特許第5694720号(P5694720)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5694720
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】溝付きボルトの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B21H 3/02 20060101AFI20150312BHJP
   F16B 35/00 20060101ALI20150312BHJP
   B21H 3/06 20060101ALN20150312BHJP
【FI】
   B21H3/02
   F16B35/00 X
   !B21H3/06 Z
   !B21H3/06 A
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2010-214872(P2010-214872)
(22)【出願日】2010年9月27日
(65)【公開番号】特開2012-66298(P2012-66298A)
(43)【公開日】2012年4月5日
【審査請求日】2013年8月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】596009825
【氏名又は名称】ボルツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087619
【弁理士】
【氏名又は名称】下市 努
(72)【発明者】
【氏名】前田 英明
(72)【発明者】
【氏名】木下 昇
【審査官】 福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−047833(JP,A)
【文献】 特開昭62−244543(JP,A)
【文献】 特開平01−104434(JP,A)
【文献】 特開2002−331329(JP,A)
【文献】 特開平04−187337(JP,A)
【文献】 特開平9−49515(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21H 3/02
F16B 35/00
B21H 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部と、該頭部に続く首下部及び該首下部に続いて軸端にわたるネジ形成部を有し、該ネジ形成部に軸方向に延びる溝が凹設された軸部とから成るボルト素材の、前記ネジ形成部に転造ダイスによりネジを形成する溝付きボルトの製造方法において、
前記首下部は、環状の凹溝をなすように形成されたボルトグリップ部を有する大径部と、該大径部より小径の小径部とを有し、前記溝の上端部には、該溝を前記大径部の下縁に連続させる連続凹部が形成され、この連続凹部は前記ボルトグリップ部に連通しており、
前記転造ダイスを、成形部と該成形部に続く仕上げ部とをそれぞれ有するガイド形成ダイスとネジ形成ダイスとを備えたものとし、
前記ガイド形成ダイスの成形部で前記首下部を挟持して転動させることにより前記首下部にボルトグリップ部を形成するとともに、前記ネジ形成ダイスの成形部で前記ネジ形成部にネジを形成開始し、その後、前記ガイド形成ダイスの仕上げ部で前記ボルトグリップ部を挟持して転動させることにより該ボルトグリップ部をガイドとして前記ネジ形成ダイスの仕上げ部で前記ネジの仕上げ加工を行う
ことを特徴とする溝付ボルトの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸部のネジ形成部に溝が凹設されたボルト素材の、前記ネジ形成部にネジを転造する溝付きボルトの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
前記溝付きボルトは、例えば車両の自動変速装置等のオイル流路として使用されているオイルパイプを、ケース等の固定部にユニオン部を介して固定する場合に採用され、前記溝はオイル流路を構成する。
【0003】
この種の溝付きボルトの製造方法として、従来、例えば、特許文献1には、ボルトの軸部の外周を等分割する位置に複数の溝を凹設し、この溝に何れかの転造ロールが嵌まった場合でも、常に複数の転造ロールで軸部を挟持できるように転造ロールを配置してネジ部を形成するようにした方法が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、ボルトの軸部に溝が凹設された溝付きボルト素材に、非円筒部加工ダイスを用いて非円筒部を形成し、該加工が完了した後に、ネジ転造ダイスを用いてネジ部を形成するようにした溝付きボルトの製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−4622号公報
【特許文献2】特開昭62−244543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1では、溝付きボルト素材を連続的に転造ロール装置に供給することが困難であるため、短時間に多量のネジ部の加工を行うことができず、生産性が低いという問題がある。
【0007】
また、前記特許文献2では、非円筒部を別工程で形成する必要があるため、生産性が低いという問題がある。
【0008】
本発明は、前記従来の状況に鑑みてなされたもので、ネジ精度を確保することができ、かつ追加的な工程を必要とすることがなく、生産性を向上できる溝付きボルトの製造方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、頭部と、該頭部に続く首下部及び該首下部に続いて軸端にわたるネジ形成部を有し、該ネジ形成部に軸方向に延びる溝が凹設された軸部とから成るボルト素材の、前記ネジ形成部に転造ダイスによりネジを形成する溝付きボルトの製造方法において、前記首下部は、環状の凹溝をなすように形成されたボルトグリップ部を有する大径部と、該大径部より小径の小径部とを有し、前記溝の上端部には、該溝を前記大径部の下縁に連続させる連続凹部が形成され、この連続凹部は前記ボルトグリップ部に連通しており、
前記転造ダイスを、成形部と該成形部に続く仕上げ部とをそれぞれ有するガイド形成ダイスとネジ形成ダイスとを備えたものとし、前記ガイド形成ダイスの成形部で前記首下部を挟持して転動させることにより前記首下部にボルトグリップ部を形成するとともに、前記ネジ形成ダイスの成形部で前記ネジ形成部にネジを形成開始し、その後、前記ガイド形成ダイスの仕上げ部で前記ボルトグリップ部を挟持して転動させることにより該ボルトグリップ部をガイドとして前記ネジ形成ダイスの仕上げ部で前記ネジの仕上げ加工を行うことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ボルト素材の首下部をガイド形成ダイスで挟持して転動させつつネジ形成ダイスでネジ加工を行うようにしたので、ボルト素材を溝の影響を受けることなく均等に転動させることができ、適正なネジ形状を確保でき、ネジ加工精度を確保することができる。
【0011】
また、ガイド形成ダイスにボルトグリップ部を形成する機能があるので、ボルト素材を容易確実に挟持しつつ転動させることができ、ボルト素材の転造ダイスへの供給、及びボルト素材の保持に特別の装置等の配慮が不要であり、生産性を向上できるとともに、コスト増を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例1に係る溝付きボルトの使用状態を示す断面側面図である。
図2】前記溝付きボルトを製造するための転造ダイスの正面図である。
図3】前記転造ダイスの断面図(図2のIII-III線断面図)である。
図4】前記転造ダイスの一部を構成するガイド形成ダイスの断面図(図2のIV-IV線断面図)である。
図5】前記溝付きボルトの製造方法を説明するための斜視図である。
図6】前記溝付きボルトを製造過程において、溝付きボルトが前記転造ダイスに挟持された状態を示す断面正面図である。
図7】本発明の実施例2に係る溝付きボルトの使用状態を示す断面側面図である。
図8】前記実施例2に係る転造ダイスの正面図である。
図9】前記実施例2に係る転造ダイスの断面図(図8のIX-IX線断面図)である。
図10】前記実施例1に係る転造ダイスの変形例を示す平面図である。
図11】前記変形例に係る転造ダイスの断面図(図10のXI-XI線断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0014】
図1ないし図6は、本発明の実施例1による溝付きボルトの製造方法を説明するための図である。
【0015】
図1に示すように、本実施例1に係る溝付きボルト1は、オイルパイプ2dに固定されたユニオン部2をガスケット3を介在させて変速機ケース等の固定部4に取付けるために使用されている。前記ユニオン部2には、オイルパイプ2dが挿入固定される挿入孔2aと、前記溝付きボルト1が挿入される貫通孔2bと、オイルの流路を成す凹部2cとが形成されている。
【0016】
前記溝付きボルト1は、六角形のボルトヘッドを成す頭部5と軸部6とで構成されている。該軸部6は、前記頭部5に続く首下部8と、該首下部8から軸端6bに渡るネジ形成部7とを有する。前記首下部8は、前記頭部5側に位置する大径部8aと、これより小径の小径部8bとからなる。そして前記大径部8aには、ボルトグリップ部8cが、環状の凹溝状をなすように形成されている。
【0017】
そして前記ネジ形成部7には、ネジ7aが形成されると共に、該ネジ7aの外周面を2等分する位置、つまり軸線を挟んで対向する位置に溝9,9が凹設されている。この溝9は、前記ネジ形成部7の軸方向全長に渡り、さらに前記小径部8bに達する長さを有する。また前記溝9の上端部には、該溝9を前記大径部8aの下縁に連続させる連続凹部9aが形成されている。前記ユニオン部2の凹部2cは、前記ボルトグリップ部8c及び前記連続凹部9aを比較的大きな隙間を開けて囲んでおり、これによりオイルは、前記溝9及び連続凹部9aから前記凹部2cを通って前記オイルパイプ2dに支障なく流通する。
【0018】
前記ガスケット3は、前記頭部5とユニオン部2の上面との間に介在された上ガスケット部3aと、ユニオン部2の下面と前記固定部4の取付け面4aとの間に介在された下ガスケット部3bと、両ガスケット部を連結する連結部3cとを有する横断面コ字形状をなしている。このガスケット3により前記オイルの洩れが防止されている。
【0019】
前記溝付きボルト1の製造には、図2ないし5に示す一対の固定側ダイス10a,可動側ダイス10bからなる転造ダイス10が使用される。なお、図2は、可動側ダイス10bを示しており、固定側ダイス10aは可動側ダイス10bと左右対称となっている。
【0020】
前記固定側ダイス10a,可動側ダイス10bは、それぞれガイド形成ダイス11と、これに接続固定されたネジ形成ダイス12とを備えている。
【0021】
前記ガイド形成ダイス11は、略直方体を成しており、成形部11aと、該成形部11aに続く仕上げ部11bと、該仕上げ部11bに続く逃げ部11cとを有する。
【0022】
そして前記ガイド形成ダイス11の相手方ダイスとの対向面11dには、凸条部11eが該対向面11dの高さ方向略中央部に位置するように形成されている。前記凸条部11eは、横断面視で曲面をなし、前記対向面11dから僅かに突出しており、成形部11aの図2図4の左端部11e′では、その高さは0であり、ここから仕上げ部11bに向かって徐々に高くなり、この仕上げ部11bでは同一高さに設定され、さらに逃げ部11cでは徐々に低くなっている(図4参照)。
【0023】
前記ネジ形成ダイス12は、略直方体を成しており、初期逃げ部12aと、該初期逃げ部12aに続く成形部12bと、該成形部12bに続く仕上げ部12cと、該仕上げ部12cに続く逃げ部12dとを有する。そして前記ネジ形成ダイス12の相手方ダイスとの対向面12eに、前記初期逃げ部12aから前記逃げ部12dまでの全長に渡ってネジ形成歯12fが形成されている。なお、初期逃げ部12a,逃げ部12dでは、ネジ形成歯の高さが隣接部より少し低くなっている。
【0024】
前記転造ダイス10を使用して、前記溝付きボルト1を製造する方法について説明する。
【0025】
先ず、鋼棒の鍛造加工等によって形成されたボルト素材15を準備する。このボルト素材15は、頭部5と軸部6とを有する。この軸部6は、図1について説明した通り、前記頭部5に続く首下部8と、該首下部8に続いて軸端に渡るネジ形成部7を有する。このネジ形成部7の外周面7bを2等分する位置に溝9が凹設され、さらに連続凹部9aが形成されている。
【0026】
図5は、前記ボルト素材15が、ボルトグリップ部8c′及びネジ7a′の形成が進行した状態のボルト素材15′に変化し、さらに前記ボルトグリップ部8c,及びネジ7aの形成が完了した溝付きボルト1に変化する状態を示す。
【0027】
まず、前記ボルト素材15を、これの首下部8の大径部8aを前記固定側,可動側ダイスのガイド形成ダイス11,11の端部11e′,11e′に挟持させると共に、前記ネジ形成部7を前記固定側,可動側ダイスのネジ形成ダイス12,12の前記初期逃げ部12a,12aに挟持させる。
【0028】
続いて、前記固定側ダイス10aに対して可動側ダイス10bを図5左方に相対移動させる。この移動に伴って、前記ガイド形成ダイス11の凸条部11eの成形部11a部分によって前記大径部8aにボルトグリップ部8cが凹設開始され、同時に前記ネジ形成ダイス12のネジ形成ダイスの成形部12b部分によってネジ7aが形成開始される。前記可動側ダイス10bをさらに相対移動させると、これに伴って、前記ガイド形成ダイス11の仕上げ部11bで前記ボルトグリップ部8cを挟持して転動させることとなり、該ボルトグリップ部8cをガイドとして前記ネジ形成ダイス12の仕上げ部12cで前記ネジの仕上げ加工が行われる。そしてネジ7aが形成された溝付きボルト1が、前記ガイド形成ダイス11の逃げ部11c及びネジ形成ダイス12の逃げ部12dを通って前記転造ダイス10から排出される。
【0029】
本実施例1では、ボルト素材15の、溝9の形成されていない首下部8をガイド形成ダイス11で挟持して転動させつつネジ形成ダイス12でネジ加工を行うようにしたので、ボルト素材15を、溝9の影響を受けることなく均等に転動させることができ、適正なネジ形状を確保でき、ネジ加工精度を確保することができる。また、溝9,9を180度の角度間隔とすることにより、軸線を挟んで対向する位置に設けたので、この点からもネジ加工において溝9の影響をなくすことができ、ネジ加工精度を確保できる。
【0030】
また、ガイド形成ダイス11によりボルトグリップ部8cを形成するので、ボルト素材15を、前記溝9の影響を受けることなく容易確実に挟持しつつ転動させることができ、ボルト素材15の転造ダイス10への供給、及びボルト素材15の保持に特別の装置等の配慮が不要であり、生産性を向上できるとともに、コスト増を抑制できる。
【実施例2】
【0031】
図7ないし図9は、本発明の実施例2による溝付きボルトの製造方法を説明するための図である。図中、図1図6と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0032】
図7に示すように、本実施例2に係るユニオン部2の貫通孔2bは、同じ径で上下に貫通しており、実施例1にける凹部2cを備えていない。また貫通孔2bにオイル孔2eが開口している。
【0033】
また本実施例2に係る溝付きボルト1には、ボルトグリップ部8dが、首下部8の大径部8aの下部から小径部8bの下部に渡るように、つまり実施例1の場合よりネジ7a側に寄せて形成されている。また、前記ボルトグリップ部8dの最小径部は、ネジ7aの外径部より小径に形成されている。また、溝9の上端部に形成された連続凹部9aは前記ボルトグリップ部8dに連通しており、さらにこのボルトグリップ部8dは貫通孔2bに開口するオイル孔2eに連通している。
【0034】
このようにして本実施例2では、溝9は、連続凹部9a及びボルトグリップ部8dを介してオイル孔2eに直接連通しており、そのため本実施例2では、上述のように、実施例1における凹部2cが不要となっている。
【0035】
前記溝付きボルト1の製造には、図8及び図9に示す固定側ダイス10a,可動側ダイス10bが使用される。なお、固定側,可動側ダイス10a,10bは、左右対称をなしている。この固定側,可動側ダイス10a,10bは、実施例1における固定側,可動側ダイスと略同じ構造のものであり、ガイド形成ダイス11の凸条部11fが、ボルトグリップ部8dの形成位置に対応するように、ガイド形成ダイス11の対向面11dの下端寄りに形成されている点のみが異なる。
【0036】
前記実施例1と同様にして、ボルト素材15を、これの首下部8をガイド形成ダイス11,11で挟持しつつ転動させることにより、ガイド形成ダイス11,11がボルトグリップ部8dを形成しつつ、ネジ形成ダイス12,12がネジ7aを形成する。前記ボルトグリップ部8dは、連続凹部9aを介して溝9に連通する。
【0037】
以上のように、本実施例2では、前記溝付きボルト1の首下部8に、前記ガイド形成ダイス11によって、前記ネジ形成部7のネジ7aの外径より小径のボルトグリップ部8dを形成したので、該ボルトグリップ部8dが連続凹部9aを介して前記溝9と連通する。そのため、前記ユニオン部2に実施例1のような凹部2cを形成する必要がなく、同一径の直線状の貫通孔2bを形成するだけで済み、ユニオン部2の加工が容易であり、生産性が向上し、コスト増を抑制できる。
【0038】
なお、本実施例1では、転造ダイス10が略直方体を成している平ダイスである場合を説明したが、本発明の転造ダイスは、図10及び図11に示すロータリー式ダイス10′であっても良い。このロータリー式ダイス10′は、扇形の固定側ダイス10a′と、円筒形の回転側ダイス10b′とで構成されている。固定側,回転側ダイス10a′,10b′は、それぞれガイド形成ダイス11′,ネジ形成ダイス12′を備えており、前記実施例1,2と同様に、ボルト素材の首下部に、ガイド形成ダイス11′,11′の凸条部11eでボルトグリップ部を形成しつつ、ネジ形成ダイス12′,12′でネジ形成部にネジ加工を行う。
【0039】
前記ロータリー式ダイス10′を用いてネジ転造を行う場合も、適正なネジ形状を確保でき、ネジ加工精度を確保することができ、また生産性を向上できるとともに、コスト増を抑制できる。
【0040】
なお、前記実施例では、溝9を2つ設けた例を説明したが、本発明における溝は、前記実施例に限定されるものではなく、例えば90度間隔とする場合のように、軸線を挟んで対向する位置に溝を4つ設けることができる。このように、溝を対向する位置に設けることにより、ネジ加工における溝の影響をなくすことができ、溝によるネジ加工精度の悪化を防止できる。
【符号の説明】
【0041】
1 溝付きボルト
5 頭部
6 軸部
7 ネジ形成部
7a ネジ
7b ネジ形成部の外周面
8 首下部
8c,8d ボルトグリップ部
9 溝
10 転造ダイス
11 ガイド形成ダイス
12 ネジ形成ダイス
11a,12b 成形部
11b,12c 仕上げ部
15 ボルト素材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11