(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5694619
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】ノズル式スチームトラップ
(51)【国際特許分類】
F16T 1/00 20060101AFI20150312BHJP
【FI】
F16T1/00 E
F16T1/00 A
F16T1/00 Z
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-546226(P2014-546226)
(86)(22)【出願日】2014年7月31日
(86)【国際出願番号】JP2014070163
【審査請求日】2014年9月25日
(31)【優先権主張番号】特願2013-161493(P2013-161493)
(32)【優先日】2013年8月2日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2014-112882(P2014-112882)
(32)【優先日】2014年5月30日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510024064
【氏名又は名称】株式会社エコファースト
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【弁理士】
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】桂 勤
【審査官】
関 義彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−309290(JP,A)
【文献】
特開平8−278000(JP,A)
【文献】
特開2010−65825(JP,A)
【文献】
特開平11−90127(JP,A)
【文献】
特開平11−90126(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16T 1
B01D 35/02
B01D 39
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドレンが導通される入口及び出口を同軸上に有するボディと、
前記ボディの蒸気輸送系上流側に連通して配置され内部にノズル内導通路が貫通されたノズルと、
前記ボディの入口及び出口の間から上方に突出するボディ内上方突出部であって、前記ノズル内導通路の蒸気輸送系下流側端部であるドレン排出口と連通されるドレン貯水部が内部に形成されるボディ内上方突出部と、
前記ドレン貯水部と前記ボディの蒸気輸送系下流側とを連通する系外導通路であって、前記ドレン貯水部側開口であるドレン系外排出口が前記ボディ内上方突出部内に配置される系外導通路と、
前記ボディが前記同軸を回転軸として回転されることで前記ドレン排出口の高さ位置と前記ドレン系外排出口の高さ位置との高低差を調整できる回転調整機構と
を具備するノズル式スチームトラップ。
【請求項2】
前記ドレン貯水部、前記ドレン排出口、前記ドレン系外排出口が、スチームストラップを備え付けられた蒸気輸送系の上部に設置されることを特徴とする請求項1に記載のノズル式スチームトラップ。
【請求項3】
ドレンが供給されるボディ導通路に連通して配置され内部にノズル内導通路が貫通されたノズルと、
前記ノズル内導通路の蒸気輸送系下流側端部であるドレン排出口と直接に連通もしくは更なる導通路を介して連通されるドレン貯水部が内部に形成される円筒状の第1の管と、
前記第1の管の蒸気輸送系下流に前記第1の管の回転軸と同軸で接続される第2の管であって、前記ドレン貯水部の蒸気輸送系下流側端部開口の断面積内に配置される蒸気輸送系上流側端部開口から蒸気輸送系下流側端部開口であるドレン系外排出口までの系外導通路が内部に形成される第2の管と、
前記第2の管が前記第1の管の回転軸周りに回転されることで前記ドレン排出口の高さ位置と前記ドレン系外排出口の高さ位置との高低差を調整できる回転調整機構と
を具備するノズル式スチームトラップ。
【請求項4】
ドレンが供給されるボディ導通路に連通して配置され内部にノズル内導通路が貫通されたノズルと、
前記ノズル内導通路の蒸気輸送系下流側端部であるドレン排出口と連通される円筒状のドレン貯水部と、
前記ドレン貯水部と接続される曲げ管と、
前記曲げ管の曲げ部分である最上部に形成されるドレン系外排出口と、
前記曲げ管が前記ドレン貯水部の回転軸周りに回転されることで前記ドレン排出口の高さ位置と前記ドレン系外排出口の高さ位置との高低差を調整できる回転調整機構と
を具備するノズル式スチームトラップ。
【請求項5】
前記ノズル式スチームトラップにおいて、該ノズル式スチームトラップのストレーナーに使用するスクリーンが支持体で補強されているストレーナー用フィルターを装着した請求項1乃至4のいずれか1項に記載のノズル式スチームトラップ。
【請求項6】
前記スクリーン及び前記支持体がステンレス鋼製であるストレーナー用フィルターを装着した請求項5記載のノズル式スチームトラップ。
【請求項7】
前記スクリーンが耐熱性繊維であるストレーナー用フィルターを装着した請求項5もしくは6記載のノズル式スチームトラップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器を介して蒸気を加熱源として用いる工場や事務所等の様々な施設において、蒸気使用設備及びこれら設備間の蒸気輸送配管系に発生するドレン(蒸気が凝縮した復水)を自動的かつ連続的に系外へ排出するベンチュリーノズル式、オリフィスノズル式、及び、トンネル構造抵抗管式等のノズル式スチームトラップに関する。
【背景技術】
【0002】
熱交換器を介して蒸気を加熱源として用いる工場や事務所等の様々な施設において、蒸気使用設備及びこれら設備間の蒸気輸送配管系に発生するドレンを自動的に系外に排出するため、大量のスチームトラップが使用されている。
【0003】
これは、ボイラーで得られた高温・高圧の蒸気を熱交換器部で使用する加熱機、乾燥機、暖房機等の蒸気使用設備、並びに、これらボイラーと蒸気使用設備を接続する蒸気輸送配管系で適切な温度条件を確保するためである。例えば、蒸気使用設備内にドレンが滞留すると、その設備の加熱効率が低下し、その生産性を著しく低下させると共に,ドレン滴による加熱ムラが生産物の品質不良を引き起こす原因となり、工場の安定操業に支障を来す。また、蒸気輸送配管系内に滞留しているドレンは、非常に危険なスチームハンマーの発生原因となり、工場の安全操業を阻害することがある。このスチームハンマーとは、蒸気輸送配管系内に滞留しているドレンが蒸気で押し流されながら大きな塊を作り、配管の屈曲部やバルブに衝突する現象、並びに、蒸気輸送配管系内に滞留しているドレンが蒸気と接触すると、その蒸気が一気に凝縮して蒸気体積がゼロとなり、局部的に真空状態が作られたところにドレンが押し寄せて衝突する現象のことをいう。
【0004】
従来は、機械工学的なメカニカルスチームトラップ(バケット式・フロート式)、サーモスタティックスチームトラップ(バイメタル式・ベローズ式)、及び、サーモダイナミックスチームトラップ(ディスク式)が使用されてきた。
【0005】
これら可動部を有するメカニカルスチームトラップは、基本的には排水弁機構である。一定量のドレンが貯水されると排水弁の開放によって排水され、その後直ちに排水弁が閉鎖されるという一連の動作の繰り返しである。このため、動作遅れや繰返し動作に伴う可動部損傷により、蒸気漏れが激しく、蒸気が著しく浪費される。また、可動部を持つスチームトラップの間歇的な排水は、蒸気使用設備の安定操業を保障するものではない。そこで、工場の高効率化・省エネルギー化・CO
2削減等の観点から、上記メカニカルスチームトラップが見直されるようになってきた。
【0006】
中でも、オリフィスノズル式、ベンチュリーノズル式、及び、トンネル構造抵抗管式に代表されるノズル式スチームトラップが注目されている。これらは、流体工学的スチームトラップと呼ばれ、蒸気よりも水の方が微細な通路を通過するときの動粘度が低く、水が蒸気の約30倍も流れるという性質を利用したものである。代表例として、
図1〜4に従来のベンチュリーノズル式スチームトラップを示した。図から明らかなように、ベンチュリーノズル3の微細な通路をドレンが通過する、可動部がない構造をしている。このような排水機構及び構造に基づいて、上記メカニカルスチームトラップとは異なり、蒸気漏れが少なく、連続的ドレン排水が実現されるため、ボイラーの燃料使用量が大幅に削減され、蒸気使用設備が安定に操業される。また、可動部のない構造は、耐久性に優れ、保守・点検が簡単に行える特徴がある。更に、スチームハンマーや凍結にも強く、安定性・安全性にも優れている。
【0007】
以上のような理由により、上記流体工学的スチームトラップ、特に、オリフィスノズル式及びベンチュリーノズル式スチームトラップに関する提案が数多く認められる。オリフィスノズル式スチームトラップについては、例えば、特開2002−310392号公報、特開2004−162866号公報、特開2004−190827号公報、特開2004−218724号公報、及び、特開2008−309290号公報等がある。ベンチュリーノズル式スチームトラップについては、例えば、米国特許第4426213号、米国特許第4745943号、米国特許第5060686号、米国特許第5123452号、米国特許第5429150号、米国特許第5628339号等がある。
【0008】
しかしながら、オリフィスノズル式、ベンチュリーノズル式、及び、トンネル構造抵抗管式スチームトラップは、ドレンがシール材の役目を果たしているため、例えばベンチュリーノズル式スチームトラップの場合、
図2に示したように、ボディ1の入口からストレーナーを通じて繋がるベンチュリーノズル3のドレン排出口10の位置が、ボディの出口に繋がるドレン系外排出口11よりも低い位置に形成され、しかも、固定されている。
【0009】
従って、上記ノズル式スチームトラップの場合、季節による外的要因や蒸気使用設備の運転状況等による蒸気使用量の変動や上記入口と出口の作動圧力差の変動等に伴うドレン排水量の変化に対応するため、径や長さの異なるノズルを交換するという方法が採用されてきた。しかし、このような方法は、作業負荷が大きいにもかかわらず、上記ドレン排水量の変化に対応できる範囲が制限されるという問題がある。これに対し、例えば、オリフィスノズル式の場合には、ドレン量に応じてオリフィス径を回転して交換する機構(特開2004−218724号公報)やオリフィスの通路長を可変にする機構(特開2002−310392号公報)が提案されている。
【0010】
すなわち、従来の上記ノズル式スチームトラップは、ドレン排水量の変化に追随する調整が困難である上、対応範囲が制限されるという第一の課題を有している。
【0011】
一方、上記ノズル式スチームストラップは、ドレンが通過するノズル径が小さいため、配管内の錆や塵等の異物が詰まり易いという問題がある。そのため、
図3から分かるように、流体そのものを清浄化するスクリーン6を備えたストレーナー5という異物除去装置が、ノズルの前に設置されてきた(例えば、特開2002−257287号公報、特開2004−230305号公報、特開2008−309290号公報、米国特許第4,745,943号、米国特許第5,120,336号等)。しかし、次第に微細な開口を有するスクリーンの適用が必要であることが分かってきた。例えば、米国特許第4,745,943号や米国特許第5,120,336号では、60メッシュ以下のスクリーンであったが、特開2010−156450号公報では、80〜100メッシュのスクリーンが用いられている。しかし、スクリーンの微細化に伴って剛性が著しく低下するため、スクリーン自体の形態の維持、並びに、スクリーンの装脱着や洗浄等が極めて困難となる。それにも関わらず、スクリーンの洗浄等のストレーナーのメンテナンスを考慮して、スクリーンのノズル側(ドレン出口側)の一端のみが溶接やねじ込み等の方法で固定されているに過ぎない。このような課題に対して、特開2004−230305号公報に把手や穴の小さな金属板の補強が開示されているが、異物の除去と流量に対する記載がなく、上記課題の解決策が具体的に提案されているものではない。
【0012】
一方、特開2008−309290号公報のように、上下運動可能なオリフィスとすることによってオリフィスに詰まった異物を取り除く工夫も検討されている。
【0013】
このように、上記ノズル式スチームトラップは、スクリーンのメッシュの微細化に伴って剛性が低下し、スクリーン自体の形態を維持すること、並びに、装脱着や洗浄等のためにスクリーンを取り扱うことが困難であるという第二の課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2002−310392号公報
【特許文献2】特開2004−162866号公報
【特許文献3】特開2004−190827号公報
【特許文献4】特開2004−218724号公報
【特許文献5】特開2008−309290号公報
【特許文献6】米国特許第4,426,213号
【特許文献7】米国特許第4,745,943号
【特許文献8】米国特許第5,060,686号
【特許文献9】米国特許第5,123,452号
【特許文献10】米国特許第5,429,150号
【特許文献11】米国特許第5,628,339号
【特許文献12】特開2002−257287号公報
【特許文献13】特開2004−230305号公報
【特許文献14】米国特許第5,120,336号
【特許文献15】特開2010−156450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上記第一の課題に対しては、季節による外的要因や蒸気使用設備の運転状況等による蒸気使用量の変動や、スチームトラップ入口と出口の作動圧力差の変動等に伴うドレン排水量の変化に対応可能な、ドレン排水量調整機構を有することを特徴とする、オリフィスノズル式、ベンチュリーノズル式、及び、トンネル構造抵抗管式スチームトラップを提供することを目的としている。更に、第二の課題に対しては、ストレーナー用スクリーンの微細化に伴う剛性不足を解消してスクリーンの形態を保持し、ストレーナーへスクリーンを容易に装脱着することができ、スクリーンの洗浄等のメンテナンスが容易である、ストレーナー用フィルターの提供及びそのフィルターを装着した上記ドレン排水量調整機構を有することを特徴とする、オリフィスノズル式、ベンチュリーノズル式、及び、トンネル構造抵抗管式スチームトラップの提供を目的としている。ここでは、流体そのものから異物を除去し清浄化するものをスクリーンといい、本発明のように、このスクリーンを使用した、流体そのものから異物を除去し清浄化する部品をフィルターという。
【課題を解決するための手段】
【0016】
従来技術の第一の課題を解決するため、本発明のノズル式スチームトラップは、スチームトラップに設けられているドレン貯水部にドレンが排出されるドレン排出口と、ドレン貯水部からスチームトラップ系外にドレンを排出するドレン系外排出口との高低差を、回転機構で可変可能な配管構造としたドレン排水量調整機構を設けたことを特徴としている。
【0017】
特に、上記配管構造として、ドレン貯水部、ドレン排出口、ドレン系外排出口を、スチームトラップを備え付けられた蒸気輸送系の上部に設置すること、或いは、ドレン貯水部を設けた管とその貯水部の断面積内にドレン系外排出口を設けた管とを同一軸上で回転可能な接続とすることによって、スチームトラップの簡略化及び小型化することができる。
【0018】
一方、上記配管構造として、ドレン貯水部を設けた管とその貯水部の断面積外にドレン系外排出口を設けた管とを同一軸上で回転可能とすることによって、スチームトラップのドレン排水量を無制限に調整することができ、既存のノズル式スチームトラップをそのまま使用することができる。
【0019】
また、本発明のノズル式スチームトラップは、スチームトラップを垂直配管とし、ドレン排出口より排出されるドレンが自然落下の状態でスチームトラップ系外に排出される配管構造とドレン排出口よりも高い位置からスチームトラップ系外に排出する配管構造とが切り替え可能になっているドレン排水量調整機構を設けたことを特徴としている。
【0020】
従来技術の第二の課題を解決するため、本発明のストレーナー用フィルターは、ストレーナーに装着されるスクリーンの内側及び/又は外側にスクリーンの剛性を補強する支持体を設けることを特徴としている。
【0021】
特に、上記本発明のストレーナー用フィルターは、腐食し難い金属性で、それを補強する支持体がバネ材であり、スクリーンと支持体とは、接合、結合、螺合、咬合、縫合、嵌合されていることを特徴としている。
【0022】
また、上記本発明のストレーナー用フィルターは、耐熱性繊維のスクリーンで、それを補強する支持体がバネ材であり、スクリーンと支持体とは、接合、結合、螺合、咬合、縫合、嵌合されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0023】
本発明のドレン排水量調整機構を有するノズル式スチームトラップによれば、オリフィスノズル式、ベンチュリーノズル式、及び、トンネル構造抵抗管式スチームトラップが有する長所を保持したまま、蒸気使用量や作動圧力の変動に伴うドレン排水量の変化に対して、オリフィスノズル、ベンチュリーノズル、及び、トンネル構造抵抗管部を交換することなく、容易にドレン排水量を調整し最適化できる。
【0024】
一方、本発明のストレーナー用フィルターによれば、スクリーンの形態が保持され、ストレーナーへフィルターを容易に装脱着することができ、フィルターの洗浄等のメンテナンスが容易となる上、ストレーナーのサイズに依存せず、大きさを自由に調整することができる。
【0025】
そして、ドレン排水量調整機構を有するオリフィスノズル式、ベンチュリーノズル式、及び、トンネル構造抵抗管式スチームトラップのストレーナーに、スクリーンが支持体で補強されたフィルターを用いることによって、ノズル交換やフィルター交換の作業性が著しく改善されたノズル式スチームトラップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】従来のベンチュリーノズル式スチームトラップの外観図である。
【
図2】従来のベンチュリーノズル式スチームトラップのエンドキャップを取り除いた正面図である。
【
図3】
図1における破線アにおいて、紙面に対し平行に切断した断面図である。
【
図4】
図2における破線イにおいて、紙面に対し垂直に切断した断面図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態であり、ドレン排水量調整部品をユニオンによって導入したベンチュリーノズル式スチームトラップの断面図(a)とその側面図(b)である。
【
図6】本発明の第2及び第3の実施形態であり、従来のベンチュリーノズル式スチームトラップにドレン排水量調整部品をユニオンによって導入したもので、エンドキャップを取り除いた正面図である。
【
図7】本発明の第2及び第3の実施形態であり、
図6における破線ウにおいて、紙面に対し垂直に切断した断面図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態であり、
図6におけるドレン排水量調整部品にドレン系外排出口となる貫通口を設けたことを特徴とするベンチュリーノズル式スチームトラップである。(a)は、ドレン系外排出口を最上部に設定した場合の、
図7破線エにおける紙面に対して垂直に切断した断面図であり、(b)はその側面図である。
【
図9】本発明の第2の実施形態であり、
図6におけるドレン排水量調整部品にドレン系外排出口となる貫通口を設けたことを特徴とするベンチュリーノズル式スチームトラップである。(a)は、ドレン系外排出口を最下部に設定した場合の、
図7破線エにおける紙面に対して垂直に切断した断面図であり、(b)はその側面図である。
【
図10】本発明の第3の実施形態であり、ドレン排水量調整部品にドレン系外排出口となる間仕切りを設けたことを特徴とし、間仕切りを水平にした状態を示している。
【
図11】本発明の第3の実施形態であり、ドレン排水量調整部品にドレン系外排出口となる間仕切りを設けたことを特徴とし、間仕切りに角度をつけた状態を示している。
【
図12】本発明の第4の実施形態であり、ドレン排水量を調整するために、回転可能なU字管を配設したことを特徴とするもので、エンドキャップを取り除いた外観図である。
【
図13】本発明の第5の実施形態であり、ドレン排水量を調整するために、ドレン貯水部、ベンチュリーノズルのドレン排出口、及び、ドレン系外排出口を蒸気輸送系の上部に回転可能となるように設けたことを特徴とするもので、エンドキャップを取り除いた外観図である。
【
図14】本発明の第5の実施形態であり、
図13を紙面に対して平行に切断した断面図である。
【
図15】本発明の第6の実施形態であり、ドレン排水量を調整するために、スチームトラップ内に、コックとドレン貯水量調整管を設けたものであり、(a)はその外観図、(b)はボディ1を紙面に対して平行に切断した断面図である。
【
図16】本発明のストレーナー用フィルターの第1の実施形態である。
【
図17】本発明のストレーナー用フィルターの第2の実施形態である。
【
図18】本発明のストレーナー用フィルターの第3の実施形態である。
【
図19】本発明のストレーナー用フィルターの第4の実施形態である。
【
図20】本発明の、ストレーナー用フィルターを備えたドレン排水量調整機構を有するベンチュリーノズル式スチームトラップの一実施形態であり、
図13及び14に示した本発明のドレン排水量調整機構を有するベンチュリーノズル式スチームトラップに、
図16に示した本発明のストレーナー用フィルターを適用した例である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について、ベンチュリーノズル式スチームトラップを代表例として図面を参照しながら説明するが、連続的な排水が可能なオリフィスノズル式やトンネル構造抵抗管式のスチームトラップにも適用される。また、本発明は、特許請求の範囲に記載された技術範疇以外に限定されるものは何もない。
【0028】
図5は、本発明の第1の実施形態に係るベンチュリーノズル式スチームトラップの断面図である。図から明らかなように、ベンチュリーノズル3のドレン排出口10に対し、ドレン系外排出口11の位置が、ユニオン14によって連続的に可変可能となるドレン排水量調整部品15が設けられている。これは、断面図(a)及び側面図(b)から明らかなように、ドレン系外排出口11は、ドレン貯水部12の断面積内に形成され、同一軸上で回転可能なユニオンやフランジ等のような方法で、ドレン貯水部12を有する管とドレン系外排出口11を設けた管とを接続することによって作製される。従って、ドレン排出口10とドレン系外排出口11との高低差を自由に制御でき、蒸気使用量や作動圧力の変動に伴うドレン排水量の変化に対して、オリフィスノズル、ベンチュリーノズル、及び、トンネル構造抵抗管部を交換することなくドレン排水量を調整し最適化できる。しかも、本実施形態のスチームトラップは、簡略かつ小型であるという利点がある。
【0029】
図6〜9は、本発明の第2の実施形態に係るベンチュリーノズル式スチームトラップを示している。これは、
図2に示した従来のベンチュリーノズル式スチームトラップにドレン排水量調整部品15を附設することを特徴としている。
図2及び6に示したベンチュリ―ノズルのドレン排出口10は同じであるが、
図2に示したドレン系外排出口11は、
図6〜9においては、貯水部12内にドレンを行き渡らせるドレン貯水部内導通口13(従来のドレン系外排出口11)として働き、
図2に示したドレン系外排出口11は、
図6〜9においては、ドレン排水量調整部品15に設けられている。そして、このドレン排水量調整部品15は、ボディ1と同一軸上で回転可能なユニオンやフランジ等を用いて接続され、ドレン排出口10とドレン系外排出口11との高低差を連続的に可変可能としたものである。
【0030】
図7〜9から明らかなように、従来のドレン系外排出口11が、二カ所のドレン貯水部12を結ぶドレン貯水部内導通口13となっているため、ドレン貯水部12の許容量が増大し、設備ごとによって異なる蒸気使用量の変動や作動圧力差の変動等への適用範囲
を拡げることができる。また、従来のベンチュリーノズル式スチームトラップをそのまま用いることができるという利点もある。ここでは、ドレン排出口10とドレン貯水部内導通口13とを同じ高さに形成した場合を図示しているが、これらの設定する位置は施設の状況に依存する。これは、
図6の破線ウを紙面に対して垂直に切断した断面
図7から明らかなように、上記ドレン排水量調整部品15を附設することによって、シール材の役割を果たすドレン貯水量は、ベンチュリーノズル式スチームトラップのドレン貯水部内導通口13’の位置によって決められる。従って、ドレン貯水部内導通口13は、施設ごとによって異なる蒸気使用量の変動や作動圧力差の変動等に応じて設定すればよい。
【0031】
そして、
図7の破線エを紙面に対し垂直に切断した断面図である
図8及び
図9に示したように、第2の実施形態におけるドレン排水量調整機構も、第1の実施形態と全く同じ方法でドレン排水量を調節することができる。
【0032】
図10及び
図11は、本発明の第3の実施形態である。これは、
図8及び9に示したようなドレン系外排出口11を貫通口として形成したドレン排水量調整部品15に対し、間仕切りによってドレン系外排出口11を形成したドレン排水量調整部品15を附設することを特徴としている。ドレン系外排出口11の形状を変えたものであり、同様の機能を発現するものであれば、どのような形状でも構わない。
【0033】
図12も、従来のベンチュリーノズル式スチームトラップに本発明のドレン排水量調整機構を附設する第4の実施形態である。ドレン貯水量調整U字管16が、回転可能なユニオン14やフランジ等と、エルボ17等の方法で蒸気輸送配管系に接続されている場合を示している。この場合、
図2に示したドレン系外排出口11が、二か所のドレン貯水部12を結ぶドレン貯水部内導通口13となり、
図2に示したドレン排出口10の役割を果たし、
図2に示すベンチュリーノズル式スチームトラップのドレン系外排出口11の役割が、本実施形態では上記U字管16の
最上端11で機能する。つまり、ドレン貯水部を設けた管の断面積外にドレン系外排出口を設けた代表例であり、上記U字管16をユニオン14で回転させると、ドレン貯水部導通口13とドレン系外排出口11との高低差を連続的に変化させることができる。この方法によれば、U字管の長さ、太さ、形状等を工夫することによって、貯水量をほぼ無制限に設定することができ、あらゆる施設の状況に対応することができる。
【0034】
図13及び
図14は、本発明の第5の実施形態である。これも、ドレン排水量調整機構として、回転可能なドレン系外排出口11を有する部品を使用するものであるが、貯水部12、ベンチュリ―ノズルのドレン排出口10、ドレン系外排出口11が、スチームストラップを備え付けられた蒸気輸送系の上部に設置されることを特徴としている。この場合も、ドレン系外排出口11より低い位置にベンチュリーノズル3を配置したボディ1を回転可能なユニオンやフランジ等のような方法で蒸気輸送配管系と接続し、ドレン排出口10とドレン系外排出口11の高低差を回転によって連続的に制御し、ドレン排水量を調節するものである。この実施形態も、スチームトラップを簡略化及び小型化できるという利点がある。
【0035】
一方、
図15に示した第6の実施形態は、ドレン排水量をほぼ無制限に変化させることができるという第4の実施形態の長所を、全く異なるドレン排水調整機構によって実現したものである。
図15(a)から明らかなように、まず、スチームトラップを縦置きにするという点に特徴があり、スチームトラップがボディ1に相当し、エルボ17によって蒸気輸送系と接続されている。
図15(a)ボディ1の内部は、
図15(b)の断面図に示すように、ドレン排出口10よりもドレン系外排出口11が高くなるようにドレン貯水量調整管19が配置され、ドレンが自然落下する配管系とドレンがドレン貯水量調整管19に送られる配管系とをコック18を用いて切り替えることができるドレン排水量調整機構を設けた点に特徴がある。すなわち、第6の実施形態は、スチームトラップを垂直配管とし、ドレン排出口10より排出されるドレンが自然落下の状態でスチームトラップ系外に排出する配管構造とドレン排出口10よりも高いドレン系外排出口11からスチームトラップ系外に排出する配管構造とを切り替えることが可能であることを特徴としている。
【0036】
ところで、このようなスチームトラップは、厳しい環境下で使用されるため、その材質としては、従来、劣化しにくいステンレス鋼を用いることが推奨されている。しかし、設備環境によっては、耐食性を考慮しなければならない場合がある。その場合には、耐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼(例えば、SUS304、SUS316等)やオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼(例えば、SUS329J3L、SUS329J4L、SAF2507、SAF2707HD、DP28W等)を用いることが好ましい。しかし、加工性及びコストも考慮して選択する必要があり、SUS304、SUS316、SUS329J3L、及び、SUS329J4Lが特に適している。
【0037】
次いで、本発明のストレーナー用フィルターについても、その実施形態について、ベンチュリーノズル式スチームトラップを代表例として図面を参照しながら説明するが、オリフィスノズル式及びトンネル構造抵抗管式スチームトラップに限らず、あらゆるスチームトラップにも適用することができる。
【0038】
ベンチュリーノズル3は、装置の運転条件や環境条件によって、一般的に、約0.1mm〜15mmのノズル径からきめ細かく選択される。従って、ノズルが、配管の中の錆や塵等によって目詰まりしないためには、少なくともそのノズル径よりも目開きが小さなスクリーンが必要となり、約300メッシュ〜2メッシュ(ASTM規格の場合)で対応することができる。
【0039】
しかし、80メッシュを超えると、金属性のスクリーンでも、それ自体の剛性が著しく低下する。例えば、
図1〜3に示したようなY型ストレーナー5に筒型スクリーン6をそのまま装着すると、スクリーンが運転中に変形する。スクリーンの目詰まり等によるストレーナーのメンテナンスにおいては、スクリーンの装脱着時に、その変形が容易に生じる。更に、スクリーンの洗浄も注意深く行わなければ、簡単に変形したり、破損したりする。一方、コストや成型加工性という観点から、耐熱性繊維のスクリーンを適用する利点はあるが、メッシュサイズとは無関係に剛性が不足しており、使用することができない。
【0040】
そこで、例えば、
図16〜
図19に示したように、スクリーンを剛性のある支持体で補強することによって、上記課題が解消される。また、ストレーナー5のサイズに対応して、スクリーンのサイズを自由に調整することも可能となる。
図16〜
図19には、スクリーン20の内側から支持体21を補強したフィルターを示しているが、外側から補強してもよい。
【0041】
このようなスクリーン20の材質に制限はないが、錆び等の不純物を含む高熱水蒸気下で用いられるため、耐熱性、接合性、剛性、耐食性等を考慮して、金属、例えば、鉄、ニッケル、クロム、チタン、亜鉛、銅、アルミニウム等やそれらの合金を用いることが好ましい。更に、上記支持体21を設けると、コストや加工性に優れる耐熱性繊維を用いることも可能となる。この耐熱性繊維としては、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリエーテルエーテルケトン等が好ましく用いられる。中でも、耐食性、成型加工性、コスト等の観点から、SUS304やSUS316等のステンレス鋼が最も好ましい。スクリーンの構造も、織網、パンチングメッシュ、電鋳メッシュ、エッチングメッシュ、不織布等、材質に応じたメッシュ構造をとることができる。更に、スクリーンの開口形状も、円、楕円、四角形、菱形等、特に制限がない。
【0042】
スクリーン20を補強する支持体21の材質についても特に制限はないが、スクリーン同様、耐熱性、接合性、剛性、耐食性等を考慮して、金属、例えば、鉄、ニッケル、クロム、チタン、亜鉛、銅、アルミニウム等やそれらの合金を用いることが好ましい。特に、ステンレス鋼が適しており、
図7に示したように、バネの特性を発揮できるような構造が、従来のスクリーンの課題を解決する上で、最も好ましい。
【0043】
上述した、スクリーン20とその支持体21とは、使用する材料によって異なるが、接合、結合、螺合、咬合、縫合、嵌合等の方法で一体化される。特に金属同士の場合、溶接が好ましい。また、スクリーンが合成樹脂系であるならば、加熱融着によって接合することもできる。
【0044】
接着剤を用いてスクリーンとその支持体との接合も可能であるが、上記スクリーン、支持体同様、耐熱性接着剤が必要である。例えば、ポリイミド系接着剤等が好ましく用いられる。
【0045】
図20には、具体的に、本発明のストレーナー用フィルターを適用した一実施形態を示す。これは、ベンチュリーノズル3を交換することなくドレン排水量を調整し最適化することができるドレン排水量調整機構を有するノズル式スチームトラップに適用したものである。
図20は、その断面図である。図から明らかなように、ユニオン14によって、ドレンの系外排出口11の位置を回転によって上下させ、ドレン排水量を調整できるという極めて簡単な構造となっている上、ベンチュリーノズル3の目詰まりを防ぐフィルター22も簡単に装着可能であり、スクリーンの剛性が支持体によって補強され、損傷することがない。また、このような補強により、洗浄も容易であり、フィルターの大きさも自由に変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明のドレン排出口とドレン系外排出口との高低差が可変可能な配管構造であることを特徴とするドレン排水量調整機構を有するノズル式スチームトラップ及びそれに適したストレーナー用フィルターは、ボイラー等を有する設備の水蒸気配管系でのドレン排出を対象として説明したが、気体流動配管における凝縮液の排出という観点から鑑みれば、水蒸気系に限らずあらゆる気体配管系全般に応用することが可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 ボディ
2 パッキン
3 ベンチュリーノズル
4 エンドキャップ
5 ストレーナー
6 スクリーン
7 ストレーナー用エンドキャップ
8 スチームプラグ
9 ネームプレート
10 ベンチュリーノズルのドレン排出口
11 ドレン系外排出口
12 ドレン貯水部
13 ドレン貯水部内導通口
14 ユニオン
15 ドレン貯水量調整部品
16 ドレン貯水量調整U字管
17 エルボ
18 コック
19 ドレン貯水量調整管
20 スクリーン
21 支持体
22 ストレーナー用フィルター
【要約】
季節による外的要因や蒸気使用設備の運転状況等による蒸気使用量の変動や、スチームトラップ入口と出口の作動圧力差の変動等に伴うドレン排水量の変化に対応可能なオリフィスノズル式、ベンチュリーノズル式、及び、トンネル構造抵抗管式スチームトラップを提供すると共に、これらノズル式スチームトラップのストレーナー用スクリーンの微細化に伴う強度不足を解消し、スクリーンの形態を保持し、ストレーナーへスクリーンを容易に装脱着することができ、スクリーンの洗浄等のメンテナンスが容易である、ストレーナー用フィルターを提供することを目的としている。本発明のスチームトラップは、オリフィスノズル式、ベンチュリーノズル式、及び、トンネル構造抵抗管式スチームトラップにおいて、ベンチュリーノズルのドレン排出口とドレン系外排出口との高低差が可変可能な配管構造であるドレン排水量調整機構を有する。また、本発明のストレーナー用フィルターは、ストレーナーに装着されるスクリーンの内側及び/又は外側にスクリーンの剛性を補強する支持体を設ける。
【選択図】
図20