(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5694569
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】車両シート用継手
(51)【国際特許分類】
B60N 2/02 20060101AFI20150312BHJP
B60N 2/22 20060101ALI20150312BHJP
【FI】
B60N2/02
B60N2/22
【請求項の数】13
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-552890(P2013-552890)
(86)(22)【出願日】2012年2月17日
(65)【公表番号】特表2014-504987(P2014-504987A)
(43)【公表日】2014年2月27日
(86)【国際出願番号】EP2012000689
(87)【国際公開番号】WO2012119698
(87)【国際公開日】20120913
【審査請求日】2013年8月7日
(31)【優先権主張番号】102011013163.9
(32)【優先日】2011年3月4日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】511007886
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ コンポーネンツ ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】アスマン、 ウーヴェ
【審査官】
植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】
特表2007−526052(JP,A)
【文献】
特開2007−297047(JP,A)
【文献】
特表2007−532217(JP,A)
【文献】
仏国特許出願公開第02578602(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00−2/72
A47C 1/00−1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両シート(41)用の継手(1)であって、
第1継手部材(11)と、
前記第1継手部材(11)に対して中心軸(A)まわりに相対回転可能な第2継手部材(12)と、
実質的にL字形状断面のクランプリング(21)と
を有し、
前記クランプリング(21)は中空円筒領域(22)と、前記第1継手部材(11)から離れる方向にある端面上の縁端(23)とを有し、
前記クランプリング(21)は、前記中空円筒領域(22)が前記第1継手部材(11)の径方向外向きの周面上に配置されかつ前記第1継手部材(11)に固定接続され、
前記縁端(23)は、環状端面を形成するように径方向内向きに引き寄せられて前記第2継手部材(12)全体に係合し、
前記縁端(23)は、前記第2継手部材(12)を前記第1継手部材(11)に対して回転可能に固定し、
前記第2継手部材(12)には、最大外径に対して径方向内向きにオフセットされた肩部(12a)が設けられ、
前記肩部(12a)は、径方向外向きに延びる端面(12c)と、前記第2継手部材(12)の最大外径よりも小さな直径を有する円筒状支承面(12b)とを有し、
前記円筒状支承面(12b)は直接的に又は間接的に前記クランプリング(21)の前記縁端(23)を支持し、
前記継手(1)の通常使用中は前記第2継手部材(12)の外周と前記クランプリング(21)との間にギャップが設けられ、
衝突事象において前記第2継手部材(12)の前記クランプリング(21)上での追加的な直接支持が得られる継手。
【請求項2】
前記クランプリング(21)と前記第2継手部材(12)との間に中間リング(31)が設けられ、
前記中間リング(31)は、前記クランプリング(21)の前記縁端(23)と前記第2継手部材(12)の前記肩部(12a)との間に配列される、請求項1に記載の継手。
【請求項3】
前記中間リング(31)は中空円筒領域(32)及び縁端領域(33)を有し、
前記第2継手部材(12)は、前記中間リング(31)の前記中空円筒領域(32)の内表面に支持される、請求項2に記載の継手。
【請求項4】
前記クランプリング(21)は、前記中間リング(31)を回転方向に固定された態様で固定する手段を有する、請求項2又は3に記載の継手。
【請求項5】
前記中間リング(31)は、前記クランプリング(21)の対応する抜き部(24)又は開口(24’)と協働するカム(34)及び/又はスタッド(34’)を有する、請求項4に記載の継手。
【請求項6】
前記第2継手部材(12)及び前記中間リング(31)には、前記中間リング(31)を前記第2継手部材(12)の前記肩部(12a)に押圧することを容易にする斜角面が設けられる、請求項2から5のいずれか一項に記載の継手。
【請求項7】
前記中間リング(31)は、前記第2継手部材(12)に径方向プリテンション力(F)を適用する、請求項2から6のいずれか一項に記載の継手。
【請求項8】
前記ギャップには潤滑剤が受け入れられる、請求項1から7のいずれか一項に記載の継手。
【請求項9】
前記中間リング(31)上に少なくとも一つの弾性領域(35)が設けられ、
前記弾性領域(35)は、前記中空円筒領域(32)から径方向外向きに延びて前記クランプリング(21)の内側に隣接する、請求項3に記載の継手。
【請求項10】
ちょうど3つの弾性領域(35)が前記中間リング(31)上に設けられる、請求項9に記載の継手。
【請求項11】
前記縁端(23)の内表面が、前記第2継手部材(12)の前記肩部(12a)の前記支承面(12b)に直接的に当接する、請求項1に記載の継手。
【請求項12】
前記第2継手部材(12)が支持される前記クランプリング(21)の端部領域には摩擦低減コーティングが設けられる、請求項11に記載の継手。
【請求項13】
バックレスト(43)を有する車両シート(41)であって、
請求項1から12のいずれか一項に記載の継手(1)が前記バックレスト(43)に結合される車両シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載の特徴を有する車両シート用、特に自動車シート用の継手に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、2つの金属継手部材が、第2継手部材の外周領域において互いに直接支承し合う継手を開示する。円筒領域及び内向きに延びる縁端領域を有するL字形状のクランプリングが、その外周において又は直近周縁において第1継手部材に固定接続される。クランプリングは、当該内向きに延びる縁端領域が第2継手部材の外周領域の後ろに係合し、かつ、第1継手部材に向いた軸方向に突出する複数の突起が第1継手部材の外向き側面と摺動接触する。径方向の支承は、クランプリングによって、又は代替的に、対応する肩部を外周領域に有する第1継手部材によって、もたらされる。その結果、金属/金属材料対の好ましくない摩擦係数が生じる。
【0003】
特許文献2は、図面に例示される断面の車両シート用継手を開示する。この継手は、第1継手部材111と、第1継手部材111に支持されかつこれに対して中心軸まわりに回転可能な第2継手部材112と、第1継手部材111に接続されかつこれを軸方向に固定するべく第2継手部材全体に係合するクランプリング121とを有する。この場合、プラスチック中間リング131がL字クランプリング121と第2継手部材112との間に配列される。中間リング131はL字形状であって、L字クランプリング121に従ってその内表面及び内側面に延びるように位置決めされる。中間リング131は、回転方向に固定された態様で第2継手部材112に接続され、及び、当該円筒領域の内表面が形成する支承面によって径方向に、かつ、径方向に延びる端面によって軸方向に、第1継手部材111を支持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1676502(A2)号明細書
【特許文献2】独国特許第102004010491(B4)号明細書
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、導入部で言及したタイプの継手を改良することにある。この目的は、本発明によれば、請求項1に係る特徴を有する継手によって達成される。従属項は複数の有利な実施例に関連する。
【0006】
この場合において、第2継手部材には、最大外径に対して径方向内向きにオフセットされた肩部と、径方向外向きに延びる端面と、第2継手部材の最大外径よりも小さな直径を有する円筒状支承面とが設けられ、円筒状支承面は直接的に又は間接的にクランプリングを、特に好ましくは回転方向に固定された態様でクランプリングに接続される中間リングによって支持する。先行技術とは対照的に、当該支承面はこの場合において、第2継手部材の外周上の一位置から径方向内向きに、継手の中心軸に向かって変位される。この場合において、少なくとも第2継手部材の最大外径を有する領域が、第2継手部材上に設けられる支承面を径方向外向きに突出し、当該領域は、衝突事象においてクランプリングに対する支持を形成することができる。これにより、衝突時の安全性を増大させることができる。しかしながら通常動作時、当該領域はクランプリングと接触しない。
【0007】
特に好ましい態様において、回転方向に固定された態様でクランプリングに接続される中間リングが設けられる。中間リングは、その内表面が第2継手部材の肩部上に支持される。中間リングがクランプリングと第2継手部材の肩部との間に配列されることによって、作動に必要な遊びを、バックレスト補償ばねがなくても破壊的なガタガタ音がもたらされることがないように補償することができる。当該摩耗を低く維持するべく、すなわち、当該摩耗を選択された少数位置に限定するべく、中間リングは、クランプリングによって回転方向に固定された態様で支承される。
【0008】
好ましくはクランプリングは、中間リングを回転方向に固定された態様に保持する手段を有する。当該手段は特に、クランプリング上の受け入れ部材及び中間リング上のカムによって並びに/又はクランプリング内の開口及び中間リング上のスタッドによって形成され得る。しかしながら、中間リングをクランプリング上に回転方向に固定された態様で保持する任意の他の手段を有することもできる。
【0009】
好ましくは中間リングは、中間リングをクランプリング上に回転方向に固定された態様で保持するべく、少なくとも3つのカム、特に好ましくは6つのカムを有する。当該カムは、実質的に中空円筒の領域から径方向外向きに延びる。当該カムは、継手が組み付けられるときに弾性的に及び/又は塑性的に変形する。好ましくはクランプリングは、カムの数に対応する少なくとも所定数の抜き部を有する。当該抜き部はカムを受け入れる。この場合において、当該数は、大きさが2倍、3倍、又は4倍となる。これにより、クランプリング内における中間リングの可能な配向の数が増える。
【0010】
好ましくは中間リングは、中間リングをクランプリング上に回転方向に固定された態様で保持するべく、少なくとも3つのスタッド、特に好ましくは6つのスタッドを有する。スタッドは、径方向に延びる中間リングの縁端領域から軸方向に、クランプリングに向かって延びる。クランプリングは、少なくとも対応する数の開口を有する。スタッドは、組付中に当該開口の中に位置決めされる。
【0011】
特に好ましい態様において、第2継手部材及び中間リングには、中間リングを第2継手部材の肩部に押圧することを容易にする斜角面が設けられる。これにより、中間リングの摺動面への損傷も防止される。
【0012】
中間リングは、継手が組み付けられた状態にある場合に、第2継手部材に径方向プリテンション力を及ぼす。その結果、第2継手部材は、クランプリングに対して(ひいては第1継手部材に対して)中心にある状態に保持される。
【0013】
通常使用時、第2継手部材とクランプリングとの間には径方向ギャップが設けられるが、衝突事象においては第2継手部材のクランプリング上での追加的な直接支持がもたらされる。
【0014】
本発明に係る継手は、多機能に使用することができる。例えば、車両シートのバックレストを結合したり、大腿部サポートの傾斜を調整したり、それ以外には車両シートの部材を折り畳んでロックしたりすることができる。継手は、例えば独国特許出願公開第10105282(A1)号明細書に記載されるロック継手であるか又は、例えば独国特許第10120854(C1)号明細書に記載される内歯付きホイール及び中心遊星ホイールを備えるギヤ継手として構成される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明が、図面に例示される2つの実施例を参照して以下に詳細に説明される。
【0016】
【
図1】左から右へと例示される3つの組付ステップを示す第1実施例の3部構成図である。本実施例に係る継手が組み付けられる。クランプリング及び中間リングのみが第1ステップにおいて例示される。
【
図4】
図1の第2組付ステップのもう一つの斜視図である。
【
図5】組付完了後の継手の外側領域を横切る断面である。
【
図6】本発明に係る継手を有する車両シートの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
第1実施例において、ロック継手の形態にある継手1は、ほぼ平板状の第1継手部材11と、またも平板状の第2継手部材12とを含む。これらは、互いに対して中心軸Aまわりに回転可能である。以下での方向指示は、中心軸Aによって画定される円筒座標系に関連づけられる。
【0018】
その開示内容が参照としてここに明示的に組み入れられる独国特許出願公開第10105282(A1)号明細書に記載されるように、第1継手部材11には、複数の案内セグメントが設けられる。当該案内セグメントは一緒になって、少なくとも一つの、この場合では2つの径方向に可動な歯付きバーを案内する。当該バーは、内歯付きホイール態様にある第2継手部材12の歯付きリングと協働して継手1をロックする。
【0019】
実質的にL字形状断面のクランプリング21は一方で、周方向に延びる実質的に中空円筒の領域22を有する。クランプリング21は、領域22が第1継手部材11の径方向外向き周面上に配列されかつ固定接続される。クランプリング21は他方で、第1継手部材11から離れる方向にある端面上に、第2継手部材12に及んで延びる縁端23を有する。これにより、環状端面が形成されて第2継手部材12が軸方向に固定される。径方向において、第2継手部材12とクランプリング21との間には、第2継手部材12の回転動が妨げられないように遊びが設けられる。
【0020】
実質的にL字状断面のプラスチック中間リング31が、第2継手部材12の支承面12b上において完全に外側とはならない径方向位置にある肩部12a(円筒状支承面12bと実質的に径方向外向きに延びる端面12cとによって形成される)上に配列される。中間リング31は、第2継手部材12とクランプリング21との間の領域に配列される。中間リング31は、クランプリング21に対する転置配列として、内側の実質的に中空円筒の領域32と、それに隣接して外向きに延びる環状縁端領域33とを有する。したがって、中間リング31の縁端領域33は、軸方向を横切る方向に延びてクランプリング21の縁端23と第2継手部材12との間に位置決めされる。中間リング31の中空円筒領域32は、クランプリング21の環状縁端23の、実質的に円筒状の内周面上に位置決めされ、かつ、前記支承面12bを形成する第2継手部材12の肩部12aの、実質的に円筒状の外表面上に回転可能に位置決めされる。その結果、この領域は、第1継手部材11及びクランプリング21を含む配列体と、中間リング31及び第2継手部材12との支承部を形成する。すなわち、当該支承部によって、第1継手部材11が第2継手部材12上に支持される。原則的に、中間リング31は省略することもできる(第2実施例を参照)。その結果、第1継手部材11は、これに固定接続されるクランプリング21が、第2継手部材12上に直接的に支持される。
図5の例示によれば、中間リング31は、第2継手部材12の方向を向く側面が、径方向に延びる肩部12aの当該面と隣接する。ただし、
図8に例示されるように、この領域には空間が設けられてもよい。この場合において、
図5からわかるように、継手1の組付中にもたらされる中間リング31の弾性/塑性変形は例示されないが、その代わりに、中間リング31とクランプリング21との交差部がカム34の領域に例示される。しかしながら
図8は、変形した中間リング31を示す。
【0021】
中間リング31は、少なくとも3つ、この場合は6つのカム34を有する。カム34は、対応する深さのクランプリング21の受け入れ部材24の中まで径方向外向きに延びる。しかしながら、この受け入れ部材は、周方向がカム34よりも大きくなるように構成される(
図7参照)。さらに、中間リング31は複数のスタッド34’を有する。スタッド34’は、中間リング31の縁端領域33から軸方向にクランプリング24に向かって延びる。スタッド34’は、クランプリング21の対応する開口24’に受け入れられる。当該配列によって、クランプリング21が、中間リング31を回転方向に固定したまま支承して動くことが保証される。しかしながら、この回転方向に固定された支承動は、任意の適切な態様でもたらしてよい。特に、例えば、カム34が受け入れ部材24と協働するのみ又はスタッド34’がクランプリング21の開口24’と協働するのみとしてよい。
【0022】
さらに、3つの弾性領域35が中間リング31上に設けられる。弾性領域35は、中空円筒領域32から径方向外向きに延びてクランプリング21の内側に隣接する。したがって、例えば、中間リング31が吸収する水に起因する直径公差のような任意の公差が、第1及び第2継手部材間の相対回転が妨げられることなく補償される。カム34はさらに減衰作用も有する。
【0023】
中間リング31は、複数の斜角面を有するように構成される。第1斜角面は、外周に設けられて中間リング31のクランプリング21への挿入時に役立つ。すなわち、傾斜した導入部材として機能する。段付き斜角面が、縁端領域33側の内周に設けられる。縁端側領域が、この領域内で肩部12aの形態に順応する空間となり、内表面に隣接する領域が、第2継手部材12に取り付けるための傾斜した導入部材として機能するので、使用時、第2継手部材12の支承面12b上に回転可能に支持される内表面への損傷が防止される。
【0024】
継手1は以下のように組み付けられる。第1ステップにおいて、互いに独立する継手部材11及び12と、詳細には記載されないが2つの継手部材11及び12間に配列される付加的要素とが、事前に組み付けられる。それとは別個の態様で中間リング31がクランプリング21の中に挿入される。これは
図1の右側に例示されている。引き続き、中間リング及びクランプリングを含むサブ組付体が継手部材サブ組付体上に配置され、当該2つのサブ組付体が一緒に押圧される。
【0025】
この場合、中間リング31は組付前、カム34の領域内にわずかな過剰寸法を有する。当該一緒の押圧を容易にするべく、肩部12aと中間リング31の対応領域とが斜角面(又は丸み)を有する。これは、
図8からわかる。これはまた、わずかに変形された中間リング31が示される
図3の例示に従ってもわかる。もう一つの面取り又は斜角面は、中間リング31の外縁端及び対応する肩部12aの内縁端に設けられる。
【0026】
一緒に押圧されることにより、カム34の高さが低減される。中間リング31は組付中、弾性及び/又は塑性変形によってクランプリング21の幾何学的形状に順応するようになる。受け入れ部材24と協働するカム34と、開口24’と協働するスタッド34’とにより、中間リング31は、回転方向に固定された態様でクランプリング21内に位置決めされる。さらに、
図8に示される所与のプリテンション力Fが、中間リング31及び第2継手部材12間に作用する。すなわち、第2継手部材12が径方向プリテンションによって支持される。
【0027】
図10に概略的に例示される第2実施例によれば、中間リングが省略される。この場合、中間リング21は中空円筒領域22において、第1実施例に係る第1継手部材11に固定接続される。第1実施例とは異なり縁端23は、径方向にさらに内向きに引き寄せられる。その結果、縁端23の内表面は、第2継手部材12の肩部12aの支承面12bに直接的に当接する。それ以外について第2実施例は第1実施例に対応するので、詳細に記載しない。
【0028】
図面に例示されない第2実施例の変形例によれば、第2継手部材12が支持されるクランプリング21の端部領域には、摩擦低減コーティングが設けられる。
【0029】
安全性、特に衝突時の安全性を増大するべく、第2継手部材12の外周は、当該外表面がさらに、大負荷事象において直接クランプリング21上に、特に中間リング31がそれらの間に配列されることなく支持され得る寸法を有する。しかしながら通常動作時は、当該2つの部材間にはギャップが配置される。当該ギャップには、減衰層を与えるべくかつ径方向接触という(望ましくない)事象におけるノイズを防止するべく、潤滑剤を充填することができる
【0030】
本発明に係る継手1は自動車用車両シート41において、例えば、バックレスト43の傾斜を調整すること、テーブル状の態様に折り畳むこと、又は他の何らかの態様で結合することを目的として使用することができる。一般に、手動で動作可能な手操作レバー49が、本発明に係る2つの継手1間の中心軸Aと整合する伝動ロッドに配置され、これらを同期的にロック解除することが保証される。
【符号の説明】
【0031】
1 継手
11 第1継手部材
12 第2継手部材
12a 肩部
12b 支承面
12c 端面
21 クランプリング
22 中空円筒領域
23 縁端
24 抜き部
24’ 開口
31 中間リング
32 中空円筒領域
33 縁端領域
34 カム
34’ スタッド
35 弾性領域
41 車両シート
43 バックレスト
49 手操作レバー
A 中心軸
F 径方向プリテンション力
先行技術
111 第1継手部材
112 第2継手部材
121 クランプリング
131 中間リング