(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
リン含量を有するバイオマス原料に多価金属を添加する工程であって、前記多価金属が、前記バイオマス原料において利用可能な多価金属カチオンの量を増加させるのに適した形態で添加される工程と、
前記バイオマス原料を、多相生成物を生成するのに有効な水熱処理条件下で前記多価金属の存在下で水と接触させる工程であって、前記多相生成物が、前記バイオマス原料のリン含量の少なくとも80%を含む固体部分を含む工程と、
前記多相生成物を、少なくとも気相部分、液体炭化水素生成物および前記固体部分を生成するために分離する工程と
を含む、液体炭化水素生成物を生成するためのバイオマスの水熱処理方法。
前記バイオマス原料を有効な水熱条件下で水と接触させる工程において、反応ゾーンにおいて、前記バイオマス原料に前記多価金属を添加する、請求項11に記載の方法。
リン含量を有する藻類含有原料を、多相生成物を生成するのに有効な水熱処理条件下で水と接触させる工程であって、前記多相生成物が、前記藻類含有原料のリン含量の少なくとも80%を含む固体部分を含む工程と、
前記多相生成物を、少なくとも気相部分、液体炭化水素生成物、および前記固体部分を生成するために分離する工程と、
前記固体部分からのリンを藻類成長プロセスへとリサイクルする工程と
を含む、液体炭化水素生成物を生成するためのバイオマスの水熱処理方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態の詳細な説明)
概要
様々なタイプのバイオマスからの炭化水素生成物の生成での問題の1つは、炭素質以外の生成物の取り扱いであり得る。多くの場合に、非炭素質生成物は、汚染物質と見なすことができる。そのような汚染物質は、バイオマス中に存在する硫黄および/または窒素から形成された硫黄含有化合物および窒素含有化合物を含むことができる。
【0012】
藻類原料または細胞物質が原料中に含まれる他の原料などの、幾つかのバイオマス原料については、リンはまた原料の注目に値する部分を表すことができる。しかし、硫黄とは違って、リンを原料の処理から収穫(又は回収)される別の生成物として見ることは有益であり得る。リンは、細胞壁を形成するために使用される脂質などの、様々な細胞構造へ組み込まれ得る。細胞構造を成長させる点でのリンの重要性のために、リンは、生物有機体の成長のための有益なインプットであり得る。生物有機体の成長(又は増殖)のために必要とされるリンは、成長プロセスにおけるかなりのコストを占め得る。リンは、炭化水素生成物を生成するためのバイオマス原料の処理から形成される主要な販売可能製品の1つではないけれども、リンを効果的に獲得し、そして再使用する能力は、炭化水素生産プロセスの経済性を大きく改善することができる。
【0013】
様々な実施形態において、リンの改善された獲得および/またはリサイクリングを可能にしながら、留出物沸点範囲生成物を生成するための藻類原料(または他のバイオマスベースの原料)の水熱処理方法が提供される。藻類原料の水熱処理は、窒素不純物、酸素不純物、不飽和および/または芳香族不純物、金属不純物などの、留出生成物中に望ましくない不純物の少なくとも一部をまた除去しながら、所望の沸点範囲を有する分子へのバイオマスの転化を可能にすることができる。様々な実施形態においては、水熱処理条件は、リンの回収を容易にするために調節するおよび/または改善することができる。これは、原料中のリンの量に対して回収されるリンの総量を増加させることを含むことができる。これはさらにまたはあるいは、処理中に形成されるリン生成物中のリン対炭素の比を増加させることを含むことができる。リン回収率の改善方法は、多価金属カチオンなどの、多価金属を、金属リン酸塩を形成するために反応環境へ導入することを含むことができる。別の選択肢は、原料含量に対して回収されるリンの量および/または反応中に形成される固形分中のリン対炭素の比を向上させる水熱処理の温度および/または時間の長さを選択することを含むことができる。
【0014】
藻類は、輸送燃料および潤滑油などの価値ある製品に転化することができる、トリグリセリド、脂肪酸/アルコール、およびイソプレノイドなどのかなりの量の生成物を含有することができる。しかし、藻類原料を使用可能な製品へ転化する際に多くの課題が存在する。一課題は、藻類からの所望の炭化水素分子の回収である。炭化水素生成物を藻類から回収するための選択肢は、溶媒抽出ベースの方法を用いることであり得る。残念ながら、幾つかの溶媒ベースの方法は、水をほとんどまたはまったく含有しない藻類源の使用を必要とする。このタイプの溶媒抽出を可能にするのに十分な程度までの藻類源の脱水は、運転の高コストを必要とし得る。代わりの溶媒抽出法は、水を含有する藻類試料からの抽出を可能にすることができる。しかし、たとえば蒸留によって、溶媒が水から分離されなければならないので、高コスト工程は通常残る。
【0015】
溶媒抽出の代替手段として、水熱処理を、炭化水素生成物を藻類源から抽出するために用いることができる。水熱処理は、プロセスのコストを低減できる、水を蒸発させることなしに行うことができるという利点を有する。しかし、炭化水素生成物を生成するためにバイオマスを使用することの別の問題は、バイオマス中の不純物の存在であり得る。藻類原料は、とりわけ、硫黄、窒素、酸素、リン、族I金属、族II金属、遷移金属、オレフィン基、および芳香族基を含有し得る、比較的高い濃度の分子を有することができる。高い不純物レベルのために、非接触水熱処理からの炭化水素生成物を従来プロセスに使用できるに先立って追加の処理が必要とされ得る。
【0016】
供給原料(又は原料油もしくはフィードストック)
本発明の様々な実施形態においては、藻類原料または別のバイオマスベースの原料を、接触水熱処理を用いて処理することができる。そのような一実施形態においては、原料は典型的には、藻類および水を含有することができ、そして任意選択的に別のバイオ成分源からの追加の原料を含有することができ、ここで、バイオ成分源は、植物、動物、微生物、藻類、またはそれらの組み合わせからなどの、生物材料を含むおよび/または生物材料に由来するあらゆる源である。さらにまたはあるいは、原料は、藻類および水を含有する出発混合物に由来する原料であることができ、任意選択的に別のバイオ成分源からの原料を含有することができる。その上さらにまたはあるいは、原料は一般に、バイオマスをベースとする原料であり得る。
【0017】
藻類(または他のバイオマス)原料中に存在する水は、細胞外水および/または細胞内水を含み得ることに留意されたい。細胞内水は、藻類細胞などの、細胞の細胞膜内に含有される水を意味する。藻類原料については、細胞外水含量を基準として比較的乾燥しているように見える原料が、かなりの部分の細胞内水を依然として含有することができる。その細胞壁が破裂してしまった藻類(たとえば、実質的に乾燥した/脱水した藻類)については、藻類原料は、(破裂細胞が内部を持たず、外部のみを有するので)細胞外水を含有するにすぎないものであり得る。細胞内水を含有する藻類については、水対(乾燥)藻類の比の計算は、細胞内水が水の重量に考慮され、乾燥藻類の重量に考慮されるべきではないので、藻類重量のどれほどの部分が細胞内水によるかを測定することを必要とする。明快な例として、藻類試料は、細胞外水をまったく含まずに、藻類中の細胞内水の量のために、約1:1以上、たとえば約2:1以上の水対藻類比を依然として有することができよう。したがって、本明細書での藻類の重量への言及は、細胞内水を排除した、乾燥藻類の重量を意味する。
【0018】
藻類および水を少なくとも含有する原料については、原料の藻類含有率は、少なくとも約5重量%、たとえば少なくとも約10重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約25重量%、または少なくとも約30重量%であり得る。さらにまたはあるいは、原料の藻類含有率は、約50重量%以下、たとえば約30重量%以下、約25重量%以下、または約20重量%以下であり得る。比の観点から、原料中の水対藻類の比は、少なくとも約1:1、たとえば少なくとも約2:1、少なくとも約3:1、または少なくとも約4:1であり得る。さらにまたはあるいは、水対藻類の比は、約25:1以下、たとえば約20:1以下または約10:1以下であり得る。幾つかの実施形態においては、水の量に対する原料の藻類含有率は、藻類源からの水の抽出に関する実施上の配慮点に基づくことができる。したがって、幾つかの実施形態においては、藻類は、藻類と水との混合物またはペーストとして反応器へ導入することができる。さらにまたはあるいは、乾燥形態の藻類は、たとえば、藻類対水の所望の比を達成するために、十分な水と一緒に反応器へ導入することができる。
【0019】
藻類油または脂質は典型的には、膜成分、貯蔵産物、および/または代謝産物の形態で藻類中に含有され得る。ある種の藻類株、特に珪藻およびシアノバクテリアなどの微細藻類が比例的に高いレベルの脂質を含有することができる。藻類油のための藻類源は、様々な量、たとえば、バイオマスそれ自体の総重量を基準として、2重量%〜80重量%の脂質を含有することができる。
【0020】
藻類油のための藻類源としては、単細胞および多細胞藻類を挙げることができるが、それらに限定されない。そのような藻類の例としては、紅藻類(rhodophyte)、緑藻類(chlorophyte)、ヘテロコント藻類(heterokontophyte)、トリボ藻類(tribophyte)、灰色藻(glaucophyte)、クロララクニオ藻(chlorarachniophyte)、ユーグレナ藻(euglenoid)、ハプト藻(haptophyte)、クリプトモナド(cryptomonad)、ジノフラゲラム(dinoflagellum)、植物プランクトン(phytoplankton)など、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。一実施形態においては、藻類は、クラス緑藻綱(Chlorophyceae)および/またはハプトフィタ(Haptophyta)のものであり得る。具体的な種としては、ネオクロリス・オレオアバンダンス(Neochloris oleoabundans)、スセネデスムス・ジモルファス(Scenedesmus dimorphus)、ユーグレナ・グラシリス(Euglena gracilis)、海洋性珪藻(Phaeodactylum tricornutum)、プレウロクリシス・カルテラエ(Pleurochrysis carterae)、プリムネシウム・パルバム(Prymnesium parvum)、ナンノクロロプシス・ガディチアナ(Nannochloropsis gaditiana)、テトラセルミス・チュイ(Tetraselmis chui)、テトラセルミス・テルチオレクタ(Tetraselmis tertiolecta)、ドナリエラ・サリナ(Dunaliella salina)、クロレラ(Chlorella)の様々な種、およびクラミドモナス・レインハルトチイ(Chlamydomonas reinhardtii)を挙げることができるが、それらに限定されない。追加のまたは代わりの藻類源の非限定的な例としては、アクナンテス(Achnanthes)、アンフィプロラ(Amphiprora)、アンフォラ(Amphora)、アンキストロデスムス(Ankistrodesmus)、アステロモナス(Asteromonas)、ボエケロビア(Boekelovia)、ボロディネラ(Borodinella)、ボツリオコックス(Botryococcus)、ブラクテオコックス(Bracteococcus)、キートケロス(Chaetoceros)、カルテリア(Carteria)、クラミドモナス(Chlamydomonas)、クロロコックム(Chlorococcum)、クロロゴニウム(Chlorogonium)、クロレラ(Chlorella)、クロオモナス(Chroomonas)、クリソスファエラ(Chrysosphaera)、クリコスファエラ(Cricosphaera)、クリプテコジニウム(Crypthecodinium)、クリプトモナス(Cryptomonas)、キクロテラ(Cyclotella)、ドナリエラ(Dunaliella)、エリプソイドン(Ellipsoidon)、エミリアニア(Emiliania)、エレモスファエラ(Eremosphaera)、エルノデスミウム(Ernodesmius)、ユーグレナ(Euglena)、フランケイア(Franceia)、フラギラリア(Fragilaria)、グロエオサムニオン(Gloeothamnion)、ヘマトコッカス(Haematococcus)、ハロカフェテリア(Halocafeteria)、ヒメノモナス(Hymenomonas)、イソクリシス(Isochrysis)、レポキンクリス(Lepocinclis)、ミクラクチニウム(Micractinium)、モノラフィディウム(Monoraphidium)、ナンノクロリス(Nannochloris)、ナンノクロロプシス(Nannochloropsis)、ナビクラ(Navicula)、ネオクロリス(Neochloris)、ネフロクロリス(Nephrochloris)、ネフロセルミス(Nephroselmis)、ニッチア(Nitzschia)、オクロモナス(Ochromonas)、オエドゴニウム(Oedogonium)、オオキスティス(Oocystis)、オストレオコッカス(Ostreococcus)、パブロバ(Pavlova)、パラクロレラ(Parachlorella)、パッシェリア(Pascheria)、フェオダクチラム(Phaeodactylum)、ファガス(Phagus)、プラチモナス(Platymonas)、プレウロクリシス(Pleurochrysis)、プレウロコッカス(Pleurococcus)、プロトテカ(Prototheca)、シュードクロレラ(Pseudochlorella)、ピラミモナス(Pyramimonas)、ピロボトリス(Pyrobotrys)、イカダモ(Scenedesmus)、スケレトネマ(Skeletonema)、スパイロジャイラ(Spyrogyra)、スチチョコッカス(Stichococcus)、テトラセルミス(Tetraselmis)、タラシオシラ(Thalassiosira)、ビリジエラ(Viridiella)、およびボルボックス(Volvox)種の1つ以上の微細藻類、および/またはアグメネルム(Agmenellum)、アナベナ(Anabaena)、アナベノプシス(Anabaenopsis)、アナシスティス(Anacystis)、アファニゾメノン(Aphanizomenon)、アルトロスピラ(Arthrospira)、アステロカプサ(Asterocapsa)、ボルジア(Borzia)、カロトリックス(Calothrix)、カマエシフォン(Chamaesiphon)、クロログロエオプシス(Chlorogloeopsis)、クロオコシジオプシス(Chroococcidiopsis)、クロオコックス(Chroococcus)、クリナリウム(Crinalium)、シアノバクテリウム(Cyanobacterium)、シアノビウム(Cyanobium)、シアノシスティス(Cyanocystis)、シアノスピラ(Cyanospira)、シアノセイス(Cyanothece)、シリンドロスペルモプシス(Cylindrospermopsis)、シリンドロスペルマム(Cylindrospermum)、ダクチロコッコプシス(Dactylococcopsis)、デルモカルペラ(Dermocarpella)、フィッシェレラ(Fischerella)、フレミエラ(Fremyella)、ゲイトレリア(Geitleria)、ゲイトレリネマ(Geitlerinema)、グロエオバクター(Gloeobacter)、グロエオカプサ(Gloeocapsa)、グロエオテーセ(Gloeothece)、ハロスピルリナ(Halospirulina)、イエンガリエラ(Iyengariella)、レプトリングビア(Leptolyngbya)、リムノスリックス(Limnothrix)、リングビア(Lyngbya)、ミクロコレウス(Microcoleus)、ミクロシスティス(Microcystis)、ミクソサルキナ(Myxosarcina)、ノデュラリア(Nodularia)、ノストック(Nostoc)、ノストチョップシス(Nostochopsis)、オシラトリア(Oscillatoria)、フォルミディウム(Phormidium)、プランクトスリックス(Planktothrix)、プレウロカプサ(Pleurocapsa)、プロクロロコッカス(Prochlorococcus)、プロクロロン(Prochloron)、プロクロロトリックス(Prochlorothrix)、プセウドアナベナ(Pseudanabaena)、リブラリア(Rivularia)、シゾトリックス(Schizothrix)、サイトネマ(Scytonema)、スピルリナ(Spirulina)、スタニエリア(Stanieria)、スタリア(Starria)、スチゴネマ(Stigonema)、シムプロカ(Symploca)、シネココッカス(Synechococcus)、シネコシスティス(Synechocystis)、トリポスリックス(Tolypothrix)、トリコデスミウム(Trichodesmium)、チコネマ(Tychonema)、およびキセノコッカス(Xenococcus)種の1つ以上のシアノバクテリアが挙げられる。
【0021】
接触水熱処理の後に、接触水熱処理からの生成物の一部は、バイオ成分および/または鉱物(又はミネラル)ベースの原料と組み合わせることができる。組み合わせられた供給原料(又は原料油もしくはフィードストック)は、バイオ成分源をベースとする様々な量の原料流れを含むことができる。望まれるとき、原料は、少なくとも約0.1重量%、たとえば少なくとも約0.5重量%、少なくとも約1重量%、少なくとも約3重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約15重量%、少なくとも約25重量%、少なくとも約50重量%、または少なくとも約75重量%のバイオ成分源をベースとする原料を含むことができる。そのような実施形態においては、原料はさらにまたはあるいは、約100重量%以下、たとえば約90重量%以下、約75重量%以下、または約50重量%以下のバイオ成分を含むことができる。他の実施形態においては、(たとえば、原料の鉱油(又はミネラルオイル)部分との共処理のための)バイオ成分原料の量は、たとえば、少なくとも約0.5重量%、たとえば、少なくとも約1重量%、少なくとも約2.5重量%、または少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、または少なくとも約20重量%のバイオ成分源をベースとする供給原料を含む原料で、比較的低いものであり得る。そのような実施形態においては、原料はさらにまたはあるいは、約50重量%以下、たとえば約25重量%以下、約20重量%以下、約10重量%以下、または約5重量%以下のバイオ成分ベースの供給原料を含むことができる。
【0022】
本発明の様々な実施形態においては、組み合わせられた供給原料としては、植物(高等植物)、動物、魚、および/または藻類などの、様々なバイオマスまたはバイオ成分源からの原料を挙げることができる。一般に、これらのバイオ成分源としては、植物脂肪/油、動物脂肪/油、魚油、熱分解油、および藻類脂質/油、ならびにそのような材料の成分を挙げることができ、幾つかの実施形態においては、具体的には1つ以上のタイプの脂質化合物を挙げることができる。脂質化合物は典型的には、水に不溶性であるが、非極性(または脂肪)溶媒に可溶性である生体化合物である。そのような溶媒の非限定的な例としては、アルコール、エーテル、クロロホルム、アルキルアセテート、ベンゼン、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0023】
主要クラスの脂質としては、脂肪酸、グリセロール由来脂質(脂肪、油およびリン脂質など)、スフィンゴシン由来脂質(セラミド、セレブロシド、ガングリオシド、およびスフィンゴミエリンなど)、ステロイドおよびそれらの誘導体、テルペンおよびそれらの誘導体、脂溶性ビタミン、ある種の芳香族化合物、ならびに長鎖アルコールおよびロウが挙げられるが、それらに必ずしも限定されない。
【0024】
生体において、脂質は一般に、細胞膜の基盤としておよび燃料貯蔵の形態として役立つ。脂質はまた、リポタンパクおよびリポ多糖類の形態でなどの、タンパク質または炭水化物に抱合されて見いだすことができる。
【0025】
本発明に従って使用することができる植物油の例としては、菜種(キャノーラ)油、大豆油、ココナツオイル、ヒマワリ油、パーム油、パーム核油、ピーナツ油、アマニ油、トールオイル、コーンオイル、ヒマシ油、ジャトロファオイル、ホホバオイル、オリーブ油、フラクシードオイル、カメリナオイル、サフラワー油、ババス油、獣脂油および米糠油を挙げることができるが、それらに限定されない。
【0026】
本明細書で言及されるような植物油としてはまた、加工植物油材料を挙げることができる。加工植物油材料の非限定的な例としては、脂肪酸および脂肪酸アルキルエステルが挙げられる。アルキルエステルとしては、典型的にはC
1〜C
5アルキルエステルが挙げられる。メチル、エチル、およびプロピルエステルの1つ以上が好ましい。
【0027】
本発明に従って使用することができる動物脂肪の例としては、牛脂(タロー)、豚脂(ラード)、七面鳥脂肪、魚脂/油、および鶏脂が挙げられるが、それらに限定されない。動物脂肪は、レストランおよび食肉生産設備などのあらゆる好適な源から入手することができる。
【0028】
本明細書で言及されるような動物脂肪としては、加工動物脂肪材料がまた挙げられる。加工動物脂肪材料の非限定的な例としては、脂肪酸および脂肪酸アルキルエステルが挙げられる。アルキルエステルとしては、典型的にはC
1〜C
5アルキルエステルが挙げられる。メチル、エチル、およびプロピルエステルの1つ以上が好ましい。
【0029】
本発明に使用可能な他のバイオ成分原料としては、主としてトリグリセリドおよび遊離脂肪酸(FFA)を含むもののいずれかを挙げることができる。トリグリセリドおよびFFAは典型的には、8〜36個の炭素、好ましくは10〜26個の炭素、たとえば14〜22個の炭素を有する脂肪族炭化水素鎖をそれらの構造中に含有する。トリグリセリドのタイプは、それらの脂肪酸構成要素に従って測定することができる。脂肪酸構成要素は、ガスクロマトグラフィー(GC)分析を用いて容易に測定することができる。この分析は、脂肪または油を抽出する工程と、脂肪または油を鹸化する(加水分解する)工程と、鹸化された脂肪または油のアルキル(たとえば、メチル)エステルを調製する工程と、GC分析を用いて(メチル)エステルのタイプを測定する工程とを含む。一実施形態においては、脂質材料中に存在する総トリグリセリドを基準として、脂質材料中に存在するトリグリセリドの大部分(すなわち、50%超)は、C
10〜C
26脂肪酸構成要素からなり得る。さらに、トリグリセリドは、グリセロールと3つの脂肪酸との反応生成物と同一の構造を有する分子である。したがって、トリグリセリドは脂肪酸からなるものとして本明細書では記載されるが、脂肪酸成分がカルボン酸水素を必ずしも含有しないことが理解されるべきである。一実施形態においては、総トリグリセリド含有率を基準として、バイオ成分原料中に存在するトリグリセリドの大部分は好ましくは、C
12〜C
18脂肪酸構成要素からなり得る。生物原材料成分に由来する他のタイプの原料としては、脂肪酸アルキルエステル(たとえば、FAMEおよび/またはFAEE)などの、脂肪酸エステルを挙げることができる。
【0030】
バイオ成分ベースのディーゼル沸点範囲の原料流れは、広範囲の窒素および/または硫黄含有率を有することができる。たとえば、植物油源をベースとするバイオ成分ベースの原料流れは、約300wppm以下の窒素を含有することができる。対照的に、全体藻類または破裂藻類を含有するバイオマスベースの原料流れは時々、より高い窒素含量を含むことができる。藻類のタイプに依存して、藻類ベースの原料流れの窒素含有率は、少なくとも約2重量%、たとえば少なくとも約3重量%、少なくとも約5重量%、または少なくとも約10重量%であり得、さらにより高い窒素含有率の藻類が知られている。バイオ成分原料の硫黄含有率もまた変動することができる。幾つかの実施形態においては、硫黄含有率は、約500wppm以下、たとえば約100wppm以下、約50wppm以下、または約10wppm以下であり得る。
【0031】
窒素および硫黄は別として、酸素がバイオ成分ベースの原料中の別のヘテロ原子成分であり得る。植物油をベースとするバイオ成分ディーゼル沸点範囲の原料流れは、水素化処理(又は水素処理もしくは水素化精製)の前に、約10重量%以下、たとえば約12%以下または約14重量%以下の酸素を含むことができる。さらにまたはあるいは、そのようなバイオ成分ディーゼル沸点範囲の原料流れは、少なくとも約1重量%、たとえば少なくとも約2重量%、少なくとも約3重量%、少なくとも約4重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約6重量%、または少なくとも約8重量%の酸素を含むことができる。その上さらにまたはあるいは、バイオ成分原料流れは、水素化処理の前に、少なくとも約3重量%、たとえば少なくとも約5重量%または少なくとも約10重量%のオレフィン含量を含むことができる。
【0032】
鉱物(又はミネラル)炭化水素の供給原料は、典型的には原油に由来する、そして1つ以上の分離および/または精製プロセスに任意選択的にかけられた従来の(たとえば、非バイオ成分)炭化水素の供給原料を意味する。好ましい一実施形態においては、鉱物(又はミネラル)炭化水素の供給原料は、ディーゼル範囲またはそれより上で沸騰する石油の供給原料であり得る。好適な供給原料の例としては、バージン留出物、水素化処理されたバージン留出物、灯油、ディーゼル沸点範囲の原料(水素化された処理ディーゼル沸点範囲の原料などの)、軽質循環油、常圧ガスオイルなど、およびそれらの組み合わせを挙げることができるが、それらに限定されない。
【0033】
バイオ成分原料流れとブレンドするための鉱物(又はミネラル)原料流れは、約50wppm〜約2000wppmの窒素、たとえば約50wppm〜約1500wppmまたは約75〜約1000wppmの窒素含有率を有することができる。幾つかの実施形態においては、鉱物原料流れは、約100wppm〜約10,000wppmの硫黄、たとえば約200wppm〜約5,000wppmまたは約350wppm〜約2,500wppmの硫黄含有率を有することができる。さらにまたはあるいは、組み合わせられた(バイオ成分プラス鉱物(又はミネラル))供給原料は、少なくとも約5wppm、たとえば少なくとも約10wppm、少なくとも約25wppm、少なくとも約100wppm、少なくとも約500wppm、または少なくとも約1000wppmの硫黄含有率を有することができる。その上のさらにまたはあるいは、組み合わせられた供給原料は、約2000wppm以下、たとえば約1000wppm以下、約500wppm以下、約100wppm以下、または約50wppm以下の硫黄含有率を有することができる。その上さらにまたはあるいは、組み合わせられた供給原料の窒素含有率は、約1000wppm以下、たとえば約500wppm以下、約100wppm以下、約50wppm以下、約30wppm以下、約20wppm以下、または約10wppm以下であり得る。
【0034】
2つ以上の供給原料をブレンドすることによって作り出される供給原料中の硫黄、窒素、酸素、およびオレフィンの含有率は典型的には、ブレンドされる原料を基準とする加重平均を用いて決定することができる。たとえば、鉱物(又はミネラル)原料とバイオ成分原料とは、80重量%鉱物原料および20重量%バイオ成分原料の比でブレンドすることができる。鉱物原料が約1000wppmの硫黄含有率を有し、そしてバイオ成分原料が約10wppmの硫黄含有率を有する場合、結果として生じるブレンド原料は、約802wppmの硫黄含有率を有すると予期することができよう。
【0035】
本発明での使用に好適なディーゼル沸点範囲の原料流れは、約215°F(約102℃)〜約800°F(約427℃)の範囲内で沸騰する傾向がある。好ましくは、ディーゼル沸点範囲の原料流れは、少なくとも約215°F(約102℃)、たとえば少なくとも約250°F(約121℃)、少なくとも約275°F(約135℃)、少なくとも約300°F(約149℃)、少なくとも約325°F(約163℃)、少なくとも約350°F(約177℃)、少なくとも約400°F(約204℃)、または少なくとも約451°F(約233℃)の初留点を有する。好ましくは、ディーゼル沸点範囲の原料流れは、約800°F(約427℃)以下、または約775°F(約413℃)以下、または約750°F(約399℃)以下の終点を有する。幾つかの実施形態においては、ディーゼル沸点範囲の原料流れは、約451°F(約233℃)〜約800℃(約427℃)の沸点範囲を有することができる。さらにまたはあるいは、供給原料は、原料の規定の百分率を沸騰させるために必要な沸点で特徴づけることができる。たとえば、原料の少なくとも5重量%を沸騰させるために必要な温度は「T5」沸点と言われる。一実施形態においては、鉱油(又はミネラルオイル)供給原料は、少なくとも約230°F(約110℃)、たとえば少なくとも約250°F(約121℃)または少なくとも約275°F(約135℃)のT5沸点を有することができる。その上さらにまたはあるいは、鉱物炭化水素原料は、約775°F(約418℃)以下、たとえば約750°F(約399℃)以下または約725°F(約385℃)以下のT95沸点を有することができる。別の実施形態においては、ディーゼル沸点範囲の原料流れは、また、約250°F(約121℃)〜約800°F(約427℃)の沸点範囲の原料流れを提供するために灯油範囲化合物を含むことができる。
【0036】
水熱処理条件
様々な実施形態において、接触水熱処理は、回分、半回分、および/または連続式処理環境で行うことができる。反応が回分、半回分、または連続反応系で行われるかどうかにかかわらず、バイオマスが水熱処理条件下に処理されるあらゆる系の領域は、反応ゾーンと言うことができる。反応ゾーンは、回分もしくは半回分環境については反応器に、および/または連続反応系での水熱処理については反応器、導管、もしくは他の場所に相当する。
【0037】
回分反応器を含む実施形態においては、反応器は、処理条件に対処するのに好適なあらゆるタイプの回分反応器であり得る。超臨界条件での水の潜在的な存在のために、ステンレススチールが反応器壁用の好適な非反応性材料であり得る。本明細書で記載される反応条件に適合する、反応器表面用の他の材料および/またはコーティングを使用することができる。好適な反応器の例としては、オートクレーブ、攪拌タンク、プラウミキサーなど、およびそれらの組み合わせを挙げることができるが、それらに限定されない。あるいは、気泡塔を使用することができよう。回分または半回分型処理にとっての可能な一利点は、比較的不十分な流動特性を有する藻類原料について起こり得る。たとえば、約20重量%の水に対する藻類濃度(すなわち、重量で約4部の水対1部の藻類)では、結果として生じる混合物は、ペーストの稠度を有することができる。そのようなペーストは、たとえば、連続フロー式反応器でポンプを使用して、移動させるのが困難であり得る。
【0038】
一実施形態においては、回分反応器を藻類原料の接触水熱処理のために使用することができる。水と混合された藻類原料の一部を反応器へ導入し、それを次に、たとえば、あらゆる酸素含有ガスを除去するために、(必要ならば)パージすることができる。さらにまたはあるいは、触媒もまた反応器へ導入することができる。この触媒は、藻類と水との混合物の一部として含まれ得るか、または触媒は、別個のインプットの一部として反応器へ導入され得る。さらにまたはあるいは、不活性ガスおよび/または還元ガスの分圧を次に、反応器へ導入することができる。好適な還元ガスの例としては、水素を挙げることができ、一方好適な不活性ガスとしては、窒素を挙げることができる。好適な還元ガスの追加のまたは代わりの例としては、反応の開始前であろうと水熱処理中に酸素を形成する解離からであろうと、反応雰囲気に分子状酸素を加えない任意のガスを挙げることができる。反応器へ導入される追加のガスの分圧は、存在するとき、少なくとも約1バール(約0.1MPa)、たとえば少なくとも約25バール(約2.5MPa)、少なくとも約40バール(約4.0MPa)、または少なくとも約50バール(約5.0MPa)であり得る。さらにまたはあるいは、反応器へ導入されるガスの分圧は、存在するとき、約100バール(約10MPa)以下、たとえば約75バール(約7.5MPa)以下または約50バール(約5.0MPa)以下であり得る。還元ガスの導入は、水熱処理のために還元ガスを水に少なくとも部分的に溶解させる(たとえば、水を飽和させる)ことに相当することに留意されたい。
【0039】
藻類、水、触媒、および任意の追加の還元ガスおよび/または不活性ガスを導入した後に、回分反応器は密封することができる。反応器の温度は次に、少なくとも約50℃、たとえば少なくとも約80℃、少なくとも約100℃、少なくとも約150℃、少なくとも約200℃、少なくとも約250℃、少なくとも約275℃、または少なくとも約300℃に上げることができる。さらにまたはあるいは、反応器の温度は、約500℃以下、たとえば約400℃以下、約380℃以下、約350℃以下、約300℃以下、または約275℃以下に上げることができる。その上さらにまたはあるいは、反応器中の圧力は、少なくとも約1barg(約0.1MPag)、たとえば少なくとも約4.5barg(約450kPag)、少なくとも約25barg(約2.5MPag)、少なくとも約40barg(約4.0MPag)、少なくとも約50barg(約5.0MPag)、または少なくとも約100barg(約10MPag)であり得る。さらにまたはあるいは、反応器へ導入されるガスの分圧は、存在するとき、約300barg(約30MPag)以下、たとえば約250barg(約25MPag)以下、約225barg(約22.5MPag)以下、または約200barg(約20MPag)以下であり得る。
【0040】
幾つかの実施形態においては、反応器内の圧力と温度との組み合わせは、反応器中の水が相変化を実質的に受けない(たとえば、相変化を完全に受けない)ように選択することができる。水についての状態図において、臨界点は、約374℃の温度および約22MPaの圧力にある。状態図においてこの点を超えた温度と圧力との組み合わせで、水は、液相と気相との間で相転移を経験しない。代わりに、臨界点を超えると、水は、単一流体相として挙動する。したがって、幾つかの実施形態においては、圧力と温度との組み合わせは、反応器中の液体水が、臨界点を超えた状態が達成されるまで安定相のままであるように選択することができる。この条件を満たす一方法は、臨界点未満であり、そしてこうして相転移につながらない反応温度および圧力を選択することであり得る。幾つかの実施形態においては、追加のガスの分圧を反応器へ導入できる(その場合には、ある最小量の水が蒸気になるが、この状況は「実質的な」相変化ではないと本発明では考えられる)ことに留意されたい。追加のガスの分圧が約22MPaよりも大きい場合、この圧力は既に水についての臨界点を超えており、相転移は実質的にまったく可能ではない。たとえば、別のガスの分圧を有することができる、閉じた反応器では、液体水の容積が反応器の容積と比べて十分である限り、水の実質的な相転移は起こる可能性が低いことにまた留意されたい。
【0041】
さらにまたはあるいは、反応器内の圧力は、水についての温度を選択することによって設定することができる。幾つかの実施形態においては、反応器は、存在する場合、水および任意の追加のガスの導入後に、密封するまたは閉じることができる。水蒸気の分圧は、反応器中の温度に相当するように反応器中で発現するべきである。反応器の温度が高まるにつれ、それに対応して水のより高い分圧が反応器中で生じるべきである。水熱処理は、反応温度での水の分圧と、任意の追加の不活性ガスおよび/または還元ガスの分圧、ならびに処理中に発生するもしくは放出される任意のガスの分圧との組み合わせを表す圧力で行うことができる。様々な温度での水分圧の例としては、約50℃で約0.01MPa;約80℃で約0.05MPa;約100℃で約0.1MPa;約150℃で約0.5MPa;約200℃で約1.6MPa;約250℃で約4.0MPa;約275℃で約5.9MPa;約300℃で約8.6MPa;約350℃で約16.5MPa;および約374℃で約22.1MPaを挙げることができる。約22.1MPaおよび約374℃は、水についての状態図において臨界点に相当するので、当該点を超える温度での反応器中の「水蒸気」の分圧に言及することは意味がない。
【0042】
幾つかの実施形態においては、水熱処理は、連続フロー式反応器で行うことができる。連続フロー式反応器の例は、導管中の原料の温度を所望の水熱処理温度に上げるために加熱することができるパイプまたは他の導管であり得る。たとえば、炉を通過する導管、および/またはスチームで取り囲まれた導管を使用することができよう。導管は、加熱ゾーン(または加熱域)を通過するための任意の便利な形状を有することができる。たとえば、らせんの形状を有する導管を、加熱ゾーン内の導管部分のサイズを増やすために使用することができる。
【0043】
水熱処理を行うために必要とされる水の量は、連続フロー環境のために望まれるタイプの流動特性を提供するのに十分でない可能性があることが指摘されてきた。連続フロー処理環境において、藻類の流体流動特性を向上させるための一選択肢は、藻類原料の含水率を高めることであり得よう。しかし、含水率の増加はまた、原料中の藻類の量の減少のために、反応系の容積当たりの収率の相当する低下をもたらし得る。
【0044】
図1は、本発明のある実施形態での使用に好適な反応器の例を概略的に示す。
図1において、水熱処理反応器100は、藻類(または他のバイオマス)原料の処理のための接触水熱プロセスを行うために好適なあらゆるタイプの反応器を表すことができる。反応器100へのインプットフローは、不活性ガスインプット、水素ガスインプット、別のタイプの還元ガスインプット、またはそれらの組み合わせなどの、ガスインプット102を含むことができる。別のインプットフローは、藻類またはバイオマスインプット104であり得る。藻類インプット104が、十分に低い含水量によるなどの、不十分な流動特性を有する場合には、藻類インプット104はあるいは、反応器100への藻類インプット104の押出、注入、またはダンピングなどの、非フローインプットを表してもよい。任意選択的に、補足インプットフロー105を様々な理由で提供することができる。補助インプットフロー105の一選択肢は、水熱処理条件を維持することができるように、追加の水を含むことであり得る。補助インプットフロー105用の追加または代わりの構成要素は、(水熱処理条件下に最小の反応を受け得る)「不活性」炭化水素流れおよび/または生成物リサイクル流れであり得る。そのような炭化水素流れおよび/またはリサイクル流れは、触媒または触媒前駆体用のキャリアとして使用することができよう。代替手段として、藻類インプット104および補足インプット105は、反応器100に入る前に組み合わせて単一流れにすることができる。水熱処理は、たとえば、様々な相の混合物であり得るアウトプットフロー107を生み出すことができる。アウトプットフロー107を構成し得る相は、気相、炭化水素ベースの相、水性相、および1つ以上の固相を含むことができる。これらの相は任意選択的に、固形分と水相との混合など、互いに混合されてもよい。
【0045】
接触水熱処理のための触媒
処理中の別の選択肢は、水熱処理触媒の使用であり得る。水熱処理触媒は、水熱反応環境に(またはそれに導入される少なくとも1つの原料に)可溶性である形態にあり得るか、またはこの触媒は、水熱反応環境中で触媒粒子の形態にあり得る。反応環境中の触媒粒子は、あらゆる好適な粒度および/または粒度分布を有することができる。触媒粒子は任意選択的に、触媒材料が基材上に担持された状態で、担持触媒であり得る。
【0046】
水熱反応環境に可溶性である触媒を含む実施形態においては、この触媒は、触媒か触媒前駆体かのどちらかとして反応へ導入することができる。可溶性触媒は、水熱反応環境へ導入される水にまたは別の溶媒に可溶性であり得る。溶媒の例としては、アルコール、酸、炭化水素、または他の油を挙げることができるが、それらに限定されない。さらにまたはあるいは、溶媒は、水熱処理プロセスによって生み出される生成物に相当するものであり得る。好適な触媒または触媒前駆体の例としては、金属酢酸塩、金属炭酸塩、金属アセチルアセトネート、またはそれらの組み合わせなどの遷移金属塩を挙げることができるが、それらに限定されない。そのような金属塩用の好適な金属の例としては、Cr、V、Mo、Ni、Cu、Fe、Co、Mn、およびそれらの組み合わせを挙げることができるが、それらに限定されない。さらにまたはあるいは、好適な金属としては、族VIB金属もしくは族VIII金属、または1つ以上の族VIB金属と1つ以上の族VIII非貴金属との組み合わせを挙げることができる。その上さらにまたはあるいは、触媒前駆体は、H
2Sの流れなどの、硫黄含有流れを反応環境へ導入することによって活性化して金属硫化物を形成することができる。
【0047】
藻類の量に対して、反応器(反応ゾーン)における可溶性触媒または触媒前駆体の金属量は、少なくとも約0.01重量%(100wppm)、たとえば少なくとも約0.05重量%、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約0.25重量%、または少なくとも約0.5重量%であり得る。さらにまたはあるいは、反応器(反応ゾーン)における触媒の量は、藻類の量に対して約5.0重量%以下、たとえば約3.0重量%以下、約2.0重量%以下、約1.0重量%以下、約0.5重量%以下、または約0.25重量%以下であり得る。
【0048】
可溶性触媒選択肢は別として、貴金属(たとえば、Pt、Pd、Rh、Ru、Ir、またはそれらの組み合わせ)を含む担持触媒を使用することができる。さらにまたはあるいは、触媒用の担体は、水熱的に安定な担体であり得る。好適な担体の例としては、チタニアおよび/またはジルコニアなどの耐熱性酸化物;シリカ;活性炭;チタン、ジルコニウム、バナジウム、モリブデン、マンガン、およびセリウムから選択される1つ以上の金属がその上に堆積させられている炭素;酸化マグネシウム;ハイドロタルサイト;他の様々なタイプの粘土;ならびに、チタニア、ジルコニア、およびシリカの2つ以上の混合物などの、それらの組み合わせを挙げることができるが、それらに限定されない。さらにまたはあるいは、支持材は、アルミナを実質的に含まないものであり得る。本明細書で用いるところでは、アルミナを「実質的に含まない」は、1重量%未満のアルミナ、好ましくは0.1重量%未満のアルミナ、たとえば0.01重量%未満のアルミナ、完全に無添加のアルミナ、またはアルミナを完全に含まないことを意味すると理解されるべきである。
【0049】
さらに別の触媒選択肢は、貴金属ありまたはなしの塩基性金属酸化物または混合金属酸化物を使用することであり得る。貴金属なしのそのような触媒の例としては、酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、チタニアおよび/またはジルコニア上に担持されたカリウム、ならびにそれらの組み合わせを挙げることができるが、それらに限定されない。
【0050】
その上別の触媒選択肢は、好適な担体上に担持された水素処理(又は水素化処理もしくは水素化精製)タイプの金属を使用することであり得る。水素処理タイプの金属の例としては、族VIII金属(Coおよび/またはNiなどの)と族VIB金属(Moおよび/またはWなどの)との組み合わせを挙げることができるが、それらに限定されない。3つ以上の族VIII金属および/または族VI金属の組み合わせをさらにまたはあるいは使用することができる(たとえば、NiMoW、CoNiMo、CoMoWなど)。好適な支持材としては、本明細書で上に特定されたものが挙げられる。
【0051】
さらに別の触媒の選択肢は、生体適合性材料を含む触媒を選択することであり得る。たとえば、生体適合性材料は、藻類などの、バイオマスの成長(又は増殖)のための栄養素(又は栄養物(nutrient))として役立つことができる材料、および/または水熱処理のために使用される材料の濃度でバイオマス成長環境に悪影響を与えない材料であり得る。生体適合性触媒は任意選択的に、生体適合性担体を含むことができる。生体適合性触媒における好適な金属の例としては、K、Na、Mg、Ca、Fe、Zn、Mn、Mo、Cu、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。生体適合性触媒は、水酸化物、酸化物、炭酸塩、または酢酸塩もしくはアセチルアセトネート(acac)などの有機金属誘導体の形態にあり得る。さらにまたはあるいは、触媒は、活性炭などの担体上に含浸させることができる。藻類などの、処理されているバイオマスがあるいは触媒用の担体として役立つことができる。幾つかの実施形態においては、これらの生体適合性触媒材料は、バイオマス成長のための栄養素原料としてか水熱処理反応へのインプットとしてかのどちらかでリサイクルすることができる。
【0052】
藻類の量に対して、反応器(反応ゾーン)における触媒の量は、少なくとも約0.05重量%、たとえば少なくとも約0.1重量%、少なくとも約1重量%、少なくとも約2.5重量%、または少なくとも約5重量%であり得る。さらにまたはあるいは、反応器(反応ゾーン)における触媒の量は、藻類の量に対して約20重量%以下、たとえば約15重量%以下または約10重量%以下であり得る。
【0053】
触媒上に担持される金属の量は変動することができる。触媒の重量に対して、触媒上に担持される貴金属の量は、存在するとき、総触媒重量を基準として、少なくとも約0.1重量%、たとえば少なくとも約0.5重量%、少なくとも約0.6重量%、少なくとも約0.75重量%、または少なくとも約1.0重量%であり得る。さらにまたはあるいは、触媒上に担持される貴金属の量は、存在するとき、総触媒重量を基準として、約1.5重量%以下、たとえば約1.0重量%以下、約0.75重量%以下、または約0.6重量%以下であり得る。より一般的には、触媒担体上の金属の量は、個々にまたは混合物で、総触媒重量を基準として、少なくとも約0.1重量%、たとえば少なくとも約0.25重量%、少なくとも約0.5重量%、少なくとも約0.6重量%、少なくとも約0.75重量%、少なくとも約1重量%、少なくとも約2.5重量%、または少なくとも約5重量%であり得る。さらにまたはあるいは、触媒担体上の金属の量は、個々にまたは混合物で、総触媒重量を基準として、約35重量%以下、たとえば約20重量%以下、約15重量%以下、約10重量%以下、または約5重量%以下であり得る。
【0054】
触媒の使用は、水熱処理に対して追加の問題を提起し得る。反応環境に当初可溶性である触媒または触媒前駆体について、1つの問題は、反応生成物からの触媒の分離であり得る。一分離法は濾過であり得る。触媒が反応生成物に可溶性ではない場合、結果として生じる触媒粒子は、触媒粒子が混合している生成物から濾過して除くことができる。触媒が反応生成物に不溶性である可能性がある一理由は、金属硫化物への触媒前駆体の転化などの、触媒が別の形態に転化されている場合である。
【0055】
担持(または微粒子)触媒はまた、追加の考慮事項を提示し得る。さらにまたはあるいは、触媒粒子についての粒度は、他の固形分からの触媒粒子の分離を容易にするために変える、たとえば、選択することができる。そのような実施形態においては、触媒粒子は、少なくとも約1000μm、たとえば少なくとも約1500μmまたは少なくとも約2000μmの平均粒度を有することができる。所望の触媒粒度を達成するために、触媒は、存在する場合、支持材および任意の活性金属に加えて、水熱的に安定なバインダー材料を含むように任意選択的に配合することができる。好適な水熱的に安定なバインダー材料は、支持材として使用される材料に似ていることができるおよび/または、ケイ素、チタン、ジルコニウム、バナジウム、モリブデン、マンガン、およびセリウムから選択される1つ以上の金属の酸化物を含むことができるが、それらに必ずしも限定されない。バインダーと配合されている担持触媒については、支持材がバインダーとしての機能を果たすことができるか、または異なる材料がバインダーとして使用されることができる。
【0056】
担持触媒は、様々な反応器タイプを用いて水熱処理条件下に原料と接触させることができる。上に記載されたような回分または半回分反応器を、微粒子触媒を使って用いることができる。たとえば、触媒は、藻類、水、および他の任意選択のガスが反応器に加えられるときにそのような反応器に加えることができる。連続フロー導管をさらにまたはあるいは用いることができる。このタイプの実施形態においては、導管を通るフローは、藻類および水のフロー中に懸濁された触媒粒子のスラリーに似ている可能性がある。
【0057】
非接触処理に好適な反応器に加えて、固定床反応器、移動床、懸濁気泡塔反応器(又は沸騰床反応器)などの、他のタイプの連続フロー反応器を潜在的に、藻類原料の水熱処理のために用いることができる。固定床反応器が使用される場合、一懸念は、たとえば、バイオマスまたは藻類原料中に存在する固形分による、触媒床の汚染であり得る。触媒床の汚染は、床を通る原料のフローの制限のために、触媒床にわたって予期されるよりも高い圧力降下をもたらし得る。固定床反応器は多くの場合、有意な汚染問題なしに約150μm以下の粒度で原料を処理することができる。それにもかかわらず、触媒床のあらゆる汚染は、たとえば、触媒床にわたる圧力降下を制御するためのバイパスチューブを有することによって、幾分軽減することができる。残念ながら、個々の藻類細胞は、150μmと比べて、小さい直径を有するが、水熱処理された藻類は、凝集する増加した傾向を有することができる。結果として、藻類原料の水熱処理から生じた藻類ベースの固形分の5%以上が、150μm超の粒度の凝集粒子の形態にあり得る。それにもかかわらず、幾つかの実施形態においては、固定床反応器は、生成物藻類固形分の凝集挙動が、たとえば、十分な空間速度を用いることによっておよび/または他の手段によって軽減できるときに特に、使用されてもよい。
【0058】
固定床反応器の代替手段として、懸濁気泡塔反応器を水熱処理のために使用することができる。従来の懸濁気泡塔反応器では、原料(水および藻類)および処理ガス(水素含有還元ガス)の両方を、反応器の底部から反応器へ導入することができる。そのような反応器では、反応器流出物の一部を含有するリサイクルされる原料もまた反応器の底部へ導入することができる。これらの原料フローは、反応器中へ上方移動し、供給ポンプが置かれている反応器の底部で触媒がこのエリアに入るのを防ぐように設計された触媒支持格子を通過することができる。そのような懸濁気泡塔反応器での触媒は典型的には、触媒支持格子の上方に置かれる。
【0059】
原料(および任意選択的に追加のガス)フローが触媒床に達するとき、床は一般に流動化状態になり、床内での混合だけでなく床の膨張をもたらす。原料(および水素)は、床内で反応して、液体生成物、固体生成物、およびガス状生成物を含む、生成物を形成することができる。従来の懸濁気泡塔反応器でのフローは、流出物が最上部で抜き出されるまで上方へ継続することができる。この流出物は、所望の生成物と、未反応水素(存在するとき)と、反応中に形成された可能性があるH
2SまたはNH
3などの汚染物質ガスを含む、副生物ガスとの組み合わせであり得る。好ましい実施形態においては、液体流出物の一部は、たとえば、反応器の底部にリサイクルすることができる。必要ならば、ガスは、流出物の液体部分から分離することができる。
【0060】
固体フラクション中のリン含有率
炭化水素生成物の回収に加えてまたはその代わりに、他の藻類固形分(または他のバイオマス固形分)の回収が有益であり得る。たとえば、リンは、水熱処理後に残留藻類固形分から回収することができる。回収されたリンのための一潜在的使用は、追加の藻類または他のバイオマスの成長(又は増殖)のための栄養素としてであり得る。
【0061】
バイオマスの水熱処理からのリンの回収の向上は、幾つかの要因をバランスさせることを含むことができる。様々な実施形態の一利益は、リンが、たとえば、液体生成物流れから濾取することができる、固体生成物を形成していることであり得る。液体炭化水素生成物の一部として残るあらゆるリンおよび/または溶媒に可溶化されることになるあらゆるリンは、1つ以上の別個の、追加のプロセスで回収することができよう。下の考察において、水熱処理の生成物からのリンの回収は、固形分として回収されるリンの量に基づいて評価することができる。
【0062】
リンの回収は、固体生成物中のリンの量に基づいて評価することができるので、初期の目標は、固体生成物中のリンの大きい百分率をもたらす処理条件を開発することであり得る。藻類原料などの、バイオマス原料を処理する従来の一方法は、抽出溶媒(たとえば、CHCl
3とCH
3OHとの混合物などの)を使用して所望の炭化水素生成物を原料から抽出することであり得る。抽出溶媒は有利には、原料中のリンの量に対して90重量%超の固体生成物中のリンの収率を得ることができる。効率的なリン回収プロセスのためには、原料リン含量に対して、少なくとも80重量%、たとえば少なくとも85重量%または少なくとも90重量%の、固体生成物中のリン収率を得ることが望ましいことであり得る。
【0063】
固体生成物中のリンの収率を向上させるための一選択肢は、水熱反応における多価カチオンの量を増やすことであり得る。多くのバイオマス原料は、Ca、Mg、および/またはFeなどの、少なくとも幾らかの多価カチオンを含有することができる。これらの多価カチオンは、固体生成物の一部としてリン酸塩または他のリン固形分を形成することができる。幾つかの原料については、Ca、Mg、Fe、Al、またはそれらの組み合わせから選択される追加のカチオンを添加することによってなど、利用可能な多価カチオンの量を増やすと、固体生成物中のリンの量を増加させる可能性がある。幾つかのそのような実施形態においては、少なくとも約1:1モル比の多価カチオン対リン原子を提供するのに十分な多価カチオンを添加することができる。これは、少なくとも約0.1重量%、たとえば少なくとも約0.2重量%または少なくとも約0.3重量%の多価金属を添加することに相当し得る。さらにまたはあるいは、添加される多価金属の量は、約1.0重量%以下、たとえば約0.8重量%以下、約0.6重量%以下、または約0.5重量%以下であり得る。多価金属の量は、ある多価金属を既に含有する原料では減らし得ることに留意されたい。
【0064】
水熱処理のための条件を選択する際の別の考慮事項は、固体生成物中のリンの相対量であり得る。上に指摘されたように、溶媒抽出は、原料中の初期リンの90重量%超を有する固体生成物を生成することができる。残念ながら、そのような従来の溶媒処理はまた、たとえば、その生成物中でリンが5重量%以下ほどに低い量で存在し得る、比較的大量の炭素質固形分をもたらし得る。これは多くの問題を提起し得る。第一に、追加の処理が、はるかに大きい割合の炭素固形分および/または他の固形分からリンを抽出するために必要とされ得る。別の問題は、固体生成物中の比較的高い炭素含有率が経済価値の高い目的のためにこの固形分を使用する/販売することの困難さを増加させ得ることであり得る。別の言い方をすれば、注目に値する量の炭素が所望の生成物へ転化されるよりもむしろ、失われる可能性があることを固体生成物中の大きい割合の炭素が意味することであり得る。
【0065】
炭素に対する固体生成物中に回収されるリンの量は、反応条件にある程度依存し得る。いかなる特定の理論にも制約されることなく、比較的低い苛酷度の反応条件はバイオマス原料の不完全な反応につながり得ると考えられる。これは、未反応であるおよび/または部分的にのみ反応している藻類(または他のバイオマス)固形分をもたらし得る。藻類は当初固体であり、そのため未反応および/または部分反応藻類は、不完全反応後に依然として固体であり得る。未反応および/または部分反応藻類は、したがって固体生成物の炭素含有率を増加させ、それはそれ故リン対炭素の比を低下させ得る。不完全反応はさらにまたはあるいは、リンの初期量に対して固形分中のリンの量の減少につながる可能性があることに留意されたい。
【0066】
同様に理論に制約されることなく、余りにも苛酷である反応条件は固体生成物中の炭素の増加につながる可能性があると考えられる。バイオマス原料の水熱処理は、芳香族化合物などの、幾つかのより重質の分子の生成の増加につながり得る。これらのより重質の分子の部分は、固形分を形成する傾向がある不溶性化合物に相当し得る。これらの追加の固形分はしたがって、固体生成物中のリン対炭素の比を低下させることに関与し得る。
【0067】
幾つかの実施形態においては、水熱処理温度は、固体生成物中のリン対炭素の比を向上させるために選択することができる。たとえば、反応温度は、一実施形態においては、約275℃〜約325℃の範囲であり得る。さらにまたはあるいは接触水熱処理実施形態においては、触媒の存在は処理温度を下げることができ、それは、固体生成物中のリン対炭素の比を増加につながる。そのような実施形態においては、反応温度は約250℃〜約300℃の範囲であり得る。
【0068】
さらにまたはあるいは、触媒の存在下か不在下かのどちらかでの、水熱処理についての固体生成物中のリン対炭素の比の向上は、処理温度と反応時間との組み合わせに基づくことができる。たとえば、約60分〜約105分の処理時間に対しては、反応温度は約250℃〜約300℃であり得る。約45分〜約90分の処理時間に対しては、反応温度は約275℃〜約325℃であり得る。約30分〜約60分の処理時間に対しては、反応温度は約285℃〜約335℃であり得る。約24分〜約48分の処理時間に対しては、反応温度は約300℃〜約350℃であり得る。約15分〜約30分の処理時間に対しては、反応温度は約325℃〜約375℃であり得る。約6分〜約24分の処理時間に対しては、反応温度は約350℃〜約400℃であり得る。
【0069】
その上さらにまたはあるいは、接触水熱処理について固体生成物中のリン対炭素の比の向上は、処理温度と反応時間との組み合わせに基づくことができる。たとえば、約60分〜約105分の処理時間に対しては、反応温度は約225℃〜約275℃であり得;約45分〜約90分の処理時間に対しては、反応温度は約250℃〜約300℃であり得;約30分〜約60分の処理時間に対しては、反応温度は約275℃〜約325℃であり得;約24分〜約48分の処理時間に対しては、反応温度は約285℃〜約335℃であり得;約15分〜約30分の処理時間に対しては、反応温度は約300℃〜約350℃であり得;かつ約6分〜約24分の処理時間に対しては、反応温度は約325℃〜約375℃であり得る。連続反応環境においては、反応時間は、滞留時間または空間速度の観点からより正確に記載できることに留意されたい。
【0070】
接触水熱処理からの生成物の分離
水熱処理は、多相生成物をもたらすことができる。多相生成物は、気相、炭化水素または油相、および固形分を含み得る水相を含むことができる。気相、油相、水相、および固形分相は、3相分離機を用いてなどの、任意の便利な方法によって互いに分離することができる。油相のキャラクタリゼーションは、下にさらに記載される。幾つかの実施形態においては、固形分相は当初水相と一緒であり得る。たとえば、固形分相は、水相中に懸濁され得るか、または水相中にスラリー化されたおよび/または水相から沈降した沈澱物であり得る。固形分相はまた、とりわけ;リンならびに藻類および/または他の微生物のための他の潜在的な栄養素;未反応および/または部分反応のみのバイオマス;ならびに任意選択的に、プロセスが接触水熱プロセスである場合には触媒粒子の1つ以上を含有する、有益なものであり得る。幾つかの実施形態においては、触媒粒子は、それらのリサイクルを、ならびに、存在する場合、栄養素のリサイクルを可能にするために他の固形分から分離することができる。
【0071】
図2は、処理するためのバイオマスの形態として藻類を含む本発明の実施形態についての処理フローの概略的な例を示す。
図2において、(任意選択的に接触)水熱処理からの生成物がさらなる使用のためにリサイクルされる統合スキームが示されている。
図2において、水熱処理のためのバイオマスインプットは、藻類源からのものであり得る。この藻類は、任意の便利なおよび/または公知のプロセスを含み得る、藻類成長プロセス210によって生産することができる。藻類は、炭化水素生成物への転化(又はコンバージョン)のために収穫(又は回収)することができる220。藻類収穫220の一環として、ある量の水は任意選択的に、藻類から除去することができる。たとえば、水は、凍結乾燥藻類の生産の一環として藻類から完全に除去することができる。あるいは、水は、遠心分離機によるなどの、物理的プロセスのみを用いて除去することができ、遠心分離機は有利には、約10:1以下、たとえば約7.5:1以下、または約5:1以下の水対藻類重量比の藻類原料をもたらすことができる。さらにまたはあるいは、水対藻類重量比は、少なくとも約2:1、たとえば少なくとも約2.5:1、または少なくとも約3:1であり得る。藻類と水との部分分離のみを行う一利点は、完全分離と比べて、部分分離のみを行うために必要とされるエネルギーがより少ないことであり得る。
【0072】
収穫後に、収穫された藻類は、水熱処理230用の原料として使用することができる。藻類原料は任意選択的に、触媒、水素などのガスの分圧、および、たとえば、十分な水が藻類原料に含まれていない場合には、任意選択的に水と組み合わせることができる。水熱処理230は、様々な生成物を生み出すことができる。これらの生成物の初期分離は、3相分離機240で行うことができる。3相分離機240は、気相生成物242、炭化水素または油生成物248、ならびに水および様々な固形分を含む生成物246を生み出すために使用することができる。気相生成物242は、水素、水熱処理230中に存在していてもよい不活性ガス、水熱処理230からの生成物ガス(CO
2、CO、H
2S、NH
3など、およびそれらの組み合わせなどの)、ならびに接触水熱処理230中に生成した低沸点炭化水素を含むことができる。低沸点炭化水素は、室温でガスである炭化水素(メタン、エタンなど、またはそれらの組み合わせなどの)および/または3相分離の温度でガスである炭化水素を含むことができる。3相分離が高められた温度で行われる場合には、これは、より高い沸点の脂肪族炭化水素および/または他の化学種(メタノールなどの)を含むことができよう。水熱処理からの生成物ガスなどの、上の生成物の幾らかは、水相に少なくとも部分的に可溶化されている可能性があることに留意されたい。
【0073】
水熱処理230からの生成物において、所望の炭化水素または油(又はオイル)生成物は、様々な固形分を含有する水相とは別個の相を形成することができる。これらの別個の相は、3相分離240において分離することができる。結果として生じる炭化水素生成物248は、接触水熱処理からの所望の油生成物を表すことができる。炭化水素生成物248は、必要ならば、所望の沸点範囲の生成物262および263を単離するための任意選択の蒸留260および/または使用のために炭化水素生成物248または蒸留カット262もしくは263の品質を高めるための水素処理(又は水素化処理もしくは水素化精製)を含むことができる、様々な追加の処理を受けてもよい。さらにまたはあるいは、炭化水素生成物248のおよび/または蒸留カット262および/または263の少なくとも一部は、インプット原料流動特性を向上させる可能性がある、たとえば、藻類/水インプット原料との組み合わせのために、水熱処理230に任意選択的にリサイクルされてもよい。
【0074】
幾つかの実施形態においては、3相分離240からの水および固形分246は、藻類に由来する固形分、リンおよび/または様々な金属、未反応および/または部分反応バイオマス、ならびに任意選択的に、使用済み触媒粒子などの、触媒粒子を含む固形分を含み得るがそれらに限定されない、幾つかのタイプの固形分を含むことができる。水および固形分246は、さらなる使用のために固形分を分離するための固形分分離250でさらに処理することができる。固形分分離250は、水性流れ257、任意選択の触媒粒子253、および藻類由来固形分259を生み出すことができる。藻類由来固形分からの任意選択の触媒粒子の分離は、固形分からの水相の分離の前に起こってもよいことに留意されたい。好ましい実施形態においては、任意選択の触媒粒子253は、さらなる使用のために接触水熱処理に戻すことができる。さらにまたはあるいは、藻類由来固形分259は、たとえば、藻類原料の新回分を成長させるための原材料として、藻類成長プロセス210に戻すことができる。その上さらにまたはあるいは、水性流れ257のおよび/または水および固形分246からの水の少なくとも一部は、たとえば、含窒素化学種(NH
3など)などの追加の栄養素を提供するために、藻類成長プロセス210にリサイクルすることができる。
【0075】
図2中のスキームは、一緒に配置された一連のプロセスを暗示するが、藻類成長210および収穫220は、接触水熱処理230から離れた場所で行うことができよう。そのような実施形態においては、
図2中の矢印の幾つかは、接触水熱処理のための場所への収穫された藻類の移送および藻類成長サイトへの藻類由来固形分の移送などの、移送工程を表すことができよう。
【0076】
栄養素のリサイクルのための生成物固形分の処理
上に指摘されたように、生成物固形分(又は固体)の幾らかは、さらなる藻類または他のバイオマスの成長のための栄養素としての使用のためにリサイクルすることができる。このタイプのリサイクルの例は、リン化合物のリサイクリングであり得る。リンをリサイクルするために、リンは、固体形態から、好適な栄養素へと容易に処理することができる前駆体形態へ転化することができる。このタイプの転化の例は、リン酸などの、より容易に分配可能な形態への生成物固形分中のリンの転化であり得る。リン酸は次に、栄養素としてか、前駆体もしくは好適な栄養素を作るための試薬としてかのどちらかで使用することができる。
【0077】
リンは、リン酸塩および/または亜リン酸塩などの、様々な形態で生成物固形分中に含有され得るし、Ca、Mg、または他の多価カチオンで配位されていてもよい。固形分はまた、炭素化合物を含有することができる。リンを炭素から分離するために、固形分中のリンは、一実施形態においては、リン酸に転化することができる。リン酸へのリンの転化は公知の反応であり、リン含有固形分を硫酸で処理することによって行うことができる。硫酸はリンと反応してリン酸を形成することができる。硫酸からの硫酸イオンは、CaまたはMgカチオンと結合し、沈澱する。そのような状況では、炭素は、追加の固体生成物として留まる可能性がある。硫酸塩固形分および炭素は、物理的および/または公知の/従来の手段によって、たとえば、濾過または沈澱池を用いてリン酸から分離することができる。
【0078】
水熱処理からの生成物の評価
水熱処理は、藻類(または他のバイオマス)原料から様々な炭化水素の留分(又はフラクション)を抽出するために用いることができる。藻類原料から抽出することができる炭化水素留分の一例は、留出物留分を含むことができるおよび/または留出物留分であり得る。下の考察において、留出物留分は、約193℃〜約360℃の沸点範囲を有する留分を、またはあるいはその少なくとも90重量%が約193℃〜約360℃の沸点範囲を有する留分を意味する(たとえば、T5が約193℃、T95が約360℃であり得るか、またはT2が約193℃、T98が約360℃であり得る留分など)。
【0079】
接触であろうと非接触であろうと、水熱処理プロセスの生成物を評価するための一方法は、このプロセスからの炭化水素収率を考慮することであり得る。総収率は、藻類または他のバイオマスの初期重量に対して獲得される炭化水素生成物の重量に基づいて水熱処理プロセスについて定義することができる。留出物収率もまた、水熱処理プロセスについて定義することができる。一収率キャラクタリゼーションは、藻類またはバイオマスの出発重量に対してプロセスについての総留出物沸点範囲収率であり得る。別のキャラクタリゼーションは、総炭化水素収量に対して生成する留出物の百分率であり得る。
【0080】
水熱処理プロセスの生成物を評価するための追加のまたは代わりの方法は、生成物中の様々な不純物のレベルに基づくことができる。非接触水熱処理プロセスにおいては(または触媒を含まない基準で解析される、接触水熱プロセスにおいては)、炭化水素生成物は、窒素、酸素、炭素−炭素二重結合、および芳香族基などの不純物を組み入れる傾向があり得る。したがって、全炭化水素生成物および/または留出生成物中のヘテロ原子(窒素および/または酸素)の百分率は興味のあるものであり得る。炭素−炭素二重結合および芳香族基の百分率は、
13C NMRなどの技法を用いて測定することができる、および/または生成物中の水素対炭素の比などの他の測定基準を用いることができる。
【0081】
追加の実施形態
さらに、またはあるいは、本発明は、以下の実施形態の1つ以上を含むことができる。
【0082】
実施形態1
少なくとも1:1の水:バイオマスの比を有するバイオマス原料を反応ゾーンへと導入する工程であって、上記バイオマス原料がリン含量を有する(又はリンを含む)工程と、
上記バイオマス原料を、多相生成物を生成するのに有効な水熱処理条件下にて水熱処理する工程であって、上記多相生成物が、上記バイオマス原料のリン含量の少なくとも約80%を含む固体部分を含む工程と、
上記多相生成物を、少なくとも気相部分、液体炭化水素生成物、および上記固体部分を生成するために分離する工程と
を含む、バイオマスの水熱処理方法。
【0083】
実施形態2
リン含量を有するバイオマス原料に多価金属を添加する工程と、
上記バイオマス原料を、多相生成物を生成するのに有効な水熱処理条件下で上記多価金属の存在下で水と接触させる工程であって、上記多相生成物が、上記バイオマス原料のリン含量の少なくとも約80%を含む固体部分を含む工程と、
上記多相生成物を、少なくとも気相部分、液体炭化水素生成物、および上記固体部分を生成するために分離する工程と
を含む、バイオマスの水熱処理方法。
【0084】
実施形態3
上記多価金属が、Ca、Mg、Feまたはそれらの組み合わせを含み、たとえばCaおよび/またはMgを含む、実施形態2の方法。
【0085】
実施形態4
上記バイオマス原料を有効な水熱条件下で水と接触させる工程において、反応ゾーンにおいて、上記バイオマス原料に上記多価金属を添加する、実施形態2または実施形態3の方法。
【0086】
実施形態5
上記バイオマス原料が藻類を含む、実施形態1〜4のいずれか1つの方法。
【0087】
実施形態6
リン含量を有する(又はリンを含む)藻類含有バイオマス原料を、多相生成物を生成するために有効な水熱処理条件下で水と接触させる工程であって、上記多相生成物が、上記藻類含有バイオマス原料のリン含量の少なくとも約80%を含む固体部分を含む工程と、
上記多相生成物を、少なくとも気相部分、液体炭化水素生成物、および上記固体部分を生成するために分離する工程と、
上記固体部分からのリンを藻類成長環境へとリサイクルする工程と
を含む、バイオマスの水熱処理方法。
【0088】
実施形態7
上記固体部分からリンをリサイクルする工程が、
リンベースの栄養素または栄養素前駆体を形成するために上記固体部分からリンを抽出すること、および
上記リンベースの栄養素または栄養素前駆体を上記藻類成長環境へと導入すること
を含む、実施形態6の方法。
【0089】
実施形態8
上記リンベースの栄養素または栄養素前駆体が、リン酸である、実施形態7の方法。
【0090】
実施形態9
水:藻類の重量比が、約2:1〜約10:1、たとえば約3:1〜約5:1である、実施形態1〜8のいずれか1つの方法。
【0091】
実施形態10
上記有効な水熱処理条件が、約150℃〜約500℃、たとえば約250℃〜約375℃の温度、および約25barg(約2.5MPag)〜約300barg(約30MPag)の圧力を含む、実施形態1〜9のいずれか1つの方法。
【0092】
実施形態11
上記有効な水熱処理条件が、触媒の存在下での水熱処理を含み、かつ以下の条件:
温度が約250℃〜約300℃であるときに処理時間が約45分〜約90分であること、
温度が約275℃〜約325℃であるときに処理時間が約30分〜約60分であること、または
温度が約300℃〜約350℃であるときに処理時間が約15分〜約30分であること
のうちの1つが満たされる、実施形態1〜10のいずれか1つの方法。
【0093】
実施形態12
上記藻類ベースの原料を有効な水熱処理条件下で水と接触させる工程が、水の相変化を実質的にもたらさない、実施形態1〜11のいずれか1つの方法。
【0094】
実施形態13
上記液体炭化水素生成物を、その少なくとも90%が約193℃〜約360℃の沸点範囲を有する留分(又はフラクション)を生成するために分離する工程をさらに含む、実施形態1〜12のいずれか1つの方法。
【0095】
実施形態14
上記固体部分のリン:炭素のモル比が、少なくとも約0.2、たとえば少なくとも約0.25であり、上記固体部分が、任意選択的に、上記バイオマス原料の少なくとも約90%のリン含量を含む、実施形態1〜13のいずれか1つの方法。
【実施例】
【0096】
リン回収の例
一連の実験を、藻類原料の従来の溶媒処理からのおよび藻類原料の水熱処理からのリン回収を試験するために行った。商業的に入手可能な凍結乾燥ナンノクロロプシス(Nannochloropsis)藻類試料を本実験のために使用した。
【0097】
溶媒処理については、溶媒は、CHCl
3とCH
3OHとの容積基準で50:50混合物であった。一部の凍結乾燥ナンノクロロプシス(Nannochloropsis)藻類を5部のCHCl
3/CH
3OH溶媒と組み合わせ、室温(すなわち、約20〜25℃)で約24時間激しく攪拌した。2つの別個の相が明らかであり、第1相は、溶媒と可溶化生成物とを含有し、第2相は、溶媒中に懸濁されたおよび/または溶媒の底部に沈降した固体残部を含有した。固体残部を単離し、分析した;これらのキャラクタリゼーションの結果を以下の表
1に示す。
【0098】
水熱処理実験については、凍結乾燥藻類の試料を、約4部の水対1部の藻類の比で水と混合した。藻類と水との混合物を316SSステンレススチールの約1インチ外径反応器(Swagelokキャップおよび栓)に入れた。約50バール(約5.0MPa)の窒素分圧を反応器に加えた。別個の触媒は反応器に加えなかった。この反応器を、予熱された懸濁気泡砂浴へ入れた。反応器は約60分間砂浴中に留まった。その後、反応器を砂浴から取り出し、おおよそ室温に急冷した。炭化水素生成物を、塩化メチレン抽出および相分離を用いて回収した。下に記載される実験においては、砂浴(およびそれ故反応器)の温度は、約200℃、約300℃、または約350℃であった。
【0099】
表
1は、溶媒抽出を用いるおよび3つの水熱処理温度での藻類試料の処理の例を示す。この表において、用語「リン収率」は、固体生成物中に含有されている初期試料からのリンの重量パーセントを意味する。リン濃度は、固体生成物中のリンの重量パーセントを意味する。P/Cモル比は、固体生成物中のリン対炭素のモル比を意味する。リン回収効率は、固体生成物中のリンおよび炭素の相対量の尺度である。リン回収効率は、P
回収効率=P
収率×[P
モル/(P
モル+C
モル)]と定義される。
【0100】
表
1において、列Aは、溶媒抽出からの生成物固形分の分析による結果を示す。列B、C、およびDは、それぞれ、約200℃、約300℃、および約350℃での水熱処理からの固体画分の分析による結果を示す。
【0101】
【表1】
【0102】
表1に示されるように、溶媒抽出は、97%の固体生成物における比較的高いリン収率をもたらした。しかし、固体生成物はまた、リンの全重量百分率(1.55%)によって示されるように、大量の他の材料を含んだ。この追加の材料の大部分は、リン対炭素モル比(0.014)によって示されるように、炭素であった。結果として、上に定義されたような、リン回収効率は、わずか1.3%であった。
【0103】
約200℃での水熱処理については、リン収率は、約34%でより低かった。低い初期回収率、および固形分中のリンの比較的低い濃度のために、約200℃でのリン回収効率は1%未満であった。
【0104】
より高い処理温度では、リン回収効率は著しくより高かった。約300℃および約350℃の両方で、リン収率は約90%よりも大きく、固体生成物中の初期リンの良好な獲得を示した。約300℃実験および約350℃実験は両方とも、溶媒抽出と比べて、劇的に向上したリン回収効率を示した。これはある程度は、約300℃および約350℃の両方でのリン対炭素モル比が約0.25よりも大きかったので、固体生成物のより低い炭素含有率のためであった。
【0105】
さらに、約300℃での実験は、約350℃での実験と比べてさえも意外にも改善された結果を示した。約300℃での実験は、わずかにより低いリン収率を有するが、固体生成物中の炭素および他の材料の量は、約30.8重量%のリン濃度および約0.56のリン対炭素モル比によって示されるように、劇的により低かった。いかなる特定の理論に制約されることなく、約350℃での固体生成物中に存在する追加の炭素は原料との過度の反応のためである可能性があると考えられる。ある実施形態においては、約300℃の処理温度で本明細書に示される追加の向上したリン回収効率は、約87%〜約93%のリン収率などの、約90%のリン収率を維持する反応条件を選択することによって他の原料についておよび他の反応条件で維持することができる。
【0106】
約300℃での実験によって生み出される固体生成物をまた、X線回折(XRD)を用いて分析した。XRDスペクトルから特定することができる化合物は、リン酸塩および亜リン酸塩を含んだ。スキャンで特定される幾つかの化合物は、Ca
18Mg
2H
2(PO
4)
14;Ca
28.8Fe
3.2(PO
4)
21O
0.6;Mg(PO
3)
2;Ca
2P
2O
7;およびCaCO
3であった。
【0107】
水熱処理の机上の例
藻類原料は、連続フロー反応系において水熱処理条件下に処理される。水熱処理のための反応ゾーンは、オーブンで取り囲まれたコイル状導管を含む。導管のコイリングは、オーブン内の導管の経路長を増加させる。導管内の流量は、原料が約15分の反応ゾーン内の滞留時間を有するように選択される。反応ゾーンの温度は約350℃である。反応ゾーンを通過する原料は、約10:1〜約2.5:1の水対藻類重量比の藻類と水との混合物を含む。導管中の圧力は、反応温度での水の蒸気圧によって一つには決定される。任意選択の触媒が使用される(たとえば、原料とともに含まれる)場合には、この圧力はまた、約2.5MPaの水素ガスの添加によって増やされる。コイル状導管を通過した後、フローは分離器へ通される。気相生成物、炭化水素生成物、水性生成物、および固体生成物が分離される。固体生成物は、原料の初期リン含量の少なくとも85%であるリン含量を有することができる。固体生成物はまた、総固体生成物の少なくとも約20%であるリン含量を有することができる。