必要とし得る。電圧がその値から低減されると、電圧が低下して、たとえば、10ボルトより下に戻ったとき、可動反射層はそれの状態を維持するが、電圧が2ボルトより下に低下するまで、可動反射層は完全には緩和しない。したがって、
図3Aに示すように、印加電圧のウィンドウがある電圧の範囲、約3〜7ボルトが存在し、そのウィンドウ内でデバイスは緩和状態または作動状態のいずれかで安定している。これは、本明細書では「ヒステリシスウィンドウ」または「安定性ウィンドウ」と呼ばれる。
図3Aのヒステリシス特性(hysteresis characteristics)を有するディスプレイアレイ30の場合、行/列書込みプロシージャは、一度に1つまたは複数の行をアドレス指定するように設計され得、その結果、所与の行のアドレス指定中に、作動されるべきアドレス指定された行におけるピクセルは、約10ボルトの電圧差にさらされ、緩和されるべきピクセルは、ほぼ0ボルトの電圧差にさらされる。アドレス指定後に、それらのピクセルは、それらが前のストローブ状態にとどまるように、約5ボルトの定常状態またはバイアス電圧差にさらされる。この例では、アドレス指定された後に、各ピクセルは、約3〜7ボルトの「安定性ウィンドウ」内の電位差を経験する。このヒステリシス特性の特徴は、たとえば、
図1に示した、ピクセル設計が、同じ印加電圧条件下で作動または緩和のいずれかの既存の状態で安定したままであることを可能にする。各IMODピクセルは、作動状態にあろうと緩和状態にあろうと、本質的に、固定反射層および可動反射層によって形成されるキャパシタであるので、この安定状態は、電力を実質的に消費するかまたは失うことなしに、ヒステリシスウィンドウ内の定常電圧において保持され得る。その上、印加電圧電位が実質的に固定のままである場合、電流は本質的にほとんどまたはまったくIMODピクセルに流れ込まない。
【0035】
いくつかの実装形態では、所与の行におけるピクセルの状態の所望の変化(もしあれば)に従って、列電極のセットに沿って「セグメント」電圧の形態のデータ信号を印加することによって、画像のフレームが作成され得る。次に、フレームが一度に1行書き込まれるように、アレイの各行がアドレス指定され得る。第1の行におけるピクセルに所望のデータを書き込むために、第1の行におけるピクセルの所望の状態に対応するセグメント電圧が列電極上に印加され得、特定の「コモン」電圧または信号の形態の第1の行パルスが第1の行電極に印加され得る。次いで、セグメント電圧のセットは、第2の行におけるピクセルの状態の所望の変化(もしあれば)に対応するように変更され得、第2のコモン電圧が第2の行電極に印加され得る。いくつかの実装形態では、第1の行におけるピクセルは、列電極に沿って印加されたセグメント電圧の変化による影響を受けず、第1のコモン電圧行パルス中にそれらのピクセルが設定された状態にとどまる。このプロセスは、画像フレームを生成するために、一連の行全体、または代替的に、一連の列全体について、連続方式で繰り返され得る。フレームは、何らかの所望の数のフレーム毎秒でこのプロセスを断続的に反復することによって、新しい画像データでリフレッシュおよび/または更新され得る。
【0036】
各ピクセルの両端間に印加されるセグメント信号とコモン信号の組合せ(すなわち、各ピクセルの両端間の電位差)は、各ピクセルの得られる状態を決定する。
図3Bは、様々なコモン電圧およびセグメント電圧が印加されたときの干渉変調器の様々な状態を示す表の一例を示している。当業者によって容易に理解されるように、「セグメント」電圧は、列電極または行電極のいずれかに印加され得、「コモン」電圧は、列電極または行電極のうちの他方に印加され得る。
【0037】
図3Bに(ならびに
図4Bに示すタイミング図に)示すように、開放電圧VC
RELがコモンラインに沿って印加されたとき、コモンラインに沿ったすべての干渉変調器要素は、セグメントラインに沿って印加された電圧、すなわち、高いセグメント電圧VS
Hおよび低いセグメント電圧VS
Lにかかわらず、代替的に開放または非作動状態と呼ばれる、緩和状態に入れられることになる。特に、開放電圧VC
RELがコモンラインに沿って印加されると、そのピクセルのための対応するセグメントラインに沿って高いセグメント電圧VS
Hが印加されたときも、低いセグメント電圧VS
Lが印加されたときも、変調器の両端間の潜在的な電圧(代替的にピクセル電圧と呼ばれる)は緩和ウィンドウ(
図3A参照。開放ウィンドウとも呼ばれる)内にある。
【0038】
高い保持電圧VC
HOLD Hまたは低い保持電圧VC
HOLD Lなどの保持電圧がコモンライン上に印加されたとき、干渉変調器の状態は一定のままであることになる。たとえば、緩和IMODは緩和位置にとどまることになり、作動IMODは作動位置にとどまることになる。保持電圧は、対応するセグメントラインに沿って高いセグメント電圧VS
Hが印加されたときも、低いセグメント電圧VS
Lが印加されたときも、ピクセル電圧が安定性ウィンドウ内にとどまることになるように、選択され得る。したがって、セグメント電圧スイング(voltage swing)、すなわち、高いVS
Hと低いセグメント電圧VS
Lとの間の差は、正または負のいずれかの安定性ウィンドウの幅よりも小さい。
【0039】
高いアドレス指定電圧VC
ADD Hまたは低いアドレス指定電圧VC
ADD Lなどのアドレス指定または作動電圧がコモンライン上に印加されたとき、それぞれのセグメントラインに沿ったセグメント電圧の印加によって、データがそのコモンラインに沿った変調器に選択的に書き込まれ得る。セグメント電圧は、作動が印加されたセグメント電圧に依存するように選択され得る。アドレス指定電圧がコモンラインに沿って印加されたとき、一方のセグメント電圧の印加は、安定性ウィンドウ内のピクセル電圧をもたらし、ピクセルが非作動のままであることを引き起こすことになる。対照的に、他方のセグメント電圧の印加は、安定性ウィンドウを越えるピクセル電圧をもたらし、ピクセルの作動をもたらすことになる。作動を引き起こす特定のセグメント電圧は、どのアドレス指定電圧が使用されるかに応じて変動することができる。いくつかの実装形態では、高いアドレス指定電圧VC
ADD Hがコモンラインに沿って印加されたとき、高いセグメント電圧VS
Hの印加は、変調器がそれの現在位置にとどまることを引き起こすことがあり、低いセグメント電圧VS
Lの印加は、変調器の作動を引き起こすことがある。当然の結果として、低いアドレス指定電圧VC
ADD Lが印加されたとき、セグメント電圧の影響は反対であり、高いセグメント電圧VS
Hは変調器の作動を引き起こし、低いセグメント電圧VS
Lは変調器の状態に影響しない(すなわち、安定したままである)ことがある。
【0040】
いくつかの実装形態では、常に変調器の両端間で同じ極性電位差を引き起こす保持電圧、アドレス電圧、およびセグメント電圧が使用され得る。いくつかの他の実装形態では、変調器の電位差の極性を交番する信号が使用され得る。変調器の両端間の極性の交番(すなわち、書込みプロシージャの極性の交番)は、単一の極性の反復書込み動作後に起こることがある電荷蓄積を低減または抑止し得る。
【0041】
図4Aは、
図2の3×3干渉変調器ディスプレイにおけるディスプレイデータのフレームを示す図の一例を示している。
図4Bは、
図4Aに示すディスプレイデータのフレームを書き込むために使用され得るコモン信号およびセグメント信号についてのタイミング図の一例を示している。それらの信号は、たとえば、
図2の3×3アレイに印加され得、これは、
図4Aに示すライン時間60eディスプレイ配置を最終的にもたらすことになる。
図4A中の作動変調器は暗状態にあり、すなわち、その状態では、反射光の実質的部分が、たとえば、閲覧者に、暗い外観をもたらすように可視スペクトルの外にある。
図4Aに示すフレームを書き込むより前に、ピクセルは任意の状態にあることがあるが、
図4Bのタイミング図に示す書込みプロシージャは、各変調器が、第1のライン時間60aの前に、開放されており、非作動状態に属すると仮定する。
【0042】
第1のライン時間60a中に、開放電圧70がコモンライン1上に印加され、コモンライン2上に印加される電圧が、高い保持電圧72において始まり、開放電圧70に移動し、低い保持電圧76がコモンライン3に沿って印加される。したがって、コモンライン1に沿った変調器(コモン1,セグメント1)、(1,2)および(1,3)は、第1のライン時間60aの持続時間の間、緩和または非作動状態にとどまり、コモンライン2に沿った変調器(2,1)、(2,2)および(2,3)は、緩和状態に移動することになり、コモンライン3に沿った変調器(3,1)、(3,2)および(3,3)は、それらの前の状態にとどまることになる。
図3Bを参照すると、コモンライン1、2または3のいずれも、ライン時間60a中に作動を引き起こす電圧レベルにさらされていないので(すなわち、VC
REL−緩和、およびVCHO
LD L−安定)、セグメントライン1、2および3に沿って印加されたセグメント電圧は、干渉変調器の状態に影響しないことになる。
【0043】
第2のライン時間60b中に、コモンライン1上の電圧は高い保持電圧72に移動し、コモンライン1に沿ったすべての変調器は、アドレス指定または作動電圧がコモンライン1上に印加されなかったので、印加されたセグメント電圧にかかわらず、緩和状態にとどまる。コモンライン2に沿った変調器は、開放電圧70の印加により、緩和状態にとどまり、コモンライン3に沿った変調器(3,1)、(3,2)および(3,3)は、コモンライン3に沿った電圧が開放電圧70に移動するとき、緩和することになる。
【0044】
第3のライン時間60c中に、コモンライン1は、コモンライン1上に高いアドレス電圧74を印加することによってアドレス指定される。このアドレス電圧の印加中に低いセグメント電圧64がセグメントライン1および2に沿って印加されるので、変調器(1,1)および(1,2)の両端間のピクセル電圧は変調器の正の安定性ウィンドウの上端よりも大きく(すなわち、電圧差は、あらかじめ定義されたしきい値を超えた)、変調器(1,1)および(1,2)は作動される。逆に、高いセグメント電圧62がセグメントライン3に沿って印加されるので、変調器(1,3)の両端間のピクセル電圧は、変調器(1,1)および(1,2)のピクセル電圧よりも小さく、変調器の正の安定性ウィンドウ内にとどまり、したがって変調器(1,3)は緩和したままである。また、ライン時間60c中に、コモンライン2に沿った電圧は低い保持電圧76に減少し、コモンライン3に沿った電圧は開放電圧70にとどまり、コモンライン2および3に沿った変調器を緩和位置のままにする。
【0045】
第4のライン時間60d中に、コモンライン1上の電圧は、高い保持電圧72に戻り、コモンライン1に沿った変調器を、それらのそれぞれのアドレス指定された状態のままにする。コモンライン2上の電圧は低いアドレス電圧78に減少される。高いセグメント電圧62がセグメントライン2に沿って印加されるので、変調器(2,2)の両端間のピクセル電圧は、変調器の負の安定性ウィンドウの下側端部(lower end)を下回り、変調器(2,2)が作動することを引き起こす。逆に、低いセグメント電圧64がセグメントライン1および3に沿って印加されるので、変調器(2,1)および(2,3)は緩和位置にとどまる。コモンライン3上の電圧は、高い保持電圧72に増加し、コモンライン3に沿った変調器を緩和状態のままにする。
【0046】
最後に、第5のライン時間60e中に、コモンライン1上の電圧は高い保持電圧72にとどまり、コモンライン2上の電圧は低い保持電圧76にとどまり、コモンライン1および2に沿った変調器を、それらのそれぞれのアドレス指定された状態のままにする。コモンライン3上の電圧は、コモンライン3に沿った変調器をアドレス指定するために、高いアドレス電圧74に増加する。低いセグメント電圧64がセグメントライン2および3上に印加されるので、変調器(3,2)および(3,3)は作動するが、セグメントライン1に沿って印加された高いセグメント電圧62は、変調器(3,1)が緩和位置にとどまることを引き起こす。したがって、第5のライン時間60eの終わりに、3×3ピクセルアレイは、
図4Aに示す状態にあり、他のコモンライン(図示せず)に沿った変調器がアドレス指定されているときに起こり得るセグメント電圧の変動にかかわらず、保持電圧がコモンラインに沿って印加される限り、その状態にとどまることになる。
【0047】
図4Bのタイミング図では、所与の書込みプロシージャ(すなわち、ライン時間60a〜60e)は、高い保持およびアドレス電圧、または低い保持およびアドレス電圧のいずれかの使用を含むことができる。書込みプロシージャが所与のコモンラインについて完了されると(また、コモン電圧が、作動電圧と同じ極性を有する保持電圧に設定されると)、ピクセル電圧は、所与の安定性ウィンドウ内にとどまり、開放電圧がそのコモンライン上に印加されるまで、緩和ウィンドウを通過しない。さらに、各変調器が、変調器をアドレス指定するより前に書込みプロシージャの一部として開放されるので、開放時間ではなく変調器の作動時間が、必要なライン時間を決定し得る。詳細には、変調器の開放時間が作動時間よりも大きい実装形態では、開放電圧は、
図4Bに示すように、単一のライン時間よりも長く印加され得る。いくつかの他の実装形態では、コモンラインまたはセグメントラインに沿って印加される電圧が、異なる色の変調器など、異なる変調器の作動電圧および開放電圧の変動を相殺するように変動し得る。
【0048】
上記に記載した原理に従って動作する干渉変調器の構造の詳細は大きく異なり得る。たとえば、
図5A〜
図5Eは、可動反射層14とそれの支持構造とを含む、干渉変調器の異なる実装形態の断面図の例を示している。
図5Aは、金属材料のストリップ、すなわち、可動反射層14が、基板20から直角に延在する支持体18上に堆積される、
図1の干渉変調器ディスプレイの部分断面図の一例を示している。
図5Bでは、各IMODの可動反射層14は、概して形状が正方形または長方形であり、コーナーにおいてまたはその近くでテザー32に接して支持体に取り付けられる。
図5Cでは、可動反射層14は、概して形状が正方形または長方形であり、フレキシブルな金属を含み得る変形可能層34から吊るされる。変形可能層34は、可動反射層14の外周の周りで基板20に直接または間接的に接続することがある。これらの接続は、本明細書では支柱と呼ばれる。
図5Cに示す実装形態は、変形可能層34によって行われる可動反射層14の機械的機能からのそれの光学的機能の分離から派生する追加の利益を有する。この分離は、反射層14のために使用される構造設計および材料と、変形可能層34のために使用される構造設計および材料とが、互いとは無関係に最適化されることを可能にする。
【0049】
図5Dは、可動反射層14が反射副層14aを含む、IMODの別の例を示している。可動反射層14は、支柱18などの支持構造上に載る。支柱18は、たとえば、可動反射層14が緩和位置にあるとき、可動反射層14と光学スタック16との間にギャップ19が形成されるように、下側静止電極(すなわち、図示のIMODにおける光学スタック16の一部)からの可動反射層14の分離を可能にする。可動反射層14は、電極として働くように構成され得る伝導性層14cと、支持層14bとをも含むことができる。この例では、伝導性層14cは、基板20から遠位にある支持層14bの一方の面に配設され、反射副層14aは、基板20の近位にある支持層14bの他方の面に配設される。いくつかの実装形態では、反射副層14aは、伝導性であることがあり、支持層14bと光学スタック16との間に配設され得る。支持層14bは、誘電材料、たとえば、酸窒化ケイ素(SiON)または二酸化ケイ素(SiO
2)の、1つまたは複数の層を含むことができる。いくつかの実装形態では、支持層14bは、たとえば、SiO
2/SiON/SiO
23層スタックなど、複数の層のスタックであり得る。反射副層14aと伝導性層14cのいずれかまたは両方は、たとえば、約0.5%のCuまたは別の反射金属材料を用いた、Al合金を含むことができる。誘電支持層14bの上および下で伝導性層14a、14cを採用することは、応力のバランスをとり、伝導の向上を与えることができる。いくつかの実装形態では、反射副層14aおよび伝導性層14cは、可動反射層14内の特定の応力プロファイルを達成することなど、様々な設計目的で、異なる材料から形成され得る。
【0050】
図5Dに示すように、いくつかの実装形態は黒いマスク構造23をも含むことができる。黒いマスク構造23は、周辺光または迷光を吸収するために、光学不活性領域において(たとえば、ピクセル間にまたは柱18の下に)形成され得る。黒いマスク構造23はまた、光がディスプレイの不活性部分から反射されることまたはそれを透過されることを抑止し、それによりコントラスト比を増加させることによって、ディスプレイデバイスの光学的特性(optical properties)を改善することができる。さらに、黒いマスク構造23は、伝導性であり、電気的バス層として機能するように構成され得る。いくつかの実装形態では、行電極は、接続された行電極の抵抗を低減するために、黒いマスク構造23に接続され得る。黒いマスク構造23は、堆積およびパターニング技法を含む様々な方法を使用して形成され得る。黒いマスク構造23は1つまたは複数の層を含むことができる。たとえば、いくつかの実装形態では、黒いマスク構造23は、光吸収器として働くモリブデンクロム(MoCr)層と、SiO
2層と、反射体およびバス層として働く、アルミニウム合金とを含み、それぞれ、約30〜80Å、500〜1000Å、および500〜6000Åの範囲内の厚さである。1つまたは複数の層は、たとえば、MoCr層およびSiO
2層の場合は、CF
4および/またはO
2、ならびにアルミニウム合金層の場合は、Cl
2および/またはBCl
3を含む、フォトリソグラフィおよびドライエッチングを含む、様々な技法を使用してパターニングされ得る。いくつかの実装形態では、黒いマスク23はエタロンまたは干渉スタック構造であり得る。そのような干渉スタック黒マスク構造23では、伝導性吸収器は、各行または列の光学スタック16における下側静止電極間で信号を送信するかまたは信号をバスで運ぶために使用され得る。いくつかの実装形態では、スペーサ層35が、概して、黒いマスク23中の伝導性層から吸収層16aを電気的に絶縁するのに、役立つことができる。
【0051】
図5Eは、可動反射層14が自立している、IMODの別の例を示している。
図5Dとは対照的に、
図5Eの実装形態は支柱18を含まない。代わりに、可動反射層14は、複数のロケーションにおいて、下にある光学スタック16に接触し、可動反射層14の湾曲は、干渉変調器の両端間の電圧が作動を引き起こすには不十分であるとき、可動反射層14が
図5Eの非作動位置に戻るという、十分な支持を与える。複数のいくつかの異なる層を含んでいることがある光学スタック16は、ここでは明快のために、光吸収器16aと誘電体16bとを含む状態で示されている。いくつかの実装形態では、光吸収器16aは、固定電極としても、部分反射層としても働き得る。
【0052】
図5A〜
図5Eに示す実装形態などの実装形態では、IMODは直視型デバイスとして機能し、直視型デバイスでは、画像が、透明基板20の正面、すなわち、変調器が配置された面の反対の面から、閲覧される。これらの実装形態では、デバイスの背面部分(すなわち、たとえば、
図5Cに示す変形可能層34を含む、可動反射層14の背後のディスプレイデバイスの任意の部分)は、反射層14がデバイスのそれらの部分を光学的に遮蔽するので、ディスプレイデバイスの画質に影響を及ぼすことまたは悪影響を及ぼすことなしに、構成され、作用され得る。たとえば、いくつかの実装形態では、バス構造(図示せず)が可動反射層14の背後に含まれ得、これは、電圧アドレス指定およびそのようなアドレス指定に起因する移動など、変調器の電気機械的特性から変調器の光学的特性を分離する能力を与える。さらに、
図5A〜
図5Eの実装形態は、処理、たとえば、パターニングなどを簡略化することができる。
【0053】
図6は、干渉変調器のための製造プロセス80を示す流れ図の一例を示しており、
図7A〜
図7Eは、そのような製造プロセス80の対応する段階の断面概略図の例を示している。いくつかの実装形態では、製造プロセス80は、
図6に示されていない他のブロックに加えて、たとえば、
図1および
図5に示す一般的なタイプの干渉変調器を製造するために実装され得る。
図1、
図5および
図6を参照すると、プロセス80はブロック82において開始し、基板20上への光学スタック16の形成を伴う。
図7Aは、基板20上に形成されたそのような光学スタック16を示している。基板20は、ガラスまたはプラスチックなどの透明基板であり得、それは、フレキシブルであるかまたは比較的固く曲がらないことがあり、光学スタック16の効率的な形成を可能にするために、事前準備プロセス、たとえば、洗浄にかけられていることがある。上記で説明したように、光学スタック16は、電気伝導性であり、部分的に透明で、部分的に反射性であることがあり、たとえば、透明基板20上に、所望の特性を有する1つまたは複数の層を堆積させることによって、作製され得る。
図7Aでは、光学スタック16は、副層16aおよび16bを有する多層構造を含むが、いくつかの他の実装形態では、より多いまたはより少ない副層が含まれ得る。いくつかの実装形態では、副層16a、16bのうちの1つは、組み合わせられた導体/吸収器副層16aなど、光吸収特性と伝導特性の両方で構成され得る。さらに、副層16a、16bのうちの1つまたは複数は、平行ストリップにパターニングされ得、ディスプレイデバイスにおける行電極を形成し得る。そのようなパターニングは、当技術分野で知られているマスキングおよびエッチングプロセスまたは別の好適なプロセスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、副層16a、16bのうちの1つは、1つまたは複数の金属層(たとえば、1つまたは複数の反射層および/または伝導性層)上に堆積された副層16bなど、絶縁層または誘電体層であり得る。さらに、光学スタック16は、ディスプレイの行を形成する個々の平行ストリップにパターニングされ得る。
【0054】
プロセス80はブロック84において続き、光学スタック16上への犠牲層25の形成を伴う。犠牲層25は、キャビティ19を形成するために後で(たとえば、ブロック90において)除去され、したがって、犠牲層25は、
図1に示した得られた干渉変調器12には示されていない。
図7Bは、光学スタック16上に形成された犠牲層25を含む、部分的に作製されたデバイスを示している。光学スタック16上への犠牲層25の形成は、後続の除去後に、所望の設計サイズを有するギャップまたはキャビティ19(
図1および
図7Eも参照)を与えるように選択された厚さの、モリブデン(Mo)またはアモルファスシリコン(Si)など、フッ化キセノン(XeF
2)エッチング可能材料の堆積を含み得る。犠牲材料の堆積は、物理蒸着(PVD、たとえば、スパッタリング)、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)、熱化学蒸着(熱CVD)、またはスピンコーティングなど、堆積技法を使用して行われ得る。
【0055】
プロセス80はブロック86において続き、支持構造、たとえば、
図1、
図5および
図7Cに示す柱18の形成を伴う。柱18の形成は、支持構造開口を形成するために犠牲層25をパターニングすることと、次いで、PVD、PECVD、熱CVD、またはスピンコーティングなど、堆積方法を使用して、柱18を形成するために開口中に材料(たとえば、ポリマーまたは無機材料、たとえば、酸化ケイ素)を堆積させることとを含み得る。いくつかの実装形態では、犠牲層中に形成された支持構造開口は、柱18の下側端部が
図5Aに示すように基板20に接触するように、犠牲層25と光学スタック16の両方を通って、下にある基板20まで延在することがある。代替的に、
図7Cに示すように、犠牲層25中に形成された開口は、犠牲層25は通るが、光学スタック16は通らないで、延在することがある。たとえば、
図7Eは、光学スタック16の上側表面(upper surface)と接触している支柱18の下側端部を示している。支柱18、または他の支持構造は、犠牲層25上に支持構造材料の層を堆積させることと、犠牲層25中の開口から離れて配置された支持構造材料の部分をパターニングすることとによって形成され得る。支持構造は、
図7Cに示すように開口内に配置され得るが、少なくとも部分的に、犠牲層25の一部分の上に延在することもある。上述のように、犠牲層25および/または支柱18のパターニングは、パターニングおよびエッチングプロセスによって実行され得るが、代替エッチング方法によっても実行され得る。
【0056】
プロセス80はブロック88において続き、
図1、
図5および
図7Dに示す可動反射層14などの可動反射層または膜の形成を伴う。可動反射層14は、1つまたは複数のパターニング、マスキング、および/またはエッチングステップとともに、1つまたは複数の堆積ステップ、たとえば、反射層(たとえば、アルミニウム、アルミニウム合金)堆積を採用することによって、形成され得る。可動反射層14は、電気伝導性であり、電気伝導性層(electrically conductive layer)と呼ばれることがある。いくつかの実装形態では、可動反射層14は、
図7Dに示すように複数の副層14a、14b、14cを含み得る。いくつかの実装形態では、副層14a、14cなど、副層のうちの1つまたは複数は、それらの光学的特性のために選択された高反射性副層を含み得、別の副層14bは、それの機械的特性のために選択された機械的副層を含み得る。犠牲層25は、ブロック88において形成された部分的に作製された干渉変調器中に依然として存在するので、可動反射層14は、一般にこの段階では可動でない。犠牲層25を含んでいる部分的に作製されたIMODは、本明細書では「非開放(unreleased)」IMODと呼ばれることもある。
図1に関して上記で説明したように、可動反射層14は、ディスプレイの列を形成する個々の平行ストリップにパターニングされ得る。
【0057】
プロセス80はブロック90において続き、キャビティ、たとえば、
図1、
図5および
図7Eに示すキャビティ19の形成を伴う。キャビティ19は、(ブロック84において堆積された)犠牲材料25をエッチャントにさらすことによって形成され得る。たとえば、MoまたはアモルファスSiなどのエッチング可能犠牲材料が、ドライ化学エッチングによって、たとえば、一般に、キャビティ19を囲む構造に対して選択的に除去される、所望の量の材料を除去するのに有効である時間期間の間、固体XeF
2から派生した蒸気などの気体または蒸気エッチャントに犠牲層25をさらすことによって、除去され得る。他のエッチング方法、たとえば、ウェットエッチングおよび/またはプラズマエッチングも使用され得る。犠牲層25がブロック90中に除去されるので、可動反射層14は、一般に、この段階後に可動となる。犠牲材料25の除去後に、得られた完全にまたは部分的に作製されたIMODは、本明細書では「開放」IMODと呼ばれることがある。
【0058】
また、上記で説明した電子デバイスなど、ディスプレイを有する電子デバイスは、加速度計から恩恵を受け得る。たとえば、加速度計は、たとえば、ユーザが、それを移動することによって電子デバイスを制御することを可能にする入力デバイスとして使用され得る。加速度計はまた、デバイスへの影響を生じ得るデバイスの落下があるかどうかを検出するために使用され得る。そのような検出に応答して、デバイスは、たとえば、デバイスの状態またはユーザドキュメントを自動的に保存し、あるいは、デバイスの部分を停止し得る。
【0059】
上述のように、加速度計は、概して、プルーフマスの動きを検出することによって加速度を判断するように機能する。いくつかの実装形態では、プルーフマスはディスプレイの閲覧表面の反対側に配置され、プルーフマスの動きは光学的に検出される。いくつかの実装形態では、電子デバイスはまた、タッチスクリーン機能を設けるように光学タッチ検出システムの一部として、光源と光検出器とを含む。光学タッチ検出システムは、光源と、ディスプレイの閲覧表面に沿って光を誘導する光ガイドと、光がディスプレイにわたって伝搬したのか、または、たとえば、ユーザのタッチによって遮られたのかを検出する光検出器とを含むことができる。いくつかの実装形態では、光源および光検出器はまた、プルーフマスの動きを判断するために使用され得る。
【0060】
図8は、ディスプレイの一部分の断面図を示す電子デバイスの一例の機能ブロック図である。電子デバイス800は、光ガイド820によってディスプレイ802の閲覧表面に沿って誘導される光を生成する光源810を含む。光ガイド820は、基板830を通して光源によって生成された光の向きを変える第1の反射表面822を含む。基板830の反対側に、プルーフマス840のほうへ光の向きを変える第2の反射表面824がある。プルーフマス840は、1つまたは複数のばね842によって基板830に接続されている。プルーフマス840は、電子デバイス800が加速されたとき、基板830に対して移動することができる。
【0061】
光がプルーフマス840によって完全に遮られない限り、光の少なくとも一部分は、プルーフマス840を過ぎて第3の反射表面826に進み、第3の反射表面826が基板830を通して光の向きを変えて戻す。基板830の閲覧側に、光ガイド820は、ディスプレイ802の閲覧表面に沿って光の向きを変える第4の反射表面828を含む。
【0062】
電子デバイス800は、光の特性を判断する光検出器850と、判断された特性に基づいて加速度を判断するプロセッサ860とを含む。
【0063】
光源810は、光を生成することが可能な任意のデバイスであり得る。いくつかの実装形態では、光源810は、多色LEDまたは蛍光体(phosphor)ベース白色LEDなどのLEDを含む。いくつかの他の実装形態では、光源810は、白熱電球、冷陰極蛍光ランプ、または熱陰極蛍光ランプを含むことができる。
【0064】
光ガイド820は、ガラスまたはプラスチックなどの透明材料であり得る。光ガイド820は、基板830の閲覧表面に、たとえば、フィルムとして堆積され得る。基板830も、ガラスまたはプラスチックなどの透明材料であり得る。いくつかの実装形態では、光ガイド820は、基板830の部分を選択的にエッチングすることによって形成され得る。基板830はまた、光が基板830を通過することを可能にする、特定のロケーションにおいてスルーホールまたはビアをもつ、シリコンまたは金属などの不透明な材料であり得る。スルーホールまたはビアは空であるか、または透明材料で充填され得る。
【0065】
プルーフマス840は、1つまたは複数のばね842を介して基板830に取り付けられ得る。本明細書で使用する場合、ばねは、機械的エネルギーを蓄積することができる任意の弾性物体である。たとえば、プルーフマス840は、ゴムケーシングを介して基板830に取り付けられ得る。代替的に、プルーフマス840は、硬く、しかも屈曲可能なプロング(prong)を介して基板830に取り付けられ得る。プルーフマス840は、1つまたは複数のコイルばねまたはつる巻きばねを介しても取り付けられ得る。これらおよび他のタイプのばねは、線形または角加速度を経験し、それに別様に応答することができる。たとえば、硬く、屈曲可能なプロングは、圧縮ばねとねじりばね(torsional spring)の両方として働き得る。
【0066】
電子デバイス800が移動されるか、または場合によっては加速度を受けるとき、プルーフマス840は基板830に対して移動する。プルーフマス840は、光源810によって放出された光が第2の反射面824と第3の反射面826とから伝搬するように、その光に干渉することによって、光検出器850によって検出された光の特性を改変することができる。たとえば、プルーフマス840は、光強度、色、または極性を改変し得る。この改変は、検出器850に入射する光の特性の検出器850の判断に基づいて検出器850によって検出され、プロセッサ860によって加速度に変換され得る。
【0067】
たとえば、プルーフマス840は、光源810によって放出された光の一部分を反射または吸収することによって、検出器850によって検出された光の強度を改変することができる。したがって、検出器850は、プルーフマス840が、光源810によって放出された光が第2の反射面824と第3の反射面826とから伝搬するようにその光に干渉しない場合、周囲の照明に加えて光源810によって放出された光に基づいて光の強度を検出することができる。プルーフマスが、光源810によって放出された光を、検出器850に到達しないように完全に遮るとすれば、検出器850は、周囲の照明のみに基づいて光の強度を検出することができる。
【0068】
たとえば、不透明なプルーフマス840は、電子デバイス800の加速度に応じて第2の反射面824と第3の反射面826との間の光経路に出入りすることができる。検出器850は、検出器850に入射する光の強度を判断することができ、より詳細には、検出器850に入射する光の強度が所定のしきい値よりも大きいかどうかを判断することができる。この判断に基づいて、プロセッサ860は、加速度がしきい値を上回るか否かを判断することができる。
【0069】
一例として、デバイス800がz軸に沿って加速度を受けた場合、プルーフマス840は、同様にz軸に沿って移動し、第2の反射面824と第3の反射面826との間の光経路に出入りし、それにより、光源810から放出された光を遮るか、または光検出器850に通すであろう。いくつかの他の実装形態では、プルーフマス840は、他の方向における加速度に応答してその方向に移動するために取り付けられ得る。
【0070】
いくつかの実装形態では、プルーフマス840は、電子デバイス800が特定の方向においてしきい値量の加速度を受けないときのみ光が通過するスリットを除いて、実質的に不透明であり得る。いくつかの他の実装形態では、プルーフマス840は、電子デバイスが2つの特定の方向のいずれかにおいて加速度のしきい値量を受けないときのみ光が通過するピンホールを除いて、実質的に不透明である。ピンホールは、加速度のしきい値量が2つの特定の方向において異なるように長方形であり得る。一例として、ピンホールは、x方向におけるチャネルであり、z方向における高さがy方向における幅とは異なり得る。
【0071】
いくつかの実装形態では、プルーフマス840は、第2の反射面824と第3の反射面826との間の光経路に残っているが、検出器850に入射する光の特性が、基板830に対するプルーフマス840の相対位置に応じて変化するように光経路に干渉する。いくつかの実装形態では、プルーフマス840の不透明度は、プルーフマス840が基板830に対して移動するときに検出器850に入射する光の強度が減少するように、透過な中心から実質的に不透明なエッジまでの放射状グラディエントである。いくつかの他の実装形態では、異なる加速度において、光の異なる波長が検出器850のほうへ通過するように、プルーフマス840は光を多様な色に屈折させることができる。代替的に、プルーフマス840は、異なる加速度において異なる方向において光を偏光させる偏光子であり得る。
【0072】
多くのディスプレイデバイスは補助照明光源を組み込むことができる。たとえば、LCDディスプレイはバックライトを含むことができ、干渉変調器ディスプレイはフロントライトを含むことができる。上記で説明したように、
図8は、プルーフマス840が1つまたは複数のばね842を介して基板830に取り付けられ、基板830を通して光を偏向させるために光ガイドまたはフィルム820がその上に堆積した透明基板830をもつディスプレイデバイス800を示している。基板830、プルーフマス840、ばね842、およびフィルム820のうちの1つまたは複数は、駆動電子回路、温度センサー、および
図8に示していない他の構成要素など、デバイス800のための他の構造物とともに半導体製造技法によって製造され得る。ディスプレイデバイス800はまた、1つまたは複数の光源810と光検出器850とを含むことができる。いくつかの実装形態では、上記で説明したように、光源810および光検出器850は、タッチ入力システムの一部として使用され得、さらに、加速度計の一部として使用され得る。したがって、加速度計の機能を果たす構造は、デバイス中に発見され得るか、または製造され得る。
【0073】
したがって、
図8のデバイス800などのデバイスを製造する方法は、基板830を設けることと、基板830の近傍に光源810と光検出器850とを配置することと、基板の第1の面上に光ガイド820を堆積またはエッチングすることであって、光ガイド820が、基板830を通して光源810からの光の向きを変えるように構成された、堆積またはエッチングすることと、1つまたは複数のばね842を介して基板830の第2の面に取り付けられたプルーフマス840を形成することであって、第2の面が第1の面の反対側にあり、プルーフマス840の動きが、光検出器850に到達する光源810からの光の特性を改変する、形成することと、光検出器850に到達する光の特性に基づいて加速度を判断するようにプロセッサ860を構成することとを含むことができる。
【0074】
いくつかの実装形態では、光源810を配置することは、光ガイド820に光を注入し、および/または基板830に対して平行な光ビームを与えるために光源810を配置することを含む。光検出器850を配置することは、光ガイド820から光を受信するために光検出器850を配置することを含むことができる。
【0075】
また、いくつかの実装形態では、1つまたは複数のばね842を介して基板830の第2の面に取り付けられたプルーフマス840を形成することは、ばね842を形成することを含むことができる。代替的に、基板830の第2の面に取り付けられたプルーフマス840を形成することは、事前成形されたプルーフマス840を、1つまたは複数のばね842を介して基板830に取り付けることを含むことができる。基板830の第2の面に取り付けられたプルーフマス840を形成することは、堆積、エッチング、リソグラフィ、または他の微細加工プロセスを含むことができる。
【0076】
いくつかの実装形態では、プロセッサ860を構成することは、プロセッサメモリにプログラムをロードすること、または光の特性に基づいて加速度を判断するための命令で符号化されたメモリをプロセッサ860に取り付けることを含むことができる。
【0077】
図9Aは、ディスプレイの一部分の断面図を示す電子デバイスの一例の機能ブロック図である。電子デバイス900は、光ガイド920によってディスプレイ902の閲覧表面に沿って誘導される光を生成する光源910を含む。光ガイド920は、基板930を通して光源910によって生成された光の向きを変える第1の反射表面922を含む。基板930の反対側に、反射プルーフマス940がある。プルーフマス940は、1つまたは複数のばね944、946によって基板930に接続されている。プルーフマス940は、電子デバイス900が加速されたとき、基板930に対して移動することができる。
【0078】
いくつかの加速度において、光は、プルーフマス940によって基板930を通して基板930の閲覧側の第2の反射表面928のほうへ反射して戻され、第2の反射表面928は、光ガイド920を通してディスプレイ902の閲覧表面に沿って光の向きを変える。
【0079】
電子デバイス900は、光の特性を判断する光検出器950と、判断された特性に基づいて加速度を判断するプロセッサ960とを含む。
【0080】
光源910は、光を生成することが可能な任意のデバイスであり得る。いくつかの実装形態では、光源910は、多色LEDまたは蛍光体ベース白色LEDなどのLEDを含む。いくつかの他の実装形態では、光源910は、白熱電球、冷陰極蛍光ランプ、または熱陰極蛍光ランプを含むことができる。
【0081】
光ガイド920は、ガラスまたはプラスチックなどの透明材料であり得る。光ガイド920は、基板930の閲覧表面に、たとえば、フィルムとして堆積され得る。基板930も、ガラスまたはプラスチックなどの透明材料であり得る。いくつかの実装形態では、光ガイド920は、基板930の部分を選択的にエッチングすることによって形成され得る。基板930はまた、光が基板930を通過することを可能にする、特定のロケーションにおいてスルーホールまたはビアをもつ、シリコンまたは金属などの不透明な材料であり得る。スルーホールまたはビアは空であるか、または透明材料で充填され得る。
【0082】
プルーフマス940は、1つまたは複数のばね944、946を介して基板930に取り付けられる。基板930は2つの支持体972を、プルーフマス940の両側に1つずつ含むことができ、プルーフマス940は、支持体972に取り付けられた第1のばね944と、支持体972に取り付けられた第2のばね946とを介して基板930に取り付けられ得る。
【0083】
図9Bは、
図9Aの平面図の一例である。
図9Bに示すように、第1のばね944および第2のばね946の各々は、2つ以上のばねを含み得る。
【0084】
電子デバイス900が移動されるか、または場合によっては加速度を受けるとき、プルーフマス940は基板930に対して移動する。いくつかの実装形態では、プルーフマス940は、異なるばね定数をもつ2つのばね944、946を介して基板930に取り付けられる。したがって、電子デバイス900が移動されるか、または場合によっては加速度を受けるとき、プルーフマス940は回転する。いくつかの他の実装形態では、電子デバイス900が加速されるときにプルーフマス940が回転するように、プルーフマス940は一方の側のヒンジと、他方の側のばね946とを介して基板930に取り付けられる。
【0085】
一例として、デバイス900がz軸に沿って加速度を受けた場合、プルーフマス940はy軸の周りを回転し、それにより、光を反射して、基板930を通して第2の反射表面928のほうへ戻すか、または第2の反射表面928から離れて戻すかのいずれかであろう。いくつかの加速度、たとえば0加速度において、プルーフマス940は、基板930を通して基板930の閲覧側の第2の反射表面928のほうへ光を反射して戻すために傾斜しており、第2の反射表面928は、光ガイド920を通してディスプレイ902の閲覧表面に沿って検出器950のほうへ光の向きを変える。いくつかの他の加速度において、プルーフマス940は、第2の反射表面928から離れて光を反射するために傾斜しており、したがって、光ガイド920を通して検出器950のほうへ光の向きを変えない。検出器950は、光が検出器950に到達しているかどうかを判断することができ、より詳細には、検出器950は、検出器950に入射する光の強度が所定のしきい値よりも大きいかどうかを判断することができる。この判断に基づいて、プロセッサ960は、加速度がしきい値を上回るか否かを判断することができる。
【0086】
いくつかの実装形態では、プルーフマス940は、広範囲の角度においてであるが、検出器950に入射する光の特性がプルーフマス940の角度に応じて変化するように、基板930を通して第2の反射表面928のほうへ光を反射して戻すことができる。反射プルーフマス940は、異なる角度において、異なる量の光が第2の反射面928に到達し、検出器950における光の強度が電子デバイス900の加速度に依存するように湾曲させられ得る。いくつかの実装形態では、異なる加速度において、光の異なる波長が検出器950のほうへ通過するように、反射プルーフマス940は異なる角度において光の異なる波長を反射する。プルーフマス940はまた、異なる角度において異なる偏光方向で光を反射することができる。
【0087】
電子デバイス900が移動されるか、または場合によっては加速度を受けるとき、プルーフマス940は回転し、それの角度に応じて異なる特性を有する光を反射することができる。たとえば、プルーフマス940は、異なる強度、色、または極性の光を反射し得る。この特性は、検出器950によって検出され、プロセッサ960によって加速度に変換され得る。
【0088】
図10は、加速度計の平面図を示す、電子デバイスの一例の機能ブロック図である。電子デバイス1000は、構成要素のうちの少なくともいくつかがその上に形成され得る基板1070または支持体を含む。電子デバイス1000は、基板1070に沿って反射プルーフマス1040のほうへ誘導される光を生成する光源1010を含む。プルーフマス1040は、1つまたは複数のばね1044、1046によって基板1070に接続されている。したがって、プルーフマス1040は、電子デバイス1000が加速されたとき、基板1070に対して移動する。いくつかの実装形態では、電子デバイス1000の構成要素は、基板1070の外側に形成され、発見され得る。
【0089】
いくつかの加速度において、光は、光の特性を判断する光検出器1050のほうへ、基板1070に沿ってプルーフマス1040によって反射して戻される。光検出器1050は、判断された特性に基づいて加速度を判断するプロセッサ1060に動作可能に結合され得る。
【0090】
プルーフマス1040は、ばね1044、1046を介して基板1070に取り付けられ得、ばね1044、1046は、プルーフマス1040の両側に1つずつある支持体1072を介して基板1070に取り付けられる。第1のばね1044および第2のばね1046の各々は、2つ以上のばねを含み得る。
【0091】
電子デバイス1000が移動されるか、または場合によっては加速度を受けるとき、プルーフマス1040は、基板1070、光源1010、および/または光検出器1050に対して移動することができる。いくつかの実装形態では、プルーフマス1040は、異なるばね定数をもつ2つのばね1044、1046を介して基板1070に取り付けられ得る。したがって、電子デバイス1000が移動されるか、または場合によっては加速度を受けるとき、プルーフマス1040は回転する。いくつかの他の実装形態では、電子デバイス1000が加速されるときにプルーフマス1040が回転するように、プルーフマス1040は一方の側のヒンジと、他方の側のばね1046とを介して基板1070に取り付けられ得る。
【0092】
一例として、デバイス1000がy軸に沿って加速度を受けた場合、プルーフマス1040はz軸の周りを回転し、それにより、光を光検出器1050のほうへ反射するか、または光検出器1050から離れて反射するかのいずれかであろう。いくつかの加速度、たとえば、0加速度において、プルーフマスは、検出器1050のほうへ光を反射して戻すために傾斜していることがある。いくつかの他の加速度において、プルーフマス1040は、検出器1050から離れて光を反射するために傾斜していることがある。検出器1050は、光が検出器1050に到達しているかどうかを判断するように実装され得、より詳細には、検出器1050は、検出器1050に入射する光の強度が所定のしきい値よりも大きいかどうかを判断するように実装され得る。この判断に基づいて、プロセッサ1060は、加速度がしきい値を上回るか否かを判断するように実装され得る。
【0093】
いくつかの実装形態では、プルーフマス1040は、広範囲の角度において、光検出器1050に入射する光の特性がプルーフマス1040の角度に応じて変化するように、基板1070に沿って検出器1050のほうへ光を反射して戻すことができる。反射プルーフマス1040は、異なる角度において、異なる量の光が検出器1050に到達し、したがって、検出器1050における光の強度が電子デバイス1000の加速度に依存するように湾曲させられ得る。いくつかの実装形態では、異なる加速度において、光の異なる波長が検出器1050のほうへ通過するように、反射プルーフマス1040は異なる角度において光の異なる波長を反射する。プルーフマス1040はまた、異なる角度において異なる偏光方向で光を反射することができる。
【0094】
電子デバイス1000が移動されるか、または場合によっては加速度を受けるとき、プルーフマス1040は回転し、それの角度に応じて異なる特性を有する光を反射することができる。たとえば、プルーフマス1040は、異なる強度、色、または極性の光を反射し得る。この特性は、検出器1050によって検出され、プロセッサ1060によって加速度に変換され得る。
【0095】
図11は、加速度計の平面図を示す、電子デバイスの一例の機能ブロック図である。
図10の電子デバイス1000は光源1010と反射プルーフマス1040とを含むが、
図11の電子デバイス1100は、プルーフマスとして機能する光源1140を含む。
【0096】
光源1140は、1つまたは複数のばね1144、1146と1つまたは複数の支持体1172とを介して基板1170に取り付けられ得る。いくつかの実装形態では、電子デバイス1100が移動されるか、または場合によっては加速度を受けるときに光源1140が回転するように、ばね1144、1146のうちの少なくとも2つは異なるばね定数を有する。一例として、デバイス1100がy軸に沿って加速度を受けた場合、プルーフマス1150はz軸の周りを回転する。光源1140は、異なる角度において異なる特性をもつ光を放出するように構成され得る。したがって、光の特性が光検出器1150によって判断されるとき、上記で説明したように、プロセッサ1160は、光源1140の角度または加速度を判断するように実装され得る。
【0097】
図12は、加速度を判断する方法を示すフローチャートの一例である。そのような方法1200は、たとえば、上記で説明したディスプレイなどのディスプレイを含む電子デバイスによって実行され得る。方法1200は、ブロック1210において、光の生成で始まる。いくつかの実装形態では、光は、LEDなどの光源から生成される。ブロック1220において、基板を通して光源から生成された光をプルーフマスに向かせる。光は、光ガイドの反射面によって向きが変えられ得る。方法1200の代替実装形態では、光は生成されないが、太陽または周囲の照明などの外部光源から再利用される。
【0098】
次に、ブロック1230において、光の特性を判断する。いくつかの実装形態では、光の特性は検出器によって判断される。光の特性は、その判断より前にプルーフマスによって改変され得る。改変は、加速度に依存することがある。光の特性は、たとえば、強度、色または極性であり得る。強度に関して、いくつかの実装形態では、光の特性はビーム幅である。
【0099】
ブロック1240に進むと、判断された特性に少なくとも部分的に基づいて加速度を判断する。いくつかの実装形態では、判断される加速度は1つの値である。たとえば、加速度は、g力単位(gs)で、またはm/s
2で判断され(メモリに記憶され)得る。いくつかの他の実装形態では、判断される加速度は、特定の方向における少なくとも所定のしきい値加速度の存在の指示である。したがって、加速度は、加速度の存在下で「1」であり、加速度が存在しないときに「0」である1ビットフラグとしてメモリに記憶され得る。いくつかの実装形態では、プロセッサは、検出された光特性が入力である式に従って加速度を判断することができる。プロセッサはまた、特定の光特性を特定の加速度と相関させる、メモリに記憶されたルックアップテーブルに従って加速度を判断することができる。さらに、プロセッサは、光特性が所定のしきい値を越えたときに加速度を判断することができる。判断された加速度は、線形加速度または角加速度であるか、あるいは線形成分および/または角度成分を含む複数の加速度を含み得る。
【0100】
図13は、ディスプレイデバイスを製造する方法を示すフローチャートの一例である。そのような方法1300は、たとえば、製造デバイスによって実行され得る。方法1300は、ブロック1310において、基板の準備で始まる。基板は、ガラスまたはプラスチックなどの透明材料であり得る。基板はまた、光が基板を通過することを可能にする、特定のロケーションにおいてスルーホールまたはビアをもつ、シリコンまたは金属などの不透明な材料であり得る。スルーホールまたはビアは空であるか、または透明材料で充填され得る。
【0101】
次に、ブロック1320において、基板の近傍に光源と光検出器とを配置する。次に、ブロック1330において、光ガイドが、基板を通して光源からの光の向きを変えるように構成されるように、光ガイドを基板の第1の面にエッチングするか、または第1の面上に堆積する。光源は、光を生成することが可能な任意のデバイスであり得る。いくつかの実装形態では、光源は、多色LEDまたは蛍光体ベース白色LEDなどのLEDを含む。いくつかの他の実装形態では、光源は、白熱電球、冷陰極蛍光ランプ、または熱陰極蛍光ランプを含むことができる。光ガイドは、ガラスまたはプラスチックなどの透明材料であり得る。光ガイドは、基板の閲覧表面に、たとえば、フィルムとして堆積され得る。いくつかの実装形態では、光ガイドは、基板の部分を選択的にエッチングすることによって形成され得る。
【0102】
ブロック1340に進むと、1つまたは複数のばねを介して基板の第2の面に取り付けられたプルーフマスを形成し、第2の面は第1の面の反対側にある。プルーフマスの動きは、光検出器に到達する光源からの光の特性を改変することができる。したがって、光源によって放出された光を潜在的に含む、検出器によって検出された光の特性は、プルーフマスの動きによって改変され得る。検出器が判断するように構成された光の特性、またはプルーフマスが改変するように構成された光の特性は、強度、偏光、または波長であり得る。
【0103】
次に、ブロック1350において、光検出器に到達する光の特性に基づいて加速度を判断するようにプロセッサを構成する。いくつかの実装形態では、プロセッサは、検出された光特性が入力である式に従って加速度を判断することができる。プロセッサはまた、特定の光特性を特定の加速度と相関させる、メモリに記憶されたルックアップテーブルに従って加速度を判断することができる。
【0104】
図14Aおよび
図14Bは、複数の干渉変調器を含むディスプレイデバイス40を示すシステムブロック図の例を示している。ディスプレイデバイス40は、たとえば、セルラー電話または携帯電話であり得る。ただし、ディスプレイデバイス40の同じ構成要素またはディスプレイデバイス40の軽微な変形が、テレビジョン、電子リーダーおよびポータブルメディアプレーヤなど、様々なタイプのディスプレイデバイスを示す。
【0105】
ディスプレイデバイス40は、ハウジング41と、ディスプレイ30と、アンテナ43と、スピーカー45と、入力デバイス48と、マイクロフォン46とを含む。ハウジング41は、射出成形および真空成形を含む様々な製造プロセスのうちのいずれかから形成され得る。さらに、ハウジング41は、限定はしないが、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、およびセラミック、またはそれらの組合せを含む、様々な材料のうちのいずれかから製作され得る。ハウジング41は、異なる色の、または異なるロゴ、ピクチャ、またはシンボルを含んでいる、他の取外し可能な部分と交換され得る、取外し可能な部分(図示せず)を含むことができる。
【0106】
ディスプレイ30は、本明細書で説明する、双安定またはアナログディスプレイを含む様々なディスプレイのうちのいずれかであり得る。ディスプレイ30はまた、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、またはTFT LCDなど、フラットパネルディスプレイ、あるいはCRTまたは他の管デバイスなど、非フラットパネルディスプレイを含むように構成され得る。さらに、ディスプレイ30は、本明細書で説明する干渉変調器ディスプレイを含むことができる。
【0107】
ディスプレイデバイス40の構成要素は
図14Bに概略的に示されている。ディスプレイデバイス40は、ハウジング41を含み、それの中に少なくとも部分的に密閉された追加の構成要素を含むことができる。たとえば、ディスプレイデバイス40は、トランシーバ47に結合されたアンテナ43を含むネットワークインターフェース27を含む。トランシーバ47はプロセッサ21に接続され、プロセッサ21は調整ハードウェア52に接続される。調整ハードウェア52は、信号を調整する(たとえば、信号をフィルタ処理する)ように構成され得る。調整ハードウェア52は、スピーカー45およびマイクロフォン46に接続される。プロセッサ21は、入力デバイス48およびドライバコントローラ29にも接続される。ドライバコントローラ29は、フレームバッファ28に、およびアレイドライバ22に結合され、アレイドライバ22は次にディスプレイアレイ30に結合される。電源50が、特定のディスプレイデバイス40設計によって必要とされるすべての構成要素に電力を与えることができる。
【0108】
ネットワークインターフェース27は、ディスプレイデバイス40がネットワークを介して1つまたは複数のデバイスと通信することができるように、アンテナ43とトランシーバ47とを含む。ネットワークインターフェース27はまた、たとえば、プロセッサ21のデータ処理要件を軽減するための、何らかの処理能力を有し得る。アンテナ43は信号を送信および受信することができる。いくつかの実装形態では、アンテナ43は、IEEE16.11(a)、(b)、または(g)を含むIEEE16.11規格、あるいはIEEE802.11a、b、g、またはnを含むIEEE802.11規格に従って、RF信号を送信および受信する。いくつかの他の実装形態では、アンテナ43は、BLUETOOTH規格に従ってRF信号を送信および受信する。セルラー電話の場合、アンテナ43は、3Gまたは4G技術を利用するシステムなどのワイヤレスネットワーク内で通信するために使用される、符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、Global System for Mobile communications(GSM)(登録商標)、GSM/General Packet Radio Service(GPRS)、Enhanced Data GSM Environment(EDGE)、Terrestrial Trunked Radio(TETRA)、広帯域CDMA(W−CDMA)、Evolution Data Optimized(EV−DO)、1xEV−DO、EV−DO Rev A、EV−DO Rev B、高速パケットアクセス(HSPA)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)、発展型高速パケットアクセス(HSPA+)、Long Term Evolution(LTE)、AMPS、または他の知られている信号を受信するように設計される。トランシーバ47は、アンテナ43から受信された信号がプロセッサ21によって受信され、プロセッサ21によってさらに操作され得るように、その信号を前処理することができる。トランシーバ47はまた、プロセッサ21から受信された信号がアンテナ43を介してディスプレイデバイス40から送信され得るように、その信号を処理することができる。
【0109】
いくつかの実装形態では、トランシーバ47は受信機によって置き換えられ得る。さらに、ネットワークインターフェース27は、プロセッサ21に送られるべき画像データを記憶または生成することができる画像ソースによって置き換えられ得る。プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の全体的な動作を制御することができる。プロセッサ21は、ネットワークインターフェース27または画像ソースから圧縮された画像データなどのデータを受信し、そのデータを生画像データに、または生画像データに容易に処理されるフォーマットに、処理する。プロセッサ21は、処理されたデータをドライバコントローラ29に、または記憶のためにフレームバッファ28に送ることができる。生データは、一般に、画像内の各ロケーションにおける画像特性を識別する情報を指す。たとえば、そのような画像特性は、色、飽和、およびグレースケールレベルを含むことができる。
【0110】
プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の動作を制御するためのマイクロコントローラ、CPU、または論理ユニットを含むことができる。調整ハードウェア52は、スピーカー45に信号を送信するための、およびマイクロフォン46から信号を受信するための、増幅器およびフィルタを含み得る。調整ハードウェア52は、ディスプレイデバイス40内の個別構成要素であり得、あるいはプロセッサ21または他の構成要素内に組み込まれ得る。
【0111】
ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された生画像データをプロセッサ21から直接、またはフレームバッファ28から取ることができ、アレイドライバ22への高速送信のために適宜に生画像データを再フォーマットすることができる。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29は、生画像データを、ラスタ様フォーマットを有するデータフローに再フォーマットすることができ、その結果、そのデータフローは、ディスプレイアレイ30にわたって走査するのに好適な時間順序を有する。次いで、ドライバコントローラ29は、フォーマットされた情報をアレイドライバ22に送る。LCDコントローラなどのドライバコントローラ29は、しばしば、スタンドアロン集積回路(IC)としてシステムプロセッサ21に関連付けられるが、そのようなコントローラは多くの方法で実装され得る。たとえば、コントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ21中に埋め込まれるか、ソフトウェアとしてプロセッサ21中に埋め込まれるか、またはハードウェアにおいてアレイドライバ22と完全に一体化され得る。
【0112】
アレイドライバ22は、ドライバコントローラ29からフォーマットされた情報を受信することができ、ビデオデータを波形の並列セットに再フォーマットすることができ、波形の並列セットは、ディスプレイのピクセルのx−y行列から来る、数百の、および時には数千の(またはより多くの)リード線に毎秒何回も適用される。
【0113】
いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22、およびディスプレイアレイ30は、本明細書で説明するディスプレイのタイプのうちのいずれにも適している。たとえば、ドライバコントローラ29は、従来のディスプレイコントローラまたは双安定ディスプレイコントローラ(たとえば、IMODコントローラ)であり得る。さらに、アレイドライバ22は、従来のドライバまたは双安定ディスプレイドライバ(たとえば、IMODディスプレイドライバ)であり得る。その上、ディスプレイアレイ30は、従来のディスプレイアレイまたは双安定ディスプレイアレイ(たとえば、IMODのアレイを含むディスプレイ)であり得る。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29はアレイドライバ22と一体化され得る。そのような実装形態は、セルラーフォン、ウォッチおよび他の小面積ディスプレイなどの高集積システムでは一般的である。
【0114】
いくつかの実装形態では、入力デバイス48は、たとえば、ユーザがディスプレイデバイス40の動作を制御することを可能にするように、構成され得る。入力デバイス48は、QWERTYキーボードまたは電話キーパッドなどのキーパッド、ボタン、スイッチ、ロッカー、タッチセンシティブスクリーン、あるいは感圧膜または感熱膜を含むことができる。マイクロフォン46は、ディスプレイデバイス40のための入力デバイスとして構成され得る。いくつかの実装形態では、ディスプレイデバイス40の動作を制御するために、マイクロフォン46を介したボイスコマンドが使用され得る。
【0115】
電源50は、当技術分野でよく知られている様々なエネルギー蓄積デバイスを含むことができる。たとえば、電源50は、ニッケルカドミウムバッテリーまたはリチウムイオンバッテリーなどの充電式バッテリーであり得る。電源50はまた、再生可能エネルギー源、キャパシタ、あるいはプラスチック太陽電池または太陽電池塗料を含む太陽電池であり得る。電源50はまた、壁コンセントから電力を受け取るように構成され得る。
【0116】
いくつかの実装形態では、制御プログラマビリティがドライバコントローラ29中に存在し、これは電子ディスプレイシステム中のいくつかの場所に配置され得る。いくつかの他の実装形態では、制御プログラマビリティがアレイドライバ22中に存在する。上記で説明した最適化は、任意の数のハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素において、ならびに様々な構成において実装され得る。
【0117】
本明細書で開示する実装形態に関して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実装され得る。ハードウェアとソフトウェアの互換性が、概して機能に関して説明され、上記で説明した様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路およびステップにおいて示された。そのような機能がハードウェアで実装されるか、ソフトウェアで実装されるかは、特定の適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。
【0118】
本明細書で開示する態様に関して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、および回路を実装するために使用される、ハードウェアおよびデータ処理装置は、汎用シングルチップまたはマルチチッププロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、あるいは本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、あるいは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装され得る。いくつかの実装形態では、特定のステップおよび方法が、所与の機能に固有である回路によって実行され得る。
【0119】
1つまたは複数の態様では、説明した機能は、本明細書で開示する構造を含むハードウェア、デジタル電子回路、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、およびそれらの上記構造の構造的等価物において、またはそれらの任意の組合せにおいて実装され得る。また、本明細書で説明する主題の実装形態は、1つまたは複数のコンピュータプログラムとして、すなわち、データ処理装置が実行するためにコンピュータ記憶媒体上に符号化された、またはデータ処理装置の動作を制御するための、コンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして、実装され得る。ソフトウェアで実装した場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶されるか、あるいはコンピュータ可読媒体を介して送信され得る。本明細書で開示する方法またはアルゴリズムのステップは、コンピュータ可読媒体上に常駐し得る、プロセッサ実行可能ソフトウェアモジュールで実装され得る。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所にコンピュータプログラムを転送することを可能にされ得る任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体とコンピュータ通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを記憶するために使用され得、コンピュータによってアクセスされ得る、任意の他の媒体を含み得る。また、いかなる接続もコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれ得る。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイ(登録商標)ディスクを含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザーで光学的に再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含めるべきである。さらに、方法またはアルゴリズムの動作は、コンピュータプログラム製品に組み込まれ得る、機械可読媒体およびコンピュータ可読媒体上のコードおよび命令の1つまたは任意の組合せ、あるいはそのセットとして常駐し得る。
【0120】
本開示で説明する実装形態への様々な修正は当業者には容易に明らかであり得、本明細書で定義した一般原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実装形態に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書で示した実装形態に限定されるものではなく、本明細書で開示する特許請求の範囲、原理および新規の特徴に一致する、最も広い範囲を与られるべきである。「例示的」という単語は、本明細書ではもっぱら「例、事例、または例示の働きをすること」を意味するために使用される。「例示的」として本明細書で説明するいかなる実装形態も、必ずしも他の実装形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。さらに、「上側」および「下側」という用語は、図の説明を簡単にするために時々使用され、適切に配向されたページ上の図の配向に対応する相対位置を示すが、実装されたIMODの適切な配向を反映しないことがあることを、当業者は容易に諒解されよう。
【0121】
また、別個の実装形態に関して本明細書で説明されたいくつかの特徴は、単一の実装形態において組合せて実装され得る。また、逆に、単一の実装形態に関して説明された様々な特徴は、複数の実装形態において別個に、あるいは任意の好適な部分組合せで実装され得る。その上、特徴は、いくつかの組合せで働くものとして上記で説明され、初めにそのように請求されることさえあるが、請求される組合せからの1つまたは複数の特徴は、場合によってはその組合せから削除され得、請求される組合せは、部分組合せ、または部分組合せの変形形態を対象とし得る。
【0122】
同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が、示される特定の順序でまたは順番に実行されることを、あるいはすべての図示の動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきでない。いくつかの状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。その上、上記で説明した実装形態における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実装形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきでなく、説明するプログラム構成要素およびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品において互いに一体化されるか、または複数のソフトウェア製品にパッケージングされ得ることを理解されたい。さらに、他の実装形態が以下の特許請求の範囲内に入る。場合によっては、特許請求の範囲に記載の行為は、異なる順序で実行され、依然として望ましい結果を達成することができる。
以下に本願発明の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
光を放出するように構成された光源と、
基板と、
前記基板の第1の面に取り付けられ、前記基板を通して前記光源から放出された前記光の向きを変えるように構成された光ガイドと、
光検出器に入射した光の特性を判断するように構成された光検出器と、
1つまたは複数のばねを介して前記基板の第2の面に取り付けられたプルーフマスであって、前記第2の面が前記第1の面の反対側にあり、前記プルーフマスの動きが、前記光源から放出された前記光に干渉し、それにより光検出器によって検出された前記光の前記特性を改変するように構成された、プルーフマスとを備える、加速度計。
[C2]
前記判断された特性に基づいて加速度を判断するように構成されたプロセッサをさらに備える、C1に記載の加速度計。
[C3]
前記光ガイドの反対側の前記基板に堆積され、前記基板を通して光の向きを変えて光を返すように構成された裏面光ガイドをさらに備える、C1に記載の加速度計。
[C4]
前記光の前記特性が前記光の強度を備える、C1に記載の加速度計。
[C5]
前記光の前記特性が偏光または波長のうちの少なくとも1つを備える、C1に記載の加速度計。
[C6]
前記基板が少なくとも部分的に透明である、C1に記載の加速度計。
[C7]
前記光が前記基板の透明なビアを通して向きが変えられる、C1に記載の加速度計。
[C8]
前記プルーフマスが少なくとも部分的に不透明であるか、または部分反射性である、C1に記載の加速度計。
[C9]
前記1つまたは複数のばねが、異なるばね定数をもつ2つのばねを備える、C1に記載の加速度計。
[C10]
前記基板がガラスを備える、C1に記載の加速度計。
[C11]
加速度を判断する方法であって、前記方法が、
基板を通してプルーフマスのほうへ光の向きを変えることと、
前記光の特性に基づいて加速度を判断することとを備える、方法。
[C12]
前記透明な基板を通して前記光の向きを変えて光を返すことをさらに備える、C11に記載の方法。
[C13]
前記光の前記特性が前記光の強度を備える、C11に記載の方法。
[C14]
前記プルーフマスの動きが前記光の前記特性を改変する、C11に記載の方法。
[C15]
前記光を生成することをさらに備える、C11に記載の方法。
[C16]
前記光の前記特性を判断することをさらに備える、C11に記載の方法。
[C17]
基板を通してプルーフマスのほうへ光の向きを変えるための手段と、
前記光の特性に基づいて加速度を判断するための手段とを備える、加速度計。
[C18]
光を生成するための手段と、前記光の前記特性を判断するための手段とをさらに備える、C17に記載の加速度計。
[C19]
光を生成するための前記手段が光源を備え、光の向きを変えるための前記手段が光ガイドを備え、前記特性を判断するための前記手段が光検出器を備え、加速度を判断するための前記手段がプロセッサを備える、C18に記載の加速度計。
[C20]
ディスプレイデバイスを製造する方法であって、前記方法が、
基板を設けることと、
前記基板の近傍に光源と光検出器とを配置することと、
前記基板の第1の面上に光ガイドを堆積またはエッチングすることであって、前記光ガイドが、前記基板を通して前記光源からの光の向きを変えるように構成された、堆積またはエッチングすることと、
1つまたは複数のばねを介して前記基板の第2の面に取り付けられたプルーフマスを形成することであって、前記第2の面が前記第1の面の反対側にあり、前記プルーフマスの動きが、前記光検出器に到達する前記光源からの前記光の特性を改変する、形成することとを備える、方法。
[C21]
前記光検出器に到達する前記光の前記特性に基づいて加速度を判断するようにプロセッサを構成することをさらに備える、C20に記載の方法。
[C22]
前記基板の第2の面に取り付けられたプルーフマスを形成することが、前記1つまたは複数のばねを形成することを備える、C20に記載の方法。
[C23]
前記基板の第2の面に取り付けられたプルーフマスを形成することが、エッチング、堆積、またはリソグラフィを備える、C20に記載の方法。
[C24]
前記基板の第2の面に取り付けられたプルーフマスを形成することが、事前成形されたプルーフマスを前記基板の第2の面に取り付けることを備える、C20に記載の方法。
[C25]
異なるばね定数をもつ少なくとも2つのばねを介して支持体に取り付けられ、光を生成または反射するように構成された光学要素と、
前記光の強度を判断するように構成された光検出器とを備える、加速度計。
[C26]
前記判断された強度に基づいて加速度を判断するように構成されたプロセッサをさらに備える、C25に記載の加速度計。
[C27]
前記少なくとも2つのばねが、前記光学要素の反対側に取り付けられた、異なるばね定数をもつ少なくとも2つのばねを含む、C25に記載の加速度計。
[C28]
前記光学要素が光源とミラーとのうちの少なくとも1つを備える、C25に記載の加速度計。