特許第5694584号(P5694584)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5694584
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】小型基地局、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/20 20090101AFI20150312BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20150312BHJP
   H04W 88/08 20090101ALI20150312BHJP
【FI】
   H04W48/20
   H04W64/00 173
   H04W88/08
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-51602(P2014-51602)
(22)【出願日】2014年3月14日
(62)【分割の表示】特願2011-501621(P2011-501621)の分割
【原出願日】2010年2月24日
(65)【公開番号】特開2014-123987(P2014-123987A)
(43)【公開日】2014年7月3日
【審査請求日】2014年3月14日
(31)【優先権主張番号】特願2009-40545(P2009-40545)
(32)【優先日】2009年2月24日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501275178
【氏名又は名称】ソフトバンクBB株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンクモバイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(72)【発明者】
【氏名】領家 弘貴
(72)【発明者】
【氏名】吉村 隆之
(72)【発明者】
【氏名】梅田 昇
(72)【発明者】
【氏名】菅原 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】田近 明彦
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 隆之
【審査官】 石川 雄太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−011161(JP,A)
【文献】 特開2002−159053(JP,A)
【文献】 特開平11−032004(JP,A)
【文献】 特開平11−355401(JP,A)
【文献】 特開平10−021481(JP,A)
【文献】 特開平10−023519(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身が管理するセルに移動機が在圏したことを検出し、在圏した前記移動機の識別情報を検出する検出手段と、
複数の発光部と、
前記移動機が前記セルに在圏していることを、検出された前記識別情報に応じて異なる前記発光部の発光を変えることにより、前記移動機のユーザに通知する通知手段と
を備える小型基地局。
【請求項2】
前記通知手段は、検出された前記識別情報に応じた色で前記発光部を発光させる
請求項1に記載の小型基地局。
【請求項3】
前記通知手段は、検出された前記識別情報に応じたパターンで前記発光部を発光させる
請求項1に記載の小型基地局。
【請求項4】
前記パターンのデータを、ネットワークを介して接続されるサーバからダウンロードする通信手段と、
ダウンロードされた前記パターンのデータを、前記識別情報と対応付けて記憶する記憶手段と
をさらに備える請求項3に記載の小型基地局。
【請求項5】
自身が管理するセルに移動機が在圏したことを検出し、在圏した前記移動機の識別情報を検出する検出手段と、
複数の発光部と、
を備える小型基地局の情報処理方法において、
前記移動機が前記セルに在圏していることを、検出した前記識別情報に応じて異なる前記発光部の発光を変えることにより、前記移動機のユーザに通知する
ステップを含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型基地局、情報処理方法に関し、特に、フェムトセルに在圏していることを移動機のユーザに通知することができるようにした小型基地局、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家庭内、オフィス内など、半径数十メートルの狭い範囲を通信可能範囲としてカバーするためのものとして「フェムトセル」が注目されている。
【0003】
「フェムトセル」は、そのような狭い範囲をカバーする程度のレベルの電波を出力する基地局であるフェムトセル基地局を、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線や光ファイバ回線などのブロードバンド回線の宅内装置に接続することによって構築される。
【0004】
不特定多数の公衆向けのものであって半径数百メートルから数キロメートルの広いセルである「マクロセル」とは異なり、「フェムトセル」はフェムトセル基地局が設置された家屋の住人などの限られたユーザに対して通信サービスを提供するものである。
【0005】
例えば、屋外にいるユーザが、マクロセルに在圏している状態の移動機を使って音声通話を行った場合、その音声データはマクロセルをカバーするマクロセル基地局から無線アクセスネットワークおよびコアネットワークを介して通信相手の移動機に送信される。
【0006】
一方、屋内にいるユーザが、フェムトセルに在圏している状態の移動機を使って音声通話を行った場合、その音声データはフェムトセル基地局からモデムに出力され、ブロードバンド回線、コアネットワークなどを介して通信相手の移動機に送信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−116391号公報
【特許文献2】特開2007−140829号公報
【特許文献3】特開2005−175611号公報
【特許文献4】特開2002−218528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
マクロセルに在圏している移動機を使って通信を行うのと、フェムトセルに在圏している移動機を使って通信を行うのとでは、後者の方が、通信コストが安く、しかも良好な通信品質が得られる場合が多い。
【0009】
従って、フェムトセルを構築した家屋が、あるマクロセル基地局がカバーするマクロセル内にあり、その家屋内ではマクロセルとフェムトセルの両方を使うことができる場合、通常、フェムトセルを使った方がユーザにとってはメリットがある。フェムトセル基地局を導入してフェムトセルを自宅に構築したユーザからすれば、外出先から帰宅した後の通信は常にフェムトセルを使って行われるようになっていることが望ましい。
【0010】
しかしながら、マクロセルからフェムトセルへの移行は、フェムトセル基地局からの電波の受信強度が高くても、マクロセル基地局からの電波が十分に劣化していなければ生じないため、帰宅した後も移動機がマクロセルに在圏し続けている、といったことも多い。
【0011】
自宅にいるためにフェムトセルに在圏しているものと思って移動機を使って通信を行っていたが、実際にはマクロセルに在圏し続けていた場合、その通信によって意図しない通信料が発生してしまうことになる。
【0012】
仮に、自分の移動機がマクロセルに在圏しているのか、あるいはフェムトセルに在圏しているのかをユーザが確認することができれば、このような不都合は回避することができるものと考えられる。
【0013】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、フェムトセルに在圏していることを移動機のユーザに通知することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の小型基地局は、自身が管理するセルに移動機が在圏したことを検出し、在圏した前記移動機の識別情報を検出する検出手段と、前記移動機が在圏したことが前記検出手段により検出された場合、前記移動機が前記セルに在圏していることを、検出された前記識別情報に応じて発光部の発光を変えることにより、前記移動機のユーザに通知する通知手段とを備える。
【0015】
複数の前記発光部をさらに設けることができる。この場合、前記通知手段には、検出された前記識別情報に応じて異なる前記発光部を発光させることができる。
【0016】
前記通知手段には、検出された前記識別情報に応じた色で前記発光部を発光させることができる。
【0017】
前記通知手段には、検出された前記識別情報に応じたパターンで前記発光部を発光させることができる。
【0018】
前記パターンのデータを、ネットワークを介して接続されるサーバからダウンロードする通信手段と、ダウンロードされた前記パターンのデータを、前記識別情報と対応付けて記憶する記憶手段とをさらに設けることができる。
【0019】
本発明の情報処理方法は、自身が管理するセルに移動機が在圏したことを検出し、在圏した前記移動機の識別情報を検出し、前記移動機が在圏したことを検出した場合、前記移動機が前記セルに在圏していることを、検出された前記識別情報に応じて発光部の発光を変えることにより、前記移動機のユーザに通知するステップを含む。
【0020】
本発明においては、自身が管理するセルに移動機が在圏したことが検出され、在圏した前記移動機の識別情報が検出される。また、前記移動機が前記セルに在圏していることが、検出された前記識別情報に応じて発光部の発光を変えることにより、前記移動機のユーザに通知される。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、フェムトセルに在圏していることを移動機のユーザに通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。
図2】フェムトセル基地局の構成例を示すブロック図である。
図3】フェムトセル基地局の機能構成例を示すブロック図である。
図4】アプリケーションサーバの構成例を示すブロック図である。
図5】移動機の構成例を示すブロック図である。
図6】フェムトセル基地局の在圏通知処理について説明するフローチャートである。
図7】通信システムのダウンロード処理について説明するフローチャートである。
図8】本発明の他の実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。
図9図8のフェムトセル基地局の機能構成例を示すブロック図である。
図10図8のフェムトセル基地局の在圏通知処理について説明するフローチャートである。
図11】本発明のさらに他の実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。
図12図11のフェムトセル基地局の機能構成例を示すブロック図である。
図13図11のフェムトセル基地局と移動機の処理について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。
【0024】
図1の例においては、家屋やオフィスビルなどの構内にフェムトセル基地局1が設置されており、フェムトセル基地局1によりフェムトセルFが形成されている。フェムトセルFは、公衆網を構成するマクロセルより狭い、半径数メートル、数十メートルなどのフェムトセル基地局1が設置されている構内の範囲をカバーするセルである。図1の例においては、図示せぬマクロセル基地局が管理するマクロセルの内側の位置にフェムトセルFがあるものとする。
【0025】
フェムトセル基地局1にはLAN(Local Area Network)ケーブル2を介してモデム3が接続されている。モデム3は、ADSL回線や光ファイバ回線などよりなるブロードバンド回線5の宅内装置である。フェムトセル基地局1にモデム機能が搭載されている場合、フェムトセル基地局1がブロードバンド回線5に直接接続されるようにしてもよい。
【0026】
フェムトセル基地局1は、LANケーブル2、モデム3、およびブロードバンド回線5を介してインターネットなどよりなるネットワーク6に接続され、フェムトセルFに在圏している移動機が行う音声データなどの通信を中継する。
【0027】
図1に示すように、フェムトセル基地局1にはスピーカ4が接続されている。スピーカ4は、フェムトセル基地局1に内蔵されているスピーカであってもよいし、図1に示すようにケーブルを介して接続される外部のスピーカであってもよい。
【0028】
フェムトセル基地局1は、後に詳述するように、フェムトセルFに在圏した移動機のユーザに対して、移動機がフェムトセルFに在圏していることを通知する機能を有する。フェムトセルFに在圏していることを通知するための音声メッセージなどが、スピーカ4から出力される。
【0029】
また、図1の例においては、フェムトセル基地局1側から見てブロードバンド回線5の先には、ネットワーク6を介してアプリケーションサーバ7が接続されている。図1には示していないが、ネットワーク6には複数のCSCF(Call Session Control Function)やメディアゲートウエイなども接続され、これらのCSCFとメディアゲートウエイによってIMS(IP Multimedia Subsystem)によるコアネットワークが構築される。
【0030】
アプリケーションサーバ7は、フェムトセル基地局1がスピーカ4から出力させる音声メッセージのデータを格納した音声ファイルを記憶し、管理する。アプリケーションサーバ7は、記憶している音声ファイルをフェムトセル基地局1に適宜送信する。
【0031】
このような構成を有する通信システムにおいて、マクロセルに在圏している状態の移動機11を携帯しているユーザが図1の白抜き矢印A1に示すようにしてフェムトセルF内に入り、移動機11がマクロセルからフェムトセルに移行した場合、移動機11がフェムトセルFに在圏したことがフェムトセル基地局1により検出される。
【0032】
移動機11の在圏が検出された場合、フェムトセル基地局1においては、内部に記憶された音声ファイルが再生され、フェムトセルFに在圏したことをユーザに通知する「フェムトセルに在圏しました」などの音声メッセージがスピーカ4から出力される。
【0033】
この音声メッセージを聴くことにより、移動機11のユーザは、自分の使っている移動機11がフェムトセルFに在圏していることを確認することができる。その後の移動機11を使った通信はマクロセル基地局経由ではなくフェムトセル基地局1経由で行われるため、ユーザは通信料をさほど気にしないで済む。
【0034】
通信事業者としても、フェムトセルFに在圏しているのをユーザが知っていることを前提としたサービスを提供することが可能になる。
【0035】
[各装置の構成例]
図2は、フェムトセル基地局1の構成例を示すブロック図である。
【0036】
図2に示すように、フェムトセル基地局1は、ネットワーク通信部21、制御部22、無線通信部23、およびアンテナ24から構成される。
【0037】
ネットワーク通信部21はネットワークのインタフェースであり、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)、UDP(User Datagram Protocol)などの所定のプロトコルに従って、LANケーブル2とモデム3を介して通信を行う。
【0038】
ネットワーク通信部21は、CSCFから送信され、モデム3により受信された音声データを無線通信部23に出力し、一方、無線通信部23から供給された、フェムトセルFに在圏している移動機11からの音声データをモデム3に出力してCSCFに送信させる。
【0039】
また、ネットワーク通信部21は、制御部22による制御に従ってアプリケーションサーバ7にアクセスし、所定の音声ファイルの送信を要求する。ネットワーク通信部21は、要求に応じてアプリケーションサーバ7から送信されてきた音声ファイルを受信し、制御部22に出力する。
【0040】
アプリケーションサーバ7には複数種類の音声メッセージの音声ファイルが用意されており、フェムトセル基地局1(移動機11)のユーザは、好みの音声ファイルをフェムトセル基地局1にダウンロードすることができるようになされている。ダウンロードされた音声ファイルは、移動機11の在圏が検出されたときに再生される音声ファイルとして制御部22により管理される。
【0041】
制御部22はCPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなどよりなり、所定のプログラムを実行してフェムトセル基地局1の全体の動作を制御する。例えば、制御部22は、移動機11がフェムトセルFに在圏したことを検出した場合、音声メッセージをスピーカ4から出力させる。
【0042】
無線通信部23は、空中線電力が20mW以下などの所定の強度の電波をアンテナ24から出力し、W-CDMA、CDMA2000などの規格に従って、フェムトセルFに在圏している移動機11と無線通信を行う。
【0043】
無線通信部23は、ネットワーク通信部21から供給された音声データを、送信先として指定された移動機11に送信し、アンテナ24から供給された信号に基づいて受信した移動機11からの音声データをネットワーク通信部21に出力する。
【0044】
図3は、フェムトセル基地局1の機能構成例を示すブロック図である。
【0045】
図3に示すように、フェムトセル基地局1の制御部22においては、在圏検出部31、再生制御部32、音声ファイル記憶部33、および音声ファイル取得部34が実現される。図3に示す機能部のうちの少なくとも一部は、制御部22内のCPUにより所定のプログラムが実行されることによって実現される。
【0046】
在圏検出部31は、無線通信部23から供給された情報に基づいて、外部のマクロセルなどからフェムトセルFに移行して在圏することになった移動機を検出する。
【0047】
例えば、移動機11がフェムトセルFに在圏した場合、移動機11からは、位置登録の要求が送信されてくる。在圏検出部31は、その要求が無線通信部23において受信されたことに応じて移動機11の在圏を検出する。在圏検出部31は、移動機11がフェムトセルFに在圏したことを検出した場合、そのことを表す情報を再生制御部32に出力する。
【0048】
また、在圏検出部31は、移動機11から送信されてきた位置登録の要求をフェムトセル基地局1に割り当てられている識別情報とともにネットワーク通信部21に出力し、HSS(Home Subscriber Server)に送信させる。HSSは、コアネットワークなどに接続される装置であり、各移動機がどのセルに在圏しているのかを管理し、適宜、管理している情報をCSCFなどに提供するサーバである。在圏するセルを切り替えた移動機からは、このような位置登録の要求が、新たに在圏することになったセルを管理する基地局に対して送信される。
【0049】
再生制御部32は、移動機11がフェムトセルFに在圏したことを表す情報が在圏検出部31から供給された場合、音声ファイルを音声ファイル記憶部33から読み出し、読み出した音声ファイルを再生することによって、移動機11がフェムトセルFに在圏したことを通知する音声メッセージをスピーカ4から出力する。
【0050】
音声ファイル記憶部33はフラッシュメモリなどよりなり、音声メッセージのデータを格納した音声ファイルを記憶する。音声ファイル記憶部33に記憶されている音声ファイルは、適宜、音声ファイル取得部34によりアプリケーションサーバ7から取得された音声ファイルによって書き換えられる。
【0051】
音声ファイル取得部34は、移動機11のユーザにより選択された音声ファイルがアプリケーションサーバ7から送信されてきた場合、それを受信する(ダウンロードする)。音声ファイル取得部34は、ダウンロードした音声ファイルを音声ファイル記憶部33に追加して記憶させたり、ダウンロードした音声ファイルによって、音声ファイル記憶部33に記憶されている音声ファイルを書き換えたりする。
【0052】
移動機11のユーザは、フェムトセルFに在圏したときにスピーカ4から出力させる音声メッセージを変更することができるようになされている。ユーザは、スピーカ4から出力させる音声メッセージを変更する場合、フェムトセルFに在圏している移動機11を操作してアプリケーションサーバ7にアクセスし、好みの音声ファイルを選択する。ユーザにより選択された音声ファイルは音声ファイル取得部34により取得され、移動機11がフェムトセルFに在圏したときに再生する音声ファイルとして音声ファイル記憶部33に記憶される。
【0053】
図4は、アプリケーションサーバ7の構成例を示すブロック図である。
【0054】
CPU41、ROM42、RAM43は、バス44により相互に接続されている。バス44には、さらに、入出力インタフェース45が接続されている。入出力インタフェース45には、キーボード、マウスなどよりなる入力部46、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部47が接続される。また、バス44には記憶部48と通信部49が接続される。
【0055】
記憶部48は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなり、フェムトセル基地局1に提供する音声ファイルを記憶する。
【0056】
通信部49は、ネットワークインタフェースなどよりなり、フェムトセル基地局1や移動機11とネットワーク6を介して通信を行う。
【0057】
このような構成を有するアプリケーションサーバ7においては、CPU41が、例えば記憶部48に記憶されているプログラムをRAM43にロードして実行することにより、音声ファイル管理部41Aが実現される。
【0058】
音声ファイル管理部41Aは、記憶部48に記憶されている音声ファイルを管理する。音声ファイル管理部41Aは、通信部49を制御し、移動機11から送信されてくる要求に応じて、移動機11のユーザにより指示された音声ファイルをフェムトセル基地局1に送信する。
【0059】
図5は、移動機11の構成例を示すブロック図である。
【0060】
図5に示すように、移動機11は、アンテナ61、無線通信部62、制御部63、音声処理部64、操作部65、および表示部66から構成される。
【0061】
無線通信部62は、アンテナ61から電波を送信し、またはアンテナ61においてフェムトセル基地局1を含む基地局からの電波を受信することによって、そのとき在圏しているセルを管理する基地局とW-CDMA、CDMA2000などの規格に従って通信を行う。
【0062】
例えば、無線通信部62は、制御部63から供給された移動機11のユーザの音声のデータをフェムトセル基地局1に送信し、フェムトセル基地局1から送信されてきた、通話相手の音声のデータを制御部63に出力する。また、無線通信部62は、フェムトセルFに在圏したタイミングで位置登録の要求をフェムトセル基地局1に送信する。
【0063】
制御部63はCPU,ROM,RAMなどよりなり、所定のプログラムを実行して移動機11の全体の動作を制御する。
【0064】
例えば、制御部63は、アプリケーションサーバ7にアクセスすることがユーザにより指示された場合、無線通信部62を制御してフェムトセル基地局1と通信を行い、フェムトセルFを利用してアプリケーションサーバ7にアクセスする。また、制御部63は、アプリケーションサーバ7から送信されてきた音声ファイルのリストを受信し、受信したリストを表示部66に表示させる。
【0065】
制御部63は、リストの中から所定の音声ファイルが選択された場合、その音声ファイルをフェムトセル基地局1に送信することをアプリケーションサーバ7に要求する。要求に応じてアプリケーションサーバ7から送信された音声ファイルは、ネットワーク6、ブロードバンド回線5、モデム3、およびLANケーブル2を介してフェムトセル基地局1により受信され、移動機11がフェムトセルFに在圏したときに再生するファイルとして記憶される。
【0066】
制御部63は、無線通信部62から供給された音声データを音声処理部64に出力し、音声処理部64から供給された音声データを無線通信部62に出力することや、表示部66に各種の情報を表示させることなども行う。
【0067】
音声処理部64は、制御部63から供給された音声データをデコードし、通話相手の音声をスピーカから出力させる。また、音声処理部64は、マイクロフォンにより集音した音声をエンコードし、移動機11のユーザの音声のデータを制御部63に出力する。
【0068】
操作部65は、移動機11の筐体表面に設けられるテンキーやタッチパネルなどに対するユーザの操作を検出し、検出した操作の内容を表す信号を制御部63に出力する。
【0069】
表示部66はLCD(Liquid Crystal Display)などよりなり、制御部63による制御に従って各種の情報を表示する。
【0070】
[各装置の処理]
ここで、以上のような構成を有する各装置の処理について説明する。
【0071】
はじめに、図6のフローチャートを参照して、フェムトセルFに在圏したことを通知するフェムトセル基地局1の処理について説明する。
【0072】
ステップS1において、在圏検出部31は、無線通信部23から供給される情報に基づいて、フェムトセルFに移動機11が在圏したか否かを判定し、在圏したと判定するまで待機する。
【0073】
電源がオンになっている間、フェムトセル基地局1に割り当てられたスクランブリングコードなどを含む情報が電波によってフェムトセル基地局1から繰り返し送信されている。スクランブリングコードは、CDMA(Code Division Multiple Access)方式の通信システムにおいて各基地局に割り当てられるコードであり、例えば移動機との通信時の拡散変調、復調に用いられる。移動機11においては、この電波を受信することに応じて、適宜、フェムトセルFへの移行が行われる。
【0074】
位置登録の要求が送信されてきたことから、移動機11がフェムトセルFに在圏したとステップS1において判定された場合、ステップS2において、再生制御部32は、音声ファイル記憶部33から音声ファイルを読み出し、再生することによって、フェムトセルFに在圏したことを通知する音声メッセージをスピーカ4から出力させる。その後、処理は終了される。
【0075】
これにより、移動機11のユーザは、自分が携帯している移動機11がフェムトセルFに在圏したことを確認することができる。
【0076】
フェムトセルFを利用する移動機として複数の移動機がフェムトセル基地局1に登録されている場合、フェムトセルFに在圏した移動機毎に異なる音声メッセージが出力されるようにしてもよい。移動機のユーザは、フェムトセル基地局1が管理するフェムトセルFを利用して通話や通信を行う場合、自分の移動機の識別情報などをフェムトセル基地局1にあらかじめ登録しておく必要がある。
【0077】
フェムトセルFに在圏したときに移動機からフェムトセル基地局1に送信される位置登録の要求には移動機の識別情報も含まれている。位置登録の要求に含めて送信されてきた識別情報と、あらかじめ登録されている識別情報を比較することによって、フェムトセル基地局1は、フェムトセルFに在圏している移動機が、登録された移動機のうちのどの移動機であるのかを識別することが可能になる。
【0078】
このようにして複数の移動機が登録されている場合、フェムトセル基地局1の音声ファイル記憶部33には、それぞれの移動機の識別情報と対応付けて音声ファイルが記憶される。いずれかの移動機がフェムトセルFに在圏した場合、在圏が検出された移動機の識別情報が在圏検出部31から再生制御部32に出力され、その識別情報に対応付けて記憶されている音声ファイルが音声ファイル記憶部33から読み出されて、再生制御部32により再生される。
【0079】
在圏した移動機によってスピーカ4から出力される音声メッセージが変わるため、それぞれの移動機のユーザは、自分の移動機がフェムトセルFに在圏したのか、それとも家族などの他のユーザの移動機がフェムトセルFに在圏したのかを、音声メッセージを聴くことで判断することが可能になる。
【0080】
上述したようにしてアプリケーションサーバ7から音声ファイルをダウンロードすることは、フェムトセル基地局1に移動機を登録したユーザ毎に行うことが可能とされる。アプリケーションサーバ7からダウンロードされた音声ファイルは、その音声ファイルのダウンロードを要求したユーザが使用する移動機の識別情報と対応付けて音声ファイル記憶部33に記憶される。
【0081】
次に、図7のフローチャートを参照して、図1の通信システムにおいて行われる音声ファイルのダウンロード処理について説明する。
【0082】
この処理は、例えば、フェムトセルFに在圏している状態の移動機11を操作し、移動機11のユーザがアプリケーションサーバ7にアクセスすることを指示したときに開始される。
【0083】
ステップS11において、移動機11の制御部63は、アプリケーションサーバ7にアクセスし、音声ファイルのリストの送信をアプリケーションサーバ7に要求する。移動機11から送信された要求は、ステップS21においてフェムトセル基地局1により受信され、アプリケーションサーバ7に対して送信される。
【0084】
ステップS31において、アプリケーションサーバ7の音声ファイル管理部41Aは、移動機11からの要求を受信し、ステップS32において、記憶部48に記憶されている音声ファイルのリストを送信する。アプリケーションサーバ7から送信されたリストには、それぞれの音声ファイルの内容(音声メッセージの内容)を表す情報や音声ファイルの識別情報などが記述されている。
【0085】
アプリケーションサーバ7から送信されたリストは、ステップS22においてフェムトセル基地局1により受信され、移動機11に対して送信される。
【0086】
ステップS12において、移動機11の無線通信部62は、アプリケーションサーバ7から送信されてきたリストを受信する。受信されたリストは無線通信部62から制御部63に出力される。
【0087】
ステップS13において、制御部63は、音声ファイルのリストを表示部66に表示させる。移動機11のユーザは、表示部66の表示を見て、どの音声ファイルをフェムトセル基地局1にダウンロードするかを選択することができる。
【0088】
リストに表示されているものの中から所定の音声ファイルがユーザにより選択された場合、ステップS14において、制御部63は、ユーザにより選択された音声ファイルのダウンロードをアプリケーションサーバ7に要求する。移動機11から送信された要求には、ユーザにより選択された音声ファイルの識別情報も含まれている。移動機11から送信された要求は、ステップS23においてフェムトセル基地局1により受信され、アプリケーションサーバ7に対して送信される。
【0089】
ステップS33において、アプリケーションサーバ7の音声ファイル管理部41Aは、移動機11からの要求を受信する。
【0090】
ステップS34において、音声ファイル管理部41Aは、移動機11から送信されてきた要求に含まれる識別情報に基づいて、ユーザにより選択された音声ファイルを記憶部48から読み出し、読み出した音声ファイルを送信する。アプリケーションサーバ7から送信された音声ファイルは、ネットワーク6、ブロードバンド回線5を介してモデム3により受信され、LANケーブル2を介して転送される。
【0091】
ステップS24において、フェムトセル基地局1のネットワーク通信部21は、ダウンロードされた音声ファイルを受信し、制御部22に出力する。
【0092】
ステップS25において、音声ファイル取得部34は、ネットワーク通信部21から供給された音声ファイルを取得し、移動機11の識別情報と対応付けて音声ファイル記憶部33に記憶させる。アプリケーションサーバ7からダウンロードされた音声ファイルは、移動機11がフェムトセルFに在圏したときに再生されるファイルとして設定される。
【0093】
これにより、移動機11のユーザは、自分の好みの音声メッセージが出力されるように、フェムトセル基地局1により再生される音声ファイルを変更することができる。
【0094】
以上においては、アプリケーションサーバ7からダウンロードされた音声ファイルが移動機11の識別情報と対応付けてフェムトセル基地局1に記憶されるものとしたが、パーソナルコンピュータなどから移動機11に取り込まれ、移動機11から転送された音声ファイルが記憶されるようにしてもよい。また、メモリカードやUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの記録媒体を介して、またはLANケーブル2などを介してパーソナルコンピュータからフェムトセル基地局1に直接取り込まれた音声ファイルが記憶されるようにしてもよい。
【0095】
<第2の実施の形態>
図8は、本発明の他の実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。
【0096】
図8に示す構成のうち、図1に示す構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。図9以降においても同様である。
【0097】
図1においては、フェムトセルFに在圏したことが音声メッセージによって通知されるものとしたが、図8の通信システムにおいては、フェムトセル基地局1の筐体に設けられたLED(Light Emitting Diode)の発光によって通知されるようになされている。
【0098】
図8の白抜き矢印A1に示すようにして移動機11のユーザがフェムトセルF内に入ったことから、移動機11がマクロセルからフェムトセルに移行し、そのことがフェムトセル基地局1により検出された場合、フェムトセル基地局1の筐体に設けられるLED101が発光する。
【0099】
移動機11のユーザは、LED101の発光を確認することによって、移動機11がフェムトセルFに在圏したことを確認することができる。
【0100】
図9は、図8のフェムトセル基地局1の機能構成例を示すブロック図である。
【0101】
図8のフェムトセル基地局1も、図2に示す構成と同じハードウエア構成を有している。制御部22により所定のプログラムが実行されることによって、図9に示すように、在圏検出部31と発光制御部111が実現される。
【0102】
在圏検出部31は、無線通信部23から供給された情報に基づいて、フェムトセルFに在圏することになった移動機を検出する。在圏検出部31は、移動機11がフェムトセルFに在圏したことを検出した場合、そのことを表す情報を発光制御部111に出力する。
【0103】
発光制御部111は、移動機11がフェムトセルFに在圏したことを表す情報が在圏検出部31から供給された場合、LED101を発光させる。
【0104】
ここで、図10のフローチャートを参照して、フェムトセルFに在圏したことを通知するフェムトセル基地局1の他の処理について説明する。
【0105】
ステップS41において、在圏検出部31は、フェムトセルFに移動機11が在圏したか否かを判定し、在圏したと判定するまで待機する。
【0106】
位置登録の要求が送信されてきたことから、移動機11がフェムトセルFに在圏したとステップS41において判定された場合、ステップS42において、発光制御部111はLEDを発光させ、処理を終了させる。
【0107】
これによっても、移動機11のユーザは、自分が携帯している移動機11がフェムトセルFに在圏したことを確認することができる。
【0108】
なお、フェムトセル基地局1の筐体に複数のLEDが設けられ、フェムトセルFに在圏した移動機毎に異なるLEDが発光するようにしてもよい。また、筐体に設けられるLEDが、フェムトセルFに在圏した移動機毎に異なるパターンで発光したり、異なる色で発光したりするようにしてもよい。
【0109】
この場合、フェムトセルFに在圏した移動機からフェムトセル基地局1に送信される位置登録の要求に含まれる識別情報に基づいて、フェムトセルFに在圏した移動機がどの移動機であるのかがフェムトセル基地局1により識別される。フェムトセル基地局1においては、識別された移動機に対して割り当てられたLEDを発光させることにより、または、識別された移動機用のものとして設定されたパターンや色でLEDを発光させることにより、フェムトセルFに在圏したことがユーザに通知される。
【0110】
LEDの発光パターンをアプリケーションサーバからダウンロードすることができるようにしてもよい。この場合、図7を参照して説明した処理と同様の処理が行われ、ユーザにより選択された発光パターンを記述したファイルがダウンロードされ、そのユーザが使用する移動機の識別情報と対応付けてフェムトセル基地局1に記憶される。
【0111】
移動機がフェムトセルFに在圏した場合、フェムトセル基地局1においては、フェムトセルFに在圏した移動機の識別情報と対応付けて記憶されているファイルが読み出され、ファイルに記述されている発光パターンに従ってLEDの発光が行われる。
【0112】
これによっても、各移動機のユーザは、だれの移動機がフェムトセルFに在圏したのかを確認することが可能になる。
【0113】
<第3の実施の形態>
図11は、本発明のさらに他の実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。
【0114】
図11の通信システムにおいては、移動機11がフェムトセルFに在圏した場合、そのことを表すアイコンなどの情報が移動機11の画面に表示されるようになされている。
【0115】
図11の白抜き矢印A1に示すようにして移動機11のユーザがフェムトセルF内に入ったことから、移動機11がマクロセルからフェムトセルに移行し、そのことがフェムトセル基地局1により検出された場合、フェムトセル基地局1から移動機11に対してコマンドが送信される。コマンドの送信は、フェムトセル基地局1がアンテナ24から出力する電波を用いて行われる。
【0116】
フェムトセル基地局1から送信されてきたコマンドを受信した移動機11においては、コマンドを実行することによって、フェムトセルに在圏していることを表すアイコンが電波強度を表すアイコンの隣などの表示部66の所定の位置に表示される。
【0117】
移動機11のユーザは、アイコンの表示を確認することによって、移動機11がフェムトセルFに在圏したことを確認することができる。
【0118】
図12は、図11のフェムトセル基地局1の機能構成例を示すブロック図である。
【0119】
図11のフェムトセル基地局1も、図2に示す構成と同じハードウエア構成を有している。制御部22により所定のプログラムが実行されることによって、図12に示すように、在圏検出部31と表示制御部121が実現される。
【0120】
在圏検出部31は、無線通信部23から供給された情報に基づいて、フェムトセルFに在圏することになった移動機を検出する。在圏検出部31は、移動機11がフェムトセルFに在圏したことを検出した場合、そのことを表す情報を表示制御部121に出力する。
【0121】
表示制御部121は、移動機11がフェムトセルFに在圏したことを表す情報が在圏検出部31から供給された場合、無線通信部23を制御してコマンドを送信し、移動機11の表示部66上にアイコンを表示させる。
【0122】
ここで、図13のフローチャートを参照して、図11のフェムトセル基地局1と移動機11の処理について説明する。この処理は、移動機11がフェムトセルFに在圏したときに開始される。
【0123】
ステップS51において、移動機11の無線通信部62は、位置登録の要求をフェムトセル基地局1に送信する。
【0124】
ステップS61において、フェムトセル基地局1の無線通信部23は、移動機11からの要求を受信する。在圏検出部31は、移動機11がフェムトセルFに在圏したことを表す情報を表示制御部121に出力する。
【0125】
ステップS62において、表示制御部121は、無線通信部23を制御してコマンドを移動機11に送信する。
【0126】
ステップS52において、移動機11の無線通信部62は、フェムトセル基地局1から送信されてきたコマンドを受信する。無線通信部62は、受信したコマンドを制御部63に出力する。
【0127】
ステップS53において、制御部63は、フェムトセル基地局1から送信されてきたコマンドを実行し、移動機11の表示部66にアイコンを表示させる。その後、処理は終了される。
【0128】
これによっても、移動機11のユーザは、自分が携帯している移動機11がフェムトセルFに在圏したことを確認することができる。
【0129】
例えば、フェムトセルFに在圏している間、同じコマンドが所定の周期で繰り返しフェムトセル基地局1から移動機11に送信される。移動機11においては、繰り返し送信されてくるコマンドが実行されることによって、表示部66にアイコンが表示され続ける。
【0130】
移動機11がフェムトセルFから他のセルに移行した場合、フェムトセル基地局1からのコマンドを受信できなくなるため、移動機11においてはアイコンの表示が行われなくなる。これにより、移動機11のユーザは、移動機11がフェムトセルFから離圏したことを確認することができる。
【0131】
以上においては、アンテナ24から出力される電波によってフェムトセル基地局1から移動機11にコマンドが送信されるものとしたが、ブルートゥース通信や無線LANによる通信などの他の通信方式の電波を使ってコマンドが送信されるようにしてもよい。
【0132】
また、以上においては、移動機がフェムトセルFに在圏したことをユーザに通知する場合について説明したが、フェムトセルFから離圏したときに、そのことがユーザに通知されるようにしてもよい。
【0133】
それまでフェムトセルFに在圏していた移動機11がマクロセルなどの他のセルに移行した場合、各移動機の位置を管理するHSSからフェムトセル基地局1に対して移動機11が離圏したことが通知される。この通知によってフェムトセル基地局1においては移動機11が離圏したことが検出され、そのことがユーザに通知される。
【0134】
例えば、音声メッセージの出力によって離圏を通知する場合、「フェムトセルから離圏しました」などの音声メッセージがスピーカ4から出力される。また、LEDの発光によって離圏を通知する場合、離圏したことを表すパターンや色でLEDが発光したり、LEDの発光が停止したりする。
【0135】
フェムトセル基地局1に替えて、「ピコセル」、「マイクロセル」と呼ばれる小型セルを形成する基地局が設けられ、その基地局により、フェムトセルFに在圏したことやフェムトセルFから離圏したことが移動機のユーザに通知されるようにしてもよい。小型基地局は、フェムトセル、ピコセル、マイクロセル等の小型セルを形成する基地局である。
【0136】
本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0137】
1 フェムトセル基地局, 7 アプリケーションサーバ, 11 移動機, 21 ネットワーク通信部, 22 制御部, 23 無線通信部, 24 アンテナ, 31 在圏検出部, 32 再生制御部, 33 音声ファイル記憶部, 34 音声データ取得部, 101 LED, 111 発光制御部, 121 表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13