特許第5694574号(P5694574)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5694574
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】ジョンクションボックス付き太陽電池板
(51)【国際特許分類】
   H02S 40/34 20140101AFI20150312BHJP
【FI】
   H02S40/34
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-555349(P2013-555349)
(86)(22)【出願日】2011年8月30日
(65)【公表番号】特表2014-506734(P2014-506734A)
(43)【公表日】2014年3月17日
(86)【国際出願番号】KR2011006386
(87)【国際公開番号】WO2012133999
(87)【国際公開日】20121004
【審査請求日】2013年8月27日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0028779
(32)【優先日】2011年3月30日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513217322
【氏名又は名称】ハンミョン カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100146639
【弁理士】
【氏名又は名称】船本 康伸
(72)【発明者】
【氏名】ソル,ジン テ
【審査官】 清水 靖記
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−070169(JP,U)
【文献】 特開平09−279789(JP,A)
【文献】 特開平11−330521(JP,A)
【文献】 特開2010−263071(JP,A)
【文献】 実開昭60−160562(JP,U)
【文献】 特開2006−216623(JP,A)
【文献】 特開2004−186548(JP,A)
【文献】 特開2003−218376(JP,A)
【文献】 特開2008−066492(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 40/30 − 40/38
H02S 50/00 − 50/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池板(1)の背面に取り付けられ、リボン(11)及びダイオード(12)を内蔵しているハウジング(10)と、前記ハウジング(10)に着脱されるカバー(20)とを備えるジョンクションボックス付き太陽電池板において、
前記太陽電池板に配列された複数の太陽電池セルにてブロックを形成し、当該各ブロックがそれぞれ前記リボン間に接続されており、
前記カバー(20)の上面(20a)にはLED(22)付き照明部(21)が形成されて太陽電池板(1)の異常有無を目視で確認することができ、前記照明部(21)に形成されたLED(22)は、カバー(20)ハウジング(10)に取り付けられたときに前記リボン(11)と接触されて、当該リボン(11)の間に電流が流れる場合に当該LED(22)が発光するよう構成されており、さらに前記LEDは、前記リボンの数から1を差し引いた数だけ設けられている、
ことを特徴とするジョンクションボックス付き太陽電池板。
【請求項2】
太陽電池板(1)の背面に取り付けられ、リボン(11)及びダイオード(12)を内蔵しているハウジング(10)と、前記ハウジング(10)に着脱されるカバー(20)とを備えるジョンクションボックス付き太陽電池板において、
前記太陽電池板に配列された複数の太陽電池セルにてブロックを形成し、当該各ブロックがそれぞれ前記リボン間に接続されており、
前記カバー(20)の上面(20a)にはLED(22)付き照明部(21)が形成されて太陽電池板(1)の異常有無を目視で確認することができ、前記照明部(21)に形成されたLED(22)は、カバー(20)ハウジング(10)に取り付けられたときに前記リボン(11)と接触されて、当該リボン(11)の間に電流が流れる場合に当該LED(22)が発光するよう構成されると共に、前記LEDは、前記リボンの数から1を差し引いた数だけ設けられており、
さらに、前記LED(22)は、一方の側に形成されたリード線(22a)によってリボン(11)と接触するが、前記リード線(22a)はバネ状に形成されてカバーがハウジングに取り付けられるときに圧縮されながら接触されてリード線(22a)とリボン(11)との接触力が増大するよう構成されており、
前記照明部(21)は、カバー(20)に内設するが、前記照明部の外部に水や不純物の浸透を防ぐために透明カバー(24)が形成され、前記透明カバー(24)とLED(22)との間の空間には樹脂が充填された、
ことを特徴とするジョンクションボックス付き太陽電池板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リボン及びダイオードを内蔵しているハウジングと、前記ハウジングに着脱されるカバーとを備えるジョンクションボックス付き太陽電池板に係り、さらに詳しくは、前記カバーにはLED(発光ダイオード)付き照明部が形成されて前記LEDの発光状態をもって太陽電池板の異常有無を手軽に確認することのできるジョンクションボックス付き太陽電池板に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電は、太陽電池板モジュールにおいて生産された電流をコントローラを介して蓄電池に貯蔵し、インバータを用いて交流電源に変換した後に、家庭用電流などとして用いる。
【0003】
かような太陽光発電の大容量化が進む場合に、一つの太陽電池板ごとに線を延ばしてインバータに繋ぐ場合に、多数の電線が必要になるため、太陽電池板ごとに端子箱の役割を果たすジョンクションボックスを設けて前記ジョンクションボックス同士を繋ぎ合わせることにより、太陽電池板において生産された電気を電線の数を減らした上でインバータ及び蓄電池に繋げることができる。
【0004】
すなわち、このような機能を有するジョンクションボックスは、普通、ハウジングと、ケーブル及びコネクタを備えるが、前記ジョンクションボックスは、ハウジング内に太陽電池板と接続されているリボンと、前記リボンの間の電流の流れを断続するダイオードとを備え、ハウジングの一方の側には水分や不純物の浸透を防ぐために防水機能付きカバーが取り付けられる。
【0005】
家庭用をはじめとする大容量の太陽光発電に汎用される太陽電池板は、図1に示されている。
【0006】
図1に示す太陽電池板は、太陽電池セルが6行に且つ12列に配列されているが、通常、その規格を6行×12列と表示する。
【0007】
かような太陽電池板は、2行を1ブロックとして、行同士を直列に繋ぎ合わせてジョンクションボックスのリボンに繋ぐ。すなわち、3つのブロック1a、1b、1cから出た+、−の電線が4つのリボンに接続されることになる。
【0008】
このとき、中間ブロック1bにおいて生産された電圧が初ブロック1aにおいて生産された電圧よりも高くなると、中間ブロック1bにおいて生産された電機が、中間ブロック1bの接続されたリボン11b、11cから初ブロック1aの接続されたリボン11a、11bに向かって流れることがあるが、これを防ぐために、ハウジング10内には、リボンとリボンとの間のバイパスの役割を果たすダイオード12が形成されている。
【0009】
このようなダイオード12は、電流が逆方向に流れることを防いで、太陽電池セルの破損を防ぐ。
【0010】
この種の従来のジョンクションボックスは、図2から図4に示す構造を有する。すなわち、リボン11及びダイオード12が内蔵されたハウジング10と、前記ハウジング10に取り付けられて水や不純物の浸透を防ぐカバー20と、一方の側のリボン11と連結されたケーブル14及びコネクタ(図示せず)を備える。
【0011】
このようなジョンクションボックスは、太陽電池板の故障によって電気の生産が正常に行われない場合に、カバー20を開いてハウジング10のリボン11間における電流の流れをテスターなどの点検装置を用いて一々確認することを余儀なくされるという不都合がある。
【0012】
つまり、太陽電池板は、上述したように、一つのブロックがリボンとリボンとの間に繋がっているため、図1に示すように、3つのブロック1a、1b、1cからなる太陽電池板1の場合に、ブロックごとに点検するためには、リボンとリボンとの間の電流の流れを合計で3回に亘ってチェックしなければならない。
【0013】
また、カバー20は、水や不純物の浸透を防ぐ目的でハウジング10との強固な結合状態を保つために、図示の複数のフック13、23などでハウジング10に取り付けられているため、カバー20をハウジング10から取り外す作業が決して容易ではない。
【0014】
要するに、複数の太陽電池板付き発電モジュールの場合に、発電量が低下などして太陽電池板を点検したいときに、太陽電池板ごとに形成されているジョンクションボックスJのカバー20を開いて、テスターなどを用いて電気の量及び流れを点検した後、再びカバー20をハウジング10に取り付ける必要があるため、点検に長時間がかかり、しかも、点検作業が非常に煩雑である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、本発明は、カバーを取り外すことなく、しかも、別途の点検装置なしでも、太陽電池板の発電有無を確認することのできるジョンクションボックス付き太陽電池板を提供するところに目的がある。
【0016】
また、本発明は、前記ジョンクションボックスにLED付き照明部を形成して目視で太陽電池板の故障の有無を把握することができ、前記LEDは、カバーをハウジングに固定すれば、LEDがリボンと直接的に接触したりLEDに形成されたリード線とリボンとが自然に接触したりして別途の連結部材が不要になるジョンクションボックス付き太陽電池板を提供するところに他の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、太陽電池板にジョンクションボックスを取り付けるが、前記ジョンクションボックスに形成されたカバーにはLED付き照明部を形成して太陽電池板の異常有無を目視で確認できるように構成する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によるジョンクションボックス付き太陽電池板は、カバーを取り外すことなく太陽電池板の発電有無を確認することができ、前記ジョンクションボックスにLED付き照明部を形成して目視で太陽電池板の故障有無を把握することができ、前記LEDは、カバーをハウジングに固定すれば、LEDがリボンと直接的に接触したりLEDに形成されたリード線とリボンとが自然に接触したりして別途の連結部材が不要になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、通常の太陽電池板の構成図である。
図2図2及び図3は、従来のジョンクションボックスの構成図である。
図3図2及び図3は、従来のジョンクションボックスの構成図である。
図4図4は、従来のジョンクションボックスのハウジングの構成図である。
図5図5は、本発明の構成例示図である。
図6図6は、本発明の一部切欠構成例示図である。
図7図7は、本発明の他の実施例示図である。
図8図8は、本発明のさらに他の例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、リボン及びダイオードを内蔵しているハウジングと、前記ハウジングに着脱されるカバーとを備えるジョンクションボックス付き太陽電池板に係り、さらに詳しくは、前記カバーにはLED付き照明部が形成されて前記LEDの発光状態をもって太陽電池板の異常有無を手軽に確認することのできるジョンクションボックス付き太陽電池板に関する。
【0021】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施形態について詳述する。
図5は、本発明の構成例示図であり、図6は、本発明の一部切欠構成例示図であり、そして図7は、本発明の他の実施例示図である。本発明によるジョンクションボックス付き太陽電池板は、太陽電池板1の背面に取り付けられ、リボン11及びダイオード12を内蔵しているハウジング10と、前記ハウジング10に着脱されるカバー20とを備えるジョンクションボックス付き太陽電池板において、前記カバー20の上面20aにはLED22付き照明部21が形成されて太陽電池板1の異常有無を目視で確認することができるというところに特徴がある。
【0022】
先ず、ハウジング10は、従来のジョンクションボックスのハウジングと同様に、太陽電池板1の背面に取り付けられ、リボン11及びダイオード12を内蔵し、前記リボン11は、太陽電池板に形成された太陽電池セルと太陽電池セルを画成したブロック1a、1b、1cの数に応じてその数が異なる。
【0023】
前記ハウジング10にはカバー20が着脱されるが、図示の実施形態においては、フック12、23によりカバー20がハウジング10に取り付けられ、フック12、23も気密維持のために所要数だけ形成される。
【0024】
また、カバー20にはパッキンが取り付けられてハウジング10とカバー20との間の気密性を高めることがさらに好ましい。
【0025】
前記カバー20の上面20a、すなわち、ハウジング10に取り付けられたときに外部に露出される面にはLED22付き照明部21が形成されて太陽電池板1の異常有無、すなわち、発電有無を目視で確認することができるが、照明部21に形成されたLED22は、リボン11の数から1を差し引いた数だけ形成されることが好ましい。
【0026】
前記カバー20の上面20aの反対側の面、すなわち、ハウジングと向かい合う面は、カバーの背面20bであり、LED22は外部に発光されることが視認されるべきであることは当然のことであり、前記LED22は、ハウジング10内に収納されているリボン11とリード線などにより接触されている必要がある。
【0027】
さらに、前記LED22は、図5及び図6に示すように、カバー20に取り付けられる一つの係合部品として形成してもよく、LED22が一つずつ別々にカバー20に取り付けられるように形成してもよい。
【0028】
前記LED22は、カバー20がハウジング10に取り付けられれば、リボン11の一方の側にLED22が接触されてリボン11の間に電流が流れる場合にLED22が発光されるように構成することがさらに好ましいが、LED22がリボン11の間に直接的に接触されるように形成してもよく、LED22にリード線22aを形成して前記リード線22aがリボン11と接触するように形成してもよい。
【0029】
さらに、前記リード線22aを、図7に示すように、バネ状に形成してカバー20がハウジング10に取り付けられるときに圧縮された状態で接触されてリード線22aとリボン11との接触力を高めてもよい。
【0030】
図5に示す照明部21の場合に、2番目のリボン11bと3番目のリボン11cに正常に電流が流れない場合に、2番目のリボンと3番目のリボンとの間に接触されるLED22bが発光されないため、ユーザーは、太陽電池板の中間に形成された中間ブロック1bのみ点検して補修すれば、正常的に発電可能であるため、点検時間を省くことができる。
【0031】
もし、太陽光を太陽電池板1が受けている状態でも全てのLED22が点灯されない状態であれば、太陽電池板1はそれ自体が正常に発電されていない状態であるため、太陽電池板を交替するなどの補修作業を行うことができる。
【0032】
図8は、本発明のさらに他の例示図であり、LED22付き照明部21をカバー20に内蔵している。この実施形態の場合に、照明部21の外部への水や不純物の浸透を防ぐために透明カバー24を形成してもよく、チップ状のLED(CMD)型のLEDを用いる場合に、透明カバー24とLED22との間に残存する空気をなくすために樹脂を充填してもよい。
【0033】
前記樹脂は、基本的に透明な色相の樹脂であることが好ましいが、これは、LEDから発光される光の透光性を高めるためである。
【符号の説明】
【0034】
1…太陽電池板
1a…太陽電池板の初ブロック
1b…太陽電池板の中間ブロック
1c…太陽電池板の最後ブロック
10…ハウジング
11…リボン
12…ダイオード
13…フック
14…ケーブル
20…カバー
20a…カバー上面
20b…カバー背面
21…照明部
22…LED
22a…リード線
23…フック
24…透明カバー
J…ジョンクションボックス

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8